JP6699367B2 - 自動車のベルトライン部遮音構造および自動車用ドアガラス - Google Patents

自動車のベルトライン部遮音構造および自動車用ドアガラス Download PDF

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Description

本発明は、自動車のベルトライン部遮音構造および該遮音構造に用いる自動車用ドアガラスに関する。
従来、自動車の車内の遮音性を高める方法のひとつとして、自動車のベルトラインに沿って遮音構造を設ける方法がとられている。このような遮音構造として、例えば、特許文献1には、ドアガラスの閉時に、ドアパネルに取付けられたアウターシール部およびインナーシール部の下端部と、ドアガラスの下端部に対応する部分との一方に、遮音材を設けると共に、他方に該遮音材に弾接する突起を設けてなる遮音構造が開示されている。
特許文献1に記載された遮音構造では、ドアガラスの閉時に、ドアパネル、具体的にはドアパネルに設けられたシール部材とドアガラスの間の間隙を塞ぐことで車外からの音の侵入を阻止しようとしたものであり、相応の遮音効果が得られている。しかしながら、自動車車内の騒音には、車外から空気伝搬により侵入する音のほかに、ドアガラスを含む各種部材が振動することで発生する音が含まれる。特にドアガラスの振動を抑えることで車内の遮音性が高められることが期待されるが、特許文献1の遮音構造ではドアガラスの振動への対応が考慮されておらず、高いレベルの遮音性能が得られていない。
特開2001−219738号公報
本発明は、上記観点からなされたものであって、ベルトライン部を介した車外からの音の侵入およびドアガラス自体の振動による音の発生を抑制することで、ドアガラスの閉時における自動車内の遮音状態を高いレベルに向上可能な自動車のベルトライン部遮音構造および該遮音構造に用いる自動車用ドアガラスの提供を目的とする。
本発明の自動車のベルトライン部遮音構造は、自動車のベルトラインに沿って、ドアパネルとドアガラスとの間を遮音する遮音構造であって、前記ドアパネルは互いに対向する2枚のパネル板を備え、前記ドアガラスは前記2枚のパネル板の間に昇降可能に配設されることで開閉自在であり、前記ドアガラスの少なくとも一方の主面の下方部に装着された第1の粘弾性部材を備え、前記ドアガラスの閉時に、前記第1の粘弾性部材が、前記ドアガラスにおける前記第1の粘弾性部材の装着領域と、前記一方の主面に対向する前記パネル板の面の一部で拘束され、前記第1の粘弾性部材は、20℃におけるヤング率E(N/m )と、20℃、振動数4000Hzにおける損失係数tanδが、後述の式(2)を満たすことを特徴とする。



本発明の自動車用ドアガラスは、本発明のベルトライン部遮音構造に用いられる粘弾性部材付きガラス板からなることを特徴とする。
本発明の自動車のベルトライン部遮音構造は、ベルトライン部を介して車外から侵入する音の量を抑制するとともにドアガラス自体の振動による音の発生を抑制するという高い遮音性能を有する。これにより、本発明の自動車のベルトライン部遮音構造を用いれば、ドアガラス閉時の自動車内において高いレベルの遮音状態が達成できる。
本発明の自動車用ドアガラスは、自動車に装着された際に、ドアガラス閉時の自動車内において高いレベルの遮音状態を達成できる本発明の自動車のベルトライン部遮音構造を構築可能である。
本発明のベルトライン部遮音構造を有する自動車の側面図である。 本発明のベルトライン部遮音構造の一例において、ドアガラス閉時の状態を概略的に示す図1のA−A線断面図である。 本発明の自動車用ドアガラスの一例を概略的に示す断面図である。 本発明の自動車用ドアガラスの他の例を概略的に示す断面図である。 本発明の自動車用ドアガラスの他の例を概略的に示す断面図である。
以下に、本発明のベルトライン部遮音構造(以下、単に「遮音構造」ともいう。)および自動車用ドアガラス(以下、単に「ドアガラス」ともいう。)の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態を、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、変更または変形することができる。
図1は、図2に示す本発明の遮音構造が設けられる自動車のベルトライン部の位置を示す自動車の側面図である。図2は、本発明のベルトライン部遮音構造の一例において、ドアガラス閉時の状態を概略的に示す図であり、図1のA−A線断面図である。
