JP6696602B2 - X線撮影装置およびx線撮影装置の作動方法 - Google Patents

X線撮影装置およびx線撮影装置の作動方法 Download PDF

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Description

本発明は、血管造影撮影などの造影撮影に用いられるX線撮影装置に係り、特に、非造影のX線画像と差分をとることにより、造影部位が強調された画像を取得する技術に関する。
医療現場において、血管内にカテーテル等の治療器具を導入させて被検体の診療行為を行う場合がある。この場合、一般的にはX線撮影装置を用いて、血管造影法による血管造影画像の撮影を行う。血管造影画像の撮影においては、より明瞭な血管像を描出させる方法として、DSA(Digital Subtraction Angiography)による撮影が行われることが多い。(例えば、特許文献1参照)。
DSA撮影は以下のような工程によって行われる。まず、造影剤を投与していない状態において、被検体のX線画像をマスク画像として生成する(ステップS1)。そして次に、造影剤を血管に投与した状態において被検体のX線画像をライブ画像として生成する(ステップS2)。その後、ライブ画像からマスク画像を減算する画像処理を行うことにより、サブトラクション画像(DSA画像)を取得する(ステップS3)。
このようなDSAによる血管造影撮影は、例えば被検体の下肢における血管のX線画像を取得する場合に特に有効である。すなわち血管を除く、造影されていない器官のX線像は減算画像処理によって除去される。その結果、X線透過性の低い骨盤や大腿骨などのX線像は除去されるので、DSA画像において、造影剤が注入された血管のみを高いコントラストで観察することが可能になる。
特開平2−13184号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置でDSA撮影を行う場合、マスク画像の撮影とライブ画像の撮影とを行う際にそれぞれX線を照射する。すなわちX線撮影を2回行う必要があるので、撮影の所要時間が長くなり、被検体の被曝量も増大する。また、体動などによって2回のX線撮影の間に被検体が移動した場合、マスク画像とライブ画像の差異が大きくなるので、減算処理によって得られるDSA画像の品質が劣化する。また、マスク画像の撮影後に被検体の体動を確認してライブ画像の撮影を中止した場合、撮影されたマスク画像は血管造影検査にとって何ら有用な情報とはならない。そのため1回目のX線撮影は無に帰することとなるので、被検体は無用に被曝を受ける結果となる。
このようなDSA撮影における問題を解消するために、従来例として、RSM−DSA(Realtime Smoothed DSA)による血管造影撮影を行う方法が報告されている。RSM−DSA撮影は以下のような工程によって行われる。まず、造影剤を血管に投与した状態において被検体のX線画像(造影画像)を取得して記憶する(ステップS1)。次に、記憶された造影画像に対してリアルタイム・スムージング処理を行う(ステップS2)。リアルタイム・スムージング処理の例としては、ローパスフィルタリングによるデフォーカス処理や、畳み込み積分演算を用いたスムージングによるデフォーカス処理が挙げられる。
ここで、リアルタイム・スムージング処理前の造影画像をライブ画像、リアルタイム・スムージング処理後の造影画像(処理後画像)をマスク画像とする。そして、ライブ画像からマスク画像を減算する画像処理を行うことにより、サブトラクション画像(RSM−DSA画像)を取得する(ステップS3)。処理後画像において、血管の像は比較的細かいのでデフォーカス処理によって全体がぼやける。一方、血管以外の器官の像は比較的大雑把なので、デフォーカス処理によるボケの影響が小さい。
その結果、RSM−DSA画像では血管以外の器官のX線像の大部分は減算除去される。一方、血管のX線像はほとんど減算されないので、造影された血管のX線像が明瞭に映り込むこととなる。そしてRSM−DSA撮影では、X線の照射は造影画像を取得する際に1回行うだけで済むので、被検体の被曝量を低減させ、かつ体動などによる画像の劣化を回避できる。従って、RSM−DSA撮影によって、心血管のように脈動の激しい部位についてもコントラストの高い血管のX線像が映り込むX線画像を取得できる。
しかしながら、RSM−DSA撮影における処理後画像では、血管以外の器官のX線像についても一部ボケが生じる。そのため、造影画像から処理後画像を減算する際に、血管以外の器官のX線像を完全に減算除去することが困難である。その結果、RSM−DSA画像では血管以外の器官のX線像が一部残るので、DSA画像と比べて血管のX線像の視認性がやや低くなるという問題が懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被検体の被曝量を抑制しつつ、高いコントラストの血管像が映し出されたX線画像を迅速に取得できるX線撮影装置およびX線画像の生成方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係るX線撮影装置は、被検体にX線を照射するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、前記X線検出手段が出力する検出信号を用いてX線画像を生成するX線画像生成手段と、前記画像生成手段が生成する前記X線画像を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶する前記X線画像に対してデフォーカス処理を行うことにより、デフォーカス画像を生成するデフォーカス画像生成手段と、血管造影状態の前記被検体における前記X線画像をライブ画像とし、血管造影状態の前記被検体における前記デフォーカス画像をマスク画像として画像減算処理を行うことにより第1サブトラクション画像を生成する第1サブトラクション画像生成手段と、前記第1サブトラクション画像の生成の後に、前記第1サブトラクション画像の生成に用いられた前記血管造影状態の前記被検体における前記X線画像をライブ画像とし、非造影状態の前記被検体における前記X線画像をマスク画像として画像減算処理を行うことにより第2サブトラクション画像を生成する第2サブトラクション画像生成手段とを備えるものである。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影装置によれば、第1サブトラクション画像生成手段は、血管造影状態におけるX線画像から、血管造影状態におけるデフォーカス画像を減算する画像処理を行うことにより第1サブトラクション画像を生成する。デフォーカス画像において、血管のX線像は全体がぼやける一方、血管以外の器官のX線像はボケが小さい。その結果、第1サブトラクション画像において、造影された血管のX線像はほとんど減算除去されない。一方、血管以外の器官のX線像は大部分が減算除去される。
