JP7135465B2 - 耐摩耗厚鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、耐摩耗部材に用いられる板厚3mm以上であって熱間圧延を行って製造する耐摩耗厚鋼板に関するものである。
従来の耐摩耗用途の厚鋼板は、特許文献1などに開示されるような0.1~0.3%程度のCを含有する鋼を焼入れして金属組織をマルテンサイトにすることで製造されている。そのような鋼板のビッカース硬度は400~600Hv程度と顕著に高く、耐摩耗性に優れる。しかし、マルテンサイト組織は大変硬いために曲げ加工性や靭性が劣る。また、硬さを増加させるためにCを多く添加するが、0.2%以上含有させると溶接割れが発生する可能性がある。
一方、耐摩耗性と延性を併せ持つ素材として高Mn鋳鋼が用いられている。高Mn鋳鋼はマトリックスがオーステナイトであるために延性や靭性が良好である。しかし、高Mn鋳鋼は、岩石の衝突などにより表面部が塑性変形を受けると、変形双晶や条件によっては加工誘起マルテンサイト変態が生じて、表面部の硬さだけが著しく高くなる特性を有している。このため衝撃面の耐摩耗性が向上するが、中心部はオーステナイトのままなので延性や靭性を保持できる。
このような高Mn鋳鋼としては、JIS G5131に定められたものや、さらにC量やMn量を高めて機械的性質、耐摩耗性の向上を図ったものが数多く提案されている(特許文献2~8等を参照)。
これらの高Mn鋳鋼では、耐摩耗性の改善のためにC量を1%以上に高くしている場合が多い。そのような鋼では、延性や靭性に優れたオーステナイトといえども炭化物が多く析出するなどのために延性や靭性が低下する場合がある。そこで鋳造後にオーステナイト域で溶体化後水冷する熱処理(水靭処理)を行って製造する。水靭処理は通常の空冷冷却中に生じる炭化物の析出を急速に冷却することで抑制し、延性や靭性を改善するために行うものである。同様の目的から、Ti、V、Nb、Zr、B等の炭化物形成元素を添加して、結晶粒の微細化あるいは炭化物の析出形態制御(球状炭化物を結晶粒内に分散させる)により高Mn鋳鋼の延性や靭性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献3、4および6~8を参照)。これらの方法はある程度の靱性の改善効果は認められるものの、画期的に耐摩耗性と靭性を兼ね備えた特性は得られていないのが現状である。特に、Ti、V、Nb、Zr、Ta等を添加させて結晶粒を微細化する場合には、これら元素は凝固時に作用させないといけないために多量に添加する必要がある。このため炭化物または窒化物等の析出物が粗大かつ大量に析出し、疲労破壊の起点となる場合もある。またTi、V、Nb、Zr、Ta等は高価な元素であり、これら元素の添加はコストアップの要因となる。
結晶粒の微細化は上記したような延性や靭性の向上だけでなく、加工硬化特性の向上にも有効である。このため、高Mn鋳鋼の結晶粒の微細化はTi、V、Nb、Zr、B等の添加の他に、高Mn鋳鋼の鋳込温度を低くすることが提案されている。しかし、高Mn鋳鋼の鋳込温度を低くすることには限界があり、高Mn鋳鋼の鋳込温度を下げると鋳造欠陥が発生しやすくなる問題もある。
特開2014-194042号公報 特公昭57-17937号公報 特公昭63-8181号公報 特公平1-14303号公報 特公平2-15623号公報 特開昭60-56056号公報 特開昭62-139855号公報 特開平1-142058号公報
本発明は、このような実情に鑑み、耐摩耗性と靱性の両方に優れた耐摩耗厚鋼板を提供することを目的とするものである。
耐摩耗性や靭性を両立させるためには、まず、使用温度でオーステナイト相主体の組織であることが必要であり、α’マルテンサイトやεマルテンサイトが主体の組織にならないために必要十分なオーステナイトの安定性が必要である。
次に、耐摩耗性を改善するには、Cの含有量を1%前後に高め、岩石の衝突などによる塑性変形で双晶変形が生じて顕著な加工硬化が生じるか、または加工誘起マルテンサイト変態によって硬質のマルテンサイトが生成して表層の硬度が顕著に上昇することが必要である。このような観点から積層欠陥エネルギーとオーステナイトの安定性を適正に制御するためにCやMnの添加量を制御することが必要であることが判った。
また、靭性の改善には、オーステナイト粒の微細化が極めて有効であり、熱間圧延によりこれを達成できることが判った。また、細粒化の効果はホールとペッチの関係などで知られているような「結晶粒径の-1/2乗」に比例した向上効果に加えて、オーステナイト粒界に生成する炭化物を微細に分散させる効果があり、オーステナイト粒の微細化はこれと相乗的に靭性を向上させることを見出した。
以上に述べたように、本発明は、鋼板の成分を適切に制御すること、および熱間圧延により結晶粒の微細化を図ることで以下の耐摩耗厚鋼板を提供するものである。
