JP6695251B2 - サイドフレームアッシー、走行体およびクレーンの組立方法 - Google Patents
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Description
図1は本発明が適用されるクローラクレーンの一実施の形態を示す外観側面図である。
クローラクレーン(以下、単に「クレーン」とする)10は、下部走行体1と、旋回輪2を介して下部走行体1上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3に回動可能に軸支されたブーム4とを有する。上部旋回体3には巻き上げ用のウインチドラムである巻上ドラム5と、起伏用のウインチドラムである起伏ドラム6が搭載されている。巻上ドラム5には巻上ロープ5aが巻回され、巻上ドラム5の駆動により巻上ロープ5aが巻き取りまたは繰り出され、フック7が昇降する。起伏ドラム6には起伏ロープ6aが巻回され、起伏ドラム6の駆動により起伏ロープ6aが巻き取りまたは繰り出され、ブーム4が起伏する。
下部走行体1は、カーボディ106と、一対のサイドフレームアッシー120とを備えている。カーボディ106は、左右方向に延在する合計4本のアクスル105を有する。各アクスル105の先端には、延長ビーム117(図3参照)が揺動可能に軸支されている。
なお、以下の説明では、前後方向、左右方向および上下方向を図示の通りとする。
クレーン10を、図2に示す作業状態から、図3に示すリトラクト状態にするには、4つのジャッキアップ装置を上昇して、カーボディ106と共に一対のサイドフレームアッシー120を上昇する。次に、クローラ伸縮装置107を駆動して、サイドフレーム109の嵌め込み部109aにアクスル105の延長ビーム117を挿通させた状態で、各サイドフレームアッシー120を内方に移動させる。この場合、予め、延長ビーム117はアクスル105が延在する方向に向けておく。各延長ビーム117がサイドフレーム109の嵌め込み部109aを貫通した位置で、各延長ビーム117を、サイドフレーム109の外側面に密着する方向に回動する。そして、この状態で、不図示の連結ピンにより、延長ビーム117とサイドフレーム109とを連結する。
クレーン10を分解または組立てる際には、サイドフレームアッシー120を、別のクレーンまたは自立着脱機構により吊上げる。
例えば、サイドフレームアッシー120のサイドフレーム109の前後方向(長手方向)の重心を通る鉛直線上の上部、および該鉛直線を中心とする左右対称の位置には、ブラケットやラグ等のチェーン取付部材116が取付けられている。各チェーン取付部材116に吊上げ用ロープ71を引っ掛けて、他のクレーンのフックを上昇してサイドフレームアッシー120を吊上げる。
シュー130は、地上に接面する接地面を有する本体部131と、下部ローラ113の転動面を有する天井部132が一体に形成されたボックスタイプである。本体部131と天井部132との間には、空間部138が形成されている。天井部132には、案内用突起133が形成されている。案内用突起133の左右に、下部ローラ113の一対のローラ本体113a(図7参照)が配置される。案内用突起133の左側面根元部には、左側に配置されたローラ本体113aの右側面が接触し、案内用突起133の右側面根元部には、右側に配置されたローラ本体113aの左側面が接触する(図10等参照)。
シュー130は、このように連結されることによりクローラベルト110を構成し、各シュー130の案内用突起133が、左右両側の下部ローラ113により案内されて、サイドフレーム109の外周を周動する。
サイドフレーム109は、一対の側板141を有する。各側板141の底部には、側板141の側面から外方に突き出すフランジ142が形成されている。フランジ142は、側板141と一体に形成されている。
下部ローラ113は、ローラ本体113aが支軸113bに回転可能に軸支された構造を有する。下部ローラ113は、ローラ本体113aが一対の側板141の間に配置された状態で、側板141のフランジ142の下面に取付けられている。下部ローラ113の支軸113bは、フランジ142上にねじ等の締結部材143により固定されたカラー144により固定されている。一対の側板141間の中心を通る線に対して、線対称に一対のローラ本体113aが配置されており、側板141の延在方向である前後方向に沿って、複数の下部ローラ113が配列されている。
上述したように、本一実施の形態のサイドフレームアッシー120は、着脱可能なシュー垂れ止め装置160を備えている。