従って、第1サブトラクション画像はRSM−DSA画像と同等の品質を有するので、血管以外の器官のX線像を排除しつつ、明瞭な血管のX線像を観察することが可能となる。また、デフォーカス画像は造影画像に基づいて生成されるので、第1サブトラクション画像は1回のX線照射によって生成することができる。そのため、被検体の被曝量を抑制しつつ、明瞭な血管のX線像を観察することができる。
そして第2サブトラクション画像生成手段は、血管造影状態におけるX線画像をライブ画像とし、非造影状態におけるX線画像をマスク画像として画像減算処理を行うことにより第2サブトラクション画像を生成する。この場合、第2サブトラクション画像において血管以外の器官のX線像は完全に減算除去され、造影された血管のX線像のみが明瞭に映り込む。すなわち従来のDSA画像と同等の品質を有する第2サブトラクション画像を用いることにより、第1サブトラクション画像と比べてより好適な血管造影検査を行うことができる。
記憶手段は第1サブトラクション画像の生成に用いた、血管造影状態におけるX線画像を記憶できる。そのため、第1サブトラクション画像の生成後に非造影状態におけるX線画像を撮影することによって、より高品質な第2サブトラクション画像を生成できる。従って、まず1回目のX線撮影によって第1サブトラクション画像を取得し、さらに高品質の画像を所望する場合にのみ、2回目のX線撮影を行って第2サブトラクション画像を取得する工程を実行する。
このような構成では、第1サブトラクション画像で目的を達成できる場合、2回目のX線撮影を省略できる。その結果、X線撮影に要する時間を短縮するとともに被検体の被曝量を低減できる。また、被検体の体動などにより第2サブトラクション画像を好適に取得できない場合であっても、第1サブトラクション画像を用いて血管造影検査を行うことができる。すなわち、被検体の体動などによってX線撮影が全くの無為に帰する、という従来の問題を回避することが可能となる。
また、上述した発明において、血管造影状態の前記被検体における前記X線画像の全領域のうち、前記第2サブトラクション画像を生成させる対象となる領域を特定する領域判別手段を備え、前記第2サブトラクション画像生成手段は、血管造影状態の前記被検体における前記X線画像のうち、前記第2サブトラクション画像を生成させる対象となる領域として前記領域判別手段が特定した領域について前記画像減算処理を行うことにより前記第2サブトラクション画像を生成することが好ましい。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影装置によれば、領域判別手段は、血管造影状態の被検体におけるX線画像の全領域のうち、第2サブトラクション画像を生成させる対象となる領域を特定する。そして第2サブトラクション画像生成手段は、血管造影状態におけるX線画像のうち、前記第2サブトラクション画像を生成させる対象となる領域として領域判別手段が特定した領域について画像減算処理を行うことにより第2サブトラクション画像を生成する。この場合、より高品質の画像である第2サブトラクション画像を所望する範囲についてのみ非造影画像の撮影を行うので、撮影に要する時間を短縮できる。また、被検体Mの被曝量を低減させることも可能となる。
また、上述した発明において、前記デフォーカス画像生成手段が行う前記デフォーカス処理は、ローパスフィルタリング処理であることが好ましい。また、操作者からの入力を受け付ける入力部をさらに備え、前記入力部が前記操作者からの入力を受け付けることによって、前記第2サブトラクション画像生成手段は前記第2サブトラクション画像を生成することが好ましい。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影装置によれば、デフォーカス画像生成手段はローパスフィルタリング処理によってデフォーカス処理を行う。ローパスフィルタリング処理により、X線画像において空間周波数領域のうち、低周波領域のみが抽出される。その結果、X線画像に映るX線像の鮮明度が低下し、より好適にデフォーカス画像を生成することができる。従って、このように生成されたデフォーカス画像を用いることにより、画像第1サブトラクション画像をより好適に生成することができる。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとってもよい。
すなわち、本発明に係るX線撮影装置の作動方法は、X線を被検体に照射して前記被検体を映し出す画像を生成するX線撮影装置の作動方法であって、血管造影状態の被検体を透過したX線を検出することにより、造影画像を生成する造影画像生成工程と、前記造影画像を記憶する記憶工程と、前記造影画像生成工程において生成された前記造影画像に対してデフォーカス処理を行うことにより、デフォーカス画像を生成するデフォーカス画像生成工程と、前記造影画像から前記デフォーカス画像を減算する画像処理を行うことにより第1サブトラクション画像を生成する第1サブトラクション画像生成工程と、非造影状態の被検体を透過したX線を検出することにより、非造影画像を生成する非造影画像生成工程と、前記第1サブトラクション画像生成工程の後に、前記記憶工程において記憶されており、前記第1サブトラクション画像生成工程において用いられた前記造影画像から、前記非造影画像生成工程において生成された前記非造影画像を減算する画像処理を行うことにより第2サブトラクション画像を生成する第2サブトラクション画像生成工程と、を備えるものである。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影装置の作動方法によれば、第1サブトラクション画像生成工程において、造影画像からデフォーカス画像を減算する画像処理を行うことにより第1サブトラクション画像を生成する。デフォーカス画像において、血管のX線像は全体がぼやける一方、血管以外の器官のX線像はボケが小さい。その結果、第1サブトラクション画像において、造影された血管のX線像はほとんど減算除去されない。一方、血管以外の器官のX線像は大部分が減算除去される。
