JP6693217B2 - 極低温用高Mn鋼材 - Google Patents

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本発明は、液化天然ガス(LNG)、液体水素、液体ヘリウムなどの液化ガスの貯蔵容器など、極低温環境での使用に適する高Mn鋼材に関する。
液化天然ガス(沸点:−164℃)、液体水素(沸点:−249℃)、液体ヘリウム(沸点:−269℃)など、極低温環境下で使用可能な材料として、従来からSUS304等のNi−Cr系オーステナイト合金や9%Ni鋼板などが使用されてきた。しかし、Niを多量に含有する合金鋼はコストが高いため、NiをMnに置き換えた高Mn系オーステナイト合金が提案されている(例えば、特許文献1〜4、参照)。
特許文献1ではCrを0.3%以下に制限した高Mn鋼が、特許文献2では10%以上のCrを含有する高Mn鋼が提案されている。更に、特許文献3では、Cuの添加による炭化物生成の抑制と、溶接部の冷却速度の下限値の規制が提案されている。また、特許文献4では、0.01〜0.25%のC、15〜40%のMnを含有し、X=30×P+50×(S+N)+300×Oで表わされるパラメータが3.0%以下を満足することによって極低温においても高強度と高靭性を有する高Mn鋼が開示されている。
特開昭47−154号公報 特開昭59−104455号公報 国際公開第2013/100614号 特開2007−126715号公報
一般に、鋼の靱性を高めるには、結晶粒径の微細化が有効である。しかし、結晶粒界にCr炭化物やセメンタイトなどの炭化物が生成する場合、結晶粒径を微細化すると、破壊の起点が増加し、また、亀裂が伝播し易くなるため、必ずしも低温靭性が向上しない場合がある。一方で、鋼材に溶接が施される際に溶接熱影響部(HAZ)の結晶粒径が粗大化すると、溶接継手の低温靭性が低下する。
本発明はこのような実情に鑑み、母材及び溶接熱影響部の靱性に優れた、極低温用高Mn鋼材を提供するものである。
本発明は、結晶粒界に生成する炭化物が破壊の起点や亀裂の伝播の経路とならないように、オーステナイト粒径を適切なサイズに制御するものである。そして、本発明は、合金元素の添加量やバランス、更には、O量及びS量を適正に制御し、Mg、Ca、REMの1種又は2種以上を添加することにより、ピンニング効果を利用して、オーステナイト粒径を適正に制御し、HAZの結晶粒径の粗大化の抑制をも可能にするものである。本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、
C:0.001〜0.80%、
Mn:15.0〜35.0%、
S:0.0001〜0.01%、
Cr:0.01〜10.0%、
Ti:0.001〜0.05%、
N:0.0001〜0.10%、
O:0.001〜0.010%
を含有し、
P:0.02%以下、
に制限し、更に、
Si:0.001〜5.0%、
Al:0.001〜5.0%
の一方又は両方を含有し、更に、
Mg:0.01%以下、
Ca:0.01%以下、
REM:0.01%以下
の1種又は2種以上を合計で0.0002%以上含有し、
30C+0.5Mn+Ni+0.8Cr+1.2Si+0.8Mo≧25 ・・・ (式1)
O/S≧1 ・・・ (式2)
を満足し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
オーステナイトの体積率が95%以上であり、
前記オーステナイトの結晶粒径が20〜200μmであり、
前記オーステナイトの結晶粒界における炭化物被覆率が50%以下である
ことを特徴とする極低温用高Mn鋼材。
ただし、Ni、Si、Moを含まない場合、上記(式1)ではこれらの項を0とする。
(2)更に、質量%で、
Nb:0.05%以下、
Ta:0.05%以下、
Zr:0.05%以下、
V:0.10%以下
の1種又は2種類以上を含有することを特徴とする上記(1)に記載の極低温用高Mn鋼材。
(3)更に、質量%で、
Cu:3.0%以下、
Ni:3.0%以下、
Co:3.0%以下、
