JP2010145481A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアの劣化量の違いに拘わらずトナー濃度を適切に検出して現像剤を補給及び排出する。
【解決手段】トナーとキャリアを含む現像剤が供給される現像剤補給口20と、劣化した現像剤が排出される現像剤排出口21とを有する現像剤収容容器11と、現像剤収容容器11内の現像剤を担持して像担持体7に付着させる現像剤担持体14と、現像剤収容容器11内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段19と、現像剤収容容器11内のキャリアの劣化量を検出するキャリア劣化量検出手段6と、キャリア劣化量検出手段6で検出されるキャリアの劣化量に基づいて、トナー濃度検出手段19で検出されるトナー濃度を補正し、補正されたトナー濃度に基づいて、現像剤収容容器11への現像剤の補給量を決定する現像剤補給量決定手段6とを備えた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、現像装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、現像装置として、トナーとキャリアを含む現像剤を供給及び排出するようにした、いわゆるトリクル方式のものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
特公平2−21591号公報
しかしながら、前記従来の現像装置では、使用状況によりキャリアの劣化状態に差異が生じることについては全く考慮されていない。すなわち、画像形成処理を実行する際、印字率の違いにより、消費されるトナー量が相違する。印字率が高く消費されるトナー量が多ければ、補給される現像剤の量も多くなる。この場合、トナー濃度が回復されるだけでなく、劣化したキャリアが新たなキャリアに交換される割合も多くなり、現像剤の流動性が維持される。一方、印字率が低く消費されるトナー量が少なければ、補給される現像剤の量が少なくなる。この場合、キャリアの劣化量が増大し、現像剤の流動性が悪化することになる。
一般に、トナー濃度は、透磁率センサによって、単位体積当たりのキャリアの通過量に基づいて検出されている。ところが、前述のように、キャリアの劣化量が相違すると、トナー濃度を正確に検出することができず、適切な現像剤の補給及び排出が不可能となる。
そこで、本発明は、キャリアの劣化量の違いに拘わらずトナー濃度を適切に検出して現像剤を補給及び排出することのできる現像装置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
現像装置を、
トナーとキャリアを含む現像剤が供給される現像剤補給口と、劣化した現像剤が排出される現像剤排出口とを有する現像剤収容容器と、
前記現像剤収容容器内の現像剤を担持して像担持体に付着させる現像剤担持体と、
前記現像剤収容容器内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、
前記現像剤収容容器内のキャリアの劣化量を検出するキャリア劣化量検出手段と、
前記キャリア劣化量検出手段で検出されるキャリアの劣化量に基づいて、前記トナー濃度検出手段で検出されるトナー濃度を補正し、補正されたトナー濃度に基づいて、前記現像剤収容容器への現像剤の補給量を決定する現像剤補給量決定手段と、
を備えた構成としたものである。
この構成により、キャリアの劣化量に基づいてトナー濃度を補正することにより、適正なトナー濃度を得ることができる。そして、適正なトナー濃度に基づいて現像剤の補給量を決定することにより、現像剤収容容器内のトナー濃度を、常に適正な値に維持することが可能となる。
前記キャリア劣化量検出手段は、画像形成動作回数と、画像形成でのドットカウント数の累積値を、画像形成動作回数で除算することにより算出した印字率とに基づいてキャリアの劣化量を算出するように構成すればよい。
前記キャリアの劣化量検出手段は、次式に従ってキャリアの劣化量を算出するように構成してもよい。
前記現像剤補給量決定手段は、補正後トナー濃度と適正トナー濃度の差分に基づいて現像剤の補給量を決定するように構成すればよい。
前記劣化量検出手段で検出されるキャリアの劣化量が、設定値以上となることにより、現像剤収容容器内の現像剤が寿命であると判断する現像剤寿命判定手段を備えるようにしてもよい。
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、画像形成装置を、前記いずれかの構成の現像装置を備えるように構成したものである。
前記画像形成装置は、画像形成動作回数が、設定値以上となることにより、現像装置が寿命であると判断する現像装置寿命判定手段を備えるようにしてもよい。
