JPWO2018143406A1 - 画像処理装置及びプログラム - Google Patents

画像処理装置及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018143406A1
JPWO2018143406A1 JP2018566122A JP2018566122A JPWO2018143406A1 JP WO2018143406 A1 JPWO2018143406 A1 JP WO2018143406A1 JP 2018566122 A JP2018566122 A JP 2018566122A JP 2018566122 A JP2018566122 A JP 2018566122A JP WO2018143406 A1 JPWO2018143406 A1 JP WO2018143406A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
fluorescent
expression
cell
expression pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018566122A
Other languages
English (en)
Inventor
由佳 吉原
由佳 吉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Publication of JPWO2018143406A1 publication Critical patent/JPWO2018143406A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/483Physical analysis of biological material

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

本発明の課題は、組織標本における生体物質の発現パターンを定量的に評価可能であって、細胞ごとの生体物質の発現量を容易に視認可能な画像処理装置及びプログラムを提供することである。単一又は複数種類の生体物質が染色された組織標本における、細胞の形態を表す形態画像及び形態画像と同一範囲の生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力手段と、形態画像から細胞領域を抽出する第1抽出手段と、蛍光画像から蛍光輝点領域を抽出する第2抽出手段と、第2抽出手段によって抽出された、蛍光輝点領域の数から生体物質の発現量を算出し、当該発現量を含む発現パターン情報233を生成する生成手段と、生成手段によって生成された、発現パターン情報に応じて細胞のクラス分けを行う分類手段と、を備える。

Description

本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
病理診断において、組織標本中の特定の生体物質の発現量や細胞内での分布等の発現パターンに基づいて、病変の悪性度等が判断されている。
具体的には、たとえば、酵素(DAB)や蛍光物質を用いた免疫組織化学法によって染色された組織標本を撮影した顕微鏡画像から、細胞ごとの特定の生体物質の発現の有無が判定されて、診断に用いられる。
たとえば、乳癌、肺癌、大腸癌等の多くの種類の癌において、HER2タンパクの過剰発現がみられる。HER2タンパクは細胞表面に存在する糖タンパクであり、正常細胞においては細胞の増殖や分化に関与するが、過剰発現すると細胞の悪性化に関わり、がん遺伝子として作用する。HER2遺伝子を標的とした分子標的治療(抗HER2療法)を行うためには、患者の組織標本中のHER2タンパクの過剰発現を、正確に検出可能な技術が不可欠である。
また、病変の種類に応じて効果的な治療法を選択するために、組織標本中の複数種類の生体物質の発現状況を把握可能な技術も求められている。
たとえば、乳癌は、ホルモン受容体(エストロゲン受容体(ER)及びプロゲステロン受容体(PgR))、HER2、及びKi67の発現の有無の組み合わせに基づいて、5つのサブタイプに分類される。サブタイプによって癌細胞の性質が異なることから、それぞれに適した薬物療法(たとえば、化学療法、ホルモン療法、抗HER2療法)を選ぶ必要があるため、これらの生体物質の発現パターンをそれぞれ確認する必要がある。
一方、がん細胞を取り巻く微小環境ががんの増殖において大きな影響を及ぼすことも知られており、近年注目を集めている。マクロファージは線維芽細胞や血管内皮細胞などとともに、がんの微小環境を形成する重要な細胞であり、多数のマクロファージががん細胞周囲に存在していることが知られている。マクロファージは炎症促進的なM1型と炎症抑制的なM2型という、生理的な役割が全く異なる2つのフェノタイプに分かれており、腫瘍組織に浸潤しているマクロファージは腫瘍随伴マクロファージ(Tumor-associated macrophages,TAM)とよばれる。
TAMは、主にM2マクロファージ集団からなることが知られており、TAMはT細胞活性を効果的に抑制し、シグナル伝達を調節することにより、細胞増殖およびがんの転移を促進することが知られている。臨床研究においても、TAMの状態とヒト腫瘍の予後不良についての関連が明らかになっており、TAMは、現在、腫瘍治療の有望な標的と考えられている。そのため、マクロファージにおける標的タンパク質を高精度に検出する技術が要請されている。
このような課題に対し、たとえば特許文献1には、複数の生体物質を異なる色の色素で染色し、各生体物質の発現パターンを観察する技術が開示されている。
即ち、細胞及び生体物質を染色した組織標本の顕微鏡画像を取得し、画像処理装置を用いて細胞を染色した画像と生体物質を染色した画像を重ね合わせ、細胞と生体物質の発現部位をそれぞれの画像から抽出する。染色された生体物質の色素量を所定の閾値と比較することにより、細胞ごとに発現パターンを分類し、分類結果をディスプレイ上に表示させて観察を行う。この方法によれば、複数の生体物質の発現パターンを同一画面上で観察可能となり、診断精度を向上させることができる。
特開2012−37432号公報
