JP2011173455A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの軽量性とベルト耐久性とをより高度に両立させた空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】ベルトの第1ベルト層と第2ベルト層がともに、フィラメント径0.18〜0.26mmのモノフィラメントコードが、5〜7本にて引き揃えた束を単位としベルト幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなり、第2ベルト層端部における第1ベルト層と第2ベルト層とのモノフィラメントコード間のゴム層のゲージがベルト中央部領域における当該ゲージの1.3〜2.5倍である空気入りラジアルタイヤである。ベルトの各層における少なくとも一部のモノフィラメントコードにおいて、モノフィラメントコードのタイヤ周方向に対する角度が、ベルト中央部領域とベルト端部領域とで異なり、かつ、ベルト中央部領域における該角度をθ1、ベルト端部領域における該角度をθ2としたとき、θ1<θ2の関係を満足する。
【選択図】図3

Description

本発明は空気入りラジアルタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、ベルトコードの改良により耐久性と軽量性とを両立させた空気入りラジアルタイヤ、特には、乗用車用として好適な空気入りラジアルタイヤに関する。
近年、自動車の燃費を向上させるために、タイヤを軽量化する要求は益々高まってきている。従来の撚りスチールコードを用いるベルト部での軽量化を考える際、引張強度を一定以上確保することを前提とすると、スチールベルト層のコーティングゲージを薄くするしかない。
このような観点から、金属モノフィラメントを撚らずにベルト用コードとして使用する技術が開発され、これまでに種々提案がなされている。例えば、特許文献1では、燃費の向上および乗り心地の改良を目的として、金属線材(モノフィラメント)の3または4本を撚り合わせることなくベルトの幅方向に並べて引き揃えた束を単位としてゴムに埋設して成るベルトを備える空気入りラジアルタイヤが提案されている。また、特許文献2では、タイヤの軽量化ニーズに対応するためと、金属線の折れによる耐久性の低下等の不具合を解決するために、ベルト層が、金属モノフィラメントがベルトプライ幅方向に所定の条件下で並べられて被覆ゴム中に埋設されている3枚のベルトプライで構成されている空気入りラジアルタイヤが提案されている。
さらに、特許文献3には、ベルト端セパレーションの発生を抑制し、ベルト耐久性の改善と、タイヤ重量の軽量化とを両立した空気入りラジアルタイヤを得るために、2層目の第2ベルト層端部における第1ベルトと第2ベルトのモノフィラメントコード間のゲージをタイヤ中央部におけるゲージの1.3〜3.0倍とする技術が開示されている。さらにまた、特許文献4には、上記に加えて、第1ベルト層および第2ベルト層を、フィラメント径0.18〜0.26mmのモノフィラメントコードが、5〜7本にて引き揃えた束を単位としベルト幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなるものとすることで、タイヤ軽量性とベルト耐久性とを高度に両立させた空気入りタイヤが開示されている。
また、ベルト層におけるコード角度の改良に係る技術としては、例えば、特許文献5に、ベルト層のコードの、タイヤ赤道面に対する傾斜角をタイヤ赤道面側よりもタイヤ幅方向両端部で大きくして、これら2層のベルト層間に、タイヤ幅方向両端部間に所定のベルト層間ゴムを配設することで、セパレーションの抑制を図った空気入りラジアルタイヤが開示されている。さらに、特許文献6には、有機繊維からなるベルトコードの端部を湾曲させて、ベルト端部におけるベルトコードの接線とタイヤの赤道とのなす角度が、ベルト端部以外における直線状のベルトコードとタイヤの赤道とのなす角度よりも大きくなるように配置した空気入りタイヤが開示されている。さらにまた、特許文献7には、ベルト側域における帯状体のタイヤの赤道面に対する傾斜角度を、ベルト側縁での折れ曲がりの前後で異ならせた空気入りラジアルタイヤが、特許文献8には、ベルト層の幅方向端部域のスチールコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度を中間域の傾斜角度よりも大きくした空気入りラジアルタイヤが、それぞれ開示されている。
