JP6690876B2 - 樹脂成形金型及び樹脂成形方法 - Google Patents

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本発明は、キャビティ空間内に充填した樹脂を固化して樹脂成形品を成形することができる樹脂成形金型及び樹脂成形方法に関する。
樹脂成形にあっては、複数のゲートを有する金型を用いる場合や、成形品に孔形状やボス形状等が形成される場合がある。このような場合、キャビティ空間にて溶融樹脂の分流が生じ、分流された溶融樹脂が合流する部分にウェルドが発生する。かかるウェルドが発生した部分はウェルドラインとなり、成形品の外観を悪化させるとともに強度が脆弱になる、という問題がある。
かかる問題を解消するため、特許文献1の金型は、キャビティ空間内の溶融樹脂を流動させる押込部及び引込部を備え、押込部及び引込部は、キャビティ空間に連通する樹脂溜まりと、樹脂溜まりの容積を変化させる可動コアとをそれぞれ有している。特許文献1では、押込部及び引込部の可動コアを移動させ、押込部の樹脂溜まりの容積を圧縮しつつ引込部の樹脂溜まりの容積を拡張する。これにより、ウェルド内部に樹脂流動を生じさせ、成形品におけるウェルドラインでの外観及び強度の改善を図っている。
特開2014−19114号公報
樹脂成形品にあっては、成形用の樹脂の組成や粘度、配合物、成形時の温度、冷却時間等の条件に起因してウェルドラインの発現態様が変化する場合がある。かかる変化が生じても所望の外観及び強度が得られるよう、ウェルドラインでの樹脂流動にバリエーションを持たせることが望まれている。また、樹脂成形品は、その利用態様によって多様な形状に形成され、これに応じてウェルドラインも様々な位置に形成されたり、複数形成されたりする場合がある。このような場合でも、それぞれのウェルドラインにおいて良好に樹脂流動を生じさせることが望まれている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、充填された溶融樹脂のウェルドラインで良好に樹脂流動を生じさせることができる樹脂成形金型及び樹脂成形方法を提供することを目的とする。
本発明の樹脂成形金型は、充填された溶融樹脂が少なくとも一箇所のウェルド部で合流するキャビティ空間を形成するキャビティ形成体と、前記キャビティ空間に充填された溶融樹脂に押込力を加える押込部と、前記押込部と前記ウェルド部を挟んで対向配置され、前記押込部の押し込みに応じて充填された溶融樹脂を引き込む引込部とを備え、前記押込部から前記引込部に向かって溶融樹脂を流動させる樹脂成形金型であって、前記キャビティ空間は、成形される成形品の開口に対応する部分に突出して形成される開口形成部を備え、単一の前記ウェルド部を挟みつつ前記開口形成部を挟まずに位置する前記押込部及び前記引込部がそれぞれ複数設けられ、複数となる前記押込部及び前記引込部は、選択的に駆動可能に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、複数となる押込部や引込部の駆動するタイミングを変えることで、ウェルドラインにおける樹脂流動にバリエーションを持たせることができる。これにより、種々の成形条件に応じてウェルドラインの発現態様が変化しても、これに対応して成形品におけるウェルドラインでの外観及び強度の低下を回避することができる。また、ウェルドラインが複数の位置に形成される場合であっても、それぞれのウェルドラインにおいて良好に樹脂流動するよう複数の押込部や引込部を配置した設計を採用することができる。これにより、複数のウェルドラインそれぞれにおいて外観及び強度の向上を実現することができる。
また、本発明の樹脂成形方法は、上記樹脂成形金型を用いた樹脂成形方法であって、前記キャビティ空間に溶融樹脂を充填する充填工程と、複数となる前記押込部から前記引込部の何れかの組合せで溶融樹脂を流動させる第1流動工程及びそれ以外の組合せで溶融樹脂を流動させる第2流動工程を順次もしくは時間差を設けて同時に行う樹脂流動工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、充填された溶融樹脂のウェルドラインで良好に樹脂流動を生じさせることができる。