本発明によれば、キャリアの劣化量に基づいてトナー濃度を補正するようにしているので、適正なトナー濃度を得ることができる。そして、適正なトナー濃度に基づいて現像剤の補給量を決定するので、現像剤収容容器内のトナー濃度を、キャリアの劣化量の違いに拘わらず、常に適正な値に維持することが可能となる。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。但し、以下の説明では、構成要素の種類、組合せ、形状、相対配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の技術的範囲をそれのみに限定するものではない。また、適宜、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「左」、「一端」、「他端」等)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によっても、本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
(構成)
図1は、2成分現像剤を用いた電子写真方式のうち、特に、トナーのみではなく、キャリアを含む現像剤を補給するようにした、いわゆるトリクル方式の画像形成装置を示す。この画像形成装置は、大略、画像形成ユニット1、転写ユニット2、露光ユニット3、給紙ユニット4、クリーニングユニット5、制御ユニット6(図4参照)、等を備える。
画像形成ユニット1は、転写ユニット2の中間転写ベルト26に沿って4箇所に配置され、それぞれ左側よりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の画像形成を行なうことにより、中間転写ベルト26の表面にカラー画像を形成する。各画像形成ユニット1は、図2に示すように、感光体ドラム7の周囲に、帯電装置8、現像装置9、クリーニング装置10、等を備える。
帯電装置8は、感光体ドラム7の表面に所定の表面電位を形成する。この表面電位は、露光ユニット3によって露光されることにより静電潜像となる。
現像装置9は、図2及び図3に示すように、現像剤収容容器11内に、攪拌スクリュー12、供給スクリュー13、及び、現像ローラ14をそれぞれ収容したものである。
現像剤収容容器11は、図3に示すように、一端側から他端側へと延びる長尺な箱形状で、内部は仕切壁15によって長手方向に沿って第1収容部16と第2収容部17とに2分割されている。但し、第1収容部16と第2収容部17の両端側は連通部18a、18bによってそれぞれ連通され、収容された現像剤は攪拌されながら循環移動するようになっている。ここでは、現像剤収容容器11内に収容した現像剤のトナー濃度(現像剤に対するトナーの重量比率)は、初期状態で7%とされている。但し、この値は、画像形成装置のシステム構成の違いのほか、画像形成動作回数(耐久枚数)や使用環境の違い等によって変更するようにしてもよい。また、現像剤収容容器11内のトナー濃度は、トナー濃度検出センサ19(図4参照)によって検出されるようになっている。ここでは、トナー濃度検出センサ19に透磁率センサが使用されている。現像剤の透磁率は、トナー濃度に依存し、トナー濃度が高いほど低くなり、トナー濃度が低いほど高くなる。そこで、透磁率センサで、検出領域内に位置する現像剤の透磁率の違いを電圧として出力させ、制御ユニット6で、図6のグラフに従ってトナー濃度を演算する。
第1収容部16の一端側には現像剤補給口20が形成され、後述するように、対応する現像剤補給容器24から現像剤が補給される。ここでは、現像剤には、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤が使用されている。但し、現像剤にはさらに外添剤等を含めるようにしても構わない。一方、第1収容部16の他端側には現像剤排出口21が形成され、適宜、現像剤を排出することにより劣化したキャリアが長期間に亘って現像剤収容容器11内に残留しないようにしている。
攪拌スクリュー12は、回転軸12aの周囲に螺旋状の攪拌羽根12bを備えた構成で、第1収容部16に配置されている。攪拌スクリュー12は、回転駆動することにより、一端側から他端側へと現像剤を搬送しながら撹拌する。
供給スクリュー13は、前記攪拌スクリュー12と同様に、回転軸13aの周囲に螺旋状の羽根13bを備えた構成で、第2収容部17に配置されている。供給スクリュー13は、回転駆動することにより、現像剤を連通部18b側から連通部18a側へと移送すると共に、現像ローラ14へと供給する。また、供給スクリュー13の他端側には、前記羽根13bとは逆巻きに形成された戻し羽根13cが形成されている。そして、供給スクリュー13の他端側で、現像剤の量が多くなり、戻し羽根13cによる戻し力を超えれば、現像剤排出口21を介して排出されるようになっている。