特開平11‐208210号公報(特許請求の範囲等) 特開2001‐334810号公報(特許請求の範囲等) 特開2005‐349999号公報(特許請求の範囲等) 特開2007‐302203号公報(特許請求の範囲等) 特開平9‐48212号公報(特許請求の範囲等) 特開平6‐115311号公報(特許請求の範囲等) 特開平8‐164710号公報(特許請求の範囲等) 特開2002‐144813号公報(特許請求の範囲等)
これまでに提案されているように、モノフィラメントコードをベルトに適用することで、コード中心間のゲージをあわせて設計した場合でも層間のゴムゲージを確保することができ、層間のゲージを合わせて設計することにより、タイヤの軽量化を図ることが可能となるが、その一方で、以下のような問題があった。まず、タイヤ径方向のコード間隔が密になるため、隣接コードからの亀裂が進展し易いという問題である。次に、ベルト面内に占めるスチールコード使用量が大きいため、層間せん断歪みが増加するという問題である。このような問題がある結果として、モノフィラメントコードを用いたベルトでは、通常の撚りコードを使用した場合に比べてベルトエッヂセパレーション(BES)が起こり易くなっていた。なお、コーティングゴムのゲージを増加させることで、BESの発生は抑制されるが、当然、重量増となるため、所期の目的であるタイヤの軽量化には背反することとなる。
上記特許文献3に記載の技術によれば、ベルト層にモノフィラメントコードを用いたタイヤにおいて、BESの起点となるベルト端部においてベルト間ゴムのゲージを増加させることで、ベルト端における歪を抑制して、耐BES性を向上することが可能である。また、上記特許文献4に記載の技術によれば、コードの配列条件を制御することにより、耐BES性をより向上させることができる。しかしながら、これらの技術においても、耐BES性を確保するためにはベルト端部のゴムゲージを厚く設定しなければならない場合があり、軽量化の要求を十分に満足できるものではなかった。
そこで本発明の目的は、上記従来技術における問題を解消して、タイヤ重量の軽量化を図りつつベルトエッヂセパレーションの発生を抑制することで、タイヤの軽量性とベルト耐久性とをより高度に両立させた空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、モノフィラメントコードを適用したベルトにおいて、モノフィラメントコードの角度を、ベルト中央部領域とベルト端部領域とで異なるものとすることで、ベルト端の歪を減少することができ、ベルト間ゴムゲージを厚くすることなく耐久性を確保することが可能となることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、左右一対のビードコア間にわたりトロイド状をなして跨る少なくとも1枚のカーカス層からなるカーカスと、該カーカスのクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設されて接地部を形成するトレッド部と、該トレッド部と前記カーカスのクラウン領域との間に配置されて補強部を形成する、少なくとも2枚のベルト層からなるベルトとを備える空気入りラジアルタイヤであって、
前記ベルトの1層目の第1ベルト層と2層目の第2ベルト層がともに、フィラメント径0.18〜0.26mmのモノフィラメントコードが、5〜7本にて引き揃えた束を単位としベルト幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなり、前記第2ベルト層端部における第1ベルト層と第2ベルト層とのモノフィラメントコード間のゴム層のゲージがベルト中央部領域における当該ゲージの1.3〜2.5倍である空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ベルトの各層における少なくとも一部の前記モノフィラメントコードにおいて、該モノフィラメントコードのタイヤ周方向に対する角度が、ベルト中央部領域とベルト端部領域とで異なり、かつ、ベルト中央部領域における該角度をθ1、ベルト端部領域における該角度をθ2としたとき、θ1<θ2の関係を満足することを特徴とするものである。
