JP2008185374A - センサ装置の製造方法 - Google Patents

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Hisatoku Shiroishi
久徳 城石
Kazushi Kataoka
万士 片岡
Takashi Saijo
隆司 西條
Takashi Okuto
崇史 奥戸
Toru Baba
徹 馬場
Takumi Taura
巧 田浦
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Abstract

【課題】小型化、低背化を実現しても、信頼性の高いセンサ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】カバー基板1を製造する工程Aと、大気圧よりも減圧された状態で、カバー基板1と貫通孔配線形成基板11とを接合し、センサ素子3を凹部に気密に収納して、センサ装置100Aを製造する工程Bと、センサ装置100Aを大気中に配置することにより、凹部内底面がセンサ素子3に近づくようにカバー基板1を変形させる工程Cと、を備え、工程Aにおいて、凹部は、内底面が中央に向かってセンサ素子3から離れるように形成されることを特徴とする。
【選択図】図10

Description

本発明は、センサ装置、例えば、自動車や携帯電話などに用いられる加速度センサ、加速度センサエレメントの製造方法に関する。
図27に、従来のセンサ装置の断面を示す。図27に示すように、センサ装置700においては、凹部を有するカバー基板71と貫通孔配線形成基板72とを、互いに接合して、気密封止された凹部に可動部73を有するセンサ素子74が収納されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−127750号公報
ところで、センサ装置700においては、内部を真空にすることにより、空気圧によるダンピング効果が軽減されるため、センサ特性が向上する。そのため、センサ装置700は、真空中で製造される。ここで、さらなるセンサ低背化を目指して、カバー基板71上部の厚さT71を50μm以下とすると、センサ装置700を大気中に配置したときに、センサ装置700内部は真空であるため、カバー基板71の凹部内底面が5μm以上センサ素子74に近づくように、カバー基板71が変形し、可動部73と接触して、センサ装置700の動作が不安定になる恐れがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなしたものであり、小型化、低背化を実現しても、信頼性の高いセンサ装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載のセンサ装置の製造方法は、可動部を有するセンサ素子と、センサ素子が実装され、可動部に電気的に接続される貫通孔配線が形成された貫通孔配線形成基板と、凹部を有し、貫通孔配線形成基板に接合されて、センサ素子を凹部に気密に収納するカバー基板と、を備えるセンサ装置の製造方法であって、カバー基板を製造する工程Aと、大気圧よりも減圧された状態で、カバー基板と貫通孔配線形成基板とを接合し、センサ素子を凹部に気密に収納して、センサ装置を製造する工程Bと、センサ装置を大気中に配置することにより、凹部内底面がセンサ素子に近づくようにカバー基板を変形させる工程Cと、を備え、工程Aにおいて、凹部は、内底面が中央に向かってセンサ素子から離れるように形成されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載のセンサ装置の製造方法において、工程Aがボッシュ法を用いたエッチングによりなされることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載のセンサ装置の製造方法において、工程Bが常温接合によりなされることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ装置の製造方法において、工程Cにおいて、凹部内底面が略平坦になるようにカバー基板を変形させることを特徴とする。
請求項5に記載のセンサ装置の製造方法は、枠状のフレームの内側に配置される可動部を有するセンサ基板と、センサ基板の一表面側でセンサ基板のフレーム全周に亘って周部が封止され、可動部に電気的に接続される貫通孔配線が形成された貫通孔配線形成基板と、凹所を有し、センサ基板の他表面側でセンサ基板のフレーム全周に亘って周部が封止され、フレームの内周面と凹所とで形成される凹部により、可動部を気密に収納するカバー基板と、を備えるセンサ装置の製造方法であって、カバー基板を製造する工程Dと、大気圧よりも減圧された状態で、センサ基板とカバー基板とを接合し、可動部を凹部に気密に収納して、センサ装置を製造する工程Eと、センサ装置を大気中に配置することにより、凹所内底面が可動部に近づくようにカバー基板を変形させる工程Fと、を備え、工程Dにおいて、凹所は、周縁が傾斜し、内底面が中央に向かって、周縁の傾斜よりも緩やかに、可動部から離れるように形成されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、カバー基板上部を薄く形成しても、可動部とカバー基板の凹部内底面とが接触せず、可動部の十分な可動領域を確保することができる。
請求項2に記載の発明においては、エッチング時のパラメータを変化させることにより、カバー基板の凹部の形状をコントロールすることができるため、カバー基板として、より望ましい形に形成することができる。
請求項3に記載の発明においては、カバー基板と貫通孔配線形成基板との接合を、常温接合で行うことにより、センサ素子が熱応力の影響を受けにくくなるので、センサ特性を向上させることが可能となる。
請求項4に記載の発明においては、あらかじめ、センサ装置を大気中に配置したときに、凹部内底面が略平坦になるように形成することにより、カバー基板と可動部との間のギャップを精度よくコントロールすることができ、可動部の可動範囲をより設計値に近づけることができるため、より信頼性の高いセンサ装置を実現することが可能となる。
