JP6687378B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
特許文献1に開示された空気入りタイヤでは、主作用ベルトが備えるコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度(コード角度)が、幅方向中央領域では0°に近い小さい角度に設定され、幅方向端部領域に向けて漸増している。幅方向端部領域におけるコード角度は90°に近い大きな角度に設定されている。つまり、このコードはベルト面内においてS字状ないしは逆S状を呈している。
特許文献2には、主作用ベルトのタイヤ径方向外側に配置される補強ベルトが、タイヤ周方向に対して傾斜した状態で巻回されている空気入りタイヤが開示されている。
特開2011−173455号公報 特開2013−99905号公報
特許文献1に開示された空気入りタイヤは、主作用ベルトの幅方向端部領域におけるコード角度を大きく設定することにより、ベルト耐久性の向上を図っている。しかし、コード角度が大きい幅方向端部領域では、タイヤ径方向の拘束力が幅方向中央領域と比較して弱いため、特に高速走行時のタイヤ径方向の成長を効果的に抑制できず、高速耐久性が劣る。また、主作用ベルトを含むケーシングの面としての剛性(面剛性)が十分ではなく、操安性が劣る。
特許文献2に記載のものを含む既知の補強ベルトは、S字状ないは逆S字状のコードを有するベルトの高速耐久性や操安性の向上に関し、特段の考慮はされていない。
本発明は、空気入りタイヤにおいて、ベルト耐久性、高速耐久性、及び操安性を並立することを課題とする。
本発明は、最外層主作用ベルトを含む複数の主作用ベルトを備える主作用ベルト層と、前記最外層主作用ベルトに対してタイヤ径方向外側に隣接して配置された補強ベルトを少なくとも備える補強ベルト層とを備え、前記最外層主作用ベルトは、幅方向中央領域におけるコード角度θ1よりも、幅方向端部領域のコード角度θ2が1.0°以上5.0°以下大きく、かつ幅方向中央から幅方向端縁に向けてコード角度が漸増しており、前記最外層主作用ベルトの前記幅方向中央領域における前記補強ベルトのコード角度θ3は、前記コード角度θ1とは逆符号の角度を有し、前記最外層主作用ベルトの前記幅方向端部領域における前記補強ベルトのコード角度θ4は、前記コード角度θ2とは逆符号の角度を有し、前記コード角度θ4は、以下の条件を満たす、空気入りタイヤを提供する
θ4=−θ2×β
ここでβは係数であり、0<β≦0.2である。
最外層主作用ベルトでは、幅方向中央領域におけるコード角度θ1よりも、幅方向端部領域におけるコード角度θ2が大きい。また、最外層主作用ベルトでは、幅方向中央から幅方向端縁に向けてコード角度が漸増している。つまり、最外層主作用ベルトのコードは、S字状ないし逆S字状を呈する。この構成により、ベルト耐久性が向上する。
最外層主作用ベルトの幅方向端部領域のコード角度θ2は、幅方向中央領域におけるコード角度θ1よりも1.0°以上5.0°以下大きい。つまり、最外層主作用ベルトから得られるタイヤ径方向の拘束力は、幅方向中央領域よりも幅方向端部領域が相対的に小さい。しかし、幅方向端部領域では、最外層主作用ベルトのコード角度θ2と補強ベルトのコード角度θ4は、互いに逆符号の角度に設定されている。また、幅方向端部領域における補強ベルトのコード角度θ4は、θ4=−θ2×β(0<β≦0.2)に設定されている。つまり、幅方向端部領域における補強ベルトのコード角度θ4は、幅方向端部領域における主作用ベルトのコード角度θ2よりも十分小さく設定されている。これらの構成により、補強ベルトによって幅方向端部領域におけるタイヤ径方向の拘束力が補われ、主作用ベルト層と補強ベルト層を合わせてタイヤ径方向の拘束力は、タイヤ幅方向に均一化される。そのため、高速走行時のタイヤ径方向の成長がタイヤ幅方向全体にわたって効果的に抑制され、高速耐久性が向上する。