従って、第1サブトラクション画像では血管以外の器官のX線像を排除しつつ、明瞭な血管のX線像を観察することが可能となる。また、デフォーカス画像は造影画像に基づいて生成されるので、第1サブトラクション画像は1回のX線照射によって生成することができる。そのため、被検体の被曝量を抑制しつつ、明瞭な血管のX線像を観察することができる。
そして第2サブトラクション画像生成工程において、造影画像から非造影画像を減算する画像処理を行うことにより第2サブトラクション画像を生成する。この場合、第2サブトラクション画像において血管以外の器官のX線像は完全に減算除去され、造影された血管のX線像のみが明瞭に映り込む。すなわち従来のDSA画像と同等の品質を有する第2サブトラクション画像を用いることにより、第1サブトラクション画像と比べてより好適な血管造影検査を行うことができる。
第2サブトラクション画像の生成に用いる造影画像は、記憶工程において予め記憶された画像である。そのため、第1サブトラクション画像生成工程後に非造影画像を撮影することによって、より高品質な第2サブトラクション画像を生成できる。従って、まず1回目のX線撮影によって第1サブトラクション画像を取得し、さらに高品質の画像を所望する場合にのみ、2回目のX線撮影を行って第2サブトラクション画像を取得する工程を実行できる。
このような構成では、第1サブトラクション画像で目的を達成できる場合、2回目のX線撮影を省略できる。その結果、X線撮影に要する時間を短縮するとともに被検体の被曝量を低減できる。また、被検体の体動などにより第2サブトラクション画像を好適に取得できない場合であっても、第1サブトラクション画像を用いて血管造影検査を行うことができる。すなわち、被検体の体動などによってX線撮影が全くの無為に帰する、という従来の問題を回避することが可能となる。
本発明に係るX線撮影装置およびX線撮影装置の作動方法によれば、第1サブトラクション画像生成手段は、血管造影状態におけるX線画像から、血管造影状態におけるデフォーカス画像を減算する画像処理を行うことにより第1サブトラクション画像を生成する。デフォーカス画像において、血管のX線像は全体がぼやける一方、血管以外の器官のX線像はボケが小さい。その結果、第1サブトラクション画像において、造影された血管のX線像はほとんど減算除去されない。一方、血管以外の器官のX線像は大部分が減算除去される。
従って、第1サブトラクション画像はRSM−DSA画像と同等の品質を有するので、血管以外の器官のX線像を排除しつつ、明瞭な血管のX線像を観察することが可能となる。また、デフォーカス画像は造影画像に基づいて生成されるので、第1サブトラクション画像は1回のX線照射によって生成することができる。そのため、被検体の被曝量を抑制しつつ、明瞭な血管のX線像を観察することができる。
そして第2サブトラクション画像生成手段は、血管造影状態におけるX線画像をライブ画像とし、非造影状態におけるX線画像をマスク画像として画像減算処理を行うことにより第2サブトラクション画像を生成する。この場合、第2サブトラクション画像において血管以外の器官のX線像は完全に減算除去され、造影された血管のX線像のみが明瞭に映り込む。すなわち従来のDSA画像と同等の品質を有する第2サブトラクション画像を用いることにより、第1サブトラクション画像と比べてより好適な血管造影検査を行うことができる。
記憶手段は第1サブトラクション画像の生成に用いた、血管造影状態におけるX線画像を記憶できる。そのため、第1サブトラクション画像の生成後に非造影状態におけるX線画像を撮影することによって、より高品質な第2サブトラクション画像を生成できる。従って、まず1回目のX線撮影によって第1サブトラクション画像を取得し、さらに高品質の画像を所望する場合にのみ、2回目のX線撮影を行って第2サブトラクション画像を取得する工程を実行できる。
このような構成では、第1サブトラクション画像で目的を達成できる場合、2回目のX線撮影を省略できる。その結果、X線撮影に要する時間を短縮するとともに被検体の被曝量を低減できる。また、被検体の体動などにより第2サブトラクション画像を好適に取得できない場合であっても、第1サブトラクション画像を用いて血管造影検査を行うことができる。すなわち、被検体の体動などによってX線撮影が全くの無為に帰する、という従来の問題を回避することが可能となる。
実施例1に係るX線撮影装置の全体構成を説明する機能ブロック図である。 (a)は実施例1に係るX線撮影装置における動作のフローチャートであり、(b)は実施例2に係るX線撮影装置における動作のフローチャートである。 実施例1に係るステップS3における工程を説明する図である。(a)は撮像系の動作を説明する正面図であり、(b)は撮影範囲の位置と、各々の撮影位置において撮影される造影画像に映る図の概要とを示す図である。 実施例1に係るステップS4における工程を説明する図である。左図は造影画像の各々に映るX線像の概要を示す図であり、右図はデフォーカス画像の各々に映るX線像の概要を示す図である。 実施例1に係るステップS5における工程を説明する図である。左図は造影画像およびデフォーカス画像の各々に映るX線像の概要を示す図であり、右図は第1サブトラクション画像の各々に映るX線像の概要を示す図である。 実施例1に係るステップS6およびステップS7における工程を説明する図である。(a)はステップS6において撮影される非造影画像の各々に映るX線像の概要を示す図であり、(b)はステップS6において生成される第2サブトラクション画像の各々に映るX線像の概要を示す図である。 実施例2に係るステップS6AおよびステップS7Aにおける工程を説明する図である。(a)はステップS6Aにおいて、第1サブトラクション画像のうち、非造影画像の撮影範囲を特定する工程を説明する図であり、(b)はステップS7Aにおける撮像系の動作を説明する正面図である。 (a)は実施例2に係るステップS8Aにおいて生成される第2サブトラクション画像に映るX線像の概要を示す図であり、(b)は変形例に係るステップS8Aにおいて生成される第2サブトラクション画像に映るX線像の概要を示す図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係るX線撮影装置の全体構成を説明する機能ブロック図である。
<全体構成の説明>