(1)質量%で、C:0.35~1.6%、Si:0.01~2%、Mn:5~30%、Al:0.001~0.3%を含有し、P:0.05%以下、S:0.05%以下に制限し、残部がFeおよび不純物からなり、CおよびMnの含有量(質量%)が、-20C+30≦Mn≦-20C+45を満たすことを特徴とする、耐摩耗厚鋼板。
(2)平均粒径が20~200μmであるオーステナイト粒を含むことを特徴とする、(1)に記載の耐摩耗厚鋼板。
(3)質量%で、O:0.0001~0.01%を含有し、Mg:0.0001~0.01%、Ca:0.0001~0.01%、およびREM:0.0001~0.01%のうち1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする、(1)または(2)に記載の耐摩耗厚鋼板。
(4)S含有量が、質量%で0.0001~0.01%であり、OおよびSの含有量(質量%)がO/S≧1.0を満たすことを特徴とする、(3)に記載の耐摩耗厚鋼板。
(5)質量%で、Cu:3%以下、Ni:3%以下、およびCo:3%以下のうち1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする、(1)~(4)のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
(6)質量%で、Cr:5%以下をさらに含有することを特徴とする、(1)~(5)のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
(7)質量%で、Mo:5%以下、およびW:6%以下のうち1種または2種をさらに含有することを特徴とする、(1)~(6)のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
(8)質量%で、Nb:0.3%以下、V:0.3%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.3%以下、およびTa:0.3%以下のうち1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする、(1)~(7)のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
(9)質量%で、B:0.3%以下をさらに含有することを特徴とする、(1)~(8)のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
(10)質量%で、N:1%以下をさらに含有することを特徴とする、(1)~(9)のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
(11)下記式(i)で表されるCIPが3.2以上であることを特徴とする、(1)~(10)のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
CIP=-1C+0.88Si-0.2Mn+3.3Cr+9(Mo+W/2)+1.5(Cu+Ni+Co)+6N+0.8Al-90P+1.5 (i)
式中、C、Si、Mn、Cr、Mo、W、Cu、Ni、Co、N、AlおよびPは、前記耐摩耗厚鋼板中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
以上説明したように、本発明は、合金組成と金属組織を熱間圧延を用いて適切に制御し、結晶粒の微細化を図ることによって靭性に優れ、さらには耐摩耗性にも優れた厚鋼板を提供するものである。本発明の耐摩耗厚鋼板は、3mm程度から200mm程度までの多様な板厚で幅5m程度、長さ50m程度に製造することが可能であり、破砕機用ライナーなどの衝撃が加わる比較的小型の耐摩耗部材に限らず、極めて大型な建設機械用部材および耐摩耗構造部材として用いることができる。また、同様な特性を持つ鋼管、形鋼を製造することもできる。さらに、本発明の好適態様によれば、酸硫化物を利用して溶接部における結晶粒の粗大化を抑制することができるので、溶接部の靱性にも優れた耐摩耗厚鋼板を提供することが可能である。加えて、本発明の好適態様によれば、鋼板中に含まれる各元素の含有量が所定の関係式を満足するように当該鋼板の組成を適切に制御することにより、このような関係式を満足しない鋼板と比較して、腐食環境下における耐摩耗性が顕著に改善された耐摩耗厚鋼板を提供することが可能である。
以下、本発明の耐摩耗厚鋼板について詳細に説明する。なお、本発明において「厚鋼板」とは、板厚が3mm以上であって、熱間圧延によって製造された圧延鋼板を言うものである。まず、本発明の耐摩耗厚鋼板に含まれる各成分の限定理由について説明する。なお、元素の含有量に関する「%」は、特に断りがない限り、「質量%」を意味するものである。