最外層主作用ベルトの幅方向中央領域では、最外層主作用ベルトのコード角度θ1と補強ベルトのコード角度θ3とは、互いに逆符号の角度に設定されている。また、最外層主作用ベルトの幅方向端部領域では、最外層主作用ベルトのコード角度θ2と補強ベルトのコード角度θ4とは、互いに逆符号の角度に設定されている。つまり、幅方向中央領域と幅方向端部領域のいずれにおいても、最外層主作用ベルトのベルトコードと補強ベルトのベルトコードが交差している。この構成により、最外層主作用ベルトと補強ベルトを含むケーシングの面として剛性(面剛性)が向上し、トレッド部に形成されたブロック、リブ等の陸部のケーシングによる支持強度が向上する。その結果、操安性が向上する。
具体的には、前記最外層主作用ベルトの前記幅方向端部領域は、前記最外層主作用ベルトの幅方向中心に対して前記幅方向中心から前記幅方向端縁までの距離の70%以上90%以下離れた位置から、前記幅方向端縁までの領域である。
例えば、前記コード角度θ3は、以下の条件を満たす
θ3=−θ1×α
ここでαは係数であり、0.9≦α≦1.2である。
この設定により、タイヤ径方向の拘束力の向上と、コード角度θ1,θ3を逆符号の角度に設定することよる面剛性の向上との有効な両立を実現できる。
前記最外層主作用ベルトの前記幅方向中央領域と前記幅方向端部領域との間に、遷移領域が設けられ、前記遷移領域における前記主作用ベルトのコード角度θ5は、前記幅方向端部領域におけるコード角度θ2より小さく設定され、前記遷移領域における前記補強ベルトのコード角度θ6は、前記幅方向端部領域におけるコード角度θ4より小さく設定されてもよい。
遷移領域を設けることで、最外層主作用ベルトと補強ベルトを含むケーシングの面剛性が、タイヤ幅方向でより均一化される。また、遷移領域を設けることで、主作用ベルト層と補強ベルト層とによるタイヤ径方向の拘束力が、タイヤ幅方向でより均一化される。
例えば、前記遷移領域は、記最外層主作用ベルトの幅方向中心に対して前記幅方向中心から前記幅方向端縁までの距離の50%以上80%以下離れた位置から、前記幅方向端部領域までの領域である。
α/β≧10の場合、つまり幅方向中央領域と幅方向端部領域で、補強ベルトのコード角度θ3,θ4間の角度差が大きい場合、遷移領域がより効果的に機能する。
例えば、前記コード角度θ5,θ6は、以下の条件を満たす
θ6=−θ5×γ
ここでγは係数であり、0.4≦γ≦0.65である。
この設定により、タイヤ径方向の拘束力の向上と、コード角度θ5,θ6を逆符号の角度に設定することよる面剛性の向上とのより効果的な並立を実現できる。
本発明に係る空気入りタイヤによれば、ベルト耐久性、高速耐久性、及び操安性を並立できる。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの子午線断面図。 第1実施形態に係る空気入りタイヤのカーカス、主作用ベルト層、及び補強ベルト層の展開図。 内層側の主作用ベルトの展開図。 外層側の主作用ベルトの展開図。 本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤのカーカス、主作用ベルト層、及び補強ベルト層の展開図。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るゴム製の空気入りタイヤ(以下、タイヤという)1を示す。
タイヤ1は、トレッド部2、一対のサイド部3、及び一対のビード部4を備える。トレッド部2には、タイヤ周方向に延びる主溝2aと、主溝2aに対して交差するようにタイヤ幅方向に延びる多数の横溝(図示せず)が設けられ、それによってブロック、リブ等の陸部が設けられている。個々のビード部4は、サイド部3のタイヤ径方向の内側端部(トレッド部2とは反対側の端部)に設けられている。個々のビード部4は、ビードコア5とビードフィラー6を備える。ビード部4間には、トロイダル状のカーカス7が設けられている。タイヤ1の最内周面には、インナーライナー(図示せず)が設けられている。ビードコア5の周囲では、カーカス7のタイヤ幅方向の端部が、ビードフィラー6に沿ってタイヤ幅方向の内側から外側に向けて巻き上げられている。
図2を併せて参照すると、本実施形態におけるカーカス7は、1枚のカーカスプライからなり、互いに平行に配置された複数のカーカスコード7aをゴム層で被覆して形成されている。カーカスコード7aは、タイヤ径方向に延びるように配置されており、タイヤ周方向に対する角度(コード角度)θ0は90度に設定されている。図1及び図2において符号Ceは、タイヤ幅方向の中心線を示す。この中心線Ceが延びる方向がタイヤ周方向である。