請求項5に記載の発明においては、カバー基板下部を薄く形成しても、可動部とカバー基板の凹部内底面とが接触せず、可動部の十分な可動領域を確保することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以降の説明において、同一の部材に同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。なお、以下の説明では具体例を挙げて本発明を説明する場合があるが、本発明は以下の具体例に限定されない。
(実施形態1)
図1〜10に示す断面図を用いて、実施形態1に係るセンサ装置の製造方法を説明する。本実施形態では、センサ装置100Aとして、加速度センサを例示する。
(1)基板S1を用意する(図1)。基板S1は、センサ装置100A(図10参照)のカバー基板1となるものであり、例えば、Siで構成されているが、絶縁性を有し、常温での気密封止が可能な材料であればこれに限定はしない。基板S1の厚さは、例えば、500〜525μmとすることができる。
(2)基板S1に、ボッシュ法を用いたエッチング技術により、凹部を形成し、カバー基板1を製造する(図2)。この際、凹部の深さが中央に向かって、大きくなるようにエッチングする。凹部ここで、カバー基板1上部において、側部の厚さT1が50μm程度であり、中央部の厚さT2がこれよりも5μm程度薄くなるように凹部を形成する。
(3)基板S2を用意する(図3)。基板S2は、センサ装置100A(図10参照)のセンサ素子3となるものであり、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いている。SOI基板は、Siからなる支持基板3a上のSiO2膜からなる絶縁層(埋め込み酸化膜)3b上にn形のSi層3cを有する。基板S2の厚さは、例えば、400μmとすることができる。ここでは、基板S2として、SOI基板を用いているが、SOI基板に限らず、例えば、Si基板を用いてもよい。
(4)基板S2を、リソグラフィ技術およびエッチング技術により加工し、ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4および図示しない配線を、n形のSi層3cにおけるそれぞれの形成部位に適宜濃度のp形不純物をドーピングすることにより形成し、センサ素子3を製造する(図4および図11)。
まず、構成について説明する。ここで、図11は、上面図であり、図4は、図11のP−P断面図である。
センサ素子3は、矩形枠状のフレーム4を備え、フレーム4の内側に配置された重り部5がフレーム4よりも薄肉である4つの短冊状の撓み部6を介してフレーム4に連続一体に連結され、フレーム4に遥動自在に支持されている。換言すれば、センサ素子3は、矩形枠状のフレーム4の内側に配置される重り部5が重り部5から四方へ延長された4つの撓み部6を介してフレーム4に遥動自在に支持されている。ここで、フレーム4は、上述のSOI基板の支持基板3a、絶縁層3b、n形のSi層3cそれぞれを利用して形成されている。これに対して、撓み部6は、上述のSOI基板におけるn形のSi層3cを利用して形成されており、フレーム4よりも十分薄肉となっている。ここで、撓み部6は可撓性を有する。重り部5は、上述の4つの撓み部6を介してフレーム4に支持された直方体状のコア部5aと、センサ素子3の一表面側から見て、コア部5aの四隅それぞれに連続一体に連結された直方体状の4つの付随部5bとを有している。換言すれば、重り部5は、フレーム4の内側面に一端部が連結された各撓み部6の他端部が外側面に連結されたコア部5aと、コア部5aと一体に形成され、コア部5aとフレーム4との間の空間に配置される4つの付随部5bとを有している。つまり、各付随部5bは、センサ素子3の上記一表面から見て、フレーム4とコア部5aと互いに直交する方向に延長された2つの撓み部6、6とで囲まれる空間に配置されており、各付随部5bそれぞれとフレーム4との間にはスリット8が形成され、撓み部6を挟んで隣り合う付随部5b間の間隔が撓み部6の幅寸法よりも長くなっている。
ここにおいて、コア部5aは、上述のSOI基板の支持基板3a、絶縁層3b、n形のSi層3cそれぞれを利用して形成され、各付随部5bは、SOI基板の支持基板3aを用いて形成されている。しかして、センサ素子3の上記一表面側において、各付随部5bの表面は、コア部5aの表面を含む平面からセンサ素子3の他表面側へ離間して位置している。
ところで、センサ素子3の上記一表面に平行な面内でフレーム4の一辺に沿った一方向をx軸の正方向、この一辺に直交する辺に沿った一方向をy軸の正方向、センサ素子3の厚み方向の一方向をz軸の正方向と規定すれば、重り部5は、x軸方向に延長されてコア部5aを挟む2つ1組の撓み部6、6と、y軸方向に延長されてコア部5aを挟む2つ1組の撓み部6、6とを介してフレーム4に支持されていることになる。なお、上述のx軸、y軸、z軸の3軸により規定した直交座標では、センサ素子3において、上述のn形のSi層3cにより形成された部分の表面における重り部5の中心位置を原点としている。
また、センサ素子3には、重り部5の変位により撓み部6に生じる歪みによって、3方向の加速度を検出するため、抵抗率の変化する抵抗体としてのピエゾ抵抗Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4が各撓み部6の適宜位置に形成されている。
