JP6698595B2 - トルク検出器 - Google Patents
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Description
この発明は、回転軸体に加わるトルクを検出するトルク検出器に関する。
回転軸体に加わるトルクを検出する方式の一つとして、回転軸体の周面に金属歪ゲージを取付け、トルクにより回転軸体の周面に生じるせん断応力の大きさを、金属歪ゲージにおける抵抗値変化により検出する方式がある。
この方式において、微小なトルク変化を精度よく検出する場合には、回転軸体における起歪部の軸径を小さくしてねじれ剛性を低くすることで、感度を向上させる手法が取られる(例えば特許文献1参照)。
この方式において、微小なトルク変化を精度よく検出する場合には、回転軸体における起歪部の軸径を小さくしてねじれ剛性を低くすることで、感度を向上させる手法が取られる(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、回転軸体の起歪部の軸径を小さくして剛性が下がると、応力増大によるヒステリシスの問題(感度とヒステリシスとのトレードオフの問題)が発生し、精度の向上は望めない。
また、駆動系及び負荷系との接続の都合上必要な回転軸体の外形サイズに対し、起歪部の軸径を小さくした場合、狭く奥まった箇所に金属歪ゲージを取付けることになる。よって、金属歪ゲージを位置精度よく均一に取付けることが難しいという課題がある。
また、駆動系及び負荷系との接続の都合上必要な回転軸体の外形サイズに対し、起歪部の軸径を小さくした場合、狭く奥まった箇所に金属歪ゲージを取付けることになる。よって、金属歪ゲージを位置精度よく均一に取付けることが難しいという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、トルクの検出精度が向上するトルク検出器を提供することを目的としている。
この発明に係るトルク検出器は、2つのフランジ部、及び、当該2つのフランジ部の間に設けられ、当該2つのフランジ部より軸径が小さい起歪部を有する回転軸体に対し、当該2つのフランジ部に跨って固定されたベース板と、ベース板の起歪部に対向する位置に搭載された歪センサと、ベース板の起歪部に対向する両側面に形成され、歪センサの幅よりも狭い凹部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、上記のように構成したので、トルクの検出精度が向上する。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るトルク検出器の構成例を示す図である。図1では、歪センサ1がベース板2を介して回転軸体5に取付けられた状態を示している。
回転軸体5は、軸方向における一端にモータ等の駆動系6が接続され、他端にロボットハンド等の負荷系が接続される。この回転軸体5は、図1に示すように、フランジ部51、フランジ部52及び起歪部53を有している。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るトルク検出器の構成例を示す図である。図1では、歪センサ1がベース板2を介して回転軸体5に取付けられた状態を示している。
回転軸体5は、軸方向における一端にモータ等の駆動系6が接続され、他端にロボットハンド等の負荷系が接続される。この回転軸体5は、図1に示すように、フランジ部51、フランジ部52及び起歪部53を有している。
フランジ部51は、軸方向における一端に駆動系6のシャフトが接合される。
フランジ部52は、軸方向における一端に負荷系のシャフトが接合される。
起歪部53は、フランジ部51とフランジ部52との間に設けられ、フランジ部51及びフランジ部52より小さな軸径に構成されている。例えば、起歪部53の軸径は、回転軸体5として必要な剛性を維持可能な最小直径に設定される。この起歪部53は、軸方向における一端がフランジ部51の他端に接続され、他端がフランジ部52の他端に接続される。
フランジ部52は、軸方向における一端に負荷系のシャフトが接合される。
起歪部53は、フランジ部51とフランジ部52との間に設けられ、フランジ部51及びフランジ部52より小さな軸径に構成されている。例えば、起歪部53の軸径は、回転軸体5として必要な剛性を維持可能な最小直径に設定される。この起歪部53は、軸方向における一端がフランジ部51の他端に接続され、他端がフランジ部52の他端に接続される。
このように、回転軸体5は、フランジ部51とフランジ部52との間に、フランジ部51及びフランジ部52より軸径が小さい起歪部53を有するH型起歪体に構成されている。