カーカス7とトレッド部2の踏面との間には、無端状の主作用ベルト層10が設けられている。本実施形態では、主作用ベルト層10は、2枚の主作用ベルト11,12を備える。主作用ベルト11は、カーカス7のタイヤ径方向外側に隣接して配置され、主作用ベルト(最外層主作用ベルト)12は、主作用ベルト11のタイヤ径方向外側に隣接して配置されている。図2から図4を併せて参照すると、主作用ベルト11,12は、いずれもベルトコード11a,12aをゴム被覆して形成されている。ベルトコード11a,12aは、スチール製であってもよいし、有機繊維製であってもよい。主作用ベルト層10は、3枚以上の主作用ベルトを備えてもよい。
主作用ベルト層10のタイヤ径方向外側には、無端状の補強ベルト層20を備える。本実施形態では、補強ベルト層20は、主作用ベルト12に対してタイヤ径方向外側に隣接して配置された1枚の補強ベルト21のみを備える。図2を併せて参照すると、補強ベルト21は、ベルトコード21a,21b,21cをゴム被覆して形成されている。ベルトコード21a〜21cは、スチール製であってもよいし、有機繊維製であってもよい。補強ベルト層20は、補強ベルト21のタイヤ径方向外側にさらに1枚又は複数枚の補強ベルトを備えてもよい。
図2から図4を参照して、主作用ベルト11,12及び補強ベルト21が備えるベルトコード11a,12a,21a〜21cのコード角度θ1’〜θ4について説明する。これらのコード角度θ1’〜θ4は、ベルトコード11a,12a,21a〜21cがタイヤ周方向に対してなす角度のうち鋭角のものを言う。以下の説明では、コード角度θ1’〜θ4の正負の符号は、図2の矢印Aで示す向きを基準とする。具体的には、矢印Aの向きを基準に、ベルトコード11a,12a,21a〜21cがタイヤ幅方向の中心線Ceに対して図において右側に離れるように延びている場合を正とする。また、矢印Aの向きを基準に、ベルトコード11a,12a,21a〜21cが中心線Ceに対して図において左側に離れるように延びている場合を負とする。また、前者に場合は右上がりと言うことがあり、後者の場合は左上がりということがある。
図2及び図3を参照すると、主作用ベルト11のベルトコード11aは曲線状であって、中心線Ceの付近では0°に比較的近い小さいコード角度θ1’を有し、幅方向端縁11b,11cの付近では90°に比較的近い大きいコード角度θ2’を有する。また、主作用ベルト11のコード角度は、中心線Ceから幅方向端縁11b,11cに向けて漸増している。コード角度θ1’,θ2’の符号はいずれも正であり、ベルトコード11aは全体として右上がりに延びている。そのため、個々のベルトコード11aは、ベルト面内において逆S字状を呈している。
図2及び図4を参照すると、主作用ベルト12のベルトコード12aは曲線状であって、主作用ベルト11のベルトコード11aに対して90°に比較的近い角度で交差するように設けられている。つまり、主作用ベルト12のコード角度θ1,θ2の符号は負であり、ベルトコード12aは全体として左上がりに延びている。そのため、個々のベルトコード12aは、ベルト面内においてS文字状を呈している。
図2において、符号12bは主作用ベルト12のタイヤ幅方向の中央領域(幅方向中央領域)を示し、符号12c,12dは主作用ベルト12のタイヤ幅方向の端部領域(幅方向端部領域)を示す。幅方向中央領域12bは中心線Ceを含むように拡がっている。幅方向中央領域12bに対してタイヤ幅方向の両側に隣接して、幅方向端部領域12c,12dが位置している。
本実施形態では、中心線Ceから幅方向中央領域12bと幅方向端部領域12c,12dの境界P1,P2までの距離D1,D2は、互いに等しい。これらの距離D1,D2は、中心線Ceから主作用ベルト12の幅方向端縁12e,12fまでの距離Dの70%以上90%以下に設定されている。言い換えれば、主作用ベルト12の幅方向端部領域12c,12dは、中心線Ce(主作用ベルト12の幅方向の中心)に対して距離Dの70%以上90%以下離れた位置(境界P1,P2)から、幅方向端縁12e,12fまでの領域である。