[C:0.35~1.6%]
Cはオーステナイトを安定化する目的と耐摩耗性を改善する目的で添加する。耐摩耗性の改善のためには、0.35%以上の含有が必要で、特に高い耐摩耗性が必要な場合には0.8%以上含有させる。一方、Cの含有量が1.6%を超えると炭化物が粗大かつ多量に生成するために高い靱性を得ることができない。よって、Cの含有量は1.6%以下とする。
[Si:0.01~2%、Al:0.001~0.3%]
SiおよびAlは、通常、脱酸元素として添加したり、固溶強化のために添加することが多いが、本発明では、CrやFe炭化物の生成を抑制するために添加する。本発明において炭化物の生成を抑制する元素を種々検討し、AlおよびSiを所定量含有させることで炭化物の生成が抑制されることを見出した。具体的には、Siは0.01~2%、好ましくは0.01~1%の範囲で含有させ、Alは0.001~0.3%の範囲で含有させる。0.01%未満のSi含有量および0.001%未満のAl含有量では炭化物生成の抑制効果が得られないからである。一方、2%超のSi含有量および0.3%超のAl含有量では粗大な介在物を発生させる可能性があり、延性および靱性の劣化をもたらすおそれがあるためである。
[Mn:5~30%、-20C+30≦Mn≦-20C+45]
Mnはオーステナイト安定化元素であり、Cとともにオーステナイトを安定にするために添加する。この目的のためにMnは5~30%含有させる。より好ましくは10%以上含有させる。加えて、オーステナイト安定化の観点から、Mnの含有量は、Cの含有量との関係で-20C+30(%)以上とする必要がある。この値未満ではオーステナイトの安定性が低下し、製造したままの状態で硬質のマルテンサイトやεマルテンサイトが生成してしまい、延性、靭性および加工性を低下させるからである。一方で、MnはCに比較して高価な元素であり、必要以上に添加しないために、Mnの含有量は-20C+45(%)以下とする。-20C+45(%)のMn含有量においてオーステナイトの安定性は十分確保されており、この値を超えて添加する必要がないからである。なお、オーステナイトの安定化に関するCの影響は非常に大きく、また、Mnは含有量が多いので、鋼板中のCおよびMn以外の添加成分の影響は小さい。したがって、本発明においてMnの含有量はCの含有量との関係において決定すれば十分である。
[P:0.05%以下]
Pは、一般に不純物として含有され、粒界に偏析し延性や靭性を低下させるので、できるだけ低減することが好ましく、0.05%以下とする。Pの含有量の下限は0%でもよいが、過度なP量の低減は精錬コストの高騰を招くため、0.0001%以上を含有させてもよい。
[S:0.05%以下]
Sは、不純物であり、過剰に含有させると粒界に偏析したり、粗大なMnSを生成し、延性や靭性を低下させるので、Sの含有量を0.05%以下に制限する。Sの含有量の下限は0%でもよいが、後述するように、Mg、Caおよび/またはREM(希土類金属:Rare-Earth Metal)と鋼中で酸硫化物を生成し、オーステナイト結晶粒の成長を抑制し、鋼板の靭性、特に溶接熱影響部(HAZ:Heat-Affected Zone)の靭性の向上に有効であるので0.0001%以上を含有させてもよい。なお、本発明において、「酸硫化物」とは、OとSの両方を含有する化合物だけでなく、酸化物および硫化物をも包含するものである。
[O:0.0001~0.01%、且つMg:0.0001~0.01%、Ca:0.0001~0.01%、およびREM:0.0001~0.01%のうち1種または2種以上]
Oに加えてMg、CaおよびREMのいずれか1種または2種類以上を添加する場合には、Oを0.0001~0.01%の範囲で含有させ、Mg、CaおよびREMのいずれか1種または2種類以上をそれぞれ0.0001~0.01%の範囲で、好ましくは合計0.01%以下の量で含有させる。これは、鋼中にMg、Caおよび/またはREMの酸化物、さらにはこれらの元素と鋼中に含まれ得るSとの間で酸硫化物を生成させ、鋼板、特に鋼板のHAZで結晶粒が粗大にならないようにするためである。Oの含有量は、HAZにおける細粒化による高靭化効果を確実に得るため0.0001%以上とする。一方、0.01%を超えると、酸化物の粗大化や粒界への偏析により延性や靭性が却って低下するので、Oの含有量は0.01%以下とする。これら酸硫化物による粒成長のピン止め効果で得られるHAZのオーステナイトの結晶粒径は、数十μmから200μmであり、どのような溶接条件でも200μmを超えることはない。このようにHAZを含め鋼材のオーステナイト粒径を200μm以下に制御するために上記元素を添加する。また、これらの元素が鋼中のSと結びついて硫化物として析出する場合には、通常、高Mn鋼で多量に生成するMnSの生成を抑制することができる。MnSは圧延時により顕著に延伸し、延性や靭性を著しく低下させるので、上記のピン止め効果とともにこのようなMnSの生成抑制効果を得るために、Mg、CaおよびREMの含有量はそれぞれ0.0001%以上とする。0.0001%未満であると、酸硫化物の量が少なくピン止め効果が得られないからである。一方、Mg、CaおよびREMの含有量はそれぞれ0.01%以下とする。0.01%を超えると、粗大な介在物を発生させる可能性があり、延性および靱性の劣化をもたらすおそれがあるためである。