実施例1に係るX線撮影装置1は図1に示すように、水平姿勢をとる被検体Mを載置させる天板3と、被検体Mに対してX線を照射するX線管5と、被検体Mに照射されて透過したX線を検出するX線検出器7とを備えている。X線管5とX線検出器7は、天板3を挟んで対向配置されている。X線管5の下方には、X線管5から照射されるX線を角錐となっているコーン状に制限するコリメータ9が設けられている。
X線検出器7は、X線管5から被検体Mに照射されて透過したX線を検出して電気信号に変換させ、X線検出信号として出力させる。X線検出器7の例としてはフラットパネル型検出器(FPD)などが挙げられ、実施例1ではX線検出器7として、17インチ四方のFPDを用いることとする。X線管5は本発明におけるX線源に相当し、X線検出器7は本発明におけるX線検出手段に相当する。
また、X線撮影装置1はX線照射制御部11と、X線管移動機構13と、検出器移動機構15と、コリメータ制御部16と、画像処理部17とを備えている。X線照射制御部11はX線管5に接続されており、X線管5の管電圧や管電流などを制御することによって、X線管5から照射させるX線量、およびX線を照射させるタイミングなどを制御する。
X線管移動機構13はX線管5に接続されており、X線管5をx方向(天板3の長手方向、および被検体Mの体軸方向)、またはy方向(天板3の短手方向)へ移動させる。検出器移動機構15はX線検出器7に接続されており、X線検出器7をx方向、またはy方向へ移動させる。コリメータ制御部16はコリメータ9に設けられている図示しない遮蔽板の開閉移動を制御することにより、X線管5から照射されるX線の照射野の位置および大きさを調整する。
画像処理部17は、X線画像生成部19と、デフォーカス部21と、第1サブトラクション画像生成部23と、第2サブトラクション画像生成部25とを備えている。X線画像生成部19はX線検出器7の後段に設けられており、X線検出器7から出力されたX線検出信号に基づいてX線画像を生成する。X線画像生成部19は本発明におけるX線画像生成手段に相当する。
デフォーカス部21はX線画像生成部19の後段に設けられており、X線画像生成部19が生成するX線画像に対してデフォーカス処理を行う。デフォーカス処理の例として、ローパスフィルタを用いて低周波領域のみを抽出することにより、X線画像をデフォーカス化するローパスフィルタリング処理や、畳み込み積分演算を用いたスムージングによる処理などが挙げられる。デフォーカス部21は本発明におけるデフォーカス画像生成手段に相当する。
第1サブトラクション画像生成部23はデフォーカス部21の後段に設けられている。そしてデフォーカス処理が行われていないX線画像をライブ画像とし、デフォーカス処理が行われたX線画像をマスク画像として、ライブ画像からマスク画像を減算する画像処理を行う。第1サブトラクション画像生成部23が行う画像処理によって生成される画像を以下、第1サブトラクション画像とする。第1サブトラクション画像生成部23は、本発明における第1サブトラクション画像生成手段に相当する。
第2サブトラクション画像生成部25は、X線画像生成部19の後段に設けられている。そして血管が造影されている状態における被検体のX線画像をライブ画像とし、血管が造影されていない状態における被検体のX線画像をマスク画像として、ライブ画像からマスク画像を減算する画像処理を行う。第2サブトラクション画像生成部25が行う画像処理によって生成される画像を以下、第2サブトラクション画像とする。第2サブトラクション画像生成部25は、本発明における第2サブトラクション画像生成手段に相当する。
X線撮影装置1はさらに主制御部27と、入力部29と、モニタ31と、領域判別部33と、記憶部35とを備えている。主制御部27は、X線照射制御部11と、X線管移動機構13と、検出器移動機構15と、コリメータ制御部16と、画像処理部17とを統括制御する。入力部29は操作者の指示を入力するものであり、その一例としてキーボード入力式のパネルや、タッチ入力式のパネルなどが挙げられる。モニタ31は画像処理部17において生成される各種画像を表示する。
領域判別部33は、入力部29に入力される指示などに基づいて、第1サブトラクション画像の撮影範囲のうち、第2サブトラクション画像を生成する必要がある範囲を判別する。すなわち、第2サブトラクション画像の撮影範囲は、第1サブトラクション画像の撮影範囲の一部または全部となる。領域判別部33は本発明における領域判別手段に相当する。
記憶部35は、X線撮影装置1の制御に参照される各種パラメータ、および画像処理部17において生成される各種画像などを記憶する。X線撮影装置1の制御に参照されるパラメータの例としては、X線管5の管電圧・管電流のパラメータ等が挙げられる。記憶部43は本発明における記憶手段に相当する。
<動作の説明>
次に、実施例1に係るX線撮影装置1の動作について説明する。図2(a)は実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明するフローチャートである。ここでは下肢の血管造影検査におけるX線撮影を例として説明する。
ステップS1(撮像始点の設定)
血管造影検査を行うに際し、まず被検体Mを天板3に載置させて撮影始点の設定を行う。なお撮影始点とはX線画像の撮影を開始する際において、撮像系(X線管5およびX線検出器7)がとる位置である。撮影始点の位置は、コリメータ9から被検体Mに照射させる可視光の照射野の位置や、比較的低い線量のX線をX線管5から被検体Mに照射するX線透視によって得られるX線透視画像などを参照して決定する。なお撮影始点と同様に、撮影終点、すなわちX線画像の撮影を終了させる際において撮像系がとる位置を、ステップS1において予め設定してもよい。
ステップS2(造影剤の投与)
撮影始点を設定した後、操作者は入力部29を操作して撮像系の各々を撮影始点に移動させる。なおX線管5およびX線検出器7の各々について、撮影始点は図3(a)において実線で示す位置とする。そして被検体Mの太ももの付け根などから、被検体Mの血管内に造影剤を投与する。投与された造影剤は血流に沿って太ももから足先へと流れ、下肢の血管を造影する。
ステップS3(造影画像の撮影)