シュー垂れ止め部材150Aとシュー垂れ止め部材150Bとは、同一の部材であり、左右を反転した状態で組付けられる。このため、以下の説明では、両部材を代表して、シュー垂れ止め部材150ということもある。
シュー垂れ止め部材150は、前後方向に離間して配置された2つのシュー垂れ止め片151と、保持部材154、155とを有する。各シュー垂れ止め片151は、上下方向の両端に、左右方向に屈曲された一端152および他端153を有するコの字形状に形成れている。前後方向に離間して配置された2つのシュー垂れ止め片151は、保持部材154および155により固定されている。一方の保持部材154は、各シュー垂れ止め片151の左右方向の側面に配置されている。もう一方の保持部材155は、各シュー垂れ止め片151の一端152の下面に配置されている。
保持部材154、155により固定された一対のシュー垂れ止め片151には、上下方向のほぼ中央において、ボルトおよびナット等の連結用締結部材168が取付けられている。
なお、図12に図示されたシュー垂れ止め装置160は、サイドフレームアッシー120への取付けが完了した状態を示している。しかし、シュー垂れ止め装置160は、図12に示す状態のまま、サイドフレームアッシー120に取付けられるものではない。シュー垂れ止め装置160の組付方法については、後述する。
また、サイドフレーム109の左右両側に配置されたシュー垂れ止め部材150A、150Bは、連結部材161により、離間する方向、すなわち、外側への移動が規制される。
各シュー垂れ止め片151の他端153は、上下方向において、シュー130の本体部131の上面および天井部132の下面との間にクリアランスを有している。
クレーン10の傾斜地接地時には、シュー130は、例えば、左右方向の一端Sを支点として、二点鎖線で示すように傾動する。このようにシュー130が傾動した場合でも、シュー垂れ止め片151の他端153がシュー130の本体部131の上面に当接するのを回避する必要がある。本一実施の形態では、シュー130が所定の角度θ(例えば、2度程度)傾斜した状態でも、シュー垂れ止め片151の他端153がシュー130の本体部131の上面に当接しないよう、シュー垂れ止め片151の他端153とシュー130の本体部131の上面との間に、所定のクリアランスCが形成されるように設定されている。クリアランスCは、例えば、シュー130が2度傾斜した状態で、5〜10mm程度である。
しかし、クレーン10を走行して停止すると、各シュー130は、前後方向の任意の位置となる。図6に図示されるように、シュー130の前方側および後方側には、隣接するシュー130との連結をするためのピン145(図5参照)が挿通される連結部位となっている。従って、シュー垂れ止め装置160を固定した状態に設置してしまうと、シュー垂れ止め片151の他端153がピン145と干渉して、他端153がシュー130の連結部位(ピン145)間の空間部138に挿入されなくなる。
換言すると、シュー130の連結部位(ピン145)間の位置は、前後方向における任意の位置に移動する。つまり、シュー垂れ止め部材150のシュー垂れ止め片151の他端153の位置が、シュー130の連結部位(ピン145)間に対応するとは限らない。シュー垂れ止め部材150のシュー垂れ止め片151の他端153の位置がシュー130の連結部位(ピン145)間に対応しない場合には、シュー130の連結部位(ピン145)間に対応する位置になるように下部走行体1を駆動する必要がある。
このため、シュー垂れ止め部材150のシュー垂れ止め片151の一端152をサイドフレーム109の側板141に固定する構造とすると、シュー垂れ止め装置160の組付け作業を能率的に行うことができない。
サイドフレーム109の左右方向から、シュー垂れ止め部材150A、150Bを取り付ける。これには、シュー垂れ止め部材150の各シュー垂れ止め片151の他端153を、シュー130の連結部位(ピン145)間における、本体部131と天井部132との間の空間部138に挿入する。これと共に、シュー垂れ止め部材150の各シュー垂れ止め片151の一端152に設けられた保持部材155の下面を、サイドフレーム109のフランジ142の上面に載置する。これにより、サイドフレーム109の左右両側にシュー垂れ止め部材150A、150Bが取付けられる。
これにより、シュー垂れ止め装置160がサイドフレームアッシー120に組付けられる。
