JP2004163478A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】OHTモードや光沢モード、その他、紙の光沢に合わせたモード(以下、「グロスコントロールモード」と呼ぶ)において、2成分現像剤の耐久変化によらず、白地部にかぶりの無い高い画質の画像が得られる画像形成装置を提供すること。
【構成】潜像形成手段と、現像容器と、現像剤担持体と、現像バイアス手段と、現像手段とを備えた画像形成装置において、前記現像容器内の2成分現像剤の耐久状態を検知・確認する手段を有し、前記像担持体の回転速度及び現像担持体の回転速度が少なくとも第1の回転速度より低い場合は、前記2成分現像剤の耐久状態の検知結果により、現像時のかぶり取り電位を変化させる。
【選択図】 図1
【構成】潜像形成手段と、現像容器と、現像剤担持体と、現像バイアス手段と、現像手段とを備えた画像形成装置において、前記現像容器内の2成分現像剤の耐久状態を検知・確認する手段を有し、前記像担持体の回転速度及び現像担持体の回転速度が少なくとも第1の回転速度より低い場合は、前記2成分現像剤の耐久状態の検知結果により、現像時のかぶり取り電位を変化させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等によって像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視画像を形成する複写機、プリンタ、記録画像表示装置、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、現像剤担持体の表面に顕画剤としての乾式現像剤を担持し、静電潜像を担持した像担持体の表面近傍にこの現像剤を搬送供給し、像担持体と現像剤担持体の間に交互(交番)電界を印加しながら静電潜像を現像して顕像化する現像装置が良く知られている。
【0003】
尚、上記現像剤担持体は、一般に現像スリーブが用いられる場合が多いので、以下の説明では「現像スリーブ」と称し、又、像担持体は一般に感光体ドラムが用いられる場合が多いので、以下の説明では「感光体ドラム」と称する。
【0004】
上記現像方法として、従来から、例えば2成分系組成(キャリア粒子とトナー粒子)から成る現像剤(2成分現像剤)により、内部に磁界発生手段である磁石を配置した現像スリーブの表面に磁気ブラシを形成し、微小な現像間隔を保持して対向させた感光体ドラムにこの磁気ブラシを摺擦又は近接させ、そして、現像スリーブと感光ドラム間(S−D間)連続的に交互電界を印加することによってトナー粒子の現像スリーブ側から感光体ドラム側への手に及び逆転移を繰り返して行わせて現像を行う、所謂磁気ブラシ現像法が知られている(例えば、特開昭55−32060号公報、特開昭59−165082号公報参照)。
【0005】
上記2成分磁気ブラシ現像用の現像装置は、隔壁によって現像室と攪拌室に区画された現像容器を備えており、現像室と攪拌室はそれぞれ攪拌部材である攪拌搬送スクリューが回転可能に収容されている。現像室の開口部には、所定の方向に回転する感光体ドラムと微小間隔をおいて、所定の方向に回転する現像スリーブが対向配置され、その内部には磁石が固定配置されている。
【0006】
又、通常、2成分磁気ブラシ現像用の現像装置を備える画像形成装置では、像担持体と現像剤担持体の回転速度の比及び現像剤担持体の回転速度と攪拌部材である攪拌搬送スクリューの回転速度の比は、画像形成装置と現像剤の組み合わせにより決められている。
【0007】
又、現像容器中にはトナー粒子と磁性キャリアが混合された現像剤が収容されており、トナー粒子と磁性キャリアの混合比(以下、「T/C比」と称する)は、現像により消費されたトナーに見合った量のトナーが、補給用トナーが収容されているトナー貯蔵室から落下補給されることで一定に保っている。
【0008】
そして、落下補給されたトナーは、攪拌室内のスクリューによる攪拌によって現像容器中の現像剤と攪拌されて搬送される。現像室内の搬送スクリューの現像剤搬送方向とは逆に容器長手方向に沿って搬送する。隔壁には手前側と奥側に開口が設けられており、この開口部で現像剤の受け渡しが行われる。
【0009】
ところで、現像容器中の2成分現像剤のトナー粒子と磁性キャリアの混合比の維持は、出力画像の安定化に非常に重要であり、その検知、維持方法は従来様々な方式が提案されている。例えば、感光体ドラム周辺に検知手段を設け、感光体ドラム上の現像トナー像に光を照射し、このときの透過光或は反射光からトナー補給量を調整し、その結果としてT/C比を検知する方式、現像スリーブ近傍に検知手段を設け、現像スリーブ上に塗布された現像剤に光を照射したときの反射光からT/C比を検知する方式、又、現像容器中にセンサを設け、コイルのインダクタンスを利用してセンサー近傍の一定体積内の現像剤の見掛け透磁率変化を検知し、T/C比を検知する方式が提案され、既に実用化されている。
【0010】
又、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置においては、定着処理を変えることによって画質の異なる画像が形成されることを利用し、種種の画像形成モードを使用することができるように設計されているものが多い。
【0011】
即ち、文書の作成等通常の画像形成を行うモードの他に、OHTに透明度の高い画像を形成するOHTモードや色彩の鮮やかさを強調するために光沢性に富んだ画像を形成する光沢モードや、紙質に合わせた光沢感を形成するためのモード(グロスコントロールモード)、更には光沢感が多少劣るが通常より速い速度で画像形成するモード等の機能を具備した画像形成装置が考えられている。
【0012】
OHTモードや光沢モードは定着処理において、加熱温度を上げるか又は加熱時間を長くすることによって、画像を形成しているトナーの溶解度を高め、透明度や光沢性を高めている。このために、OHTモードや光沢モードにおいては、定着装置に搬送される記録剤の搬送速度を下げることによって、記録材が定着装置を通過する時間を長くすることが行われている。そして、記録材の搬送速度を下げることに対応して、感光体の移動速度も下げられる。同様に紙の光沢に合わせた光沢感を形成するためには、その光沢を形成するための搬送速度を持つことになる。又、通常より光沢を下げても画像形成速度を速くするために、定着可能な速度の限界まで速くするモードを持つことを可能にする速度を持つ場合もあり、それに合わせて感光体の移動速度もそのモードに合わせて持つことになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のように、OHTモードや光沢モード、その他、紙の光沢に合わせたモード(以下、「グロスコントロールモード」と呼ぶ)、更には高速モードにおいては、前述のように感光体の移動速度及び記録材の搬送速度の速度の変化に伴い、現像剤担持体速度及び現像剤装置中の現像剤を攪拌する現像攪拌手段の作動速度も変化されることになる。
