JP6697106B1 - 揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブロックの搬送据付作業の能率を高める。【解決手段】 ブロック61をアーム12の前端から吊り下げた状態で搬送して据え付けるブロック搬送据付装置に、吊下げ状態のブロックに揺れ止めを施す揺れ止め機構を設ける。揺れ止め機構は受け具と牽引装置を備える。受け具31は、上後端をアームの前側部分の下に取り付け、下前端をブロックの上後隅角部に嵌る受け部37にする。牽引装置は、本体46をアームの前側部分に取り付け、本体から垂れ下がる牽引索47の端をブロックに連結する構成にする。使用時、受け具は受け部を吊下げ状態のブロックの後上隅角部に嵌め、牽引装置は牽引索の端を吊下げ状態のブロックに連結し、牽引装置の牽引操作で吊下げ状態のブロックを斜め上後方に牽引して吊下げ状態のブロックの上後隅角部を受け部に押し付ける構成にする。【選択図】 図1

Description

本発明は、ブロックを吊下げ状態で搬送して据え付ける搬送据付装置において、吊下げ状態のブロックの揺れを止める機構に関する。
床版やスラブのようなブロックの搬送据付装置は、台車の上にアームを設けている。アームは、前端を台車の前側に突き出し、前端から吊り索を垂れ下げている。吊り索は、下端にブロックを連結する構成にしている。アームの前端を昇降する装置を設けている。
使用時、ブロックの保管場所で、吊り索の下端は、保管中のブロックに連結する。アームの前端は上昇させ、保管中のブロックを持ち上げて吊下げ状態にする。台車は、走行させ、ブロックを吊下げ状態で据付場所へ搬送する。
ブロックの据付場所で、台車は、吊下げ状態のブロックがその据付位置の上空に達すると、停車させる。アームの前端は下降させ、吊下げ状態のブロックを下降させて据付位置に下ろす。吊り索の下端は据付位置のブロックから取り外す。台車は、走行させ、ブロックを据付位置に残してブロック保管場所に戻る。
このような搬送据付作業を繰り返して、多数のブロックを据付場所に敷き並べる。
特許第3060412号公報
[課 題]
上記のような搬送据付装置において
(1)台車の発車時、走行速度の増速、減速時と停車時に後向き、前向きの慣性力が発生する。ブロックは、吊下げ状態で搬送する時、前後方向に揺れることになる。
ブロックが吊下げ状態で前後に揺れると、台車は、後向きの力と前向きの力を交互に受け、走行し難くなる。また、ブロックは、吊下げ状態で据付位置に下ろす時、前後方向に揺れていると、前後方向の位置が決まらず、据付位置に正確に据え付けし難くなる。
そこで、台車は、走行速度の増減速に基づく慣性力を小さくするため、低速走行することになる。搬送時間が長くなる。また、ブロックは、吊下げ状態で据付位置に下ろす時、揺れが止まるのを待つことになる。据付時間が長くなる。
要するに、ブロックの搬送据付作業は、能率を高め難い。
(2)ブロックの据付場所、据付面が登り坂である場合、ブロックの据付時、ブロック搬送据付装置は据付済ブロックの上で前上がりに傾斜するが、吊下げ状態のブロックは、傾斜せず、水平になっている。ブロックは、水平吊下げ状態のまま据付面に下ろすと、最初に前端が据付面に接し、次に後端側が前端を中心として円弧状に下降し、据付面に接する。そのブロックは、全面が据付面に接したとき、後端が据付済ブロックの前に所定の隙間を置いて位置することが必要である。ところが、水平吊下げ状態のブロックは、据付面に下した時、最初に前端が据付面に接した位置で、後端の位置が決まってしまう。後端の位置を所定の通りに調整するのが容易ではない。ブロックの据付作業は、能率を高め難い。
[着 想]
(1)上記のような搬送据付装置では、ブロックを吊り下げた状態で、アームは、前端を含む前側部分が前後方向に位置する。また、ブロックは、後部がアームの前側部分の下に位置する。そこで、吊下げ状態のブロックは、後部をアームの前側部分の下に保持する。アームの前側部分に対して固定する。即ち、吊下げ状態のブロックに揺れ止めを施すことにする。
(2)据付面が登り坂である場合、ブロックは、据付面勾配に対応させて傾斜させ、傾斜吊下げ状態で下降させ、据付面と平行状態で据付面に下ろすことにした。ブロック搬送据付装置は、吊下げ状態のブロックを前上がりに傾斜させる傾斜機構を設けることにした。
[構 想]
(1)揺れ止め機構は、吊下げ状態のブロックの後部を受ける受け具と、吊下げ状態のブロックを受け具に押し当てる牽引装置を設ける。
