JP6696638B2 - ガス分析用前処理装置 - Google Patents
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Description
従来の前処理装置として、例えば、1本のサンプルガス流路に直列に並んだ複数のドレンセパレータ及びプリクーラを有しているものがある。そのような装置では、ドレンセパレータ及びプリクーラのドレン配管の入口側ではサンプルガス圧が作用しており、ドレン配管の排出側には大気圧が作用している。そして、両ドレン配管は1つにまとめられている。両ドレン配管同士の気圧差の影響を解消するために、前処理装置には、ドレントラップを設けることが行われている。
第2ドレン抽出装置は、サンプルガス中のドレンを抽出する。
ドレン送出装置は、入口と出口の圧力差を維持可能であり、第1ドレン配管及び第2ドレン配管から排出されたドレンを送り出す装置である。ドレン抽出装置は、上記機能を有するものであれば何でもよく、例えば、入口と出口の圧力差を維持可能ポンプ、重力を用いてドレンを送り出すことで入口と出口の圧力差を維持可能な装置であってもよい。
ガス流入防止構造は、サンプルガスが第1ドレン抽出装置から第1ドレン配管及び第2ドレン配管を通って第2ドレン抽出装置まで流れることを防止する。なお、ガス流入防止構造は、サンプルガスが通る際に抵抗となってガスの移動を抑制するものであれば何でもよい。
さらに、この装置では、サンプルガスは、ガス流入防止構造によって、第1ドレン抽出装置から第1ドレン配管及び第2ドレン配管を通って第2ドレン抽出装置まで流れることが防止されている。
この装置では、水封構造によって、サンプルガスは、第1ドレン抽出装置から第1ドレン配管及び第2ドレン配管を通って第2ドレン抽出装置まで流れることが防止されている。
この装置では、装置の動作中に、貯留部には常にドレンが貯留されている。
この装置では、配管同士が閉塞されているので、圧力の漏れが生じない。
この装置では、制御部がドレン送出装置を駆動することによって、第1ドレン配管及び第2ドレン配管の水位が制御される。これにより、ドレンの溢れ及び枯渇が生じにくくなる。
この装置では、上記のガス分析用前処理装置による効果が得られる。
(1)ガス分析装置
図1を用いて、ガス分析装置1の概略構成を説明する。図1は、ガス分析装置の概略構成図である。
ガス分析装置1は、主に、プローブ管3、ガス分析用前処理装置5(以下、前処理装置5)、メインクーラ9、ガス分析部11を有している。
前処理装置5は、ガス分析部11に供給される排ガスに対して除湿、除塵といった前処理を行うための装置である。なお、この実施形態では、除湿機能を主に説明する。
前処理装置5は、さらに、サンプルガス流路15上に、上流から下流に向かって、ドレンセパレータ21、プリクーラ23、ニードルバルブ26、真空ポンプ25をこの順番で有している。真空ポンプ25が、煙道内を流れる排ガスをサンプルガスとして吸引採取すれば、その吸引されたサンプルガスがサンプルガス流路15を通ってガス分析部11にまで移送される。
ドレンセパレータ21は、サンプルガス中の含有水分の凝縮により凝縮水を生成する装置である。プリクーラ23は、サンプルガスを目的の湿度に調整する冷却除湿器としての電子冷却器である。このように、ドレンセパレータ21及びプリクーラ23は、サンプルガス中のドレンを抽出する装置である。なお、前処理装置5は、図示しないフィルタ及び他の公知の構成を有している。
メインクーラ9には、下方に延びる第1排出ドレン配管12が接続されている。なお、メインクーラ9の上流側にサンプルガス開放部があり、そのためメインクーラ9から排出されるドレンには大気圧が作用している。
次に、前処理装置5のドレン排出構造を説明する。前述したように前処理装置5は、ドレンセパレータ21とプリクーラ23とを有しており、両方の装置からドレンが排出される。
なお、第1ドレン配管27及び第2ドレン配管29の上部には、第1安全ポット33及び第2安全ポット35がそれぞれ設けられている。第1安全ポット33及び第2安全ポット35は、下方から逆流してくるドレンがさらにサンプルガス流路15側に移動することを防止するための部材である。また、この実施形態では、第2安全ポット35の下部には水位センサ49が設けられている。水位センサ49は、一般的なセンサであり、種類、位置は特には限定されない。
貯留部50に貯まったドレンは、水位が第4ドレン配管37の上端を超えると、第4ドレン配管37を流れ、チューブポンプ39にまで移動する。
