JP2012078569A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カートリッジ、現像器、現像剤を新品に交換した場合、現像剤がその放置環境から推移して現在の本体内環境になじむまでの間の色味変動を抑制すること
【解決手段】過去の環境条件を用いて現在の画像形成条件を決定するような画像形成装置において、現像剤が交換された直後に基準トナー像のトナー付着量を検出し、その検出値に基づいて現像剤の保管されていた環境条件を求め、環境履歴制御のスタート値を決定する。また透磁率式トナー濃度センサを用いる際、設置時の透磁率の値に基づいて現像剤の保管されていた環境条件を求め、環境履歴制御のスタート値を決定する。
【選択図】図6

Description

本発明は乾式電子写真方式のプリンタ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
乾式電子写真においてはトナーの摩擦帯電を利用しているので、周囲の雰囲気(温度、相対湿度、絶対水分量等)は重要なパラメーターである。そのため特許文献1、特許文献2のように、周囲の雰囲気を検知し画像形成条件を制御する技術が開示されている。
特許2808108号公報 特開2001−147620号公報
特許文献1、特許文献2においては、いずれも過去所定時間内の複数のタイミングでの雰囲気検知結果の履歴を記憶しその複数のデータに従って画像形成条件を制御する方式(以下、「環境履歴制御と記す」)が開示されている。このような制御の際、記憶手段に所定時間分の複数データが記憶されていない場合(例えば装置設置初期時、現像剤交換時)にどのように対処するかという課題があった。
この課題に対して特許文献1(「発明の効果」の箇所)、特許文献2(段落0052)において以下のような方策を提示している。
従来手法1:常温常湿度の固定値、または最新の周辺雰囲気検知データで代用する方法。(特許文献1、特許文献2より)
従来手法2:サービスマンがキースイッチ等の入力手段の押下により雰囲気検知データを補正して用いる方法。(特許文献1より)
しかしこれらの技術は出願当時の市場の状況を十分満足するものであったが、文書のカラー化が進み出力物の色味安定に対するユーザー要望レベルは高くなっており、現在となってはこれを満足するものではない。従来手法1では、設置時の現像剤の湿度はその場合の周囲環境とも、製造された際の周囲環境とも異なる場合が多いので、湿度変化によるトナー帯電量の変化を拾ってしまい初期色味変動の要因となる。また従来手法2においては、画像の濃淡を人間の目で判断するため不安定であったり、用紙の表面性によって判断を誤る可能性があった。
よって本発明においては「カートリッジ、現像器、現像剤を新品に交換した場合、現像剤がその放置環境から推移して現在の本体内環境になじむまでの間に発生する色味変動」が解決すべき課題である。
少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像器を備え、前記現像器周囲の湿度を検知するための湿度センサと、湿度センサの検出値を記憶する湿度記憶手段を備え、画像形成条件を決定する際にその湿度記憶手段に記憶された過去の被記憶湿度情報を用いるような画像形成装置において、
現像剤の初期状態において、前記トナーの帯電量を反映した帯電量関連パラメータを検出し、その帯電量関連パラメータに基づいて被記憶湿度情報を補正する。
過去の環境条件を用いて現在の画像形成条件を決定するような画像形成装置において、現像剤の初期状態でのトナーの帯電量を反映した帯電量関連パラメータを検出し被記憶湿度情報を補正することで、本発明の課題である「カートリッジ、現像器、現像剤を新品に交換した場合、現像剤がその放置環境から推移して現在の本体内環境になじむまでの間に発生する色味変動」を解決することができる。
本発明の実施例1および2の、画像形成装置の概略図。 本発明の実施例1の、1色分のステーションを説明する図。 本発明の実施例1の、1色分相当のブロック図。 本発明の実施例1および2の、環境履歴制御を説明するフローチャート。 本発明の実施例1の、rh値とVcont、Vbackの対応テーブル。 本発明の実施例1の、初期設置動作を説明するフローチャート。 本発明の実施例1の、トナー付着量と現像剤湿度の対応テーブル。 本発明の実施例2の、1色分のステーションを説明する図。 本発明の実施例2の、1色分相当のブロック図。 本発明の実施例2の、初期設置動作を説明するフローチャート。 本発明の実施例2の、透磁率と現像剤湿度の対応テーブル。