受け具は、上後端をアームの前側部分の下に取り付け、下前端をブロックの上後隅角部に嵌る受け部にする。受け部は、具体的には、ブロックの上後隅角部の上面に当たる横片部と後面に当たる縦片部を設ける。牽引装置は、本体をアームの前側部分に取り付け、本体から垂れ下がる牽引索の端をブロックに連結する構成にする。牽引装置は、牽引索の端を引き上げる荷役装置にする。荷役装置には、人力により引き上げる手動式と、動力により引き上げる動力式がある。手動式の荷役装置は、具体的には、レバーを操作するレバー式ホイスト、レバーブロック(株式会社キトーの登録商標)や、牽引索のチェーンの一部を操作部にして操作部のチェーンを操作するチェーンブロックがある。動力式の荷役装置は、電動式、空圧式や油圧式がある。
使用時、受け具は、受け部を吊下げ状態のブロックの上後隅角部に嵌める。牽引装置は、牽引索を本体から斜め下前方に引き出し、牽引索の端を吊下げ状態のブロックに連結する。そして、牽引装置を牽引操作し、牽引索の端を斜め上後方に引っ張る。すると、吊下げ状態のブロックは、斜め上後方に牽引されて、上後隅角部が受け部に押し付けられる。即ち、吊下げ状態のブロックは、受け具と牽引装置でアームの前側部分の下に保持されて、揺れ止めが施される。
更に、揺れ止め機構は、ブロックの前後方向の長さが異なるときにも使用可能にする。そのため、受け具は、受け部の前後方向位置を変更可能にする。また、ブロックの吊下げ上下方向位置が異なるときにも使用可能にする。そのため、受け具は、受け部の上下方向位置を変更可能にする。
(2)傾斜機構は、吊下げ状態のブロックの前端側を引上索で引き上げる引上装置を設ける。引上装置は、本体をアームの前側部分に取り付け、本体から垂れ下がる引上索の端を前側に引き出し、アーム前端の案内車を経てブロックの前部に連結する構成にする。引上装置は、引上索の端を引き上げる荷役装置にする。荷役装置には、手動式と動力式がある。手動式の荷役装置は、具体的には、レバーを操作するレバー式ホイスト、レバーブロック(株式会社キトーの登録商標)や、牽引索のチェーンの一部を操作部にして操作部のチェーンを操作するチェーンブロックがある。動力式の荷役装置は、電動式、空圧式や油圧式がある。
ブロックを傾斜させる時、引上装置は、引上索の端を吊下げ状態のブロックの前部に連結する。そして、引上装置を引上操作し、引上索の端を引き上げてブロックの前端側を持ち上げる。吊下げ状態のブロックは、前上がりに傾斜させる。その傾斜角度は、登り坂の据付面勾配に対応させる。
ブロックを据え付ける時、アームの前端を下降する。すると、傾斜吊下げ状態のブロックは、据付位置に傾斜状態で下る。その際、ブロックは、下面が登り坂の据付面と平行状態にあり、全面が同時に据付面に接する。平面上に据え付けるときと同様になる。
1.台車の上にアームを設け、アームの前端を台車の前側に突き出し、アームの前端から吊り索を垂れ下げ、吊り索の下端を床版やスラブのようなブロックに連結する構成にし、アームの前端を昇降する装置を設け、ブロックを吊下げ状態で搬送して据え付けるブロック搬送据付装置において、
吊下げ状態のブロックに揺れ止めを施す揺れ止め機構を設け、
揺れ止め機構は、吊下げ状態のブロックの後部を受ける受け具と、吊下げ状態のブロックを受け具に押し当てる牽引装置を備え、
受け具は、上後端をアームの前側部分の下に取り付け、下前端をブロックの上後隅角部に嵌る受け部にし、
牽引装置は、本体をアームの前側部分に取り付け、本体から垂れ下がる牽引索の端をブロックに連結する構成にし、
使用時、受け具は受け部を吊下げ状態のブロックの上後隅角部に嵌め、牽引装置は牽引索の端を吊下げ状態のブロックに連結し、牽引装置の牽引操作で、吊下げ状態のブロックを斜め上後方に牽引し、吊下げ状態のブロックの上後隅角部を受け部に押し付ける構成にしていることを特徴とする揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
2.上記1の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置において、
受け具は、受け部に、吊下げ状態のブロックの上後隅角部の上面に当たる横片部と後面に当たる縦片部を設けていることを特徴とする。
3.上記1又は2の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置において、
牽引装置は、手動式又は動力式の荷役装置にしていることを特徴とする。