現像ローラ14は、図2に示すように、円筒状のスリーブ22内に複数の永久磁石23を収容したものである(ここでは、5つの永久磁石S2,N2,S1,N1,S3を、この順で時計回り方向に配置している。)。スリーブ22は、図示しないスリーブ駆動手段によって図中矢印方向に回転するように構成されている。
現像装置9の上方には、トナーとキャリアからなる補給用2成分現像剤(以下、単に現像剤と記載する。)を補給する現像剤補給容器24が着脱可能となっている。ここでは、現像剤補給容器24内に収容される現像剤のトナー濃度は、例えば、7%とされている。なお、初期状態で、現像剤収容容器11内に収容されている現像剤のトナー濃度は、例えば、85%である。
クリーニング装置10は、図2に示すように、感光体ドラム7の表面への転写後、この表面に残留するトナーを回収してクリーニングする。
転写ユニット2は、図1に示すように、一対の支持ローラ25に中間転写ベルト26を架け渡し、図示しない駆動手段により支持ローラ25を駆動させ、中間転写ベルト26を矢印方向に循環移動させるようにしたもので、1次転写部27、及び、2次転写部28を備える。
露光ユニット3は、前記感光体ドラム7に対してレーザ光を照射し、図示しないスキャナで読み取った画像データに対応する静電潜像を形成する。
給紙ユニット4は、カセット29に収容した記録媒体31を、順次、搬送ローラ30を介して2次転写部28へと搬送する。2次転写部28に搬送された記録媒体31には、トナー像が転写され、定着ユニット32で転写させたトナー像が定着された後、排出トレイ33へと搬出される。
クリーニングユニット5は、中間転写ベルト26に接離可能で、接近することにより中間転写ベルト26に残留するトナーを回収してクリーニングする。
制御ユニット6は、図4に示すように、記憶部34と制御部35を備える。記憶部34には、適宜入力される現像装置9での画像形成動作回数(耐久枚数)、駆動時間、データテーブル等が記憶されている。制御部35は、トナー濃度検出センサ等の検出信号に基づいて、記憶部34に記憶したデータを参照して、後述するようにして現像剤収容容器11への現像剤の補給量を制御する。
次に、前記構成からなる画像形成装置の動作について説明する。
画像形成時には、画像を読み取って得られたカラープリントデータ、又はパーソナルコンピュータ等から出力された画像データは、所定の信号処理が施された後、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の画像信号として、各画像形成ユニット1に送信される。
各画像形成ユニット1では、それぞれの感光体ドラム7上に画像信号で変調されたレーザ光を投射して画像潜像を形成する。そして、現像装置9から感光体ドラム7にトナーを供給する。
現像装置9では、攪拌スクリュー12及び供給スクリュー13を回転駆動することにより、現像剤収容容器11内に収容された現像剤を攪拌しながら循環させる。そして、供給スクリュー13から現像ローラ14にトナーを供給し、規制部材11aによって掻き落として一定量とした後、感光体ドラム7へと搬送する。
これにより、各感光体ドラム7上にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像がそれぞれ形成される。形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像は、1次転写部27で、移動する中間転写ベルト26上に順次重ね合わせて1次転写される。このようにして中間転写ベルト26上に形成された重ね合わせトナー画像は、中間転写ベルト26の移動に従って2次転写部28へと移動する。
また、給紙ユニット4から記録媒体31が供給される。供給された記録媒体31は、搬送ローラ30によって2次転写部28と中間転写ベルト26の間へと搬送され、中間転写ベルト26に形成されたトナー画像が転写される。トナー画像を転写された記録媒体31は、さらに定着ユニット32へと搬送され、そこで、転写されたトナー画像が定着された後、排出トレイ33へと排出される。
ところで、前記現像剤収容容器11には、画像形成により、トナーが消費された場合や、キャリアの劣化を考慮して、適宜、現像剤が廃棄された場合に、現像剤補給容器24から現像剤が補給される。
現像剤収容容器11に現像剤を補給し、適宜、現像剤を排出するトリクル方式では、画像形成する際の印字率の違いによって補給、排出されるキャリア量が相違する。このため、キャリアの補給、排出のない印字率0%であれば、キャリアの劣化量は、トナーのみを補給して現像剤を排出しない非トリクル方式と同じとなり、画像形成回数に基づいて算出することができる。しかしながら、印字率が上昇すれば、現像剤収容容器11内の現像剤の一部が廃棄され、新たに現像剤が補給されるので、キャリアの劣化量が抑制される。例えば、印字率が5%となると、現像剤が補給及び排出されることによりキャリアの劣化はある程度抑制され、40%となると、現像剤の補給量及び排出量が増大して劣化したキャリアは殆ど残らない。