主作用ベルト12の幅方向中央領域12bでは、ベルトコード12aは、0°に比較的近い小さいコード角度θ1を有する。一方、主作用ベルト12の幅方向端部領域12c,12dでは、ベルトコード12aは、90°に比較的近い大きいコード角度θ2を有する。また、ベルトコード12aのコード角度は、中心線Ceから幅方向端部12e,12fに向けて漸増している。主作用ベルト12の幅方向端部領域12c,12dのコード角度θ2は、幅方向中央領域12bにおけるコード角度θ1よりも1.0°以上5.0°以下大きく設定されている。コード角度θ1,θ2の符号はいずれも負であり、ベルトコード12aは全体として左上がりに延びている。そのため、個々のベルトコード12は、ベルト面においてS字状を呈している。
図2において、符号21dは補強ベルト21のタイヤ幅方向の中央領域(幅方向中央領域)を示し、符号21e,21fは補強ベルト21のタイヤ幅方向の端部領域(幅方向端部領域)を示す。補強ベルト21の幅方向中央領域21dは、前述した主作用ベルト12の幅方向中央領域12bと一致している。幅方向端部領域21e,21fは、前述した主作用ベルト12における幅方向中央領域12bと幅方向端部領域12c,12dの境界P1,P2から補強ベルト21の幅方向端縁21g,21hまでの領域である。補強ベルト21の幅方向端縁21g,21hは、主作用ベルト12の幅方向端縁12e,12fよりもタイヤ幅方向外側に位置している。そのため、主作用ベルト12の幅方向端部領域12c,12dの全体が、補強ベルト21の幅方向端部領域21e,21fに含まれる。
補強ベルト21の幅方向中央領域21dのベルトコード21aは直線状であって、主作用ベルト12の幅方向中央領域12bのベルトコード12aと交差するように配置されている。また、補強ベルト21の幅方向端部領域21e,21fのベルトコード21b,21cも直線状であって、主作用ベルト12の幅方向端部領域12c,12dのベルトコード12aと交差するように配置されている。ベルトコード21aのコード角度θ3と、ベルトコード21b,21cのコード角度θ4との符号はいずれも正であり、ベルトコード
21a〜21cは右上がりに延びている。幅方向端部領域21e,21fにおけるベルトコード21b,21cのコード角度θ4の絶対値は、幅方向中央領域21dにおけるベルトコード21aのコード角度θ3の絶対値よりも小さい。言い換えれば、幅方向端部領域21e,21fのベルトコード21b,21cは、幅方向中央領域21dのベルトコード21aよりも、タイヤ周方向に対する傾斜が小さい。
補強ベルト21の幅方向中央領域21dと幅方向端部領域21e,21fとは、別体のシート部材を貼り合わせて製作したベルトであってもよいし、別体のシート部材を個別に主作用ベルト層10に巻き付けることで構成したものでもよい。
補強ベルト21の幅方向中央領域21dにおけるベルトコード21aのコード角度θ3は、例えば、以下の式(1)に示す条件を満たすように設定される。式(1)において、記号αは係数であり、0.9≦α≦1.2の範囲で設定される。
Figure 0006687378
補強ベルト21の幅方向端部領域21e,21fにおけるベルトコード21b,21cのコード角度θ4は、例えば以下の式(2)に示す条件を満たすように設定される。式(2)において、記号βは係数であり、0<β≦0.2の範囲で設定される。
Figure 0006687378
主作用ベルト12では、幅方向中央領域12bにおけるコード角度θ1よりも、幅方向端部領域12c,12dにおけるコード角度θ2が大きい。また、主作用ベルト12では、中心線Ceから幅方向端縁12e,12fに向けてコード角度が漸増し、ベルトコード12aは逆S字形状を有する。かかる構成により、ベルト耐久性が向上する。