しかしながら、特許文献1のようにDAB等の酵素を用いた染色色素によって生体物質を染色し、色素強度に基づいて発現パターンの分類を行う場合、色素量が定量化されていないため、発現パターンを細分化することは難しい。また、これに代えて有機蛍光色素等の蛍光物質を単体で用いて染色を行った場合、耐光性が十分でないと蛍光観察中に退色してしまい、発現パターンの定量的な評価は不可能であった。
さらに、特許文献1に記載の技術においては、ディスプレイ上で観察する際に、生体物質の発現量を示す情報が細胞形態画像外に表示されているため、発現量を細胞の分布とともに観察することができず、操作者が細胞の分布と発現量を逐次対応させて観察する必要がある。このような観察方法では、たとえば手術中の迅速診断など速やかな診断が求められる状況下で、不都合が生じる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、組織標本における生体物質の発現パターンを定量的に評価可能な画像処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、請求項1に記載の画像処理装置は、
単一又は複数種類の生体物質が染色された組織標本における、細胞の形態を表す形態画像及び前記形態画像と同一範囲の前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力手段と、
前記形態画像から細胞領域を抽出する第1抽出手段と、
前記蛍光画像から蛍光輝点領域を抽出する第2抽出手段と、
前記第2抽出手段によって抽出された、前記蛍光輝点領域の数から前記生体物質の発現量を算出し、当該発現量を含む発現パターン情報を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された、前記発現パターン情報に応じて細胞のクラス分けを行う分類手段と、を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、
前記生成手段によって生成された、前記発現パターン情報を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記発現パターン情報と前記形態画像とを重ね合わせて表示させる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記分類手段によって分類された細胞のクラスごとに、前記発現パターン情報の表示方法を変更して表示させる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記発現パターン情報が互いに重なり合わないように表示させる。
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記発現パターン情報を前記形態画像の色と異なる色で表示させる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記第1抽出手段によって抽出された細胞領域の特徴量によって、細胞の種類を特定する特定手段を備える。
請求項7に記載のプログラムは、
画像処理装置のコンピューターを、
単一又は複数種類の生体物質が染色された組織標本における、細胞の形態を表す形態画像及び前記形態画像と同一範囲の前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力手段、
前記形態画像から細胞領域を抽出する第1抽出手段、
前記蛍光画像から蛍光輝点領域を抽出する第2抽出手段、
前記第2抽出手段によって抽出された、前記蛍光輝点領域の数から前記生体物質の発現量を算出し、当該発現量を含む発現パターン情報を生成する生成手段、
前記生成手段によって生成された、前記発現パターン情報に応じて細胞のクラス分けを行う分類手段、
として機能させる。
本発明によれば、組織標本における生体物質の発現パターンを定量的に評価可能な画像処理装置及びプログラムを提供することができる。
本発明の画像処理装置を用いた病理診断支援システムのシステム構成を示す図である。 図1の画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。 明視野画像の一例を示す図である。 蛍光画像の一例を示す図である。 図2の制御部により実行される画像解析処理を示すフローチャートである。 図5のステップS2の処理の詳細を示すフローチャートである。 明視野画像が抽出された画像を示す図である。 細胞核が抽出された画像を示す図である。 図5のステップS3の処理の詳細を示すフローチャートである。 図5のステップS5の処理の詳細を示すフローチャートである。 蛍光画像が抽出された画像を示す図である。 輝点領域が抽出された画像を示す図である。 図5のステップS7の処理の詳細を示すフローチャートである。 図5のステップS8の処理の詳細を示すフローチャートである。 図2の表示部における表示画面の一例を示す図である。 細胞の座標の設定方法の一例を示す図である。 補正前の発現パターン情報の表示位置の一例を示す図である。 発現パターン情報の表示位置補正方法の一例を示す図である。 発現パターン情報の表示位置補正方法の一例を示す図である。
[実施形態1]
以下、図を参照して本発明を実施するための第1実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<病理診断支援システム100の構成>
図1に、病理診断支援システム100の全体構成例を示す。
病理診断支援システム100は、所定の染色試薬で染色された人体の組織切片の顕微鏡画像を取得し、取得された顕微鏡画像を解析することにより、観察対象の組織切片における特定の生体物質の発現を定量的に表す特徴量を出力するシステムである。
図1に示すように、病理診断支援システム100は、顕微鏡画像取得装置1Aと、画像処理装置2Aと、がケーブル3Aなどのインターフェースを介してデータ送受信可能に接続されて構成されている。
顕微鏡画像取得装置1Aと画像処理装置2Aとの接続方式は特に限定されない。たとえば、顕微鏡画像取得装置1Aと画像処理装置2AはLAN(Local Area Network)により接続されることとしてもよいし、無線により接続される構成としてもよい。
顕微鏡画像取得装置1Aは、公知のカメラ付き顕微鏡であり、スライド固定ステージ上に載置されたスライド上の組織切片の顕微鏡画像を取得し、画像処理装置2Aに送信するものである。