Mo:3.0%以下、
W:3.0%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の極低温用高Mn鋼材。
(4)更に、質量%で、
B:0.010%以下
を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の極低温用高Mn鋼材。
(5)更に、C、Si、Mn、P、S、Al、N、Cr、Cu、Ni、Co、Mo、Wの含有量が、
CI=−2C+0.8Si−0,2Mn+3.3Cr+9(Mo+W/2)
+1.5(Cu+Ni+Co)+60N+0.8Al−90P−90S
≧6.5 ・・・ (式3)
を満足することを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の極低温用高Mn鋼材。
ただし、Cu、Ni、Co、Mo、Wを含まない場合、上記(式3)ではこれらの項を0とする。
本発明によれば、母材及び溶接熱影響部の靱性に優れた極低温用高Mn鋼材を提供することが可能になる。具体的には、引張強さが800MPa以上の高強度で、150000J/cm程度までの大入熱溶接が可能で、−164℃以下、更には−269℃以下の極低温における各使用温度で100J以上のシャルピー吸収エネルギーを有し、好ましくは優れた耐食性をも具備する、極低温用高Mn鋼材の提供が可能になり、本発明は産業上の貢献が極めて顕著である。
結晶構造が体心立方構造(bcc)である鋼材は、例えば、マイナス数10度程度の低温で脆性破壊するため、極低温での使用には適していない。したがって、極低温用鋼材には、例えば、−196℃以下の温度で、結晶構造が面心立方構造(fcc)であるオーステナイトを安定に維持できることが求められる。これは、オーステナイトが不安定であると、極低温でマルテンサイトに変態し、靱性が低下することがあるためである。本発明者らは、極低温でオーステナイトを維持できるように安定化させるには、C、Mn、Ni、Cr、Si、Moの添加が有効であり、下記(式1)を満足する必要があるという知見を得た。
30C+0.5Mn+Ni+0.8Cr+1.2Si+0.8Mo≧25 ・・・ (式1)
また、靭性を向上させるためには、オーステナイト粒径を制御することが重要である。オーステナイト粒径が大き過ぎると、オーステナイト粒界への応力集中が発生し、粒界を起点として破壊が生じる。また、通常、オーステナイト粒径の微細化は靭性の向上に有効であるが、オーステナイトの結晶粒界に、硬質のCr炭化物やセメンタイトが生成すると、細粒化によって破壊の発生起点が増加し、また、亀裂の伝播が促進され、靭性が低下する場合がある。本発明者らの検討により、極低温靭性を確保するには、オーステナイト粒径を20〜200μmにする必要があることがわかった。
更に、極低温用鋼材を用いて液化ガスの貯蔵容器などを製造する際には溶接が施される。特に、溶接の効率を高めるために大入熱溶接を行うと、溶接熱影響部(HAZ)は1400℃に加熱され、結晶粒が粗大化し、靱性が低下する。母材の結晶粒径の微細化やHAZの結晶粒径の粗大化の抑制には、高温で安定な微細な粒子を利用するピン止め効果が有効である。
大入熱HAZの粒径の粗大化を抑制するためには、Mg、Ca、REMの1種又は2種以上を添加して、鋼中に微細な酸化物や酸硫化物を生成させることが有効である。しかし、本発明者らは、O量に対してS量が過剰になると、酸硫化物の熱的安定性が低下し、高温に加熱されたHAZのオーステナイトの粒成長を抑制し得る有効なピン止め粒子とならないため、下記(式2)を満足する必要があるという知見を得た。
O/S≧1 ・・・ (式2)
以下、本発明を詳細に説明する。まず、鋼材の各組成を限定した理由について説明する。
C:0.001〜0.80%