以上に述べたように、本実施形態では、貯留部50によって、サンプルガスがドレンセパレータ21から第1ドレン配管27及び第2ドレン配管29を通ってプリクーラ23まで流れることを防止するガス流入防止構造が実現されている。
チューブポンプ39によって、サンプルガス圧側のドレン配管と、大気圧側の排出ドレン配管との間でガスの移動が制限され、圧力的に遮断されている。
次に、前処理装置5の制御構成を説明する。
前処理装置5は、制御部43を有している。制御部43は、CPU、RAM、ROMを有するコンピュータである。制御部43は、各種プログラムを実行することで、前処理装置5の複数の装置を制御する。なお、制御部43は、ガス分析装置1全体の制御を行う装置であってもよい。
次に、図2を用いて、前処理装置5のドレン排出制御を説明する。図2は、ガス分析用前処理装置のドレン処理制御を示すフローチャートである。
最初に、第1ドレン配管27、第2ドレン配管29及び第3ドレン配管31からなる貯留部50に水分を貯める(ステップS1)。これにより、第1ドレン配管27と第2ドレン配管29との間に水封構造が形成される。
連続運転を始めてから水位センサ49がオンのままで所定時間が経過したということは、チューブポンプ39が故障又は不調であってドレン排出が十分に行われていないことを意味する。したがって、制御部43は、表示部47にアラート情報を表示する。アラート情報表示は、例えば、第1安全ポット33及び第2安全ポット35の容量に応じた時間経過後に全ての装置を停止することを知らせるものである。なお、アラート情報の通知は、ディスプレイにおける表示に限定されず、例えば、音声、警告灯の点灯、他のコンピュータへのメール通知などの他の手段及びそれらの組合せであってもよい。
オフになれば,プロセスはステップS2に戻り、間欠運転に切り換えられる。
オフになっていなければ、ステップS4に戻り、連続運転が続けられる。
第1実施形態では、閉塞された貯留部を第1ドレン配管と第2ドレン配管とによって構成していたが、閉塞された貯留部の構造は第1実施形態に限定されない。そのような他の実施形態として、以下の第2実施形態を説明する。
図3を用いて、第2実施形態における前処理装置5Aを説明する。なお、第1実施形態と同じ構造については説明を省略する。
このような構造により、第1ドレン配管27の下部、第5ドレン配管32、及び連結配管34が、ドレンを貯留可能な貯留部50Aとして機能している。なお、貯留部50Aは、第1ドレン配管27からのドレンのみを貯留する。
上述の水位確認部46は、第2ドレン配管29Aの一部であり、連結配管34が連結された箇所より下方に配置されている。水位確認部46には、プリクーラ23から抽出され第2ドレン配管29Aを流れるドレンと、ドレンセパレータ21から抽出され貯留部50Aに貯留された後に溢れたドレンとが流入する。貯留部50Aに貯まったドレンは、水位が連結配管34まで達すると、連結配管34を通って第2ドレン配管29A側に流れる。そして、ドレンは、第2ドレン配管29Aの第2部分29b及び水位確認部46を通って、さらに第4ドレン配管37aを通って、チューブポンプ39にまで移動する。
また、この実施形態では、第2ドレン配管29Aに貯まったドレンは、量が増えるとチューブポンプ39の位置から第2ドレン配管29A内で水位を上げていく。この場合、作業者は、水位確認部46によって、第2ドレン配管29Aに貯まったドレンの量を確認できる
第1実施形態と第2実施形態では、第1ドレン抽出装置及び/又は第2ドレン抽出装置から排出されたドレンを貯留して、所定量を超えたドレンのみをポンプ側に流す貯留部によって水封構造を実現していた。しかし、他の構成によって水封構造を実現してもよい。例えば、水封構造は、ポンプから第1ドレン配管及び第2ドレン配管までドレンを貯留可能な貯留部であってもよい。この場合、水封構造におけるドレンの量は、ポンプの動作によって決定される。そのような実施形態として第3実施形態を説明する。
このような構造により、第1ドレン配管27の下部、第2ドレン配管29の下部、第3ドレン配管31,第4ドレン配管51が、ドレンを貯留可能な貯留部50Bとして機能している。
高位センサ53がオンしていなければ、チューブポンプ39の停止状態が続く。
低位センサ55がオフになれば、それは貯留部50Bにおけるドレンの量が少なくなったことを意味するので、制御部43はチューブポンプ39の運転を停止させる。このように貯留部50Bのドレンの量が少なくなるとチューブポンプ39の運転が停止されるので、チューブポンプ39によって形成される貯留部50Bにおけるドレンの枯渇が防止される。
低位センサ55がオフになっていなければ、チューブポンプ39の運転が続けられる。
