JP6687018B2 - 目的生体物質の検出方法および検出システム - Google Patents

目的生体物質の検出方法および検出システム Download PDF

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Description

本発明は、組織切片から目的生体物質を検出する方法およびこれに用いられる検出システムに関する。
従来の免疫染色において、組織切片上で興味のある抗原に対し、抗体修飾した「蛍光ナノ粒子」を結合させ、抗原を標識し、これを蛍光顕微鏡で観察・撮像することが行なわれている(特許文献1参照)。蛍光ナノ粒子には、「蛍光色素」と比較して、輝点状に高輝度で蛍光発光し蛍光輝点数の計測が可能といった特徴があり、顕微鏡画像から蛍光輝点を検出すると、抗原の状態や量を確認することができる。多種類の抗原を、互いに発光波長の異なる蛍光ナノ粒子で標識すれば、これらも区別し確認しうる。
癌関連の抗原については、抗原間の距離が近いかどうかで悪性度に影響を与える場合があり、抗原間の距離情報を得ることは重要である。たとえば、癌関連の抗原として知られるHER2とHER3とがダイマー(2量体)を形成すると、癌の悪性度が増大することが知られている。それにもかかわらず、従来は、蛍光ナノ粒子を単独で使用し、抗原の分布情報を得ているにすぎず、抗原間の距離情報については着目されていなかった。
この点、「蛍光色素」を用いた免疫染色においては、蛍光エネルギー移動(FRET;Fluorescence Resonance Energy Transfer)を検出し、抗原間(蛍光色素間)の距離を見積もることが行なわれている(非特許文献1、2参照)。
「FRET」とは、2個の蛍光色素が近接(距離<約10nm)したときに起こる蛍光色素間の相互作用であり、励起光の照射により第1の蛍光色素(ドナー)が励起され、励起状態のドナー色素から第2の蛍光色素(アクセプター)へ励起エネルギーが移動する現象である。かかるFRETが起こると、ドナー色素の蛍光強度が低下し、アクセプター色素の蛍光発光が起こる。
国際公開第2012/029752号
"Molecular Imaging: FRET Microscopy and Spectroscopy", Ammasi Periasamy, Richard Day, Elsevier, 2011, P38. "Molecular Biomethods Handbook", Ralph Rapley, John M. Walker, Springer Science & Business Media, 2008, P471-474.
しかしながら、FRETを検出する方法では、蛍光色素同士が近接しているかどうか(抗原間の距離が近いかどうか)を検出することは可能であるものの、蛍光色素自体の蛍光強度が弱いため高感度な検出が要求されるし、FRETが起こったかどうかを識別するための特殊なフィルターも必要になり、抗原間の距離情報を得るのが煩雑になる。
したがって本発明の主な目的は、目的生体物質間の距離が近いかどうかを容易に検出することができる目的生体物質の検出方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によれば、
組織切片から目的生体物質を検出する方法であって、
互いに発光波長が異なる蛍光ナノ粒子を含む複数の免疫染色剤で組織切片を染色する工程と、
染色後の組織切片に励起光を照射して蛍光輝点を出現させ、それを撮像装置で撮像する工程と、
前記撮像装置の撮像結果に基づき、前記免疫染色剤の種類毎に複数の蛍光画像を生成し、それら蛍光画像を合成して蛍光輝点の重複を検出する検出工程と、
を備え
前記検出工程は、蛍光輝点の重複輝点数を算出することを特徴とする目的生体物質の検出方法が提供される。
本発明によれば、蛍光画像を免疫染色剤単位で生成し、これを合成して蛍光輝点の重複を検出するだけであるため、目的生体物質間の距離が近いかどうかを容易に検出することができる。
目的生体物質の検出方法を概略的に示すフローチャートである。 目的生体物質の検出システムの概略構成を示す図である。 蛍光輝点の重複を検出する際のイメージ図であって、抗原間の距離が離間している場合を示す図である。 蛍光輝点の重複を検出する際のイメージ図であって、抗原間の距離が近接している場合を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
本明細書中、「〜」で示す数値範囲には、その前後に記載される数値が下限値および上限値として含まれる。
本発明にかかる目的生体物質の検出方法は、組織切片から目的生体物質を検出する方法であって、図1に示すとおり、
(S1)互いに発光波長が異なる蛍光ナノ粒子を含む複数の免疫染色剤で組織切片を染色する工程と、
(S2)染色後の組織切片に励起光を照射して蛍光輝点を出現させ、それを撮像装置で撮像する工程と、
(S3)撮像装置の撮像結果に基づき、免疫染色剤単位で複数の蛍光画像を生成し、それら蛍光画像を合成して蛍光輝点の重複を検出する工程と、
を備えている。
はじめに染色工程S1について説明し、その後に撮像工程S2および検出工程S3について説明する。特に、後者の撮像工程S2および検出工程S3では図2の検出システム1を使用する。
[目的生体物質]