主作用ベルト12の幅方向端部領域12c,12dのコード角度θ2は、幅方向中央領域12bにおけるコード角度θ1よりも1.0°以上5.0°以下大きい。つまり、最外層の主作用ベルト12から得られるタイヤ径方向の拘束力は、幅方向中央領域12bよりも幅方向端部領域12c,12dが相対的に小さい。しかし、幅方向端部領域12c,12d(幅方向端部領域21e,21f)では、主作用ベルト12のコード角度θ2と、主作用ベルト12に隣接して設けられた補強ベルト21のコード角度θ4は、互いに逆符号の角度に設定されている。また、幅方向端部領域12c,12d(幅方向端部領域21e,21f)における補強ベルト21のコード角度θ4は、θ4=−θ2×β(0<β≦0.2)に設定されている(前述の式(2))。つまり、幅方向端部領域12c,12d(幅方向端部領域21e,21f)における補強ベルト21のコード角度θ4は、幅方向端部領域12c,12d(幅方向端部領域21e,21f)における主作用ベルト12のコード角度θ2よりも十分小さく設定されている。これらの構成により、補強ベルト21によって幅方向端部領域12c,12d(幅方向端部領域21e,21f)におけるタイヤ径方向の拘束力が補われ、主作用ベルト層10と補強ベルト層20を合わせたタイヤ径方向の拘束力は、タイヤ幅方向に均一化される。そのため、高速走行時のタイヤ径方向の成長がタイヤ幅方向全体にわたって効果的に抑制され、高速耐久性が向上する。
最外層の主作用ベルト12の幅方向中央領域12bでは、主作用ベルト12のコード角度θ1と補強ベルト21のコード角度θ3とは、互いに逆符号の角度に設定されている。また、最外層の主作用ベルト12の幅方向端部領域12c,12dでは、主作用ベルト12のコード角度θ2と補強ベルト21のコード角度θ4とは、互いに逆符号の角度に設定されている。つまり、幅方向中央領域12bと幅方向端部領域12c,12dのいずれにおいても、主作用ベルト12のベルトコード12aと補強ベルト21のベルトコード21a〜21cとが交差している。この構成により、主作用ベルト12と補強ベルト21を含むケーシングの面として剛性(面剛性)が向上し、トレッド部2に形成されたブロック、リブ等の陸部のケーシングによる支持強度が向上する。その結果、操安性が向上する。
また、前述の式(1)のように、幅方向中央領域12b(幅方向中央領域21d)における補強ベルト21のコード角度θ3は、θ3=−θ1×α(0.9≦α≦1.2)に設定されている。この設定により、タイヤ径方向の拘束力の向上と、コード角度θ1,θ3を逆符号の角度に設定することよる面剛性の向上との有効な並立を実現できる。
以上のように、本実施形態に係るタイヤ1によれば、ベルト耐久性、高速耐久性、及び操安性を並立できる。
(第2実施形態)
図5において、符号12g,12hは主作用ベルト12の遷移領域を示す。遷移領域12g,12hは、タイヤ幅方向に拡がる領域であり、幅方向中央領域12bと幅方向端部領域12c,12dとの間に設けられている。つまり、幅方向中央領域12bのタイヤ幅方向外側に遷移領域12g,12hが隣接し、遷移領域12g,12hのタイヤ幅方向外側に幅方向端部領域12c,12dが隣接している。
本実施形態では、中心線Ceから幅方向中央領域12bと遷移領域12g,12hの境界P3,P4までの距離D3,D4は、互いに等しい。これらの距離D3,D4は、中心線Ceから主作用ベルト12の幅方向端縁12e,12fまでの距離Dの50%以上80%以下に設定されている。言い換えれば、主作用ベルト12の遷移領域12g,12hは、中心線Ce(主作用ベルト12の幅方向の中心)に対して距離Dの50%以上80%以下離れた位置(境界P3,P4)から幅方向端部領域12c,12dまでの領域である。
遷移領域12g,12hにおける主作用ベルト12のベルトコード12aが有するコード角度θ5は、幅方向中央領域12bにおけるコード角度θ1よりも大きく、幅方向端部領域12c,12dにおけるコード角度θ3よりも小さい。
図5において、符号21i,21jは補強ベルト21の遷移領域を示す。遷移領域21i,21jは、タイヤ幅方向に拡がる領域であり、幅方向中央領域21dと幅方向端部領域21e,21fとの間に設けられている。つまり、幅方向中央領域21dのタイヤ幅方向外側に遷移領域21i,21jが隣接し、遷移領域21i,21jのタイヤ幅方向外側に幅方向端部領域21e,21fが隣接している。本実施形態では、補強ベルト21の遷移領域21i,21jのタイヤ幅方向の位置及び幅は、主作用ベルト12の遷移領域12g,12fのタイヤ幅方向の位置及び幅と一致している。