【0014】
通常は前述のように、像担持体と現像剤担持体の回転速度の比及び現像剤担持体の回転速度と現像剤攪拌部材の回転速度は、その現像器構成により決められている。そして、記録材の搬送速度の変化に伴い感光体の移動速度が変化した場合にも、その比は一定に保ちながら、現像剤担持体及び現像剤攪拌部材の回転速度も変化していた。つまり、通常コピーシーケンスで使用される像担持体の回転速度に対して、光沢モードのように定着速度を落として十分にトナーを溶かしグロスを出す場合、記録材の搬送速度を低下させるのに伴い、像担持体の移動速度も落としていた。そのため、現像剤担持体の回転速度も落とし、像担持体と現像剤担持体の周速比を一定に保っていた。同様に、高速モードの場合は、記録材の搬送速度を上げるため、像担持体の回転速度も上げ、その像担持体と現像剤担持体の周速比を一定に保っていた。
【0015】
ところで、2成分現像を使用するとき、キャリアとトナーを接触摩擦帯電させることによりトナーにトリボが与えられる。この2成分現像剤中のトナートリボ分布は所望のトリボ近傍に集中することが望ましいが、トナーやキャリアの粒径及びキャリアの帯電付与能、更にはトナーの荷電制御剤や帯電を補助する外添剤の状況により所望のトリボのみを得ることが難しい。結局、所望のトリボを中心として低トリボと高トリボのトナーも存在し、分布としては所望のトリボを中心として末広がり(ブロード)分布になる。この低トリボのトナーや逆帯電しているトナーが所望のトリボを持つトナーを制御する筈の現像バイアスでは制御し切れないで白地部に“かぶり”という現象を引き起こすことになる。
【0016】
最近、前述のように、像担持体の回転速度低下に伴い、現像剤担持体の回転速度を落とすことにより、単位時間内の現像ニップが広がり、通常よりこの“かぶり”が悪くなる現象が発生した。
【0017】
又、耐久が進むに連れ、現像剤中のトナートリボ分布における低トリボ側のトナーが初期に比べて増加することが分かっている。これは、キャリア表面にトナーや外添剤等が付着してキャリアの電荷付与能力を低下させるため、十分にトリボを付与されないトナーが像担持体上に現像されず、現像剤担持体上を連れ回り、低トリボトナーが増加してくると考えられている。更に、現像剤中のトナー比が一定のまま耐久が進むと、相対的な現像剤のトリボが低下することになり、このような現象が悪化する。
【0018】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、OHTモードや光沢モード、その他、紙の光沢に合わせたモード(以下、「グロスコントロールモード」と呼ぶ)において、2成分現像剤の耐久変化によらず、白地部にかぶりの無い高い画質の画像が得られる画像形成装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、この潜像形成手段により像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を該像担持体上に形成するために、非磁性トナーと磁性キャリアを含む2成分現像剤を収容する現像容器と、2成分現像剤を担持し現像するための現像剤担持体を持ち、2成分現像剤を攪拌するための攪拌手段とを持ち、且つ、前記現像剤担持体にはAC重畳のDCバイアスを印加する手段を有し、前記像担持体の回転速度が可変であり、且つ、その回転速度は第1の回転速度と少なくとも第1の回転速度より低い回転速度を含む2種以上の回転速度を有し、且つ、像担持体回転速度に伴い現像剤担持体速度も第1の回転速度と少なくとも第1の回転速度より低い回転速度を含む2種以上の現像剤担持体回転速度を有し、且つ、像担持体と現像剤担持体のニップ部での移動速度の比を可変にすることが可能である現像装置を備えた画像形成装置において、現像容器内2成分現像剤の耐久変化に伴ってかぶり取り電位を変化させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
<実施の形態1>
図1は本発明に係る画像形成装置の概略断面図である。
【0022】
本画像形成装置は、複数の画像形成ステーションを有する4ステーションのレーザビームプリンタであり、これには感光ドラムの周囲に画像形成手段を有して構成される画像形成ステーションがマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの4色に対応して設けられ、各ステーションにて形成された感光ドラムに対向して移動する転写ベルトによって搬送される転写材上に転写される。
【0023】
即ち、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像形成ステーションPm,Pc,Py,Pkにそれぞれ感光ドラム4m,4c,4y,4kが配接され、これらの感光ドラム4m,4c,4y,4kは図の矢印方向(時計方向)に回転される。そして、各感光ドラム4m,4c,4y,4kの周囲には、コロナ帯電器46m,46c,46y,46kと、光走査手段としての走査光学装置47m,47c,47y,47kと、現像装置9m,9c,9y,9k及びクリーニング器48m,48c,48y,48kが配設されている。
【0024】
更に、画像形成手段の一部を構成する転写部は、各画像形成ステーションPm〜Pkに共通して用いられる転写ベルト49a及び各感光ドラム4m〜4k用の転写帯電器49m,49c,49y,49kを有し、フルカラー画像形成は、転写ベルト49a上に形成された転写材P上に感光ドラム4m〜4k上に形成されたトナー像を順次転写することによって実現される。
【0025】
一方、転写材Pは、給紙カセット50から転写ベルト49a上に供給され、転写工程が終了すると転写ベルト49aから分離され、定着器51を経てトレイ52に排出される。
【0026】
又、前記走査光学装置47m,47c,47y,47kは、不図示のレーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を走査する回転ポリゴンミラーと、走査ビームを感光ドラム4m〜4k表面の母線上に集光するfθレンズと、その光束を偏向する反射ミラーと、走査ビームの特定位置を検出するビーム検出装置とで構成されている。
【0027】