目的生体物質とは、主に病理診断の観点からの検出または定量のために、蛍光標識体を用いた免疫染色の対象とするものをいい、組織切片に発現している生体物質、特にタンパク質(抗原)である。
典型的な目的生体物質としては、各種の癌組織の細胞膜で発現しており、バイオマーカーとして利用することができる生体物質が挙げられる。
たとえば、EGFR(HER1)(Epidermal Growth Factor Receptor:上皮増殖因子受容体)、HER2(Human Epidermal Growth Factor Receptor:ヒト上皮増殖因子受容体)、HER3、HER4、VEGFR(Vasular Endothelial Growth Factor Receptor:血管内皮細胞増殖因子受容体)、IGFR(Insulin-like Growth Factor Receptor:インスリン様増殖因子受容体)、HGFR(Hepatocyte Growth Factor Receptor:肝細胞増殖因子受容体)といった増殖因子の受容体(レセプター)や、PD−1(Programmedcell death 1)などの免疫系の受容体であるタンパク質が挙げられる。
EGFR/HERには、大腸癌などの癌組織において過剰発現しているEGFR/HER1(ErbB1とも呼ばれる)、乳癌などの癌組織において過剰発現しているEGFR2/HER2(ErbB2、neuとも呼ばれる)、EGFR3/HER3およびEGFR4/HER4が包含される。
VEGFRには、肝臓癌、食道癌などの癌組織における血管内皮細胞において発現が亢進しているVEGFR−1(Flt−1とも呼ばれる)、VEGFR−2(Flt−2、KDRとも呼ばれる)およびリンパ管内皮細胞において発現が亢進しているVEGFR−3(Flt−4とも呼ばれる)が包含される。
[免疫染色剤(抗体−蛍光ナノ粒子の結合体)]
免疫染色剤としては、蛍光標識の効率を向上させて蛍光の劣化につながる時間経過をなるべく抑えるために、一次抗体および蛍光ナノ粒子が間接的に、つまり抗原抗体反応などを利用した、共有結合以外の結合によって連結される複合体を用いることが好ましい。染色操作を簡便にするため、免疫染色剤として、一次抗体または二次抗体に蛍光ナノ粒子が直結している複合体を用いることもできる。
免疫染色剤の一例として、[目的生体物質に対する一次抗体]…[一次抗体に対する抗体(二次抗体)]〜[蛍光ナノ粒子]が挙げられる。
“…”は抗原抗体反応により結合していることを表し、“〜”が示す結合の態様としては特に限定されず、たとえば、共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合、抗原抗体結合、ビオチンアビジン反応、物理吸着、化学吸着などが挙げられ、必要に応じてリンカー分子を介していてもよい。
免疫染色剤には励起光の照射を受けて蛍光発光する蛍光ナノ粒子が含まれる。
染色工程S1では複数の免疫染色剤が使用され、特に免疫染色剤同士で互いに発光波長が異なる蛍光ナノ粒子を含む複数の免疫染色剤が使用される。
蛍光ナノ粒子として発光波長が400〜700nmのものを用いるのがよい。
かかる発光波長は蛍光顕微鏡の検出感度領域にあり、汎用顕微鏡でも蛍光輝点を検出することができる。
2種の蛍光ナノ粒子を使用する場合、一方の蛍光ナノ粒子は短波長の蛍光を発光し、他方の蛍光ナノ粒子は長波長の蛍光を発光するのがよい。一方の蛍光ナノ粒子は発光波長が480〜550nm(青色〜緑色)、好ましくは500〜520nm(緑色)であるのがよく、他方の蛍光ナノ粒子は発光波長が550〜650nm(橙色〜赤色)、好ましくは620〜650nm(赤色)であるのがよい。
蛍光ナノ粒子として平均粒径が20〜300nm、好ましくは50〜200nmのものを用いるのがよい。
蛍光ナノ粒子の1粒子の粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡写真を撮影して蛍光ナノ粒子の断面積を計測し、その断面形状を円と仮定したときに、その断面積に相当する円の直径として算出することができる。多数の蛍光ナノ粒子からなる集団の平均粒径は、十分な数(たとえば1000個)の蛍光ナノ粒子について上記のようにして粒径を算出した後、その算術平均として算出される。
[抗体]
一次抗体には、目的生体物質としてのタンパク質を抗原として特異的に認識して結合する抗体(IgG)を用いることができる。たとえば、EGFRを目的生体物質とする場合は抗EGFR抗体を、HER2を目的生体物質とする場合は抗HER2抗体を、HER3を目的生体物質とする場合は抗HER3抗体を、それぞれ用いることができる。
二次抗体には、一次抗体を抗原として特異的に認識して結合する抗体(IgG)を用いることができる。
一次抗体および二次抗体はいずれも、ポリクローナル抗体であってもよいが、定量の安定性の観点から、モノクローナル抗体が好ましい。抗体を産生する動物(免疫動物)の種類は特に限定されるものではなく、従来と同様、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジなどから選択すればよい。
[蛍光ナノ粒子]
蛍光ナノ粒子とは、目的生体物質を1分子ずつ輝点として表すのに十分な強度の蛍光を発することができるナノサイズの粒子である。