顕微鏡画像取得装置1Aは、照射手段、結像手段、撮像手段、通信I/Fなどを備えて構成されている。照射手段は、光源、フィルターなどにより構成され、スライド固定ステージに載置されたスライド上の組織切片に光を照射する。結像手段は、接眼レンズ、対物レンズなどにより構成され、照射した光によりスライド上の組織切片から発せられる透過光、反射光、又は蛍光を結像する。撮像手段は、CCD(Charge Coupled Device)センサーなどを備え、結像手段により結像面に結像される像を撮像して顕微鏡画像のデジタル画像データを生成する顕微鏡設置カメラである。通信I/Fは、生成された顕微鏡画像の画像データを画像処理装置2Aに送信する。
顕微鏡画像取得装置1Aでは、明視野観察に適した照射手段及び結像手段を組み合わせた明視野ユニット、蛍光観察に適した照射手段及び結像手段を組み合わせた蛍光ユニットが備えられており、ユニットを切り替えることにより明視野/蛍光を切り替えることが可能である。
なお、公知の任意の顕微鏡(たとえば、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、電子顕微鏡等)にカメラを設置したものを顕微鏡画像取得装置1Aとして用いることができる。
なお、顕微鏡画像取得装置1Aとしては、カメラ付き顕微鏡に限定されず、たとえば、顕微鏡のスライド固定ステージ上のスライドをスキャンして組織切片全体の顕微鏡画像を取得するバーチャル顕微鏡スライド作成装置(たとえば、特表2002−514319号公報参照)などを用いてもよい。バーチャル顕微鏡スライド作成装置によれば、スライド上の組織切片全体像を表示部で一度に閲覧可能な画像データを取得することができる。
画像処理装置2Aは、顕微鏡画像取得装置1Aから送信された顕微鏡画像を解析することにより、観察対象の組織切片における特定の生体物質の発現分布を算出する。
図2に、画像処理装置2Aの機能構成例を示す。
図2に示すように、画像処理装置2Aは、制御部21、操作部22、表示部23、通信I/F24、記憶部25などを備えて構成され、各部はバス26を介して接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory
)などを備えて構成され、記憶部25に記憶されている各種プログラムとの協働により各種処理を実行し、画像処理装置2Aの動作を統括的に制御する。
たとえば、制御部21は、記憶部25に記憶されている画像処理プログラムとの協働により画像解析処理を実行し、第1抽出手段、第2抽出手段、生成手段、分類手段、表示制御手段及び特定手段としての機能を実現する。
操作部22は、文字入力キー、数字入力キー、各種機能キーなどを備えたキーボードと、マウスなどのポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部21に出力する。
表示部23は、たとえばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などのモニタを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示し、表示手段としての機能を実現する。
通信I/F24は、顕微鏡画像取得装置1Aをはじめとする外部機器との間でデータ送受信を行なうためのインターフェースである。通信I/F24は、蛍光画像及び形態画像の入力手段としての機能を実現する。
記憶部25は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリーなど
で構成されている。記憶部25には、前述のように各種プログラムや各種データなどが記憶されている。
その他、画像処理装置2Aは、LANアダプターやルーターなどを備え、LANなどの通信ネットワークを介して外部機器と接続される構成としてもよい。
<画像について>
本実施形態では、画像処理装置2Aは、たとえば、顕微鏡画像取得装置1Aから送信された、細胞における特定の生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像、及び細胞全体の形態や、細胞核、細胞膜等、細胞の所定の構造の形態を表す形態画像(たとえば、明視野画像)を用いて解析を行うことが好ましい。
「明視野画像」とは、たとえば、ヘマトキシリン染色試薬(H染色試薬)、ヘマトキシリン−エオジン染色試薬(HE染色試薬)を用いて染色された組織切片を、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて明視野で拡大結像及び撮影することにより得られる顕微鏡画像であって、当該組織切片における細胞の形態を表す細胞形態画像である。図3に明視野画像の一例を示す。ヘマトキシリン(H)は青紫色の色素であり、細胞核、骨組織、軟骨組織の一部、漿液成分など(好塩基性の組織など)を染色する。エオジン(E)は赤〜ピンク色の色素であり、細胞質、軟部組織の結合組織、赤血球、線維素、内分泌顆粒など(好酸性の組織など)を染色する。
細胞の形態画像としては、明視野画像の他に、細胞の診断対象とする構造を特異的に染色可能な蛍光染色試薬を用いて組織切片を染色し、用いた蛍光染色試薬が発する蛍光を撮影した蛍光画像を用いても良い。形態画像の取得に用いることができる蛍光染色試薬としては、たとえば、細胞核を染色可能なDAPI染色、細胞質を染色可能なパパロニコロウ染色等が挙げられる。また、位相差画像、微分干渉画像、電子顕微鏡画像等を形態画像として用いても良い。
細胞における特定の生体物質の発現を蛍光輝点で表す「蛍光画像」は、蛍光染色試薬を用いて染色された組織切片に対し、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて所定波長の励起光を照射して蛍光物質を発光させ、この蛍光を拡大結像及び撮影することにより得られる顕微鏡画像である。図4に蛍光画像の一例を示す。
蛍光染色試薬としては、本発明においては、特定の生体物質と特異的に結合及び/又は反応する蛍光ナノ粒子を指す。なお、「蛍光ナノ粒子」とは、詳しくは後述するが、励起光の照射を受けて蛍光発光するナノサイズの粒子であって、特定の生体物質を1分子ずつ輝点として表すのに十分な強度の蛍光を発光しうる粒子である。
