JP6696484B2 - 車載冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車載冷凍装置に関する。
従来、ハイブリッド自動車や電気自動車に適用される空気調和装置として、室外熱交換器が吸熱器として機能する際に、室外熱交換器の着霜判定を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、運転状態の過渡期や車速変動が大きい場合に、着霜判定を実行しないことが記載されている。
特開2014−94676号公報
ところで、本発明者らは、車両走行用の駆動源からの出力に連動して動作する圧縮機を含む車載冷凍装置において、車両の走行時に、吸熱器として機能する蒸発器が着霜状態であるか否かを判定することを検討している。
この種の車載冷凍装置は、例えば、運転手のアクセルペダルの操作によって駆動源の動作が変化すると、駆動源の動作に連動して圧縮機の動作も変化する。アクセルペダルの操作は、運転手に応じて異なることから、車載冷凍装置の圧縮機の動作が安定せず、蒸発器の着霜判定を精度よく行うことが困難である。
本発明は上記点に鑑みて、車両走行用の駆動源からの出力に連動して動作する圧縮機を備える車載冷凍装置において、蒸発器の着霜判定の精度向上を図ることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、少なくとも加速に関する運転操作を運転手に代わって運転システム(6、8)が行う特定運転モードに設定可能な車両(1)に搭載される車載冷凍装置を対象としている。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
車両走行用の駆動源(4)からの出力に連動して動作する圧縮機(12)と、
圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(14)と、
放熱器で放熱された冷媒を減圧する減圧機器(16)と、
減圧機器で減圧された冷媒を蒸発させるとともに、冷媒の蒸発による吸熱作用によって冷却対象空間(3a)を冷却する蒸発器(18)と、
蒸発器に霜が付着した着霜状態であるか否かを判定する着霜判定処理を実行する着霜判定部(100c)と、を備える。そして、着霜判定部は、車両が特定運転モードで走行している場合に、着霜判定処理を実行する構成となっている。
運転手に加速に関する運転操作を依存しない特定運転モードは、運転手に加速に関する運転操作を依存する運転モードに比べて、車速が一定速になり易く、駆動源の出力も安定する傾向がある。このため、車両が特定運転モードで走行している際には、車載冷凍装置の圧縮機の動作が安定した状態になり易く、このタイミングで着霜判定処理を実行することで、蒸発器の着霜判定を精度よく行うことができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の車載冷凍装置が搭載される冷凍車両の模式図である。 第1実施形態の車載冷凍装置の模式的な構成図である。 第1実施形態の車載冷凍装置が備える制御装置のブロック図である。 第1実施形態の車載冷凍装置の制御装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の車載冷凍装置における除霜処理時の冷媒の流れ方を説明する説明図である。 第2実施形態の車載冷凍装置が備える制御装置のブロック図である。 第2実施形態の車載冷凍装置の制御装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態の車載冷凍装置の制御装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態の車載冷凍装置の制御装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。 第5実施形態の車載冷凍装置が備える制御装置のブロック図である。 第5実施形態の車載冷凍装置の制御装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。 第6実施形態の車載冷凍装置が備える制御装置のブロック図である。 第6実施形態の車載冷凍装置の制御装置が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態では、本発明の車載冷凍装置10を冷凍車両1に適用した例について説明する。図1に示すように、冷凍車両1は、ユーザが搭乗するキャビン2、キャビン2の後方に連結される断熱構造の荷台3を備えている。
冷凍車両1は、車両走行用の駆動源であるエンジン4を備えている。エンジン4の回転は、図示しない自動変速機等を介して駆動輪5に伝達される。なお、冷凍車両1は、車両走行用の駆動源として、エンジン4に加えて電動機を備える構成や、エンジン4に代えて電動機を備える構成となっていてもよい。
本実施形態の冷凍車両1は、加速、制動、操舵といった運転操作を運転手に代わって自動運転システム6が行う運転モードに設定可能な自動運転車両となっている。本実施形態の冷凍車両1には、自動運転システム6が搭載されている。なお、自動運転システム6による自動運転機能は、冷凍車両1に搭載されたシステムに限らず、基地局等からの遠隔管理や、車両間の通信等により提供される構成となっていてもよい。
冷凍車両1は、自動運転システム6に運転操作を依存する度合いを示す自動運転度に対応した運転モードで運転可能に構成されている。すなわち、冷凍車両1は、予め定義された複数の自動運転度から所定の自動運転度を選択し、選択された自動運転度に対応した運転モードで運転可能に構成されている。
ここで、自動運転システム6は、種々の周知のセンサの検出信号に基づいて周知の方法で自動運転を切り替える。自動運転システム6は、例えば、ユーザの操作および冷凍車両1の周囲環境に関する情報に基づいて自動運転度を切り替える。
本実施形態では、自動運転度として、日本政府およびNHTSA(National Highway Traffic Safety Administrationの略)が定義している自動化レベル(すなわち、レベル0〜レベル4)が採用されている。