コア部5aからx軸の正方向に延長された撓み部6(図11の右側の撓み部6)には、コア部5a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Rx2、Rx4が形成されるとともに、フレーム4近傍に1つのピエゾ抵抗Rz2が形成されている。一方、コア部5aからx軸の負方向に延長された撓み部6(図11の左側の撓み部6)には、コア部5a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Rx1、Rx3が形成されるとともに、フレーム4近傍に1つのピエゾ抵抗Rz3が形成されている。ここで、コア部5a近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Rx1、Rx2、Rx3、Rx4は、x軸方向の加速度を検出するために形成されたもので、平面形状が細長の長方形状であって、長手方向が撓み部6の長手方向に一致するように形成されており、図12における左側のブリッジ回路Bx1を構成するように図示しない配線によって接続されている。なお、ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4は、x軸方向の加速度がかかったときに撓み部6において、応力集中領域に形成されている。
また、コア部5aからy軸の正方向に延長された撓み部6(図11の上側の撓み部6)には、コア部5a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Ry1、Ry3が形成されるとともに、フレーム4近傍に1つのピエゾ抵抗Rz1が形成されている。一方、コア部5aからy軸の負方向に延長された撓み部6(図11の下側の撓み部6)には、コア部5a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Ry2、Ry4が形成されるとともに、フレーム4近傍に1つのピエゾ抵抗Rz4が形成されている。ここで、コア部5a近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Ry1、Ry2、Ry3、Ry4は、y軸方向の加速度を検出するために形成されたもので、平面形状が細長の長方形状であって、長手方向が撓み部6の長手方向に一致するように形成されており、図12における中央のブリッジ回路By1を構成するように図示しない配線によって接続されている。なお、ピエゾ抵抗Ry1〜Ry4は、y軸方向の加速度がかかったときに、撓み部6において、応力が集中する応力集中領域に形成されている。
また、フレーム4近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Rz1、Rz2、Rz3、Rz4は、z軸方向の加速度を検出するために形成されているものであり、図12における右側のブリッジ回路Bz1を構成するように図示しない配線によって接続されている。ただし、2つ1組となる撓み部6、6のうち、一方の組の撓み部6、6に形成されたピエゾ抵抗Rz1、Rz4は長手方向が撓み部6、6の長手方向と一致するように形成されているのに対して、他方の組の撓み部6、6に形成されたピエゾ抵抗Rz2、Rz3は長手方向が撓み部6、6の幅方向(短手方向)と一致するように形成されている。
ところで、センサ素子3は、図12に示すように、上述の3つのブリッジ回路Bx1、By1、Bz1に共通の2つの入力端子VDD1、GND1と、ブリッジ回路Bx1の2つの出力端子X1、X2と、ブリッジ回路By1の2つの出力端子Y1、Y2と、ブリッジ回路Bz1の2つの出力端子Z1、Z2と、を備えている。
次に、センサ素子3の動作の一例について説明する。
いま、センサ素子3に加速度がかかっていない状態で、センサ素子3に対してx軸の正方向に加速度がかかったとすると、x軸の負方向に作用する重り部5の慣性力によってフレーム4に対して、重り部5が変位し、結果的にx軸方向を長手方向とする撓み部6が撓んで、当該撓み部6に形成されているピエゾ抵抗Rx1〜Rx4の抵抗値が変化することになる。この場合、ピエゾ抵抗Rx1、Rx3は引張応力を受け、ピエゾ抵抗Rx2、Rx4は圧縮応力を受ける。一般的に、ピエゾ抵抗は引張応力を受けると抵抗値(低効率)が増大し、圧縮応力を受けると抵抗値(低効率)が減少する特性を有しているので、ピエゾ抵抗Rx1、Rx3は抵抗値が増大し、ピエゾ抵抗Rx2、Rx4は抵抗値が減少することになる。したがって、図12に示した一対の入力端子VDD11、GND11間に外部電源から一定の直流電圧を印加しておけば、図12に示した左側のブリッジ回路Bx1の出力端子X1、X2間の電位差がx軸方向の加速度の大きさに応じて変化する。同様に、y軸方向の加速度がかかった場合には、図12に示した中央のブリッジ回路By1の出力端子Y1、Y2間の電位差がy軸方向の加速度に応じて変化し、z軸方向の加速度がかかった場合には、図12に示した右側のブリッジ回路Bz1の出力端子Z1、Z2間の電位差がz軸方向の加速度に応じて変化する。しかして、上述のセンサ素子3は、各ブリッジ回路Bx1、By1、Bz1それぞれの出力電圧の変化を検出することにより、当該センサ素子3により、当該センサ素子3に作用したx軸方向、y軸方向、z軸方向それぞれの加速度を検出することができる。本実施形態では、重り部5と各撓み部6とで可動部7を構成しており、各ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4それぞれがセンサ素子3におけるセンシング部を構成している。
(5)センサ素子3の上記一表面上に、SiO2膜とSiN膜との積層膜からなる表面絶縁膜9を形成し、表面絶縁膜9上に、センサ電極10および図示しない金属配線を形成する(図5)。センサ電極10は、Auで形成することが好ましい。金属配線は、表面絶縁膜9上にスパッタ法や蒸着法などにより成膜した金属膜(例えば、Al膜、Al−Si膜)をリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより形成し、表面絶縁膜9に設けたコンタクトホールを通して、配線と電気的に接続する。
(6)基板S3を用意する(図6)。基板S3は、センサ装置100A(図10参照)の貫通孔配線形成基板11となるものであり、例えば、Siで構成されているが、絶縁性を有し、常温での気密封止が可能な材料であればこれに限定はしない。基板S3の厚さは、例えば、200μmとすることができる。
