次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による吐水装置を説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態による吐水装置について説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態による吐水装置を適用したキッチン(システムキッチン)を斜め上方から見た斜視図である。
図1に示すように、キッチン1は、主に、2つの吐水装置2、3と、これらの吐水装置2、3から吐水された水を受け止めて排水口4aから排水する、水受け部としてのシンク4と、を有する。吐水装置2は、シンク4や排水口4aなどを洗浄する目的で吐水を行う補助的な吐水装置であり、キッチン1の外壁に対して、矢印A1に示すように回動可能に取り付けられ、吐水方向などを変えられるようになっている。この吐水装置2は、第1実施形態による吐水装置である。他方で、吐水装置3は、利用者による操作部3a(ハンドル)の操作に応じて吐水し、利用者がキッチン1で水を通常使用する場合に利用される、主となる吐水装置である。
次に、図2乃至図4を参照して、本発明の第1実施形態による吐水装置2について具体的に説明する。図2は、本発明の第1実施形態による吐水装置2を斜め上方から見た斜視図であり、図3は、この吐水装置2を図2中のIII−III線に沿って見た部分断面図であり、図4は、この吐水装置2を図2中の矢印A2方向から見た部分透視図である。
図2に示すように、吐水装置2は、湾曲した管状部材である吐水管21を有しており、この吐水管21の先端部には、矢印A3に示す水平方向に押すことが可能に構成されたスイッチ22(プッシュスイッチ)が設けられている。図3及び図4に示すように、吐水管21において水平方向に延びる部分の下部には、吐水口23aから噴霧吐水(言い換えるとミスト吐水)を行うように構成された、ノズル状の吐水部23と、青色光などの光を照射する第1のLED(Light Emitting Diode)24と、が設けられている。また、吐水管21の先端部に位置するスイッチ22には、緑色光などの光を照射する第2のLED25が設けられている(図2も参照)。更に、吐水管21の内部には、吐水部23に接続されており、吐水部23に対して水(後述する電解水も含む)を供給する流路26が配設されている。
次に、図5を参照して、本発明の第1実施形態における吐水部23の吐水範囲及び第1のLED24の照射範囲について説明する。図5(A)〜(C)は、それぞれ、本発明の第1実施形態による吐水装置2の側面図を示している。
図5(A)中の符号R11は、吐水部23の吐水範囲を示している。図5(A)に示すように、吐水部23は、噴霧吐水として、吐水口23aから所定角度θをもって水が広がっていくような、言い換えると吐水口23aの断面積(径)よりも広い範囲に水が広がっていくような、霧状の吐水を行う。吐水部23は、その内部において直進流と旋回流とを作り出し、これらの直進流と旋回流との相乗効果によって、単一の吐水口23a(複数の吐水口を適用してもよい)から、フルコーン状に噴霧吐水を行う。
また、吐水部23は、斜め前方に向けて吐水を行う。図5(A)には表れていないが、より詳しくは、吐水部23は、前方に向けて斜めに吐水を行うと共に、シンク4の排水口4a(図1参照)に向けて斜めに吐水を行う。吐水部23は、このような方向(吐水方向)に吐水を行うように、吐水管21内に配設されている。つまり、吐水部23は、所望の吐水方向に吐水を行うように、水平方向及び垂直方向のそれぞれに対して傾けて吐水管21内に配設されている。
なお、吐水部23の「着水範囲」は、図5(A)に示すように吐水部23が噴霧吐水した水が、所定の対象物(シンク4など)に着水する範囲を指し示す。また、吐水部23の「着水位置」は、そのような着水範囲内に含まれる位置を指し示す。
他方で、図5(B)中の符号R12は、第1のLED24の照射範囲を示している。図5(B)に示すように、第1のLED24は、図5(A)に示した吐水部23の吐水範囲R11と同様の範囲に光を照射する。この第1のLED24の照射範囲R12と吐水部23の吐水範囲R11とを重ね合わせると、つまり吐水部23が噴霧吐水を行うのと同時に第1のLED24が光を照射すると、図5(C)に示すようになる。
図5(C)に示すように、本実施形態では、第1のLED24の照射範囲R12が、吐水部23の吐水範囲R11とほぼ一致するようにする。つまり、第1のLED24が、吐水部23の吐水範囲R11のほぼ全体に光を照射するようにする。こうすることで、第1のLED24からの光によって、吐水部23による噴霧吐水を利用者に報知するようにしている。したがって、第1のLED24は、本発明における「報知部」として機能する。具体的には、第1のLED24は、本発明における「照明部」に相当する。
上記したような照射範囲R12を実現するために、第1のLED24は、吐水部23と同様に、前方に向けて斜めに光を照射すると共に、シンク4の排水口4a(図1参照)に向けて斜めに光を照射する。第1のLED24は、このような方向(照射方向)に光を照射するように、吐水管21内に配設されている。つまり、第1のLED24は、所望の照射方向に光を照射するように、水平方向及び垂直方向のそれぞれに対して傾けて吐水管21内に配設されている。例えば、第1のLED24は、吐水部23と同様の傾きにて、吐水管21内に配設されている。また、第1のLED24はかなりの広範囲に渡って光を出射するものであるが、第1のLED24の先端部に対向する吐水管21の外壁上に設けられた開口部21aによって(図3及び図4参照)、第1のLED24の出射光の一部分を適当に遮光することで、第1のLED24から所望の範囲にのみ光が照射されるようにしている。
次に、図6を参照して、本発明の第1実施形態による吐水装置の機能構成について説明する。図6は、本発明の第1実施形態による吐水装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
図6に示すように、本実施形態による吐水装置2は、上記した流路26(図3等も参照)上に、上流側から順に、止水栓32、フィルタ33、定流量弁34、電磁弁35、調圧弁36、逆止弁37、電解槽38を有している。この流路26には、上流側から、一般的な水道水(都市水)などの通常の水(本明細書では、この水を電解水と区別するために適宜「通常水」と表記する。)が供給される。