レベル0は、運転手が全ての主制御系統の操作を行う状態を示すレベルである。レベル1は、加速、制動、操舵のいずれか1つを自動運転システム6が行う状態を示すレベルである。レベル2は、加速、制動、操舵のうち、複数の操作を自動運転システム6が行う状態を示すレベルである。レベル3は、加速、制動、操舵を自動運転システム6が行い、自動運転システム6が要請した際に運転手が対応する状態を示すレベルである。レベル4は、加速、制動、操舵に加えて、周囲の監視等の全ての運転操作を自動運転システム6が行い、運転操作に運転手が全く関与しない状態を示すレベルである。
冷凍車両1には、荷台3の内部の庫内空間3aを冷却する車載冷凍装置10が搭載されている。本実施形態では、庫内空間3aが、車載冷凍装置10の冷却対象空間となっている。
図2に示すように、車載冷凍装置10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルで構成されている。車載冷凍装置10は、圧縮機12、放熱器14、減圧機器16、蒸発器18、アキュムレータ20が冷媒配管22等により接続されている。なお、車載冷凍装置10を構成する放熱器14、減圧機器16、蒸発器18、アキュムレータ20等は、図1に示す冷凍車両1の冷凍装置ケース7の内側に配置されている。
圧縮機12は、冷媒を圧縮する圧縮機構部122、および圧縮機構部122に回転駆動力を伝達する動力伝達部124を備えている。圧縮機構部122は、例えば、斜板式などの可変容量型の冷媒圧縮機構、或いは、スクロール式またはベーン式などの固定容量型の冷媒圧縮機構で構成されている。動力伝達部124は、従動側プーリ124aを有している。従動側プーリ124aには、エンジン4の駆動軸と共に回転する駆動側プーリ41に対してベルト42を介して連結されている。
これにより、エンジン4の回転がベルト42を介して動力伝達部124に伝達される。エンジン4に連動して動力伝達部124が回転すると、圧縮機12の圧縮機構部122は、冷媒吸入口12aから吸入した冷媒を圧縮して冷媒吐出口12bから吐き出す。
このように、本実施形態の圧縮機12は、車両走行用の駆動源であるエンジン4からの出力に連動して動作する構成となっている。なお、本実施形態の動力伝達部124には、電磁式のクラッチ機構124bが設けられている。
圧縮機12の冷媒吐出口12b側には、放熱器14が接続されている。放熱器14は、圧縮機12から吐出された冷媒と室外ファン15から送風される車室外の空気(すなわち、外気)とを熱交換させて冷媒を放熱させる熱交換器である。
放熱器14の冷媒出口側には、減圧機器16が接続されている。減圧機器16は、放熱器14から流出した冷媒(すなわち、放熱器14で放熱された冷媒)を所定の圧力まで減圧膨張させる膨張弁である。
減圧機器16の冷媒出口側には、蒸発器18が接続されている。蒸発器18は、減圧機器16で減圧された冷媒を蒸発させるとともに、冷媒の蒸発による吸熱作用によって冷却対象空間である庫内空間3aを冷却する熱交換器である。本実施形態の蒸発器18は、減圧機器16で減圧された冷媒と室内ファン19によって庫内空間3aを循環する空気とを熱交換させることで、庫内空間3aを循環する空気を冷却する。
蒸発器18の冷媒出口側には、アキュムレータ20が接続されている。アキュムレータ20は、蒸発器18から流出した冷媒の気液を分離し、分離した気相状態の冷媒を圧縮機12の冷媒吸入口12aに戻すものである。
本実施形態の車載冷凍装置10には、圧縮機12から吐出された冷媒を放熱器14および減圧機器16を迂回して蒸発器18に導くバイパス配管24が設けられている。バイパス配管24は、一端側が圧縮機12と放熱器14との間に接続され、他端側が減圧機器16と蒸発器18との間に接続されている。
バイパス配管24には、バイパス配管24への冷媒の流れを遮断する閉状態と、バイパス配管24への冷媒の流れを許容する開状態とに切り替える開閉弁26が設けられている。開閉弁26は、後述する制御装置100によって、蒸発器18にて冷媒を蒸発させる通常時に閉状態に制御され、蒸発器18に付着した霜を除去する除霜処理時に開状態に制御される。
車載冷凍装置10は、図3に示す制御装置100を備える。制御装置100は、制御処理や演算処理を行うプロセッサ、プログラムやデータ等を記憶するROM、RAM等の記憶部100aを含むマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。なお、制御装置100の記憶部100aは、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。
制御装置100には、自動運転システム6が接続されている。制御装置100は、自動運転システム6から現状の自動運転度に関する情報を取込み、現状の自動運転度を特定する。本実施形態では、制御装置100における自動運転度を特定する機能が自動運転度を特定する運転度特定部100bを構成している。
制御装置100の入力側には、外気の温度を検出する外気温度センサ102、庫内空間3aの温度を検出する庫内温度センサ104、およびエンジン4の回転数を検出するエンジン回転数センサ106が接続されている。なお、庫内温度センサ104は、蒸発器18に流入する空気の流入温度を検出する温度センサとして機能する。
また、制御装置100の入力側には、蒸発器18の冷媒出口側の冷媒圧力(すなわち、蒸発器圧力)を検出する低圧側圧力センサ108、および庫内空間3aの設定温度を設定する設定スイッチ110aが設けられた操作パネル110が接続されている。
ここで、蒸発器18から流出する空気の温度は、蒸発器18の冷媒出口側の冷媒圧力である蒸発器圧力に応じて変化する。すなわち、蒸発器圧力は、蒸発器18から流出する空気の流出温度に相関性を有する。本実施形態では、蒸発器圧力が蒸発器18から流出する空気の流出温度に相関性を有する状態量となっている。そして、本実施形態では、低圧側圧力センサ108が、状態量である蒸発器圧力を検出する状態量検出部を構成している。
また、本実施形態の圧縮機12は、エンジン4からの出力に連動して動作する。このため、エンジン4の回転数は、圧縮機12の回転数に相関性を有する。具体的には、圧縮機12の回転数は、エンジン4の回転数および各プーリ124a、41のプーリ比から算出可能である。本実施形態では、エンジン4の回転数が圧縮機12の回転数に相関性を有する物理量となっている。
一方、制御装置100の出力側には、クラッチ機構124b、室外ファン15、室内ファン19、開閉弁26等が接続されている。制御装置100は、入力側に接続され各種センサからの情報を記憶部100aに記憶されたプログラムで演算・処理することで、出力側に接続された各機器の作動を制御する。