Cは、オーステナイトを安定化させ、強度を高める重要な元素であり、0.001%以上を添加する。好ましくは、C量を0.01%以上、より好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.10%以上とする。常温での強度が求められる場合、好適なC量は0.20%以上である。一方、C量が多すぎると、延性破壊の起点となるCr炭化物やセメンタイトの析出により、靱性が低下するため、上限を0.80%以下とする。好ましくはC量を0.70%以下、より好ましくは0.60%以下、更に好ましくは0.50%以下とする。
Mn:15.0〜35.0%
Mnは、オーステナイトを安定化させるために、15.0%以上を添加する。好ましくはMn量を17.0%以上、より好ましくは20.0%以上、更に好ましくは22.0%以上とする。一方、Mn量が35.0%を超えると、鋼材の耐食性の低下や溶接時のヒューム発生を招き、また、熱間加工性が低下して鋼材の表面に割れを生じる場合があるため、Mn量の上限を35.0%以下とする。好ましくはMn量を33.0%以下、より好ましくは30.0%以下とする。
Cr:0.01〜10.0%
Crは、オーステナイトを安定化させ、耐食性の向上に寄与し、また、固溶強化によって鋼材の強度を高める元素であり、0.01%以上を添加する。好ましくはCr量を0.10%以上、より好ましくは0.50%以上、更に好ましくは1.0%以上とする。一方、Cr量が10.0%を超えると、Cr炭化物を形成して靭性を劣化させるため、上限を10.0%以下とする。好ましくはCr量を8.0%以下、より好ましくは6.0%以下、更に好ましくは5.0%以下とする。また、Cr炭化物の析出による応力腐食割れ(SCC)を抑制するためには、Cr≦0.3/C+2を満足するように添加することが好ましい。
Ti:0.001〜0.05%
Tiは、鋼中のNとTiNを形成する元素であり、TiNは、Ca、Mg、REMの酸化物や酸硫化物を析出核として生成する。Ca、Mg、REMの酸化物や酸硫化物とTiNとの複合析出物は、熱的安定性に優れ、HAZの粒径の粗大化抑制に寄与する。このような効果を得るには、0.001%以上のTiを添加することが必要である。好ましくはTi量を0.005%以上、より好ましくは0.010%以上とする。一方、Tiを過剰に添加すると、粗大なTiNが生成して、靱性を低下させるため、Ti量の上限を0.05%以下とする。好ましくはTi量の上限を0.040%以下、より好ましくは0.030%以下、更に好ましくは0.025%以下とする。
N:0.0001〜0.10%
Nは、Ca、Mg、REMの酸化物や酸硫化物とTiNとの複合析出物を形成させて、HAZ靭性を向上させるために、含有量を0.0001%以上とする。また、Nは、オーステナイトの安定化や、特に低温での強化に有効な元素であり、好ましくはN量を0.0010%以上、より好ましくは0.0020%以上、更に好ましくは0.0030%以上とする。一方、N量が0.10%を超えると、強度の上昇や窒化物の影響により、靱性が劣化するため、上限を0.10%以下とする。好ましくはN量を0.03%以下とする。
O:0.001〜0.010%
Oは、Ca、Mg、REMの酸化物や酸硫化物を形成する元素であり、含有量を0.001%以上とする。一方、O量が0.010%を超えると、介在物による靭性の劣化が顕著になるため、上限を0.010%以下とする。好ましくはO量を0.0070%以下、より好ましくは0.0050%以下、更に好ましくは0.0030%以下とする。
S:0.0001〜0.01%以下
Sは不純物であり、含有量が過剰であると、MnSが起点となって延性破壊を助長し、靱性を低下させるため、S量を0.01%以下に制限する。また、S量が過剰であると、Ca、Mg、REMの酸硫化物に過剰にSが固溶して熱的安定性が低下する場合があるため、上限を0.005%以下に制限することが好ましい。より好ましくはS量を0.003%以下、更に好ましくは0.002%以下とする。S量の下限値は、製鋼コストの観点から0.0001%とする。
P:0.02%以下
Pは不純物であり、含有量が過剰であると結晶粒界にPが偏析し、粒界脆化によって靭性が低下するため、P量を0.02%以下に制限する。P量は0.015%以下が好ましく、より好ましくは0.010%以下、更に好ましくは0.008%以下とする。