蛍光ナノ粒子として、好ましくは量子ドット(半導体ナノ粒子)、蛍光物質集積ナノ粒子が使用される。
(1)量子ドット
量子ドットとしては、II−VI族化合物、III−V族化合物またはIV族元素を含有する半導体ナノ粒子が使用される。たとえば、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、InP、InN、InAs、InGaP、GaP、GaAs、Si、Geなどが挙げられる。
(2)蛍光物質集積ナノ粒子
蛍光物質集積ナノ粒子は、有機物または無機物でできた粒子を母体とし、複数の蛍光物質(たとえば、上記量子ドット、蛍光色素など)がその中に内包されているおよび/またはその表面に吸着している構造を有する、ナノサイズの粒子である。
蛍光物質集積ナノ粒子としては、母体と蛍光物質とが、互いに反対の電荷を有する置換基または部位を有し、静電的相互作用が働くものであることが好適である。
蛍光物質集積ナノ粒子としては、量子ドット集積ナノ粒子、蛍光色素集積ナノ粒子などが使用される。
(2.1)母体
母体のうち、有機物としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂など、一般的に熱硬化性樹脂に分類される樹脂;スチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸メチル共重合体)など、一般的に熱可塑性樹脂に分類される樹脂;ポリ乳酸等のその他の樹脂;多糖を例示することができる。
母体のうち、無機物としては、シリカ、ガラスなどを例示することができる。
(2.2)量子ドット集積ナノ粒子
量子ドット集積ナノ粒子とは、上記量子ドットが、上記母体の中に内包されている、および/またはその表面に吸着している構造を有する。
量子ドットが母体に内包されている場合、量子ドットは母体内部に分散されていればよく、母体自体と化学的に結合していてもよいし、していなくてもよい。
(2.3)蛍光色素集積ナノ粒子
蛍光色素集積ナノ粒子とは、蛍光色素が、上記母体の中に内包されている、および/またはその表面に吸着している構造を有する。
蛍光色素としては、ローダミン系色素分子、スクアリリウム系色素分子、シアニン系色素分子、芳香環系色素分子、オキサジン系色素分子、カルボピロニン系色素分子、ピロメセン系色素分子などを例示することができる。
蛍光色素としては、Alexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、Cy(登録商標、GEヘルスケア社製)系色素分子、HiLyte(登録商標、アナスペック社製)系色素分子、DyLight(登録商標、サーモサイエンティフィック社製)系色素分子、ATTO(登録商標、ATTO−TEC社製)系色素分子、MFP(登録商標、Mobitec社製)系色素分子、CF(登録商標、Biotium社製)系色素分子、DY(登録商標、DYOMICS社製)系色素分子、CAL(登録商標、BioSearch Technologies社製)系色素分子などを用いることができる。
具体的には、5−カルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−フルオレセイン、5,6−ジカルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,4’,5’,7,7’−ヘキサクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,7,7’−テトラクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、ナフトフルオレセイン、5−カルボキシ−ローダミン、6−カルボキシ−ローダミン、5,6−ジカルボキシ−ローダミン、ローダミン 6G、テトラメチルローダミン、X−ローダミン、スルホローダミンB、スルホローダミン101、及びAlexa Fluor350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、BODIPY FL、BODIPY TMR、BODIPY 493/503、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665(以上インビトロジェン社製)、メトキシクマリン、クマリン6、クマリン7、スルホクマリン6、スルホクマリン7、エオジン、NBD、ピレン、Cy5、Cy5.5、Cy7、HiLyte Fluor 488、HiLyte Fluor 555、HiLyte Fluor 594、HiLyte Fluor 647、HiLyte Fluor 680、HiLyte Fluor 750(登録商標、アナスペック社製)、DyLight 350、DyLight 405、DyLight 488、DyLight 550、DyLight 594、DyLight 633、DyLight 650、DyLight 680、DyLight 755、DyLight 800(登録商標、サーモサイエンティフィック社製)、ATTO 390、ATTO 425、ATTO 465、ATTO 488、ATTO 495、ATTO 514、ATTO 520、ATTO 532、ATTO Rho6G、ATTO 542、ATTO 550、ATTO 565、ATTO Rho3B、ATTO