具体的には、制御装置100は、蒸発器18に霜が付着した着霜状態であるか否かを判定する着霜判定処理を実行する。また、制御装置100は、着霜判定処理によって蒸発器18が着霜状態であると判定されると、蒸発器18に付着した霜を除去する除霜処理を実行する。
ここで、制御装置100には、各種演算処理を実行するハードウェアおよびソフトフェアで構成される処理実行部、各種制御対象機器を制御するハードウェアおよびソフトフェアで構成される制御部等が集約されている。例えば、制御装置100には、蒸発器18に霜が付着した着霜状態であるか否かを判定する着霜判定処理を実行する着霜判定部100cが集約されている。また、制御装置100には、蒸発器18に付着した霜を除去する除霜処理を実行する除霜処理部100dが集約されている。
次に、本実施形態の車載冷凍装置10の作動を説明する。車載冷凍装置10は、エンジン4が稼働すると、クラッチ機構124bをオンして圧縮機12を作動させる。また、車載冷凍装置10は、所定の回転数で室外ファン15を作動させて放熱器14に外気を供給するとともに、所定の回転数で室内ファン19を作動させて蒸発器18に庫内空間3aの空気を供給する。さらに、蒸発器18にて冷媒を蒸発させる通常時は、制御装置100によって、開閉弁26が閉状態に制御される。
これにより、図1の矢印で示すように、圧縮機12から吐出された冷媒は、放熱器14に流入し、放熱器14にて外気との熱交換によって放熱される。放熱器14から流出した冷媒は、減圧機器16に流入し、減圧機器16にて所定の圧力となるまで減圧膨張される。
減圧機器16から流出した冷媒は、蒸発器18に流入し、蒸発器18において庫内空間3aを循環する空気から吸熱して蒸発する。これにより、庫内空間3aを循環する空気が冷却される。
その後、蒸発器18から流出した冷媒は、アキュムレータ20にて気液が分離される。そして、アキュムレータ20にて分離された気相状態の冷媒は、圧縮機12の冷媒吸入口12aに流れ、再び圧縮機12にて圧縮される。
ところで、車載冷凍装置10では、庫内空間3aを循環する空気から蒸発器18が吸熱するため、蒸発器18に霜が付着することがある。蒸発器18に霜が付着すると、蒸発器18に霜が付着していない正常状態に比べて、蒸発器18における通風抵抗が大きくなり、蒸発器18を通過する空気の流量が減少する。蒸発器18を通過する空気の流量が減少すると、空気側の熱交換能力が低下し、それに追従して冷媒側の熱交換能力も低下してしまう。
これに対して、蒸発器18に霜が付着しているか否かを判定する着霜判定処理を実施し、蒸発器18に霜が付着していると判定された場合に、蒸発器18に付着した霜を除去する除霜処理を実施することが有効である。
しかしながら、エンジン4からの出力に連動して動作する圧縮機12を含む車載冷凍装置10では、運転手のアクセルペダルの操作によってエンジン4の動作が変化すると、それに連動して圧縮機12の動作も変化してしまう。そして、アクセルペダルの操作は、運転手に応じて異なる。このため、本実施形態の如く、エンジン4からの出力に連動して動作する圧縮機12を含む車載冷凍装置10では、その動作が安定せず、蒸発器18の着霜判定を精度よく行うことが困難となってしまう。
これらを鑑みて、本実施形態の車載冷凍装置10は、冷凍車両1の走行中に運転手のアクセルペダルの操作に依存しない運転状態において、制御装置100によって着霜判定処理が実行される構成となっている。
以下、本実施形態の制御装置100が実行する着霜に関する制御処理について、図4を参照して説明する。図4に示す制御処理は、エンジン4の稼働中において制御装置100が所定のタイミング(例えば、予め定めた周期)で実行する。
図4に示すように、制御装置100は、ステップS100にて、自動運転システム6、各種センサ102〜108等から出力される信号を読み込む。制御装置100は、ステップS110にて、自動運転システム6から取得した情報に基づいて、現状の自動運転度を特定する。具体的には、制御装置100は、自動運転システム6から取得した情報に基づいて、加速、制動、操舵といった運転操作が、どの程度自動運転システム6に依存しているかを特定する。
続いて、制御装置100は、ステップS120にて、冷凍車両1の運転モードが、少なくとも加速に関する運転操作を自動運転システム6に依存する特定運転モードであるか否かを判定する。
この結果、加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存していない場合、運転手のアクセルペダルの操作が予測できず、車載冷凍装置10の圧縮機12の動作が安定し難いことから、制御装置100は、本制御処理を抜ける。
一方、加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存している場合、制御装置100は、ステップS130にて、冷凍車両1が特定運転モードで走行しているか否かを判定する。
冷凍車両1が特定運転モードで走行している場合、制御装置100は、ステップS140にて、蒸発器18に霜が付着していない正常状態における蒸発器圧力Pesを推定する。なお、冷凍車両1が特定運転モードで走行していない場合、制御装置100は、本制御処理を抜ける。
ここで、蒸発器圧力は、蒸発器18から流出する空気の流出温度に相関性を有する。本実施形態では、ステップS140にて推定する蒸発器圧力Pesが蒸発器18から流出する空気の流出温度に相関性を有する正常状態量となっている。
また、蒸発器18に霜が付着していない正常状態における蒸発器圧力Pesは、主に、圧縮機12の回転数、放熱器14に流入する外気の温度、蒸発器18に流入する空気の流入温度に応じて変化する。このため、蒸発器18に霜が付着していない正常状態における蒸発器圧力Pesは、圧縮機12の回転数、放熱器14に流入する外気の温度、および蒸発器18に流入する空気の流入温度に基づいて推定することができる。
本実施形態では、圧縮機12の回転数、放熱器14に流入する外気の温度、および蒸発器18に流入する空気の流入温度を蒸発器圧力Pesと関連付けた制御マップを予め作成し、当該制御マップを制御装置100の記憶部100aに記憶する。そして、本実施形態の制御装置100は、前述の制御マップを参照して外気温度センサ102、庫内温度センサ104、およびエンジン回転数センサ106それぞれの検出値に基づいて、正常状態における蒸発器圧力Pesを推定する。なお、圧縮機12の回転数は、エンジン回転数センサ106と各プーリ124a、41のプーリ比から算出可能である。