止水栓32は、流路26への通常水の流入を遮断する弁であり、フィルタ33(ストレーナ)は、通常水に混ざり込んだ異物などを取り除き、定流量弁34は、二次側の流量を一定に保つ弁である。電磁弁35は、開閉することにより、流路26における通常水の流通と遮断とを切り替える。この電磁弁35が開弁している場合には、流路26に通常水が流れて、流路26の下流端に接続された吐水部23から噴霧吐水が行われる。調圧弁36は、水圧を所望の圧力(噴霧吐水を行うのに適した圧力)に調節する弁であり、逆止弁37は、水の逆流を防止する弁である。電解槽38は、通電されることにより、通常水を電気分解して電解水を生成する。
なお、図6では、1つの電解槽38のみが適用された吐水装置2を示しているが、2つ以上の電解槽を吐水装置2に適用してもよい。特に、キッチン1では菌が繁殖しやすいので、濃度のより高い電解水を吐水するために、2つ以上の電解槽を適用するとよい。また、電解槽38の下流側に、フィルタを更に設けてもよい。
また、吐水装置2は、吐水装置2内の各構成部を制御するコントローラ40を更に有する。コントローラ40は、AC電源39からの電力によって作動すると共に、AC電源39の電力を、スイッチ22、第1のLED24、第2のLED25、電磁弁35及び電解槽38のそれぞれに供給する制御を行う。具体的には、コントローラ40は、利用者によるスイッチ22の操作(つまりスイッチ22を押す操作)に対応するスイッチ信号を取得し。このスイッチ信号に基づいて、第1のLED24及び第2のLED25に対する制御、電磁弁35に対する制御、及び電解槽38に対する制御を行う。この場合、コントローラ40は、第1のLED24及び第2のLED25のそれぞれの点灯/消灯を切り替える制御、電磁弁35の開閉を切り替える制御、及び、電解槽38による電解水の生成の実行/停止を切り替える制御を行う。このように、コントローラ40は、本発明における「制御部」に相当する。
ここで、電解槽38によって生成される電解水について説明する。
本実施形態で用いる電解水としては、電気分解によって得られる除菌機能を有する水であれば何でもよい。電解水の代表的なものとして次亜塩素酸を含有する電解水が挙げられる。一般に上水又は中水は塩素イオンを含有するため、電気分解により遊離塩素が生成される。遊離塩素は、酸性では次亜塩素酸(HClO)として存在し、この形態ではアルカリ性での存在形態である次亜塩素酸イオン(ClO-)と比較して約10倍殺菌力が強い。また、中性でもその中間程度の強力な殺菌力が得られる。従って、連続式電気分解槽で電気分解された水は、強力な殺菌力を有する殺菌水となっている。
上述したように一般的に利用されている上水又は中水は塩素イオンを含有しているが、塩素イオン濃度が低い地域で利用する場合や、強力な殺菌作用が必要な場合には、食塩などの塩化物を添加することで塩素イオンを補うことができる。
塩素発生に用いられる電極としては、導電性基材に塩素発生用触媒を担持したものか、塩素発生用触媒からなる導電性材料が利用される。塩素発生用触媒の種類により、例えば、フェライト等の鉄系電極、パラジウム系電極、ルテニウム系電極、イリジウム系電極、白金系電極、ルテニウム−スズ系電極、パラジウム−白金系電極、イリジウム−白金系電極、ルテニウム−白金系電極、イリジウム−白金−タンタル系電極等がある。導電性基材に塩素発生用触媒を担持したものは、構造を担う基材部を安価なチタン、ステンレス等の材料で構成できるので、製造コスト上有利である。
塩素以外に、ハロゲンイオンを含有する水を電気分解することによって得られる次亜ハロゲン酸であってもよい。
その他の電解水としては、電極として銀を利用することで得られる銀イオン水を挙げることができる。銀イオンは、細菌の細胞膜にある酵素に吸着し、酵素の作用を阻害するため、細菌が生命維持できなくなると言われている。接触する基材表面をコートする作用もあり、細菌が基材表面で繁殖しにくくなる。銀イオンは基材表面をコートして、細菌の付着を防ぐことができ、かつ殺菌力を有しているため、基材表面での細菌の増殖を効果的に抑制できる。その際、排水トラップの置換率を高める洗浄方法と組み合わせることで、長期間、排水口のぬめりや匂いを抑制することが可能となる。
その他、特に電気分解用の電極として二酸化鉛(β型)を用いることにより陽極側で酸素の発生と共に高濃度のオゾンを発生させるオゾン水など、様々な種類の電解水を好適に用いることが可能である。
更に、電解水以外の除菌水としては、各種の除菌成分を溶解させた水溶液が挙げられる。溶解される除菌成分としては、固体、液体、気体の何れを用いてもよい。液体の除菌成分を用いる場合には、例えば、エタノールや、イソプロパノールなどのアルコール類や、過酸化水素などを適用すればよい。また、気体の除菌成分を用いる場合には、例えば、オゾンを微細気泡として水中に溶解させることでオゾン水を作り出せばよい。また、固体の除菌成分を用いる場合には、例えば次亜塩素酸ナトリウムなどを適用すればよい。
以上述べたように、本発明は、水を電気分解することによって得られる電解水以外にも、種々の除菌水を適用可能である。ここで、本明細書においては、「除菌」の文言は、菌を減らす意味だけでなく(この場合、菌を除去して減らす意味だけなく、菌を殺して減らす意味も含まれる)、菌を減らさないまでも菌の増殖を抑制する意味も含む広義の概念として用いている。除菌水は、このような意味での除菌機能を、所定の処理によって通常の水に対して付加した水であり、いわゆる機能水の概念に含まれるものである。
(制御内容)
次に、本発明の第1実施形態においてコントローラ40が行う制御内容について具体的に説明する。
最初に、本実施形態による制御の基本概念について簡単に説明する。本実施形態では、吐水装置2の吐水部23から除菌機能を有する電解水を噴霧吐水させることで、キッチン1のシンク4や排水口4aなどを洗浄して清潔に保つようにしている。例えば、除菌機能を有する電解水を噴霧吐水させることで、シンク4や排水口4aなどに繁殖する菌を減らしたり、菌を減らさないまでも菌が所定量以上に増殖するのを抑制したり、キッチン1の利用により流れ出た汚れが、シンク4や排水口4aなどに付着した状態で乾燥して固着することで除去しにくくなることを抑制したりするようにしている。具体的には、本実施形態では、コントローラ40が、スイッチ22に対する利用者の操作に応じて、このような洗浄目的にて吐水部23から噴霧吐水を行わせる。また、コントローラ40は、吐水部23から噴霧吐水を行わせるときに、第1のLED24から光を照射させることで、利用者に対して噴霧吐水についての報知を行う。