本実施形態の遮音構造は、図1に示す実施形態の一例であるベルトライン部に設けられる。図1に示す自動車10において、前後のサイドドアSは、それぞれドアパネル12とドアパネル12に昇降可能に配設されたドアガラス11からなり、図1はドアガラス11が閉じた状態の自動車10を示している。
ドアパネル12は互いに対向する2枚のパネル板(図示せず)を備え、ドアガラス11は2枚のパネル板の間に昇降可能に配設されることで開閉自在である。なお、ドアガラス11が開閉自在であるとは、ドアガラス11が昇降することでサイドドアSの上方に位置する窓開口部Wの開閉が自在であることを意味する。すなわち、ドアガラス11の閉時には窓開口部Wはドアガラス11により閉じられ、ドアガラス11の開時には窓開口部Wは開かれた状態となる。本明細書においては、ドアパネル12が有する2枚のパネル板のうち車内側に位置するパネル板をインナーパネル、車外側に位置するパネル板をアウターパネルという。
自動車10において、ベルトラインLは前後のドアパネル12の上端を結ぶラインである。本発明において、ベルトラインLに沿ってドアパネル12の上端から下方に所定の幅を有する領域をベルトライン部という。図1ではこの幅の下端をLbとして示した。すなわち、ベルトライン部はベルトラインLとLbとで挟まれた領域を指す。自動車10のサイドドアSは、ドアガラス11閉時においてベルトライン部に遮音のための構造が得られる構成である。
図2に示すベルトライン部の遮音構造について説明する。ドアパネル12は互いに対向する2枚のパネル板としてインナーパネル121およびアウターパネル122を備え、ドアガラス11はインナーパネル121およびアウターパネル122の間に昇降可能に配設されている。インナーパネル121およびアウターパネル122はそれぞれ対向面のベルトラインに沿った領域であるベルトライン部にこれらとドアガラス11の間をシールするインナーシール部材141およびアウターシール部材142を有する。
インナーシール部材141は、ドアガラス11側の上下に2個のリップ部、すなわち上部インナーリップ411および下部インナーリップ412を有し、アウターシール部材142は同様にドアガラス11側に上部アウターリップ421および下部アウターリップ422を有する。インナーシール部141およびアウターシール部142は、エチレン・プロピレンゴム(EPDMゴム)等の合成ゴムやポリオレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等で形成される。なお、図2中の矢印Pは、ドアガラス11を閉める際のドアガラス11の進行方向を示す。
[遮音構造]
ドアガラス11は、図2にその断面図が示されるように、ドアガラス本体15と、第1の粘弾性部材13(粘弾性部材)を備えている。第1の粘弾性部材13は、ドアガラス本体15の車内側の主面の下方部に装着されている。そして、図2に示すように、ドアガラス11の閉時に、第1の粘弾性部材13が、ドアガラス11における第1の粘弾性部材13の装着領域と、インナーパネル121のドアガラス11側の面の一部で拘束される。ドアガラス11の下方部とは、ドアガラス11の閉時に、第1の粘弾性部材13が、ドアガラス11と、インナーパネル121のドアガラス11側の面の一部で拘束され得る領域である。
図2に示す遮音構造によれば、第1の粘弾性部材13が、ドアガラス11とインナーパネル121の間に挟まれ、両者に密接して、車内を密閉可能としている。そのため、ドアガラスの閉時においてベルトライン部を介して車内に侵入する音の量を充分に抑制することができる。また、第1の粘弾性部材13が、ドアガラス11とインナーパネル121間に拘束されることで拘束型の制振構造を形成している。ここで「拘束」とは、第1の粘弾性部材13が、ドアガラス11とインナーパネル121間に挟まれ、第1の粘弾性部材13の動きが制限された状態を意味する。そのため、ドアガラス本体15の振動を充分に抑制し、ドアガラスの閉時の車内における高い遮音効果が実現できる。なお、ドアガラスの振動の原因としては、ドアパネルからドアガラスへのロードノイズの伝播、エンジンノイズの伝播等が挙げられる。本発明のベルトライン部遮音構造によれば、いずれの原因におけるドアガラスの振動も充分に抑制可能である。
(第1の粘弾性部材13の物性)
第1の粘弾性部材13は、粘弾性体からなり、遮音性と制振性を有する。第1の粘弾性部材13は、20℃におけるヤング率E(N/m)と、20℃、振動数4000Hzにおける損失係数tanδが、下記式(1)を満たすことが好ましい。以下、特に断りのない限り、ヤング率は20℃における値を示し、損失係数は、20℃、振動数4000Hzにおける値を示すものとする。