一方、トルク検出器は、回転軸体5に加わるトルクを検出する。トルク検出器は、図1に示すように、歪センサ1及びベース板2を備えている。以下では、歪センサ1として半導体歪ゲージを用いた場合を示す。
歪センサ1は、ベース板2を介して回転軸体5に取付けられ、外部からのせん断応力(引張応力及び圧縮応力)に応じた電圧を出力する半導体歪ゲージである。歪センサ1は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により実現される。この歪センサ1は、ベース板2の起歪部53に対向する位置に搭載される。歪センサ1は、図2,3に示すように、シリコン層(基板層)11及び絶縁層12を有する。
シリコン層11は、外力に応じて歪みが生じる単結晶シリコンであり、複数の抵抗ゲージ(拡散抵抗)13から成るホイートストンブリッジ回路を有するセンサ層である。シリコン層11には、裏面(一面)の中央に、溝部111が形成されている。溝部111により、シリコン層11には薄肉部112が構成される。抵抗ゲージ13は、この薄肉部112に形成される。
なお、薄肉部112の厚さは、シリコン層11の剛性等に応じて適宜設計される。例えば、シリコン層11の剛性が低い場合には薄肉部112は厚くされ、シリコン層11の剛性が高い場合には薄肉部112は薄くされる。
また、単結晶シリコンは、結晶異方性を有し、p型シリコン(100)面において、<110>方向のときに最もピエゾ抵抗係数が大きくなる。そのため、抵抗ゲージ13は、例えば表面の結晶方位が(100)であるシリコン層11の<110>方向に形成される。
図3では、フルブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)を構成する4つの抵抗ゲージ13(R1〜R4)が、シリコン層11の辺方向に対して斜め方向(45度方向)に形成され、歪センサ1が2方向のせん断応力を検知する場合を示している。なおここでは、上記斜め方向の具体例として45度方向とした場合を示したが、上記斜め方向は45度方向に限定されず、歪センサ1の特性上、ある程度のずれ(例えば44度方向又は46度方向等)は許容される。
図3では、フルブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)を構成する4つの抵抗ゲージ13(R1〜R4)が、シリコン層11の辺方向に対して斜め方向(45度方向)に形成され、歪センサ1が2方向のせん断応力を検知する場合を示している。なおここでは、上記斜め方向の具体例として45度方向とした場合を示したが、上記斜め方向は45度方向に限定されず、歪センサ1の特性上、ある程度のずれ(例えば44度方向又は46度方向等)は許容される。
絶縁層12は、上面がシリコン層11の裏面に接合され、裏面が回転軸体5に接合される台座である。この絶縁層12としては、例えばガラス又はサファイア等を用いることができる。
次に、歪センサ1の製造方法の一例について、図4を参照しながら説明する。
歪センサ1の製造方法では、図4に示すように、まず、シリコン層11に、イオン注入により複数の抵抗ゲージ13を形成する(ステップST1)。そして、複数の抵抗ゲージ13によりホイートストンブリッジ回路を形成する。
次いで、シリコン層11の裏面に、エッチングにより溝部111を形成する(ステップST2)。これにより、シリコン層11の抵抗ゲージ13が形成された箇所を薄肉部112とさせる。
次いで、シリコン層11の裏面と絶縁層12の上面とを、例えば陽極接合により接合する(ステップST3)。
歪センサ1の製造方法では、図4に示すように、まず、シリコン層11に、イオン注入により複数の抵抗ゲージ13を形成する(ステップST1)。そして、複数の抵抗ゲージ13によりホイートストンブリッジ回路を形成する。
次いで、シリコン層11の裏面に、エッチングにより溝部111を形成する(ステップST2)。これにより、シリコン層11の抵抗ゲージ13が形成された箇所を薄肉部112とさせる。
次いで、シリコン層11の裏面と絶縁層12の上面とを、例えば陽極接合により接合する(ステップST3)。
ベース板2は、歪センサ1が搭載され、フランジ部51及びフランジ部52に直接跨って固定される板部材である。このベース板2としては、例えばコバール等の金属部材を用いることができる。図1では、ベース板2が、フランジ部51及びフランジ部52の周面に跨って固定された場合を示している。また図5に示すように、ベース板2には、起歪部53に対向する両側面の中央に、凹部21が形成されている。この凹部21は歪センサ1の幅よりも狭く構成されている。また、凹部21は、フランジ部51とフランジ部52との間(軸方向における間隔)よりも狭く構成されている。