より詳しくは、コントローラ40は、利用者が、比較的短い時間(例えば3秒未満)、スイッチ22を押した場合、つまり、利用者がスイッチ22をワンプッシュした場合(以下は、このようなスイッチ22に対する操作を適宜「短押し」と呼ぶ。)、このスイッチ22に対する操作後速やかに、吐水部23から噴霧吐水を行わせる。以下では、このような吐水のモードを「マニュアル吐水モード」と呼ぶ。このマニュアル吐水モードは、利用者が手動で吐水部23から噴霧吐水を行わせて、シンク4や排水口4aなどを洗浄する目的で利用される。
他方で、コントローラ40は、利用者が、比較的長い時間(例えば3秒以上)、スイッチ22を押した場合(以下は、このようなスイッチ22に対する操作を適宜「長押し」と呼ぶ。)、このスイッチ22に対する操作後、ある程度長い時間経過したときに(例えば12時間経過後)、吐水部23から噴霧吐水を行わせる。具体的には、コントローラ40は、ある程度長い時間が経過する毎に、吐水部23から定期的に噴霧吐水を行わせる。以下では、このような吐水のモードを「定期吐水モード」と呼ぶ。この定期吐水モードは、利用者の不在中などに、吐水部23から自動で噴霧吐水を行わせて、シンク4や排水口4aなどを洗浄する目的で利用される。
次に、図7を参照して、本発明の第1実施形態によるマニュアル吐水モードについて具体的に説明する。図7は、本発明の第1実施形態によるマニュアル吐水モードにおいて行われる動作を模式的に示した図である。
図7の左側に示すように、利用者がスイッチ22を短押し(ワンプッシュ)した場合、コントローラ40は、最初に、符号R12に示すように、第1のLED24をオンにして、第1のLED24を点灯させる。このように、吐水部23の噴霧吐水を開始する前に第1のLED24から光を照射させることで、第1のLED24の照射範囲R12によって、吐水部23による噴霧吐水の吐水範囲R11を事前に利用者に報知している。
そして、コントローラ40は、上記のように第1のLED24を点灯させた直後に、例えば0.1秒経過したときに、第1のLED24の点灯状態を維持しつつ、電磁弁35に通電して電磁弁35を開弁して、吐水部23から噴霧吐水を行わせる。コントローラ40は、このように電磁弁35に通電するのと同時に電解槽38に通電して(厳密に電磁弁35と電解槽38の通電タイミングを同じにしなくてもよい)、電解槽38において電解水を生成させる。これにより、吐水部23から電解水が噴霧吐水される。なお、吐水部23からの噴霧吐水中にも第1のLED24を点灯させているのは、吐水部23から吐出された噴霧が見えづらいものであるので、第1のLED24の照射範囲R12によって、吐水部23から吐出されている噴霧が広がる範囲(吐水範囲R11)を照射して利用者に報知するためである。
この後、コントローラ40は、吐水部23の噴霧吐水の開始から所定時間が経過すると、例えば10秒経過したときに、吐水部23からの噴霧吐水を終了する。具体的には、コントローラ40は、第1のLED24をオフにして、第1のLED24からの光の照射を終了し、且つ、電磁弁35への通電を停止して電磁弁35を閉弁することで、吐水部23からの噴霧吐水を終了し、尚且つ、電解槽38への通電を停止して、電解槽38での電解水の生成を終了する。こうして、コントローラ40は、マニュアル吐水モードを終了する。
なお、吐水部23の噴霧吐水の開始から所定時間(例えば10秒)が経過するまでの間に、利用者がスイッチ22を短押し(ワンプッシュ)した場合には、コントローラ40は、このスイッチ22の操作を、噴霧吐水を停止するための利用者の意思表示として取り扱い、吐水部23からの噴霧吐水を終了する。この場合にも、コントローラ40は、第1のLED24をオフにして、第1のLED24からの光の照射を終了し、且つ、電磁弁35への通電を停止して電磁弁35を閉弁することで、吐水部23からの噴霧吐水を終了し、尚且つ、電解槽38への通電を停止して、電解槽38での電解水の生成を終了する。
次に、図8を参照して、本発明の第1実施形態による定期吐水モードについて具体的に説明する。図8は、本発明の第1実施形態による定期吐水モードにおいて行われる動作を模式的に示した図である。
図8の左側に示すように、利用者がスイッチ22を長押しした場合、コントローラ40は、最初に、スイッチ22に設けられた第2のLED25をオンにして、第2のLED25を点灯させる。こうして、第2のLED25を点灯させることで、定期吐水モードが設定されたことを利用者に報知する。この第2のLED25は、定期吐水モードの設定中、点灯され続ける。そして、コントローラ40は、第2のLED25を点灯させた後、所定時間が経過すると、例えば12時間経過したときに、符号R12’に示すように、第1のLED24のオンとオフとを周期的に切り替えて、第1のLED24を点滅させる。こうすることで、これから噴霧吐水が行われることを利用者に事前に報知する。
そして、第1のLED24を点滅させてから所定時間が経過すると、例えば10秒経過したときに、コントローラ40は、符号R12に示すように、第1のLED24をオンに維持して、第1のLED24を点灯状態に維持する。つまり、コントローラ40は、第1のLED24を点滅状態から点灯状態へと切り替える。こうすることで、第1のLED24の照射範囲R12によって、吐水部23の噴霧吐水を開始する前に、吐水部23による噴霧吐水の吐水範囲R11を事前に利用者に報知している。
そして、コントローラ40は、上記のように第1のLED24を点滅状態から点灯状態へと切り替えた直後に、例えば0.1秒経過したときに、第1のLED24の点灯状態を維持しつつ、電磁弁35に通電して電磁弁35を開弁して、吐水部23から噴霧吐水を行わせる。コントローラ40は、このように電磁弁35に通電するのと同時に電解槽38に通電して(厳密に電磁弁35と電解槽38の通電タイミングを同じにしなくてもよい)、電解槽38において電解水を生成させる。これにより、吐水部23から電解水が噴霧吐水される。