本発明において、前記ベルト端部領域は、前記第2ベルト層の端部からタイヤ幅方向内側に、該第2ベルト層の総幅の10%までの領域を含むものとすることができる。また、本発明においては、前記ベルト端部領域における前記モノフィラメントコードのタイヤ周方向に対する角度θ2をθ2=θ1+Aとしたとき、Aが1.5°〜3.5°であることが好ましい。さらに、前記モノフィラメントコードは、前記ベルト面内において略S字状または略逆S字状を呈するものを含むことが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、ベルト間ゴムゲージを薄くしても耐BES性を確保することができるので、タイヤの耐久性を損なわずに、より軽量な空気入りラジアルタイヤを提供することができる。したがって、本発明によれば、タイヤの軽量性と耐BES性とを、より高度に両立させた空気入りラジアルタイヤを実現することが可能である。
本発明の一好適例の空気入りラジアルタイヤを示す片側断面図である。 ベルト層の端部近傍を示す拡大部分断面図である。 本発明に係るモノフィラメントコードのベルト面内における配置形状を示す概略説明図である。 本発明に係るモノフィラメントコードのトレッド面内における配置形状を示す概略説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係る空気入りラジアルタイヤを示す。図示するタイヤは、カーカスのクラウン領域に配設されて接地部を形成するトレッド部1と、このトレッド部1の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部2と、各サイドウォール部2の内周側に連続するビード部3とを備えている。
トレッド部1、サイドウォール部2およびビード部3は、一方のビード部3から他方のビード部3にわたってトロイド状に延びる一枚のカーカス層からなるカーカス4により補強されている。また、トレッド部1は、以下で詳述する、カーカス4のクラウン領域のタイヤ径方向外側に互いに交錯して配置された少なくとも2層、図示する例では2層の第1ベルト層5aと第2ベルト層5bとからなるベルトにより補強されている。ここで、カーカス4のカーカス層は複数枚としてもよく、タイヤ周方向に対してほぼ直交する方向、例えば、70〜90°の角度で延びる有機繊維コードを好適に用いることができる。
図2に、本発明のタイヤにおけるベルト端部の幅方向断面を拡大して示す。図示するように、本発明においては、ベルトの、1層目の第1ベルト層5aと2層目の第2ベルト層5bがともに、モノフィラメントコード6が5〜7本、図示する例では6本にて引き揃えた束を単位とし、ベルト幅方向に並置されてコーティングゴム8中に埋設されてなる。
前述したように、BESの起点となるベルト端の歪を抑制するため、コード間ゴムのゲージを増加させることで、耐BES性を向上することは可能である。但し、コード間のタイヤ幅方向距離、即ちコード間隔wが0.4mm以下と密である場合には、隣接コード間で亀裂がつながりやすく、ベルト間ゴムの効果だけでは不十分で、従来コード対比では耐BES性に劣る結果となってしまう。また、コード間隔wが1.2mm以上と極めて疎である場合においても、コードに沿った亀裂進展が速く、やはり耐BES性に劣る結果となってしまう。そこで本発明においては、モノフィラメントコードを5〜7本の束にしてベルトに適用することで、総強力を保ちつつ、コード間隔wを適切な範囲に確保して、良好な耐BES性を得たものである。従って、以上のような理由より、本発明においては、モノフィラメントコード束間のベルト幅方向距離wが、0.4mmを超え1.2mm未満であることが好ましい。
また、ベルト折れ性を考慮すると、モノフィラメントコードのフィラメント径は、0.18〜0.26mm、特には、0.20〜0.24mmとすることが必要である。フィラメント径が0.18mmより細くなると8の字旋回走行時のバックリング波長が短くなり、その際に生ずる表面歪が大きくなり、ベルト折れ性に劣る結果となる。一方、0.26mmより大きくなると表面歪が大きくなり、やはりベルト折れ性に劣る結果となる。
なお、モノフィラメントコード6の引張り強さは、好適には2700N/mm以上である。高い抗張力を有するモノフィラメントコードとしては、少なくとも0.7質量%、特には少なくとも0.8質量%の炭素を含有するものを、好適に用いることができる。
また、本発明において、第2ベルト層5b端部における第1ベルト層5aと第2ベルト層5bとのモノフィラメントコード6間のゴム層のゲージHは、タイヤ中央部における当該ゲージHの1.3〜2.5倍、好ましくは1.8〜2.0倍である。薄ゲージでコーティングしたモノフィラメントコードに、ベルト端において厚ゲージのベルト間ゴムを適用することで、タイヤの軽量化とベルト耐久性を両立させることができる。この値が1.3倍未満であるとベルト端セパレーションの抑制が十分ではなく、一方、2.5倍を超えるとタイヤの軽量化が十分とはいえなくなる。