続いて、制御装置100は、ステップS150にて、ステップS140で推定した蒸発器圧力Pesから低圧側圧力センサ108で検出された現状の蒸発器圧力Peを減算した減算値が、所定の判定基準値Peth以上であるか否かを判定する。判定基準値としては、例えば、定格条件において冷凍能力が20%程度低下した際の蒸発器18の冷媒出口側の圧力に設定される。なお、判定基準値としては、予め実施したベンチテストの結果や一般的な冷凍能力の計算結果等に基づいて設定されていてもよい。
ここで、蒸発器18に霜が付着すると、蒸発器18に霜が付着していない正常状態に比べて、蒸発器18を通過する空気の流量が減少する。そして、蒸発器18を通過する空気の流量が減少すると、空気側の熱交換能力が低下し、これに追従して蒸発器18の冷媒出口側の圧力が低下する。
これらによれば、ステップS140で推定した蒸発器圧力Pesから現状の蒸発器圧力Peを減算した減算値が判定基準値Peth未満となる場合、蒸発器18に霜が付着していない正常状態であると考えられる。このため、ステップS140で推定した蒸発器圧力Pesから現状の蒸発器圧力Peを減算した減算値が判定基準値Peth未満となる場合、制御装置100は、本制御処理を抜ける。
一方、ステップS140で推定した蒸発器圧力Pesから現状の蒸発器圧力Peを減算した減算値が判定基準値Peth以上となる場合、蒸発器18に霜が付着している状態であると考えられる。このため、ステップS140で推定した蒸発器圧力Pesから現状の蒸発器圧力Peを減算した減算値が判定基準値Peth以上となる場合、制御装置100は、ステップS160にて、除霜処理を実行する。
具体的には、制御装置100は、ステップS160にて、開閉弁26を開状態に制御する。これにより、図5に示すように、圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒がバイパス配管24を介して蒸発器18に流入することで、蒸発器18に付着した霜が除去される。
また、制御装置100は、蒸発器18に付着した霜が除去されると、開閉弁26を閉状態に制御する。なお、蒸発器18に付着した霜が除去された否かの判定条件は、例えば、開閉弁26を開状態に制御してからの経過時間が予め定めた基準時間を経過した際に成立する条件を採用することができる。
ここで、図4に示す制御処理の各制御ステップは、車載冷凍装置10が行う各種機能を実現する機能実現部を構成している。本実施形態では、例えば、ステップS140の処理が、蒸発器18に霜が付着していない正常状態における蒸発器18から流出する空気の流出温度に相関性を有する正常状態量(すなわち、蒸発器圧力Pes)を推定する推定部を構成している。また、ステップS150の処理が、正常状態量(すなわち、蒸発器圧力Pes)と低圧側圧力センサ108で検出された冷媒圧力(すなわち、蒸発器圧力Pe)とを比較することで、蒸発器18が着霜状態であるか否かを判定する判定部を構成している。
以上説明した本実施形態の車載冷凍装置10は、運転手に加速に関する運転操作を依存しない特定運転モードで車両が走行している場合に、蒸発器18が着霜状態であるか否かの着霜判定処理を実行する構成となっている。
自動運転システム6に加速に関する運転操作を依存する特定運転モードは、運転手に加速に関する運転操作を依存する運転モードに比べて、車速が一定速になり易く、エンジン4の出力も安定する傾向がある。このため、冷凍車両1が特定運転モードで走行している際には、車載冷凍装置10の圧縮機12の動作が安定した状態になり易く、このタイミングで着霜判定処理を実行することで、蒸発器18の着霜判定を精度よく行うことができる。
特に、本実施形態の車載冷凍装置10は、制御マップを参照して外気温度、蒸発器18に流入する空気の流入温度、および圧縮機12の回転数に相関性を有する物理量から正常状態における蒸発器圧力Pesを推定する。これによると、正常状態における蒸発器圧力Pesを精度よく推定することができる。
さらに、本実施形態の車載冷凍装置10は、蒸発器18に霜が付着していない正常状態における蒸発器圧力Pesと現状の蒸発器圧力Peとを比較することで蒸発器18が着霜状態であるか否かを判定する。これによると、蒸発器18の着霜判定を精度よく行うことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図6、図7を参照して説明する。本実施形態では、蒸発器18の着霜判定を実施する条件が第1実施形態と相違している。なお、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と同様の部分についての説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の車載冷凍装置10は、制御装置100の入力側に、ナビゲーションシステム120が接続されている。ナビゲーションシステム120は、冷凍車両1の出発地から目的地までの道路形状、道路種別等に基づいて、冷凍車両1の出発地から目的地までの走行経路に関する情報をユーザに提供するシステムである。
本実施形態のナビゲーションシステム120は、GPS等によって車両の現在地を検出する位置検出部120a、地図情報が記憶された地図情報部120b、冷凍車両1の走行経路を探索する経路探索部120c等を備えている。
本実施形態の制御装置100は、ナビゲーションシステム120から取得した情報に基づいて、冷凍車両1が走行する道路形状や道路種別を特定可能となっている。なお、本実施形態では、制御装置100のうち冷凍車両1が走行する道路形状や道路種別を特定する構成が道路特定部100eを構成する。
続いて、本実施形態の制御装置100が実行する制御処理について、図7を参照して説明する。なお、図7に示すステップS100、S110、S140〜S160の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。
図7に示すように、加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存している場合、制御装置100は、ステップS130Aにて、冷凍車両1が直線状の道路を走行中であるか否かを判定する。
具体的には、制御装置100は、ナビゲーションシステム120からの取得した情報に基づいて、冷凍車両1の現在地点から所定区間(例えば、100m〜1km)離れた地点までの道路形状が直線状に延びているか否かを判定する。なお、直線状に延びている道路形状は、運転手等による操舵に関する運転操作が殆ど必要ない道路形状である。直線状に延びている道路形状は、例えば、運転手等によるハンドルの操舵角が±10°以内となる道路形状と定義することができる。