現像装置9は、図5に示すように、現像装置9は、現像容器9aを備え、その内部は隔壁6によって現像室16と攪拌室17とに区画され、攪拌室17には不図示のトナー貯蔵室から現像で消費されたトナーに見合った量のトナーが攪拌室17内に補給される。
【0028】
一方、現像室16及び攪拌室17内には、トナー粒子と磁性キャリアが混合された2成分現像剤が収容されている。現像室16内には現像剤搬送スクリュー11が収容されており、回転駆動によって現像剤を現像スリーブ3の長手方向に沿って搬送する。又、攪拌室17内に収容されているスクリュー12による現像剤搬送方向は、スクリュー11の搬送方向とは反対方向である。隔壁6には手前側と奥側に開口が設けられており、スクリュー11で搬送された現像剤はこの開口の1つからスクリュー12に受け渡され、又、スクリュー12で搬送された現像剤は上記の開口の他の1つからスクリュー11に受け渡される。
【0029】
又、現像容器9aの感光体ドラム4に近接する部位には開口部が設けられている。該開口部には、アルミニウムや非磁性ステンレス鋼等の非磁性材質であり、且つ、その表面には適度な凹凸が設けられている非磁性現像スリーブ3が設けられている。現像装置9は、矢印a方向へ周速度Vaで回転する像担持体としての感光ドラム4上の潜像を現像するために、矢印b方向へ周速度Vbで回転して現像容器9a内の現像剤を感光ドラム4上と対向した現像部の方へ搬送する現像剤担持体3を有する。
【0030】
通常、現像剤担持体3は円筒状の現像スリーブ3であり、その内側に磁界発生手段13として磁化されたマグネットローラ13のN2極で現像スリーブ3上に汲み上げられるとほぼ同時に、現像剤は現像スリーブ3に対してS2極部近傍に非接触で対向配置された規制ブレード2によって層厚を規制され、現像スリーブ3上に現像剤の薄層が形成される。マグネットローラ13の現像部に位置されたS1極は現像主極であり、S1極によって穂立ちした現像剤が感光ドラム4上に形成された潜像を現像し、現像スリーブ10の回転に伴いマグネットローラ13上をN3極→S2極→N2極と搬送される。現像剤は、その後N2極、N1極の反発磁界により現像スリーブ3から除去され、現像剤は現像容器9a内に落下し戻される。
【0031】
又、現像バイアスとしては、下記に説明するものが望ましい。
【0032】
即ち、現像バイアスの印加が、2成分系現像剤に像担持体(感光体ドラム)から現像剤担持体(現像スリーブ)に向かう方向の力を与える電圧を或る時間印加する工程と、逆に2成分系現像剤に現像スリーブから感光体ドラムに向かう力を与える電圧を或る時間印加する工程とを交互に複数回繰り返す交流バイアスと、且つ、その交流バイアスの現像スリーブから感光体ドラムに向かう力を与える電圧を印加した後に、感光体ドラム上の静電潜像の画像部の電圧と非画像部の電圧との間に或る直流電圧を上記現像スリーブに一定時間印加し、これら交流バイアスと直流バイアスの組み合わせリサイクルを繰り返すことによって行う(以下、この現像バイアスを、ブランク・パルス・バイアスと呼ぶ)。
【0033】
以上説明したカラー画像形成装置について、通常画像形成モードとそれ以外のモード、例えば、OHTモード、光沢モード、グロスコントロールモード、高速モードについて、本実施の形態ではOHTモードについて説明する。
【0034】
前述の画像形成工程において、普通紙等に画像を形成する通常画像形成モードにおける画像形成工程では、記録材を速度V1で搬送して画像が形成される場合、感光体周速度はVa1とする。このときの現像スリーブ周速度をVb1とし、そのVb1/Va1(現像スリーブの対ドラム周速比)をn1とする。
【0035】
これに対して、オーバーヘッドプロジェクター用の透明シート(以下、OHTと称する)に画像を形成する場合、透明度の高い画像を形成するために、定着工程においてトナーの溶解度を高めて画像の透明度を上げることが行われ、トナーの溶解度は定着時間を長くすることと、定着温度を高くすることによって高められるので、前記のようにOHTに画像を形成するOHTモードの場合には、記録材が定着装置51を通過する速度を下げることが行われる。そして、記録材の搬送速度の低下に伴って、感光体4の移動速度もVa1からVa2に落とすことになる。
【0036】
ここで、感光体4の移動速度が前記のように変化した場合、今までは、その感光体4の移動速度と現像装置9の現像スリーブ3の回転速度が、通常の画像形成モードのn1(現像スリーブの対ドラム周速比Vb1/Va1)になるように変化させていた。
【0037】
本発明者の実験において、通常の画像形成速度での感光体の移動速度を150mm/sec、リファレンスの感光体と現像スリーブの周速比を1.5倍とし、現像バイアスにはブランク・パルス・バイアスを使用し、8kHzの矩形2波形に、同じ長さのブランクを印加し、Vpp=1.8kVとした。白地部の感光体ドラム電位V00と現像スリーブ電位Vdc間の電位差をVbackとしたとき、このVbackに対する感光体ドラム上のトナーかぶり反射率を測定した。評価方法については後述する。
【0038】
感光体上のかぶり反射率の基準としては、感光体上で3%以下が望ましく、感光体上で3%以上になると、結果として転写材に転写されるものが増え、紙上にもかぶり画像となって現れてくる。又、本発明者の実験では、現像スリーブ上の現像剤量(m/s)が20〜40mg/cm2 、現像剤のトナー濃度、つまりT/D比(T:トナー量、D:現像剤量)が5〜12%とし、単位質量当たりの平均電荷量が約30μC/gであるトナーを用いた。
【0039】
図6に本発明者の実験結果を示す。
【0040】
図6に示すように、現像スリーブの対ドラム周速比を一定にしたまま、ドラム周速を落とした(ドラム周速を半分)とき、ドラム周速がRefの場合に対してかぶりが多少悪化した。更に、画像dutyが5%である画像で耐久した後(ここでは40k分)、初期と同様に、かぶり反射率をVbackを変化させて測定したところ、更にかぶりの良好なVback範囲が狭まり、且つ、現像剤の劣化に伴い、Vbackの中心値も変化したことが分かる。Vbackの中心値は、帯電状況、バイアスの振れ等考えると、かぶりの良好な範囲のVbackが最低でも中心値に対して±30Vはかぶりが3%以下となる範囲があることが望ましい。
【0041】
図6の結果を踏まえて、例えばVbackを110Vに設定した場合、耐久後にドラム周速を半分にした場合、ドラム上3%以上かぶることになる。Vbackが大きい側のかぶりについては、逆帯電しているトナーがドラム上に現像されてしい発生するので、転写材には転写されず、画像に影響を及ぼしにくいが、トナー消費量の増加やクリーニング装置近傍での飛散等を伴うため、好ましくない。