[実施例1]
図1に示すように、本実施例の画像形成装置はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光ドラム28Y、28M、28C、28Kを並置して設けた、いわゆるタンデム方式のフルカラー画像形成装置である。画像形成装置は各色のステーションにおいて各色のトナー像を作像し、中間転写ベルト24上で4色のトナー像を重ね合わせ、その後2次転写ローラー23zによって転写紙27に一括して2次転写する。4色分のトナー像を転写した転写紙27は定着器25による加熱および加圧をうけ、トナー像は転写紙27に定着し、固着画像を得る。転写紙27に転写されなかった残トナーは中間転写ベルトクリーナー26zによって除去される。
図2および図3によって、各ステーションの構成を詳しく説明する。以下の説明で符号の数字を単に示したものは、各ステーションに共通な部分である。各ステーションには帯電バイアス、現像バイアス、1次転写バイアスの印加のため、帯電バイアス電源41(Y、M、C、K)、現像バイアス電源42(Y、M、C、K)、1次転写バイアス電源43(Y、M、C、K)が備えられている。プリンタ制御部300は内蔵するCPU301などによって、先述した画像形成装置の各部分やバイアス電源の動作を制御する。
感光ドラム28の表面は1次帯電器21に帯電バイアス電源41から印加された帯電バイアスによって一様に帯電される。この一様に帯電された感光ドラム28上の電位を白地部電位またはVd(V)と呼ぶ。帯電バイアスは、直流成分Vchg(V)に交流成分を重畳したものであり、このような「AC帯電方式」では、Vchg(V)の値がほぼVd(V)になるように交流成分が調整される。
次に画像データ(画像信号)のレベルに対応する信号に基づいてレーザ22を駆動し、感光ドラム28上のVd(V)部を照射することで静電潜像が形成される。レーザー22による最大露光を行った部分の電位を最大濃度部電位またはVl(V)と呼ぶ。
現像器1について詳しく説明すると、本実施例では非磁性トナーと磁性キャリアを混合し現像剤として用いる「2成分現像方式」を採用している。非磁性トナーはポリエステルを主体とし、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれの色に応じた着色剤、および定着助剤であるワックスを混合した樹脂を粉砕分級したものである。トナー樹脂は本実施例で用いたポリエステルの他、スチレンアクリル系のものやそれらを混合したものなどを用いることが出来る。また本実施例で用いた粉砕分級法のほかに、重合法を用いて作成した球状のトナーを用いることも出来る。磁性キャリアはフェライトからなるコアをシリコン系樹脂によりコートしたものを用いる。コアとしてはマグネタイトなどの磁性粉末をフェノール樹脂などで固めて球状とした磁性樹脂粒子などを用いてもよい。またコート剤としてはスチレンアクリル系、フッ素系、その他様々な材料を使用してもよい。
現像器1の内部には2本並列に設けられたスクリュー対4が回転することで、現像剤を図2に対して垂直な方向に互いに逆方向に搬送し、図2の垂直方向両端部で現像剤を受け渡すことにより現像剤を攪拌しながら循環させている。
現像器1の開口部には、感光ドラム28に対向するように現像スリーブ3が設けられている。現像スリーブ3はその内部にマグネット5を備えていて、2成分現像剤を磁力によって担持して感光ドラム28表面に搬送する。現像スリーブ3には現像バイアス電源42から所定の直流成分Vdev(V)に交流成分を重畳した現像バイアスを印加する。Vl−Vdevの差分の絶対値をVcontと呼び、現像スリーブ3から見た静電潜像の最大濃度部の電位のことを指す。またVd−Vdevの絶対値をVbackと呼び、白地部のトナーかぶりを保証するために設けた電位差である。VcontとVbackの和はVdとVlの差分に一致し、この値を潜像コントラストと呼ぶ。最大露光量が決まっていれば、Vdに対してVlは一意に決まる。すなわちVdを調整することによって、潜像コントラストを調整することが出来、そこには所定の関係式が存在する。プリンタ制御部300はその所定の関係式を記憶していて、必要とされるVcont/Vbackの値から適切なVdの値、即ち帯電バイアスの直流成分Vchgを決定する。またその値からVbackの値を差し引いたものが、即ち現像バイアスの直流成分Vdevとなる。
各色のトナー像は1次転写帯電器23によって中間転写ベルト24上に重ねて1次転写される。1次転写後に感光ドラム28上に残った残トナーはクリーナー26により除去される。