そこで、本実施形態では、次のようにして現像剤の補給量を制御する。
すなわち、図5のフローチャートに示すように、まず、トナー濃度検出センサ19からの検出信号(検出電圧)を読み込む(ステップS1)。そして、読み込まれた検出電圧からトナー濃度aを算出する(ステップS2)。トナー濃度aの算出は、予め求めた検出電圧値とトナー濃度aとの関係(図6:新品現像剤のグラフ)に基づいて行う。また、記憶部34に記憶させた画像形成動作回数(コピー枚数)を読み込むと共に(ステップS3)、画像形成処理に於けるドットカウント値の累積値を読み込む(ステップS4)。続いて、ドットカウント値の累積値を画像形成動作回数で除算することにより印字率を算出する(ステップS5)。
ここで、前記ステップS3で読み込んだ画像形成動作回数と、前記ステップS5で算出した印字率とに基づいて、図7に示すグラフに従ってキャリアの劣化量を決定する(ステップS6)。ここでは、劣化量として、印字率毎に、トナーのみを補給する非トリクル方式での画像形成動作回数を使用している。そこで、決定された劣化量に基づいて、図8に示すグラフに従ってトナー濃度aの補正量bを算出する(ステップS7)。そして、ステップS2で算出されたトナー濃度aを、ステップS7で算出された補正量bで補正する(ステップS8)。
このようにしてトナー濃度が補正されれば、補正後トナー濃度a+bと、適正トナー濃度cとを比較する(ステップS9)。補正後トナー濃度a+bが適正トナー濃度cよりも小さければ、両者の差分を算出する(ステップS10)。そして、得られた補正後トナー濃度と適正トナー濃度の差分c−(a+b)と、現像剤の補給量との関係を示す図9のトナー補給量テーブルに従って現像剤の補給量を決定する(ステップS11)。その後、決定した補給量の現像剤を現像剤収容容器11へと補給する(ステップS12)。一方、補正後トナー濃度が適正トナー濃度以上であれば、ステップS1に戻って前記処理を繰り返す。
具体的に、現像剤収容容器11内の現像剤のトナー濃度が7%であり、印字率5%と40%とで連続して100000枚を印刷した場合について説明する。ここでは、トナー濃度検出センサ19として、基準トナー濃度が7%の場合の出力電圧が2.5Vで、トナー濃度が1%変動する毎の出力電圧の変位量が0.5V/%であるものを使用している。
ステップS1で読み込まれた検出電圧が2.22Vである場合、ステップS2で算出されるトナー濃度は6.4%(=7−(2.5−2.22)/0.5)となる。また、ステップS3で読み込まれた画像形成動作回数が100000枚であり、ステップS4で読み込まれたドットカウント値の累積値が5000及び40000である場合、ステップS5で算出される印字率は5%及び40%となる。
これにより、ステップS6で決定される劣化量は、図7から、印字率が5%のとき75000枚となり、印字率が40%のとき25000枚となる。そして、ステップS7で算出される補正量は、図8から、劣化量が75000枚のとき0.6%となり、劣化量が25000枚のとき0%となる。したがって、ステップS8で算出される補正後トナー濃度は、7%及び6.4%となる。
その後、ステップS9で補正後トナー濃度と、適正トナー濃度とを比較する。適正トナー濃度は7%であるので、補正後トナー濃度が7%であれば、ステップS10で算出される適正トナー濃度との差分は0%となり、補正後トナー濃度が6.4%であれば、0.6%となる。このため、ステップS11で決定される現像剤の補給量は、差分が0%の場合に0mgとなり、0.6%の場合に3222mgとなる。
このように、前記実施形態では、画像形成動作回数及び印字率に基づいてキャリアの劣化量を推測し、その結果に基づいてトナー濃度を補正するようにしている。したがって、検出結果を実際のトナー濃度に近い値に補正することができ、現像剤の補給を適正量とすることが可能となる。
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
前記実施形態では、画像形成動作回数と印字率からキャリアの劣化量を求めるようにしたが、これに代えて、キャリア補給量で代用することも可能である。すなわち、キャリアの補給量が多ければ、キャリアの劣化量は少なくなり、逆にキャリアの補給量が少なければ、キャリアの劣化量は多くなるので、予めこれらの関係を求めておき、トナー濃度の検出に有効利用すればよい。