(7)基板S3から貫通孔配線形成基板11を製造する(図7)。まず、基板S3に貫通孔を形成し、当該貫通孔に配線材料となるCuやNiを、化学蒸着法(CVD)やめっき等の方法で充填させることによって貫通孔配線12を形成する。貫通孔配線12の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。基板S3をSiで構成する場合には、基板S3の厚み方向の両面および貫通孔の内周面に、例えば、SiO2膜などの絶縁膜13を形成し、貫通孔配線12間の絶縁を確保する必要がある。
(8)貫通孔配線形成基板11にセンサ素子3を実装する(図8)。具体的には、貫通孔配線形成基板11の一表面に外部接続用電極14を配置し、他表面にバンプ15を用いて、センサ素子3をバンプ実装する。ここで、外部接続用電極14とバンプ15とを、貫通孔配線12により、電気的に接続する。なお、センサ素子3の実装は、常温バンプ接合で行うことが好ましい。具体的には、バンプ15を、センサ素子3に設けたセンサ電極10と同様、Auで形成し、バンプ15とセンサ電極10の表面を活性化した後、所定の荷重を付加して、常温下で直接接合する。なお、バンプ15の高さは、センサ素子3を実装したときに、例えば、10μmである。また、各外部接続用電極14の外周形状は矩形状となっている。
(9)大気圧よりも減圧された状態で、センサ素子3がカバー基板1の凹部に気密に収納されるように、カバー基板1と貫通孔配線形成基板11とを接合して、センサ装置100Aを製造する(図9)。ここで、圧力は、0〜1×10-6Paの範囲内であり、次に述べる(10)で、センサ装置100Aを大気中に配置したときに、カバー基板1の凹部内底面がセンサ素子3に近づくようにカバー基板1が変形し、カバー基板1の凹部内底面が略平坦になるように設定する。
(10)センサ装置100Aを大気中に配置すると、カバー基板1の凹部内底面がセンサ素子3に近づくようにカバー基板1が変形し、カバー基板1の凹部内底面が略平坦になる(図10)。この際、可動部7は、カバー基板1の凹部内底面との間の領域内で可動自在とされる。
なお、カバー基板1と貫通孔配線形成基板11との接合の方法としては、センサ素子3の残留応力を少なくするためにより低温での接合が可能な接合方法を採用することが望ましく、本実施形態では、常温接合法を採用している。常温接合法では、接合前に互いの接合面へアルゴンプラズマもしくはイオンビームもしくは原子ビームを真空中で照射して各接合表面の清浄化・活性化を行ってから、接合面どうしを接触させ、常温で接合する。本実施形態では、上述の常温接合法により、常温下で適宜の荷重を印加して、カバー基板1と貫通孔配線形成基板11とを接合している。
ところで、本実施形態のセンサ装置100Aを製造するにあたっては、センサ素子3を多数形成したSOIウェハを切断分離して、個別のセンサ素子3を形成し、第1のSiウェハに、このセンサ素子3を多数実装した後、第1のSiウェハとカバー基板1を多数形成した第2のSiウェハとをウェハレベルで接合してから、ダイシング工程により所望のチップサイズのセンサ装置100Aに切断されている。
したがって、カバー基板1上部を薄く形成しても、可動部7とカバー基板1の凹部内底面とが接触せず、可動部7の十分な可動領域を確保することができる。
そして、エッチング時のパラメータを変化させることにより、カバー基板1の凹部の形状をコントロールすることができるため、カバー基板1として、より望ましい形に形成することができる。
また、カバー基板1と貫通孔配線形成基板11との接合を、常温接合で行うことにより、センサ素子3が熱応力の影響を受けにくくなるので、センサ特性を向上させることが可能となる。
さらに、あらかじめ、センサ装置100Aを大気中に配置したときに、カバー基板1の凹部内底面が略平坦になるように形成することにより、カバー基板1と可動部7との間のギャップを精度よくコントロールすることができ、可動部7の可動範囲をより設計値に近づけることができるため、より信頼性の高いセンサ装置100Aを実現することが可能となる。
(実施形態2)
図13〜23に示す断面図を用いて、実施形態2に係るセンサ装置の製造方法を説明する。本実施形態では、センサ装置100Bとして、加速度センサを例示する。
(1)基板S3を用意する(図13)。基板S3は、センサ装置100B(図23参照)のカバー基板31となるものであり、例えば、Siで構成されているが、絶縁性を有し、常温での気密封止が可能な材料であればこれに限定はしない。基板S3の厚さは、例えば、100〜200μmとすることができる。
(2)基板S3に、ボッシュ法を用いたエッチング技術により、凹所を形成して、カバー基板31を製造する(図14)。ここで、凹所の周縁に傾斜を設け、内底面の部分については、傾斜の部分よりも緩やかに、凹所の深さが中央に向かって、大きくなるようにエッチングする。傾斜が設けられている部分については、凹所の深さは、最も深いところで、例えば、5〜10μmである。また、カバー基板31下部において、側部の厚さT11が50μm程度であり、中央部の厚さT12がこれよりも5μm程度薄くなるように凹所を形成する。
(3)基板S4を用意する(図15)。基板S4は、センサ装置100B(図23参照)のセンサ基板33となるものであり、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いている。SOI基板は、Siからなる支持基板33a上のSiO2膜からなる絶縁層(埋め込み酸化膜)33b上にn形のSi層33cを有する。なお、本実施形態では、SOI基板における支持基板33aの厚さを300〜500μm程度、絶縁層33bの厚さを0.3〜2μm程度、n形のSi層33cの厚さを3〜10μm程度としているが、これらの数値は特に限定するものではない。ここでは、基板S4として、SOI基板を用いているが、SOI基板に限らず、例えば、Si基板を用いてもよい。
(4)基板S4を、リソグラフィ技術およびエッチング技術により加工し、ピエゾ抵抗Rx11〜Rx14、Ry11〜Ry14、Rz11〜Rz14および図示しない配線を、n形のSi層33cにおけるそれぞれの形成部位に適宜濃度のp形不純物をドーピングすることにより形成し、センサ基板33を製造する(図16および図24)。
