JP6693192B2 - 車両の制動力配分制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の制動力配分制御装置に関する。
アンチスキッド制御装置を利用して、前後の車輪速度差をなくすように後輪の制動力調整を行う、制動力配分制御技術が提案されている(例えば、特許文献1)。一般に、この種の制動力配分制御は、後輪が先にロックすることにより車両不安定になるのを防止するために高減速時には後輪の制動力の増加を抑制するようになっている。この制動力の抑制は、前輪と後輪の間に設けられた電磁弁を調整することによって行われる。
特開2001−260838号公報
特許文献1は、マスタシリンダ液圧の所定時間内の上昇量を検出する必要があるため、その上昇量を検出するセンサ(例えば、マスタシリンダ圧センサ)が必要であった。本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、簡素な構成となる車両の制動力配分制御装置を提供することを目的とする。
上記の要望に応えるために、請求項1の発明は、車両の制動時に、後輪の制動力の増大を抑制する車両の制動力配分制御装置であって、マスタシリンダから前輪のホイールシリンダに接続される第一の流体路と、マスタシリンダから後輪のホイールシリンダに接続される第二の流体路と、前輪と後輪のホイールシリンダ液圧間の差圧に対応した電流を制御する電子制御部と、前記第二の流体路に設けられ、前記電子制御部から供給される電流に基づいて、前輪と後輪のホイールシリンダ液圧間の差圧を調整する電磁弁を有し、前記電子制御部は、制動力配分制御開始からの時間経過に応じた、前輪と後輪のホイールシリンダ液圧間の差圧の上限値である差圧上限値を設定し、前記差圧上限値に対応する電流を供給することを特徴とする。
上記構成によれば、制動力配分制御開始からの時間経過に応じて設定された差圧上限値に基づいて制動力配分制御が実施されるため、すなわちフィードフォワード的に制動力配分制御が実行されるため、簡素な構成とすることができる。
請求項2の発明は、制動力配分制御開始時の前記差圧上限値を、0より大きい保持開始差圧とすることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、制動力配分制御開始時の差圧上限値が0でない値であるため、制動力配分制御開始時においても、前輪と後輪の間に差圧を発生させることができる。その結果、後輪の制動力増加を抑制できるため、制動力配分制御開始時の車両の走行安定性を向上することができる。
請求項3の発明は、制動力配分制御開始直後の所定時間経過後、前記差圧上限値を前記保持開始差圧より大きく、所定値より小さい一定値である保持制御差圧とすることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、保持制御差圧を保持開始差圧より大きくすることで、車両の走行安定性を向上するのに必要な差圧を確保できる上、所定値より小さい一定値とすることで、例えば、要求制動力が上限値となる前に後輪のホイールシリンダ圧を上昇させることが出来るため、速やかに車両の制動力を確保することができる。
請求項4の発明は、前記保持開始差圧から前記保持制御差圧までの間、前記差圧上限値を徐々に大きくすることを特徴とする。
制動力配分制御開始時から、一般に要求制動力は徐々に大きくなるため、開始直後の前輪と後輪の実差圧は、開始直後でない期間と比較して小さく、時間経過と共に徐々に大きくなる。そのため、請求項4の発明によれば、後輪保持モード開始直後の所定時間の間、差圧上限値を徐々に大きくするため、車両の走行安定性を向上するのに必要な差圧を確保できる上、前述した期間に要求制動力が大きくなった場合でも、速やかに車両の制動力を確保することができる。
本発明に係る車両の制動力配分制御装置の全体構成図である。 本発明の制動力配分制御の制御フロー図である。 本発明の第一設定例を、タイムチャート形式で表した図である。 本発明の第二設定例を、タイムチャート形式で表した図である。 本発明の第三設定例を、タイムチャート形式で表した図である。 制御電流と差圧上限値の相関を表した図である。