蛍光ナノ粒子として、好ましくは量子ドット(半導体ナノ粒子)、蛍光物質内包ナノ粒子が使用される。好ましくは発光波長が顕微鏡画像取得装置1Aの撮像手段の感度域内に存在するナノ粒子であって、詳しくは発光波長が400〜700nmのナノ粒子が使用される。
<蛍光染色試薬や染色方法など>
以下、細胞に特異的に発現する特定の生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を取得するための蛍光染色試薬や当該蛍光染色試薬を用いた組織切片の染色方法について説明する。
(1)蛍光物質
蛍光染色試薬に用いられる蛍光物質としては、蛍光有機色素及び量子ドット(半導体粒子)を挙げることができる。200〜700nmの範囲内の波長の紫外〜近赤外光により励起されたときに、400〜1100nmの範囲内の波長の可視〜近赤外光の発光を示すことが好ましい。
蛍光有機色素としては、フルオレセイン系色素分子、ローダミン系色素分子、Alexa Fluor(インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(インビトロジェン社製)系色素分子、カスケード系色素分子、クマリン系色素分子、エオジン系色素分子、NBD系色素分子、ピレン系色素分子、Texas Red系色素分子、シアニン系色素分子などを挙げることができる。
具体的には、5−カルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−フルオレセイン、5,6−ジカルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,4’,5’,7,7’−ヘキサクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,7,7’−テトラクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、ナフトフルオレセイン、5−カルボキシ−ローダミン、6−カルボキシ−ローダミン、5,6−ジカルボキシ−ローダミン、ローダミン 6G、テトラメチルローダミン、X−ローダミン、及びAlexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、BODIPY FL、BODIPY TMR、BODIPY 493/503、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665(以上インビトロジェン社製)、メトキシクマリン、エオジン、NBD、ピレン、Cy5、Cy5.5、Cy7などを挙げることができる。これら蛍光有機色素は単独で使用されてもよいし、複数種を混合して使用されてもよい。
量子ドットとしては、II−VI族化合物、III−V族化合物、又はIV族元素を成分として含有する量子ドット(それぞれ、「II−VI族量子ドット」、「III−V族量子ドット」、「IV族量子ドット」ともいう。)のいずれかを用いることができる。これら量子ドットも単独で使用されてもよいし、複数種を混合して使用されてもよい。
具体的には、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、InP、InN、InAs、InGaP、GaP、GaAs、Si、Geが挙げられるが、これらに限定されない。
上記量子ドットをコアとし、その上にシェルを設けた量子ドットを用いることもできる。下記では、シェルを有する量子ドットの表記法として、コアがCdSe、シェルがZnSの場合、CdSe/ZnSと表記する。
たとえば、CdSe/ZnS、CdS/ZnS、InP/ZnS、InGaP/ZnS、Si/SiO2、Si/ZnS、Ge/GeO2、Ge/ZnSなどを用いることができるが、これらに限定されない。
量子ドットは必要に応じて、有機ポリマーなどにより表面処理が施されているものを用いてもよい。たとえば、表面カルボキシ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)、表面アミノ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)などが挙げられる。
(2)蛍光物質内包ナノ粒子
「蛍光物質内包ナノ粒子」とは、上記のような蛍光物質を内包したナノ粒子であって、詳しくは蛍光物質をナノ粒子の内部に分散させたものをいい、蛍光物質とナノ粒子自体とが化学的に結合していてもよいし、結合していなくてもよい。
ナノ粒子を構成する素材は特に限定されるものではなく、シリカ、ポリスチレン、ポリ乳酸、メラミンなどを挙げることができる。
蛍光物質内包ナノ粒子は、公知の方法により作製することが可能である。
たとえば、蛍光有機色素を内包したシリカナノ粒子は、ラングミュア 8巻 2921ページ(1992)に記載されているFITC内包シリカ粒子の合成を参考に合成することができる。FITCの代わりに所望の蛍光有機色素を用いることで種々の蛍光有機色素内包シリカナノ粒子を合成することができる。
量子ドットを内包したシリカナノ粒子は、ニュー・ジャーナル・オブ・ケミストリー 33巻 561ページ(2009)に記載されているCdTe内包シリカナノ粒子の合成を参考に合成することができる。
蛍光有機色素を内包したポリスチレンナノ粒子は、米国特許4326008(1982)に記載されている重合性官能基をもつ有機色素を用いた共重合法や、米国特許5326692(1992)に記載されているポリスチレンナノ粒子への蛍光有機色素の含浸法を用いて作製することができる。
量子ドットを内包したポリマーナノ粒子は、ネイチャー・バイオテクノロジー19巻631ページ(2001)に記載されているポリスチレンナノ粒子への量子ドットの含浸法を用いて作製することができる。
蛍光物質内包ナノ粒子の平均粒径は特に限定されないが、30〜800nm程度のものを用いることができる。また、粒径のばらつきを示す変動係数(=(標準偏差/平均値)×100%)は特に限定されないが、20%以下のものを用いることが好ましい。
平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡写真を撮影し十分な数の粒子について断面積を計測し、各計測値を円の面積としたときの円の直径を粒径として求めた値である。本実施形態では、1000個の粒子の粒径の算術平均を平均粒径とする。変動係数も、1000個の粒子の粒径分布から算出した値とする。
(3)生体物質認識部位と蛍光ナノ粒子との結合