4.上記3の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置において、
牽引装置は、手動式の荷役装置にし、レバー操作するレバー式ホイスト又はチェーン操作するチェーンブロックにしていることを特徴とする。
5.上記1〜4のいずれかの揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置において、
受け具は、受け部の前後方向位置を変更可能にし、ブロックの前後方向の長さが異なるときにも使用可能にしていることを特徴とする。
6.上記1〜5のいずれかの揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置において、
受け具は、受け部の上下方向位置を変更可能にし、ブロックの吊下げ上下方向位置が異なるときにも使用可能にしていることを特徴とする。
7.上記1〜6のいずれかの揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置において、
吊下げ状態のブロックを前上がりに傾斜させる傾斜機構を設けていることを特徴とする。
8.上記7の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置において、
傾斜機構は、吊下げ状態のブロックの前端側を引上索で引き上げる引上装置を設け、
引上装置は、本体をアームの前側部分に取り付け、本体から垂れ下がる引上索の端を前側に引き出し、アーム前端の案内車を経てブロックの前部に連結する構成にし、
ブロックを傾斜させる時、引上装置は引上索の端を吊下げ状態のブロックの前部に連結して引上操作し、ブロックの前端側を持ち上げて、吊下げ状態のブロックを前上がりに傾斜させ、ブロックを据え付ける時、ブロックは、傾斜吊下げ状態で下降し、登り坂の据付面と平行状態で据付面に下す構成にしていることを特徴とする。
9.上記8の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置において、
引上装置は、手動式又は動力式の荷役装置にしていることを特徴とする。
10.上記9の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置において、
引上装置は、手動式の荷役装置にし、レバー操作するレバー式ホイスト又はチェーン操作するチェーンブロックにしていることを特徴とする。
ブロックの搬送据付作業は、能率を高め易い。
本発明の実施形態の第1例における揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置の搬送時の側面図。 同ブロック搬送据付装置の平面図。 図1中の受け具部分の拡大図。 図3中のA−A線端面図。 図3中のB−B線端面図。 同ブロック搬送据付装置の据付時の側面図。 同ブロック搬送据付装置の受け具の受け部位置を前側に変更した状態を示す側面図。 同ブロック搬送据付装置の受け具の受け部位置を前下側に変更した状態を示す側面図。 実施形態の第2例における揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置の搬送時の据付側面図。 同ブロック搬送据付装置の据付時の側面図。
[第1例(図1〜図8参照)]
本例のブロック搬送据付装置は、図1に示すように、台車1の上にアーム12を設けている。アーム12は、前端を台車1の前側に突き出し、前端から吊り索14を垂れ下げている。吊り索14は、下端にブロック61を連結する構成にしている。アーム12の前端を昇降するアーム昇降装置を設けている。床版やスラブのような平板状のブロック61を吊下げ状態で搬送して据え付ける構成にしている。
台車1やアーム12の詳細な構成は、次のようにしている。台車1は、図1と図2に示すように、左右の車輪側部2を棒状連結部3で連結している。棒状連結部3は、複数にし、前後に並列している。前後の棒状連結部3は、伸縮可能にし、左右の車輪側部2の間隔を調整可能にしている。左右の車輪側部2は、それぞれ、前輪4と後輪5を装置している。前輪4と後輪5は、それぞれ、走行用の油圧モータを内蔵している。左右の車輪側部2は、左右対称に構成している。片側の車輪側部2について説明する