この後、コントローラ40は、吐水部23の噴霧吐水の開始から所定時間が経過すると、例えば10秒経過したときに、吐水部23からの噴霧吐水を終了する。具体的には、コントローラ40は、第1のLED24をオフにして、第1のLED24からの光の照射を終了し、且つ、電磁弁35への通電を停止して電磁弁35を閉弁することで、吐水部23からの噴霧吐水を終了し、尚且つ、電解槽38への通電を停止して、電解槽38での電解水の生成を終了する。この後、更に所定時間が経過すると、例えば12時間経過したときに、コントローラ40は、上述した制御を再度行う。つまり、第1のLED24を点滅させた後、第1のLED24を点灯状態に維持し、その直後に、電磁弁35及び電解槽38に通電して、吐水部23から電解水を噴霧吐水させる。こうして、コントローラ40は、定期吐水モードにおいては、所定時間が経過する毎に、吐水部23から電解水を噴霧吐水させるようにする。
なお、このように所定時間(例えば12時間)が経過する前に、つまり定期吐水の待機中に、利用者がスイッチ22を長押しした場合、コントローラ40は、定期吐水モードを終了する。換言すると、コントローラ40は、定期吐水モードの設定中に利用者がスイッチ22を長押ししない限り、基本的には、定期吐水モードを継続する。コントローラ40は、定期吐水モードを終了する場合、第2のLED25をオフにして、第2のLED25を消灯させる。
また、定期吐水モードでも、上記したマニュアル吐水モードと同様に、コントローラ40は、吐水部23の噴霧吐水の開始から所定時間(例えば10秒)が経過するまでの間に、利用者がスイッチ22を短押し(ワンプッシュ)した場合には、吐水部23からの噴霧吐水を終了する。但し、コントローラ40は、定期吐水モードの設定を維持する。つまり、コントローラ40は、上記したように利用者がスイッチ22を長押ししない限り、吐水部23からの噴霧吐水を定期的に実行するようにする。詳しくは、コントローラ40は、スイッチ22が短押しされてから所定時間(例えば30分)が経過した後に、吐水部23からの噴霧吐水を再び行うようにする。
また、定期吐水モードでは、第1のLED24の点滅中に、利用者がスイッチ22を短押し(ワンプッシュ)した場合には、この後の吐水部23からの噴霧吐水を中止する。但し、この場合にも、コントローラ40は、定期吐水モードの設定を維持する。つまり、コントローラ40は、今回の噴霧吐水については中止したが、上記したように利用者がスイッチ22を長押ししない限り、次回の噴霧吐水を実行するようにする。詳しくは、コントローラ40は、スイッチ22が短押しされてから所定時間(例えば30分)が経過した後に、吐水部23からの噴霧吐水を再び行うようにする。
なお、定期吐水モードにおいて定期的に吐水を行う時間間隔(上記した例では12時間)は、菌の量が問題となる量に達する前に、除菌水としての電解水を吐水することで、トータルで見て菌が増えないようにする観点から設定するとよい。
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の第1実施形態においてコントローラ40が行う制御フローについて説明する。図9は、本発明の第1実施形態においてコントローラ40が行う全体制御フローを示し、図10は、図9のステップS3において行われるマニュアル吐水モードに係る制御フローを示し、図11は、図9のステップS4において行われる定期吐水モードに係る制御フローを示している。
最初に、図9を参照して、本発明の第1実施形態による全体制御フローについて説明する。このフローは、コントローラ40によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS1において、コントローラ40は、利用者によってスイッチ22が押されたか否かを判定する。この場合、コントローラ40は、利用者によるスイッチ22の操作(つまりスイッチ22を押す操作)に対応するスイッチ信号を取得して、このスイッチ信号に基づいて、スイッチ22が押されたか否かを判定する。その結果、スイッチ22が押された場合(ステップS1:Yes)、ステップS2に進む。これに対して、スイッチ22が押されなかった場合(ステップS1:No)、ステップS1に戻る。
ステップS2において、コントローラ40は、更に、スイッチ22からのスイッチ信号に基づいて、スイッチ22が押された時間が3秒未満であるか否かを判定する。言い換えると、コントローラ40は、利用者の手がスイッチ22から3秒未満で離されたか否かを判定する。こうして、コントローラ40は、スイッチ22が短押し(つまりワンプッシュ)されたか、それともスイッチ22が長押しされたかを判定する。
ステップS2の判定の結果、スイッチ22が押された時間が3秒未満である場合(ステップS2:Yes)、つまりスイッチ22が短押しされた場合、ステップS3に進み、コントローラ40は、図10のフローに示すマニュアル吐水モードを実行する。これに対して、スイッチ22が押された時間が3秒以上である場合(ステップS2:No)、つまりスイッチ22が長押しされた場合、ステップS4に進み、コントローラ40は、図11のフローに示す定期吐水モードを実行する。この後、マニュアル吐水モード又は定期吐水モードを終了すると、ステップS1に戻る。
次に、図10を参照して、本発明の第1実施形態による、図9のステップS3において行われるマニュアル吐水モードに係る制御フローについて説明する。
まず、ステップS301において、コントローラ40は、第1のLED24をオンにして、第1のLED24を点灯させる。コントローラ40は、このように第1のLED24を点灯させた直後、具体的には0.1秒経過後に、ステップS302の制御を行う。ステップS302において、コントローラ40は、第1のLED24の点灯を維持しつつ、電磁弁35に通電して電磁弁35を開弁すると共に、電解槽38に通電して電解槽38で電解水を生成させることで、吐水部23から電解水を噴霧吐水させる。
次いで、ステップS303において、コントローラ40は、スイッチ22からのスイッチ信号に基づいて、利用者によってスイッチ22が短押し(ワンプッシュ)されていないか否かを判定する。
ステップS303の判定の結果、スイッチ22が短押しされた場合(ステップS303:No)、ステップS305に進み、コントローラ40は、このスイッチ22の操作を、噴霧吐水を停止するための利用者の意思表示として取り扱い、吐水部23からの噴霧吐水を終了する。具体的には、ステップS305において、コントローラ40は、第1のLED24をオフにして、第1のLED24からの光の照射を終了し、且つ、電磁弁35への通電を停止して電磁弁35を閉弁することで、吐水部23からの噴霧吐水を終了し、尚且つ、電解槽38への通電を停止して、電解槽38での電解水の生成を終了する。この後、ステップS306に進み、マニュアル吐水モードを終了する。