Rho11、ATTO Rho12、ATTO Thio12、ATTO Rho101、ATTO 590、ATTO 594、ATTO Rho13、ATTO 610、ATTO 620、ATTO Rho14、ATTO 633、ATTO 647、ATTO 647N、ATTO 655、ATTO Oxa12、ATTO 665、ATTO 680、ATTO 700、ATTO 725、ATTO 740(登録商標、ATTO−TEC社製)、MFP488、MFP555、MFP590、MFP631(登録商標、Mobitec社製)、CF350、CF405S、CF405M、CF488A、CF514、CF532、CF543、CF555、CF568、CF594、CF620R、CF633、CF640R、CF647、CF660C、CF660R、CF680、CF680R、CF750、CF770、CF790(登録商標、Biotium社製)、DY-350、DY-405、DY-415、DY-480XL、DY-481XL、DY-485XL、DY-490、DY-495、DY-505、DY-500XL、DY-510XL、DY-520XL、DY-521XL、DY-530、DY-547P1、DY-549P1、DY-550、DY-554、DY-555、DY-556、DY-560、DY-590、DY-591、DY-594、DY-605、DY-610、DY-615、DY-630、DY-631、DY-632、DY-633、DY-634、DY-635、DY-636、DY-647P1、DY-648P1、DY-649P1、DY-650、DY-654、DY-651、DY-652、DY-675、DY-676、DY-677、DY-678、DY-679P1、DY-680、DY-681、DY-682、DY-700、DY-701、DY-703、DY-704、DY-730、DY-731、DY-732、DY-734、DY-749P1、DY-750、DY-751、DY-752、DY-754、DY-776、DY-777、DY-778、DY-780、DY-781、DY-782、DY-800、DY-831(DYOMICS社製)、CAL Fluor Green 520、CAL Fluor Gold 540、CAL Fluor Orange 560、CAL Fluor Red 590、CAL Fluor Red 610、CAL Fluor Red 615、CAL Fluor Red 635、Pulsar 650(登録商標、BioSearch Technologies社製)、5,10,15,20-テトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸、亜鉛5,10,15,20-テトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸、フタロシアニンテトラスルホン酸、亜鉛フタロシアニンテトラスルホン酸、N, N−Bis−(2,6−diisopropylphenyl)−1,6,7,12−(4−tert−butylphenoxy)−perylen−3,4,9,10−tetracarbonacid diimide、N,N’−Bis(2,6−diisopropylphenyl)−1,6,7,12−tetraphenoxyperylene−3,4:9,10−tetracarboxdiimide、Benzenesulfonic acid, 4,4',4'',4'''-[(1,3,8,10-tetrahydro-1,3,8,10-tetraoxoperylo[3,4-cd:9,10-c'd']dipyran-5,6,12,13-tetrayl)tetralis(oxy)]tetrakis-などを用いることができる。
これら蛍光色素は単独で使用されてもよいし、複数種が混合され使用されてもよい。
なお、このような色素分子の総称は、化合物中の主要な構造(骨格)または登録商標に基づき命名されており、それぞれに属する蛍光色素の範囲は当業者であれば過度の試行錯誤を要することなく適切に把握できるものである。
蛍光色素が母体に内包されている場合、蛍光色素は母体内部に分散されていればよく、母体自体と化学的に結合していてもよいし、していなくてもよい。
[組織切片の染色方法]
染色方法の一例について説明する。
この染色方法が適用できる組織切片(単に「切片」ともいい、病理切片などの切片も含まれる。)の作製法は特に限定されず、公知の手順により作製されたものを用いることができる。
(1)標本作製工程
(1.1)脱パラフィン処理
キシレンを入れた容器に、切片を浸漬させ、パラフィン除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でキシレンを交換してもよい。
次いでエタノールを入れた容器に切片を浸漬させ、キシレン除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でエタノールを交換してもよい。
水を入れた容器に、切片を浸漬させ、エタノール除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中で水を交換してもよい。
(1.2)賦活化処理