Si、Al:それぞれ0.001〜5.0%
Si及びAlは、通常、脱酸元素として添加したり、強化のために添加することが多いが、本発明では、Cr炭化物やセメンタイトの生成を抑制するために一方又は両方を添加する。Si及びAlの添加による炭化物の生成の抑制は、本発明者らが得た新たな知見であり、効果を得るために、Si量、Al量の下限を何れも0.001%以上とする。好ましくは、Si量、Al量を単独で、又は、両方の合計で、0.01%以上とする。一方、Si量、Al量の上限は、粗大な介在物の生成による靭性の低下を防止するため、何れも5.0%以下とする。Si量、Al量の好ましい上限は、何れも2.0%以下であり、より好ましくは1.0%以下、更に好ましくは0.05%以下とする。
Mg、Ca、REM:それぞれ0.01%以下で、合計で0.0002%以上
Mg、Ca、REMは、微細な酸化物や酸硫化物を形成し、母材やHAZの結晶粒径の粗大化を抑制する重要な元素であり、1種又は2種以上を添加する。効果を得るために、Mg量、Ca量、REM量を単独で、又は、2種以上の合計で、0.0002%以上とする。好ましくは0.0005%以上、より好ましくは0.0010%以上とする。一方、Mg量、Ca量、REM量の上限は、粗大な介在物の生成による靭性の低下を防止するため、何れも0.010%以下とする。Mg量、Ca量、REM量の好ましい上限は、何れも0.0070%以下であり、より好ましくは0.0050%以下、更に好ましくは0.0040%以下とする。
更に、強度を向上させるため、必要に応じて、Nb、Ta、Zr、Vの1種又は2種以上を含有させることができる。
Nb、Ta、Zr:それぞれ0.05%以下、V:0.10%以下
Nb、Ta、Zr、Vは、炭化物や窒化物を形成し、析出強化によって強度の向上に寄与する元素であり、1種又は2種以上を添加することが好ましい。このうち、Zrは、鋼中にTiNと同様に、Ca、Mg、REMの酸化物や酸硫化物とZrNとの複合析出物を形成して、HAZの粒径の粗大化の抑制にも寄与する。Nb量、Ta量、Zr量、V量の下限は、何れも、0.005%以上が好ましい。一方、Nb量、Ta量、Zr量は0.05%、V量は0.10%を超えると、析出物の粗大化によって靱性が低下することがあるため、Nb量、Ta量、Zr量は何れも0.05%以下、V量は0.10%以下が好ましい。
更に、オーステナイトの安定性を高め、粒界へのCr炭化物やセメンタイトの析出を抑制するために、必要に応じて、Cu、Ni、Co、Mo、Wの1種又は2種以上を含有させることができる。
Cu:3.0%以下
Cuは、オーステナイトの安定化や強化、更にはCr炭化物やセメンタイトの析出の抑制に寄与する元素であり、0.01%以上の添加が好ましい。より好ましくはCu量を0.10%以上とする。一方、Cu量が3.0%を超えると熱間加工性が劣化することがあるため、上限は3.0%以下が好ましい。より好ましくはCu量を1.0%以下とする。
Ni、Co:それぞれ3.0%以下
Ni及びCoは、オーステナイトの安定化や強化、更にはCr炭化物やセメンタイトの析出の抑制に寄与する元素であり、何れも0.01%以上の添加が好ましい。より好ましくはNi量、Co量を、何れも0.10%以上とする。一方、Ni、Coを過剰に添加すると、マルテンサイトが生成し易くなり、溶接部の靭性や透磁率が劣化する恐れがあるため、Ni量、Co量を何れも3.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは、Ni量、Co量を何れも1.0%以下とする。
Mo、W:それぞれ3.0%以下
Mo及びWは、オーステナイトの安定化や強化、更にはCr炭化物やセメンタイトの析出の抑制に寄与する元素であり、何れも0.01%以上の添加が好ましい。より好ましくはMo量、W量を、何れも0.10%以上とする。一方、Mo、Wを過剰に添加しても効果は飽和するので、コストの観点から、Mo量、W量を何れも3.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは、Mo量、W量を何れも1.0%以下、更に好ましくは0.80%以下とする。
