JP6694580B2 - 水栓装置 - Google Patents
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Description
このような従来の水栓装置においては、例えば、洗面台の周辺等に設けられており、使用者が手指等を消毒室に挿入すると、これをセンサーが検知し、噴霧ノズルから粒径が10μm〜500μmの電解水を霧状に噴霧又は放水し、消毒室内の手指等を洗浄して消毒することができるようになっている。
したがって、噴霧ノズルの先端が閉塞されると、水栓装置の水栓本体部の上流側から噴霧ノズルに至る主流路内の圧力が上昇するため、この主流路の接続部等から漏水しないように、主流路内の途中に弁等の圧力を低下させる手段が設けられるようになっている。
また、このような流路内の圧力を低下させる手段は、洗面台の下方等に設けられる場合が多いため、流路内の水について圧力を低下させるために流路外に導くには、流路内の水を外部へ導く専用流路を設けることが必要となるため、その分、水栓装置の施工時の作業負担も大きいという問題がある。
このように構成された本発明では、吐水部の吐水口の開口断面積が水栓本体部の主流路の流路断面積よりも小さくなるように形成されていることにより、主流路を流れた水又は機能水が吐水口を通過する際に、圧力損失が比較的大きい状態であっても、圧力逃がし手段が吐水部に設けられていることにより、主流路内の圧力が所定圧力以上になると、主流路を大気と連通させて主流路内の圧力を逃がすことができる。したがって、水栓本体部の主流路内の圧力が過度に高まることにより吐水部以外の箇所(例えば、主流路の接続部等)において漏水することを防ぐことができると共に、主流路の接続部に接続されている接続要素等が主流路内の圧力により外れてしまうことを防ぐことができる。また、圧力逃がし手段が吐水部自体に設けられていることにより、主流路内の圧力が高められた水又は機能水を外部に逃がすための手段を吐水部以外に別途設ける必要がないため、水栓装置の施工時の作業負担を軽減することができる。
さらに、圧力逃がし手段が、吐水口を迂回するように吐水部に形成された圧力逃がし流路と、吐水部に設けられて圧力逃がし流路を開閉する逃がし弁を含む可動部と、を備えており、この可動部が、主流路内の圧力が所定圧力以上になると、逃がし弁を閉弁している状態から開弁させて圧力逃がし流路を大気と連通させることができるため、簡易な構造によって、水栓本体部の主流路内の圧力が過度に高まることを効果的に防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、圧力逃がし流路が、吐水部において主流路から分岐した後、吐水口まで延びる主流路の周囲に形成されていることにより、吐水部の狭い限られたスペース内に圧力逃がし流路を十分に確保することができる。したがって、主流路内の圧力が所定圧力未満のときには、逃がし弁が圧力逃がし流路を確実に閉鎖して、主流路内の水又は機能水を吐水口のみから吐水することができる一方、主流路内の圧力が所定圧力以上になると、主流路内の水又は機能水を吐水口から吐水すると同時に、逃がし弁が圧力逃がし流路を速やかに開放し、瞬時に圧力逃がし流路を大気と連通させて主流路から圧力逃がし流路へ分岐させた水又は機能水を速やかに吐水部の外部へ排出させることができる。よって、水栓本体部の主流路内の圧力が過度に高まることをより効果的に防ぐことができる。また、吐水部の狭い限られたスペース内に圧力逃がし流路を十分に確保することができるため、吐水部全体が占有するスペースを抑制することができる。
このように構成された本発明においては、圧力逃がし手段が、さらに、吐水部に固定されてその内部に可動部を軸方向に摺動可能に保持する固定部を備えており、この固定部が、可動部の周囲に圧力逃がし流路を形成し、可動部の下流側端部には吐水口が形成されており、固定部の下流側端部が、可動部が最も下流側に移動したときの吐水口よりも下流側に延びるように形成されていることにより、例えば、使用者の悪戯等によって固定部の下流側端部が塞がれたりした場合であっても、吐水部に可動部の可動領域を十分に確保することができる。したがって、主流路内の圧力が所定圧力以上になっても、可動部が逃がし弁を閉弁している状態から開弁させて確実に圧力逃がし流路を大気と連通させることができる。よって、水栓本体部の主流路内の圧力が過度に高まることをさらにより効果的に防ぐことができる。