Figure 0006699367
上記において、ヤング率Eは、第1の粘弾性部材13の硬さを計る指標であり、損失係数tanδは、第1の粘弾性部材13の粘性を計る指標である。ヤング率Eと損失係数tanδが上記式(1)を満たす範囲であることで、第1の粘弾性部材13は、音の侵入阻止効果と、ドアガラス11に対する制振効果とをバランスよく発揮して、優れた遮音効果を有するものとなる。
粘弾性部材31は、上記損失係数tanδが、下記式(2)を満たすことがより好ましい。
Figure 0006699367
上記式(1)および(2)の関係を満たす粘弾性部材31としては、例えば早川ゴム株式会社製 商品名:MTS−20が挙げられるが、これに限定されない。
第1の粘弾性部材13を形成する粘弾性を有する材料(以下、「粘弾性材料」ともいう)として具体的には、EPDMゴムなどの合成ゴム、ポリオレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーンゲル、ポリノルボルネン等を用いることができる。
また、第1の粘弾性部材13は、発泡体で構成されていてもよい。第1の粘弾性部材13が発泡体で構成される場合、第1の粘弾性部材13は、上記粘弾性材料を常法により発泡させて形成することができる。これにより、第1の粘弾性部材13のヤング率や損失係数を所望の値に調節することができる。
また、第1の粘弾性部材13を構成する粘弾性材料は、有機充填材、鉱質充填材等の充填材を含有してもよい。有機充填材としては、例えば、架橋ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体樹脂、尿素樹脂等の樹脂から形成された樹脂粒子、合成繊維、天然繊維が用いられる。鉱質充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー等のクレー、マイカ、ケイソウ土、カーボンブラック、シリカ、ガラス繊維、カーボン繊維、繊維状フィラー、ガラスバルーン等の無機フィラー等が用いられる。このように、充填材を含有させることで、第1の粘弾性部材13のヤング率や損失係数を所望の値に調節することができる。
(粘弾性部材の構造)
第1の粘弾性部材13は、単一の層からなる単層構造または複数の層からなる積層構造である。第1の粘弾性部材13は、単層構造である場合、上記粘弾性材料のみで形成すればよい。第1の粘弾性部材13は、積層構造である場合、例えばドアガラス側から車内側の方向に積層される。第1の粘弾性部材13は、積層構造の場合、積層構造全体のヤング率と損失係数の関係が上記式(1)を満たせばよい。第1の粘弾性部材13は、積層構造の場合、粘弾性材料で形成された軟質層の少なくとも一方の表面に、軟質層以外のその他の層を備える2層の積層構造、または、軟質層の両表面に上記その他の層を備える3層以上の積層構造で構成することができる。
第1の粘弾性部材13を、3層以上の積層構造で構成する場合には、最表層(ドアガラス11またはインナーパネル121に接する層)となる上記その他の層にドアガラス11またはインナーパネル121との密着性を持たせてもよい。これにより、第1の粘弾性部材13と、ドアガラス11またはインナーパネル121との密着性を高めることができるので、隙間からの音の侵入を阻止することができる。さらに、より安定した拘束型の制振構造を形成できるため、遮音効果を向上させることができる。
このような最表層を構成する材料としては、アルミ、ステンレス、鋼板鋼等の箔、あるいは、耐熱性硬質樹脂薄シート等を用いることが好ましい。また、軟質層を構成する粘弾性材料としては、EPDMゴムなどの合成ゴム、ポリオレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーンゲル、ポリノルボルネン等が好ましく用いられる。
このような積層構造からなる第1の粘弾性部材13は、例えば、上記材料によってそれぞれ単体で形成した2種以上の層を、積層して接着することで形成される。
(粘弾性部材の形状)
第1の粘弾性部材13の形状は、第1の粘弾性部材13がドアガラス11の閉時に、ドアガラス11とインナーパネル121の間に拘束され得る形状であれば特に限定されない。第1の粘弾性部材13は、適度に弾性変形可能であることが好ましい。第1の粘弾性部材13が弾性変形可能であれば、ドアガラス11の開時から、ドアガラス11を閉める際に、第1の粘弾性部材13が、ドアガラス11とインナーパネル121の間に挿入されて拘束される過程で、その進行方向前方側から後方に徐々に厚さが減少するように弾性変形される。その結果、第1の粘弾性部材13は、ドアガラス11の閉時において、開時に比べて厚みが減少される。これにより、ドアガラス11の閉時における、ドアガラス11とインナーパネル121の隙間をより密接して塞ぎ、車内を密閉するとともに、より安定した拘束型の制振構造を形成することができる。このため、第1の粘弾性部材13による遮音効果が向上される。