【0042】
逆に、耐久後の結果を踏まえて、Vbackを80Vにすると、初期でも3%以上かぶることはないが、Vbackの低いところで、ややかぶり気味になり易いため、その分トナー消費量を増加させ、且つ、最適な条件ではないので好ましくない。結果として、感光体ドラムを半速にした場合、初期に対して耐久後は、Vbackを変化させることが望ましいことになる。
【0043】
又、耐久状態に関しては、現像スリーブを駆動する不図示のモーターから繋がる軸にフラグを、その受け側としてセンサを設けて、その回転数を検知加算することにより回転数を検知する方法、若しくは感光体ドラム軸(不図示)に、同様のフラグとセンサを設けて感光体ドラムの回転数を検知することにより、そこから現像スリーブの回転数を算出す方法、又は画像信号を入力する際にカウンタを設け、そのカウンタより現像剤の耐久状態を検知する方法等、現像剤の耐久状態を検知できる手段であればどの方法でも良い。
【0044】
本実施の形態では、クリーナー付きの画像形成装置に対して言及したが、クリーナーレスシステムの画像形成装置では、更に効果を示す。クリーナーレスシステムの場合は、特に、転写されないかぶりトナーはそのまま帯電器にいってしまうため、帯電不良を生じてしまう等弊害が大きく、Vbackを変化させることは効果的である。
【0045】
以上の結果を踏まえ、本実施の形態では、感光体ドラムを半速にする場合、耐久変化に伴い、Vbackを変化させることにより、弊害を生ずることなく、かぶりのない良質な画像を得ることが可能となった。
【0046】
(かぶり反射率)
測定原理としては、光源と受光素子を設けた検出部を試料(紙)に当て、反射した光量を測定することにより、反射率(%)を得る。そして、トナーのかぶり反射率を得るときに、複写機の場合は、現像器を動作させないで通紙した紙(定着器によるオイル付着等の影響を受けた紙)を基準紙とし、基準紙との差分でトナーのかぶり量を定義する。
【0047】
本発明者の実験では、Tokyo Denshoku Technical center 社製の反射率計(REFLECTOMETER )・型式TC−6D を用いて行った。
【0048】
先ず、基準紙(本実験では、白紙にマイラーテープを貼ったもの)をかぶり測定サンプルを取る場合に同時に用意しておく。次に、測定したい条件で感光体上に現像動作させたものに対して、感光体上にマイラーテープを貼り付け、剥離する。そのテープを白紙上に貼り付け、測定サンプルとする。その後、シアン測定の場合はアンバー、イエロー測定の場合はブルー、マゼンタ及びブラック測定の場合はグリーンのフィルターを使用して、測定する。そのときの測定サンプルの測定値をA(%)と、基準サンプルの測定値をB(%)とする。そして、かぶり反射率を
(かぶり反射率)=A−B(%)
として求める。
【0049】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0050】
本実施の形態では、前記実施の形態1に対して、感光体ドラム近傍に感光体ドラム上の濃度検知手段としてのセンサーを配接する。これは、感光体ドラムの周速を落とす場合に、白地にするため(トナーを感光体に現像しないため)の現像バイアスV00で現像動作を行い、その感光体ドラム上を濃度検知手段を用いて濃度、つまり、かぶり濃度を測定し、それに伴ってVbackを変化させる。
【0051】
図3は本実施の形態に係る画像形成装置の断面図である。
【0052】
図2に感光体ドラム上の画像濃度を検知する濃度検知手段である光学センサ30の構成を簡単に示す。同図において、発光素子301は近赤外光を発するLEDであり、受光素子302はフォトダイオードである。一般的にイエロー、マゼンタ、シアンの色トナーは、近赤外光を反射し、各色の画像濃度信号レベルが大きくなり、画像濃度が大きくなるに従いセンサー出力は大きくなる。
【0053】
この光学センサ30の電圧を5Vフルレンジで使用した場合、且つ、黒トナーも色トナーも像担持体上で検知を行う場合、従来では図4に示したようにドラム反射光量を2.5Vになるように光学センサの増幅率を決定して使用していた。
【0054】
このセンサーを用いて、感光体ドラムを半速にするシーケンスがきた場合、紙間等を用いてV00電位の現像動作を行い、感光体ドラムのかぶり反射率が3%になる場合の濃度信号レベルを超えないことを確認する。又、感光体ドラムのかぶり反射率が3%を超える場合は、Vbackを変化させてその感光体ドラムの反射率が3%を超えないVbackを用いて画像動作を行うこととする。
【0055】
こうすることにより、耐久変化に伴い、感光体ドラムの周速を落とした場合のVbackの最適範囲が変化した場合でも、良好な画像を得ることが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、2成分現像装置において、像担持体と現像剤担持体の回転速度が第1の回転速度より遅い場合、現像剤の耐久状態の変化に伴ってかぶり取り電位を可変とすることにより、長期に亘ってかぶりの無い良好な画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の断面図である。
【図2】光学センサの構成図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の断面図である。
【図4】信号濃度レベルとセンサ出力電圧との関係を示す図である。
【図5】現像装置の断面図である。
【図6】実験結果を示す図である。
【符号の説明】
2 層厚規制部材
3 現像スリーブ(現像剤担持体)
4 感光ドラム
6 隔壁
9 現像装置
9a 現像容器
11,12 搬送スクリュー
13 マグネットローラ(磁石)
16 下側容器
17 上側容器
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等によって像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視画像を形成する複写機、プリンタ、記録画像表示装置、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、現像剤担持体の表面に顕画剤としての乾式現像剤を担持し、静電潜像を担持した像担持体の表面近傍にこの現像剤を搬送供給し、像担持体と現像剤担持体の間に交互(交番)電界を印加しながら静電潜像を現像して顕像化する現像装置が良く知られている。
【0003】