図1は、本発明の一実施形態による機能水用水栓装置が適用されたキッチンシンクを斜め上方から見た斜視図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による機能水用水栓装置1は、電解水等からなる、いわゆる、「機能水」をキッチンシンク2内に吐水するための吐水装置であり、キッチンシンク2のカウンタ4に設けられた通常水を吐水する通常水用水栓装置6に隣接して設けられている。
ここで、本明細書中で用いられる「通常水」という用語については、一般的な水道水(都市水)等の水を意味しており、電解水と区別するために用いられている。
また、本実施形態による機能水用水栓装置1において用いられる機能水としては、電解水以外にも、所定の処理によって除菌機能を通常水に対して付加した種々の「除菌水」を含むものとする。また、本明細書中で用いられる「除菌」という用語については、菌を除去して減らしたり、菌を殺して減らしたりする、いわゆる、「菌を減らす」という意味に留まらず、菌を減らさないまでも、菌の増殖を抑制する意味も含む。
まず、図1及び図2に示すように、本実施形態の機能水用水栓装置1は、機能水が流れる主流路である機能水路8が内部に形成されたスパウト10を水栓本体部として備えている。
つぎに、図2に示すように、機能水用水栓装置1は、カウンタ4の内部に設けられて機能水を機能水路8に供給する供給手段である電解槽12を備えており、スパウト10の機能水路8の上流側の機能水路は、カウンタ4の内部の電解槽12まで延びている。
また、図2に示すように、機能水用水栓装置1の電解槽12の上流側の通水路14には、その上流側から順に、止水栓16、フィルタ18、定流量弁20、電磁弁22、調圧弁24、及び逆止弁26がそれぞれ設けられている。
さらに、図2に示すように、本実施形態の機能水用水栓装置1は、AC電源28と、カウンタ4の内部に設けられてAC電源28からの供給される電力により電磁弁22や電解槽12等の動作を制御する制御部であるコントローラ30とを備えている。
また、電磁弁22は、コントローラ30の制御によって通水路8を開閉することにより、定流量弁20を通過した通水路14の通常水を通水状態と止水状態のいずれか一方に切り替えることができるようになっている。すなわち、この電磁弁22は、実質的には、機能水路8を開閉する開閉弁として機能するようになっている。
例えば、コントローラ30の制御によって電磁弁22が開弁している場合には、通水路14内の通常水が通水状態となり、調圧弁24において通水路14内の水圧が、吐水部32において噴霧吐水(いわゆる、「ミスト吐水」等とも呼ぶ。)を行うのに適した所望の圧力になるように調整されるようになっている。
さらに、逆止弁26は、水の逆流を防止する弁である。
なお、図2に示す本実施形態の機能水用水栓装置1においては、単一の電解槽12を備えた形態について説明しているが、電解槽については、2つ以上の複数の電解槽を適用してもよい。
また、電解槽12において生成される電解水としては、電気分解によって得られる除菌機能を有する水であれば何でもよいが、代表的なものとしては、次亜塩素酸を含有する電解水が挙げられる。
一般的には、上水又は中水は塩素イオンを含有するため、電気分解により遊離塩素が生成される。この遊離塩素は、酸性では次亜塩素酸(HClO)として存在し、この形態ではアルカリ性での存在形態である次亜塩素酸イオン(ClO-)と比較して約10倍殺菌力が強い。また、中性でもその中間程度の強力な殺菌力が得られる。
したがって、連続式電気分解槽で電気分解された水は、強力な殺菌力を有する殺菌水となっている。
さらに、一般的に利用されている上水又は中水は、塩素イオンを含有しているが、塩素イオン濃度が低い地域で利用する場合や、強力な殺菌作用が必要な場合には、食塩などの塩化物を添加することで塩素イオンを補うことができるようになっている。
また、塩素以外に、ハロゲンイオンを含有する水を電気分解することによって得られる次亜ハロゲン酸であってもよい。
その他、特に電気分解用の電極として二酸化鉛(β型)を用いることにより、陽極側で酸素の発生と共に高濃度のオゾンを発生させるオゾン水など、様々な種類の電解水を好適に用いることが可能である。
また、気体の除菌成分を用いる場合には、例えば、オゾンを微細気泡として水中に溶解させることでオゾン水を作り出せばよい。
さらに、固体の除菌成分を用いる場合には、例えば次亜塩素酸ナトリウムなどを適用すればよい。