車輪側部2は、前部の上に取付け部材11を固定している。取付け部材11は、後端にアーム12の下後端を回転可能に取り付けている。アーム12は、下後端を含む後側部分を上下方向に配置し、前端を含む前側部分を前後方向に配置している。取付け部材11は、前端に油圧シリンダ装置13の基端を回転可能に取り付けている。油圧シリンダ装置13は、シリンダの先端から出たロッドの先端をアーム12の中間部に回転可能に取り付けている。油圧シリンダ装置13の伸縮作動でアーム12の前端を昇降する構成にしている。アーム12の前端に吊り索14の上端を連結している。吊り索14は、アーム12の前端から垂れ下がっている。この吊り索14は、チェーン又はワイヤロープにしている。車輪側部2は、後部の上に前傾防止用のウエイト15を取り付けている。
台車1は、前後の棒状連結部3の上に取付け棒21を固定している。取付け棒21は、複数にし、左右に並列している。左右の取付け棒21の上には、発電機又は蓄電池を収納した動力源室22を設け、その前側に電気機器や油圧機器を収納した制御機器室23を設けている。制御機器室23の前には、制御盤24を固定している。前輪4と後輪5及びアーム昇降装置の油圧シリンダ装置13は、無線又は有線で遠隔操作する構成にしている。
本例のブロック搬送据付装置は、アーム12の前側部分の下に揺れ止め機構を設けている。揺れ止め機構は、吊下げ状態のブロック61の後部を受ける受け具31と、吊下げ状態のブロック61を受け具31に押し当てる牽引装置46、47を設けている。受け具31は、上後端をアーム12の前側部分の下に取り付け、下前端をブロック61の上後隅角部に嵌る受け部37にしている。受け部37は、ブロック61の上後隅角部の上面に当たる横片部38と後面に当たる縦片部39を設けている。牽引装置は、牽引索の端をレバー操作で引き上げる手動式の荷役装置、レバー式ホイスト、レバーブロック(株式会社キトーの登録商標)にしている。レバー式ホイストは、本体46をアーム12の前側部分に取り付け、本体46から垂れ下がるチェーン、牽引索47の端をブロック61の上面に連結する構成にしている。
受け具31の詳細な構成は、次のようにしている。受け具31は、図1〜図5に示すように、アーム12の前側部分の下に取付け片32を固定している。取付け片32の下には、伸縮棒部と固定棒部を取り付けている。伸縮棒部は、筒体33に軸体34を貫通し、角軸の軸体34を角筒の筒体33に対して軸心方向に移動可能にしている。筒体33と軸体34は、位置決め孔35を左右方向に貫通している。位置決め孔35は、複数にし、軸心方向に配列している。筒体33は、後端の左右に取付け板36を固定し、左右の取付け板36の上端を取付け片32の後端に回転可能に取り付けている。筒体33と軸体34は、前下がりに傾斜し、前部を上下方向に移動可能にしている。軸体34は、二股状の前端に受け部37を回転可能に取り付けている。受け部37は、姿勢を維持して上下方向と前後方向に移動可能にしている。
固定棒部は、固定棒41にし、固定棒41の二股状の上端を取付け片32の前端に回転可能に取り付けている。固定棒41は、垂れ下がり状態にし、下部を前後方向に移動可能にしている。固定棒41の下部は、二股状にし、軸心方向に長い長孔42を左右方向に貫通している。固定棒41の二股状の下部には、伸縮棒部の筒体33の前部を嵌め込み、左右の長孔42を伸縮棒部の位置決め孔35に連通している。固定棒41の一側の長孔42から筒体33の一側の位置決め孔35、軸体34の位置決め孔35、筒体33の他側の位置決め孔35を経て固定棒41の他側の長孔42には、ボルト43を挿通している。ボルト43は、固定棒41の他側の長孔42から突き出た先端にナット44を螺合している。ボルトナット43、44を緊締すると、固定棒41、筒体33と軸体34が固定され、受け部37の上下方向位置と前後方向位置が固定される構成にしている。
本例の揺れ止め機構付きブロック搬送据付装置は、次のように使用する。
ブロックの保管場所で、ブロックの吊下げ時には、図1と図2に示すように、ブロック61の上面に吊り位置決め用の補助具62を固定する。補助具62の中央の吊り位置に吊り索14の下端を連結する。吊り索14の下端にブロック61を連結した状態でアーム12の前端を上昇する。ブロック61は、持ち上げて、吊下げ状態にする。吊下げ状態のブロック61は、上後隅角部に受け具の受け部37を嵌める。牽引装置は、牽引索47を本体46から斜め下前方に引き出し、牽引索47の端を吊下げ状態のブロック61上の補助具62の後端、牽引位置に連結する。そして、レバーを操作し、牽引索47の端を斜め上後方に引っ張る。すると、吊下げ状態のブロック61は、斜め上後方に牽引されて、上後隅角部が受け部37に押し付けられる。即ち、吊下げ状態のブロック61は、受け具31と牽引装置46、47でアーム12の前側部分の下に保持される。揺れ止めが施される。