まず、構成について説明する。ここで、図24は、上面図であり、図16は、図24のP−P断面図である。
センサ基板33は、矩形枠状のフレーム34を備え、フレーム34の内側に配置された重り部35がフレーム34よりも薄肉である4つの短冊状の撓み部36を介してフレーム34に連続一体に連結され、フレーム34に遥動自在に支持されている。換言すれば、センサ基板33は、矩形枠状のフレーム34の内側に配置される重り部35が重り部35から四方へ延長された4つの撓み部36を介してフレーム34に遥動自在に支持されている。ここで、フレーム34は、上述のSOI基板の支持基板33a、絶縁層33b、n形のSi層33cそれぞれを利用して形成されている。これに対して、撓み部36は、上述のSOI基板におけるn形のSi層33cを利用して形成されており、フレーム34よりも十分薄肉となっている。ここで、撓み部36は可撓性を有する。重り部35は、上述の4つの撓み部36を介してフレーム34に支持された直方体状のコア部35aと、センサ基板33の一表面側から見て、コア部35aの四隅それぞれに連続一体に連結された直方体状の4つの付随部35bとを有している。換言すれば、重り部35は、フレーム34の内側面に一端部が連結された各撓み部36の他端部が外側面に連結されたコア部35aと、コア部35aと一体に形成され、コア部35aとフレーム34との間の空間に配置される4つの付随部35bとを有している。つまり、各付随部35bは、センサ基板33の上記一表面から見て、フレーム34とコア部35aと互いに直交する方向に延長された2つの撓み部36、36とで囲まれる空間に配置されており、各付随部35bそれぞれとフレーム34との間にはスリット38が形成され、撓み部36を挟んで隣り合う付随部35b間の間隔が撓み部36の幅寸法よりも長くなっている。
ここにおいて、コア部35aは、上述のSOI基板の支持基板33a、絶縁層33b、n形のSi層33cそれぞれを利用して形成され、各付随部35bは、SOI基板の支持基板33aを用いて形成されている。しかして、センサ基板33の上記一表面側において、各付随部35bの表面は、コア部35aの表面を含む平面からセンサ基板33の他表面側へ離間して位置している。
ところで、センサ基板33の上記一表面に平行な面内でフレーム34の一辺に沿った一方向をx軸の正方向、この一辺に直交する辺に沿った一方向をy軸の正方向、センサ基板33の厚み方向の一方向をz軸の正方向と規定すれば、重り部35は、x軸方向に延長されてコア部35aを挟む2つ1組の撓み部36、36と、y軸方向に延長されてコア部35aを挟む2つ1組の撓み部36、36とを介してフレーム34に支持されていることになる。なお、上述のx軸、y軸、z軸の3軸により規定した直交座標では、センサ基板33において、上述のn形のSi層33cにより形成された部分の表面における重り部35の中心位置を原点としている。
また、センサ基板33には、重り部35の変位により撓み部36に生じる歪みによって、3方向の加速度を検出するため、抵抗率の変化する抵抗体としてのピエゾ抵抗Rx11〜Rx14、Ry11〜Ry14、Rz11〜Rz14が各撓み部36の適宜位置に形成されている。
コア部35aからx軸の正方向に延長された撓み部36(図24の右側の撓み部36)には、コア部35a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Rx12、Rx14が形成されるとともに、フレーム34近傍に1つのピエゾ抵抗Rz12が形成されている。一方、コア部35aからx軸の負方向に延長された撓み部36(図24の左側の撓み部36)には、コア部35a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Rx11、Rx13が形成されるとともに、フレーム34近傍に1つのピエゾ抵抗Rz13が形成されている。ここで、コア部35a近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Rx11、Rx12、Rx13、Rx14は、x軸方向の加速度を検出するために形成されたもので、平面形状が細長の長方形状であって、長手方向が撓み部36の長手方向に一致するように形成されており、図25における左側のブリッジ回路Bx11を構成するように図示しない配線によって接続されている。なお、ピエゾ抵抗Rx11〜Rx14は、x軸方向の加速度がかかったときに撓み部36において、応力集中領域に形成されている。
また、コア部35aからy軸の正方向に延長された撓み部36(図24の上側の撓み部36)には、コア部35a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Ry11、Ry13が形成されるとともに、フレーム34近傍に1つのピエゾ抵抗Rz11が形成されている。一方、コア部35aからy軸の負方向に延長された撓み部36(図24の下側の撓み部36)には、コア部35a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Ry12、Ry14が形成されるとともに、フレーム34近傍に1つのピエゾ抵抗Rz14が形成されている。ここで、コア部35a近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Ry11、Ry12、Ry13、Ry14は、y軸方向の加速度を検出するために形成されたもので、平面形状が細長の長方形状であって、長手方向が撓み部36の長手方向に一致するように形成されており、図25における中央のブリッジ回路By11を構成するように図示しない配線によって接続されている。なお、ピエゾ抵抗Ry11〜Ry14は、y軸方向の加速度がかかったときに、撓み部36において、応力が集中する応力集中領域に形成されている。