本実施形態では、特定の生体物質と特異的に結合及び/又は反応する蛍光染色試薬として、蛍光ナノ粒子と生体物質認識部位を予め直接結合したものを用いる場合を例にとって説明する。「生体物質認識部位」とは、特定の生体物質と特異的に結合及び/又は反応する部位である。
特定の生体物質としては、それと特異的に結合する物質が存在するものであれば特に限定されるものではないが、代表的にはタンパク質(ペプチド)及び核酸(オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド)などが挙げられる。
したがって、生体物質認識部位としては、前記タンパク質を抗原として認識する抗体やそれに特異的に結合する他のタンパク質など、及び前記核酸にハイブリタイズする塩基配列を有する核酸などが挙げられる。
具体的な生体物質認識部位としては、細胞表面に存在するタンパク質であるHER2に特異的に結合する抗HER2抗体、細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)に特異的に結合する抗ER抗体、細胞骨格を形成するアクチンに特異的に結合する抗アクチン抗体などが挙げられる。
中でも、抗HER2抗体及び抗ER抗体を蛍光ナノ粒子に結合させたもの(蛍光染色試薬)は、乳癌の投薬選定に用いることができ、好ましい。
生体物質認識部位と蛍光ナノ粒子の結合の態様としては特に限定されず、共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合、物理吸着及び化学吸着などが挙げられる。結合の安定性から共有結合などの結合力の強い結合が好ましい。
生体物質認識部位と蛍光ナノ粒子との間にはこれらを連結する有機分子があってもよい。たとえば、生体物質との非特異的吸着を抑制するため、ポリエチレングリコール鎖を用いることができ、Thermo Scientific社製SM(PEG)12を用いることができる。
蛍光物質内包シリカナノ粒子へ生体物質認識部位を結合させる場合、蛍光物質が蛍光有機色素の場合でも、量子ドットの場合でも同様の手順を適用することができる。
たとえば、無機物と有機物を結合させるために広く用いられている化合物であるシランカップリング剤を用いることができる。このシランカップリング剤は、分子の一端に加水分解でシラノール基を与えるアルコキシシリル基を有し、他端に、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、アルデヒド基などの官能基を有する化合物であり、上記シラノール基の酸素原子を介して無機物と結合する。
具体的には、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリエチレングリコール鎖をもつシランカップリング剤(たとえば、Gelest社製PEG−silane no.SIM6492.7)などが挙げられる。
シランカップリング剤を用いる場合、2種以上を併用してもよい。
蛍光有機色素内包シリカナノ粒子とシランカップリング剤との反応手順は、公知の手法を用いることができる。
たとえば、得られた蛍光有機色素内包シリカナノ粒子を純水中に分散させ、アミノプロピルトリエトキシシランを添加し、室温で12時間反応させる。反応終了後、遠心分離又はろ過により表面がアミノプロピル基で修飾された蛍光有機色素内包シリカナノ粒子を得ることができる。続いてアミノ基と抗体中のカルボキシル基とを反応させることで、アミド結合を介し抗体を蛍光有機色素内包シリカナノ粒子と結合させることができる。必要に応じて、EDC(1−Ethyl−3−[3−Dimethylaminopropyl]carbodiimide Hydrochloride:Pierce(登録商標)社製)のような縮合剤を用いることもできる。
必要により、有機分子で修飾された蛍光有機色素内包シリカナノ粒子と直接結合しうる部位と、分子標的物質と結合しうる部位とを有するリンカー化合物を用いることができる。具体例として、アミノ基と選択的に反応する部位とメルカプト基と選択的に反応する部位の両方をもつsulfo−SMCC(Sulfosuccinimidyl 4[N−maleimidomethyl]−cyclohexane−1−carboxylate:Pierce社製)を用いると、アミノプロピルトリエトキシシランで修飾した蛍光有機色素内包シリカナノ粒子のアミノ基と、抗体中のメルカプト基を結合させることで、抗体結合した蛍光有機色素内包シリカナノ粒子ができる。
蛍光物質内包ポリスチレンナノ粒子へ生体物質認識部位を結合させる場合、蛍光物質が蛍光有機色素の場合でも、量子ドットの場合でも同様の手順を適用することができる。すなわち、アミノ基などの官能基をもつポリスチレンナノ粒子へ蛍光有機色素、量子ドットを含浸することにより、官能基もつ蛍光物質内包ポリスチレンナノ粒子を得ることができ、以降EDC又はsulfo−SMCCを用いることで、抗体結合した蛍光物質内包ポリスチレンナノ粒子ができる。
生体物質認識部位の一例として、M.アクチン、M.S.アクチン、S.M.アクチン、ACTH、Alk-1、α1-アンチキモトリプシン、α1-アンチトリプシン、AFP、bcl-2、bcl-6、β-カテニン、BCA 225、CA19-9、CA125、カルシトニン、カルレチニン、CD1a、CD3、CD4、CD5、CD8、CD10、CD15、CD20、CD21、CD23、CD30、CD31、CD34、CD43、CD45、CD45R、CD56、CD57、CD61、CD68、CD79a、"CD99, MIC2"、CD138、クロモグラニン、c-KIT、c-MET、コラーゲン タイプIV、Cox-2、サイクリンD1、ケラチン、サイトケラチン(高分子量)、パンケラチン、パンケラチン、サイトケラチン 5/6、サイトケラチン 7、サイトケラチン 8、サイトケラチン 8/18、サイトケラチン 14、サイトケラチン 19、サイトケラチン 20、CMV、E-カドヘリン、EGFR、ER、EMA、EBV、第VIII因子関連抗原、ファッシン、FSH、ガレクチン-3、ガストリン、GFAP、グルカゴン、グリコフォリン A、グランザイムB、hCG、hGH、ヘリコバクターピロリ、HBc抗原、HBs抗原、ヘパトサイト特異抗原、HER2、HSV-I、HSV-II、HHV-8、IgA、IgG、IgM、IGF-1R、インヒビン、インスリン、カッパL鎖、Ki67、ラムダL鎖、LH、リゾチーム、マクロファージ、メランA、MLH-1、MSH-2、ミエロパーオキシダーゼ、ミオゲニン、ミオグロビン、ミオシン、ニューロフィラメント、NSE、p27(Kip1)、p53、P63、PAX 5、PLAP、ニューモシスティス カリニ、ポドプラニン(D2-40)、PGR、プロラクチン、PSA、前立腺酸性フォスファターゼ、Renal Cell Carcinoma、S100、ソマトスタチン、スペクトリン、シナプトフィジン、TAG-72、TdT、サイログロブリン、TSH、TTF-1、TRAcP、トリプターゼ、ビリン、ビメンチン、WT1、Zap-70などの特定抗原を認識する抗体が挙げられる。