B:0.010%以下
Bは、オーステナイト粒界に偏析し、粒界破壊を防止して靭性や耐力を向上させる元素であり、0.0002%以上の添加が好ましい。より好ましくは、B量を0.0003%以上、更に好ましくは0.0010%以上とする。一方、Bを過剰に含有すると、靱性が低下することがあるため、B量は0.01%以下が好ましい。より好ましくはB量を0.005%以下とする。
必須的に含有されるC、Mn、Cr、更に、選択的に含有されるSi、Ni、Moは、オーステナイトを安定化させるために、含有量が下記(式1)を満足するように添加することが必要である。下記(式1)は、実験によって、元素と極低温でのオーステナイト量との関係から求められたものである。Si、Ni、Moを含まない場合は、含有量を0として計算する。
30C+0.5Mn+Ni+0.8Cr+1.2Si+0.8Mo≧25 ・・・ (式1)
Mg、Ca、REMの酸硫化物の熱的安定性を高め、高温に加熱されたHAZのオーステナイトの粒成長を抑制するためには、下記(式2)を満足することが必要である。(式2)は、実験によって、Mg、Ca、REMの酸化物及び酸硫化物によるHAZの粒径の粗大化の抑制の効果と、S量及びO量との関係から求めたものである。
O/S≧1 ・・・ (式2)
上述の元素のうち、炭化物の形成傾向やCrの保護性酸化膜の生成状態などを通じて、Crを含有する高Mnオーステナイト鋼材の耐食性の改善に有効な元素と悪影響を及ぼす元素とがある。大気暴露(1年)における腐食減量の大小をもとに各元素の効果を定量化し、得られた耐食性指標(Corrosion Index:CI)を6.5以上、好ましくは11.5以上とすれば、鋼材の腐食を顕著に抑制することができ、特に、大気暴露(60日)でもほぼ発錆しない優れた耐食性が得られる。CIを求める下記(式3)では、係数の符号がプラスの元素は耐食性を向上させ、係数の符号がマイナスの元素は耐食性を低下させることを意味する。また、係数の大きさは、影響の大きさを表している。
CI=−2C+0.8Si−0,2Mn+3.3Cr+9(Mo+W/2)+1.5(Cu+NI+Co)+60N+0.8Al−90P−90S ・・・ (式3)
ただし、Cu、Ni、Co、Mo、Wを含まない場合、上記(式3)ではこれらの項を0とする。
次に、本発明の極低温用高Mn鋼材の金属組織について説明する。
本発明の極低温用高Mn鋼材の金属組織は、極低温環境での脆性破壊を防止するため、オーステナイトの体積率を95%以上とする。オーステナイトの残部は、フェライト、マルテンサイト、ベイナイト、パーライトなどであるが、何れも極低温環境では脆化するため、5%未満に制限することが好ましい。オーステナイトの体積率は100%でもよい。オーステナイトの体積率は、光学顕微鏡による金属組織の観察の他、X線回折法や磁気誘導法によって測定することができる。
オーステナイトの結晶粒径は、極低温環境での靭性を確保するため、200μm以下とする。好ましくは150μm以下とする。一方、オーステナイトの結晶粒径が小さすぎる場合、結晶粒界に析出した硬質のCr炭化物やセメンタイトが破壊の発生起点になり、また、亀裂の伝播を促進させるため、オーステナイトの結晶粒径を20μm以上とする。好ましくは50μm以上とする。オーステナイトの結晶粒径は光学顕微鏡を用いた組織観察によって求めることができる。
オーステナイトの結晶粒界に存在する炭化物が近接している場合、炭化物の間や周囲に亀裂が生じたり、結晶粒界を亀裂が伝播し易くなり、靱性が低下する。したがって、靱性の低下を抑制するためには、炭化物によるオーステナイトの結晶粒界の被覆率(粒界炭化物被覆率)を50%以下に制御することが好ましい。炭化物粒界被覆率は低いほど好ましいが、1%以上であっても、5%以上であってもよい。オーステナイトの粒界炭化物被覆率は透過型電子顕微鏡を用いた組織観察によって求めることができる。
次に、本発明の極低温用高Mn鋼材の製造方法について説明する。