具体的には、コントローラ30は、例えば、利用者によるスイッチ36の押圧操作に対応するスイッチ信号を取得し、このスイッチ信号に基づいて、第1のLED34及び第2のLED38に対する制御、電磁弁22に対する制御、及び電解槽12に対する制御を行うことができるようになっている。
すなわち、コントローラ30は、第1のLED34及び第2のLED38のそれぞれの点灯/消灯を切り替える制御、電磁弁22の開閉を切り替える制御、及び、電解槽12による電解水の生成の実行/停止を切り替える制御を行うことができるようになっている。
まず、図3は、本発明の一実施形態による機能水用水栓装置を斜め上方から見た斜視図であり、その吐水部の部分を分解した分解斜視図あり、図4は、本発明の一実施形態による機能水用水栓装置のスパウトの上方部分を示す部分側面断面図である。
図3及び図4に示すように、スパウト10は、キッチンシンク2のカウンタ4に固定された下端部から鉛直方向上方に所定距離だけほぼ円筒状に延びるように形成され、その後、先端部に設けられたスイッチ36までキッチンシンク2側に向かって水平方向に所定距離だけ突出してするように形成されている。
さらに、図4に示すように、管部材40は、概ねスパウト10内の形状に沿うように、その下端側(下流側)の電解槽12(図2参照)から鉛直方向上方に所定距離延びた後、キッチンシンク2側に向かって湾曲する湾曲部40aを経て、その上端部40bの先端部が接続部材42まで延びている。
これにより、本実施形態の機能水用水栓装置1においては、電磁弁22(図2参照)が閉弁して吐水口44からの機能水の吐水が終了された後においても、電磁弁22から吐水口44までの流路8,14内の少なくとも一部に機能水が保持されるようになっている。
さらに、第1のLED34は、接続部材42における吐水部32に近接して設けられており、第2のLED38は、スイッチ36に設けられている。
図5は、図4に示す本発明の一実施形態による機能水用水栓装置における吐水部について部分的に拡大した部分拡大側面断面図であり、逃がし弁が閉弁している状態を示す。
また、図6は、図5と同様な本発明の一実施形態による機能水用水栓装置における吐水部について部分的に拡大した部分拡大側面断面図であり、逃がし弁が開弁している状態を示す。
また、図3及び図5に示すように、吐水部32は、内側固定部材50内に軸方向に摺動可能に設けられた可動部材52を備えている。この可動部材52は、概ね円筒状に形成された円筒部54と、この円筒部54の上方側の外周面から外側に突出するように形成されてシール部材56を保持する突起部58とを備えている。
図6に示すように、これらのシール部材56及び可動部材52の突起部58は、接続部材42の内部の機能水路8内の圧力(水圧)Pが所定圧力P1以上(P≧P1)になると、吐水部32の上流側の機能水路8を大気と連通させて機能水路8内の圧力を逃がす圧力逃がし手段の可動部の一部である逃がし弁46として機能するようになっている。
ちなみに、内側固定部材50は、シール部材56及び可動部材52の突起部58からなる逃がし弁46を軸方向に摺動可能に保持する圧力逃がし手段の固定部として機能するようになっている。
ここで、図5に示すように、接続部材42の内部の機能水路8内の圧力(水圧)Pが所定圧力P1未満(P<P1)であるときには、この水圧Pによる可動部材52を下流側に押圧する押圧力F2が圧縮コイルばね60の付勢力F1を下回るため(F2<F1)、可動部材52及びシール部材56が内側固定部材50に対して下流側に摺動することなく、シール部材56が流出口42aを閉鎖している状態が維持されるようになっている。
例えば、他の形態として、圧縮コイルばね60の代わりに、ゴム材料等からなる弾性部材を採用して可動部材52の突起部58に取り付けて、接続部材42の内部の機能水路8内の圧力(水圧)Pが所定圧力P1以上(P≧P1)になると、この弾性部材自体が弾性変形することにより、可動部材52及びシール部材56を内側固定部材50に対して摺動させることができるようにしてもよい。
また、ノズル部材62を中心軸線A1に沿って貫くノズル孔64は、可動部材52の下端部(下流側端部)に形成される吐水口44と連通するようになっている。
さらに、図4〜図6に示すように、吐水口44の開口断面積は、その上流側のノズル孔64、並びに、接続部材42及び管部材40の各機能水路8の流路断面積よりも小さくなるように形成されている。これにより、電磁弁22が閉弁して吐水口44からの機能水の吐水が終了された後、機能水路8の電磁弁22から吐水口44までの流路内に圧力損失を生じさせて、機能水を確実に保持することができるようになっている。