公知の方法に倣い、目的生体物質の賦活化処理を行う。賦活化条件に特に定めはないが、賦活液としては、0.01Mのクエン酸緩衝液(pH6.0)、1mMのEDTA溶液(pH8.0)、5%尿素、0.1Mのトリス塩酸緩衝液などを用いることができる。
pH条件は用いる組織切片に応じてpH2.0〜13.0の範囲から、シグナルが出て、組織の荒れがシグナルを評価できる程度となる条件で行う。通常はpH6.0〜8.0で行うが、特殊な組織切片ではたとえばpH3.0でも行う。
加熱機器はオートクレーブ、マイクロウェーブ、圧力鍋、ウォーターバスなどを用いることができる。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。温度は50〜130℃、時間は5〜30分で行うことができる。
次いでPBSを入れた容器に、賦活処理後の切片を浸漬させ、洗浄を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。
(2)免疫染色工程
免疫染色工程では、目的生体物質を染色するために、目的生体物質に直接的または間接的に結合しうる部位を有する蛍光ナノ粒子を含む免疫染色剤の溶液を、切片に乗せ、目的生体物質との反応を行う。免疫染色工程に用いる免疫染色剤の溶液については、この工程の前にあらかじめ調製しておけばよい。
免疫染色工程を行う上での条件、すなわち免疫染色剤の溶液に病理標本を浸漬する際の温度および浸漬時間は、従来の免疫染色法に準じて、適切なシグナルが得られるよう適宜調整することができる。
温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。反応時間は、30分以上24時間以下であることが好ましい。
上述したような処理を行う前に、BSA含有PBSなど公知のブロッキング剤やTween20などの界面活性剤を滴下することが好ましい。
(3)標本後処理工程
免疫染色工程を終えた病理標本は、観察に適したものとなるよう、固定化・脱水、透徹、封入などの処理を行うことが好ましい。
固定化・脱水処理は、病理標本を固定処理液(ホルマリン、パラホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、アセトン、エタノール、メタノールなどの架橋剤)に浸漬すればよい。透徹処理は、固定化・脱水処理を終えた病理標本を透徹液(キシレンなど)に浸漬すればよい。封入処理は、透徹処理を終えた病理標本を封入液に浸漬すればよい。
これらの処理を行う上での条件、たとえば病理標本を所定の処理液に浸漬する際の温度および浸漬時間は、従来の免疫染色法に準じて、適切なシグナルが得られるよう適宜調整することができる。
(4)任意工程
もしも必要であれば、明視野において細胞、組織、臓器などの形態を観察することができるようにするための、形態観察染色工程を含めることができる。形態観察染色工程は、常法に従って行うことができる。組織標本の形態観察に関しては、細胞質・間質・各種線維・赤血球・角化細胞が赤〜濃赤色に染色される、エオジンを用いた染色が標準的に用いられている。また、細胞核・石灰部・軟骨組織・細菌・粘液が青藍色〜淡青色に染色される、ヘマトキシリンを用いた染色も標準的に用いられている(これら2つの染色を同時に行う方法はヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)として知られている)。
形態観察染色工程を含める場合は、免疫染色工程の後に行うようにしてもよいし、免疫染色工程の前に行うようにしてもよい。
[検出システム]
撮像工程S2および検出工程S3では図2の検出システム1を使用する。
検出システム1は蛍光顕微鏡10、検出装置20および表示装置30を備えている。蛍光顕微鏡10は光源12および撮像カメラ14を備えている。蛍光顕微鏡10にはこれらを制御する検出装置20が接続され、検出装置20には蛍光画像を表示するための表示装置30が接続されている。
撮像工程S2では、検出装置20で蛍光顕微鏡10を制御し、所望の倍率における顕微鏡の同一視野において、光源12から、免疫染色工程に用いられた複数の免疫染色剤(蛍光ナノ粒子)のそれぞれに対応した励起光を病理標本に照射し、それら蛍光ナノ粒子を蛍光発光させ蛍光輝点を出現させ、その蛍光輝点を含む免疫染色像を撮像カメラ14で撮像する。
励起光の照射は、必要に応じて所定の波長を選択的に透過させる励起光用フィルターを用いることで照射することができる。
免疫染色像の撮像の際には、必要に応じて所定の波長を選択的に透過させる蛍光用フィルターを用いることで、目的とする蛍光のみを含み、目的としない蛍光やノイズとなる励起光およびその他の光を排除した免疫染色像を撮像することができる。
検出工程S3では、検出装置20で、撮像カメラ14の撮像結果を画像処理し、免疫染色剤単位で複数の蛍光画像を生成し、表示装置30に表示させる。
画像処理に用いることができるソフトウェアとしては、たとえば「ImageJ」(オープンソース)が挙げられる。このような画像処理ソフトウェアを利用することにより、免疫染色像から、所定の波長(色)の蛍光輝点を抽出してその輝度の総和を算出したり、所定の輝度以上の蛍光輝点(後述の重複輝点を含む。)の数を算出したりする処理を、半自動的に、迅速に行うことができる。