第1の粘弾性部材13は、ドアガラス11側から車内側方向の垂直断面における断面形状が、その上端に向けて、すなわち、ドアガラス11を閉める際のドアガラス11の進行方向に先細るテーパー形状を有することが好ましい。このようにすれば、ドアガラス11の開時から、ドアガラス11を閉める際に、第1の粘弾性部材13が、ドアガラス11とインナーパネル121の隙間に侵入し易くなり、また、第1の粘弾性部材13が、ドアガラス11とインナーパネル121の隙間を密接して塞ぎ、車内を密閉し易くなる。
第1の粘弾性部材13の厚さはドアガラス11とインナーパネル121間に拘束され得る厚さであれば特に限定されず、ドアガラス11とインナーパネル121の間隔に応じて適宜設定することができる。また、第1の粘弾性部材13の、上下幅については、ドアガラスの閉時において、第1の粘弾性部材13の上端がインナーシール部141の下端に到達するまでの範囲で拘束され、充分な遮音効果を得られるように設定される。
第1の粘弾性部材13は、ドアガラス本体15の一つの主面において左右両端を結ぶ水平方向に設けられる。ドアガラス本体15の水平方向における第1の粘弾性部材13の装着領域の位置については特に限定されず、第1の粘弾性部材13は、ドアガラス本体15の水平方向の全体に延在して設けられていてもよく、その一部に設けられていてもよい。ドアガラス本体15の一部に設けられる場合には、ドアガラス本体15の一部に連続的に設けられていてもよく、断続的に設けられていてもよい。なお、第1の粘弾性部材13の体積が大きい方が、遮音効果が高いため、第1の粘弾性部材13の装着領域は、ドアガラス本体15の水平方向の全体に延在して設けられることが好ましい。
なお、本実施形態の遮音構造においては、ドアガラス11の車外側に付着した雨水等の排水を良好に保つ点から、第1の粘弾性部材13はドアガラス11の車内側の主面の下方部に装着されている。他方、第1の粘弾性部材13は、ドアガラス11の車内側ではなく、車外側の主面の下方部に装着されていてもよい。
また、遮音効果をより高める点からは、ドアガラス11の車内側の下方部に第1の粘弾性部材を備え、車外側の主面の下方部に上記説明した第1の粘弾性部材と同様の粘弾性材料から構成される第2の粘弾性部材を備えることが好ましい。すなわち、ドアガラス11の車内側と車外側の両者の下方部にそれぞれ粘弾性部材を備えることが好ましい。第1および第2の粘弾性部材は、ドアガラス11の下方部に装着されることで、ドアガラス11の閉時に、ドアガラス11と、インナーパネル121またはアウターパネル122の面の一部で拘束される。これによりドアガラス11の両主面側に拘束型の制振構造を構成する。そのため、車内に侵入する音の量を充分に抑制するとともに、ドアガラス本体15の振動を充分に抑制し、ドアガラスの閉時の車内における高い遮音効果が実現できる。
[自動車用ドアガラス]
図3に、本発明の自動車用ドアガラス11を概略的に示す。図3は、図1に示す自動車10における自動車用ドアガラス11のA−A線断面図から自動車用ガラス11のみを抜き出して示した図である。図3に示す自動車用ドアガラス11は、ドアガラス本体15と、粘弾性部材13を備えている。図3において、粘弾性部材13は、自動車用ドアガラス11の少なくとも一方の主面の、ドアパネルに配設される際に下方に位置する部分(下方部)に装着されている。自動車用ドアガラス11は、上記実施形態の遮音構造に用いられ、ドアパネルと共働して遮音構造を構成する。
自動車用ドアガラス11は、図1に示す自動車10の、ドアパネル12を構成するインナーパネル121およびアウターパネル122(図2)間に、昇降可能に配設されることで窓開口部Wを開閉自在とする。そして、自動車用ドアガラス11の閉時に、粘弾性部材131が、ドアガラス11とインナーパネル121の間を密接して塞ぎ、車内を密閉する。そのため、ドアガラスの閉時においてベルトライン部を介して車内に侵入する音の量を充分に抑制することができる。また、自動車用ドアガラス11の閉時に、粘弾性部材13が、ドアガラス11とインナーパネル121間に拘束されることで拘束型の制振構造を形成する。そのため、自動車用ドアガラス11は、自動車に装着された際に、ドアガラス閉時の自動車内において高いレベルの遮音状態を達成できる自動車のベルトライン部遮音構造を構築可能である。