また、フレーム34近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Rz11、Rz12、Rz13、Rz14は、z軸方向の加速度を検出するために形成されているものであり、図25における右側のブリッジ回路Bz11を構成するように図示しない配線によって接続されている。ただし、2つ1組となる撓み部36、36のうち、一方の組の撓み部36、36に形成されたピエゾ抵抗Rz11、Rz14は長手方向が撓み部36、36の長手方向と一致するように形成されているのに対して、他方の組の撓み部36、36に形成されたピエゾ抵抗Rz12、Rz13は長手方向が撓み部36、36の幅方向(短手方向)と一致するように形成されている。
ところで、センサ基板33は、図25に示すように、上述の3つのブリッジ回路Bx11、By11、Bz11に共通の2つの入力端子VDD11、GND11と、ブリッジ回路Bx11の2つの出力端子X11、X12と、ブリッジ回路By11の2つの出力端子Y11、Y12と、ブリッジ回路Bz11の2つの出力端子Z11、Z12と、を備えている。
次に、センサ基板33の動作の一例について説明する。
いま、センサ基板33に加速度がかかっていない状態で、センサ基板33に対してx軸の正方向に加速度がかかったとすると、x軸の負方向に作用する重り部35の慣性力によってフレーム34に対して、重り部35が変位し、結果的にx軸方向を長手方向とする撓み部36が撓んで、当該撓み部36に形成されているピエゾ抵抗Rx11〜Rx14の抵抗値が変化することになる。この場合、ピエゾ抵抗Rx11、Rx13は引張応力を受け、ピエゾ抵抗Rx12、Rx14は圧縮応力を受ける。一般的に、ピエゾ抵抗は引張応力を受けると抵抗値(低効率)が増大し、圧縮応力を受けると抵抗値(低効率)が減少する特性を有しているので、ピエゾ抵抗Rx11、Rx13は抵抗値が増大し、ピエゾ抵抗Rx12、Rx14は抵抗値が減少することになる。したがって、図25に示した一対の入力端子VDD11、GND11間に外部電源から一定の直流電圧を印加しておけば、図25に示した左側のブリッジ回路Bx11の出力端子X11、X12間の電位差がx軸方向の加速度の大きさに応じて変化する。同様に、y軸方向の加速度がかかった場合には、図25に示した中央のブリッジ回路By11の出力端子Y11、Y12間の電位差がy軸方向の加速度に応じて変化し、z軸方向の加速度がかかった場合には、図25に示した右側のブリッジ回路Bz11の出力端子Z11、Z12間の電位差がz軸方向の加速度に応じて変化する。しかして、上述のセンサ基板33は、各ブリッジ回路Bx11、By11、Bz11それぞれの出力電圧の変化を検出することにより、当該センサ基板33により、当該センサ基板33に作用したx軸方向、y軸方向、z軸方向それぞれの加速度を検出することができる。本実施形態では、重り部35と各撓み部36とで可動部37を構成しており、各ピエゾ抵抗Rx11〜Rx14、Ry11〜Ry14、Rz11〜Rz14それぞれがセンサ基板33におけるセンシング部を構成している。
(5)センサ基板33の上記一表面上に、SiO2膜とSiN膜との積層膜からなる表面絶縁膜39を形成し、表面絶縁膜39上に、第1の接続用接合金属層40a、第1の封止用接合金属層41aおよび図示しない金属配線を形成する(図17および図26)。
以下、構成について説明する。ここで、図26は、上面図であり、図17は、図26のP−P断面図である。
第1の接続用接合金属層40aは、外周形状が矩形状(本実施形態では正方形状)であり、フレーム34の周方向に離間して12個形成されている。また、第1の封止用接合金属層41aは、フレーム34よりも開口面積が大きな枠状(矩形枠状)で、センサ基板33のフレーム34上に形成されており、上述の12個の第1の接続用接合金属層40aは、フレーム34において、第1の封止用接合金属層41aよりも内側に配置されている。要するに、第1の封止用接合金属層41aの幅寸法をフレーム34の幅寸法に比べて小さく設定し、第1の封止用接合金属層41aと各第1の接続用接合金属層40aとを同一平面上に形成している。第1の接続用接合金属層40aおよび第1の封止用接合金属層41aは、接合用のAu膜と表面絶縁膜39との間に密着性改善用のTi膜を介在させてある。換言すれば、第1の接続用接合金属層40aおよび第1の封止用接合金属層41aは、表面絶縁膜39上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第1の接続用接合金属層40aと第1の封止用接合金属層41aとは同一の金属材料により形成されているので、第1の接続用接合金属層40aと第1の封止用接合金属層41aとを同時に形成することができるとともに、第1の接続用金属層40aと第1の封止用接合金属層41aとを同じ厚さに形成することができる。なお、第1の接続用接合金属層40aおよび第1の封止用接合金属層41aは、Ti膜の膜厚を30nm、Au膜の膜厚を500nmに設定し、金属配線の膜厚を1μmに設定しているが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、本実施形態では、各Au膜と表面絶縁膜39との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
第1の接続用接合金属層40aは、上述した各入力端子VDD11、GND11および各出力端子X11、X12、Y11、Y12、Z11、Z12となる。
なお、金属配線は、表面絶縁膜39上にスパッタ法や蒸着法などにより成膜した金属膜(例えば、Al膜、Al−Si膜)をリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより形成され、表面絶縁膜39に設けたコンタクトホールを通して、配線と電気的に接続される。
(6)基板S5を用意する(図18)。基板S5は、センサ装置100B(図23参照)の貫通孔配線形成基板42となるものであり、例えば、Siで構成されているが、絶縁性を有し、常温での気密封止が可能な材料であればこれに限定はしない。基板S5の厚さは、例えば、200μmとすることができる。
(7)基板S5から貫通孔配線形成基板42を製造する(図19)。
まず、基板S5をエッチングして、凹部を形成する。