被検体Mに造影剤を投与した後、造影画像の撮影を行う。すなわち操作者は入力部29を操作して、X線管5からX線5aを被検体Mへ照射させる。この際、照射するX線量がX線透視より高い、X線撮影を行うように管電圧などのX線照射条件が入力される。X線検出器7は、被検体Mを透過するX線5aを検出してX線検出信号を出力する。画像生成部19はX線検出信号に基づいて、血管が造影された状態における被検体MのX線画像を生成する。なお、血管が造影された状態において撮影された被検体MのX線画像を以下、造影画像Pとする。
ここで下肢の血管造影検査を行うにあたり、X線画像を撮影する範囲は図3(b)に示すように、被検体Mの体軸方向すなわちx方向に長い領域Kである場合が多い。この場合、領域Kのx方向の長さは例えば100cm程度であるので、一度のX線照射では長尺の領域Kの全体を包含する造影画像Pを撮影できない。
そこで図3(a)において矢印で示すように、X線管移動機構13および検出器移動機構15は撮像系の各々を、造影剤が流れる方向へ、x方向に平行な軌道に沿って同期的に移動させる。すなわちX線管5およびX線検出器7は、図3(a)の実線で示される撮影始点から、破線で示される撮影終点へ移動する。そして撮像系が所定の距離Tを移動する度に、X線管5はX線照射制御部11の制御に従って、X線5aの照射を繰り返す。
X線5aが照射される度に画像生成部19は造影画像Pを生成するので、撮像系の各々が撮影始点から撮影終点へ移動する間に、複数枚の造影画像Pが生成される。撮影される造影画像Pの枚数は関心部位である領域Kのx方向の長さと、所定の距離Tの値の各々に応じて適宜決定される。説明の便宜上、実施例1において撮影される造影画像Pの枚数は3枚とする。そして各々の造影画像Pについては図3(b)に示すように、撮影される順番に符号P1、P2、P3を付して説明する。
このように生成される複数の造影画像P1〜P3によって、操作者は長尺の領域Kの全範囲について把握することができる。生成された造影画像P1〜P3の各々はデフォーカス部21および第1サブトラクション画像生成部23の各々へ送信されるとともに、記憶部35において記憶される。さらに、撮影始点および撮影終点のそれぞれについての位置情報も記憶部35に送信され、記憶される。
なお、ステップS1において撮影終点を設定していない場合、操作者は造影画像をこれ以上必要としないと判断した場合において入力部29を操作してX線の照射を停止させる。この場合、X線の照射を停止した際に撮像系の各々のとる位置が撮影終点となる。
また、長尺の領域Kの全体を包含する一連の造影画像P1〜P3を撮影する方法の例として、以下に示す方法が挙げられる。一つ目の方法は、造影剤の流れる方向へ距離T移動した撮像系の各々を停止させてからX線を照射するステップ撮影法である。ステップ撮影法では距離Tの値を比較的大きくする場合が多く、撮像系の各々は段階的に移動する。そのため、ブレの少ない高品質の画像を取得する場合に、より好適な撮影方法である。
二つ目の方法は、造影剤の流れる方向へ撮像系の各々を連続的に移動させる追跡撮影法である。追跡撮影法では距離Tの値を比較的小さくする場合が多く、撮像系の各々は撮影始点から撮影終点まで停止することなく移動する。そのため、多くの情報を取得すべく、多数の画像を取得する場合により好適な撮影方法である。
ステップS4(デフォーカス画像の生成)
図3(b)に示すように、造影画像P1〜P3の各々には造影剤によって造影された血管BのX線像の他にも、骨盤や大腿骨等、血管以外の器官のX線像が明瞭に映り込んでいる。従って、好適な血管造影検査を行うためには、造影画像Pの各々について、血管B以外の器官のX線像を除く処理を行うことが好ましい。
そこで、デフォーカス部21は図4に示すように、造影画像P1〜P3の各々に対してデフォーカス処理を行い、デフォーカス画像Q1〜Q3を生成する。実施例1では造影画像P1〜P3の各々に対してローパスフィルタリング処理を行い、空間周波数領域のうち、低周波領域のみを抽出することによりデフォーカス処理を行う。造影画像Pに対してデフォーカス処理を行う他の方法としては、デジタル的な畳み込み積分演算による平滑化処理を用いてデフォーカス処理を行う方法などが挙げられる。生成されたデフォーカス画像Q1〜Q3の各々は、第1サブトラクション画像生成部23へ送信される。
ステップS5(第1サブトラクション画像の生成)
第1サブトラクション画像生成部23は、画像生成部19から送信される造影画像Pの各々と、デフォーカス部21から送信されるデフォーカス画像Qの各々を用いて、第1サブトラクション画像Sを生成する。すなわち図5に示すように、造影画像P1からデフォーカス画像Q1を減算する画像処理を行うことによって第1サブトラクション画像S1を生成する。同様に、造影画像P2からデフォーカス画像Q2を減算し、造影画像P3からデフォーカス画像Q3を減算することによって第1サブトラクション画像S2およびS3を生成する。第1サブトラクション画像S1〜S3の各々はモニタ31に表示される。
図4に示すように、デフォーカス画像Qの各々において、比較的細かい血管BのX線像はデフォーカス処理によって全体がぼやける。一方、大腿骨等、比較的大雑把な血管以外の器官については、デフォーカス処理によるX線像のボケが小さい。その結果、造影された血管BのX線像は画像減算処理によってほとんど除去されない。一方、大腿骨等の血管以外の器官については画像減算処理によって大部分のX線像が減算除去される。従って、第1サブトラクション画像S1〜S3において、造影された血管BのX線像を高いコントラストで観察できる(図5右)。
ここで操作者はモニタ31に表示される第1サブトラクション画像S1〜S3を観察して、造影血管検査に適する所望の品質の画像であるか否かを判断する。そして判断の内容によって以下の工程を分岐する。第1サブトラクション画像S1〜S3が検査に適した高品質の画像であり、これ以上のX線撮影は必要ないと判断した場合はX線撮影の工程を終了し、第1サブトラクション画像S1〜S3を用いて造影血管検査を行う。一方、第1サブトラクション画像S1〜S3と比べて、さらに血管像のコントラストが高い画像を所望する場合は次のステップに進む。
ステップS6(非造影画像の撮影)
さらに血管像のコントラストが高い画像を所望する場合、続いて非造影画像の撮影を行う。そこで操作者はまず、被検体Mの投与された造影剤が血流によって下肢の血管Bから排出されるのを待つ。但し、一般的に造影剤は数分程度で排出されるので、実際は造影画像Pを撮影した後、ステップS4〜S5の工程において、造影剤は下肢の血管Bから排出されている。