図1および図3において、現像器温度センサ51(Y、M、C、K)は各色の現像器1にそれぞれ配置されていてその温度t(Y、M、C、K)を検知する。一方画像形成装置内部には環境センサ53が備えられていて、周辺の環境温湿度から環境温度T(℃)、RH(%)を検知する。環境センサ53は、画像形成装置の外壁に近く、かつ装置内の諸熱源からできるだけ離れた位置に配置されるとより好ましい。検知された温度t(Y、M、C、K)及びT(℃)、RH(%)はプリンタ制御部300に通知される。
次に図4のフローチャートにより、本実施例の画像形成装置の環境履歴制御をプリンタ制御部300の具体的な動作として説明する。なおここでの説明は1つの画像形成ステーションについてのものであり、実際は4ステーション分の動作をプリンタ制御部300が並列して行う。
まずプリンタ制御部300はプリント指示の命令を受ける(ステップS101)と、画像形成装置本体内の温湿度センサ53から現在の周辺環境の温度T(n)と相対湿度RH(n)の値を取得し(ステップS102)、これらの値から絶対水分量ABS(n)を求める(ステップS103)。温度および相対湿度から絶対水分量を求めるにはいくつか方法はあるが、本発明の画像形成装置はほぼ1気圧、温度0℃〜60℃程度の環境で使用されるため、Tetensの近似式
E(t)=6.11×10^(7.5×τ/(τ+237.3))…式(1)
(E:飽和水分量、τ:摂氏温度)
により温度τ℃時の飽和水分量を求め、相対湿度の値を乗じて絶対水分量ABS(n)求める方式をとる。次にプリンタ制御部300は現像器温度センサ51の温度測定値t(n)を取得し(ステップS104)、式(1)に基づいて温度t(n)における飽和水分量を求める。ここでプリンタ制御部300は現在の現像器1周辺の相対湿度rh(n)を
rh(n)=ABS(n)/(温度t(n)における飽和水分量)…式(2)
とすることにより求める(ステップS105)。なお上記で取得または算出されたT(n)、相対湿度RH(n)、ABS(n)、rh(n)には、制御部300がそれらの値を取得あるいは算出したときの時刻情報c(年月日、および時間、分、秒)が付帯されている。T(n)、相対湿度RH(n)、ABS(n)、rh(n)の取得あるいは算出は秒単位で数える限りほぼ同時であるから、これらの時刻情報c=c(n)(現在時刻)である。次にプリンタ制御部300は、前回のプリント動作において画像形成条件の決定に用いた現像器1内の現像剤の相対湿度の値rh(m)、およびその付帯情報として制御部300がrh(m)を算出したときの時刻情報c(m)を、内蔵されたメモリから取得する(S106)。
ここで、「現像器周囲の」環境が変化したときの「現像剤」の湿度について考察する。特許文献2の段落0013によれば「例えば装置本体の雰囲気が急激に変化した場合、感光体ドラムや現像装置内のトナー、あるいはこられを包含したプロセスカートリッジなどが周囲環境の変化に追従できず、」との記載がある。これを本発明の表現に倣って書くと、現在の「現像剤」の湿度rhは、とある時間(例えば時刻c(m))に算出された「現像剤の」湿度rh(m)でも、現在算出された現像器1周辺の湿度rh(n)でもなく、それらの値の間に位置することが予想される。
上記の考察、およびその考察を元に行った本発明者らの検討結果によれば、現在(時刻c(n))の現像剤の湿度rhは、以下の式(3)によって良好に近似される。
rh=(rh(m)−rh(n))×exp(−(c(n)−c(m))/β)+rh(n)…式(3)
ここでβは時間のディメンジョンを持つ時定数であり、現像器1の構成や現像剤物性、現像剤量などによって決定、ないしは実験的に求められるものであり、現像剤が周囲の環境になじむ速度を表わすものである。本実施例においてはβ=14400(sec)である。プリンタ制御部300は式(3)に基づいて、rh(m)、rh(n)、および時刻情報c(m)、c(n)から、現像剤の現在の湿度rhを求める(ステップS107)。そしてプリンタ制御部300は内蔵されたメモリ内のテーブル(図5)からrhに対応するVcont、Vbackをもとめ、それに従って帯電バイアスの直流成分Vchgと現像バイアスの直流成分Vdevを算出して画像形成条件を決定する(ステップS108)。しかる後にプリンタ制御部300は画像形成装置にプリントの実行を指示し、この時に画像形成条件の設定に用いた現像剤の湿度値rhでメモリ内に記憶されたrh(m)の値を上書きする(ステップS109)。このとき同時に、rhを算出した時刻であるc(n)の値をもってメモリ内に記憶されたc(m)の値を上書きする。