他方で、ステップS303の判定の結果、スイッチ22が短押しされていない場合(ステップS303:Yes)、ステップS304に進み、コントローラ40は、噴霧吐水を開始してから10秒経過したか否かを判定する。その結果、噴霧吐水を開始してから10秒経過していない場合(ステップS304:No)、ステップS303に戻り、ステップS303及びS304の判定を再度行う。この場合、コントローラ40は、スイッチ22が短押しされていないか否かを判定しながら、10秒が経過するのを待つ。
他方で、噴霧吐水を開始してから10秒経過した場合(ステップS304:Yes)、ステップS305に進む。この場合、上記したように、コントローラ40は、第1のLED24をオフにして、第1のLED24からの光の照射を終了し、且つ、電磁弁35への通電を停止して電磁弁35を閉弁することで、吐水部23からの噴霧吐水を終了し、尚且つ、電解槽38への通電を停止して、電解槽38での電解水の生成を終了する。この後、ステップS306に進み、マニュアル吐水モードを終了する。
次に、図11を参照して、本発明の第1実施形態による、図9のステップS4において行われる定期吐水モードに係る制御フローについて説明する。
まず、ステップS401において、コントローラ40は、スイッチ22に設けられた第2のLED25をオンにして、第2のLED25を点灯させる。次いで、ステップS402において、コントローラ40は、スイッチ22が長押しされてから12時間経過したか否かを判定する。その結果、スイッチ22が長押しされてから12時間経過していない場合(ステップS402:No)、ステップS402の判定を再度行う。つまり、コントローラ40は、12時間が経過するまで、ステップS402の判定を繰り返し行う。
他方で、スイッチ22が長押しされてから12時間経過した場合(ステップS402:Yes)、ステップS403に進み、コントローラ40は、第1のLED24のオンとオフとを周期的に切り替えることで、第1のLED24を点滅させる。
次いで、ステップS404に進み、コントローラ40は、スイッチ22からのスイッチ信号に基づいて、利用者によってスイッチ22が短押し(ワンプッシュ)されていないか否かを判定する。
ステップS404の判定の結果、スイッチ22が短押しされた場合(ステップS404:No)、コントローラ40は、このスイッチ22の操作を、噴霧吐水を中止するための利用者の意思表示として取り扱い、吐水部23からの噴霧吐水を行わずに、ステップS413に進む。ステップS413では、コントローラ40は、第1のLED24をオフにして、第1のLED24の点滅を終了して、ステップS415に進む。ステップS415以降の制御内容については、詳細は後述する。
他方で、スイッチ22が短押しされていない場合(ステップS404:Yes)、ステップS405に進み、コントローラ40は、第1のLED24の点滅を開始してから10秒経過したか否かを判定する。その結果、第1のLED24の点滅を開始してから10秒経過していない場合(ステップS405:No)、ステップS404に戻り、ステップS404及びS405の判定を再度行う。この場合、コントローラ40は、スイッチ22が短押しされていないか否かを判定しながら、10秒が経過するのを待つ。
他方で、第1のLED24の点滅を開始してから10秒経過した場合(ステップS405:Yes)、ステップS406に進み、コントローラ40は、第1のLED24をオンに維持して、第1のLED24を点灯状態に維持する。つまり、コントローラ40は、第1のLED24を点滅状態から点灯状態へと切り替える。
コントローラ40は、ステップS406において第1のLED24を点滅状態から点灯状態へと切り替えた直後に、具体的には0.1秒経過後に、ステップS407の制御を行う。ステップS407において、コントローラ40は、第1のLED24を点灯状態に維持しつつ、電磁弁35に通電して電磁弁35を開弁すると共に、電解槽38に通電して電解槽38で電解水を生成させることで、吐水部23から電解水を噴霧吐水させる。
次いで、ステップS408において、コントローラ40は、スイッチ22からのスイッチ信号に基づいて、利用者によってスイッチ22が短押し(ワンプッシュ)されていないか否かを判定する。
ステップS408の判定の結果、スイッチ22が短押しされた場合(ステップS408:No)、ステップS414に進み、コントローラ40は、このスイッチ22の操作を、噴霧吐水を停止するための利用者の意思表示として取り扱い、吐水部23からの噴霧吐水を終了する。具体的には、ステップS414において、コントローラ40は、第1のLED24をオフにして、第1のLED24からの光の照射を終了し、且つ、電磁弁35への通電を停止して電磁弁35を閉弁することで、吐水部23からの噴霧吐水を終了し、尚且つ、電解槽38への通電を停止して、電解槽38での電解水の生成を終了する。この後、ステップS415に進む。
他方で、ステップS408の判定の結果、スイッチ22が短押しされていない場合(ステップS408:Yes)、ステップS409に進み、コントローラ40は、噴霧吐水を開始してから10秒経過したか否かを判定する。その結果、噴霧吐水を開始してから10秒経過していない場合(ステップS409:No)、ステップS408に戻り、ステップS408及びS409の判定を再度行う。この場合、コントローラ40は、スイッチ22が短押しされていないか否かを判定しながら、10秒が経過するのを待つ。
他方で、噴霧吐水を開始してから10秒経過した場合(ステップS409:Yes)、ステップS410に進む。この場合、上記したように、コントローラ40は、第1のLED24をオフにして、第1のLED24からの光の照射を終了し、且つ、電磁弁35への通電を停止して電磁弁35を閉弁することで、吐水部23からの噴霧吐水を終了し、尚且つ、電解槽38への通電を停止して、電解槽38での電解水の生成を終了する。この後、ステップS411に進む。
ステップS411において、コントローラ40は、スイッチ22からのスイッチ信号に基づいて、利用者によってスイッチ22が長押しされていないか否かを判定する。その結果、スイッチ22が長押しされた場合(ステップS411:No)、ステップS417に進む。コントローラ40は、このようなスイッチ22の操作を、定期吐水モードを解除するための利用者の意思表示として取り扱い、ステップS417において、第2のLED25をオフにして、第2のLED25を消灯させ、この後、ステップS418において、定期吐水モードを終了する。