尚、上記現像剤担持体は、一般に現像スリーブが用いられる場合が多いので、以下の説明では「現像スリーブ」と称し、又、像担持体は一般に感光体ドラムが用いられる場合が多いので、以下の説明では「感光体ドラム」と称する。
【0004】
上記現像方法として、従来から、例えば2成分系組成(キャリア粒子とトナー粒子)から成る現像剤(2成分現像剤)により、内部に磁界発生手段である磁石を配置した現像スリーブの表面に磁気ブラシを形成し、微小な現像間隔を保持して対向させた感光体ドラムにこの磁気ブラシを摺擦又は近接させ、そして、現像スリーブと感光ドラム間(S−D間)連続的に交互電界を印加することによってトナー粒子の現像スリーブ側から感光体ドラム側への手に及び逆転移を繰り返して行わせて現像を行う、所謂磁気ブラシ現像法が知られている(例えば、特開昭55−32060号公報、特開昭59−165082号公報参照)。
【0005】
上記2成分磁気ブラシ現像用の現像装置は、隔壁によって現像室と攪拌室に区画された現像容器を備えており、現像室と攪拌室はそれぞれ攪拌部材である攪拌搬送スクリューが回転可能に収容されている。現像室の開口部には、所定の方向に回転する感光体ドラムと微小間隔をおいて、所定の方向に回転する現像スリーブが対向配置され、その内部には磁石が固定配置されている。
【0006】
又、通常、2成分磁気ブラシ現像用の現像装置を備える画像形成装置では、像担持体と現像剤担持体の回転速度の比及び現像剤担持体の回転速度と攪拌部材である攪拌搬送スクリューの回転速度の比は、画像形成装置と現像剤の組み合わせにより決められている。
【0007】
又、現像容器中にはトナー粒子と磁性キャリアが混合された現像剤が収容されており、トナー粒子と磁性キャリアの混合比(以下、「T/C比」と称する)は、現像により消費されたトナーに見合った量のトナーが、補給用トナーが収容されているトナー貯蔵室から落下補給されることで一定に保っている。
【0008】
そして、落下補給されたトナーは、攪拌室内のスクリューによる攪拌によって現像容器中の現像剤と攪拌されて搬送される。現像室内の搬送スクリューの現像剤搬送方向とは逆に容器長手方向に沿って搬送する。隔壁には手前側と奥側に開口が設けられており、この開口部で現像剤の受け渡しが行われる。
【0009】
ところで、現像容器中の2成分現像剤のトナー粒子と磁性キャリアの混合比の維持は、出力画像の安定化に非常に重要であり、その検知、維持方法は従来様々な方式が提案されている。例えば、感光体ドラム周辺に検知手段を設け、感光体ドラム上の現像トナー像に光を照射し、このときの透過光或は反射光からトナー補給量を調整し、その結果としてT/C比を検知する方式、現像スリーブ近傍に検知手段を設け、現像スリーブ上に塗布された現像剤に光を照射したときの反射光からT/C比を検知する方式、又、現像容器中にセンサを設け、コイルのインダクタンスを利用してセンサー近傍の一定体積内の現像剤の見掛け透磁率変化を検知し、T/C比を検知する方式が提案され、既に実用化されている。
【0010】
又、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置においては、定着処理を変えることによって画質の異なる画像が形成されることを利用し、種種の画像形成モードを使用することができるように設計されているものが多い。
【0011】
即ち、文書の作成等通常の画像形成を行うモードの他に、OHTに透明度の高い画像を形成するOHTモードや色彩の鮮やかさを強調するために光沢性に富んだ画像を形成する光沢モードや、紙質に合わせた光沢感を形成するためのモード(グロスコントロールモード)、更には光沢感が多少劣るが通常より速い速度で画像形成するモード等の機能を具備した画像形成装置が考えられている。
【0012】
OHTモードや光沢モードは定着処理において、加熱温度を上げるか又は加熱時間を長くすることによって、画像を形成しているトナーの溶解度を高め、透明度や光沢性を高めている。このために、OHTモードや光沢モードにおいては、定着装置に搬送される記録剤の搬送速度を下げることによって、記録材が定着装置を通過する時間を長くすることが行われている。そして、記録材の搬送速度を下げることに対応して、感光体の移動速度も下げられる。同様に紙の光沢に合わせた光沢感を形成するためには、その光沢を形成するための搬送速度を持つことになる。又、通常より光沢を下げても画像形成速度を速くするために、定着可能な速度の限界まで速くするモードを持つことを可能にする速度を持つ場合もあり、それに合わせて感光体の移動速度もそのモードに合わせて持つことになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のように、OHTモードや光沢モード、その他、紙の光沢に合わせたモード(以下、「グロスコントロールモード」と呼ぶ)、更には高速モードにおいては、前述のように感光体の移動速度及び記録材の搬送速度の速度の変化に伴い、現像剤担持体速度及び現像剤装置中の現像剤を攪拌する現像攪拌手段の作動速度も変化されることになる。
【0014】
通常は前述のように、像担持体と現像剤担持体の回転速度の比及び現像剤担持体の回転速度と現像剤攪拌部材の回転速度は、その現像器構成により決められている。そして、記録材の搬送速度の変化に伴い感光体の移動速度が変化した場合にも、その比は一定に保ちながら、現像剤担持体及び現像剤攪拌部材の回転速度も変化していた。つまり、通常コピーシーケンスで使用される像担持体の回転速度に対して、光沢モードのように定着速度を落として十分にトナーを溶かしグロスを出す場合、記録材の搬送速度を低下させるのに伴い、像担持体の移動速度も落としていた。そのため、現像剤担持体の回転速度も落とし、像担持体と現像剤担持体の周速比を一定に保っていた。同様に、高速モードの場合は、記録材の搬送速度を上げるため、像担持体の回転速度も上げ、その像担持体と現像剤担持体の周速比を一定に保っていた。
【0015】
ところで、2成分現像を使用するとき、キャリアとトナーを接触摩擦帯電させることによりトナーにトリボが与えられる。この2成分現像剤中のトナートリボ分布は所望のトリボ近傍に集中することが望ましいが、トナーやキャリアの粒径及びキャリアの帯電付与能、更にはトナーの荷電制御剤や帯電を補助する外添剤の状況により所望のトリボのみを得ることが難しい。結局、所望のトリボを中心として低トリボと高トリボのトナーも存在し、分布としては所望のトリボを中心として末広がり(ブロード)分布になる。この低トリボのトナーや逆帯電しているトナーが所望のトリボを持つトナーを制御する筈の現像バイアスでは制御し切れないで白地部に“かぶり”という現象を引き起こすことになる。
【0016】