ブロックの搬送時には、吊下げ状態のブロック61は、揺れ止めが施された状態にあって前後方向に揺れない。その揺れ止め状態で、保管場所から据付場所に搬送する。
ブロックの据付場所で、ブロックの据付時には、牽引装置は、牽引索47の端をブロック61上の補助具62から取り外す。又は、牽引索47を本体46から引出自在にする。そして、図6に示すように、アーム12の前端を下降する。吊下げ状態のブロック61は、下降し、上後隅角部が受け具の受け部37から抜け出し、据付位置に達する。据付位置に下ろされたブロック61は、補助具62から吊り索14の下端を取り外す。又は、ブロック61から補助具62を取り外す。
受け具31は、ボルトナット43、44の着脱、伸縮棒部33、34の伸縮と伸縮棒部33、34の前部の上下動で、受け部37の前後方向位置と上下方向位置を変更可能にしている。例えば、上記のブロック61と比較して、吊下げ上下方向位置が同じで、前後方向の長さが短いブロック63の場合、図7に示すように、伸縮棒部33、34を伸長し、伸縮棒部33、34の前部を上昇し、受け部37の上下方向位置を維持して受け部37を前に移動する。受け部37は、前後方向位置を前側に変更する。また、前後方向の長さが短い上、吊下げ上下方向位置が低いブロック64の場合、図8に示すように、伸縮棒部33、34を伸長し、伸縮棒部33、34の前部を上下動せず、又は、伸縮棒部33、34の前部を下降し、受け部37を前下に移動する。受け部37は、前後方向位置を前側に変更し、上下方向位置を下側に変更する。
[第2例(図9と図10参照)]
本例は、第1例における揺れ止め機構付きブロック搬送据付装置に、吊下げ状態のブロックを傾斜させる傾斜機構を設けている。据付面が登り坂である場合に用いる。
傾斜機構は、図9に示すように、吊下げ状態のブロック61の前端側を引上索52で引き上げる引上装置を設けている。引上装置は、引上索の端をレバー操作で引き上げる手動式の荷役装置、レバー式ホイスト、レバーブロック(株式会社キトーの登録商標)にしている。レバー式ホイストは、本体51をアーム12の前側部分に取り付け、本体51から垂れ下がるチェーン、引上索52の端を前側に引き出し、アーム12の前端の案内車53を経てブロック61の前部、ブロック61上の補助具62の前端、引上位置に連結する構成にしている。
ブロックを傾斜させる時、引上装置は、引上索52の端を、吊下げ状態のブロック61上の補助具62の引上位置に連結する。そして、レバーを操作し、引上索52の端を引き上げてブロック61の前端側を持ち上げる。吊下げ状態のブロック61は、前上がりに傾斜させる。その傾斜角度は、登り坂の据付面勾配に対応させる。
ブロックを据え付ける時、揺れ止め機構は第1例におけるのと同様にし、図10に示すように、アーム12の前端を下降する。すると、傾斜吊下げ状態のブロック61は、据付位置に傾斜状態で下る。その際、ブロック61は、下面が登り坂の据付面と平行状態にあり、全面が同時に据付面に接する。平面上に据え付けるときと同様になる。据付済ブロック65の前に所定の隙間を置いて据え付けるのが容易である。
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されない。次のような変形が例示される。
1.上記の実施形態において、アーム昇降装置は、アーム12の前端の昇降経路が円弧状になるが、直線状にする。
2.上記の実施形態において、揺れ止め機構の受け具31は、構成を上記して図示した通りにしているが、その他の構成にする。
3.上記の実施形態において、揺れ止め機構の牽引装置は、レバー操作するレバー式ホイストにしているが、その他の手動式の荷役装置又は動力式の荷役装置にする。
4.上記の実施形態において、傾斜機構の引上装置は、レバー操作するレバー式ホイストにしているが、その他の手動式の荷役装置又は動力式の荷役装置にする。
1 台車
2 車輪側部
3 棒状連結部
4 前輪
5 後輪
11 取付け部材
12 アーム
13 アーム昇降装置の油圧シリンダ装置
14 吊り索
15 前傾防止用のウエイト
21 取付け棒
22 動力源室
23 制御機器室
24 制御盤
31 受け具
32 取付け片
33 伸縮棒部の角筒の筒体
34 伸縮棒部の角軸の軸体
35 位置決め孔
36 取付け板
37 受け部
38 受け部の横片部
39 受け部の縦片部
41 固定棒部の固定棒
42 長孔
43 ボルト