この実施形態の変形例として、高位センサ53がオンになればチューブポンプ39を所定時間だけ順回転させることでドレンを排出し、低位センサ55がオフになればチューブポンプ39を所定時間だけ逆回転させることで、ドレンをチューブポンプ39の下流側にあるタンク(図示せず)から貯留部50B側に戻す制御がある。
以上述べたように、制御部43は、チューブポンプ39から第1ドレン配管27及び第2ドレン配管29まで(この実施形態では、貯留部50B)にドレンが適切なだけ貯留されるようにしている。つまり、ドレンの溢れと枯渇が生じにくい。
また、この実施形態では、ドレン配管の数が増えても対応可能である。
第3実施形態では、2個の水位センサを用いていたが、1個の水位センサであってもよい。そのような実施形態を第4実施形態として説明する。なお、第3実施形態と同じ構造については説明を省略する。
制御部43は、真空ポンプ25を駆動してサンプルガスを移送しながら、プリクーラ23を駆動する。その際に、制御部43は、チューブポンプ39の駆動を停止する。
高位センサ53がオンしていなければ、チューブポンプ39の停止状態が続く。
高位センサ53がオフになっていれば、制御部43はチューブポンプ39の運転を停止する。
チューブポンプによって形成される貯留部におけるドレンの枯渇を防止するために、第3実施形態では低位センサがオフになればチューブポンプの運転を停止し、第4実施形態では所定時間運転した後に高位センサがオフになっていればチューブポンプの運転を停止していた。しかし、チューブポンプによって形成される貯留部におけるドレンの枯渇を防止する必要が無い構造も実現可能である。以下、そのような実施形態を第5実施形態として説明する。
第1〜第5実施形態では、水封状態を実現するためにドレンを一定量貯留した貯留部を用いたが、ドレンを用いた水封構造は他の手段によっても実現される。そのような実施形態として、第6実施形態を説明する。
その一方、サンプルガスは、ドレンを吸水することで湿った状態になっている第1ボルストンフィルタ57及び第2ボルストンフィルタ59を通過できない。
なお、本実施形態において、上記の機能を実現するものであれば、ボルストンフィルタ以外のフィルタを利用できる。
この実施形態では、チューブポンプの制御は不要となる。また、ドレン配管が増えた場合でも対応可能である。
第1〜第6実施形態では、ドレンを用いた水封構造によってサンプルガスの回り込みを防止していたが、サンプルガスの回り込みを防止することは、他の構造によっても実現可能である。そのような実施形態を第7実施形態として説明する。
三方電磁弁61は、制御部43によって制御される。
この実施形態は、ドレン配管同士の圧力差が大きな場合に適している。
この実施形態では、チューブポンプの制御が不要になる。
上記の実施形態は、下記の構成が共通である。
ガス分析用前処理装置は、煙道を流れる排ガスをサンプルガスとして吸引し、当該サンプルガスをガス分析部(例えば、ガス分析部11)に供給する前に前処理するための装置である。ガス分析用前処理装置は、第1ドレン抽出装置(例えば、ドレンセパレータ21)と、第2ドレン抽出装置(例えば、プリクーラ23)と、第1ドレン配管(例えば、第1ドレン配管27)及び第2ドレン配管(例えば、第2ドレン配管29)と、ポンプ(チューブポンプ39)と、ガス流入防止構造(例えば、貯留部50、貯留部50A、貯留部50B,貯留部50C、第1ボルストンフィルタ57、第2ボルストンフィルタ59、三方電磁弁61)と、を備えている。
第1ドレン抽出装置(例えば、ドレンセパレータ21)は、サンプルガス中のドレンを抽出する。
第2ドレン抽出装置(例えば、プリクーラ23)は、サンプルガス中のドレンを抽出する。
ポンプ(チューブポンプ39)は、入口と出口の圧力差を維持可能であり、第1ドレン配管及び第2ドレン配管から排出されたドレンを送り出す。ポンプは、第1ドレン配管及び第2ドレン配管と連通する。
ガス流入防止構造は、サンプルガスが1の(例えば、第1ドレン抽出装置)抽出装置から第1ドレン配管及び第2ドレン配管を通って他の(例えば、第2ドレン抽出装置)抽出装置まで流れることを防止する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
第1実施形態及び第2実施形態においては,複数の配管によって貯留部を形成していたが、また、貯留部の機能さえ実現できれば、各ドレン配管の形状、構成は特に限定されない。
また、
水位確認部は、第3〜第5実施形態のドレン配管に設けてもよい。
3 :プローブ管
5 :ガス分析用前処理装置