なお、蛍光ナノ粒子は、上記のように生体物質認識部位と予め直接結合して用いる他、免疫染色における公知の間接法のように、染色工程において間接的に生体物質認識部位に結合されても良い。具体的には、たとえば、組織標本に対して特定の生体物質を抗原とするビオチン化一次抗体を反応させた後、ストレプトアビジンにより修飾された蛍光ナノ粒子を結合させた染色試薬をさらに反応させて、ストレプトアビジンとビオチンが特異的に結合して複合体を形成することを利用して染色しても良い。また、たとえば、組織標本に対して、特定タンパクを抗原とする一次抗体を反応させ、さらに当該一次抗体を抗原とするビオチン化二次抗体を反応させた後、ストレプトアビジンにより修飾された蛍光ナノ粒子を反応させて染色しても良い。
(4)染色方法
組織切片の作製方法は特に限定されず、公知の方法により作製されたものを用いることができる。下記染色方法は病理組織切片に限定せず、培養細胞にも適用可能である。
(4.1)脱パラフィン工程
キシレンを入れた容器に組織切片を浸漬させ、パラフィンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中でキシレンを交換してもよい。
次いで、エタノールを入れた容器に組織切片を浸漬させ、キシレンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中でエタノールを交換してもよい。
次いで、水を入れた容器に組織切片を浸漬させ、エタノールを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中で水を交換してもよい。
(4.2)賦活化処理
公知の方法にならい、組織切片の生体物質の賦活化処理を行う。
賦活化条件に特に定めはないが、賦活液としては、0.01Mクエン酸緩衝液(pH6.0)、1mMEDTA溶液(pH8.0)、5%尿素、0.1Mトリス塩酸緩衝液などを用いることができる。加熱機器は、オートクレーブ、マイクロウェーブ、圧力鍋、ウォーターバスなどを用いることができる。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。温度は50〜130℃、時間は5〜30分で行うことができる。
次いで、PBS(Phosphate Buffered Saline:リン酸緩衝生理食塩水)を入れた容器に、賦活化処理後の組織切片を浸漬させ、洗浄を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。
(4.3)蛍光染色試薬を用いた染色
蛍光染色試薬のPBS分散液を組織切片に載せ、組織切片の生体物質と反応させる。
蛍光染色試薬の生体物質認識部位を変えることにより、さまざまな生体物質に対応し染色が可能となる。蛍光染色試薬として、数種類の生体物質認識部位が結合された蛍光ナノ粒子を用いる場合には、それぞれの蛍光ナノ粒子PBS分散液を予め混合しておいてもよいし、別々に順次組織切片に載せてもよい。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。反応時間は、30分以上24時間以下であることが好ましい。
蛍光染色試薬による染色を行う前に、BSA含有PBSなど、公知のブロッキング剤を滴下することが好ましい。
次いで、PBSを入れた容器に、染色後の組織切片を浸漬させ、未反応の蛍光ナノ粒子の除去を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。カバーガラスを組織切片に載せ、封入する。必要に応じて市販の封入剤を使用してもよい。
なお、形態画像を得るためにHE染色等を実施する場合は、カバーガラスによる封入前の任意の段階に行う。
(5)蛍光画像の取得
染色した組織切片に対し顕微鏡画像取得装置1Aを用いて、顕微鏡画像(蛍光画像)を取得する。励起光源と蛍光検出用光学フィルターは、蛍光染色試薬に用いた蛍光物質の吸収極大波長及び蛍光波長に対応したものを適宜選択する。
<病理診断支援システム100の動作>
以下、病理診断支援システム100において、上記説明した蛍光画像及び明視野画像を取得して解析を行う動作について説明する。
ここでは、特定のタンパク質(たとえば、乳癌組織においてはKi67タンパク等。以下、特定タンパクと呼ぶ。)を認識する生体物質認識部位が結合した蛍光物質内包ナノ粒子を含む染色試薬を用いて染色された組織標本を観察対象とする場合を例にとり説明する。ただし、これに限定されず、本発明においては異なる発光特性の蛍光ナノ粒子を用いて複数種類の生体物質を染色し、同一画面上で観察することもできる。
まず、操作者は、HE染色試薬と、特定タンパクを認識する生体物質認識部位が結合した蛍光物質内包ナノ粒子を蛍光標識材料とした染色試薬との、2種の染色試薬を用いて組織標本を染色する。
その後、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて、(a1)〜(a5)の手順により明視野画像及び蛍光画像が取得される。
(a1)操作者は、ヘマトキシリン染色試薬と蛍光物質内包ナノ粒子を含む染色試薬とにより染色された組織標本をスライドに載置し、そのスライドを顕微鏡画像取得装置1Aのスライド固定ステージに設置する。
(a2)明視野ユニットに設定し、撮影倍率、ピントの調整を行い、組織上の観察対象の領域を視野に納める。
(a3)撮像手段で撮影を行って明視野画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
(a4)ユニットを蛍光ユニットに変更する。