補強ベルト21の遷移領域21i,21jのベルトコード21m,21nは、直線状であって、主作用ベルト12の遷移領域12g,12hのベルトコード12aと交差するように配置されている。遷移領域21i,21jにおけるベルトコード21m,21nのコード角度θ6の符号は正であり、遷移領域12g,12hにおける主作用ベルト12のコード角度θ5とは逆符号である。遷移領域21i,21jにおけるベルトコード21m,21nは、遷移領域12g,12hにおける主作用ベルト12のベルトコード12aと交差するように、右上がりに延びている。遷移領域21i,21jにおける補強ベルト21のコード角度θ6は、幅方向中央領域21dにおける補強ベルト21のコード角度θ3よりも小さく、幅方向端部領域21e,21fにおける補強ベルト21のコード角度θ4よりも大きい。
補強ベルト21の遷移領域21i,21jにおけるベルトコード21m,21nのコード角度θ6は、例えば以下の式(3)に示す条件を満たすように設定される。式(3)において、記号γは係数であり、0.4≦γ≦0.65の範囲で設定される。
Figure 0006687378
幅方向中央領域21dのコード角度θ3と幅方向端部領域21e,21fのコード角度θ4との中間のコード角度θ6を有する遷移領域21i,21jが補強ベルト21に設けられている。これによって、主作用ベルト12と補強ベルト21を含むケーシングの面剛性が、タイヤ幅方向でより均一化される。また、遷移領域21i,21jを設けることで、主作用ベルト層10と補強ベルト層20とによるタイヤ径方向の拘束力が、タイヤ幅方向でより均一化される。
前述の式(3)のように、遷移領域21i,21jにおける補強ベルト21のコード角度θ6は、θ6=−θ5×γ(0.4≦γ≦0.65)に設定されている。この設定により、タイヤ径方向の拘束力の向上と、コード角度θ5,θ6を逆符号の角度に設定することよる面剛性の向上とのより効果的な並立を実現できる。
α/β≧10の場合、つまり幅方向中央領域21dと幅方向端部領域21e,21fで、補強ベルト21のコード角度θ3,θ4間の角度差が大きい場合、遷移領域がより効果的に機能する。
第2実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(評価試験)
以下の表1に示す比較例1,2並びに実施例1,2のタイヤを対象にし、ベルト耐久性、高速耐久性、及び操安性の評価試験を行った。特に言及しない諸元は、比較例1,2並びに実施例1,2間で共通している。特に、これらのいずれについても、タイヤサイズは、205/55R16 91Vである。
Figure 0006687378
比較例1では、最外層の主作用ベルトのベルトコードはコード角度が一定の直線状である。また、補強ベルトのベルトコードもコード角度が一定の直線状であり、主作用ベルトのベルトコードに交差するように延びている。
比較例2では、最外層の主作用ベルトのベルトコードはS字状ないし逆S字状であり、幅方向端部領域のコード角度は幅方向中央領域のコード角度より大きい。補強ベルトのベルトコードはコード角度が一定の直線状であり、主作用ベルトのベルトコードに交差するように延びている。
実施例1は、図2に示す構成の最外層の主作用ベルトと補強ベルトを備える。
実施例2は、図4に示す構成の最外層の主作用ベルトと補強ベルトを備える。
ベルト耐久性の評価では、内圧180kPaの条件下で、一定の速度でドラム走行試験を実施し、タイヤが破壊されるまでの走行距離を計測した。走行距離が長ければ長いほど良評価とする。評価結果は比較例1を100とした指数で示しており、指数の値が大きいほど、ベルト耐久性が高いことを示す。
高速耐久性の評価では、内圧220kPaの条件下で、速度を徐々に上げていくドラム走行試験を実施し、タイヤが破壊されるまでの走行距離を計測した。走行距離が長ければ長いほど良評価とする。評価結果は比較例1を100とした指数で示しており、指数の値が大きいほど、高速耐久性が高いことを示す。
操安性の評価では、装着可能車両に装着し、パネラーによる官能評価を行った。旋回時の挙動が直線的な応答性で車両のブレがないほど良評価とする。評価結果は比較例1を100とした指数で示しており、指数の値が大きいほど、操安性が良好であることを示す。