また上記のようにして製造された歪センサ1をベース板2に取付ける場合には、絶縁層12の裏面とベース板2とを例えばはんだ接合により接合する。この際、絶縁層12の裏面及びベース板2の接合部位をメタライズした上で、はんだ接合を行う。また、ベース板2を回転軸体5に取付ける場合にも上記と同様に例えばはんだ接合により接合する。
また、歪センサ1は、抵抗ゲージ13が回転軸体5の軸方向に対して斜め方向(45度方向)を向くように配置される。すなわち、抵抗ゲージ13は、回転軸体5にトルクが加わった際に発生するせん断応力の発生方向を向くように配置される。なおここでは、上記斜め方向の具体例として45度方向とした場合を示したが、上記斜め方向は45度方向に限定されず、歪センサ1の特性上、ある程度のずれ(例えば44度方向又は46度方向等)は許容される。
次に、トルク検出器の基本動作原理について、図6を参照しながら説明する。図6Aでは、歪センサ1が取付けられた回転軸体5の一端に駆動系6が接続され、この駆動系6により回転軸体5にトルクが加えられた状態を示している。また図6では、円柱状の回転軸体5を用い、歪センサ1が回転軸体5に直接取付けられた場合を示している。
図6Aに示すように、回転軸体5にトルクが加えられることで、回転軸体5に取付けられた歪センサ1が歪み、歪センサ1の表面に図6Bに示すようなせん断応力が発生する。図6では、色が濃い点ほど引張応力が強い状態であり、色が薄い点ほど圧縮応力が強い状態であることを示している。そして、回転軸体5の軸方向に対して斜め方向(45度方向)を向いた抵抗ゲージ13は、このせん断応力に応じて抵抗値が変化し、歪センサ1は、抵抗値の変化に応じた電圧を出力する。そして、トルク検出器は、この歪センサ1により出力された電圧から回転軸体5に加えられたトルクを検出する。
図6Aに示すように、回転軸体5にトルクが加えられることで、回転軸体5に取付けられた歪センサ1が歪み、歪センサ1の表面に図6Bに示すようなせん断応力が発生する。図6では、色が濃い点ほど引張応力が強い状態であり、色が薄い点ほど圧縮応力が強い状態であることを示している。そして、回転軸体5の軸方向に対して斜め方向(45度方向)を向いた抵抗ゲージ13は、このせん断応力に応じて抵抗値が変化し、歪センサ1は、抵抗値の変化に応じた電圧を出力する。そして、トルク検出器は、この歪センサ1により出力された電圧から回転軸体5に加えられたトルクを検出する。
実施の形態1に係るトルク検出器では、H型起歪体である回転軸体5に対し、ベース板2を介して、歪センサ1が起歪部53よりも径方向外側に配置されている。
これにより、許容トルクを確保し、且つ、歪センサ1を有効に歪ませることができる。すなわち、回転軸体5にトルクが加わった際に生じる歪みの大きさは軸心から径方向外側になるほど増加する。よって、軸心から外側に離れた位置に歪センサ1が配置されることで、回転軸体5に加わるトルクに対する検出感度が向上する。また、起歪部53より径方向外側にベース板2が配置されることで、ベース板2の取付けが容易となる。
これにより、許容トルクを確保し、且つ、歪センサ1を有効に歪ませることができる。すなわち、回転軸体5にトルクが加わった際に生じる歪みの大きさは軸心から径方向外側になるほど増加する。よって、軸心から外側に離れた位置に歪センサ1が配置されることで、回転軸体5に加わるトルクに対する検出感度が向上する。また、起歪部53より径方向外側にベース板2が配置されることで、ベース板2の取付けが容易となる。
更に、実施の形態1に係るトルク検出器では、ベース板2の起歪部53に対向する両側面に凹部21が形成され、凹部21は歪センサ1の幅よりも狭く構成されている。
ここで、歪センサ1がベース板2を介して回転軸体5に取付けられると、回転軸体5の変形が歪センサ1に伝達される際の伝達効率が下がる。そこで、ベース板2に凹部21を設けることで、ベース板2が回転方向に歪み易くされ、且つ、歪センサ1の幅(チップ長)より狭い領域で変形を起こさせることで、回転軸体5に加わるトルクに対する検出感度が向上する。
また、凹部21は、フランジ部51とフランジ部52との間(軸方向における間隔)よりも狭く構成されている。これにより、ベース板2の変形を局所的に集中させることができ、歪み量が増大し、回転軸体5に加わるトルクに対する検出感度が向上する。
ここで、歪センサ1がベース板2を介して回転軸体5に取付けられると、回転軸体5の変形が歪センサ1に伝達される際の伝達効率が下がる。そこで、ベース板2に凹部21を設けることで、ベース板2が回転方向に歪み易くされ、且つ、歪センサ1の幅(チップ長)より狭い領域で変形を起こさせることで、回転軸体5に加わるトルクに対する検出感度が向上する。