他方で、ステップS411の判定の結果、スイッチ22が長押しされていない場合(ステップS411:Yes)、ステップS412に進み、コントローラ40は、噴霧吐水を終了してから12時間経過したか否かを判定する。その結果、噴霧吐水を終了してから12時間経過していない場合(ステップS412:No)、ステップS411に戻り、ステップS411及びS412の判定を再度行う。この場合、コントローラ40は、スイッチ22が長押しされていないか否かを判定しながら、12時間が経過するのを待つ。
他方で、噴霧吐水を終了してから12時間経過した場合(ステップS412:Yes)、ステップS403に戻り、コントローラ40は、上記したステップS403以降の制御を再度行う。コントローラ40は、こうしてステップS403以降の制御を繰り返し行うことで、12時間毎に、吐水部23からの噴霧吐水を定期的に行うようにする。
他方で、第1のLED24の点滅を開始してから10秒間の噴霧吐水が完了するまでの間にスイッチ22が短押しされた場合(ステップS404:No、又はステップS408:No)、上記したステップS413又はS414の処理後にステップS415に進むが、このステップS415では、コントローラ40は、スイッチ22からのスイッチ信号に基づいて、利用者によってスイッチ22が長押しされていないか否かを判定する。その結果、スイッチ22が長押しされた場合(ステップS415:No)、ステップS417に進む。コントローラ40は、このようなスイッチ22の操作を、定期吐水モードを解除するための利用者の意思表示として取り扱い、ステップS417において、第2のLED25をオフにして、第2のLED25を消灯させ、この後、ステップS418において、定期吐水モードを終了する。
他方で、ステップS415の判定の結果、スイッチ22が長押しされていない場合(ステップS415:Yes)、ステップS416に進み、コントローラ40は、ステップS404又はS408でスイッチ22が短押しされてから30分経過したか否かを判定する。その結果、スイッチ22が短押しされてから30分経過していない場合(ステップS416:No)、ステップS415に戻り、ステップS415及びS416の判定を再度行う。この場合、コントローラ40は、スイッチ22が長押しされていないか否かを判定しながら、30分が経過するのを待つ。
他方で、スイッチ22が短押しされてから30分経過した場合(ステップS416:Yes)、ステップS403に戻り、コントローラ40は、上記したステップS403以降の制御を再度行う。このように、コントローラ40は、第1のLED24の点滅を開始してから10秒間の噴霧吐水が完了するまでの間にスイッチ22が短押しされた場合には、スイッチ22が長押しされない限り、スイッチ22が短押しされてから30分が経過したときに、定期吐水としての噴霧吐水を再び行うようにする。
なお、定期吐水の待機中に、つまり噴霧吐水を行う間隔である12時間の間に、利用者がスイッチ22を短押しした場合、速やかに吐水部23からの噴霧吐水を行ってもよい。この場合、コントローラ40は、スイッチ22の操作を、噴霧吐水を手動で実行するための利用者の意思表示として取り扱い、マニュアル吐水モードと同様の吐水を行う。具体的には、コントローラ40は、図10に示したステップS301〜S305の制御を実行して、吐水部23から噴霧吐水を行わせる。但し、コントローラ40は、定期吐水モードを維持するものとする。この場合には、コントローラ40は、スイッチ22が短押しされなかった場合に実行することを予定していた噴霧吐水を実行せずに、スイッチ22の短押しにより実行した噴霧吐水を終了してから12時間が経過すると、噴霧吐水を自動的に行うようにする。
(第1実施形態による作用効果)
次に、本発明の第1実施形態による吐水装置の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、吐水部23からの吐水の開始に先立って、第1のLED24から光を照射させるので(図7及び図8等参照)、吐水部23がこれから吐水することを利用者に対して適切に報知することができる、つまり吐水部23の吐水を利用者に対して事前に適切に報知することができる。
特に、本実施形態では、定期吐水モードにおいて、吐水部23から自動で吐水を行っているが、そのような自動吐水を行うと、利用者にとっては意図しないタイミングで吐水が開始されることで、利用者に水がかかってしまったり、水をかけたくない対象物(例えば乾かしたい物)に水がかかってしまったりする場合があるが、上記のように吐水部23の吐水を事前に報知することで、そのような不具合を適切に防止することができる。加えて、吐水部23の吐水を事前に報知することで、当該不具合を防止できるだけでなく、利用者は、自動的に行われる吐水を有効活用することもできる。例えば、利用者は、事前報知がなされたときに、洗浄したい対象物(皿やコップやまな板など)を吐水部23の前方にかざして、自動的に行われる吐水によって対象物を洗浄することができる。
また、本実施形態では、吐水部23から噴霧吐水を行っているが、この噴霧吐水では、吐水範囲R11を推定しにくく(噴霧が見えにくいため)、思わぬ吐水で利用者や吐水装置2の周囲などの利用者の望まない箇所に着水してしまう可能性があるが、吐水部23からの吐水に先立って、吐水部23の近傍に設けられた第1のLED24からの光によって、吐水部23の吐水範囲R11を照射するので、そのような不具合を適切に防止することができる。特に、本実施形態では、第1のLED24から、吐水部23の吐水範囲R11のほぼ全体に光を照射させているので(図5(C)参照)、吐水部23の吐水範囲R11を利用者に事前に適切に報知することができ、利用者の望まない箇所に着水してしまうことを確実に防止することができる。
また、本実施形態によれば、第1のLED24が光を照射してから吐水部23が吐水するまでの間に、利用者が吐水装置2のスイッチ22を短押し(ワンプッシュ)すれば、吐水部23からの吐水が中止されるので(図11のステップS404以降参照)、利用者にとって意図しないタイミングで行われるような吐水を適切にキャンセルすることができる。