比較例2では、主作用ベルトをS字状ないし逆S字状としたことで、比較例1よりもベルト耐久性は向上するものの、操安性と高速耐久性が比較例1よりも低下している。これに対し、実施例1,2では、比較例1より操安性が向上しているだけでなく、ベルト耐久性と高速耐久性についても比較例1より向上している。つまり、操安性、ベルト耐久性、及び高速耐久性の並立が実現されている。
1 タイヤ
2 トレッド部
2a 主溝
3 サイド部
4 ビード部
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 カーカス
7a カーカスコード
10 主作用ベルト層
11 主作用ベルト
11aベルトコード
11b,11c 幅方向端縁
12 主作用ベルト
12a ベルトコード
12b 幅方向中央領域
12c,12d 幅方向端部領域
12e,12f 幅方向端縁
12g,12h 遷移領域
20 補強ベルト層
21 補強ベルト
21a,21b,21c ベルトコード
21d 幅方向中央領域
21e,21f 幅方向端部領域
21g,21h 幅方向端縁
21i,21j 遷移領域
21m,21n ベルトコード
A 矢印
Ce 中心線
P1〜P4 境界
D,D1〜D4 距離
θ1’,θ2’,θ1〜θ6 コード角度

Claims (7)

  1. 最外層主作用ベルトを含む複数の主作用ベルトを備える主作用ベルト層と、
    前記最外層主作用ベルトに対してタイヤ径方向外側に隣接して配置された補強ベルトを少なくとも備える補強ベルト層と
    を備え、
    前記最外層主作用ベルトは、幅方向中央領域におけるコード角度θ1よりも、幅方向端部領域のコード角度θ2が1.0°以上5.0°以下大きく、かつ幅方向中央から幅方向端縁に向けてコード角度が漸増しており、
    前記最外層主作用ベルトの前記幅方向中央領域における前記補強ベルトのコード角度θ3は、前記コード角度θ1とは逆符号の角度を有し、
    前記最外層主作用ベルトの前記幅方向端部領域における前記補強ベルトのコード角度θ4は、前記コード角度θ2とは逆符号の角度を有し、
    前記コード角度θ4は、以下の条件を満たす、空気入りタイヤ
    θ4=−θ2×β
    ここでβは係数であり、0<β≦0.2である。
  2. 前記最外層主作用ベルトの前記幅方向端部領域は、前記最外層主作用ベルトの幅方向中心に対して前記幅方向中心から前記幅方向端縁までの距離の70%以上90%以下離れた位置から、前記幅方向端縁までの領域である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記コード角度θ3は、以下の条件を満たす、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ
    θ3=−θ1×α
    ここでαは係数であり、0.9≦α≦1.2である。
  4. 前記最外層主作用ベルトの前記幅方向中央領域と前記幅方向端部領域との間に、遷移領域が設けられ、
    前記遷移領域における前記主作用ベルトのコード角度θ5は、前記幅方向端部領域におけるコード角度θ2より小さく設定され、
    前記遷移領域における前記補強ベルトのコード角度θ6は、前記幅方向端部領域におけるコード角度θ4より小さく設定されている、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記遷移領域は、記最外層主作用ベルトの幅方向中心に対して前記幅方向中心から前記幅方向端縁までの距離の50%以上80%以下離れた位置から、前記幅方向端部領域までの領域である、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. α/β≧10である、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記コード角度θ5,θ6は、以下の条件を満たす、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ
    θ6=−θ5×γ
    ここでγは係数であり、0.4≦γ≦0.65である。
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