最近、前述のように、像担持体の回転速度低下に伴い、現像剤担持体の回転速度を落とすことにより、単位時間内の現像ニップが広がり、通常よりこの“かぶり”が悪くなる現象が発生した。
【0017】
又、耐久が進むに連れ、現像剤中のトナートリボ分布における低トリボ側のトナーが初期に比べて増加することが分かっている。これは、キャリア表面にトナーや外添剤等が付着してキャリアの電荷付与能力を低下させるため、十分にトリボを付与されないトナーが像担持体上に現像されず、現像剤担持体上を連れ回り、低トリボトナーが増加してくると考えられている。更に、現像剤中のトナー比が一定のまま耐久が進むと、相対的な現像剤のトリボが低下することになり、このような現象が悪化する。
【0018】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、OHTモードや光沢モード、その他、紙の光沢に合わせたモード(以下、「グロスコントロールモード」と呼ぶ)において、2成分現像剤の耐久変化によらず、白地部にかぶりの無い高い画質の画像が得られる画像形成装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、この潜像形成手段により像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を該像担持体上に形成するために、非磁性トナーと磁性キャリアを含む2成分現像剤を収容する現像容器と、2成分現像剤を担持し現像するための現像剤担持体を持ち、2成分現像剤を攪拌するための攪拌手段とを持ち、且つ、前記現像剤担持体にはAC重畳のDCバイアスを印加する手段を有し、前記像担持体の回転速度が可変であり、且つ、その回転速度は第1の回転速度と少なくとも第1の回転速度より低い回転速度を含む2種以上の回転速度を有し、且つ、像担持体回転速度に伴い現像剤担持体速度も第1の回転速度と少なくとも第1の回転速度より低い回転速度を含む2種以上の現像剤担持体回転速度を有し、且つ、像担持体と現像剤担持体のニップ部での移動速度の比を可変にすることが可能である現像装置を備えた画像形成装置において、現像容器内2成分現像剤の耐久変化に伴ってかぶり取り電位を変化させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
<実施の形態1>
図1は本発明に係る画像形成装置の概略断面図である。
【0022】
本画像形成装置は、複数の画像形成ステーションを有する4ステーションのレーザビームプリンタであり、これには感光ドラムの周囲に画像形成手段を有して構成される画像形成ステーションがマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの4色に対応して設けられ、各ステーションにて形成された感光ドラムに対向して移動する転写ベルトによって搬送される転写材上に転写される。
【0023】
即ち、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像形成ステーションPm,Pc,Py,Pkにそれぞれ感光ドラム4m,4c,4y,4kが配接され、これらの感光ドラム4m,4c,4y,4kは図の矢印方向(時計方向)に回転される。そして、各感光ドラム4m,4c,4y,4kの周囲には、コロナ帯電器46m,46c,46y,46kと、光走査手段としての走査光学装置47m,47c,47y,47kと、現像装置9m,9c,9y,9k及びクリーニング器48m,48c,48y,48kが配設されている。
【0024】
更に、画像形成手段の一部を構成する転写部は、各画像形成ステーションPm〜Pkに共通して用いられる転写ベルト49a及び各感光ドラム4m〜4k用の転写帯電器49m,49c,49y,49kを有し、フルカラー画像形成は、転写ベルト49a上に形成された転写材P上に感光ドラム4m〜4k上に形成されたトナー像を順次転写することによって実現される。
【0025】
一方、転写材Pは、給紙カセット50から転写ベルト49a上に供給され、転写工程が終了すると転写ベルト49aから分離され、定着器51を経てトレイ52に排出される。
【0026】
又、前記走査光学装置47m,47c,47y,47kは、不図示のレーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を走査する回転ポリゴンミラーと、走査ビームを感光ドラム4m〜4k表面の母線上に集光するfθレンズと、その光束を偏向する反射ミラーと、走査ビームの特定位置を検出するビーム検出装置とで構成されている。
【0027】
現像装置9は、図5に示すように、現像装置9は、現像容器9aを備え、その内部は隔壁6によって現像室16と攪拌室17とに区画され、攪拌室17には不図示のトナー貯蔵室から現像で消費されたトナーに見合った量のトナーが攪拌室17内に補給される。
【0028】
一方、現像室16及び攪拌室17内には、トナー粒子と磁性キャリアが混合された2成分現像剤が収容されている。現像室16内には現像剤搬送スクリュー11が収容されており、回転駆動によって現像剤を現像スリーブ3の長手方向に沿って搬送する。又、攪拌室17内に収容されているスクリュー12による現像剤搬送方向は、スクリュー11の搬送方向とは反対方向である。隔壁6には手前側と奥側に開口が設けられており、スクリュー11で搬送された現像剤はこの開口の1つからスクリュー12に受け渡され、又、スクリュー12で搬送された現像剤は上記の開口の他の1つからスクリュー11に受け渡される。
【0029】
又、現像容器9aの感光体ドラム4に近接する部位には開口部が設けられている。該開口部には、アルミニウムや非磁性ステンレス鋼等の非磁性材質であり、且つ、その表面には適度な凹凸が設けられている非磁性現像スリーブ3が設けられている。現像装置9は、矢印a方向へ周速度Vaで回転する像担持体としての感光ドラム4上の潜像を現像するために、矢印b方向へ周速度Vbで回転して現像容器9a内の現像剤を感光ドラム4上と対向した現像部の方へ搬送する現像剤担持体3を有する。
【0030】
通常、現像剤担持体3は円筒状の現像スリーブ3であり、その内側に磁界発生手段13として磁化されたマグネットローラ13のN2極で現像スリーブ3上に汲み上げられるとほぼ同時に、現像剤は現像スリーブ3に対してS2極部近傍に非接触で対向配置された規制ブレード2によって層厚を規制され、現像スリーブ3上に現像剤の薄層が形成される。マグネットローラ13の現像部に位置されたS1極は現像主極であり、S1極によって穂立ちした現像剤が感光ドラム4上に形成された潜像を現像し、現像スリーブ10の回転に伴いマグネットローラ13上をN3極→S2極→N2極と搬送される。現像剤は、その後N2極、N1極の反発磁界により現像スリーブ3から除去され、現像剤は現像容器9a内に落下し戻される。