本実施例では以上のような環境履歴制御により画像形成条件を決定するが、現像器1の交換や現像剤の交換といった作業を行うと、記憶されたrh(m)はすでに画像形成装置から取り除かれた現像剤の湿度で、その後の画像形成装置の制御上は意味のない値となる。
この点について従来手法では、現像器1の交換や現像剤の交換の直後に、画像形成装置が検知し算出したrh(n)の値や、現像器1や現像剤が工場にて製造され密封された際の周囲環境で代用していた。しかしこの手段ではいずれも実際の現像器湿度とは異なるものであり初期色味変動の要因となっていた。あるいはこの点を鑑みてサービスマンが実際にその場でテストチャートなどを出力し、その画像の濃淡を人間の目で判断して補正していたが、不安定であったり、用紙の表面性によって判断を誤る可能性があった。そこで本実施例では以下に述べるような方法で現在の現像剤の湿度を精度よく算出しrh(m)の値として用いることで、従来手法では十分ではなかった点を解決するものである。
以下本実施例の画像形成装置において特徴的である初期化動作の具体例を、図6のフローチャートを用いて説明する。図6において、現像器1あるいは現像剤の交換が終わると、画像形成装置のプリンタ制御部300は初期化動作の指示を受信する(ステップS201)。初期化動作の指示は、サービスマンによる所定の操作であったり、現像器1に取り付けられたメモリタグ上のデータであったり様々な方式が考えられる。次にプリンタ制御部300は現像スリーブ3上に適正な量の現像剤が安定的に担持されるように、現像器1を1min空回転駆動する(ステップS202)。
次に、プリンタ制御部300は図5のテーブルのrh=50%相当の画像形成条件で画像形成装置を駆動し、画像データ64レベル(8ビットにおいて)としてレーザ22を駆動して感光ドラム28上を露光し基準潜像を形成する。この基準潜像を1minの空回転駆動を終了した現像器1で設定された現像バイアスを印加して現像し、トナーパッチを形成する。ここで、潜像条件が決められていて、なおかつ現像剤中のトナー重量比(トナー濃度)が(出荷直後であるから)定められており、さらにトナーやキャリアの劣化がない現像剤初期の状態では、トナーパッチのトナー付着量はほぼ一意に現像剤中のトナーの帯電量に対応する。
光学センサ54は感光ドラム28の現像器1と1次転写帯電器23の間に、感光ドラム28表面に対向するように設けられている。光学センサ54は、形成されたトナーパッチの反射光量を測定することでトナー付着量x(mg/cm^2)を検出し、その値はプリンタ制御部300に読み込まれる(ステップS204)。トナーパッチ読込動作が終了したことを検知すると(ステップS205)プリンタ制御部300は図7の標準トナー付着量テーブルを参照し、トナー付着量x(mg/cm^2)に対応するrh(x)(%)の値を決定する(ステップS206)。例えばトナー付着量がx=0.35(mg/cm^2)であればrh(x)=80(%)、トナー付着量がx=0.25(mg/cm^2)であればrh(x)=20(%)となる。その後プリンタ制御部300は、現像剤湿度の過去の値rh(m)をrh(x)で上書きする(ステップS207)。このときもちろん、付帯する時刻情報c(m)もトナーパッチを形成した際の時刻c(n)の値で上書きする。この一連の初期化動作を終えれば、その後は図4のフローに従い湿度値を算出して画像形成条件を決定することで、現像剤が初期状態であった場合の濃度変動を精度よく補正することが出来、本発明の目的が達成されるのである。
なおこの初期化動作のように、トナーパッチのトナー付着量から現像剤の湿度を推定してその値を書き換えるような動作は、初期化動作以外の場合には行われない。その理由は現像剤中のトナー濃度(公知の方法によって制御される)や現像剤の劣化程度に伴いトナーパッチのトナー付着量は変化していくので、もはや現像剤の湿度が一意に反映されるとはいい難い状態になるからである。異なる目的で同様なトナーパッチ形成動作が用いられたとしても、その際のトナー付着量の値をもってrh(m)を書き換える動作は行わない。また、実際には図7の標準トナー付着量テーブルを参照した際、rh(x)の値には誤差が発生する場合がある。例えば感光ドラム28表面の機能樹脂層の膜厚があるが、公知の方法に従い補正することができる。また感光ドラム28露光量に対して電位を減衰させる特性も誤差要因であるが、この誤差を回避するためにはVchgとVdevの相対関係を変化させVd部を基準潜像として用いる方法(アナログパッチ)等がある。