また、凹部21は、フランジ部51とフランジ部52との間(軸方向における間隔)よりも狭く構成されている。これにより、ベース板2の変形を局所的に集中させることができ、歪み量が増大し、回転軸体5に加わるトルクに対する検出感度が向上する。
図7に実施の形態1に係るトルク検出器の効果を示す。
図7Aに示すように、ベース板2の凹部21間の幅をくびれ幅wとする。この場合、このくびれ幅wとトルク検出器の感度との関係は、例えば図7Bに示すようになる。なお図7Bでは、ベース板2にくびれが無い(凹部21が無い)場合でのくびれ幅比を1とし、その際の感度比を1として、くびれ幅比と感度比との関係を示している。この図7Bに示すように、ベース板2に凹部21を設けることで、トルク検出器の感度比が向上することがわかる。
図7Aに示すように、ベース板2の凹部21間の幅をくびれ幅wとする。この場合、このくびれ幅wとトルク検出器の感度との関係は、例えば図7Bに示すようになる。なお図7Bでは、ベース板2にくびれが無い(凹部21が無い)場合でのくびれ幅比を1とし、その際の感度比を1として、くびれ幅比と感度比との関係を示している。この図7Bに示すように、ベース板2に凹部21を設けることで、トルク検出器の感度比が向上することがわかる。
また、歪センサ1がベース板2に搭載されることで、歪センサ1の固定及び電気取出し工程をベース板2上で実施できる。よって、歪センサ1が扱い易く、プロセス装置上の制約も少ない。
また、歪センサ1とベース板2との接合では、はんだ接合により熱が加えられる。そのため、ベース板2の材料を適切に選択することで、線膨張率の差による温度特性悪化を低減できる。例えば、歪センサ1としてシリコンを用いた場合には、ベース板2としてコバールを用いる。
なお上記のトルク検出器では、シリコン層11の裏面中央に溝部111が形成されることで薄肉部112が構成され、抵抗ゲージ13がこの薄肉部112に形成されている。これにより、抵抗ゲージ13が形成された薄肉部112に応力を集中させることができ、回転軸体5に加わるトルクに対する検出感度が向上する。
また上記では、ベース板2が、フランジ部51及びフランジ部52の周面に跨って固定された場合を示した。しかしながら、これに限らず、歪センサ1が起歪部53より径方向外側に対向配置されていればよい。よって、例えば図8に示すように、回転軸体5(フランジ部51,52)の周面に収納溝54を形成し、ベース板2が当該収納溝54に収納されてもよい。
また、4つの抵抗ゲージ13の配置は図3に示す配置に限らず、例えば図9に示すような配置としてもよい。
また上記では、ホイートストンブリッジ回路として、4つの抵抗ゲージ13(R1〜R4)から成るフルブリッジ回路を用いた場合を示した。しかしながら、これに限らず、図10に示すように、ホイートストンブリッジ回路として、2つの抵抗ゲージ13(R1,R2)から成るハーフブリッジ回路を用いてもよい。なお、図10BにおけるRは、固定抵抗である。
また図11に示すように、シリコン層11の裏面に、溝部111をシリコン層11の側面に連通する連通溝部113が形成されてもよい。ここで、シリコン層11と絶縁層12との接合では、陽極接合により400度程度の温度が加えられる。そのため、連通溝部113が無い場合には、陽極接合の際に、シリコン層11と絶縁層12との間の溝部111に存在する空気が高温状態で封止されてしまい、常温に下がるとその空気が収縮するため、薄肉部112が変形し、歪センサ1のゼロ点がずれてしまう恐れがある。一方、連通溝部113が設けられることで、陽極接合の際に、溝部111に存在する空気を外部に逃がすことができ、薄肉部112の変形を回避できる。
なお、シリコン層11は、溝部111及び連通溝部113により、全体が薄くならないように、一部のみが薄くなるように構成される必要がある。
なお、シリコン層11は、溝部111及び連通溝部113により、全体が薄くならないように、一部のみが薄くなるように構成される必要がある。
なお上記では、基板層として、シリコン層11を用いた場合を示したが、これに限らず、外力に応じて歪みが生じる部材であればよい。例えば、基板層として、絶縁体(ガラス等)又は金属を用いることができる。ここで、基板層が絶縁体である場合には、抵抗ゲージ13は、当該絶縁体にスパッタリング等により成膜されることで形成される。また、基板層が金属である場合には、抵抗ゲージ13は、当該金属に絶縁膜を介してスパッタリング等により成膜されることで形成される。また、基板層としてシリコン層11を用い、抵抗ゲージ13が、当該シリコン層11にスパッタリング等により成膜されることで形成されてもよい。