ここで、図5に示すように、接続部材42の内部の機能水路8内の圧力(水圧)Pが所定圧力P1未満(P<P1)であり、シール部材56が流出口42aを閉鎖している状態では、接続部材42の機能水路8内の機能水は、可動部材52の内部の機能水路8、及びノズル部材62のノズル孔64を経て単一の吐水口44から吐水される流れf1を形成するようになっている。
したがって、図6に示すように、接続部材42の機能水路8内の機能水は、可動部材52の内部の機能水路8、及びノズル部材62のノズル孔64を経て単一の吐水口44から吐水される主流路Mの流れ(主流)f1を形成すると同時に、流出口42aにおいて接続部材42の内部の機能水路8から圧力逃がし流路Rに分流される流れ(分流)f2を形成するようになっている。
したがって、接続部材42の内部の機能水路8内の圧力(水圧)Pが所定圧力P1以上(P≧P1)となり、逃がし弁46によって圧力逃がし流路Rが開放されると、吐水部32の上流側の機能水路8は、圧力逃がし流路R及び流出口50a,50b,50cを介して大気と連通されるため、圧力逃がし流路R内の流れf2の機能水が、流出口50a,50b,50cから吐水部32の外部へ排出され、吐水部32の上流側の機能水路8内の圧力を低下させることができるようになっている。
したがって、万一、使用者の悪戯等によって内側固定部材50の下端部の流出口50a等が塞がれたりした場合であっても、吐水部32に可動部材54の可動領域を十分に確保することができるようになっている。よって、吐水部32の上流側の機能水路8内の圧力Pが所定圧力P1以上(P≧P1)になっても、可動部材54が逃がし弁46を閉弁している状態から開弁させて確実に圧力逃がし流路Rを大気と連通させることができ、機能水路8内の機能水を圧力逃がし流路Rから外部へ排出することができるようになっている。
まず、図7は、本発明の一実施形態による機能水用水栓装置において行われる制御フローの一例を示すフローチャートである。
まず、本実施形態の機能水用水栓装置1においては、除菌機能を有する電解水である機能水を吐水部32の吐水口44から噴霧吐水させることにより、キッチンシンク2内やその排水口(図示せず)等を洗浄して清潔に保つようにしている。
また、本実施形態による機能水用水栓装置1によって実行される機能水の吐水制御においては、「通常吐水モード」と「定期吐水モード」の2つの吐水モードが実行される。
例えば、「通常吐水モード」は、図2及び図7に示すように、使用者がスイッチ36を押圧操作すると、このスイッチ36から送信された信号をコントローラ30が受信し、電磁弁22を所定時間開弁させて、吐水部32の吐水口44から機能水の噴霧吐水を行う通常の吐水モードである。
一方、「定期吐水モード」は、前回、電磁弁22が閉弁して吐水モードが終了した後、スイッチ36の操作を行わずに、ある程度長い時間(例えば、8時間)経過したときに、吐水部32の吐水口44から機能水の噴霧吐水を定期的に行う吐水モードである。
まず、図7に示すように、ステップS1において、コントローラ30は、前回の吐水制御で電磁弁22が閉弁した後に、この電磁弁22を閉弁させた状態で経過時間Tが所定時間T0(例えば、T0=8時間)以上経過している(T≧T0)か否かを判定する。
その結果、経過時間Tが所定時間T0(例えば、T0=8時間)以上経過していない場合(ステップS1:NO)には、ステップS2に進む。
そして、ステップS3において、コントローラ30は、電磁弁22を開弁させると共に、AC電源26から供給される電力から電解槽12に対して所定の電圧を印加させて、電解槽12の通電を開始させる。そして、通電した電解槽12において電解水である機能水を生成させて、吐水部32の吐水口44から機能水を通常的に噴霧吐水させる通常吐水モードによる機能水の通常吐水を実行し、ステップS4に進む。
ステップS6において、コントローラ30は、機能水路8内の機能水を入れ替えるために、電磁弁22を開弁させると共に、AC電源26から供給される電力から電解槽12に対して所定の電圧V1(例えば、V1=20[V])を印加させて、電解槽12の通電を開始させる。そして、通電した電解槽12において電解水である機能水を生成させて、吐水部32の吐水口44から機能水を定期的に噴霧吐水させる定期吐水モードによる機能水の定期吐水を実行する。
同時に、コントローラ30の制御により第1のLED34が点滅し、吐水口44からキッチンシンク2内に吐水される機能水に対して、第1のLED34からLED光が照射される。