[S:0.0001~0.01%、O/S≧1.0]
上記のとおり、Sは、Mg、Caおよび/またはREMと酸硫化物を作り結晶粒の微細化に有効である。したがって、Mg、Caおよび/またはREMとともにSを含有させる場合には、とりわけHAZにおける細粒化による高靭化効果を得るために、Sの含有量は0.0001%以上とする。一方、0.01%以下とすることにより硫化物の粗大化や粒界への偏析が抑制されるので、Sを含有させる場合は、Sの含有量は0.01%以下とすることが好ましい。ここで、Sと鋼板中に含まれるOの含有量がO/S≧1.0の関係を満たす場合に、とりわけHAZにおける結晶粒の細粒化による高靭化効果を最大化することができる。硫化物は酸化物に対して熱的に不安定であるため析出粒子中のSの比率が高まると高温まで安定なピンニング粒子とならない。そこで、Sの含有量を0.01%以下にして、鋼板に含有させるOとSの質量比をO/S≧1.0、好ましくはO/S≧1.5、より好ましくはO/S≧2.0に制御する。このとき酸硫化物の析出状態は最良となり、HAZにおけるオーステナイト粒の平均粒径を150μm以下とすることができる。
[Cu:3%以下、Ni:3%以下、およびCo:3%以下のうち1種または2種以上]
Cu、NiおよびCoは、マトリクスの靭性向上とオーステナイトの安定化のためとオーステナイト粒界に析出するCrやFeの炭化物の析出を抑制する観点から添加してもよい。これらの元素は微量でも効果を奏するため、特定の下限値は規定しない。好ましくはCu、Ni、Coのいずれか1種または2種以上をそれぞれ0.05%以上、より好ましくは0.1%以上含有させる。但し、それぞれの含有量が3%を超えると靭性向上の効果が飽和し、コストも増加するので、これらの元素を含有させる場合は、各元素の含有量は3%以下、好ましくは1%以下とする。
[Cr:5%以下]
Crは耐食性や加工硬化特性を向上させる元素で必要に応じて5%まで含有させることができる。一方、5%を超えると粒界炭化物の析出を促進させ靭性を低下させるため、Crを含有させる場合は、Crの含有量を5%以下、好ましくは1.5%以下とする。Crの含有量の下限値は規定しないが、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上とする。
[Mo:5%以下およびW:6%以下のうち1種または2種]
MoとWは、鋼を強化したり、オーステナイト相におけるCの活量を低下させることでオーステナイト粒界に析出するCrやFeの炭化物の析出を抑制し、靭性や延性を改善したりする効果があるので必要に応じて添加してもよい。これらの元素は微量でも効果を奏するため、それぞれの含有量については特定の下限値は規定しない。ただし、過剰に添加してもその効果は飽和するので、これらの元素を含有させる場合は、Moの含有量は5%以下、好ましくは1%以下とし、Wの含有量は6%以下、好ましくは1%以下とする。MoおよびWの含有量の下限値は規定しないが、それぞれの含有量は好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上、より一層好ましくは0.1%以上とする。
[Nb:0.3%以下、V:0.3%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.3%以下、およびTa:0.3%以下のうち1種または2種以上]
Nb、V、Ti、ZrおよびTaは、鋼中で炭窒化物などの析出物を作り、これが鋼の凝固時にオーステナイト粒の粗大化を抑制することで靭性の向上効果がある。また、オーステナイト中のCやNの活量を低下させ、セメンタイトやグラファイトなどの炭化物の生成を抑制する。さらに固溶強化や析出強化を通じて鋼の強化にも寄与する。これらの目的からNb、V、Ti、ZrおよびTaのうち1種または2種以上を添加することができる。なお、これらの元素は微量でも効果を奏するため、それぞれの含有量については特定の下限値は規定しないが、Nb、V、Ti、ZrおよびTaのそれぞれの含有量は好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.01%以上とする。しかしながら、Nb、V、Ti、ZrおよびTaについてはそれぞれ0.3%を超えて含有させると、析出物の粗大化が顕著となり延性や靭性が低下する。よって、これらの元素を含有させる場合の含有量はそれぞれ0.3%以下とすることが好ましい。特に、特に、Ti、ZrおよびTaの含有量については、それぞれ0.03%以下とすることが好ましい。また、より好ましくはNb、V、Ti、ZrおよびTaの合計の含有量を0.03%以下とする。