たとえば、図3A、図3Bに示すとおり、目的生体物質として抗原A、Bを含む組織切片の病理標本を、緑色で蛍光発光する蛍光ナノ粒子を含む免疫染色剤Aと、赤色で蛍光発光する蛍光ナノ粒子を含む免疫染色剤Bとで染色した免疫染色像を撮像した場合には、検出工程S3では、緑色の蛍光輝点を含む蛍光画像40と、赤色の蛍光輝点を含む蛍光画像42との2枚の蛍光画像40、42を生成しうる。
その後、検出装置20で、生成したそれら複数の蛍光画像40、42を合成して(重ね合わせて)蛍光輝点の重複を検出し、その検出結果を表示装置30に表示させる。
かかる場合、図3Aに示すとおり、抗原A、B間の距離が離間している場合、合成後の蛍光画像44では、緑色の蛍光輝点と赤色の蛍光輝点とがそれぞれ独立に検出される。他方、図3Bに示すとおり、抗原A、B間の距離が近接している場合は、合成後の蛍光画像46では、緑色の蛍光輝点と赤色の蛍光輝点とが重複し、黄色の蛍光輝点が検出される。ここでは、緑色の蛍光輝点と赤色の蛍光輝点との重複輝点を、単独の蛍光ナノ粒子に起因する蛍光輝点の色(緑色、赤色)とは異なる色(黄色)で表示させた例を示している。
以上の実施形態によれば、抗原A、B間の距離が近いかどうかを検出するにあたり、蛍光画像40、42を免疫染色剤A、B単位で生成し、これを合成して蛍光輝点の重複を検出しているにすぎず、目的生体物質間の距離が近いかどうかを容易に検出することができる。かかる構成では、重複輝点の色を、免疫染色剤A、Bの蛍光ナノ粒子に起因する蛍光輝点の色(緑色、赤色)とは異なる黄色で表示しているので、目的生体物質間の距離が近いかどうかを目視でも確認することができる。
なお、免疫染色剤単位で生成される複数の蛍光画像は、1台の蛍光顕微鏡10で生成されてもよいし、免疫染色剤ごとに異なる複数台の蛍光顕微鏡10で生成されてもよい。ここでは、蛍光画像40、42は1台の蛍光顕微鏡10で生成されてもよいし、2台の蛍光顕微鏡10でそれぞれ別個に生成されてもよい。
蛍光顕微鏡10についても、蛍光顕微鏡10は染色後の組織切片に励起光を照射して蛍光輝点を出現させそれを撮像する撮像装置の一例であり、当該撮像装置として、蛍光顕微鏡10に代えてこれと同等の機能を有する、高倍率で撮像可能な撮像装置が使用されてもよい。
(1)免疫染色剤の作製(量子ドットの修飾)
量子ドットとして市販のアミノ基末端水溶性量子ドット(ライフテクノロジーズ社)を準備し、当該量子ドットの末端にSMCC(Succinimidyl-4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1-carboxylate)を用いてマレイミドを導入し、これにチオール化した抗体(タンパク質)を結合させ、蛍光ナノ粒子の表面を抗体で修飾した。緑色量子ドットには抗HER2抗体を結合させこれを免疫染色剤Aとし、赤色量子ドットには抗HER3抗体を結合させこれを免疫染色剤Bとした。
(2)染色
下記工程(2−1)〜(2−13)の方法により、上記(1)で作製した免疫染色剤A、Bを用い、ヒト乳房組織標本の免疫染色(IHC法)を行った。
病理標本としてコスモバイオ社製の組織アレイスライド(CB−A712)を用い、あらかじめDAB染色によりHER2染色濃度およびHER3染色濃度を観察し、HER2とHER3を発現していることを確認し、それぞれ染色を行った。
工程(2−1):キシレンを入れた容器に病理標本を30分浸漬させた。途中3回キシレンを交換した。
工程(2−2):エタノールを入れた容器に病理標本を30分浸漬させた。途中3回エタノールを交換した。
工程(2−3):水を入れた容器に病理標本を30分浸漬させた。途中3回水を交換した。
工程(2−4):10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)に病理標本を30分浸漬させた。
工程(2−5):121度で10分オートクレーブ処理を行った。
工程(2−6):PBSを入れた容器に、オートクレーブ処理後の病理標本を30分浸漬させた。
工程(2−7):1%BSA含有PBSを病理標本に載せて、1時間放置した。
工程(2−8):1%BSA含有PBSで0.05nMに希釈した抗HER2抗体が結合された免疫染色剤Aを、病理標本に載せて3時間放置した。
工程(2−9):PBSを入れた容器に、染色後の病理標本を30分浸漬させた。
工程(2−10):1%BSA含有PBSで0.05nMに希釈した抗HER3抗体が結合された免疫染色剤Bを、病理標本に載せて3時間放置した。
工程(2−11):PBSを入れた容器に、染色後の病理標本を30分浸漬させた。
工程(2−12):病理標本を4%中性パラホルムアルデヒド溶液で10分間固定処理した後、HE染色を行った。
工程(2−13):Merck社製Aquatexを滴下後、カバーガラスを載せ、病理標本を封入した。
(3)蛍光顕微鏡による観察・撮像
蛍光顕微鏡を用いて染色後の組織切片を観察し撮像した。
蛍光顕微鏡として、共焦点顕微鏡(オリンパス社製FV1000)と汎用顕微鏡(オリンパス社製BX53)との2種の蛍光顕微鏡を用いた。
(4)輝点数の算出
免疫染色剤A(蛍光ナノ粒子1/緑色量子ドット)と免疫染色剤B(蛍光ナノ粒子2/赤色量子ドット)とによる2枚の蛍光画像から、輝点数を算出した。
輝点数の算出では、蛍光ナノ粒子1、2の各粒子をガラス板上に散布した試料を事前に観察し、蛍光ナノ粒子1、2ごとに1粒子ぶんの輝度・発光パターンを事前に把握しておき、これを基準として用いて輝点数を算出した。