一般に、高Mn鋼は炭素鋼や低合金鋼に比べて熱間加工性が劣るため、適正な条件で圧延を行うことが好ましい。適正な条件から外れると、鋼片若しくは鋼塊又は鋼板の表面に割れが生じるので、歩留の低下を招く場合がある。鋼片又は鋼塊は、常法によって溶製し、鋳造することによって得られる。
鋼片又は鋼塊の加熱温度は、1000℃未満では、圧延時の変形抵抗が大きく、圧延機への負荷が過大になるため1000℃以上が好ましい。一方、1250℃を超えて高温に加熱すると、表面の酸化による歩留まりの低下が懸念されるため、加熱温度の上限は1250℃以下が好ましい。
鋼片又は鋼塊を加熱した後、熱間圧延を施す。結晶粒径を微細化するには、1100℃以下での累積圧下率を高めて再結晶を促進させることが必要であり、好ましくは1100℃から仕上温度までの累積圧下率を30%以上とする。熱間圧延の仕上温度は、オーステナイトの結晶粒径を過剰に微細化させず、20μm以上にするために、950℃以上が好ましい。
熱間圧延ままで極低温用高Mn鋼材を使用する場合は、熱間圧延後に強制冷却を施すことが好ましい。熱間圧延後、Cr炭化物やセメンタイトの析出を抑制し、低温靭性を高めるためには、500〜900℃の温度範囲の冷却速度を高めることが有効である。そのため、熱間圧延の終了後、900℃以上の温度から水冷等による強制冷却を行うことが好ましく、冷却速度は3℃/s以上が好ましい。強制冷却の停止温度は、600℃が好ましく、より好ましくは500℃とする。
熱間圧延後に強制冷却を施さない場合は、溶体化処理を施すことが好ましい。溶体化処理では、熱間圧延によって析出したCr炭化物やセメンタイトを鋼中に固溶させるために、加熱温度を950〜1250℃とし、900℃以上の温度から冷却速度を3℃/s以上とし、600℃以下の温度まで冷却することが好ましい。
以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼片を用い、表2に示す製造条件で高Mn鋼材を製造した。それぞれの鋼材(母材)の金属組織を光学顕微鏡で観察し、オーステナイトの体積率(γ体積率)、結晶粒径(γ粒径)を測定した。また、炭化物(Cr炭化物及びセメンタイト)は透過型電子顕微鏡により10000倍の倍率にて20視野観察し、オーステナイトの粒界炭化物被覆率を測定した。また、炭化物の円相当径を測定し、各炭化物の体積を算出して体積率を求めた。
Figure 0006693217
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更に、JIS Z 2241に準拠して室温で引張試験を行い、降伏強度(YS)、引張強度(TS)を測定した。また、JIS Z 2242のVノッチ試験片を用いて、液体窒素温度(−196℃)及び液体He温度(−269℃)におけるシャルピー吸収エネルギーを測定した。耐食性の評価は、200mm×500mmの鋼板をエメリ―研磨し、60日の大気曝露試験を行って評価した。発錆性の評価は、曝露期間が終了した後に錆が発生した面積率(発錆率)を測定し、評価した。発錆率が5%以下を大変良好(◎)、5%超〜10%以下を良好(○)、10%超〜25%以下をやや不良(△)、25%超を不良(×)とした。結果を表3に示す。
Figure 0006693217
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また、溶接熱影響部の金属組織及び特性を評価するため、表4に示す条件で、熱サイクルシミュレータにより溶接の熱サイクルを再現する熱処理を施した。オーステナイトの結晶粒径(γ粒径)は光学顕微鏡による組織観察によって測定した。オーステナイト粒界の炭化物被覆率、炭化物体積率は、母材と同様に、透過型電子顕微鏡を用いて求めた。また、JIS Z 2242のVノッチ試験片を用いて、液体窒素温度(−196℃)及び液体He温度(−269℃)におけるシャルピー吸収エネルギーを測定した。結果を表4に示す。
Figure 0006693217
Figure 0006693217