さらに、本発明においては、ベルトの各層における、モノフィラメントコードのタイヤ周方向に対する角度が、ベルト中央部領域Xとベルト端部領域Yとで異なり、図3に概略的に示すように、ベルト中央部領域Xにおけるこの角度をθ1、ベルト端部領域Yにおけるこの角度をθ2としたとき、θ1<θ2の関係を満足することが必要である。タイヤ周方向に対するモノフィラメントの束コード6の角度が大きくなると、図示するように、束コード6と束コード6との間隔が広がる。そのため、ベルトを構成するモノフィラメントコード6のタイヤ周方向に対する傾斜角度を、ベルト端部領域Yにおいてベルト中央部領域Xよりも大きく設定したことで、このベルト端部領域Yにおいて、タイヤ転動時における第1ベルト層と第2ベルト層との間のせん断歪を小さくすることができるとともに、束コード6と束コード6との間でセパレーションが繋がりにくくなる効果が得られる。なお、図中のBEはベルト端を示す。
本発明においては、上記ベルトの各層におけるモノフィラメントコードのうち、少なくとも一部のモノフィラメントコードの角度が上記関係を満足すれば、本発明の所期の効果を得ることができるが、可能な限りすべてのモノフィラメントコードの角度が上記関係を満足することが好ましい。例えば、全モノフィラメントコードのうち90%以上が、上記関係を満足するものとする。また、本発明においては、2層以上のベルトのうち少なくとも1層のベルトについて、少なくとも一部のモノフィラメントコードの角度が上記関係を満足すれば、所期の効果が得られるものである。
以上より、本発明においては、上記所定のフィラメント径を満足するモノフィラメントコードを所定のコード本数にて束にしてベルトに適用し、コード間隔を確保しつつ、ベルト端部のゴムゲージをセンター対比1.3〜2.5倍に増加させ、さらに、ベルトの各層におけるモノフィラメントコードの角度が上記の関係を満足するものとすることで、ベルト折れ性を悪化させることなく所望の耐BES性を確保することができ、結果として、優れた耐久性と、軽量性とを両立した空気入りラジアルタイヤを得ることが可能となったものである。
図4に、本発明に係るモノフィラメントコードのトレッド面内における配置形状を示す概略図を示す。図中のTEはトレッド接地端を示す。図示するように、本発明においては、モノフィラメントコードが、ベルト面内において緩やかな略S字状または略逆S字状を描くように配置されていることが好ましい。このようなS字状または逆略S字状を呈するモノフィラメントコードを少なくとも一部に含むものとすることで、上記本発明に係るモノフィラメントコードの角度の関係を、容易に満足する空気入りラジアルタイヤが得られる。なお、本発明において、ベルト中央部領域Xとベルト端部領域Yとにおけるモノフィラメントコードの角度変化は、生タイヤの加硫拡張時においてベルト中央部領域Xとベルト端部領域Yとで拡張率に差を設けることで設定することができる。したがって上記モノフィラメントコードの角度は、製品タイヤにおける角度を示す。
なお、本発明において、ベルト中央部領域Xとは、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に左右20mmの領域をいうものとする。また、ベルト端部領域Yとは、第2ベルト層の端部からタイヤ幅方向内側に、第2ベルト層の総幅の10%までの領域を含むものとすることができる。すなわち、第2ベルト層のベルト端から、少なくとも第2ベルト層の半幅の1/5の領域をベルト端部領域Yとして、この領域内において、モノフィラメントコード6のタイヤ周方向に対する傾斜角度を、ベルト中央部領域Xよりも大きいものとする。これにより、本発明による耐BES性の向上効果を、より良好に得ることができる。ここで、第2ベルト層の幅を基準とするのは、少なくとも2層で設けられるベルトの交錯領域の端部における耐BES性を向上するためである。
なお、上記モノフィラメントコードのベルト中央部領域Xとベルト端部領域Yとにおける角度の差は、ベルト端部領域Yにおけるモノフィラメントコードのタイヤ周方向に対する角度θ2をθ2=θ1+Aとしたとき、Aが1.5°〜3.5°となるような範囲で決定することが好ましい。角度θ2が、θ1に対し大きすぎると、ベルトの剛性が低下して偏摩耗性に悪影響を与え、θ1に対し小さすぎると、ベルト間ゴムゲージを薄くできるほどの効果が得られず、いずれも好ましくない。これら角度θ1およびθ2は、具体的には例えば、θ1を35°〜15°の範囲として、θ2をθ2=θ1+A(A=1.5°〜3.5°)となる範囲で決定することができる。