[B:0.3%以下]
Bは、オーステナイト粒界に偏析することにより粒界破壊を防止し耐力を向上させる効果を有するので、必要に応じて含有させてもよい。なお、Bは微量でも効果を奏するため、含有量については特に下限値は規定しないが、粒界破壊をより確実に抑制するには、B含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。一方、含有量が0.3%を超えると靱性が悪化する。よって、Bを含有させる場合は、その含有量は0.3%以下とする。
[N:1%以下]
Nは、オーステナイトの安定化と耐力向上に有効な元素である。オーステナイトの安定化元素としてNはCと同等の効果を有し、粒界析出による靱性劣化などの悪影響を及ぼさず、極低温での強度を上昇させる効果がCよりも大きい。また、Nは窒化物形成元素と共存することによって、鋼中に微細な窒化物を分散させるという効果を有する。なお、Nは微量でもこれらの効果を奏するため、含有量について特に下限値は規定しないが、これらの効果を確実に発現させるためには、Nの含有量を0.005%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.007%以上、より一層好ましくは0.01%以上とする。一方、N含有量が1%を超えると靱性の劣化が著しくなるため、Nを含有させる場合は、Nの含有量は1%以下とする。好ましくは、Nの含有量は0.3%以下、より好ましくは0.1%以下、より一層好ましくは0.03%以下とする。
本発明に係る厚鋼板において、上記成分以外の残部は、Feおよび不純物、特には不可避的不純物からなる。ここで、不純物とは、厚鋼板を工業的に製造する際に、鉱石やスクラップ等のような原料を始めとして、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
[オーステナイト粒の平均粒径:20~200μm]
まず、高Cおよび高Mnオーステナイト鋼の靭性の低下メカニズムについて説明する。当該高Cおよび高Mnオーステナイト鋼ではC量が1%程度と大変高いためにオーステナイト粒界を主体に粒内にも鉄炭化物が多数生成する。これらの炭化物は鉄母相に比較して硬質であるので外力を受けた際に炭化物周囲の応力集中を高め、炭化物間あるいは炭化物周囲に亀裂が生じてやがて破壊に至る。この時、鋼を破壊に至らしめる応力集中は結晶粒径が小さいほど低下する。従って、このような破壊を抑制するためには炭化物を微細化することに加えてオーステナイト結晶粒径を微細化することが大変有効な手段となる。炭化物の成長は大変早く、これを抑制することはなかなか困難だからである。そこで、本発明では、炭化物の生成抑制にも配慮しつつ、基本的にはオーステナイト粒の微細化により靭性の向上が達成される。より具体的には、本発明で規定される化学組成を有する厚鋼板は、金属組織として主としてオーステナイト相を含み、特には体積分率で90%以上またはほぼもしくは完全に100%のオーステナイト相を含む。ここで、本発明の厚鋼板は、上記のとおり熱間圧延によって製造されるものであるため、後で詳しく説明するように、鋼板中のオーステナイト粒が当該熱間圧延によって微細化されており、よって優れた靱性を有する。本発明によれば、このような熱間圧延により、鋼板中のオーステナイト粒は、好ましくは20~200μm、より好ましくは20~150μm、最も好ましくは20~100μmの平均粒径を有するように制御することができる。なお、本発明の耐摩耗厚鋼板によれば、例えば、溶接によって高温にさらされた場合でさえ、溶接熱影響部におけるオーステナイト粒の平均粒径を20~200μmの範囲に維持することが可能であり、さらには、上記のように鋼板中のOとSの質量比をO/S≧1.0とすることで、溶接熱影響部におけるオーステナイト粒の平均粒径を20~150μmの範囲に維持することも可能である。なお、上記の下限値は、本明細書において説明される熱間圧延や酸硫化物等によるピン止め効果で達成可能なレベルを示すものである。但し、炭化物の核生成となるオーステナイト粒界を減じ、炭化物の生成を抑制することで、靭性をさらに向上させる観点からは、オーステナイト平均粒径を20μm以上とすることが好ましい。一方、上記の各上限値は、同様に、本明細書において説明される熱間圧延や酸硫化物等によるピン止め効果でそれぞれ達成可能な値であり、これらの値以下にオーステナイト粒の平均粒径を制御することで-40℃程度までの使用に対して十分な靭性を実現することができる。