そして操作者は入力部29を操作し、記憶部35に記憶されている情報に基づいて、撮像系の各々を撮影始点へ移動させる。撮像系の各々はX線管移動機構13および検出器移動機構15によって、図3(a)において実線で示す撮影始点へ移動する。撮像系が撮影始点へ移動した後、操作者は入力部29を操作して、造影画像P1〜P3の各々の撮影位置と同じ位置においてX線管5からX線5aを被検体Mへ照射させる。すなわち撮像系が所定の距離Tを移動する度に、X線管5はX線照射制御部11の制御に従って、X線5aの照射を繰り返す。
画像生成部19はX線検出信号に基づいて、血管が造影されない非造影状態における被検体MのX線画像を生成する。なお、非造影状態において撮影された被検体MのX線画像を以下、非造影画像Vとする。そして図6(a)に示すように、非造影画像Vの各々について、造影画像P1と同じ撮影位置で撮影される画像をV1とする。また、造影画像P2およびP3のそれぞれに対応する非造影画像Vをそれぞれ、非造影画像V2およびV3とする。非造影画像V1〜V3の各々は、画像生成部19から第2サブトラクション画像生成部25へ送信される。さらに記憶部35から、造影画像P1〜P3の各々が第2サブトラクション画像生成部25へ送信される。
なお、造影画像P1〜P3の各々の撮影位置と同じ位置においてX線5aを照射するならば、非造影画像Vの撮影は撮影終点から開始してもよい。この場合、撮影終点において非造影画像V3を撮影した後、撮像系の各々は図3(a)において破線で示す撮影終点から、実線で示す撮影始点へ移動する。そして造影画像P2の撮影位置において非造影画像V2を撮影し、撮影始点において非造影画像V1を撮影する。このような構成により、撮像系の移動に要する時間を短縮し、X線撮影のワークフローを向上することができる。
ステップS7(第2サブトラクション画像の生成)
第2サブトラクション画像生成部25は、画像生成部19から送信される非造影画像V1〜V3の各々と、記憶部35から送信される造影画像P1〜P3の各々を用いて、第2サブトラクション画像Wを生成する。すなわち図6(b)に示すように、造影画像P1から非造影画像V1を減算する画像処理を行うことによって第2サブトラクション画像W1を生成する。同様に、造影画像P2から非造影画像V2を減算し、造影画像P3から非造影画像V3を減算することによって第2サブトラクション画像W2およびW3を生成する。第2サブトラクション画像W1〜W3の各々はモニタ31に表示される。
図6(a)に示すように、非造影画像Vの各々は造影画像Pと同じ撮影位置で撮影される。そのため骨盤や大腿骨等、血管以外の器官は、造影画像Pと同じ像が映り込む。一方、非造影画像Vにおいて血管は造影されない。そのため造影画像Pから非造影画像Vを減算した場合、血管以外の器官の像は完全に減算除去される一方、血管の像は減算されない。従って、図6(b)に示すように、第2サブトラクション画像W1〜W3には、造影された血管BのX線像のみが明瞭に映り込む。第1サブトラクション画像Sと比べて、第2サブトラクション画像Wは血管の視認性がより高い画像であるので、操作者は第2サブトラクション画像Wを用いて、より好適な血管造影検査を行うことができる。
<実施例1の構成による効果>
このように、実施例1に係るX線撮影装置を用いて血管造影検査を行う場合、まず被検体に造影剤を投与してから造影画像を撮影し、造影画像を用いて第1サブトラクション画像を生成する。そして必要に応じてさらに非造影画像の撮影を行い、非造影画像を用いて第2サブトラクション画像の生成を行う。
従来例に係る血管造影検査で行われるDSA撮影では、非造影画像を撮影した後、造影剤を投与して造影画像を撮影する。非造影画像では血管は造影されていないので血管を確認できない。そして造影画像では骨など、血管以外の器官のX線像が邪魔となるので、造影された血管のX線像を確認することが困難である。従って、造影画像をライブ画像、非造影画像をマスク画像として画像減算処理を行うことにより、造影された血管のX線像のみが映り込むDSA画像を生成する。
このような従来例では、血管の観察に適するDSA画像を生成するためにはX線撮影を2回行う必要がある。そのため撮影の所要時間が長くなり、被検体の被曝量も増大する。さらに非造影画像の撮影と造影画像の撮影の間に被検体が体動した場合、マスク画像とライブ画像の差異が大きくなるので、減算処理によって得られるDSA画像は品質が大きく劣化し、検査に堪えないものとなる。また、非造影画像および造影画像のいずれも、単体では血管の観察に適さない画像である。
従って、従来のDSA撮影では、1回目のX線撮影後に被検体の体動があった場合、血管のX線像について何ら有効な情報を得ることができない。また2回目のX線撮影を中止したとしても、1回目のX線撮影は全くの無為に帰することとなるので、被検体は無用な被曝を受ける結果となる。
一方、実施例1に係るX線撮影装置では、まず被検体に造影剤を投与して造影画像を撮影し、撮影された造影画像を記憶部に記憶させる。そして造影画像をライブ画像、造影画像をデフォーカス処理して生成するデフォーカス画像をマスク画像として画像減算処理を行い、第1サブトラクション画像を生成する。デフォーカス画像において、血管のX線像は全体がぼやける一方、血管以外の器官のX線像はボケが小さい。その結果、第1サブトラクション画像において、造影された血管のX線像はほとんど減算除去されない。一方、血管以外の器官のX線像は大部分が減算除去される。
すなわち第1サブトラクション画像はRSM−DSA画像と同等の品質を有している。従って、第1サブトラクション画像を生成することにより、血管以外の器官のX線像を排除しつつ、明瞭な血管のX線像を観察することが可能となる。また、デフォーカス画像は造影画像に基づいて生成されるので、第1サブトラクション画像は1回のX線照射によって生成することができる。そのため、被検体の被曝量を抑制しつつ、明瞭な血管のX線像を観察することができる。
次に、第1サブトラクション画像より品質の高い画像を所望する場合、造影剤が排出された状態で非造影画像をさらに撮影する。そして造影画像をライブ画像、非造影画像をマスク画像として画像減算処理を行い、第2サブトラクション画像を生成する。造影画像は予め記憶部に記憶されているので、第1サブトラクション画像の生成後もライブ画像として用いることができる。
また、非造影画像の撮影位置と造影画像の撮影位置とは同じであるので、造影画像と非造影画像の各々に映る血管以外の器官のX線像はいずれも同じである。そのため、第2サブトラクション画像において血管以外の器官のX線像は完全に減算除去され、造影された血管のX線像のみが明瞭に映り込む。すなわち第2サブトラクション画像は従来のDSA画像と同等の品質を有しており、第1サブトラクション画像と比べて、より血管の診断に適した画像である。