この場合、キャリア補給量は、トナー補給量の累積値、あるいは、トナー補給時間の累積値から算出することができる。例えば、現像剤収容容器11内のトナー濃度が85%であれば、トナー補給量の累積値が15%となり、これがキャリア補給量となる。また、現像剤補給容器24が空になって交換された場合、新たな現像剤補給容器24から現像剤収容容器11に補給される現像剤のトナー濃度が決まっているので、キャリア補給量を算出することができる。さらに、現像剤補給容器24から現像剤収容容器11へのキャリア補給量と、現像剤収容容器11からのキャリア排出量とはほぼ同量であるので、現像剤収容容器11からの現像剤の排出量を検出するセンサを設け、その検出値(累積値)からキャリア補給量を算出することもできる。この場合、検出値と、現像剤収容容器11のフル状態検出数等との組合せによりキャリア補給量を算出すればよい。
現像剤の補給量の制御は、印字率が大きく変動するような形態で使用されるのであれば、次のようにするのが好ましい。
図10は、3つの異なる条件で、平均印字率が同じになるように画像形成処理を行った場合の画像形成動作回数とキャリアの劣化量との関係を示すグラフである。その1つは、印字率を10.5%で固定したものである。他の1つは、印字率を画像形成動作回数が10000枚までは1%で推移させ、その後20000枚までは20%で推移させたものである。残る1つは、印字率を画像形成動作回数が10000枚までは20%で推移させ、その後20000枚までは1%で推移させたものである。いずれの場合であっても、平均印字率は10.5%であるが、最終的なキャリアの劣化量は大きく相違する。以下、その理由について簡単に説明する。すなわち、印字率が大きく変化する場合、急激にキャリアの補給量及び排出量が増減する。そして、切り替わる直前の印字率での劣化量を初期値として、次の補給量及び排出量が決定される。このため、印字率の平均値のみを考えていたのでは、急激な印字率の変化に十分に対応することはできない。
そこで、キャリアの劣化量を正確に算出するために、印字率を平均値ではなく、画像形成動作回数に応じた劣化量の分布を考慮して、次式を利用することにより劣化量を算出する。
具体的に、印字率を、画像形成動作回数が10000枚までは印字率1%とし、その後20000枚までは20%とした場合について、前記数式に従って劣化量を算出した。ここでは、現像剤収容容器11内のトナー濃度を7%、現像剤量を500g(キャリア量465g)、補給する現像剤のキャリア濃度を15%(トナー濃度85%)、消費するトナー量を4.5g/mとしている。
現像剤収容容器11のキャリア補給量及びキャリア排出量は、最初の1000枚で、6g(=0.01×4.5×0.15×1000)となる。したがって、新規のキャリア量は6g(=D0)となり、現像剤収容容器11内に残留するキャリア量は459g(=465−6)となる。残留するキャリアは、各スクリューによる攪拌、搬送により劣化するが、画像形成動作回数は1000枚であるので、重み付け係数を2とし、キャリアの劣化量として918g(=0×6+2×459)を得る。同様にして、続く1000枚では、キャリア補給量及びキャリア排出量は同様に6g(=D0)であるが、残留するキャリアは、前回追加された6gのうち、排出されずに残った5.92g(=6−6×6/465(=D1))と、その残余453.08g(=159−6×459/465(=D2)となる。D0〜D2の重み付け係数を0、2、4とすると、劣化量は1824.2(=0×6+2×5.92+4×453.0)となる。以下、同様の計算を繰り返すことにより得られた結果を図11に示す。これによれば、画像形成動作回数が20000枚となった時点での劣化量は2480.5となり、ほぼ実験結果と合致した。
また、印字率を10.5%で固定した場合と、画像形成動作回数が10000枚までは印字率20%とし、その後20000枚までは1%とした場合についても、前記数式に基づいて同様の演算を行った。この結果、前者の場合、画像形成動作回数が20000枚となった時点での劣化量は5047(図12参照)、後者の場合、10596(図13参照)となり、ほぼ実験結果と合致した。
以上のようにしてキャリアの劣化量が算出されれば、前記同様にして、トナー濃度の補正量を決定する。そして、補正後のトナー濃度と適正トナー濃度との差分に基づいて、現像剤収容容器11への現像剤の補給量を算出する。これによれば、印字率が変化した場合であっても、そのときのキャリアの劣化量を正確に得ることができ、安定した画像形成処理を実行可能となる。
また、前記実施形態では、キャリアの劣化量が多くなることにより、現像剤収容容器には新たに現像剤を補給するようにしたが、現像剤あるいは現像装置の寿命であると判断することも可能である。