第1の実施の形態に係る樹脂成形金型の概略構成図である。 上記樹脂成形金型のキャビティ空間の平面断面図である。 上記樹脂成形金型の構成を示すブロック図である。 キャビティ空間に溶融樹脂を充填した状態の説明図である。 ウェルド部の溶融樹脂を流動させた状態の説明図である。 第2の実施の形態に係る樹脂成形金型のキャビティ空間の平面断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。なお、以下の実施の形態では、熱可塑性の樹脂を用いた成形品を成形するための樹脂成形金型及び成形方法について説明するが、成形用の樹脂は熱可塑性に限定されるものでない。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る樹脂成形金型の概略構成図である。図2は、上記樹脂成形金型のキャビティ空間の平面断面図である。図1に示すように、樹脂成形金型(以下、単に「金型」とする)10は、固定型11と、この固定型11との間にキャビティ空間12を形成する可動型13とを備えている。従って、固定型11及び可動型13によってキャビティ形成体が構成され、それらの相対面によってキャビティ空間12の表面12aが形成される。固定型11及び可動型13は、射出成形機(図示省略)に搭載され、当該射出成形機から熱可塑性の溶融樹脂がゲート16(図2参照)を通じてキャビティ空間12内に充填される。
本実施の形態の金型10では、1つの開口を有する成形品を成形するものであり、キャビティ空間12において該開口に対応する部分に開口形成部18が突出して形成される。従って、ゲート16から充填された溶融樹脂は、キャビティ空間12内を流れる過程で開口形成部18に当たって図中左右に分流された後、点線で示す箇所にて合流される。具体的には、キャビティ空間12における開口形成部18のゲート16とは反対側の領域の図2中左右方向中間部で合流し、この合流した部分が成形品においてウェルド部Bとなる。
成形用に充填する樹脂には、成形品の強度等の物性を向上するために繊維状の含有物が配合され、含有物としては、カーボンやガラス繊維等を例示することができる。含有物の重量平均繊維長は、好ましくは1mm以上10mm以下、より好ましくは1mm以上5mm以下に設定される。
なお、キャビティ空間12にて成形される樹脂成形品の形状は、板状やシート状にする等の二次元的な形状としたり、凹凸等が種々の位置に形成された三次元形状としたりすることができる。本実施の形態では、一例として1つの開口を面内に有する板状の樹脂成形品を成形するためのキャビティ空間12の一部及びその周辺構造について簡略的に図示して説明するものであり、それ以外の構成についての図示、説明を省略する。
図1に示すように、金型10は、可動型13に設けられる押込部21及び引込部22を備え、図2に示すように、押込部21及び引込部22は、それぞれ複数(本実施の形態ではそれぞれ3体)設けられている。押込部21及び引込部22は、ウェルド部Bの形成位置を挟んで対向配置されている。具体的には、それぞれの押込部21からウェルド部Bに直交する方向に延びる延長線上に引込部22が設けられている。
図1に戻り、押込部21は、可動型13に挿通された円柱状の可動コア24を備え、この可動コア24はコア駆動部25によってキャビティ空間12に進退する方向すなわち図1中上下方向に変位可能に設けられている。可動コア24の先端面が、キャビティ空間12の表面12aより退行した(凹んだ)位置に配置されたときに、その先端側には、表面12aより凹んだ空間となる圧縮用樹脂溜まり26が形成される。
引込部22は、キャビティ空間12から所定間隔を隔てて配置された引込用樹脂溜まり30と、キャビティ空間12と引込用樹脂溜まり30とを連通する連通路31と、連通路31を開閉する開閉部材32とを備えている。開閉部材32は、開閉駆動部34によって図1中上下方向に変位し、この変位によって連通路31の開放及び閉塞を切り替え可能に設けられている。
なお、コア駆動部25及び開閉駆動部34の具体的な構成の図示は省略するが、エアシリンダやリニアモータ、スプリング等を含む駆動機構を例示でき、上記のように可動コア24及び開閉部材32を変位できる限りにおいて種々の構成が採用される。
固定型11及び可動型13には、冷却用の媒体流路35が形成され、媒体流路35には、冷媒を通す回路が接続されている。冷媒は、液体であればよく金型10に応じて水、油等が用いられ、冷媒が媒体流路35内に流れることで、キャビティ空間12の表面12aを含む固定型11及び可動型13全体が温度調整される。
図3は、樹脂成形金型の構成を示すブロック図である。図3に示すように、金型10は、測定部41、樹脂流動部42及び制御部43を備えている。
測定部41は、金型10における所望の各部の温度を測定し、金型10及びその温度制御に適用し得るものであれば種類は問わず、例えば、熱電対等が利用される。