実施例1に係るX線撮影装置では、1回目のX線撮影によって第1サブトラクション画像を取得する。そして操作者がさらに高品質の画像を所望する判断を下した場合に、2回目のX線撮影を行って第2サブトラクション画像を取得する。このような構成により、第1サブトラクション画像によって所望の血管造影検査を達成可能との判断を下した場合、2回目のX線撮影を省略できる。その結果、X線撮影に要する時間を短縮するとともに被検体の被曝量を低減することができる。
そして2回目のX線撮影により、第1サブトラクション画像より品質の高い、第2サブトラクション画像を取得できる。そのため、2回目のX線撮影を行う場合は血管造影検査の診断能をより向上させることができる。さらに、1回目のX線撮影によって得られる第1サブトラクション画像は、RSM−DSA画像と同等の品質を有し、明瞭な血管のX線像を観察することができる画像である。従って、被検体の体動などにより第2サブトラクション画像を好適に取得できない場合であっても、第1サブトラクション画像を用いて血管造影検査を行うことができる。すなわち、被検体の体動などによってX線撮影が全くの無為に帰する、という従来のDSA撮影における問題を回避することが可能となる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例2に係るX線撮影装置の全体構成は、実施例1に係るX線撮影装置1と同様である。但し図4(b)に示すように、実施例2における動作の工程は、実施例1における動作の工程と一部相違する。すなわち実施例1ではステップS5において第1サブトラクション画像を生成する。そして、より高品質の画像を所望する場合に非造影画像を撮影し(ステップS6)、非造影画像を用いて第2サブトラクション画像を生成する(ステップS7)。
一方、実施例2ではステップS5までの工程は実施例1と共通するが、ステップS6以降の工程は実施例1と相違する。すなわち、より高品質の画像を所望する場合、まず非造影画像の撮影範囲の設定を行う(ステップS6A)。そして非造影画像の撮影範囲を設定した後に非造影画像を撮影し(ステップS7A)、第2サブトラクション画像を生成する(ステップS8A)。ここでは実施例2において特徴的な、ステップS6A以降の工程について説明する。
ステップS6A(非造影画像の撮影範囲の設定)
実施例1では第1サブトラクション画像Sより高い品質の画像を所望する場合、造影画像Pの各々と同じ撮影位置で、非造影画像Vの各々を撮影する構成をとる。しかし実際の医療現場では、第1サブトラクション画像Sのうち、一部の領域についてのみ、さらに高品質の画像を要する場合がある。
そこで実施例2では、第1サブトラクション画像Sのうち、高品質の画像を要する範囲についてのみ非造影画像Vを撮影する構成をとる。操作者はモニタ31に表示される第1サブトラクション画像S1〜S3を確認し、より高品質の画像を要する範囲すなわち非造影画像Vの撮影範囲Jを決定する。そして入力部29を操作して、撮影範囲Jを指定する。ここで図7(a)に示すように、撮影範囲Jは第1サブトラクション画像S1の中央部分とする。なお、撮影範囲Lを指定する方法の例としては、撮影範囲Jを示すマーカを第1サブトラクション画像S1に重畳表示させる方法や、撮影範囲Jの上端および下端を示すカーソルを重畳表示させる方法などが挙げられる。指定された撮影範囲Jの情報は領域判別部33へ送信される。
領域判別部33は、撮影範囲Jの情報に基づいて、非造影画像Vの撮影位置すなわち、非造影画像Vの撮影時における撮像系の各々の位置を算出する。非造影画像Vの撮影位置は撮影範囲Jの上端および下端の位置に基づいて算出できる。領域判別部33はさらに、撮影範囲Jの大きさに基づいて、非造影画像Vの撮影時におけるコリメータ9の開度を算出する。領域判別部33が算出する、非造影画像Vの撮影位置およびコリメータ9の開度の各々の情報は、主制御部27へ送信される。
ステップS7A(非造影画像の撮影)
非造影画像の撮影範囲の設定が終了した後、操作者は造影剤が下肢の血管Bから排出されるのを待って、非造影画像の撮影を行う。操作者は入力部29を操作し、撮像系の各々を撮影始点へ移動させる指示を入力する。主制御部27は領域判別部33が算出する非造影画像Vの撮影位置の情報に基づいて、X線管移動機構13および検出器移動機構15に制御信号を出力する。X線管移動機構13および検出器移動機構15は制御信号に従って、撮像系の各々を図7(b)の破線で示す撮影終点から、実線で示す非造影画像Vの撮影位置へ移動させる。
主制御部27はさらに、領域判別部33が算出するコリメータ9の開度の情報に基づいて、コリメータ制御部16へ制御信号を出力する。コリメータ制御部16は制御信号に従って、X線5aの照射野が撮影範囲Jと一致するようにコリメータ9の開度を調節する。撮像系が撮影位置へ移動し、コリメータ9の開度が調節された後、操作者は入力部29を操作して、X線管5からX線5aを被検体Mへ照射させる。
画像生成部19はX線検出器7から出力されるX線検出信号に基づいて、撮影範囲Jについて、非造影画像Vを生成する。なお、撮影範囲Jについて得られる非造影画像Vを以下、非造影画像Vjとする。非造影画像Vjは画像生成部19から第2サブトラクション画像生成部25へ送信される。また、記憶部35から第2サブトラクション画像生成部25へ造影画像P1が送信される。
ステップS8A(第2サブトラクション画像の生成)
第2サブトラクション画像生成部25は、造影画像P1のうち撮影範囲Jの部分を造影画像Pjとして切り出す。そして図8(a)に示すように、造影画像Pjから非造影画像Vjを減算する画像処理を行い、第2サブトラクション画像Wjを生成する。第2サブトラクション画像Wjはモニタ31に表示される。操作者は第2サブトラクション画像Wjを参照することにより、高品質の画像を所望した撮影範囲Jについて、より診断能の高い血管造影検査を行う。
<実施例2の構成による効果>
実施例2に係るX線撮影装置は領域判別部33を備えている。操作者は第1サブトラクション画像Sのうち、より高品質の画像を所望する部分を非造影画像の撮影範囲Jとして特定する。領域判別部33は、非造影画像の撮影範囲Jの位置および大きさに応じて撮像系の各々とコリメータ9とを制御し、撮影範囲Jについての非造影画像Vjを撮影する。この場合、より高品質の画像を所望する範囲についてのみ非造影画像の撮影を行うので、長尺の領域Kの全域について非造影画像を撮影する場合と比べて、撮影に要する時間を短縮できる。また、被検体Mの被曝量を低減させることも可能となる。