(ドアガラス本体)
ドアガラス本体15は、通常、車両窓用として用いられる透明な板状体であれば特に制限されない。形状としては、平板状、湾曲状のものが挙げられる。主面の形状は、搭載される車両の窓の形状とされる。板状体は、汎用の板ガラス、強化ガラス、複層ガラス、合わせガラス、金属線入りガラスであってよい。板状体の材質としては、透明なガラス、樹脂等が挙げられる。板状体の厚みは、車両の種類によるが、概ね2.8〜5.0mm程度である。
ガラスとして、具体的には、通常のソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。ガラスとしては、紫外線や赤外線を吸収するガラスを用いることも可能である。また、樹脂としては、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂やポリフェニレンカーボネートなどの芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。
(粘弾性部材)
粘弾性部材は、上記した第1の粘弾性部材13である。自動車用ドアガラス11は、ドアガラス本体の一方の主面のみに粘弾性部材13を備えて構成されていてもよく、両主面に粘弾性部材を備えて構成されていてもよい。粘弾性部材13は、例えば、両面テープや公知の接着剤によって、ドアガラス本体15に接着されている。
(変形例1)
図4は、テーパー形状を有する粘弾性部材132を備えた自動車用ドアガラス112を概略的に示す断面図である。図4において、図3と同様の機能を奏する構成については、重複する説明を省略する。図4に示す自動車用ドアガラス112は、ドアガラス本体151と、粘弾性部材132を備えており、粘弾性部材132は、自動車用ドアガラス111の少なくとも一方の主面の、ドアパネルに配設される際の下方部に装着されている。粘弾性部材132は、弾性変形可能な材料で構成されている。また、粘弾性部材132は、ドアガラス112が自動車に装着される際のドアガラス112側から車内側方向の垂直断面における断面形状が、その上端に向けて、すなわち、ドアガラス112を閉める際のドアガラス112の進行方向に先細るテーパー形状を有している。
自動車用ドアガラス112は、上記実施形態の遮音構造に用いられる。自動車用ドアガラス112がドアパネルに配設された状態で、自動車用ドアガラス112の閉時に、粘弾性部材132がドアガラス112とインナーパネル121間に拘束されることで拘束型の制振構造を形成する。自動車用ドアガラス112は、上記したようにテーパー形状を有しているため、ドアガラス112の開時から、ドアガラス112を閉める際に、粘弾性部材132が、ドアガラス112とインナーパネル121の隙間に侵入し易い。また、粘弾性部材132は、弾性変形してドアガラス112とインナーパネル121の隙間に侵入するため、ドアガラス112とインナーパネル121の隙間を塞ぎ、車内を密閉し易い。したがって、自動車用ドアガラス112は、自動車に装着された際に、ドアガラス閉時の自動車内において高いレベルの遮音状態を達成できる自動車のベルトライン部遮音構造を構築可能である。
(変形例2)
図5は、3層の積層構造からなる粘弾性部材133を備えた自動車用ドアガラス113を概略的に示す断面図である。図5において、図3と同様の機能を奏する構成については、重複する説明を省略する。図5に示す自動車用ドアガラス113は、ドアガラス本体151と、粘弾性部材133を備えており、粘弾性部材133は、自動車用ドアガラス113の少なくとも一方の主面の、ドアパネルに配設される際の下方部に配設されている。
粘弾性部材133は、自動車に装着される際の車内側から自動車用ドアガラス113側に向けて、最表層133aと、最表層よりもヤング率の小さい、粘弾性体からなる軟質層133bと、最表層133aと同様の構成の最表層133cを有している。粘弾性部材133においては、最表層133a、133cには密着性の材料、例えば、アルミ、ステンレス、鋼板鋼等の箔、あるいは、耐熱性硬質樹脂薄シート等を用いることができる。また、軟質層133bの材料としては、EPDMゴムなどの合成ゴム、ポリオレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーンゲル、ポリノルボルネン等の粘弾性材料が用いられる。