次に、凹部の外側に、12個の第1の接続用接合金属層40aに対応するように、12個の貫通孔を形成した後、貫通孔に、配線材料となるCuやNiを、化学蒸着法(CVD)やめっき等の方法で充填させることによって貫通孔配線43を形成する。貫通孔配線43の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。基板S5をSiで構成する場合には、基板S5の厚み方向の両面および貫通孔の内周面に、例えば、SiO2膜などの絶縁膜44を形成し、貫通孔配線43間の絶縁を確保する必要がある。
(8)貫通孔配線形成基板42の一表面上の絶縁膜44上であり、凹部が形成されている側に、第2の接続用接合金属層40b、第2の封止用接合金属層41bを形成し、凹部が設けられている側とは反対側の表面に、各貫通孔配線43それぞれと電気的に接続される12個の外部接続用電極45を形成する(図20)。
以下、構成について説明する。
第2の接続用接合金属層40bは、外周形状が細長の長方形状であり、凹部の周部において、長手方向の一端部が貫通孔配線43と接合され、電気的に接続されるように、12個形成されている。また、第2の封止用接合金属41bは、枠状であり、貫通孔配線形成基板42における凹部の外側の周部全周に沿って形成されている。上述の12個の第2の接続用接合金属層40bは、第2の封止用接合金属層41bよりも内側に配置されている。第2の接続用接合金属層40bおよび第2の封止用接合金属層41bは、接合用のAu膜と絶縁膜44との間に密着性改善用のTi膜を介在させている。換言すれば、第2の接続用接合金属層40bおよび第2の封止用接合金属層41bは、絶縁膜44上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第2の接続用接合金属層40bと第2の封止用接合金属層41bとは同一の金属材料により形成されているので、第2の接続用接合金属層40bと第2の封止用接合金属層41bとを同時に形成することができるとともに、第2の接続用接合金属層40bと第2の封止用接合金属層41bとを同じ厚さに形成することができる。なお、第2の接続用接合金属40bおよび第2の封止用接合金属層41bは、Ti膜の膜厚を30nm、Au膜の膜厚を500nmに設定しているが、これらの数値は一例であって、特に限定するものではない。
また、各外部接続用電極45の外周形状は矩形状となっている。
(9)第1の接続用接合金属層40aと第2の接続用接合金属層40bを接合させるとともに、第1の封止用接合金属層41aと第2の封止用接合金属層41bを接合させる(図21)。しかして、12個の貫通孔配線43と12個の第1の接続用接合金属層40aとは電気的に接続される。
図21に示すように、貫通孔配線形成基板42のセンサ基板33側に形成されている凹部は、センサ基板33の重り部35と各撓み部36とで構成される可動部37の変位空間を確保する。
ここで、第1の接続用接合金属層40aと金属配線とは、第1の接続用接合金属層40aにおける金属配線との接続部位が貫通孔配線形成基板42におけるセンサ基板33との対向面に形成された凹部内に位置する形で電気的に接続されている。本実施形態では、貫通孔配線形成基板42における凹部が第1の接続用接合金属層40aにおける金属配線との接続部位が配置される凹部を兼ねている。
ここにおいて、第2の接続用接合金属層40bは、長手方向の一端部が貫通孔配線43と接合されており、他端部の部位がセンサ基板33上に形成された表面絶縁膜39上の金属配線よりも外側で第1の接続用接合金属層40aと接合されて電気的に接続されるように配置している。
(10)大気圧よりも減圧された状態で、センサ基板33の可動部37を、フレーム34の内周面とカバー基板31の凹所とで形成される凹部により気密に収納して、センサ装置100Bを製造する(図22)。すなわち、カバー基板31は、周部において、センサ基板33のフレーム34と接合される。ここで、圧力は、0〜1×10-6Paの範囲内であり、次に述べる(11)で、センサ装置100Bを大気中に配置したときに、カバー基板31の凹部内底面が可動部37に近づくようにカバー基板31が変形し、カバー基板31の凹部内底面が略平坦になるように設定する。
(11)センサ装置100Bを大気中に配置すると、カバー基板31の凹所内底面が可動部37に近づくようにカバー基板31が変形し、カバー基板31の凹所内底面が略平坦となる(図23)。しかして、カバー基板31の凹所が可動部37の変位空間となり、可動部37は、カバー基板33の凹所内底面との間の領域内で可動自在とされる。
なお、第1の接続用接合金属層40aと第2の接続用接合金属層40bとの接合方法、第1の封止用接合金属層41aと第2の封止用接合金属層41bとの接合方法およびセンサ基板33とカバー基板31との接合方法としては、センサ基板33の残留応力を少なくするためにより低温での接合が可能な接合方法を採用することが望ましく、本実施形態では、常温接合法を採用している。常温接合法では、接合前に互いの接合面へアルゴンプラズマもしくはイオンビームもしくは原子ビームを真空中で照射して各接合表面の清浄化・活性化を行ってから、接合面どうしを接触させ、常温で接合する。本実施形態では、上述の常温接合法により、常温下で適宜の荷重を印加して、第1の封止用接合金属層41aと第2の封止用接合金属層41bとを接合するのと同時に、第1の接続用接合金属層40aと第2の接続用接合金属層40bとを接合しており、また、上述の常温接合法により、常温下でセンサ基板33のフレーム34とカバー基板31との周部とを接合している。しかして、本実施形態のセンサ装置100Bでは、第1の接続用接合金属層40aと第2の接続用接合金属層40bとの接合および第1の封止用接合金属層41aと第2の封止用接合金属層41bとの接合がAu−Au接合となり、センサ基板33とカバー基板31との接合がSi−Si接合となっており、半田リフローや陽極接合などの加熱を必要とする方法により接合する場合に比べて、センシング部を構成するピエゾ抵抗Rx11〜Rx14、Ry11〜Ry14、Rz11〜Rz14が熱応力の影響を受けにくくなるという利点がある。また、本実施形態では、センサ基板33と貫通孔配線形成基板42およびカバー基板31とが同じ半導体材料であるSiにより形成されているので、センサ基板33と貫通孔配線形成基板42およびカバー基板31との熱膨張係数差に起因した応力(センサ基板33における残留応力)が上記ブリッジ回路Bx11、By11、Bz11の出力信号に与える影響を低減でき、貫通孔配線形成基板42およびカバー基板31がセンサ基板33と異なる材料により形成されている場合に比べて、センサ特性のばらつきを低減することができる。