樹脂流動部42は、図1に示す押込部21及び引込部22を含んで構成される。樹脂流動部42は、コア駆動部25及び開閉駆動部34の駆動によって、押込部21における圧縮用樹脂溜まり26の内部の溶融樹脂を押し出し、引込部22の引込用樹脂溜まり30に向かってキャビティ空間12の溶融樹脂を流動させる。
制御部43は、中央処理装置(CPU)等からなり、金型10の各種構成の温度や駆動を制御する。制御部43は、樹脂流動部42のコア駆動部25及び開閉駆動部34に制御信号を出力し、可動コア24及び開閉部材32の駆動量や駆動タイミング等を制御する。それらの駆動制御は、測定部41から入力される検出信号に基づいて行ってもよいし、ウェルド部Bが形成されるまでの時間を予め計測しておき、タイマーにて所定時間経過後に駆動するようにしてもよい。
続いて、上記金型10を用いた成形品の成形方法について説明する。先ず、図1に示すように、金型10が閉型された状態において、キャビティ空間12に溶融樹脂が充填される前に、媒体流路32に冷媒を流入し、固定型11及び可動型13のキャビティ空間12周りが充填する樹脂に対して一般的な温度になるよう保持する。また、可動コア24の先端面が、キャビティ空間12の表面12aより下降させた状態として圧縮用樹脂溜まり26を形成し、開閉部材32を上昇させて連通路31を閉塞した状態とする。この状態において、ゲート16(図2参照)からキャビティ空間12に溶融樹脂を充填する(充填工程)。
図4は、キャビティ空間に溶融樹脂を充填した状態の説明図である。図4に示すように、キャビティ空間12内に充填された溶融樹脂Mは開口形成部18に当たって分流された後に合流してウェルド部Bを形成する。このとき、溶融樹脂Mは圧縮用樹脂溜まり26にも充填される。この状態で、可動コア24及び開閉部材32を図4に示す位置から図5に示す位置に変位する。かかる変位によって、可動コア24は、圧縮用樹脂溜まり26の内部の溶融樹脂Mをキャビティ空間12側に押し出し、キャビティ空間12内の溶融樹脂Mに押込力を加える。この一方、開閉部材32は閉塞していた連通路31を開放し、キャビティ空間12内の溶融樹脂Mが可動コア24の押し込みに応じて連通路31に流れ込み、引込用樹脂溜まり30の内部に引き込まれる。これにより、溶融樹脂Mのウェルド部Bでは図5中左から右に向かう移動が生じ、ウェルド部Bを挟む一方の溶融樹脂Mが他方の溶融樹脂Mに圧入するよう流動される(樹脂流動工程)。この圧入によって、溶融樹脂M中の繊維状の含有物がウェルド部Bで図5中上下方向に配向される状態を崩すことができ、ウェルド部Bでの強度低下、外観不良の発生を防止することができる。
ウェルド部Bでの溶融樹脂Mの流動を終えてから、所定の冷却時間が経過して金型10内に注入した溶融樹脂Mが固化した後、型開きして成形品を取り出す。成形品には、連通路31及び引込用樹脂溜まり30内で固化した部分が一体となるので、この部分を切り離す。なお、連通路31及び引込用樹脂溜まり30に流入、固化した樹脂で成形品の一部を形成する場合、切り離す作業は不要となる。この場合、連通路31及び引込用樹脂溜まり30がキャビティ空間12の一部を形成する。
ここで、押込部21及び引込部22にあっては、3体それぞれを同時に駆動してもよいし、3体のうちから選択的に駆動してもよい。3体の押込部21による溶融樹脂Mの押し込みと、3体の引込部22での溶融樹脂Mの引き込みとが全て同時に行われると、図2の矢印F1方向に溶融樹脂Mが流動される(樹脂流動工程)。これにより、上述した圧入がウェルド部Bの概略全体に亘って同時に発生するよう溶融樹脂Mに力が加わる。
一方、他の樹脂流動工程として例えば、先ず図2中最上位の押込部21と最下位の引込部22とを先に駆動して溶融樹脂を流動させる(第1流動工程)。この流動から順次もしくは時間差を設けて同時に、残りの押込部21及び引込部22を駆動させる(第2流動工程)と、図2の矢印F2方向に溶融樹脂Mが流動される。言い換えると、樹脂流動工程として、複数となる押込部21から引込部22の組合せとして、最上位の押込部21と最下位の引込部22との組合せ単位を先に駆動し、順次もしくは時間差を設けて同時に、それ以外の2体ずつの押込部21及び引込部22の組合せ単位で駆動して溶融樹脂Mを流動させることができる。これにより、ウェルド部Bでは、異なる2方向から溶融樹脂Mが圧入するよう力が加わり、矢印F1方向で流動される場合に比べ、溶融樹脂の含有物の配向を崩す向きを変えることができる。なお、上記組合せでの押込部21及び引込部22を何れとするかは任意であり、組合せを変えることでウェルド部Bでの溶融樹脂Mの圧入する向きのバリエーションを増やすことができる。かかるバリエーションを選択できるようにして、ウェルド部Bでの強度や外観を調整することが可能となる。