そして撮影範囲Jについて、造影画像Pjから非造影画像Vjを減算する画像処理を行い、第2サブトラクション画像Wjを生成する。造影画像Pjおよび非造影画像Vjの各々について、血管以外の器官についてのX線像は同じであるので、造影画像Pjから非造影画像Vjを減算した場合、血管以外の器官の像は完全に減算除去される。従って、第2サブトラクション画像Wjには、造影された血管BのX線像のみが明瞭に映り込む。そのため、操作者は血管の視認性がより高い第2サブトラクション画像Wjを用いて、所望の撮影範囲Jについてより好適な血管造影検査を行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例2では、撮影範囲Jについての第2サブトラクション画像Wjを生成した後、第2サブトラクション画像Wjを用いて診断を行ったがこれに限られない。すなわち画像処理部17の下流に図示しない合成画像生成部をさらに備え、合成画像Yを生成する構成としてもよい。この場合、合成画像生成部は図8(b)に示すように、第1サブトラクション画像S1のうち撮影範囲Jについて、第2サブトラクション画像Wjと置換する処理を行い、合成画像Yを生成する
このような変形例の場合、合成画像Yは第1サブトラクション画像S1のうち、より高品質な画像を所望する範囲Jについてのみ、血管の視認性がより高い画像となっている。また、撮影範囲J以外の範囲については第1サブトラクション画像の品質で好適な診断を行うことができる。そのため、合成画像Yを観察することにより、撮影範囲Jより広い範囲について、操作者が所望する、好適な血管造影検査を迅速に行うことができる。
(2)上述した各実施例では、下肢の長尺領域を関心部位として血管造影撮影を行ったが、関心部位となる領域は下肢に限られず、上肢や頭部等、適宜変更してもよい。
1 …X線撮影装置
5 …X線管(X線源)
7 …X線検出器(X線検出手段)
9 …コリメータ
13 …X線管移動機構
15 …検出器移動機構
16 …コリメータ制御部
19 …画像生成部(X線画像生成手段)
21 …デフォーカス部(デフォーカス画像生成手段)
23 …第1サブトラクション画像生成部(第1サブトラクション画像生成手段)
25 …第2サブトラクション画像生成部(第2サブトラクション画像生成手段)
27 …主制御部
29 …入力部
33 …領域判別部(領域判別手段)
35 …記憶部(記憶手段)

Claims (5)

  1. 被検体にX線を照射するX線源と、
    前記被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、
    前記X線検出手段が出力する検出信号を用いてX線画像を生成するX線画像生成手段と、
    前記画像生成手段が生成する前記X線画像を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段が記憶する前記X線画像に対してデフォーカス処理を行うことにより、デフォーカス画像を生成するデフォーカス画像生成手段と、
    血管造影状態の前記被検体における前記X線画像をライブ画像とし、血管造影状態の前記被検体における前記デフォーカス画像をマスク画像として画像減算処理を行うことにより第1サブトラクション画像を生成する第1サブトラクション画像生成手段と、
    前記第1サブトラクション画像の生成の後に、前記第1サブトラクション画像の生成に用いられた前記血管造影状態の前記被検体における前記X線画像をライブ画像とし、非造影状態の前記被検体における前記X線画像をマスク画像として画像減算処理を行うことにより第2サブトラクション画像を生成する第2サブトラクション画像生成手段とを備えるX線撮影装置。
  2. 請求項1に記載のX線撮影装置において、
    血管造影状態の前記被検体における前記X線画像の全領域のうち、前記第2サブトラクション画像を生成させる対象となる領域を特定する領域判別手段を備え、
    前記第2サブトラクション画像生成手段は、血管造影状態の前記被検体における前記X線画像のうち、前記第2サブトラクション画像を生成させる対象となる領域として前記領域判別手段が特定した領域について前記画像減算処理を行うことにより前記第2サブトラクション画像を生成するX線撮影装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のX線撮影装置において、
    前記デフォーカス画像生成手段が行う前記デフォーカス処理は、ローパスフィルタ処理であるX線撮影装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のX線撮影装置において、
    操作者からの入力を受け付ける入力部をさらに備え、
    前記入力部が前記操作者からの入力を受け付けることによって、前記第2サブトラクション画像生成手段は前記第2サブトラクション画像を生成するX線撮影装置。
  5. X線を被検体に照射して前記被検体を映し出す画像を生成するX線撮影装置の作動方法であって、
    血管造影状態の被検体を透過したX線を検出することにより、造影画像を生成する造影画像生成工程と、
    前記造影画像を記憶する記憶工程と、
    前記造影画像生成工程において生成された前記造影画像に対してデフォーカス処理を行うことにより、デフォーカス画像を生成するデフォーカス画像生成工程と、
    前記造影画像から前記デフォーカス画像を減算する画像処理を行うことにより第1サブトラクション画像を生成する第1サブトラクション画像生成工程と、
    非造影状態の被検体を透過したX線を検出することにより、非造影画像を生成する非造影画像生成工程と、
    前記第1サブトラクション画像生成工程の後に、前記記憶工程において記憶されており、前記第1サブトラクション画像生成工程において用いられた前記造影画像から、前記非造影画像生成工程において生成された前記非造影画像を減算する画像処理を行うことにより第2サブトラクション画像を生成する第2サブトラクション画像生成工程と、
    を備えるX線撮影装置の作動方法。
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