また、本発明において、モノフィラメントコード束の打ち込み数は、好適には18〜32束/50mm程度である。打ち込み数が少なすぎると引っ張り強度を確保することが困難となり、多すぎるとコード間隔を確保することが困難となり、いずれも好ましくない。
さらに、本発明において、上記のように、ベルト端における第1ベルト層5aと第2ベルト層5bのモノフィラメントコード6間のゴム層のゲージHをベルト中央部領域のゲージHに比し厚くするには、第2ベルト層5b端部における第1ベルト層5aと第2ベルト層5bとの間に、ベルト間ゴム7を配設すればよい。ベルト間ゴム7の弾性率は、好ましくはベルトコーティングゴム8の弾性率の1.02〜2.0倍、特には1.1〜1.8倍とする。この弾性率の範囲内とするとき、ベルト端の歪が良好に抑制され、高次元にタイヤ重量の軽量化とベルト耐久性とを両立させることができる。
また、ベルト間ゴム7の正接損失tanδ(25℃)は、好ましくは0.20以下であり、特には、ベルトコーティングゴム8のtanδ(25℃)の0.85〜0.98倍である。ベルト間ゴム7として、このように低ロスのゴムを使用することにより、ベルト端の歪が抑制されるとともに、タイヤ温度の上昇が抑制される。
さらに、本発明においては、ベルト間ゴム7にビスマレイミドをゴム成分100重量部に対し0.5〜3.0重量部配合することが好ましい。これにより弾性率を向上させながら、正接損失tanδ(25℃)を低く抑えることができる。ビスマレイミドとしては、下記一般式(1)、
Figure 2011173455
(式中、Rは炭素数6〜18の芳香族基、または炭素数7〜24のアルキル芳香族基を表し、xおよびyは0〜3のいずれかの整数をそれぞれ独立に表す)で表されるビスマレイミドを好適に用いることができる。具体的には例えば、N,N’−1,2−フェニレンビスマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル]メタン等を例示することができ、特に好ましくは、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドであり、ゴム配合中に、これらを1種以上含むことができる。
なお、本発明の空気入りラジアルタイヤの各部材としては、従来より公知の構造および材料からなる部材を適宜採用することができ、特に制限されるものではない。また、本発明のタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を変えた空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例により何ら限定されるものではない。
下記表1に示す条件にて、図1に示す2層のスチールベルトを備える構造の空気入りラジアルタイヤを作製した。タイヤサイズは185/70R14とし、トレッド幅は130mmとし、第1ベルト層の総幅は145mm、第2ベルト層の総幅は135mmとした。また、ベルト間ゴム7の配合ゴムとしては、天然ゴム100重量部、カーボンブラック(N330)50重量部、コバルト塩(ナフテン酸コバルト)1.0重量部、酸化亜鉛10重量部、加硫促進剤(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド,大内新興化学工業(株)製ノクセラーDZ)1.0重量部、硫黄6.0重量部、ビスマレイミド(N,N’−(4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド))2.0重量部からなるものを用いた。なお、モノフィラメントコードのタイヤ周方向に対する角度θ1,θ2に関する条件は、加硫拡張時においてベルト中央部領域とベルト端部領域とで拡張率に差を設けることで調整し、2層のベルトにつきそれぞれ、すべてのモノフィラメントコードが満足するものとした。
得られた各実施例および比較例のタイヤを、比較例1を基準とした重量増加の度合い(重量差)について評価した。また、耐BES性について、下記に従い評価を行った。その結果を、下記の表中に併せて示す。なお、下記表中、ベルト中央部領域におけるモノフィラメントコードの周方向に対する角度θ1は、タイヤ赤道面を中心としてタイヤ幅方向に左右20mmの領域における当該角度の平均値であり、ベルト端部領域における同角度は、第2ベルト層の総幅の片側10%の領域(幅各13.5mm)における当該角度の平均値である。
(耐BES性の評価)