本発明に係る車両の制動力配分制御装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1の全体構成図を参照して、本発明の実施形態に係る車両の制動力配分制御装置SHSについて説明する。車両には、制動力配分制御装置SHS、制動力操作部材BP、マスタシリンダMC、複数の車輪FL,FR,RL,RRに対して各々に対応したホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrが設けられている。制動力操作部材BPは、接続部材を介してマスタシリンダMCに接続される。マスタシリンダMCは、第一の流体路H1を介して、制動力配分制御装置SHSに接続される。さらに、制動力配分制御装置SHSは、第一の流体路H1を介して前輪のホイールシリンダWCfl,WCfrに接続され、第一の流体路H1から分岐した第二の流体路H2から後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrに接続される。ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrr内の液圧であるホイールシリンダ圧が高いほど大きい制動力を車輪FL,FR,RL,RRに付与するようになっている。また、制動力配分制御装置SHSは、電子制御部ECUと第二の流体路H2に設けられた電磁弁SV1,SV2を有している。電磁弁SV1,SV2は通常、開状態であるが、電子制御部ECUによって電磁弁SV1,SV2に電流が与えられることで、閉状態となる。例えば電磁弁SV1は、電子制御部ECUによって与えられる電流に基づいて、前輪のホイールシリンダWCfrの液圧と、後輪のホイールシリンダWCrlの液圧とに差圧をつけることができる。例えば、図6に示すように電子制御部ECUに、電磁弁SV1,SV2に与える電流と、前輪と後輪のホイールシリンダ間の差圧上限値との相関マップが格納されている。図6より、電磁弁SV1,SV2に、電流Iが流れている場合、差圧上限値はΔPである。その状態でマスタシリンダMCに発生する液圧が増加しても、前輪と後輪のホイールシリンダ間の差圧がΔP未満の場合、後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧は上昇しない。その状態から、さらにマスタシリンダMCに発生する液圧が増加し続けた場合、前輪と後輪のホイールシリンダ間の差圧はΔPまで増加し、ΔP以上増加しない。前輪と後輪のホイールシリンダ間の差圧がΔPとなった時点から、マスタシリンダMCに発生する液圧が増加した量に応じて、後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧が増加する。ここで、制動力操作部材BPとマスタシリンダMCの間に、制動力操作を助勢する手段を有していてもよい。例えば、負圧ブースタ、電動ブースタが挙げられる。
制動力操作部材BPが操作されることによって生じる踏力が、マスタシリンダMCによって液圧に変換される。マスタシリンダMCで変換された液圧は、制動力配分制御装置SHSを介して各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrの液圧を上昇させる。そして、各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrの液圧上昇が、図示しない摩擦部材を変位させ、摩擦部材が図示しない回転部材に押し付けられる。回転部材は各車輪FL,FR,RL,RRに固定されているため、摩擦部材と回転部材の間に摩擦力が発生し、その摩擦力が各車輪FL,FR,RL,RRに制動トルクを発生させる。その結果、各車輪FL,FR,RL,RRに制動力が発生し、走行中の車両が減速される。
電子制御部ECUによって、電磁弁SV1,SV2に与えられる電流を調整することで、後輪の車輪RL,RRの制動力を調整する、制動力配分制御が可能である。本実施形態では、車両のエンジンがかけられる(つまり図示しないイグニッションスイッチがオンされる)と、電子制御部ECUは制動力配分制御プログラムを実行し、エンジンが停止される(つまりイグニッションスイッチがオフされる)まで繰り返し行うようになっている。図2はその処理のフローチャートである。
イグニッションスイッチがオンされると、図2に示される処理がスタートされる。最初に、ステップ110で電子制御部ECUが初期化され、各種演算値、制御定数などの初期設定が行われる。
次にステップ120で車輪速度が、例えば、図示しない車輪速センサの出力値に基づいて取得される。次のステップ130では、車輪速度に基づいて車体速度が演算される。続いてステップ140では、ステップ120で取得した車輪速度及びステップ130で演算された車体速度に基づいて、車輪状態量が演算される。車輪状態量とは、例えば、車輪減速度、スリップなどである。
次のステップ150では、制動力配分制御が実行中であるか否かが判断される。制動力配分制御が実行中の場合はステップ170へ進み、実行中でない場合は、ステップ160に進む。ステップ160では、制動力配分制御を開始するか否かを判断される。この判断は、ステップ140にて演算された車輪状態量に基づいて判断される。制動力配分制御が開始される場合、ステップ170へ進み、制動力配分制御が開始されない場合、ステップ120へと戻る。