また、本実施形態によれば、吐水装置2の吐水管21が回動可能に取り付けられ(図1参照)、吐水部23がそのような吐水管21に組み付けられているので、第1のLED24が光を照射してから吐水部23が吐水するまでの間に、利用者が吐水管21を適当に回動させて吐水部23の吐水方向を変化させれば、利用者の望まない箇所に着水してしまうことを確実に防止することができる。この場合、第1のLED24も吐水管21に組み付けられているため、利用者が吐水管21を回動させると、吐水部23の吐水方向と一緒に第1のLED24の照射方向も変化するので、利用者は、変化された第1のLED24の照射範囲R12に基づき、変化された吐水部23の吐水範囲R11を適切に推定することができ、利用者の望まない箇所に着水してしまうことをより確実に防止することができる。
また、本実施形態によれば、吐水部23の吐水開始前だけでなく、吐水部23の吐水中にも、第1のLED24から光を照射させるので(図7及び図8等参照)、吐水部23が吐水中であることを利用者に適切に報知することができる。加えて、利用者にとって見えにくい、吐水部23から吐出されている噴霧が広がる範囲(吐水範囲R11)を、第1のLED24からの光によって、利用者に適切に把握させることができる。
また、本実施形態によれば、吐水部23の吐水開始前には第1のLED24を点滅状態にし、吐水部23の吐水中には第1のLED24を点灯状態に維持して(図8参照)、吐水開始前と吐水中とで報知の態様を異ならせているので、現在の状態が吐水開始前であるか、それとも吐水中であるかを利用者に適切に把握させることができる。特に、吐水が開始されたときに報知の態様が切り替わるため、吐水の開始タイミングを利用者に適切に把握させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態による吐水装置について説明する。第2実施形態は、上記した第1実施形態と、吐水装置の構成のみが異なる。具体的には、第2実施形態による吐水装置は、第1実施形態による吐水装置2と、構成のみが異なり、実行する動作や機能や制御内容は同一である。そのため、以下では、第2実施形態による吐水装置の構成についてのみ説明し、実行する動作や機能や制御内容などについては適宜説明を省略する。つまり、ここで特に説明しない内容は、第1実施形態と同様であるものとする。
図12は、本発明の第2実施形態による吐水装置を適用した手洗器(洗面化粧台)の一部を斜め上方から見た斜視図である。
上記した第1実施形態ではキッチン1に吐水装置2が適用されていたが、図12に示すように、第2実施形態では手洗器6に吐水装置7が適用される。この手洗器6は、主に、吐水を行う吐水装置7と、この吐水装置7から吐水された水を受け止めて排水口8aから排水する、水受け部としてのボウル8と、を有する。吐水装置7は、ボウル8や排水口8aなどを洗浄する目的で吐水を行う補助的な吐水装置であり、手洗器6の壁面に対して、矢印B1に示すように回動可能に取り付けられ、吐水方向などを変えられるようになっている。この吐水装置7は、第2実施形態による吐水装置である。なお、図12では図示していないが、手洗器6は、吐水装置7以外にも、利用者が手などを洗う場合に利用される主となる吐水装置を更に有する。
次に、図13及び図14を参照して、本発明の第2実施形態による吐水装置7について具体的に説明する。図13は、本発明の第2実施形態による吐水装置7を斜め上方から見た斜視図であり、図14(A)は、本発明の第2実施形態による吐水装置7のハウジングを取り外して見た正面図であり、図14(B)は、図14(A)中のXIVB−XIVB線に沿って見た断面図である。
図13に示すように、吐水装置7は、当該吐水装置7の前部を覆うハウジング71を有しており、このハウジング71には、プッシュスイッチとしてのスイッチ72が設けられている。また、このスイッチ72には、緑色光などの光を照射する第2のLED75が設けられている。図14(A)及び(B)に示すように、吐水装置7の内部には、つまりハウジング71の内側には、上記したスイッチ72及び第2のLED75に加えて、吐水口73aから噴霧吐水を行うように構成された、ノズル状の吐水部73と、青色光などの光を照射する第1のLED74と、が設けられている。更に、吐水装置7の後部には、吐水部73に接続されており、吐水部73に対して水(電解水も含む)を供給する流路76が配設されている。
次に、図15を参照して、本発明の第2実施形態における吐水部73の吐水範囲及び第1のLED74の照射範囲について説明する。図15(A)〜(C)は、それぞれ、本発明の第2実施形態による吐水装置7の正面図を示している。
図15(A)中の符号R21は、吐水部73の吐水範囲を示している。図15(A)に示すように、吐水部73は、噴霧吐水として、吐水口73aから所定角度θをもって水が広がっていくような、言い換えると吐水口73aの断面積(径)よりも広い範囲に水が広がっていくような、霧状の吐水を行う。吐水部73は、その内部において直進流と旋回流とを作り出し、これらの直進流と旋回流との相乗効果によって、単一の吐水口73a(複数の吐水口を適用してもよい)から、フルコーン状に噴霧吐水を行う。
また、吐水部73は、斜め方向に吐水を行う、具体的にはボウル8の排水口8a(図12参照)に向けて斜めに吐水を行う。図15(A)には表れていないが、より詳しくは、吐水部73は、ボウル8の排水口8aに向けて斜めに吐水を行うと共に、前方に向けて斜めに吐水を行う。吐水部73は、このような方向(吐水方向)に吐水を行うように配設されている。つまり、吐水部73は、所望の吐水方向に吐水を行うように、水平方向及び垂直方向のそれぞれに対して傾けて吐水装置7内に配設されている(図14(A)及び(B)参照)。
なお、吐水部73の「着水範囲」は、図15(A)に示すように吐水部73が噴霧吐水した水が、所定の対象物(ボウル8など)に着水する範囲を指し示す。また、吐水部73の「着水位置」は、そのような着水範囲内に含まれる位置を指し示す。
他方で、図15(B)中の符号R22は、第1のLED74の照射範囲を示している。図15(B)に示すように、第1のLED74は、図15(A)に示した吐水部73の吐水範囲R21と同様の範囲に光を照射する。この第1のLED74の照射範囲R22と吐水部73の吐水範囲R21とを重ね合わせると、つまり吐水部73が噴霧吐水を行うのと同時に第1のLED74が光を照射すると、図15(C)に示すようになる。