なお、本発明において、「オーステナイト粒の平均粒径」は、圧延後の鋼板を切断し、断面の金属組織を光学顕微鏡や電子顕微鏡などにより拡大して観察することによって求められる。より具体的には、1mm×1mmの視野を100倍程度に拡大し、結晶粒径1個当たりの平均面積を求める。結晶粒径が等方的な場合(アスペクト比(長径と短径の比率が概ね1.5以内)には円相当の直径を求めこれを平均する。また、結晶粒径が異方的な場合(アスペクト比1.5超)の場合にはアスペクト比を有する楕円体相当の長径を求めこれを平均する。等方的な粒と異方的な粒が混在する時にはこれらを合算して平均することによって行う。なお、これと同等の処理であれば電子顕微鏡や後方散乱電子回折を用いた結晶方位解析装置(EBSP)を用いても良い。
次に、上記のオーステナイト粒径の達成手段について述べる。本発明は厚鋼板に関するものであるので、結晶粒径の微細化には熱間圧延による再結晶を利用することが可能である。再結晶による結晶粒の微細化は、例えば下記(1)式のように表わされる。ここで、Drexは再結晶後の平均結晶粒径、D0は再結晶前の平均結晶粒径、εは圧延による塑性歪み、p、q、rは正の定数である。
rex=p・D0 q・ε (1)
(1)式に従えば、圧延の塑性歪みをできるだけ大きくして、複数回圧延を行えば所定の結晶粒径を得ることができる。例えば、p=5、q=0.3、r=-0.75のとき、初期粒径すなわち再結晶前の平均結晶粒径を600μmとすると、再結晶後の平均結晶粒径を200μm以下とするには0.095以上、特に再結晶後の平均結晶粒径を100μm以下とするには0.25以上の歪みで圧延することが必要となる。また、再結晶後の平均結晶粒径を20μm以上に維持するには2.1以下の歪みであれば良い。これは、目安であって実際には再結晶後の粒成長や多パス圧延の効果を考慮して微調整する必要があるが、900~1100℃の温度範囲における累積圧下率が20%以上95%以下の熱間圧延により、概ね20μm以上100μm以下のオーステナイト粒の平均粒径を達成することが可能である。
また、上記条件に加えて熱間圧延の仕上げ温度を制御することも重要である。圧延仕上げ温度を850℃未満とするとオーステナイトが完全に再結晶しなかったり、再結晶しても平均結晶粒径が20μm以下に過剰に微細化されてしまったりするからである。圧延仕上げ温度を850℃以上に保っておけばこのような懸念は発生しない。よって、圧延仕上げ温度は850℃以上とした。なお、完全に再結晶が行われないと金属組織中には多くの転位や変形双晶が導入され、その後の冷却で、炭化物が多量に生成してしまい延性や靭性を向上させる為にも好ましくない。
また、このような圧延に先立って鋼片は、1000~1300℃に加熱する。1000℃未満では圧延時の変形抵抗が大きく圧延機に過大な負荷がかかることやオーステナイト中の炭化物を完全に固溶できない場合があるので、加熱温度は1000℃以上とする。一方、1300℃を超えて高温に加熱すると、表面の酸化による歩留まりの低下が懸念されるとともに、オーステナイト粒が粗大化してしまい、その後に熱間圧延しても容易に細粒化できなくなるため1300℃以下とする。
また、前記圧延の後には水冷を実施することが望ましい。水冷の目的は圧延後の炭化物の生成を抑制し、延性や靭性を高めるためである。炭化物は熱力学的かつ拡散可能かどうかの観点から析出可能となる500℃~900℃程度までの温度範囲の滞在時間をできるだけ短くすることが必要である。このような観点から圧延終了後は可及的速やかに水冷による強制冷却を行うのが良い。その際、冷却速度は1℃/s以上であることが望ましい。1℃/s未満の冷却速度では、加速冷却の効果が十分には得られないからである。また、冷却はできるだけ高温側から開始するのが良いが、少なくとも炭化物が実際に析出し始める850℃以上の温度で開始することが望ましい。また、冷却終了温度としては500℃以下とすることが好ましい。この温度範囲ではFeの拡散がほぼ起こらなくなるからである。なお、水冷による加速冷却は、上記のような炭化物の生成抑制効果だけでなく、結晶粒の成長を抑制する効果も有する。したがって、結晶粒の成長を抑制するという観点からも、圧延と水冷を組み合わせて実施することが好ましい。
上記の水冷等による加速冷却を行わない場合、例えば、熱間圧延後に空冷によって冷却した場合には、析出した炭化物を分解等するために、熱間圧延後の鋼材に熱処理を施す必要がある。このような熱処理としては溶体化処理を挙げることができる。当該溶体化処理の条件は、例えば、900℃以上1250℃以下の温度に再加熱し、900℃以上の温度から冷却速度1℃/sの水冷を行い、500℃以下の温度まで冷却することである。