ステップ170では、後輪減圧モードであるか否かが判断される。この判断は、ステップ140にて演算されたスリップが第一閾値より大きいか否かに基づいて判断される。スリップが第一閾値以上の場合、ステップ180に進み、スリップが第一閾値未満の場合、ステップ200に進む。ステップ180では、図示しない減圧弁の開閉状態に対応した制御電流が設定され、その後のステップ190では、減圧出力処理が実施される。減圧出力処理は、減圧弁にステップ180で設定された制御電流を与えることにより、減圧弁を開くことでブレーキ配管を経由して、図示しないリザーバに後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧を解放することによって行われる。ステップ190終了後、ステップ120に戻る。
ステップ200では、後輪保持モードであるか否かが判断される。この判断は、ステップ140にて演算されたスリップが第一閾値より小さい第二閾値より大きいか否かに基づいて判断される。スリップが第二閾値以上の場合、ステップ205に進み、スリップが第二閾値未満の場合、ステップ240に進む。ステップ205では、ステップ150がNOであるか否かが判断される。つまり制動力配分制御継続中なのか、制動力配分制御開始時なのかが判断される。ステップ205でYESの場合、ステップ210に進み、ステップ205でNOの場合、ステップ220に進む。ステップ210では、制動力配分制御開始からの時間経過に応じて設定された、前輪のホイールシリンダ液圧と後輪のホイールシリンダ液圧間の差圧の上限値である差圧上限値が設定される。その後のステップ220では、差圧上限値に対応した制御電流が設定され、次のステップ230では、保持出力処理が実施される。保持出力処理は、電磁弁SV1,SV2にステップ220で設定された制御電流を与えることにより、電磁弁の開閉状態を調整することによって行われる。ステップ230終了後、ステップ120に戻る。
ステップ240では、後輪増圧モードであるか否かが判断される。この判断は、ステップ140にて演算されたスリップが第二閾値より小さい第三閾値より大きいか否かに基づいて判断される。スリップが第三閾値以上の場合、ステップ245に進み、スリップが第三閾値未満の場合、ステップ120に戻る(制動力配分制御を終了する)。ステップ245では、ステップ150がNOであるか否かが判断される。つまり制動力配分制御継続中なのか、制動力配分制御開始時なのかが判断される。ステップ245でYESの場合、ステップ250に進み、ステップ245でNOの場合、ステップ260に進む。ステップ250では、制動力配分制御開始からの時間経過に応じて設定された、前輪のホイールシリンダ液圧と後輪のホイールシリンダ液圧間の差圧の上限値である差圧上限値が設定される。後輪増圧モードの場合、要求制動力に応じて後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧を速やかに上昇させたいため、差圧上限値は後輪保持モードで設定されるものと比較すると極めて小さい値か差圧0が設定される。その後のステップ260では、差圧上限値に対応した制御電流が設定され、次のステップ270では、増圧出力処理が実施される。増圧出力処理は、電磁弁SV1,SV2にステップ260で設定された制御電流を与えることにより、電磁弁の開閉状態を調整することによって行われる。ステップ270終了後、ステップ120に戻る。
≪第一設定例≫
図3を用いて、差圧上限値ΔPが一定値であり、後輪保持モード中に要求制動力が増加した時の挙動を説明する。時間Tにて(a)要求制動力が上昇する。そして、車両の制動力が上昇し、その結果、ステップ140で演算される車輪演算量が所定値を超えると、時間Tで制動力配分制御が開始される(ステップ150:NO、ステップ160:YES)。本例は、ステップ140で演算されたスリップが第2閾値以上、第1閾値未満であり、ステップ200で後輪保持モードと判断された場合である。ステップ150がNOのため、ステップ205がYESとなり、ステップ210にて一定値である(b)差圧上限値ΔPが設定される。その後、ステップ220で(b)差圧上限値ΔPに基づく制御電流が設定され、ステップ230の処理で(b)差圧上限値ΔPに基づく制御電流が電磁弁SV1,SV2に与えられる。時間Tから時間Tまでの間、制動力配分制御開始時点(時間T)から上昇した(a)要求制動力によって発生する液圧Pが、(b)差圧上限値ΔPより小さいため、(c)後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧は保持される。
時間Tから、(a)要求制動力が増加し、制動力配分制御開始時点(時間T)から上昇した(a)要求制動力によって発生する液圧Pも増加するが、(b)差圧上限値ΔPより小さいため、依然(c)後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧は保持される。