ところで、本実施形態のセンサ装置100Bは、センサ基板33を多数形成したSOIウェハと貫通孔配線形成基板42を多数形成した第1のSiウェハおよびカバー基板31を多数形成した第2のSiウェハウェハとをウェハレベルで接合してから、ダイシング工程により所望のチップサイズのセンサ装置100Bに切断されている。したがって、貫通孔配線形成基板42とカバー基板31とがセンサ基板33と同じ外形サイズとなり、小型のチップサイズパッケージを実現できるとともに、製造が容易になる。
したがって、カバー基板31下部を薄く形成しても、可動部37とカバー基板31の凹部内底面とが接触せず、可動部37の十分な可動領域を確保することができる。
実施形態1における(1)の工程を示す断面図である。 実施形態1における(2)の工程を示す断面図である。 実施形態1における(3)の工程を示す断面図である。 実施形態1における(4)の工程を示す断面図であり、図11のP−P断面図である。 実施形態1における(5)の工程を示す断面図である。 実施形態1における(6)の工程を示す断面図である。 実施形態1における(7)の工程を示す断面図である。 実施形態1における(8)の工程を示す断面図である。 実施形態1における(9)の工程を示す断面図である。 実施形態1における(10)の工程を示す断面図である。 実施形態1における(4)の工程を示す上面図である。 実施形態1におけるセンサ素子の回路図である。 実施形態2における(1)の工程を示す断面図である。 実施形態2における(2)の工程を示す断面図である。 実施形態2における(3)の工程を示す断面図である。 実施形態2における(4)の工程を示す断面図であり、図24のP−P断面図である。 実施形態2における(5)の工程を示す断面図であり、図26のP−P断面図である。 実施形態2における(6)の工程を示す断面図である。 実施形態2における(7)の工程を示す断面図である。 実施形態2における(8)の工程を示す断面図である。 実施形態2における(9)の工程を示す断面図である。 実施形態2における(10)の工程を示す断面図である。 実施形態2における(11)の工程を示す断面図である。 実施形態2における(4)の工程を示す上面図である。 実施形態2におけるセンサ基板の回路図である。 実施形態2における(5)の工程を示す上面図である。 従来のセンサ装置の断面図である。
符号の説明
1,31 カバー基板
3 センサ素子
5,35 重り部
6,36 撓み部
7,37 可動部
10 センサ電極
11,42 貫通孔配線形成基板
12,43 貫通孔配線
14,45 外部接続用電極
15 バンプ
33 センサ基板
34 フレーム

Claims (5)

  1. 可動部を有するセンサ素子と、
    前記センサ素子が実装され、前記可動部に電気的に接続される貫通孔配線が形成された貫通孔配線形成基板と、
    凹部を有し、前記貫通孔配線形成基板に接合されて、前記センサ素子を前記凹部に気密に収納するカバー基板と、
    を備えるセンサ装置の製造方法であって、
    前記カバー基板を製造する工程Aと、
    大気圧よりも減圧された状態で、前記カバー基板と前記貫通孔配線形成基板とを接合し、前記センサ素子を前記凹部に気密に収納して、前記センサ装置を製造する工程Bと、
    前記センサ装置を大気中に配置することにより、前記凹部内底面が前記センサ素子に近づくように前記カバー基板を変形させる工程Cと、
    を備え、
    前記工程Aにおいて、前記凹部は、内底面が中央に向かって前記センサ素子から離れるように形成されることを特徴とするセンサ装置の製造方法。
  2. 前記工程Aがボッシュ法を用いたエッチングによりなされることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置の製造方法。
  3. 前記工程Bが常温接合によりなされることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置の製造方法。
  4. 前記工程Cにおいて、前記凹部内底面が略平坦になるように前記カバー基板を変形させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ装置の製造方法。
  5. 枠状のフレームの内側に配置される可動部を有するセンサ基板と、
    前記センサ基板の一表面側で前記センサ基板の前記フレーム全周に亘って周部が封止され、前記可動部に電気的に接続される貫通孔配線が形成された貫通孔配線形成基板と、
    凹所を有し、前記センサ基板の他表面側で前記センサ基板のフレーム全周に亘って周部が封止され、前記フレームの内周面と前記凹所とで形成される凹部により、前記可動部を気密に収納するカバー基板と、
    を備えるセンサ装置の製造方法であって、
    前記カバー基板を製造する工程Dと、
    大気圧よりも減圧された状態で、前記センサ基板と前記カバー基板とを接合し、前記可動部を前記凹部に気密に収納して、前記センサ装置を製造する工程Eと、
    前記センサ装置を大気中に配置することにより、前記凹所内底面が前記可動部に近づくように前記カバー基板を変形させる工程Fと、
    を備え、
    前記工程Dにおいて、前記凹所は、周縁が傾斜し、内底面が中央に向かって、前記周縁の傾斜よりも緩やかに、前記可動部から離れるように形成されることを特徴とするセンサ装置の製造方法。
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