(a5)視野及び撮影倍率を変えずに撮像手段で撮影を行って蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
なお、複数種類の生体物質を染色する場合には、上記(a5)の工程を繰り返す。各蛍光画像の取得に用いる励起光及びフィルターは、発光特性に適した組み合わせを適宜選択する。
画像処理装置2Aにおいては、明視野画像及び蛍光画像に基づき画像解析処理が実行される。
図5に、画像処理装置2Aにおける画像解析処理のフローチャートを示す。図5に示す画像解析処理は、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、通信I/F24により顕微鏡画像取得装置1Aからの明視野画像が入力されると(ステップS1)、明視野画像から細胞領域の抽出が行われる(ステップS2)。
図6に、ステップS2における処理の詳細フローを示す。ステップS2の処理は、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
図7にステップ2における処理の一例として、細胞核の抽出画像を示すが、本発明においてはこれを応用して、細胞領域の抽出を行う。
ステップS2においては、まず、明視野画像のモノクロ画像への変換が行われる(ステップS201)。図7Aに、明視野画像の一例を示す。
次いで、モノクロ画像に対し予め定められた閾値を用いて閾値処理が施され、各画素の値が二値化される(ステップS202)。
次いで、ノイズ処理が行われる(ステップS203)。ノイズ処理は、具体的には、二値画像にクロージング処理が施されることにより行うことができる。クロージング処理は、膨張処理を行ってから同じ回数分だけ収縮処理を行う処理である。膨張処理は、注目画素からn×n画素(nは2以上の整数)の範囲内にある画素に1つでも白が含まれている場合に注目画素を白に置き換える処理である。収縮処理は、注目画素からn×n画素の範囲内にある画素に1つでも黒が含まれている場合に注目画素を黒に置き換える処理である。クロージング処理により、ノイズ等の小さい領域を除去することができる。図7Bに、ノイズ処理後の画像の一例を示す。図7Bに示すように、ノイズ処理後には、細胞が抽出された画像(細胞画像)が生成される。
次いで、ノイズ処理後の画像にラベリング処理が施され、抽出された細胞のそれぞれにラベルが付与される(ステップS204)。ラベリング処理とは、連結している画素に同じラベル(番号)を付与していくことで画像内のオブジェクトを識別する処理である。ラベリング処理により、ノイズ処理後の画像から各細胞を識別してラベルを付与することができる。
ステップS3においては、抽出された細胞の種類の特定が行われる。
図8に、ステップS3における処理の詳細フローを示す。
ステップS301では、まず、ステップS2で抽出された細胞画像内の全細胞について、細胞画像から、細胞の面積A、細胞の平均濃度B、細胞の領域内のピクセル輝度バラツキ(σ値)C、細胞の円形度D、細胞の扁平率E等の「細胞特徴量」が算出される。
細胞の面積Aについては、予め細胞画像に対応した基準となる長さを測定することで画素(ピクセル)の大きさを算出し、ステップS2で抽出された各細胞内の画素数を積算することにより、細胞の面積Aが決定される。
細胞の平均濃度Bは、細胞内の各画素(ピクセル)のグレースケールに変換した輝度信号値を求め、その平均値を算出することにより決定される。
ピクセル輝度バラツキCは、細胞内の各画素(ピクセル)の輝度信号値の標準偏差を算出することにより決定される。
細胞の円形度D及び扁平率Eは、ステップS2で抽出された各細胞について、細胞画像から得られる一定の値を、下記式(d)、(e)に当てはめることで決定される。
(円形度D)=4πS/L2 … (d)
(扁平率E)=(a−b)/a … (e)
ただし、式(d)中、「S」は細胞の面積(細胞の面積A)を、「L」は細胞の外周長をそれぞれ表す。式(e)中、「a」は長半径を、「b」は短半径をそれぞれ表す。
次いで、ステップS302では、ステップS301で得られた細胞特徴量に対して、予め定められた閾値を用いて閾値処理が施され、細胞の分類処理が行われる。たとえば、細長い形状をした神経細胞の場合、扁平率Eの値が大きく、球形のリンパ球の場合は円形度Dの値が大きいため、これらを識別するために適切な閾値を設定することで、その細胞形状の特徴に応じた分類をすることができる。細胞の分類項目と細胞特徴量の各閾値は統計値に基づいて設定することができ、予めテーブル化され、記憶部25により記憶されている。
上記ステップ3による細胞の種類の特定は、基本的には、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働にて自動で行われるが、かかる処理には観察者による補助作業を伴ってもよい。観察者による補助作業とは、たとえば、記憶部25に記憶されているプログラムに対し細胞特徴量の各閾値を段階的に調整し、特定された細胞の種類の目視による確認等を含む。
なお、細胞特徴量の各因子(上記の場合、A〜E)は任意に選択され適宜変更されてもよい。もちろん、細胞特徴量の因子として上記とは異なる別の因子が使用されてよい。
一方、通信I/F24により顕微鏡画像取得装置1Aからの蛍光画像が入力されると(ステップS4)、蛍光画像から輝点領域が抽出される(ステップS5)。
図9に、ステップS5における処理の詳細フローを示す。ステップS5の処理は、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
ステップS5においては、まず、蛍光画像から蛍光輝点の波長に応じた色成分の抽出が行われる(ステップS501)。
図10Aに、蛍光画像の一例を示す。
ステップS501では、たとえば、蛍光粒子の発光波長が550nmである場合には、その波長成分を有する蛍光輝点のみが画像として抽出される。
次いで、抽出された画像に閾値処理が施され、二値化画像が生成され、輝点領域が抽出される(ステップS502)。
なお、閾値処理の前に細胞自家蛍光や他の不要信号成分等のノイズ除去処理が施されてもよく、ガウシアンフィルタ等のローパスフィルタや二次微分等のハイパスフィルタが好ましく用いられる。
図10Bに、輝点領域が抽出された画像の一例を示す。図10Bに示すように、かかる画像では蛍光輝点を中心とした輝点領域が抽出されている。