図8は、本発明の一実施形態による機能水用水栓装置において実行される制御フローの変形例を示すフローチャートである。
なお、図8において、図7に示す本発明の一実施形態による機能水用水栓装置において行われる制御フローの一例を示すフローチャートと同一のステップについては、同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
すなわち、図8に示すように、本実施形態による機能水用水栓装置1によって実行される機能水の吐水制御に関する制御内容の変形例においては、ステップS1〜S5及びステップS8の部分が、図7に示すステップS1〜S5及びステップS8の部分と共通し、図8に示すステップS1後のステップS106〜S109が、図7に示すステップS6,S7と異なっている。
このステップ106においては、コントローラ30は、機能水路8内の機能水を入れ替えるために、電磁弁22を開弁させると共に、AC電源26から供給される電力から電解槽12に対して通常吐水時の所定の電圧V1(例えば、V1=20[V])よりも高い所定の電圧V2(例えば、V2=30[V]>V1)を印加させて、電解槽12の通電を開始させる。そして、通電した電解槽12において電解水である機能水を生成させて、吐水部32の吐水口44から機能水を定期的に噴霧吐水させる定期吐水モードによる機能水の定期吐水を実行する。
このとき、機能水の定期吐水が開始された初期段階において、通常吐水時の機能水の濃度C0(例えば、C0=3ppm)よりも高い第1の濃度である濃度C1(例えば、C1=4ppm)の機能水が吐水部32の吐水口44から噴霧吐水される。
同時に、コントローラ30の制御により第1のLED34が点滅し、吐水口44からキッチンシンク2内に吐水される機能水に対して、第1のLED34からLED光が照射される。
このステップS108においては、コントローラ30は、電磁弁22を開弁させると共に、AC電源26から供給される電力から電解槽12に対して印加させる電圧V3(例えば、V3=10[V])を所定の電圧V2(例えば、V2=30[V])よりも低い電圧に変更して、電解槽12を通電させる。
これにより、機能水の定期吐水が開始された初期段階における定期吐水の濃度C1よりも低い第2の濃度である濃度C2(例えば、C2=2ppm)の機能水が吐水部32の吐水口44から噴霧吐水される。
上述した本発明の一実施形態による機能水用水栓装置1によれば、吐水部32の吐水口44の開口断面積がその上流側のノズル孔64、並びに、接続部材42及び管部材40の各機能水路8の流路断面積よりも小さくなるように形成されており、水栓本体部であるスパウト10の機能水路8の流路断面積よりも小さくなるように形成されている。これにより、機能水路8を流れた機能水が吐水口44を通過する際に、圧力損失が比較的大きい状態であっても、圧力逃がし流路Rや逃がし弁46等の圧力逃がし手段が吐水部32に設けられているため、機能水路8内の圧力(水圧)Pが所定圧力P1(例えば、P1=0.2[MPa])以上になると、機能水路8を大気と連通させて機能水路8内の圧力を逃がすことができる。
したがって、スパウト10の機能水路8内の圧力が過度に高まることにより、例えば、接続部材42と管部材40とが接続される機能水路8の接続部等、吐水部32以外の箇所において漏水することを防ぐことができると共に、管部材40の機能水路8の接続部に接続されている接続要素である接続部材42等が機能水路8内の圧力により外れてしまうことを防ぐことができる。
また、圧力逃がし流路Rや逃がし弁46等の圧力逃がし手段が吐水部32自体に設けられていることにより、機能水路8内の圧力が高められた機能水を外部に逃がすための手段を吐水部32以外に別途設ける必要がないため、機能水用水栓装置1の施工時の作業負担を軽減することができる。
したがって、図5に示すように、主流路である機能水路8内の圧力が所定圧力P1(例えば、P1=0.2[MPa])未満のときには、逃がし弁46が圧力逃がし流路Rを確実に閉鎖して、機能水路8内の機能水を吐水口44のみから吐水することができる。
一方、図6に示すように、機能水路8内の圧力が所定圧力P1(例えば、P1=0.2[MPa])以上になると、主流路M内の主流f1の機能水を吐水口44から吐水すると同時に、逃がし弁46が圧力逃がし流路Rを速やかに開放し、瞬時に圧力逃がし流路Rを大気と連通させて主流路である機能水路8から圧力逃がし流路Rへ分岐させた分流f2の機能水を速やかに吐水部32の流出口50a,50b,50cから外部へ排出させることができる。