時間Tの時点で、制動力配分制御開始時点(時間T)から上昇した(a)要求制動力によって発生する液圧Pと、(b)差圧上限値ΔPが一致する。時間T以降も(a)要求制動力が増加しており、(b)差圧上限値ΔP以上前輪と後輪の差圧は大きくならないため、(c)後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧は、(a)要求制動力が増加する量に応じて上昇する。
≪第二設定例≫
図4を用いて、制動力配分制御開始から所定期間の差圧上限値ΔPを、それ以外の差圧上限値ΔPと比較して小さくした場合であって、後輪保持モード開始直後の所定期間の間に要求制動力が増加した時の挙動を説明する。時間T10にて(a)要求制動力が上昇する。そして、車両の制動力が上昇し、その結果、ステップ140で演算される車輪演算量が所定値を超えると、時間T11で制動力配分制御が開始される(ステップ150:NO、ステップ160:YES)。本例は、ステップ140で演算されたスリップが第2閾値以上、第1閾値未満であり、ステップ200で後輪保持モードと判断された場合である。ステップ150がNOのため、ステップ205がYESとなり、ステップ210にて(b)差圧上限値ΔPが設定される。本例の(b)差圧上限値ΔPは、制動力配分制御開始時(時間T11)の差圧上限値が0より大きい保持開始差圧ΔPであり、時間T11から時間T13まで(b)差圧上限値ΔPが徐々に増加し、時間T13で一定値である保持制御差圧ΔPHOLDとなり、時間T13以降は一定値である保持制御差圧ΔPHOLDとなるよう設定される。
その後、ステップ220で(b)差圧上限値ΔPに基づく制御電流が設定され、ステップ230の処理で(b)差圧上限値ΔPに基づく制御電流が電磁弁SV1,SV2に与えられる。時間T11から時間T12までの間、制動力配分制御開始時点(時間T11)から上昇した(a)要求制動力によって発生する液圧Pが、(b)差圧上限値ΔPより小さいため、(c)後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧は保持される。
時間T12から時間T13までの間では、制動力配分制御開始時点(時間T11)から上昇した(a)要求制動力によって発生する液圧Pが、(b)差圧上限値ΔPより大きくなるため、その差分量(c)後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧は上昇する。
時間T13の時点で、制動力配分制御開始時点(時間T11)から上昇した(a)要求制動力によって発生する液圧Pと、保持制御差圧ΔPHOLDが一致する。時間T13から時間T14までの間では、(a)要求制動力が増加している状態が継続している上、(b)差圧上限値ΔPが保持制御差圧ΔPHOLDの一定値となるため(差圧上限値ΔPが徐々に大きくならないため)、時間T13から時間T14までの間の(c)後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧上昇勾配は、時間T12から時間T13までの間と比較して大きい。
≪第三設定例≫
図5を用いて、差圧上限値ΔPが一定値であり、後輪増圧モード中に要求制動力が増加した時の挙動を説明する。時間T20にて(a)要求制動力が上昇する。そして、車両の制動力が上昇し、その結果、ステップ140で演算される車輪演算量が所定値を超えると、時間T21で制動力配分制御が開始される(ステップ150:NO、ステップ160:YES)。本例は、ステップ140で演算されたスリップが第3閾値以上、第2閾値未満であり、ステップ240で後輪増圧モードと判断された場合である。ステップ150がNOのため、ステップ245がYESとなり、ステップ250にて一定値である(b)差圧上限値ΔPが設定される。本例は後輪増圧モードであり、(b)差圧上限値ΔPは後輪保持モードと比較して小さい値、もしくは0に設定される。その後、ステップ260で(b)差圧上限値ΔPに基づく制御電流が設定され、ステップ270の処理で(b)差圧上限値ΔPに基づく制御電流が電磁弁SV1,SV2に与えられる。時間T21から時間T22までの間、制動力配分制御開始時点(時間T21)から上昇した(a)要求制動力によって発生する液圧Pが、(b)差圧上限値ΔPより小さいため、(c)後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧は保持される。
時間T22の時点で、制動力配分制御開始時点(時間T21)から上昇した(a)要求制動力によって発生する液圧Pと、(b)差圧上限値ΔPが一致する。時間T22以降も(a)要求制動力が増加しており、(b)差圧上限値ΔP以上前輪と後輪の差圧は大きくならないため、(c)後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧は、(a)要求制動力が増加する量に応じて上昇する。