44 ナット
46 牽引装置、レバー式ホイストの本体
47 牽引索
51 引上装置、レバー式ホイストの本体
52 引上索
53 案内車
61 ブロック
62 吊り位置決め用の補助具
63 前後方向長さが短いブロック
64 前後方向長さが短くて吊下げ上下方向位置が低いブロック
65 据付済ブロック

Claims (10)

  1. 台車の上にアームを設け、アームの前端を台車の前側に突き出し、アームの前端から吊り索を垂れ下げ、吊り索の下端を床版やスラブのようなブロックに連結する構成にし、アームの前端を昇降する装置を設け、ブロックを吊下げ状態で搬送して据え付けるブロック搬送据付装置において、
    吊下げ状態のブロックに揺れ止めを施す揺れ止め機構を設け、
    揺れ止め機構は、吊下げ状態のブロックの後部を受ける受け具と、吊下げ状態のブロックを受け具に押し当てる牽引装置を備え、
    受け具は、上後端をアームの前側部分の下に取り付け、下前端をブロックの上後隅角部に嵌る受け部にし、
    牽引装置は、本体をアームの前側部分に取り付け、本体から垂れ下がる牽引索の端をブロックに連結する構成にし、
    使用時、受け具は受け部を吊下げ状態のブロックの上後隅角部に嵌め、牽引装置は牽引索の端を吊下げ状態のブロックに連結し、牽引装置の牽引操作で、吊下げ状態のブロックを斜め上後方に牽引し、吊下げ状態のブロックの上後隅角部を受け部に押し付ける構成にしていることを特徴とする揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
  2. 受け具は、受け部に、吊下げ状態のブロックの上後隅角部の上面に当たる横片部と後面に当たる縦片部を設けていることを特徴とする請求項1に記載の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
  3. 牽引装置は、手動式又は動力式の荷役装置にしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
  4. 牽引装置は、手動式の荷役装置にし、レバー操作するレバー式ホイスト又はチェーン操作するチェーンブロックにしていることを特徴とする請求項3に記載の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
  5. 受け具は、受け部の前後方向位置を変更可能にし、ブロックの前後方向の長さが異なるときにも使用可能にしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
  6. 受け具は、受け部の上下方向位置を変更可能にし、ブロックの吊下げ上下方向位置が異なるときにも使用可能にしていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
  7. 吊下げ状態のブロックを前上がりに傾斜させる傾斜機構を設けていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
  8. 傾斜機構は、吊下げ状態のブロックの前端側を引上索で引き上げる引上装置を設け、
    引上装置は、本体をアームの前側部分に取り付け、本体から垂れ下がる引上索の端を前側に引き出し、アーム前端の案内車を経てブロックの前部に連結する構成にし、
    ブロックを傾斜させる時、引上装置は引上索の端を吊下げ状態のブロックの前部に連結して引上操作し、ブロックの前端側を持ち上げて、吊下げ状態のブロックを前上がりに傾斜させ、ブロックを据え付ける時、ブロックは、傾斜吊下げ状態で下降し、登り坂の据付面と平行状態で据付面に下す構成にしていることを特徴とする請求項7に記載の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
  9. 引上装置は、手動式又は動力式の荷役装置にしていることを特徴とする請求項8に記載の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
  10. 引上装置は、手動式の荷役装置にし、レバー操作するレバー式ホイスト又はチェーン操作するチェーンブロックにしていることを特徴とする請求項9に記載の揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置。
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