解析対象とする範囲は癌細胞が存在する領域とし、興味のある対象領域をROIとして囲い輝点数を算出し、100μmで割ることで、100μmあたりの輝点数を算出した。これはおよそ細胞1個程度の面積あたりの輝点数となっている。
下記の重複輝点数の算出においても同様に100μmあたりの輝点数を算出した。
(5)重複輝点数の算出
上記(4)の輝点数の算出で用いた2枚の蛍光画像について、免疫染色剤A(蛍光ナノ粒子1/緑色量子ドット)による蛍光画像の輝点を緑色と、免疫染色剤B(蛍光ナノ粒子2/赤色量子ドット)とによる蛍光画像の輝点を赤色と設定し、2枚の蛍光画像を合成した場合に、緑色の輝点と赤色の輝点との重複輝点を黄色と設定し(重複輝点以外の輝点は緑色または赤色のまま)、黄色に表示される輝点数を算出した。
[実施例2−1]
(1)免疫染色剤の作製
(1.1)蛍光色素集積ナノ粒子の合成
蛍光色素として赤色発光色素であるSulforhodamine101(シグマアルドリッチ社製)14.4mgを水22mLに加えて溶解させた。その後、この溶液に乳化重合用乳化剤のエマルジョン(登録商標)430(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、花王社製)の5%水溶液を2mL加えた。この溶液をホットスターラー上で撹拌しながら70℃まで昇温させた後、この溶液にメラミン樹脂原料ニカラックMX−035(日本カーバイド工業社製)を0.65g加えた。
さらに、この溶液に界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学社製)の10%水溶液を1000μL加え、70℃で50分間加熱撹拌した。その後、90℃に昇温して20分間加熱撹拌した。
得られた色素樹脂粒子の分散液から、余剰の樹脂原料や蛍光色素などの不純物を除くため、純水による洗浄を行った。具体的には、遠心分離機(クボタ社製マイクロ冷却遠心機3740)にて20000Gで15分間、遠心分離し、上澄み除去後、超純水を加えて超音波照射して再分散した。遠心分離、上澄み除去および超純水への再分散による洗浄を5回繰り返した。
以上の処理により、赤色蛍光色素集積ナノ粒子(励起波長590nm、発光波長620nm)を作製した。さらにかかる赤色蛍光色素集積ナノ粒子の作製において、Sulforhodamine101(Texas Red)色素に代えてPyrromethene556色素を使用し、緑色蛍光色素集積ナノ粒子(励起波長490nm、発光波長520nm)も作製した。
(1.2)蛍光色素集積ナノ粒子の修飾
下記工程(1−1)〜(1−12)の方法により、上記(1.1)で作製した赤色蛍光色素集積ナノ粒子に対して抗HER3抗体を結合させた。
工程(1−1):1mgの赤色蛍光色素集積ナノ粒子を純水5mLに分散させた。次いで、アミノプロピルトリエトキシシラン水分散液(LS−3150、信越化学工業社製)100μLを添加し、室温で12時間撹拌した。
工程(1−2):反応混合物を10000Gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
工程(1−3):エタノールを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順でエタノールと純水による洗浄を1回ずつ行った。
工程(1−4):工程(1−3)で得られたアミノ基修飾した赤色蛍光色素集積ナノ粒子を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBSを用いて3nMに調製した。
工程(1−5):工程(1−4)で調製した溶液に、最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl-[(N-maleomidopropionamid)-dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。
工程(1−6):反応混合液を10000Gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した。
工程(1−7):EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行った。最後に500μLのPBSを用いて再分散させ、抗体結合用の赤色蛍光色素集積ナノ粒子を得た。
工程(1−8):抗HER3抗体100μgを100μLのPBSに溶解させたところに、1Mジチオスレイトール(DTT)を添加し、30分反応させた。
工程(1−9):反応混合物についてゲルろ過カラムにより過剰のDTTを除去し、赤色蛍光色素集積ナノ粒子に結合可能な還元化抗HER3抗体溶液を得た。
工程(1−10):赤色蛍光色素集積ナノ粒子を出発原料として工程(1−7)で得られた赤色蛍光色素集積ナノ粒子の分散液と、工程(1−9)で得られた還元化抗HER3抗体溶液とをPBS中で混合し、1時間反応させた。
工程(1−11):10mMメルカプトエタノール4μLを添加し、反応を停止させた。
工程(1−12):反応混合物を10000Gで60分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行った。最後に500μLのPBSを用いて再分散させ、抗HER3抗体が結合された赤色蛍光色素集積ナノ粒子(免疫染色剤B)を得た。