11 :ガス分析部
15 :サンプルガス流路
21 :ドレンセパレータ
23 :プリクーラ
25 :真空ポンプ
27 :第1ドレン配管
29 :第2ドレン配管
31 :第3ドレン配管
32 :第5ドレン配管
33 :第1安全ポット
34 :連結配管
35 :第2安全ポット
37 :第4ドレン配管
39 :チューブポンプ
43 :制御部
50 :貯留部
Claims (7)
- サンプルガスを吸引し、当該サンプルガスをガス分析部に供給する前に処理するためのガス分析用前処理装置であって、
前記サンプルガス中のドレンを抽出する第1ドレン抽出装置と、
前記サンプルガス中のドレンを抽出する第2ドレン抽出装置と、
前記第1ドレン抽出装置及び前記第2ドレン抽出装置から排出された前記ドレンをそれぞれ排出するための配管であり、上下方向に延びており互いに連通している第1ドレン配管及び第2ドレン配管と、
入口と出口の圧力差を維持可能であり、前記第1ドレン配管及び前記第2ドレン配管から排出された前記ドレンを送り出すための装置であるドレン送出装置と、
前記サンプルガスが前記第1ドレン抽出装置から前記第1ドレン配管及び前記第2ドレン配管を通って前記第2ドレン抽出装置まで流れることを防止するガス流入防止構造と、
を備え、
前記ガス流入防止構造は、前記第1ドレン抽出装置及び/又は前記第2ドレン抽出装置から排出されたドレンを貯留する水封構造であり、
前記水封構造は、前記第1ドレン抽出装置及び/又は前記第2ドレン抽出装置から排出されたドレンを貯留して、所定量を超えたドレンのみを前記ドレン送出装置側に流す貯留部を有しており、
前記第1ドレン配管と前記第2ドレン配管とを連結する第3ドレン配管と、
前記ドレン送出装置にまで延び、前記第1ドレン配管、前記第2ドレン配管、及び前記第3ドレン配管の少なくとも1つと接続されている第4ドレン配管と、をさらに備えており、
前記貯留部は、前記第3ドレン配管に設けられている、ガス分析用前処理装置。 - 前記第4ドレン配管が、前記第1ドレン配管の中間部又は前記第2ドレン配管の中間部と接続されている、請求項1に記載のガス分析用前処理装置。
- 前記水封構造が、前記ドレン送出装置から前記第1ドレン配管及び前記第2ドレン配管まで前記ドレンを貯留可能であるように前記ドレン送出装置の駆動を制御する制御部を有している、請求項1又は2に記載のガス分析用前処理装置。
- 前記ドレン送出装置から前記第4ドレン配管にかけて前記ドレンを貯留可能であるように前記ドレン送出装置の駆動を制御する制御部を有している、請求項1に記載のガス分析用前処理装置。
- サンプルガスを吸引し、当該サンプルガスをガス分析部に供給する前に処理するためのガス分析用前処理装置であって、
前記サンプルガス中のドレンを抽出する第1ドレン抽出装置と、
前記サンプルガス中のドレンを抽出する第2ドレン抽出装置と、
前記第1ドレン抽出装置及び前記第2ドレン抽出装置から排出された前記ドレンをそれぞれ排出するための配管であり、上下方向に延びており互いに連通している第1ドレン配管及び第2ドレン配管と、
入口と出口の圧力差を維持可能であり、前記第1ドレン配管及び前記第2ドレン配管から排出された前記ドレンを送り出すための装置であるドレン送出装置と、
前記サンプルガスが前記第1ドレン抽出装置から前記第1ドレン配管及び前記第2ドレン配管を通って前記第2ドレン抽出装置まで流れることを防止するガス流入防止構造と、
を備え、
前記ガス流入防止構造は、前記第1ドレン抽出装置及び/又は前記第2ドレン抽出装置から排出されたドレンを貯留する水封構造であり、
前記水封構造は、前記第1ドレン抽出装置及び/又は前記第2ドレン抽出装置から排出されたドレンを貯留して、水位が上昇して所定量を超えて溢れたドレンのみを前記ドレン送出装置側に流す貯留部を有しており、
前記ドレン送出装置から前記貯留部側に向かって延びる第4ドレン配管と、
水位が上昇することで前記貯留部から排出された前記ドレンを前記第4ドレン配管において前記ドレン送出装置の前記貯留部側に貯留可能であるように、前記ドレン送出装置の駆動を制御する制御部を有している、ガス分析用前処理装置。 - 前記第4ドレン配管に設けられ、外部から目視によって前記ドレンの貯まった量を確認可能な水位確認部をさらに備えている、請求項5に記載のガス分析用前処理装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のガス分析用前処理装置と、
ガス分析部と、
を備えたガス分析装置。
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