[実施例2]
本実施例の画像形成装置の概略構成は実施例1と同じく図1のような構成であるが、各ステーションの構成は図8に、ブロック図は図9に示したような構成である。また現像剤交換手段として、現像器1を丸ごと交換する形態をとる。
図8および図9において、透磁率センサ55はスクリュー対4付近に現像剤の循環経路に沿うように配置されていて、非磁性トナーと磁性キャリアの混合比によって透磁率が変化することを利用してトナー濃度を検出する構成である。スクリュー対4は多くの場合非磁性部材であり、透磁率センサ55の生出力はスクリュー対4の回転周期にあわせて変動する。このため現像器1中の現像剤の透磁率を求めるためにはスクリュー対4の回転周期1回あたり好ましくは4箇所以上、スクリュー対4が内1回〜数回回転する時間だけ透磁率生検知を行い、これを平均化処理することで行われる。以下特に注記のない限り、「現像剤の透磁率」と述べた場合はこの平均化処理をした後の出力を指すものとする。
透磁率センサ55は基準となる物体の透磁率に対しセンサ固有の出力ばらつきがあるので、これを補正して用いるために駆動電源とは別に制御電圧による出力調整を行う。この透磁率センサ制御電圧値の決定は、現像器1の製造時に安定的に所定の透磁率をもつ校正部材の透磁率を透磁率センサ55に検知させ、所定の出力(例えばフルスケール5.0V出力に対し2.5V)となるよう調整することで行われる。より詳しく述べれば、校正部材の透磁率は本実施例における初期現像剤が初期のトナー濃度と初期の標準的な湿度(本実施例では50%)である場合の透磁率と同一となるように調整されたものであり、不安定な粉体よりは安定的な固体を用いることが好ましい。
本実施例の画像形成装置の環境履歴制御については実施例1と同様、図4のフローチャートに基づいて行われる。
以下本実施例の画像形成装置において特徴的である初期化動作の具体例を、図10のフローチャートを用いて説明する。図10において、現像器1の交換が終わると、画像形成装置のプリンタ制御部300は初期化動作の指示を受信する(ステップS301)。この時プリンタ制御部300は現像器1のメモリタグ(不図示)に記憶された透磁率センサ制御値のデータを読み込む(ステップS302)。
次にプリンタ制御部300はスクリュー対4によって、透磁率センサ55の検知面に適正な量の現像剤が安定的に担持されるように現像器1を1min空回転駆動し(ステップS303)、空回転が停止する直前に透磁率センサ55の検出値y(V)を取得する(ステップS304)。この時の透磁率センサ55の検出値yは、初期のトナー濃度と「その時の」湿度をもつ現像剤を検知したものである。一般に本実施例のような2成分現像剤の透磁率は、トナー濃度およびかさ密度によって変化する。かさ密度は同じ重量の粉体が空気をふくんで見かけの体積が大きく/小さくなると減少/増加する。これに伴い透磁率センサ55での検出値も小さく/大きくなる。このかさ密度は現像剤を構成するトナーとキャリアの帯電量によって変化することが知られていて、帯電量が大きく/小さくなるとキャリア同士の反発によってかさが増加/減少し、すなわちかさ密度は下がり/上がり、透磁率センサ55の検出値も小さく/大きくなる。一方湿度の増加/減少に伴ってトナーとキャリアの帯電量は減少/増加することもよく知られている。すなわち、透磁率センサ55の検出値y(V)が2.5Vより大きい/小さいということは、その分だけ検知した現像剤の湿度が50%に対し大きい/小さいということである。本実施例はその性質を考慮して初期現像剤の吸湿状態を検知するものである。
透磁率センサ55の検出値yと初期現像剤の湿度との関係は図11に示したテーブルとしてプリンタ制御部300に記憶されている。プリンタ制御部300は検出値yの取得後現像器1の駆動を停止させ、図11のテーブルを参照して検出値yの値に相当する現像剤湿度値rh(y)を算出する(ステップS305)。例えば検出値y=1.5Vであればrh(y)=20%、検出値y=3.5Vであればrh(y)=80%とする。即ちこの湿度値rh(y)が、交換され新しくなった現像剤の湿度であるから、プリンタ制御部300はこの値をrh(m)として上書きし記憶する(ステップS306)。この一連の初期化動作を終えれば、その後は図4のフローに従い湿度値を算出して画像形成条件を決定することで、現像剤が初期状態であった場合の濃度変動を精度よく補正することが出来、本発明の目的が達成されるのである。