冷凍車両1が直線状の道路を走行中である場合、制御装置100は、ステップS140の処理に移行して着霜判定処理を実行する。また、冷凍車両1が直線状の道路を走行中でない場合、制御装置100は、本制御処理を抜ける。
以上説明したように、本実施形態の車載冷凍装置10は、冷凍車両1が加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存する特定運転モードで走行し、且つ、冷凍車両1が走行する道路形状が直線状に延びている場合に、着霜判定処理を実行する。
冷凍車両1が走行する道路形状が直線状に延びている場合、道路形状が蛇行している場合に比べて、車速が一定速になり易く、エンジン4の出力も安定する傾向がある。このため、冷凍車両1が加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存する特定運転モードで走行し、且つ、冷凍車両1が走行する道路形状が直線状に延びている場合に、車載冷凍装置10の圧縮機12の動作が安定した状態になり易い。
したがって、冷凍車両1が加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存する特定運転モードで走行し、且つ、冷凍車両1が走行する道路形状が直線状に延びているタイミングで着霜判定処理を実行すれば、蒸発器18の着霜判定を精度よく行うことができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図8を参照して説明する。本実施形態では、蒸発器18の着霜判定を実施する条件が第2実施形態と相違している。なお、本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について説明し、第2実施形態と同様の部分についての説明を省略する。
本実施形態の制御装置100が実行する制御処理について、図8を参照して説明する。なお、図8に示すステップS100、S110、S140〜S160の処理は、第1、第2実施形態で説明した処理と同じである。
図8に示すように、加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存している場合、制御装置100は、ステップS130Bにて、冷凍車両1が高速道路または自動車専用道路を走行中であるか否かを判定する。
具体的には、制御装置100は、ナビゲーションシステム120からの取得した情報に基づいて、冷凍車両1が現在走行している道路が高速道路または自動車専用道路であるか否かを判定する。
そして、冷凍車両1が高速道路または自動車専用道路を走行中である場合、制御装置100は、ステップS140の処理に移行して着霜判定処理を実行する。また、冷凍車両1が高速道路および自動車専用道路を走行中でない場合、制御装置100は、本制御処理を抜ける。
以上説明したように、本実施形態の車載冷凍装置10は、冷凍車両1が加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存する特定運転モードで走行し、且つ、冷凍車両1が高速道路または自動車専用道路を走行している場合に、着霜判定処理を実行する。
冷凍車両1が高速道路または自動車専用道路を走行中である場合、一般道路を走行する場合に比べて、車速が一定速になり易く、エンジン4の出力も安定する傾向がある。このため、冷凍車両1が加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存する特定運転モードで走行し、且つ、冷凍車両1が高速道路または自動車専用道路を走行している場合に、車載冷凍装置10の圧縮機12の動作が安定した状態になり易い。
したがって、冷凍車両1が加速に関する運転操作が自動運転システム6に依存する特定運転モードで走行し、且つ、冷凍車両1が高速道路または自動車専用道路を走行するタイミングで着霜判定処理を実行すれば、蒸発器18の着霜判定を精度よく行うことができる。
ここで、本実施形態では、冷凍車両1が特定運転モードで高速道路等を走行している際に着霜判定処理を実行する例について説明したが、これに限定されない。車載冷凍装置10は、例えば、冷凍車両1が特定運転モードで、高速道路または自動車専用道路のうち直線状に延びる区間を走行している際に着霜判定処理を実行する構成となっていてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図9を参照して説明する。本実施形態では、蒸発器18の着霜判定を実施する条件が第1実施形態と相違している。なお、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と同様の部分についての説明を省略する。
本実施形態の制御装置100が実行する制御処理について、図9を参照して説明する。なお、図9に示すステップS100、S120〜S160の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。
図9に示すように、制御装置100は、現状の自動運転度を特定した後、ステップS120Aにて、冷凍車両1の運転モードが、少なくとも加速および制動に関する運転操作を自動運転システム6に依存する特定運転モードであるか否かを判定する。
そして、冷凍車両1の運転モードが、少なくとも加速および制動に関する運転操作を自動運転システム6に依存する特定運転モードである場合、制御装置100は、ステップS130の処理に移行する。また、冷凍車両1の運転モードが、少なくとも加速および制動に関する運転操作を自動運転システム6に依存する特定運転モードでない場合、制御装置100は、本制御処理を抜ける。
以上説明したように、本実施形態の車載冷凍装置10は、冷凍車両1が加速および制動に関する運転操作が自動運転システム6に依存する特定運転モードで走行している場合に、着霜判定処理を実行する。
自動運転システム6に加速および制動に関する運転操作を依存する運転モードは、運転手に加速および制動に関する運転操作を依存する運転モードに比べて、車速が一定速になり易く、エンジン4の出力も安定する傾向がある。このため、冷凍車両1が加速および制動に関する運転操作が自動運転システム6に依存する特定運転モードで走行しているタイミングで着霜判定処理を実行すれば、蒸発器18の着霜判定を精度よく行うことができる。