【0031】
又、現像バイアスとしては、下記に説明するものが望ましい。
【0032】
即ち、現像バイアスの印加が、2成分系現像剤に像担持体(感光体ドラム)から現像剤担持体(現像スリーブ)に向かう方向の力を与える電圧を或る時間印加する工程と、逆に2成分系現像剤に現像スリーブから感光体ドラムに向かう力を与える電圧を或る時間印加する工程とを交互に複数回繰り返す交流バイアスと、且つ、その交流バイアスの現像スリーブから感光体ドラムに向かう力を与える電圧を印加した後に、感光体ドラム上の静電潜像の画像部の電圧と非画像部の電圧との間に或る直流電圧を上記現像スリーブに一定時間印加し、これら交流バイアスと直流バイアスの組み合わせリサイクルを繰り返すことによって行う(以下、この現像バイアスを、ブランク・パルス・バイアスと呼ぶ)。
【0033】
以上説明したカラー画像形成装置について、通常画像形成モードとそれ以外のモード、例えば、OHTモード、光沢モード、グロスコントロールモード、高速モードについて、本実施の形態ではOHTモードについて説明する。
【0034】
前述の画像形成工程において、普通紙等に画像を形成する通常画像形成モードにおける画像形成工程では、記録材を速度V1で搬送して画像が形成される場合、感光体周速度はVa1とする。このときの現像スリーブ周速度をVb1とし、そのVb1/Va1(現像スリーブの対ドラム周速比)をn1とする。
【0035】
これに対して、オーバーヘッドプロジェクター用の透明シート(以下、OHTと称する)に画像を形成する場合、透明度の高い画像を形成するために、定着工程においてトナーの溶解度を高めて画像の透明度を上げることが行われ、トナーの溶解度は定着時間を長くすることと、定着温度を高くすることによって高められるので、前記のようにOHTに画像を形成するOHTモードの場合には、記録材が定着装置51を通過する速度を下げることが行われる。そして、記録材の搬送速度の低下に伴って、感光体4の移動速度もVa1からVa2に落とすことになる。
【0036】
ここで、感光体4の移動速度が前記のように変化した場合、今までは、その感光体4の移動速度と現像装置9の現像スリーブ3の回転速度が、通常の画像形成モードのn1(現像スリーブの対ドラム周速比Vb1/Va1)になるように変化させていた。
【0037】
本発明者の実験において、通常の画像形成速度での感光体の移動速度を150mm/sec、リファレンスの感光体と現像スリーブの周速比を1.5倍とし、現像バイアスにはブランク・パルス・バイアスを使用し、8kHzの矩形2波形に、同じ長さのブランクを印加し、Vpp=1.8kVとした。白地部の感光体ドラム電位V00と現像スリーブ電位Vdc間の電位差をVbackとしたとき、このVbackに対する感光体ドラム上のトナーかぶり反射率を測定した。評価方法については後述する。
【0038】
感光体上のかぶり反射率の基準としては、感光体上で3%以下が望ましく、感光体上で3%以上になると、結果として転写材に転写されるものが増え、紙上にもかぶり画像となって現れてくる。又、本発明者の実験では、現像スリーブ上の現像剤量(m/s)が20〜40mg/cm2 、現像剤のトナー濃度、つまりT/D比(T:トナー量、D:現像剤量)が5〜12%とし、単位質量当たりの平均電荷量が約30μC/gであるトナーを用いた。
【0039】
図6に本発明者の実験結果を示す。
【0040】
図6に示すように、現像スリーブの対ドラム周速比を一定にしたまま、ドラム周速を落とした(ドラム周速を半分)とき、ドラム周速がRefの場合に対してかぶりが多少悪化した。更に、画像dutyが5%である画像で耐久した後(ここでは40k分)、初期と同様に、かぶり反射率をVbackを変化させて測定したところ、更にかぶりの良好なVback範囲が狭まり、且つ、現像剤の劣化に伴い、Vbackの中心値も変化したことが分かる。Vbackの中心値は、帯電状況、バイアスの振れ等考えると、かぶりの良好な範囲のVbackが最低でも中心値に対して±30Vはかぶりが3%以下となる範囲があることが望ましい。
【0041】
図6の結果を踏まえて、例えばVbackを110Vに設定した場合、耐久後にドラム周速を半分にした場合、ドラム上3%以上かぶることになる。Vbackが大きい側のかぶりについては、逆帯電しているトナーがドラム上に現像されてしい発生するので、転写材には転写されず、画像に影響を及ぼしにくいが、トナー消費量の増加やクリーニング装置近傍での飛散等を伴うため、好ましくない。
【0042】
逆に、耐久後の結果を踏まえて、Vbackを80Vにすると、初期でも3%以上かぶることはないが、Vbackの低いところで、ややかぶり気味になり易いため、その分トナー消費量を増加させ、且つ、最適な条件ではないので好ましくない。結果として、感光体ドラムを半速にした場合、初期に対して耐久後は、Vbackを変化させることが望ましいことになる。
【0043】
又、耐久状態に関しては、現像スリーブを駆動する不図示のモーターから繋がる軸にフラグを、その受け側としてセンサを設けて、その回転数を検知加算することにより回転数を検知する方法、若しくは感光体ドラム軸(不図示)に、同様のフラグとセンサを設けて感光体ドラムの回転数を検知することにより、そこから現像スリーブの回転数を算出す方法、又は画像信号を入力する際にカウンタを設け、そのカウンタより現像剤の耐久状態を検知する方法等、現像剤の耐久状態を検知できる手段であればどの方法でも良い。
【0044】
本実施の形態では、クリーナー付きの画像形成装置に対して言及したが、クリーナーレスシステムの画像形成装置では、更に効果を示す。クリーナーレスシステムの場合は、特に、転写されないかぶりトナーはそのまま帯電器にいってしまうため、帯電不良を生じてしまう等弊害が大きく、Vbackを変化させることは効果的である。
【0045】
以上の結果を踏まえ、本実施の形態では、感光体ドラムを半速にする場合、耐久変化に伴い、Vbackを変化させることにより、弊害を生ずることなく、かぶりのない良質な画像を得ることが可能となった。
【0046】
(かぶり反射率)
測定原理としては、光源と受光素子を設けた検出部を試料(紙)に当て、反射した光量を測定することにより、反射率(%)を得る。そして、トナーのかぶり反射率を得るときに、複写機の場合は、現像器を動作させないで通紙した紙(定着器によるオイル付着等の影響を受けた紙)を基準紙とし、基準紙との差分でトナーのかぶり量を定義する。