よって、スパウト10の機能水路8内の圧力が過度に高まることをより効果的に防ぐことができる。また、吐水部32の狭い限られたスペース内に圧力逃がし流路Rを十分に確保することができるため、吐水部32全体が占有するスペースを抑制することができる。
ことができる。
また、内側固定部材50の下端部(下流側端部)は、可動部材54が最も軸方向下方側(最も下流側)に移動した状態であっても、可動部材54の下端部(下流側端部)よりも下方(下流側)に位置しており、吐水口44の位置よりも下流側に延びるように形成されている。
したがって、万一、使用者の悪戯等によって内側固定部材50の下端部の流出口50a等が塞がれたりした場合であっても、吐水部32に可動部材54の可動領域を十分に確保することができる。
よって、吐水部32の上流側の機能水路8内の圧力Pが所定圧力P1以上(P≧P1)になっても、可動部材54が逃がし弁46を閉弁している状態から開弁させて確実に圧力逃がし流路Rを大気と連通させることができ、機能水路8内の機能水を圧力逃がし流路Rから外部へ排出することができる。この結果、スパウト10の機能水路8内の圧力が過度に高まることをさらにより効果的に防ぐことができる。
2 キッチンシンク
4 カウンタ
6 通常水用水栓装置
8 機能水路(主流路)
10 スパウト(水栓本体部)
12 電解槽
14 通水路
16 止水栓
18 フィルタ
20 定流量弁
22 電磁弁
24 調圧弁
26 逆止弁
28 AC電源
30 コントローラ
32 吐水部
34 第1のLED
36 スイッチ
38 第2のLED
40 管部材
40a 管部材の湾曲部
40b 管部材の上端部
42 接続部材(接続要素)
42a 流出口
44 吐水口
46 逃がし弁(圧力逃がし手段)
48 外側固定部材
50 内側固定部材(固定部)
50a 流出口
50b 流出口
50c 流出口
52 可動部材(可動部)
54 可動部材の円筒部
56 シール部材(可動部、逃がし弁)
58 可動部材の突起部(可動部、逃がし弁)
60 圧縮コイルばね(可動部)
62 ノズル部材
64 ノズル孔
66 リブ
A1 ノズル部材の中心軸線
C0 通常吐水時の機能水の濃度
C1 定期吐水時の濃度
C2 定期吐水時の濃度
F1 押圧力
f1 機能水の流れ(主流)
f2 機能水の流れ(分流)
F2 付勢力
H1 管部材の上端部の高さ位置
H2 吐水口の高さ位置
M 主流路
P 機能水路内の圧力
P1 機能水路内の圧力
R 圧力逃がし流路(圧力逃がし手段)
T 経過時間
T1 第1の経過時間
T2 第2の経過時間
Claims (3)
- 機能水を吐水する水栓装置であって、
機能水が流れる主流路が内部に形成された水栓本体部と、
上記主流路の下流側に設けられて上記主流路内を流れた機能水を吐水する吐水口が形成された吐水部と、を有し、
上記吐水口の開口断面積は、上記主流路の流路断面積よりも小さくなるように形成されており、上記吐水部には、上記主流路内の圧力が所定圧力以上になると、上記主流路を大気と連通させて上記主流路内の圧力を逃がす圧力逃がし手段が設けられ、
上記圧力逃がし手段は、上記吐水口を迂回するように上記吐水部に形成された圧力逃がし流路と、上記吐水部に設けられて上記圧力逃がし流路を開閉する逃がし弁を含む可動部と、を備え、この可動部は、上記主流路内の圧力が所定圧力以上になると、上記逃がし弁を閉弁している状態から開弁させる方向に作動させて上記圧力逃がし流路を大気と連通させ、
上記可動部の内部には、上記主流路が形成され、上記可動部の下端部には、上記吐水口が形成されていることを特徴とする水栓装置。 - 上記圧力逃がし流路は、上記吐水部において上記主流路から分岐した後、上記吐水口まで延びる上記主流路の周囲に形成されている請求項1記載の水栓装置。
- 上記圧力逃がし手段は、さらに、上記吐水部に固定されてその内部に上記可動部を軸方向に摺動可能に保持する固定部を備え、この固定部は、上記可動部の周囲に上記圧力逃がし流路を形成し、上記可動部の下流側端部には上記吐水口が形成され、上記固定部の下流側端部は、上記可動部が最も下流側に移動したときの上記吐水口よりも下流側に延びるように形成されている請求項1又は2に記載の機能水用水栓装置。
Priority Applications (1)
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