自動車用ドアガラス113は、上記実施形態の遮音構造に用いられる。自動車用ドアガラス113が自動車に装着された状態で、自動車用ドアガラス113の閉時に、粘弾性部材133がドアガラス113とインナーパネル121間に拘束されることで拘束型の制振構造を形成する。この際、最表層133aが上記したように、密着性の材料で構成されているため、粘弾性部材133がインナーパネル121に密着される。そのため、ドアガラス112とインナーパネル121の隙間を塞ぎ、車内を密閉し易くなる。また、軟質層のヤング率が上記した範囲であるため、充分な制振制と遮音性を備えるものである。したがって、自動車用ドアガラス113は、自動車に装着された際に、ドアガラス閉時の自動車内において高いレベルの遮音状態を達成できる自動車のベルトライン部遮音構造を構築可能である。
以上、実施形態の自動車のベルトライン部遮音構造によれば、ドアパネルとドアガラスとの間からの音の侵入を阻止するとともに、ドアガラス自体の振動による音の発生を防ぐことで、優れた遮音効果を発揮することができる。また、実施形態の粘弾性部材付き自動車用ドアガラスによれば、自動車に装着された際に、上記ベルトライン部遮音構造を構成するため、優れた遮音効果が発揮される。
10…自動車、11…ドアガラス、12…ドアパネル、13…第1の粘弾性部材、15…ドアガラス本体,121…インナーパネル、122…アウターパネル、141…インナーシール部、142…アウターシール部、L…ベルトライン、S…サイドドア、W…窓開口部、P…矢印。

Claims (8)

  1. 自動車のベルトラインに沿って、ドアパネルとドアガラスとの間を遮音する遮音構造であって、
    前記ドアパネルは互いに対向する2枚のパネル板を備え、前記ドアガラスは前記2枚のパネル板の間に昇降可能に配設されることで開閉自在であり、
    前記ドアガラスの少なくとも一方の主面の下方部に装着された第1の粘弾性部材を備え、
    前記ドアガラスの閉時に、前記第1の粘弾性部材が、前記ドアガラスにおける前記第1の粘弾性部材の装着領域と、前記一方の主面に対向する前記パネル板の面の一部で拘束され
    前記第1の粘弾性部材は、20℃におけるヤング率E(N/m )と、20℃、振動数4000Hzにおける損失係数tanδが、下記式(2)を満たす
    ことを特徴とする自動車のベルトライン部遮音構造。
    Figure 0006699367
  2. 前記第1の粘弾性部材が、弾性変形可能であり、前記第1の粘弾性部材の厚さが、前記ドアガラスの開時に比べて閉時において減少されることを特徴とする請求項1に記載の自動車のベルトライン部遮音構造。
  3. 前記第1の粘弾性部材が、他の層よりも20℃におけるヤング率の相対的に低い軟質層を含む積層構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の自動車のベルトライン部遮音構造。
  4. 前記第1の粘弾性部材の、前記ドアガラス側から車内側方向の垂直断面における断面形状が、その上端に向けて先細るテーパー形状であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の自動車のベルトライン部遮音構造。
  5. 前記ドアガラスの前記一方の主面が、車内側の主面であり、
    前記ドアガラスの閉時に、前記第1の粘弾性部材が、前記ドアガラスにおける前記第1の粘弾性部材の装着領域と、前記ドアガラスに対向する前記パネル板の面の一部で拘束されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の自動車のベルトライン部遮音構造。
  6. さらに、前記ドアガラスの、他方の主面の下方部に装着された第2の粘弾性部材を備え、
    前記ドアガラスの閉時に、前記第2の粘弾性部材が、前記ドアガラスにおける前記第2の粘弾性部材の装着領域と、前記他方の主面に対向する前記パネル板の前記ドアガラス側の面の一部で拘束されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の自動車のベルトライン部遮音構造。
  7. 前記第2の粘弾性部材が、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の前記第1の粘弾性部材と同様であることを特徴とする請求項に記載の自動車のベルトライン部遮音構造。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のベルトライン部遮音構造に用いられる、粘弾性部材付きガラス板からなることを特徴とする自動車用ドアガラス。
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