上記(1.1)で作製した緑色蛍光色素集積ナノ粒子の末端にNHS−PEG(polyethylene glycol)−マレイミド試薬を用いてマレイミドを導入し、これにチオール化した抗HER2抗体(タンパク質)を結合させ、これを免疫染色剤Aとした。
(2)染色〜蛍光顕微鏡による観察・撮像〜輝点数の算出〜重複輝点数の算出
実施例1と同様にして、染色〜蛍光顕微鏡による観察・撮像〜輝点数の算出〜重複輝点数の算出を行った。
[実施例2−2]
実施例2−1において、赤色蛍光色素のSulforhodamine101に代えてAlexa Fluor 610を使用し赤色蛍光色素集積ナノ粒子(励起波長630nm、発光波長650nm)を作製した。
それ以外は実施例2−1と同様にして、免疫染色剤の作製〜染色〜蛍光顕微鏡による観察・撮像〜輝点数の算出〜重複輝点数の算出を行った。
[実施例2−3]
実施例2−1において、赤色蛍光色素のSulforhodamine101に代えてAlexa Fluor 546を使用し橙色蛍光色素集積ナノ粒子(励起波長530nm、発光波長550nm)を作製するとともに、緑色蛍光色素のPyrromethene556に代えてATTO 390を使用し青色蛍光色素集積ナノ粒子(励起波長400nm、発光波長480nm)を作製した。
それ以外は実施例2−1と同様にして、免疫染色剤の作製〜染色〜蛍光顕微鏡による観察・撮像〜輝点数の算出〜重複輝点数の算出を行った。
Figure 0006687018
表1に示すとおり、実施例1では、共焦点顕微鏡を用いると、輝点状の蛍光像を得られた。他方、汎用顕微鏡を用いた場合は、輝点算出が可能な蛍光像は得られなかった。実施例2−1〜2−3でも、共焦点顕微鏡を用いると、輝点状の蛍光像を得られた。汎用蛍光顕微鏡を用いた場合も、輝点算出が可能な蛍光像を容易に得られた。
以上の実施例1、2−1〜2−3の結果から、蛍光画像を免疫染色剤A、B単位で生成し、これを合成して蛍光輝点の重複を検出すれば、抗原HER2、HER3間の距離が近いかどうかを容易に検出しうることがわかる。実施例1と実施例2−1〜2−3との比較から、輝点算出するうえでは、蛍光ナノ粒子として蛍光色素集積ナノ粒子を用いるほうが有用であることがわかる。
本発明は組織切片から目的生体物質を検出する方法に関し、特に目的生体物質間の距離が近いかどうかを容易に検出するのに好適に利用することができる。
1 検出システム
10 蛍光顕微鏡
12 光源
14 撮像カメラ
20 検出装置
30 表示装置
40、42、44、46 蛍光画像

Claims (7)

  1. 組織切片から目的生体物質を検出する方法であって、
    互いに発光波長が異なる蛍光ナノ粒子を含む複数の免疫染色剤で組織切片を染色する工程と、
    染色後の組織切片に励起光を照射して蛍光輝点を出現させ、それを撮像装置で撮像する工程と、
    前記撮像装置の撮像結果に基づき、前記免疫染色剤の種類毎に複数の蛍光画像を生成し、それら蛍光画像を合成して蛍光輝点の重複を検出する検出工程と、
    を備え
    前記検出工程は、蛍光輝点の重複輝点数を算出することを特徴とする目的生体物質の検出方法。
  2. 請求項1に記載の目的生体物質の検出方法において、
    組織切片を染色する工程では、前記蛍光ナノ粒子として、量子ドット、量子ドット集積ナノ粒子または蛍光色素集積ナノ粒子を用いることを特徴とする目的生体物質の検出方法。
  3. 請求項2に記載の目的生体物質の検出方法において、
    前記蛍光ナノ粒子として、蛍光色素集積ナノ粒子を用いることを特徴とする目的生体物質の検出方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の目的生体物質の検出方法において、
    前記蛍光ナノ粒子として、発光波長が400〜700nmのものを用いることを特徴とする目的生体物質の検出方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の目的生体物質の検出方法において、
    前記蛍光ナノ粒子として、平均粒径が20〜300nmのものを用いることを特徴とする目的生体物質の検出方法。
  6. 互いに発光波長が異なる蛍光ナノ粒子を含む複数の免疫染色剤で染色された組織切片から目的生体物質を検出する検出システムにおいて、
    染色後の組織切片に励起光を照射して蛍光輝点を出現させ、それを撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置の撮像結果に基づき、前記免疫染色剤の種類毎に複数の蛍光画像を生成し、それら蛍光画像を合成して蛍光輝点の重複を検出する検出装置と、
    を備え
    前記検出装置が、蛍光輝点の重複輝点数を算出することを特徴とする目的生体物質の検出システム。
  7. 請求項6に記載の目的生体物質の検出システムにおいて、
    前記蛍光画像を表示する表示装置を備え、
    前記検出装置が、蛍光輝点の重複輝点を、単独の蛍光ナノ粒子に起因する蛍光輝点とは異なる色で前記表示装置に表示させることを特徴とする目的生体物質の検出システム。
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