図15(C)に示すように、本実施形態では、第1のLED74の照射範囲R22が、吐水部73の吐水範囲R21とほぼ一致するようにする。つまり、第1のLED74が、吐水部73の吐水範囲R21のほぼ全体に光を照射するようにする。こうすることで、第1のLED74からの光によって、吐水部73による噴霧吐水を利用者に報知するようにしている。したがって、第1のLED74は、本発明における「報知部」として機能する。具体的には、第1のLED74は、本発明における「照明部」に相当する。
上記したような照射範囲R22を実現するために、第1のLED74は、吐水部73と同様に、前方に向けて斜めに光を照射すると共に、ボウル8の排水口8a(図12参照)に向けて斜めに光を照射する。第1のLED74は、このような方向(照射方向)に光を照射するように配設されている。つまり、第1のLED74は、所望の照射方向に光を照射するように、水平方向及び垂直方向のそれぞれに対して傾けて吐水装置7内に配設されている(図14(A)及び(B)参照)。例えば、第1のLED74は、吐水部73と同様の傾きにて、吐水装置7内に配設されている。また、第1のLED74はかなりの広範囲に渡って光を出射するものであるが、第1のLED74の先端部に対向するハウジング71の底面部に設けられた開口部(図示せず)によって、第1のLED74の出射光の一部分を適当に遮光することで、第1のLED74から所望の範囲にのみ光が照射されるようにしている。
このように、第2実施形態によるスイッチ72、吐水部73、第1のLED74及び第2のLED75は、それぞれ、第1実施形態によるスイッチ22、吐水部23、第1のLED24及び第2のLED25とほぼ同様に機能する。また、第2実施形態による吐水装置7も、図6に示したような第1実施形態による吐水装置2の機能構成と同様の機能構成を有する。更に、第2実施形態による吐水装置7でも、コントローラ40が、第1実施形態の「制御内容」のセクションで述べた内容と同様の制御を行う。以上より、第2実施形態による吐水装置7によっても、第1実施形態の「第1実施形態による作用効果」のセクションで述べた内容と同様の作用効果が奏される。
<変形例>
次に、上記した実施形態の変形例について説明する。以下で示す変形例は、適宜組み合わせて、上記した実施形態に適用することができる。また、ここでは、第1実施形態についての変形例として説明するが、当該変形例は第2実施形態にも適用可能であることは言うまでもない。
(変形例1)
上記した実施形態では、定期吐水モードにおいて、所定時間毎に自動で吐水を行っていた。この場合、定期吐水モードが設定されてから所定時間が経過したか否か(図11のステップS402)、及び、前回吐水を行ってから所定時間が経過したか否か(図11のステップS412)という条件を用いて、自動で吐水を行っていた。他の例では、このような条件を用いる代わりに、吐水回数によって規定された条件を用いてもよい。例えば、24時間以内に3回の吐水を行うべく規定された条件を用いてもよい。この例では、利用者が24時間以内にスイッチ22を短押し(ワンプッシュ)しなかった場合には、24時間以内に3回の吐水を全て自動で行う(つまり8時間毎に吐水を行うこととなる)。他方で、利用者が24時間以内にスイッチ22を短押しした場合には、利用者がスイッチ22を短押しした回数だけ、手動による吐水を行い、3回のうちの残りの回数のみを自動で吐水を行うようにする。
なお、上記した実施形態及び変形例の何れも、所定時間毎に予め定められた条件を満たすか否かを判定し、この条件が満たされている場合に自動で吐水を行う点で共通する。
(変形例2)
上記した実施形態では、吐水部23の吐水範囲R11のほぼ全体に光を照射していたが、こうすることに限定はされない。他の例では、少なくとも吐水部23の着水位置(吐水部23の着水範囲内の位置)を光で照射してもよい。この例は、吐水部23の吐水方向に向けて光を照射することとほぼ同義である。好適には、吐水部23の吐水範囲R11の中央部(換言すると着水範囲の中央部)に向かって光を照射するとよい。更に好適には、所定の範囲に渡る光を照射するとよい。このような変形例によっても、吐水部23の吐水を利用者に対して適切に報知することができる。
(変形例3)
上記した実施形態では、吐水部23の吐水開始前には第1のLED24を点滅状態にし、吐水部23の吐水中には第1のLED24を点灯状態に維持して、吐水開始前と吐水中とで報知の態様を異ならせていたが、報知の態様を異ならせる方法は、これに限定されない。他の例では、吐水開始前と吐水中とで、第1のLED24から照射させる光の強度を異ならせてもよい。
また、更に他の例では、吐水部23の吐水開始前に、報知の内容を時間変化させるようにしてもよい。例えば、吐水部23の吐水開始前において、第1のLED24から照射させる光の強度を徐々に変化させたり、第1のLED24を点滅させる場合の点灯と消灯とを切り替える周期を徐々に変化させたりしてもよい。これにより、利用者は吐水が開始されるタイミングを推測できるようになる。
(変形例4)
上記した実施形態では、噴霧吐水を行う吐水装置2を示したが、本発明は、噴霧吐水への適用に限定はされず、種々の吐水形態に適用可能である。本発明は、例えば、小さな径を有する多数の吐水口から水をシャワー状に吐水させるシャワー吐水や、比較的大きな径を有する1つ又はそれ以上の吐水口から直線状に水を吐水させるストレート吐水又は泡沫吐水や、泡沫吐水とシャワー吐水とを組み合わせた吐水形態など、種々の吐水形態を適用可能である。
(変形例5)
上記した実施形態では、除菌水(電解水)を吐水させていたが、これに限定はされず、通常水を吐水させてもよい。その場合、流路26上に電解槽38を設けなくてもよい。このように通常水を吐水させても、シンク4や排水口4aなどを清潔に保つことができる。
(変形例6)
上記した実施形態では、吐水装置2の吐水管21を回動可能にキッチン1の外壁に取り付けて(図1参照)、それにより吐水部23の吐水方向が変えられるようになっていたが、他の例では、吐水装置2の吐水管21に蛇腹などを適用して、この蛇腹によって吐水部23の吐水方向が変えられるように構成してもよい。
(変形例7)
上記した実施形態では、照射した光を用いて吐水に関する報知を行っていたが、そのような光を用いる代わりに、音を用いて吐水に関する報知を行ってもよい。例えば、ブザーから発せられた音によって、吐水に関する報知を行ってもよい。