ここで、本実施形態では、冷凍車両1の運転モードが加速および制動に関する運転操作を自動運転システム6に依存する特定運転モードである場合にステップS130の処理に移行する例について説明したが、これに限定されない。車載冷凍装置10は、冷凍車両1の運転モードが加速および制動に関する運転操作を自動運転システム6に依存する特定運転モードである場合に、図7に示すステップS130Aの処理や図8に示すステップS130Bに示す処理に移行する構成となっていてもよい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図10、図11を参照して説明する。本実施形態では加速に関する運転操作を補助運転システム8に依存させることが可能な冷凍車両1に本発明の車載冷凍装置10を適用した例について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と同様の部分についての説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の冷凍車両1には、第1実施形態の自動運転システム6に代えて、補助運転システム8が搭載されている。補助運転システム8は、運転手が設定した設定速度で冷凍車両1を走行させる運転システム(所謂、オートクルーズシステム)である。本実施形態の補助運転システム8は、第1実施形態の自動運転システム6と異なり、制動および操舵に関する運転操作について運転手に依存する運転システムとなっている。
本実施形態の制御装置100には、補助運転システム8に接続されている。制御装置100は、補助運転システム8から現状の運転状態に関する情報を取り込むことが可能となっている。
また、操作パネル110には、オートクルーズスイッチ110bが設けられている。オートクルーズスイッチ110bは、オートクルーズ機能のオンオフ、および冷凍車両1の速度設定を行うためのスイッチである。冷凍車両1は、オートクルーズスイッチ110bがオンされると、車速が設定速度に維持されるようにエンジン4が制御される。
続いて、本実施形態の制御装置100が実行する制御処理について、図11を参照して説明する。なお、図11に示すステップS100、S130〜S160の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。
図7に示すように、制御装置100は、補助運転システム8、各種センサ102〜108等から出力される信号を読み込んだ後、ステップS120Bにて、オートクルーズスイッチ110bがオンされているか否かを判定する。すなわち、制御装置100は、冷凍車両1の運転モードが、加速に関する運転操作が補助運転システム8に依存する特定運転モードである否かを判定する。
そして、オートクルーズスイッチ110bがオンされている場合、制御装置100は、ステップS130の処理に移行する。また、オートクルーズスイッチ110bがオフされている場合、制御装置100は、本制御処理を抜ける。
以上説明したように、本実施形態の車載冷凍装置10は、冷凍車両1が加速に関する運転操作が補助運転システム8に依存する特定運転モードで走行している場合に、着霜判定処理を実行する。このように、冷凍車両1が加速に関する運転操作が補助運転システム8に依存する特定運転モードで走行しているタイミングで着霜判定処理を実行すれば、蒸発器18の着霜判定を精度よく行うことができる。
ここで、本実施形態では、冷凍車両1の運転モードが加速に関する運転操作を補助運転システム8に依存する特定運転モードである場合にステップS130の処理に移行する例について説明したが、これに限定されない。車載冷凍装置10は、冷凍車両1の運転モードが加速に関する運転操作を補助運転システム8に依存する特定運転モードである場合に、図7に示すステップS130Aの処理や図8に示すステップS130Bに示す処理に移行する構成となっていてもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図12、図13を参照して説明する。本実施形態では、蒸発器18の着霜判定の内容が第1実施形態と相違している。なお、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と同様の部分についての説明を省略する。
本実施形態の車載冷凍装置10は、制御装置100の入力側に、低圧側圧力センサ108に代えて、蒸発器18から流出した空気の流出温度を検出する吹出温度センサ112が接続されている。本実施形態では、吹出温度センサ112が、状態量である蒸発器18から流出する空気の流出温度を検出する状態量検出部を構成している。なお、以下では、蒸発器18から流出する空気の流出温度を単に吹出空気温度と呼ぶことがある。
続いて、本実施形態の制御装置100が実行する制御処理について、図13を参照して説明する。なお、図13に示すステップS100〜S130、S160の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。
図13に示すように、冷凍車両1が特定運転モードで走行している場合、制御装置100は、ステップS140Aにて、蒸発器18に霜が付着していない正常状態における吹出空気温度Tesを推定する。
本実施形態では、圧縮機12の回転数、放熱器14に流入する外気の温度、および蒸発器18に流入する空気の流入温度を吹出空気温度Tesと関連付けた制御マップを予め作成し、当該制御マップを制御装置100の記憶部100aに記憶する。そして、本実施形態の制御装置100は、前述の制御マップを参照して外気温度センサ102、庫内温度センサ104、およびエンジン回転数センサ106それぞれの検出値に基づいて、正常状態における吹出空気温度Tesを推定する。なお、圧縮機12の回転数は、エンジン回転数センサ106と各プーリ124a、41のプーリ比から算出可能である。
続いて、制御装置100は、ステップS150Aにて、ステップS140Aで推定した吹出空気温度Tesから吹出温度センサ112で検出された現状の吹出空気温度Teを減算した減算値が、所定の判定基準値Teth以上であるか否かを判定する。判定基準値としては、例えば、定格条件において冷凍能力が20%程度低下した際の蒸発器18から流出した空気の流出温度に設定される。なお、判定基準値としては、予め実施したベンチテストの結果や一般的な冷凍能力の計算結果等に基づいて設定されていてもよい。