基板層として上記絶縁体又は金属を用いた場合でも、一般的な金属歪ゲージよりもゲージ率は高くなる。また、成膜によって抵抗ゲージ13を形成した場合には、シリコン層11にイオン注入により抵抗ゲージ13を形成した場合に対し、結晶方位によってゲージ率が変わることはなく、すなわち、方向を限定する必要がなくなる。
一方、ゲージ率は、成膜によって抵抗ゲージ13を形成した場合に対し、シリコン層11にイオン注入により抵抗ゲージ13を形成した場合の方が、4〜10倍以上高くなる。
基板層として上記絶縁体又は金属を用いた場合でも、一般的な金属歪ゲージよりもゲージ率は高くなる。また、成膜によって抵抗ゲージ13を形成した場合には、シリコン層11にイオン注入により抵抗ゲージ13を形成した場合に対し、結晶方位によってゲージ率が変わることはなく、すなわち、方向を限定する必要がなくなる。
一方、ゲージ率は、成膜によって抵抗ゲージ13を形成した場合に対し、シリコン層11にイオン注入により抵抗ゲージ13を形成した場合の方が、4〜10倍以上高くなる。
また上記では、図5に示すように、凹部21が矩形状に構成された場合を示した。しかしながら、これに限らず、凹部21は、例えば、図12Aに示すような半円形状又は図12Bに示すような角にRを有する形状に構成されてもよい。ここで、ベース板2が変形する場合、凹部21の角に応力が集中する。そのため、凹部21を半円形状又は角にRを有する形状とすることで、ベース板2が変形した場合での応力分散及び応力緩和を図ることができる。
また上記では、歪センサ1として、図2に示すような形状の半導体歪ゲージを用いた場合を示した。しかしながら、これに限らず、その他の形状の半導体歪ケージを用いてもよい。また、歪センサ1として、その他の歪ゲージ(例えば金属歪ゲージ)を用いてもよい。
また、薄膜歪ゲージのように歪センサ1の剛性が低い場合には、ベース板2は、歪センサ1に対して剛性調整の役割も果たす。
また、薄膜歪ゲージのように歪センサ1の剛性が低い場合には、ベース板2は、歪センサ1に対して剛性調整の役割も果たす。
以上のように、この実施の形態1によれば、2つのフランジ部51,52、及び、当該2つのフランジ部51,52の間に設けられ、当該2つのフランジ部51,52より軸径が小さい起歪部53を有する回転軸体5に対し、当該2つのフランジ部51,52に跨って固定されたベース板2と、ベース板2の起歪部53に対向する位置に搭載された歪センサ1と、ベース板2の起歪部53に対向する両側面に形成され、歪センサ1の幅よりも狭い凹部21とを備えたので、トルクの検出精度が向上する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 歪センサ
2 ベース板
5 回転軸体
6 駆動系
11 シリコン層(基板層)
12 絶縁層
13 抵抗ゲージ(拡散抵抗)
21 凹部
51,52 フランジ部
53 起歪部
54 収納溝
111 溝部
112 薄肉部
113 連通溝部
2 ベース板
5 回転軸体
6 駆動系
11 シリコン層(基板層)
12 絶縁層
13 抵抗ゲージ(拡散抵抗)
21 凹部
51,52 フランジ部
53 起歪部
54 収納溝
111 溝部
112 薄肉部
113 連通溝部
Claims (7)
- 2つのフランジ部、及び、当該2つのフランジ部の間に設けられ、当該2つのフランジ部より軸径が小さい起歪部を有する回転軸体に対し、当該2つのフランジ部に跨って固定されたベース板と、
前記ベース板の前記起歪部に対向する位置に搭載された歪センサと、
前記ベース板の前記起歪部に対向する両側面に形成された凹部と
を備えたトルク検出器。 - 前記凹部は、前記歪センサの幅よりも狭い
ことを特徴とする請求項1記載のトルク検出器。 - 前記凹部は、前記2つのフランジ部の軸方向における間隔よりも狭い
ことを特徴とする請求項1記載のトルク検出器。 - 前記凹部は、半円形状又は角にRを有する形状に構成された
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項記載のトルク検出器。 - 前記歪センサは、半導体歪ゲージである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか1項記載のトルク検出器。 - 前記歪センサは、外力に応じて歪みが生じる基板層、及び、当該基板層に成膜されることで形成された抵抗ゲージとを有する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか1項記載のトルク検出器。 - 前記ベース板は、コバールから成る
ことを特徴とする請求項5記載のトルク検出器。
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