[CIP:3.2以上]
本発明によれば、下記式(i)で表されるCIPが3.2以上であることが好ましい。
CIP=-1C+0.88Si-0.2Mn+3.3Cr+9(Mo+W/2)+1.5(Cu+Ni+Co)+6N+0.8Al-90P+1.5 (i)
式中、C、Si、Mn、Cr、Mo、W、Cu、Ni、Co、N、AlおよびPは、耐摩耗厚鋼板中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
例えば、海水中などの腐食環境下では、海水などにより浸食された鋼材表面がさらに土砂などによって削られる現象が生じ得る。このような現象は、腐食作用と摩耗作用の相乗作用によって生じるものであり、腐食摩耗とも呼ばれる。鋼材においてこのような腐食摩耗を抑制し、すなわち腐食環境下における鋼材の耐摩耗性を向上させるためには、一般的には、当該鋼材の耐食性を向上させることが極めて重要である。そこで、本発明者らは、鋼板の耐食性を表す指標として上記式(i)で表されるCIPという指標を使用し、当該CIPが3.2以上の要件を満足するように鋼板中に含まれる各元素の含有量を本発明の範囲内で適切に制御することにより、当該要件を満足しない鋼板と比較して、腐食環境下における耐摩耗性が顕著に改善された耐摩耗厚鋼板を提供することが可能となることを見出した。
より好ましくは、鋼板中に含まれる各元素の含有量をCIPが8.0以上となるように本発明の範囲内で適切に制御することにより、腐食環境下における耐摩耗性がより改善された耐摩耗厚鋼板を提供することが可能となる。なお、鋼板中に含まれる各元素の含有量をCIPの上限については特に限定しないが、例えば109.3以下、60.0以下、30.0以下または15.0以下としてもよい。
最後に、本発明の耐摩耗厚鋼板を用いた場合の溶接条件について述べる。本発明の好ましい態様では、Mg、Caおよび/またはREMを添加しているために、これらの元素を中心とする微細析出物が鋼中に生成している。これらの微細析出物は大入熱溶接のHAZにおける1400℃を超える高温加熱に対しても安定である。したがって、そのピン止め作用により、HAZにおいてさえオーステナイト粒を200μm以下、O/Sを1.0以上に制御した場合には150μm以下の平均結晶粒径にすることを可能とし、よって大入熱溶接を可能とする。但し、大入熱溶接では室温に冷える過程の冷却速度が遅いために炭化物が析出し、延性や靭性が低下する場合があるので、入熱量は20kJ/mm以下程度で実施することが好ましい。
以上、説明した成分および製造条件を満たすことにより耐摩耗性と靭性がともに優れた厚鋼板が得られる。この鋼板は、レールクロッシング、キャタピラーライナー、インペラ―ブレード、クラッシャー刃、岩石ハンマーなどの小型部材や建機、産機、土木、建築分野における耐摩耗性が必要な柱、鋼管、外板などの大型部材に使用される。
表1に示す成分組成を有するスラブを表2に示す圧延条件にて熱間圧延し、次いで必要に応じて熱処理を施した後、表2に示す製品厚を有する厚鋼板を得た。得られた厚鋼板から採取した各試験片について、オーステナイト(γ)粒の平均粒径、降伏応力(YS)、引張強度(TS)、伸び(EL)、耐摩耗性および靱性、さらに腐食摩耗性をそれぞれ評価した。その結果を表2に示す。なお、各特性の具体的な評価方法は、以下のとおりである。
1.オーステナイト(γ)粒の平均粒径:まず、圧延板より10mm幅×15mm長さ×全厚の試料を切り出し、圧延の幅方向に垂直な面をアルミナ研磨後にナイタールで腐食し、約1mm×1mmの視野を100倍程度に拡大して、結晶粒径1個当たりの平均面積を求める。次に、結晶粒径が等方的な場合(アスペクト比(長径と短径の比率が概ね1.5以内)には円相当の直径を求めこれを平均する。また、結晶粒径が異方的な場合(アスペクト比1.5超)の場合にはアスペクト比を有する楕円体相当の長径を求めこれを平均する。等方的な粒と異方的な粒が混在する時にはこれらを合算して平均することによって行った。上記方法にて、母材についてオーステナイト(γ)粒の平均粒径を測定した。加えて、溶接入熱量を約1.7KJ/mmとしたSMAW(被覆アーク溶接)で、板厚中心部でのFL(溶融線)近傍のHAZ部について同様にオーステナイト(γ)粒の平均粒径を測定した。
2.降伏応力(YS)、引張強度(TS)および伸び(EL):圧延板の幅方向に採取したJIS1号引張試験片を用いて引張試験にて評価した。
3.耐摩耗性:摩耗材として人工硅砂(JIS5号)2+水1を用いた場合のスクラッチング摩耗試験(周速度3.7m/sec、50時間)の摩耗減量を普通鋼(SS400)を基準に評価した。