すなわち、図16のフローチャートに示すように、まず、現像装置を駆動する(ステップS21)。そして、現像装置の画像形成動作回数(耐久枚数)t1を取得し(ステップS22)、閾値s1(現像装置の寿命であると判断される耐久枚数の上限値)と比較する(ステップS23)。耐久枚数t1が閾値s1よりも大きければ、現像装置の寿命であると判断して現像装置を停止させる(ステップS24)。一方、耐久枚数t1が閾値s1以下であれば、現像剤の耐久枚数t2を取得する(ステップS25)。また、累積ドットカウント値を取得する(ステップS26)。そして、前記ステップS4、S5と同様にして、累積ドットカウント値に基づいて印字率を算出し(ステップS27)、算出した印字率に基づいてキャリアの劣化量rを算出する(ステップS28)。
勿論、キャリアの劣化量は、前記同様、画像形成動作回数と印字率から求める代わりに、キャリア補給量から求めることも可能である。すなわち、キャリアの補給量が多ければ、キャリアの劣化量は少なくなり、逆にキャリアの補給量が少なければ、キャリアの劣化量は多くなるので、予めこれらの関係を求めておき、トナー濃度の検出に有効利用すればよい。
続いて、算出されたキャリアの劣化量rを閾値s2(現像剤を交換すべきであると判断される耐久枚数の上限値)と比較する(ステップS29)。劣化量rが閾値s2以上となれば、現像剤が寿命に近いと判断し、以下の現像剤補給処理を実行する(ステップS30)。但し、前記ステップS25と同様に現像装置を停止させるようにしてもよい。一方、劣化量rが閾値s2未満であれば、ステップS21に戻って前記処理を繰り返す。
前記ステップS29で現像剤の寿命に近いと判断された場合、現像剤補給処理を実行する。すなわち図17のフローチャートに示すように、現像装置の耐久枚数の残量trを算出し(ステップS31)、現像剤の耐久枚数t1と比較する(ステップS32)。現像装置の耐久枚数の残量trが現像剤の耐久枚数t1以下であれば、現像装置の交換を指示する(ステップS33)。一方、現像装置の耐久枚数の残量trが現像剤の耐久枚数t1未満であれば、新規に現像剤を補給する(ステップS34)。
具体的に、非トリクル方式の場合に換算して、現像剤の寿命(交換が必要)と判断される耐久枚数が200000枚となり、現像装置の寿命(交換が必要)と判断される耐久枚数が1000000枚となるような現像剤及び現像装置を使用した場合について説明する。
図14に示すように、例えば、印字率1%の場合、耐久枚数が205000枚で、キャリアの劣化量が現像剤の寿命であると判断される上限値(200000枚)となる。そこで、前記ステップS29で、耐久枚数がこの上限値に至る手前の閾値t2に到達することにより、ステップS31で、現像装置の耐久枚数の残量を算出し、795000枚(=10000000−205000)を得る。そして、ステップS32で、現像装置の耐久枚数の残量795000枚と、現像剤の耐久枚数である205000枚とを比較する。この場合、現像装置の耐久枚数の残量の方が多いので、現像剤の寿命が近いことをディスプレイ等で表示させ、前記ステップS34の現像剤補給工程へと移行する。現像剤補給工程で現像剤が交換又は補給されれば、現像剤の耐久枚数をリセットして0枚とする。
以下同様にして、現像剤の耐久枚数が現像装置の耐久枚数の残量を超えるまで、現像剤の補給工程を実行する。図15は、印字率1%で画像形成処理を行い、現像剤を4回交換した後の耐久枚数とキャリアの劣化量との関係を示す。耐久枚数に対するキャリアの劣化量の変化は、図14に示すグラフと同様に推移する。したがって、耐久枚数が205000枚で、キャリアの劣化量が現像剤の寿命であると判断される上限値(200000枚)となる。一方、現像装置の耐久枚数は10000000枚であるので、現像剤の耐久枚数である205000枚に到達する前に、すなわち、180000枚(=100000−(205000×4)で現像装置の寿命に到達する。このとき、前記ステップS32で、現像剤の耐久枚数が現像装置の耐久枚数の残量を超えたと判断されるので、前記ステップS33で、現像装置の交換を指示する(例えば、ディスプレイ等にその旨を表示させる。)。
このように、前記実施形態では、現像剤と現像装置の両方の寿命を管理し、共に寿命に到達するまで使用することができるので、いずれか一方が無駄になってしまうことがなく経済的である。
なお、印字率が40%の場合でも、前記同様に、現像剤の補給工程を実行し、現像装置を交換するようにすればよい。印字率が1%の場合は現像装置の耐久枚数に対してキャリアの劣化量は図14に示すように変化するが、印字率が異なれば、これとは異なるグラフとなるので、そのグラフを利用すればよい。また、印字率が変動する場合であっても、前述の(数3)を利用することにより算出したキャリアの劣化量に基づいて同様の制御を行うようにすればよい。