【0047】
本発明者の実験では、Tokyo Denshoku Technical center 社製の反射率計(REFLECTOMETER )・型式TC−6D を用いて行った。
【0048】
先ず、基準紙(本実験では、白紙にマイラーテープを貼ったもの)をかぶり測定サンプルを取る場合に同時に用意しておく。次に、測定したい条件で感光体上に現像動作させたものに対して、感光体上にマイラーテープを貼り付け、剥離する。そのテープを白紙上に貼り付け、測定サンプルとする。その後、シアン測定の場合はアンバー、イエロー測定の場合はブルー、マゼンタ及びブラック測定の場合はグリーンのフィルターを使用して、測定する。そのときの測定サンプルの測定値をA(%)と、基準サンプルの測定値をB(%)とする。そして、かぶり反射率を
(かぶり反射率)=A−B(%)
として求める。
【0049】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0050】
本実施の形態では、前記実施の形態1に対して、感光体ドラム近傍に感光体ドラム上の濃度検知手段としてのセンサーを配接する。これは、感光体ドラムの周速を落とす場合に、白地にするため(トナーを感光体に現像しないため)の現像バイアスV00で現像動作を行い、その感光体ドラム上を濃度検知手段を用いて濃度、つまり、かぶり濃度を測定し、それに伴ってVbackを変化させる。
【0051】
図3は本実施の形態に係る画像形成装置の断面図である。
【0052】
図2に感光体ドラム上の画像濃度を検知する濃度検知手段である光学センサ30の構成を簡単に示す。同図において、発光素子301は近赤外光を発するLEDであり、受光素子302はフォトダイオードである。一般的にイエロー、マゼンタ、シアンの色トナーは、近赤外光を反射し、各色の画像濃度信号レベルが大きくなり、画像濃度が大きくなるに従いセンサー出力は大きくなる。
【0053】
この光学センサ30の電圧を5Vフルレンジで使用した場合、且つ、黒トナーも色トナーも像担持体上で検知を行う場合、従来では図4に示したようにドラム反射光量を2.5Vになるように光学センサの増幅率を決定して使用していた。
【0054】
このセンサーを用いて、感光体ドラムを半速にするシーケンスがきた場合、紙間等を用いてV00電位の現像動作を行い、感光体ドラムのかぶり反射率が3%になる場合の濃度信号レベルを超えないことを確認する。又、感光体ドラムのかぶり反射率が3%を超える場合は、Vbackを変化させてその感光体ドラムの反射率が3%を超えないVbackを用いて画像動作を行うこととする。
【0055】
こうすることにより、耐久変化に伴い、感光体ドラムの周速を落とした場合のVbackの最適範囲が変化した場合でも、良好な画像を得ることが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、2成分現像装置において、像担持体と現像剤担持体の回転速度が第1の回転速度より遅い場合、現像剤の耐久状態の変化に伴ってかぶり取り電位を可変とすることにより、長期に亘ってかぶりの無い良好な画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の断面図である。
【図2】光学センサの構成図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の断面図である。
【図4】信号濃度レベルとセンサ出力電圧との関係を示す図である。
【図5】現像装置の断面図である。
【図6】実験結果を示す図である。
【符号の説明】
2 層厚規制部材
3 現像スリーブ(現像剤担持体)
4 感光ドラム
6 隔壁
9 現像装置
9a 現像容器
11,12 搬送スクリュー
13 マグネットローラ(磁石)
16 下側容器
17 上側容器
Claims (3)
- 像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、この潜像形成手段により像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を該像担持体上に形成するために非磁性トナーと磁性キャリアを含む2成分現像剤を収容する現像容器と、該現像容器には所定の現像位置において前記像担持体に対向して配接された、2成分現像剤を担持し該現像位置において現像するために回転する現像剤担持体と、2成分現像剤を攪拌するための攪拌手段とを持ち、且つ、前記現像剤担持体には前記像担持体との間にAC重畳のDCバイアスを印加する現像バイアス手段を有するとともに、該現像剤担持体の担持する2成分現像剤中のトナーを前記像担持体上の静電潜像に供給することにより該像担持体上の静電潜像を現像してトナーによる顕像を形成する現像手段とを備え、前記像担持体の回転速度が可変であり、且つ、その回転速度は第1の回転速度と少なくとも第1の回転速度より低い回転速度を含む2種以上の回転速度を有し、且つ、像担持体回転速度に伴い現像剤担持体速度も第1の回転速度と少なくとも第1の回転速度より低い回転速度を含む2種以上の現像剤担持体回転速度を有し、且つ、像担持体と現像剤担持体のニップ部での移動速度の比を可変にすることが可能である現像装置を備えた画像形成装置において、
前記現像容器内の2成分現像剤の耐久状態を検知・確認する手段を有し、前記像担持体の回転速度及び現像担持体の回転速度が少なくとも第1の回転速度より低い場合は、前記2成分現像剤の耐久状態の検知結果により、現像時のかぶり取り電位を変化させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記耐久状態確認方法は、現像スリーブの回転数若しくは像担持体の回転数、画像信号入力回転数等、現像剤の耐久状態が分かる方法であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記像担持体上のかぶり状態を検知する濃度検知手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
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US9547251B2 (en) | 2010-11-04 | 2017-01-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus having controllable potential difference |
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