各供試タイヤをJATMAで規定する正規リムに組み付け、220kPaの内圧を充填してテスト用乗用車に装着し、BESドラム上を、SF(サイドフォース)一定で横力をかけて走行させた後、タイヤを解剖してベルト層端部に発生している亀裂の長さを測定した。各供試タイヤの亀裂長さを、比較例1のタイヤの亀裂長さを100とした指数にて示した。この指数の値が小さいほど耐BES性が良好である。
Figure 2011173455
*1)軽量性:比較例1に対して0.14kg以上軽量化されているものを「○」、0.14kg未満軽量化されているものを「−」とした。
*2)耐BES性:指数値が50未満を◎、100〜50を○、100を超えるものを×とした。
上記表中に示すように、比較例1の撚りコードに対し、6本束のモノフィラメントコードでH/Hを2.28とした実施例1では、耐BES性は確保できるものの、軽量効果が若干少ない。これに対し、ベルト端部領域のコード角度をベルト中央部領域+2°とした実施例2では、ベルト層端部のベルト間ゴムゲージを0.75mmとしても、耐BES性が十分確保されており、かつ、軽量効果が大きいことがわかる。また、ベルト端部領域のコード角度をベルト中央部領域+3°とした実施例3では、ベルト層端部のベルト間ゴムゲージを0.5mmとしても、耐BES性が十分確保されており、かつ、実施例2よりもさらに軽量効果が大きいことがわかる。さらに、ベルト端部領域のコード角度をベルト中央部領域+4°とした実施例4では、さらに良好な軽量効果が得られていることがわかる。
以上より、本発明に係るモノフィラメントコードの条件を満足するものとすることで、ベルト間ゴムが薄くても耐BES性を確保でき、かつ、軽量性においても良好なタイヤが得られることが確かめられた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス
5a 第1ベルト層
5b 第2ベルト層
6 モノフィラメントコード
7 ベルト間ゴム
8 ベルトコーティングゴム

Claims (4)

  1. 左右一対のビードコア間にわたりトロイド状をなして跨る少なくとも1枚のカーカス層からなるカーカスと、該カーカスのクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設されて接地部を形成するトレッド部と、該トレッド部と前記カーカスのクラウン領域との間に配置されて補強部を形成する、少なくとも2枚のベルト層からなるベルトとを備える空気入りラジアルタイヤであって、
    前記ベルトの1層目の第1ベルト層と2層目の第2ベルト層がともに、フィラメント径0.18〜0.26mmのモノフィラメントコードが、5〜7本にて引き揃えた束を単位としベルト幅方向に並置されてコーティングゴム中に埋設されてなり、前記第2ベルト層端部における第1ベルト層と第2ベルト層とのモノフィラメントコード間のゴム層のゲージがタイヤ中央部における当該ゲージの1.3〜2.5倍である空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記ベルトの各層における少なくとも一部の前記モノフィラメントコードにおいて、該モノフィラメントコードのタイヤ周方向に対する角度が、ベルト中央部領域とベルト端部領域とで異なり、かつ、ベルト中央部領域における該角度をθ1、ベルト端部領域における該角度をθ2としたとき、θ1<θ2の関係を満足することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ベルト端部領域が、前記第2ベルト層の端部からタイヤ幅方向内側に、該第2ベルト層の総幅の10%までの領域を含む請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ベルト端部領域における前記モノフィラメントコードのタイヤ周方向に対する角度θ2をθ2=θ1+Aとしたとき、Aが1.5°〜3.5°である請求項1または2記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記モノフィラメントコードが、前記ベルト面内において略S字状または略逆S字状を呈するものを含む請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りラジアルタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018083457A (ja) * 2016-11-21 2018-05-31 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
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