表3及び4から、本発明例に係る高Mn鋼材は、母材及びHAZの特性に優れており、極低温材料として優れていることが分かる。これに対して、本発明で規定する条件を満足しない比較例では、強度、シャルピー特性の一方又は両方において、目的とする特性が得られない。また、表3に示したように、表1に、その値を記載したCIの高い鋼材は耐食性も良好である。
本発明に係る高Mn鋼材は安価な合金成分を用い液体ヘリウム、液体水素、LNG、液体窒素など極低温で使用されるタンク等に適した鋼材として使用可能であり、高価なアルミニウム合金、Ni系オーステナイトステンレス鋼、9%Ni鋼材の代替として使用することができるので、Ni資源の節約に貢献し、タンク建造コストの低減を可能にするものである。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.001〜0.80%、
    Mn:15.0〜35.0%、
    S:0.0001〜0.01%、
    Cr:0.01〜10.0%、
    Ti:0.001〜0.05%、
    N:0.0001〜0.10%、
    O:0.001〜0.010%
    を含有し、
    P:0.02%以下、
    に制限し、更に、
    Si:0.001〜5.0%、
    Al:0.001〜5.0%
    の一方又は両方を含有し、更に、
    Mg:0.01%以下、
    Ca:0.01%以下、
    REM:0.01%以下
    の1種又は2種以上を合計で0.0002%以上含有し、
    30C+0.5Mn+Ni+0.8Cr+1.2Si+0.8Mo≧25 ・・・ (式1)
    O/S≧1 ・・・ (式2)
    を満足し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
    オーステナイトの体積率が95%以上であり、
    前記オーステナイトの結晶粒径が20〜200μmであり、
    前記オーステナイトの結晶粒界における炭化物被覆率が50%以下であり、
    JIS Z 2241に準拠して室温で測定される母材の引張強度が780MPa以上であり、
    JIS Z 2242のVノッチ試験片を用いて測定される−196℃及び−269℃における母材及び溶接熱影響部のシャルピー吸収エネルギーが100J以上である
    ことを特徴とする極低温用高Mn鋼材。
    ただし、Ni、Si、Moを含まない場合、上記(式1)ではこれらの項を0とする。
  2. 更に、質量%で、
    Nb:0.05%以下、
    Ta:0.05%以下、
    Zr:0.05%以下、
    V:0.10%以下
    の1種又は2種類以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の極低温用高Mn鋼材。
  3. 更に、質量%で、
    Cu:3.0%以下、
    Ni:3.0%以下、
    Co:3.0%以下、
    Mo:3.0%以下、
    W:3.0%以下
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の極低温用高Mn鋼材。
  4. 更に、質量%で、
    B:0.010%以下
    を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の極低温用高Mn鋼材。
  5. 更に、C、Si、Mn、P、S、Al、N、Cr、Cu、Ni、Co、Mo、Wの含有量が、
    CI=−2C+0.8Si−0,2Mn+3.3Cr+9(Mo+W/2)
    +1.5(Cu+Ni+Co)+60N+0.8Al−90P−90S
    ≧6.5 ・・・ (式3)
    を満足することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の極低温用高Mn鋼材。
    ただし、Cu、Ni、Co、Mo、Wを含まない場合、上記(式3)ではこれらの項を0とする。
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