なおこの初期化動作のように、透磁率センサ55の値から現像剤の湿度を推定してその値を書き換えるような動作は、初期化動作以外の場合には行われない。その理由は、画像形成を繰り返すことで現像剤中のトナー濃度(公知の方法によって制御される)や現像剤の劣化程度に伴う透磁率変化分がしていくので、もはや現像剤の湿度が一意に反映されるとはいい難い状態になるからである。異なる目的で同様な透磁率検知動作が用いられたとしても、その際の透磁率の値をもってrh(m)を書き換える動作は行わない。
以上本発明の画像形成装置について2つの実施例を用いて説明したが、もちろん上記実施例の形態の詳細にとらわれる必要はない。例えばrh(n)によって変更される画像形成条件は帯電バイアス電源41の出力値、現像バイアス電源42の出力値に限らない。例えば、1次転写バイアス電源42の出力値や、レーザー22の最大露光量、画像データのレベルをレーザー22の駆動時間に対応する信号に変換するためのテーブル(γルックアップテーブル)などを調整することが考えられる。
3.現像スリーブ
4.スクリュー対
21.1次帯電器
22.レーザー
23.1次転写帯電器
28.感光ドラム
41.帯電バイアス電源
42.現像バイアス電源
43.1次転写バイアス電源
51.現像器温度センサ
53.環境センサ
54.光学センサ
55.透磁率センサ
300.プリンタ制御部

Claims (4)

  1. 少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像器を備え、前記現像器周囲の湿度を検知するための湿度センサと、前記湿度センサの検出値を記憶する湿度記憶手段を備え、画像形成条件を決定する際に前記湿度記憶手段に記憶された過去の被記憶湿度情報を用いるような画像形成装置において、
    現像剤の初期状態において、前記トナーの帯電量を反映した帯電量関連パラメータを検出し、その帯電量関連パラメータに基づいて前記被記憶湿度情報を補正することを特徴とする画像形成装置。
  2. 潜像担持体と、基準潜像を前記現像器によって現像することで得られる基準トナー像のトナー付着量を検知するトナー付着量検知手段とを備えていて、現像剤の初期状態において、前記トナーの帯電量を反映した帯電量関連パラメータとして、前記基準潜像を前記現像器で現像して形成した基準トナー像のトナー付着量を用いることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 前記現像剤が非磁性トナーと磁性キャリアを少なくとも含む現像剤であって、前記現像器に収容された現像剤の透磁率を検知する透磁率センサを備えていて、現像剤の初期状態において、前記トナーの帯電量を反映した帯電量関連パラメータとして、前記透磁率センサの検知した透磁率を用いることを特徴とする請求項1または請求項2の画像形成装置。
  4. (1)画像形成装置周囲の温湿度を検知するための温湿度センサ、
    (2)現像器近傍の温度を検知するための温度センサ、
    (3)前記温湿度センサの検知した温湿度情報と前記温度センサの検知した温度情報から前記現像器近傍の湿度を算出する現像器湿度算出手段、として、前記湿度センサは、少なくとも前記(1)(2)(3)を含む構成であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
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Cited By (4)

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JP2015135478A (ja) * 2013-12-19 2015-07-27 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2016224374A (ja) * 2015-06-03 2016-12-28 ブラザー工業株式会社 画像形成装置
JP2018063359A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 ブラザー工業株式会社 画像形成装置および画像形成方法
JP2020085973A (ja) * 2018-11-16 2020-06-04 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置、キャリア劣化判断方法およびキャリア劣化判断プログラム

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