4.靭性:母材の靭性は鋼板の1/4厚位置から長さ方向に採取し、幅方向に亀裂が伝播するような方向にノッチを入れたJIS4号試験片により-40℃での吸収エネルギー(vE-40℃(J))を評価した。加えて、溶接入熱量を約1.7KJ/mmとしたSMAW(被覆アーク溶接)で、板厚中心部でのFL(溶融線)近傍のHAZ部がノッチ位置となるシャルピー試験片の-40℃での吸収エネルギー(vE-40℃(J))を評価した。
5.腐食摩耗性:腐食摩耗性は、摩耗材として硅砂(平均粒径12μm)と海水の混合物(混合比:けい砂30%および海水70%)を用いて、スクラッチング摩耗試験(周速度3.7m/sec、100時間)を行うことにより評価した。より具体的には、得られた腐食摩耗量を、同様に試験した基準材(CIPが-3.0よりも小さいかまたは-4.0以下となる耐摩耗厚鋼板)の腐食摩耗量に対する比(腐食摩耗量比)として評価した。
Figure 0007135465000001
Figure 0007135465000002
Figure 0007135465000003
Figure 0007135465000004
対普通鋼の摩耗量比率が0.30未満であり、かつ母材に関する-40℃の吸収エネルギー値が100J以上である場合を、耐摩耗性と靱性の両方に優れた耐摩耗厚鋼板として評価した(表1及び2中の実施例)。靭性については、母材に関する-40℃の吸収エネルギー値が150J以上である場合を、より良好と評価した。一方、上記2つの性能のうち、何れか一つでも満足しない場合は、比較例とした。さらに、表2には、各耐摩耗厚鋼板について、基準材(実施例9の耐摩耗厚鋼板)に対する腐食摩耗量比が示されており、この値は、1.00よりも小さくなるほど、基準材に比べて腐食摩耗性がより改善されていることを意味するものである。

Claims (10)

  1. 質量%で、C:0.35~1.6%、Si:0.01~2%、Mn:5~30%、Al:0.001~0.3%を含有し、P:0.05%以下、S:0.05%以下に制限し、残部がFeおよび不純物からなり、CおよびMnの含有量(質量%)が、-20C+30≦Mn≦-20C+45を満たし(ただし、-13.75C+16.5≦Mn≦-20C+35を満たすものを除く)、平均粒径が20~200μmであるオーステナイト粒を含むことを特徴とする、耐摩耗厚鋼板。
  2. 質量%で、O:0.0001~0.01%を含有し、Mg:0.0001~0.01%、Ca:0.0001~0.01%、およびREM:0.0001~0.01%のうち1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の耐摩耗厚鋼板。
  3. S含有量が、質量%で0.0001~0.01%であり、OおよびSの含有量(質量%)がO/S≧1.0を満たすことを特徴とする、請求項に記載の耐摩耗厚鋼板。
  4. 質量%で、Cu:3%以下、Ni:3%以下、およびCo:3%以下のうち1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
  5. 質量%で、Cr:5%以下をさらに含有することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
  6. 質量%で、Mo:5%以下、およびW:6%以下のうち1種または2種をさらに含有することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
  7. 質量%で、Nb:0.3%以下、V:0.3%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.3%以下、およびTa:0.3%以下のうち1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
  8. 質量%で、B:0.3%以下をさらに含有することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
  9. 質量%で、N:1%以下をさらに含有することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
  10. 下記式(i)で表されるCIPが3.2以上であることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の耐摩耗厚鋼板。
    CIP=-1C+0.88Si-0.2Mn+3.3Cr+9(Mo+W/2)+1.5(Cu+Ni+Co)+6N+0.8Al-90P+1.5 (i)
    式中、C、Si、Mn、Cr、Mo、W、Cu、Ni、Co、N、AlおよびPは、前記耐摩耗厚鋼板中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
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