本実施形態に係る画像形成装置の概略説明図である。 図1の現像装置の概略を示す正面断面図である。 図2の現像剤収容容器の概略を示す平面断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。 本実施形態に係る現像剤の補給制御を示すフローチャートである。 トナー濃度と検出電圧との関係を示すグラフである。 画像形成動作回数とキャリアの劣化量との関係を示すグラフである。 キャリアの劣化量とトナー濃度の補正量との関係を示すグラフである。 トナー補給量テーブルを示す図表である。 3つの異なる条件で、平均印字率が同じになるように画像形成処理を行った場合の画像形成動作回数とキャリアの劣化量との関係を示すグラフである。 画像形成動作回数が10000枚までは印字率を1%とし、その後20000枚までは20%とした場合のキャリアの劣化量を求めるための図表である。 印字率を10.5%で固定した場合のキャリアの劣化量を求めるための図表である。 画像形成動作回数が10000枚までは印字率20%とし、その後20000枚までは1%とした場合のキャリアの劣化量を求めるための図表である。 印字率を1%と40%でそれぞれ固定して画像形成処理を行った場合の耐久枚数とキャリアの劣化量との関係を示すグラフである。 現像装置内の現像剤を4回交換した後、印字率を1%に固定して画像形成処理を行った場合の耐久枚数とキャリアの劣化量との関係を示すグラフである。 他の実施形態に係る画像形成処理を示すフローチャートである。 図16の現像剤補給処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…画像形成ユニット
2…転写ユニット
3…露光ユニット
4…給紙ユニット
5…クリーニングユニット
6…制御ユニット(キャリア劣化量検出手段、現像剤補給量決定手段)
7…感光体ドラム(像担持体)
8…帯電装置
9…現像装置
10…クリーニング装置
11…現像剤収容容器
12…攪拌スクリュー
13…供給スクリュー
14…現像ローラ(現像剤担持体)
15…仕切壁
16…第1収容部
17…第2収容部
18…連通部
19…トナー濃度検出センサ(トナー濃度検出手段)
20…現像剤補給口
21…現像剤排出口
22…スリーブ
23…永久磁石
24…現像剤補給容器
25…支持ローラ
26…中間転写ベルト
27…1次転写部
28…2次転写部
29…カセット
30…搬送ローラ
31…記録媒体
32…定着ユニット
33…排出トレイ
34…記憶部
35…制御部

Claims (7)

  1. トナーとキャリアを含む現像剤が供給される現像剤補給口と、劣化した現像剤が排出される現像剤排出口とを有する現像剤収容容器と、
    前記現像剤収容容器内の現像剤を担持して像担持体に付着させる現像剤担持体と、
    前記現像剤収容容器内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、
    前記現像剤収容容器内のキャリアの劣化量を検出するキャリア劣化量検出手段と、
    前記キャリア劣化量検出手段で検出されるキャリアの劣化量に基づいて、前記トナー濃度検出手段で検出されるトナー濃度を補正し、得られた補正後のトナー濃度に基づいて、前記現像剤収容容器への現像剤の補給量を決定する現像剤補給量決定手段と、
    を備えたことを特徴とする現像装置。
  2. 前記キャリア劣化量検出手段は、画像形成動作回数と、画像形成でのドットカウント数の累積値を、画像形成動作回数で除算することにより算出した印字率とに基づいてキャリアの劣化量を算出することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記キャリアの劣化量検出手段は、次式に従ってキャリアの劣化量を算出することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  4. 前記現像剤補給量決定手段は、補正後トナー濃度と適正トナー濃度の差分に基づいて現像剤の補給量を決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
  5. 前記劣化量検出手段で検出されるキャリアの劣化量が、設定値以上となることにより、現像剤収容容器内の現像剤が寿命であると判断する現像剤寿命判定手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 請求項1から5に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 画像形成動作回数が、設定値以上となることにより、現像装置が寿命であると判断する現像装置寿命判定手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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