従って、このような実施の形態によれば、それぞれ複数となる押込部21及び引込部22の駆動するタイミングを選択でき、ウェルド部Bにおける樹脂流動にバリエーションを付与することができる。これにより、ウェルド部Bでの圧入及び配向の変化を操作する自由度を高めることができ、成形条件やウェルドラインの発現態様が変化しても、これに応じて成形品のウェルド部Bにおける外観及び強度の改善を図ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、第2の実施の形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いる場合があり、説明を省略若しくは簡略にする場合がある。また、以下の説明において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」は、図6を基準として用いる。
図6は、第2の実施の形態に係る樹脂成形金型のキャビティ空間の平面断面図である。図6に示すように、第2の実施の形態における金型10では、3つの開口を有する成形品を成形するものであり、開口形成部18が3箇所に形成される。具体的には、図6中上から下に向かって順に第1開口形成部18a、第2開口形成部18b、第3開口形成部18cが形成され、第1開口形成部18aより第2開口形成部18b及び第3開口形成部18cの方が小さいサイズとされる。キャビティ空間12の左右方向において、第1開口形成部18aは中央部、第2開口形成部18bは左寄り、第3開口形成部18cは右寄りに配置されている。本実施の形態では、ゲート16から充填された溶融樹脂は、各開口形成部18a〜18cにて左右に分流された後、点線で示す3箇所位置にて合流される。これら合流した部分が成形品でウェルド部Bとなり、第1開口形成部18a及び第2開口形成部18bに跨って第1ウェルド部Ba、第2開口形成部18b及び第3開口形成部18cに跨って第2ウェルド部Bbが形成される。また、第3開口形成部18cとキャビティ空間12の右下コーナー部とに跨って第3ウェルド部Bcが形成される。
第2の実施の形態に係る金型10は、3体の押込部21と、2体の引込部22とを備えている。具体的には、キャビティ空間12の上から下に向かって順に第1押込部21a、第2押込部21b、第3押込部21cを備え、キャビティ空間12の右端に連通する第1引込部22a、下端に連通する第2引込部22bを更に備えている。
第1押込部21aは、第1開口形成部18aと第2開口形成部18bとの間であって、第1ウェルド部Baの左側に設けられる。第2押込部21bは、第2開口形成部18bの右側であってキャビティ空間12の右端寄りに設けられる。第3押込部21cは、第3開口形成部18cより下方であってキャビティ空間12の左端寄りに設けられる。第1引込部22aは、第1押込部21aから第1ウェルド部Baを挟んで右方向に設けられている。第2引込部22bは、第3開口形成部18cの下方に設けられている。第2引込部22bより第1引込部22aの引込用樹脂溜まり30の方が、大きい容積に形成されている。
第2の実施の形態では、キャビティ空間12に溶融樹脂を充填する充填工程を行った後、各押込部21a〜21c、各引込部22a、22bを選択的に駆動させて各ウェルド部Ba〜Bcでの溶融樹脂を流動させる樹脂流動工程を以下に述べるように行う。先ず、第1流動工程として、第2押込部21bは駆動せずに、第1押込部21a及び第3押込部21cの駆動によって溶融樹脂を押し込む。これと同時に、第2引込部22bを駆動せずに第1引込部22aを駆動し、各押込部21a、21cによって押し込まれた溶融樹脂を第1引込部22aの引込用樹脂溜まり30に引き込む。この第1押込部21a、第3押込部21c及び第1引込部22aの組合せ単位での駆動によって、溶融樹脂が図6の矢印F3方向に流動されるので、第1ウェルド部Ba及び第2ウェルド部Bbに交差する方向に樹脂流動が生じ、それらウェルド部Ba、Bbでの繊維状の含有物の配向を崩すことができる。
第1流動工程から順次もしくは時間差を設けて同時に、第2流動工程として、第2押込及び第2引込部22bの組合せ単位で駆動させる。具体的には、第2押込部21bの駆動による溶融樹脂の押し込みと、第2引込部22bの駆動による溶融樹脂の引き込みとを行い、図6の矢印F4方向に溶融樹脂が流動される。これにより、第3ウェルド部Bcに交差する方向に樹脂流動が生じ、第3ウェルド部Bcでの繊維状の含有物の配向を崩すことができる。