次に、本実施形態にて得られる効果について説明する。
(1)制動力配分制御開始からの時間経過に応じて設定された差圧上限値ΔPに基づいて制動力配分制御を実施するから、フィードフォワード的に制御を実施するため、簡素な構成とすることができる。
(2)制動力配分制御開始時の差圧上限値が0でない保持開始差圧ΔPであるため、制動力配分制御開始時においても、前輪と後輪の間に差圧を発生させることができる。その結果、後輪の制動力増加を抑制できるため、制動力配分制御開始時の車両の走行安定性を向上することができる。
(3)保持制御差圧ΔPHOLDを保持開始差圧ΔPより大きくすることで、車両の走行安定性を向上するのに必要な差圧を確保できる上、所定値より小さい一定値とすることで、例えば、要求制動力が上限値となる前に後輪のホイールシリンダWCrl,WCrrの液圧を上昇させることが出来るため、速やかに車両の制動力を確保することができる。
(4)制動力配分制御開始時から、要求制動力が徐々に大きくなる場合、開始直後の前輪と後輪の実差圧は、開始直後でない期間と比較して小さく、時間経過と共に徐々に大きくなる。そのため、差圧上限値ΔPを保持開始差圧ΔPから徐々に大きくするため、車両の走行安定性を向上するのに必要な差圧を確保できる上、前述した期間に要求制動力が大きくなった場合でも、速やかに車両の制動力を確保することができる。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
電子制御部ECUは、制動力配分制御開始からの時間経過に応じて予め設定された差圧上限値ΔPを複数のパターン記憶しており、制動力配分制御開始時の車輪状態量に基づいて、適切なパターンを選択するようにしてもよい。この処理を実施することで、より精度良く車両の制動力配分制御を実施することができる。
電子制御部ECUは、制動力配分制御の後輪保持モードもしくは後輪増圧モード中であって、ステップ140にて演算したスリップが、第一の閾値より大きく、第一の閾値より大きい所定値未満の場合、後輪保持モードを継続し、第一の閾値より大きい所定値以上の場合、後輪減圧モードもしくはアンチスキッド制御に入るようにしてもよい。これによって、後輪保持モードもしくは後輪増圧モードを可能な限り継続できるため、要求制動力の増加に応じて車両の制動力を増加させられる上、後輪の制動力増加に伴いスリップが増加することにより、車両の走行安定性が著しく低下する場合は、後輪の制動力を減少させることができ、車両の走行安定性を確保することができる。
電子制御部ECUは、前輪制動力失陥であるか否かを監視しており、前輪制動力失陥の場合、制動力配分制御が開始されないようにしてもよい。これによって、前輪制動力失陥つまり前輪のホイールシリンダWCfl,WCfrの液圧が上昇しない場合でも、電子制御部ECUによって、電磁弁SV1,SV2に電流が与えられないため、電磁弁SV1,SV2は開状態となる。よって、要求制動力増加に伴い、後輪のホイールシリンダの液圧WCrl,WCrrが上昇するため、前輪制動力失陥時においても、車両の制動力を速やかに増加させることができる。
本実施例では、電磁弁SV1,SV2は通常、開状態であり、電子制御部ECUによって電流が与えられることで、閉状態となるものを例に挙げたが、通常、閉状態であり、電流が与えられることで、開状態となるものを用いてもよい。

Claims (4)

  1. 車両の制動時に、後輪の制動力の増大を抑制する車両の制動力配分制御装置であって、
    マスタシリンダから前輪のホイールシリンダに接続される第一の流体路と、マスタシリンダから後輪のホイールシリンダに接続される第二の流体路と、前輪と後輪のホイールシリンダ液圧間の差圧に対応した電流を制御する電子制御部と、前記第二の流体路に設けられ、前記電子制御部から供給される電流に基づいて、前輪と後輪のホイールシリンダ液圧間の差圧を調整する電磁弁を有し、
    前記電子制御部は、制動力配分制御開始からの時間経過に応じた、前輪と後輪のホイールシリンダ液圧間の差圧の上限値である差圧上限値を設定し、前記差圧上限値に対応する電流を供給することを特徴とした、車両の制動力配分制御装置。
  2. 制動力配分制御開始時の前記差圧上限値を、0より大きい保持開始差圧とすることを特徴とした、請求項1に記載の車両の制動力配分制御装置。
  3. 制動力配分制御開始直後の所定時間経過後、前記差圧上限値を前記保持開始差圧より大きく、所定値より小さい一定値である保持制御差圧とすることを特徴とした、請求項2に記載の車両の制動力配分制御装置。
  4. 前記保持開始差圧から前記保持制御差圧までの間、前記差圧上限値を徐々に大きくすることを特徴とした、請求項3に記載の車両の制動力配分制御装置。
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