(1)サイドフレームアッシー120は、一端152がサイドフレーム109のフランジ142(保持部)の上面に係止され、他端153がクローラベルト110を形成するシュー130を保持可能に設けられた一対のシュー垂れ止め部材150と、一対のシュー垂れ止め部材150を連結する連結部材161とを備える。この構造により、一対のシュー垂れ止め部材150により、シュー130の自重による垂れ下がりを規制することができる。このため、アクスル105の延長ビーム117を回動してサイドフレーム109の密着する際、その障害となるシューの垂れ止めをするためのチェーン取付用ラグをサイドフレーム109に設ける必要が無くなる。また、シュー垂れ止め装置160は、一対のシュー垂れ止め部材150と連結部材161により構成される簡単な構造であるため、安価にすることができる。
これに対し、本一実施の形態では、垂れ止めをするためのチェーン取付用ラグをサイドフレーム109に設ける必要が無い。このため、サイドフレーム109に、延長ビームとのチェーン取付用ラグを設ける構造に比し、捩じり荷重に対する剛性を大きくすることができる。また、延長ビーム117の配置の自由度が大きくなるばかりでなく、延長ビーム117の長さを大きくしたり、断面積、すなわち剛性の大きい延長ビーム117としたりすることができる。
また、シュー垂れ止め装置160は、シュー垂れ止め部材150が、長手方向の任意の位置でシュー130に取付け可能な構造となっている。つまり、シュー130の連結部位間の位置(ピン145の位置)が前後方向の如何なる位置に移動した場合であっても、シュー垂れ止め装置160を前後方向に移動して、サイドフレームアッシー120に組付けることが可能である。従って、シュー垂れ止め装置160の組付け作業を能率的に行うことができる。
したがって、拡縮しないタイプのサイドフレームを含むサイドフレームアッシーも本体に含まれる。
3 上部旋回体(旋回体)
10 クローラクレーン(クレーン)
105 アクスル
106 カーボディ
109 サイドフレーム
110 クローラベルト
113 下部ローラ(ローラ)
120 サイドフレームアッシー
130 クローラシュー(シュー)
131 本体部
132 天井部
133 案内用突起
138 空間部
142 フランジ(保持部)
150、150A、150B シュー垂れ止め部材
152 一端
153 他端
161 連結部材
Claims (5)
- 長手方向に延在するサイドフレーム、前記サイドフレームの上下のローラ設置面に所定の間隔で配設された上ローラと下ローラ、および前記上下ローラに沿って巻き付けられ、複数のシューが連結されて形成されたクローラベルトを有するサイドフレームアッシーにおいて、
前記サイドフレームの両側の側方にそれぞれ配置され、一端には、前記サイドフレームの前記長手方向に設けた保持部材の上面に載置される載置部が、他端には、前記クローラベルトを構成する前記シューを支持する保持部が設けられた一対のシュー垂れ止め部材と、
前記一対のシュー垂れ止め部材を連結する連結部材とを備えることを特徴とするサイドフレームアッシー。 - 請求項1に記載のサイドフレームアッシーにおいて、
前記シュー垂れ止め部材の前記一端の前記載置部が前記サイドフレームの前記保持部材の前記上面に載置される載置点と、前記シュー垂れ止め部材の前記他端の前記保持部が前記シューを保持する保持点とは、前記サイドフレームの長手方向から観て同一鉛直線上に配置されていることを特徴とするサイドフレームアッシー。 - 請求項1に記載のサイドフレームアッシーにおいて、
前記シューは、前記下ローラが転動する天井部と、接地面を有する本体部と、前記本体部と前記天井部との間に形成され、前記シュー垂れ止め部材の前記他端が配置される空間部とを有することを特徴とするサイドフレームアッシー。 - 請求項1に記載された一対の前記サイドフレームアッシーと、
前記サイドフレームアッシーが取付けられたカーボディとを備え、
前記カーボディは、一方および他方の側部のそれぞれに配置された一対のアクスルを有し、
前記サイドフレームアッシーは、前記一方および他方の側部に配置された一対のアクスルにそれぞれ取付けられていることを特徴とする走行体。 - 請求項4に記載された走行体と、
前記走行体に旋回可能に設置された旋回体とを備えたクレーンの組立方法であって、
前記一対のサイドフレームアッシーのそれぞれに前記一対のシュー垂れ止め防止部材を取付ける工程と、
前記サイドフレームアッシーに取付けられた前記一対のシュー垂れ止め部材のそれぞれ
を前記連結部材により連結する工程とを含むことを特徴とするクレーンの組立方法。
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