ここで、仮に、第2の実施の形態における金型10において、3体の押込部21a〜21cによる溶融樹脂の押し込みと、2体の引込部22a、22bでの溶融樹脂の引き込みとを全て同時に行うと、矢印F4方向に溶融樹脂が流動し難くなる。これに対し、第2の実施の形態のように、溶融樹脂が合流位置となるそれぞれのウェルド部Ba〜Bcに対応して上述のように選択された押込部21及び引込部22の2つの組合せで段階的に樹脂流動を生じさせている。これにより、3つのウェルド部Ba〜Bcでの含有物の配向を崩すことができ、様々な方向に向けられた複数のウェルド部Ba〜Bcに対応することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず種々変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態で説明した数値、寸法、材質、方向については特に制限はない。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
上記各実施の形態の押圧部21、引込部22及びウェルド部Bの形成位置、形状、レイアウト等は、例示に過ぎず、成形品の形状に応じてウェルド部Bでの樹脂流動を上記のように行える限りにおいて、種々の変更が可能である。また、押圧部21及び引込部22の何れか一方を単数としてもよい。更に、押圧部21及び引込部22の樹脂溜まり26、30の容量もそれぞれ異なるようにする等、適宜変更してもよい。
また、各樹脂溜まり26、30がキャビティ空間12に連通する位置は変更してもよく、例えば、押込部21の圧縮用樹脂溜まり26がキャビティ空間12の外周側に連通したり、引込部22の引込用樹脂溜まり30がキャビティ空間12の表面12aに連通するようにしたりしてもよい。
また、押圧部21及び引込部22を駆動して樹脂流動を生じさせるタイミングは、樹脂の充填の途中であって充填が完了する前としてもよい。
また、溶融樹脂Mの流動距離は、繊維状含有物の平均繊維長よりも長くなるように設定されるのが望ましい。この指標としては、溶融樹脂Mのウェルド部Bにおける流動距離のほかに、押込部21や引込部22付近における溶融樹脂Mの流動距離を指標としてもよい。この場合、ウェルド部Bでの含有物の配向をより良く崩して強度向上を実現することができる。
また、上記実施の形態では、充填する樹脂として熱可塑性樹脂を用いたが熱硬化性樹脂を用いてもよい。この場合、キャビティ空間12に充填された溶融樹脂を加熱することによって固化させる。
また、上記実施の形態では射出成形としたが、トランスファー成形、圧縮成形、注型成形によって成形を行ってもよい。
10 金型(樹脂成形金型)
11 固定型(キャビティ形成体)
12 キャビティ空間
12a 表面
13 可動型(キャビティ形成体)
21 押込部
22 引込部
B ウェルド部
M 溶融樹脂

Claims (4)

  1. 充填された溶融樹脂が少なくとも一箇所のウェルド部で合流するキャビティ空間を形成するキャビティ形成体と、
    前記キャビティ空間に充填された溶融樹脂に押込力を加える押込部と、
    前記押込部と前記ウェルド部を挟んで対向配置され、前記押込部の押し込みに応じて充填された溶融樹脂を引き込む引込部とを備え、前記押込部から前記引込部に向かって溶融樹脂を流動させる樹脂成形金型であって、
    前記キャビティ空間は、成形される成形品の開口に対応する部分に突出して形成される開口形成部を備え、
    単一の前記ウェルド部を挟みつつ前記開口形成部を挟まずに位置する前記押込部及び前記引込部がそれぞれ複数設けられ、複数となる前記押込部及び前記引込部は、選択的に駆動可能に設けられていることを特徴とする樹脂成形金型。
  2. 前記キャビティ空間は、前記溶融樹脂が少なくとも二箇所で合流し、
    前記溶融樹脂が合流するそれぞれの位置に対応して選択された、前記押込部と前記引込部の組合せを複数有し、
    前記押込部及び前記引込部は前記組合せ単位で選択的に駆動可能に設けられていることを特徴とする請求項に記載の樹脂成形金型。
  3. 前記溶融樹脂には繊維状の含有物が配合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂成形金型。
  4. 前記請求項1から請求項の何れかに記載の樹脂成形金型を用いた樹脂成形方法であって、
    前記キャビティ空間に溶融樹脂を充填する充填工程と、
    複数となる前記押込部から前記引込部の何れかの組合せで溶融樹脂を流動させる第1流動工程及びそれ以外の組合せで溶融樹脂を流動させる第2流動工程を順次もしくは時間差を設けて同時に行う樹脂流動工程とを含むことを特徴とする樹脂成形方法。
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