ここで、蒸発器18に霜が付着すると、蒸発器18に霜が付着していない正常状態に比べて、蒸発器18を通過する空気の流量が減少することで、空気側の熱交換能力が低下する。そして、空気側の熱交換能力が低下に追従して蒸発器18の冷媒出口側の圧力が低下すると、蒸発器18から流出する空気の流出温度が低下する。
これらによれば、ステップS140Aで推定した吹出空気温度Tesから現状の吹出空気温度Teを減算した減算値が判定基準値Teth未満となる場合、蒸発器18に霜が付着していない正常状態であると考えられる。このため、ステップS140Aで推定した吹出空気温度Tesから現状の吹出空気温度Teを減算した減算値が判定基準値Teth未満となる場合、制御装置100は、本制御処理を抜ける。
一方、ステップS140Aで推定した吹出空気温度Tesから現状の吹出空気温度Teを減算した減算値が判定基準値Teth以上となる場合、蒸発器18に霜が付着している状態であると考えられる。このため、ステップS140Aで推定した吹出空気温度Tesから現状の吹出空気温度Teを減算した減算値が判定基準値Teth以上となる場合、制御装置100は、ステップS160にて、除霜処理を実行する。
以上説明した本実施形態の車載冷凍装置10は、本実施形態の車載冷凍装置10は、制御マップを参照して外気温度、蒸発器18に流入する空気の流入温度、および圧縮機12の回転数に相関性を有する物理量から正常状態における吹出空気温度Tesを推定する。これによると、正常状態における吹出空気温度Tesを精度よく推定することができる。
そして、蒸発器18に霜が付着していない正常状態における吹出空気温度Tesと現状の吹出空気温度Teとを比較することで蒸発器18が着霜状態であるか否かを判定する。これによると、蒸発器18の着霜判定を精度よく行うことができる。
ここで、図13に示す制御処理の各制御ステップは、車載冷凍装置10が行う各種機能を実現する機能実現部を構成している。本実施形態では、例えば、ステップS140Aの処理が、蒸発器18に霜が付着していない正常状態における蒸発器18から流出する空気の流出温度に相関性を有する正常状態量を推定する推定部を構成している。また、ステップS150Aの処理が、正常状態量と吹出空気温度センサ112で検出された温度とを比較することで、蒸発器18が着霜状態であるか否かを判定する判定部を構成している。
本実施形態では、吹出温度センサ112にて蒸発器18から流出する空気の流出温度を検出する例について説明したが、これに限定されない。車載冷凍装置10は、例えば、温度センサによって蒸発器18の熱交換部(例えば、フィン)の温度を蒸発器温度として検出する構成になっていてもよい。この場合、正常状態における蒸発器温度を推定し、推定した蒸発器温度と温度センサで検出した蒸発器温度を比較することで、蒸発器18が着霜状態であるか否かを判定することができる。なお、正常状態の蒸発器温度の推定方法としては、正常状態の吹出空気温度の推定方法と同様に、圧縮機12の回転数、放熱器14に流入する外気の温度、蒸発器18に流入する空気の流入温度を蒸発器温度と関連付けた制御マップを用いる方法を採用すればよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の各実施形態では、冷凍車両1が特定運転モードで所定の道路を走行している場合に、着霜判定処理を実行する例について説明したが、これに限定されない。車載冷凍装置10は、例えば、冷凍車両1が特定運転モードで所定の道路を走行している場合であっても、冷凍車両1が走行する道路が渋滞していると、着霜判定処理を実行しない構成となっていてもよい。
上述の各実施形態では、制御マップを参照して外気温度、蒸発器18に流入する空気の流入温度、エンジン4の回転数から正常状態における蒸発器圧力Pesや吹出空気温度Tesを推定する例について説明したが、これに限定されない。車載冷凍装置10は、例えば、室外ファン15および室内ファン19の送風能力が変更可能に構成されている場合、室外ファン15および室内ファン19それぞれの回転数についても制御マップに反映させてもよい。これによれば、正常状態における蒸発器圧力Pesや吹出空気温度Tesを精度よく推定することが可能となる。
上述の各実施形態では、圧縮機12の回転数をエンジン4の回転数および各プーリ124a、41のプーリ比から算出する例について説明したが、これに限定されない。車載冷凍装置10は、例えば、回転数センサによって圧縮機12の回転数を直接検出する構成になっていてもよい。
上述の各実施形態では、冷凍車両1の走行中に着霜判定処理を実行する例について説明したが、これに限定されない。車載冷凍装置10は、例えば、冷凍車両1の走行中だけでなく、冷凍車両1の停車中に着霜判定処理を実行する構成になっていてもよい。
上述の各実施形態では、蒸発器18に霜が付着すると、圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒を蒸発器18に流入させることで、蒸発器18に付着した霜を除去する例について説明したが、これに限定されない。車載冷凍装置10は、例えば、蒸発器18に霜が付着した際に、電気ヒータ等によって蒸発器18を加熱することで、蒸発器18に付着した霜を除去するように構成されていてもよい。
上述の各実施形態では、自動運転度として、日本政府およびNHTSAが定義している自動化レベルを採用した例について説明したが、これに限定されない。自動運転度としては、例えば、SAEインターナショナルが定義している自動化レベル(すなわち、レベル0〜5)が採用されていてもよい。
上述の各実施形態では、本発明の車載冷凍装置10を冷凍車両1に適用する例について説明したが、これに限定されない。本発明の車載冷凍装置10は、少なくとも加速に関する運転操作を運転手に代わって自動運転システム6等で行うことが可能であれば、家庭用等の一般車両にも広く適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車載冷凍装置は、車両が、加速に関する運転操作を運転手に代わって運転システムが行う特定運転モードで走行している場合に、着霜判定処理を実行する構成となっている。
第2の観点によれば、車載冷凍装置は、車両が特定運転モードで走行し、且つ、車両の現在地点から所定区間離れた地点までの道路形状が直線状に延びている場合に、着霜判定処理を実行する構成となっている。
車両が走行する道路形状が直線状に延びている場合、道路形状が蛇行している場合に比べて、車速が一定速になり易く、駆動源の出力も安定する傾向がある。このため、特定運転モードで走行し、且つ、道路形状が直線状に延びている場合、車載冷凍装置の圧縮機の動作が安定した状態になり易く、このタイミングで着霜判定処理を実行すれば、蒸発器の着霜判定を精度よく行うことができる。
第3の観点によれば、車載冷凍装置は、車両が特定運転モードで走行し、且つ、車両が高速道路または自動車専用道路を走行中である場合に、着霜判定処理を実行する構成となっている。
車両が高速道路または自動車専用道路を走行中である場合、車速が一定速になり易く、駆動源の出力も安定する傾向がある。このため、特定運転モードで走行し、且つ、車両が高速道路または自動車専用道路を走行中である場合、車載冷凍装置の圧縮機の動作が安定した状態になり易く、このタイミングで着霜判定処理を実行すれば、蒸発器の着霜判定を精度よく行うことができる。
第4の観点によれば、車載冷凍装置は、運転モードを、少なくとも加速および制動に関する運転操作を運転手に代わって運転システムが行う特定運転モードに設定可能な車両に適用される。
運転システムに加速および制動に関する運転操作を依存する運転モードは、運転手に加速および制動に関する運転操作を依存する運転モードに比べて、車速が一定速になり易く、駆動源の出力も安定する傾向がある。このため、車両が特定運転モードで走行している際には、車載冷凍装置の圧縮機の動作が安定した状態になり易く、このタイミングで着霜判定処理を実行すれば、蒸発器の着霜判定を精度よく行うことができる。
第5の観点によれば、車載冷凍装置は、蒸発器から流出する空気の流出温度に相関性を有する状態量を検出する状態量検出部を備える。着霜判定装置は、正常状態量を推定する推定部と、正常状態量と状態量検出部で検出された状態量とを比較することで着霜状態であるか否かを判定する判定部と、を含んで構成されている。正常状態量は、蒸発器に霜が付着していない正常状態における蒸発器から流出する空気の流出温度に相関性を有する状態量である。
蒸発器に霜が付着すると、蒸発器に霜が付着していない正常状態に比べて、蒸発器の通風抵抗が大きくなり、蒸発器を通過する空気の流量が減少する。蒸発器を通過する空気の流量が減少すると、空気側の熱交換能力が低下し、それに追従して冷媒側の熱交換能力も低下することで、蒸発器における冷媒の圧力が低下する。そして、蒸発器における冷媒の圧力が低下すると、蒸発器から流出する空気の流出温度が低下する。
このような事象を鑑みて、本開示では、正常状態における蒸発器から流出する流出温度に相関性を有する正常状態量と状態量検出部で検出された蒸発器から流出する流出温度に相関性を有する状態量とを比較することで着霜状態であるか否かを判定する。これによると、蒸発器の着霜判定を精度よく行うことができる。
第6の観点によれば、車載冷凍装置は、車室外の温度である外気温度、蒸発器に流入する空気の流入温度、および圧縮機の回転数に相関性を有する物理量を正常状態量と関連付けた制御マップが記憶された記憶部を備える。そして、推定部は、制御マップを参照して外気温度、蒸発器に流入する空気の流入温度、および圧縮機の回転数に相関性を有する物理量から正常状態量を推定する。これによると、正常状態における蒸発器から流出する流出温度に相関性を有する正常状態量を精度よく推定することができる。
1 冷凍車両(車両)
3a 庫内空間(冷却対象空間)
4 エンジン(駆動源)
6 自動運転システム(運転システム)
10 車載冷凍装置
12 圧縮機
14 放熱器
16 減圧機器
18 蒸発器
100c 着霜判定部

Claims (6)

  1. 少なくとも加速に関する運転操作を運転手に代わって運転システム(6、8)が行う特定運転モードに設定可能な車両(1)に搭載される車載冷凍装置であって、
    車両走行用の駆動源(4)からの出力に連動して動作する圧縮機(12)と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(14)と、
    前記放熱器で放熱された冷媒を減圧する減圧機器(16)と、
    前記減圧機器で減圧された冷媒を蒸発させるとともに、冷媒の蒸発による吸熱作用によって冷却対象空間(3a)を冷却する蒸発器(18)と、
    前記蒸発器に霜が付着した着霜状態であるか否かを判定する着霜判定処理を実行する着霜判定部(100c)と、を備え、
    前記着霜判定部は、前記車両が前記特定運転モードで走行している場合に、前記着霜判定処理を実行する構成となっている車載冷凍装置。
  2. 前記着霜判定部は、前記車両が前記特定運転モードで走行し、且つ、前記車両の現在地点から所定区間離れた地点までの道路形状が直線状に延びている場合に、前記着霜判定処理を実行する構成となっている請求項1に記載の車載冷凍装置。
  3. 前記着霜判定部は、前記車両が前記特定運転モードで走行し、且つ、前記車両が高速道路または自動車専用道路を走行中である場合に、前記着霜判定処理を実行する構成となっている請求項1または2に記載の車載冷凍装置。
  4. 前記特定運転モードは、少なくとも加速および制動に関する運転操作を前記運転手に代わって前記運転システムが行う運転モードである請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車載冷凍装置。
  5. 前記蒸発器から流出する空気の流出温度に相関性を有する状態量を検出する状態量検出部(108)を備え、
    前記着霜判定部は、
    前記蒸発器に霜が付着していない正常状態における前記蒸発器から流出する空気の流出温度に相関性を有する正常状態量を推定する推定部(S140、S140A)と、
    前記正常状態量と前記状態量検出部で検出された前記状態量とを比較することで、前記着霜状態であるか否かを判定する判定部(S150、S150A)と、を含んで構成されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車載冷凍装置。
  6. 車室外の温度である外気温度、前記蒸発器に流入する空気の流入温度、および前記圧縮機の回転数に相関性を有する物理量を前記正常状態量と関連付けた制御マップが記憶された記憶部(100a)を備え、
    前記推定部は、前記制御マップを参照して前記外気温度、前記蒸発器に流入する空気の流入温度、および前記圧縮機の回転数に相関性を有する物理量から前記正常状態量を推定する請求項5に記載の車載冷凍装置。
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