次いで、輝点領域にラベリング処理が施され、抽出された輝点領域のそれぞれにラベルが付与される(ステップS503)。
ステップS3とステップS5の処理の終了後、図5の処理に戻り、細胞画像と輝点領域画像の加算処理が行われ(ステップS6)、細胞上における輝点領域の分布が画像処理装置2Aの表示部23に表示され、次いで生体物質発現パターンのクラス分けが行われる。本実施形態においては、生体物質発現パターンとして、発現量についてクラス分けを行う(ステップS7)。
図11に、ステップS7における処理の詳細フローを示す。
ステップS701では、ステップS6において加算された細胞画像と輝点領域画像に基づいて、1細胞当たりの輝点数が算出される。
次いで、得られた輝点数に対して予め定められた閾値を用いて閾値処理が施され(ステップS702)、発現量に基づく細胞のクラス分け処理が行われる。各細胞は発現量に応じて複数段階に分類されるが、発現量はPIDの蛍光輝点数に基づいて判断することができる。即ち、PIDの蛍光輝点は高輝度で、かつ一つ一つを個別に検出可能であるため、輝点の数によって生体物質の発現量を特定することが可能である。
なお、閾値はステップS3において特定された細胞の種類ごとに設定し、細胞の種類ごとに生体物質発現量のクラス分けを行うものとしてもよい。
上記ステップ7による生体物質発現量のクラス分けは、基本的には、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働にて自動で行われるが、かかる処理には観察者による補助作業を伴ってもよい。観察者による補助作業とは、たとえば、記憶部25に記憶されているプログラムに対し生生体物質発現量の各閾値を段階的に調整する作業等を含む。
次に、図5の処理に戻り、生体物質発現パターンの描画が行われる(ステップS8)。ここでは、ステップS7で求められた発現量の描画を行う。
図12は、ステップS8における処理の詳細フローを示し、図13は、表示部23に表示された発現量の描画の一例を示す。
図13に示すように、描画画面には、情報ボックス231と描画ボックス232が表示される。さらに、情報ボックス231には、ステップS3で特定された細胞の種類と、それに対応した生体物質発現量の閾値等の情報が表示され、描画ボックス232には、ステップS6において細胞画像と輝点領域画像が加算された画像(以降、細胞分布画像234と表記)と、発現量を数値で表した発現パターン情報233が表示される。
まず、ステップS7で設定された生体物質発現パターンのクラス分け情報として、情報ボックス231に、細胞の種類ごと発現量の閾値を表示する(ステップS801)。ここでは、発現量に応じて高・中・低の3段階にクラス分けを行っている。
次に、描画ボックス232における生体物質の発現パターン情報233の表示方法を決定する(ステップS802)。ここでは、生体物質発現量に基づいて分類された細胞のクラスごとに、発現量の数値の表示方法を異ならせる。
後述するように、図13に示すように、細胞分布画像234上に発現パターン情報233としての数値を表示するが、たとえば当該数値のサイズや太さ等を異ならせる(発現量が高い程数値を大きく、又は太く表示する等)ことで、発現量の高低を視認によって容易に把握しやすくすることができる。また、ステップS801で設定した閾値に応じた色で発現パターン情報233を表示してもよいし、発現パターン情報233だけでなく細胞を囲む枠線の太さや色等によって、発現量の高低を表現してもよい。ここでは数値の色を、発現量の高いものから、たとえば赤、黄、緑、青の4色に分類するものとする。
発現パターン情報233の表示方法を決定すると、ステップS803において、細胞分布画像234と発現パターン情報233を加算する。
次いで、発現パターン情報233の表示位置を決定する。
まず、ステップS804において、各細胞の座標(XY座標)を求める。ここでは、細胞の座標として、中心座標及び細胞の外縁に接するように細胞を囲んだ四角形の頂点座標を求めるものとする。図14Aに示すように、2つの細胞Ca及び細胞Cbが存在する場合、中心座標Sa、Sb及び細胞を囲む四角形の頂点座標Va1〜Va4、Vb1〜Vb4をそれぞれ算出する。
次に、ステップS805において、発現パターン情報233の中心座標が各細胞の中心座標となるように設定し、ステップS806において、発現パターン情報233の頂点座標を算出する。ここで、発現パターン情報233の頂点座標は数値を囲む四角形の頂点の座標とし、中心座標とステップS802で設定された発現パターン情報233のサイズに基づいて算出される。
次に、発現パターン情報233を描画ボックス232に描画した場合に、重複が生じるかどうかを判断する(ステップS807)。図14Bのように、細胞C1及び細胞C2に対して発現パターン情報233a及び発現パターン情報233bを表示すると、重複が生じる場合がある。このとき、数値が重なり合うことで判別が難しくなるため、重複しないように表示位置を補正する必要がある。
発現パターン情報233に重複が生じていると判断した場合(ステップS807:Yes)、発現パターン情報233の表示位置を補正する(ステップS808)。補正方法としては、図14Cに示すように、発現パターン情報233が互いに重複している領域に含まれる頂点の座標を、互いの頂点又は辺と接する位置まで、X軸方向及び/又はY軸方向に移動させる。あるいは、図14Dに示すように、発現パターン情報233の頂点座標が、四角形の頂点のうち他の細胞と十分に離れている頂点(ここでは、Va1及びVb4)と一致するように移動させるものとしてもよい。
以上のように発現パターン情報233の表示位置の補正が完了し、またはステップS807で発現パターン情報233が互いに重なり合っていないと判断すると(ステップS807:No)、発現量の描画処理を終了する。
上記ステップ8による発現パターンの描画は、基本的には、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働にて自動で行われるが、かかる処理には観察者による補助作業を伴ってもよい。観察者による補助作業とは、たとえば、記憶部25に記憶されているプログラムに対し、ステップS802における発現パターン情報233の表示方法を任意に設定し、また、ステップS808における発現パターン情報233の表示位置の補正方法を設定し、補正された発現パターン情報233の目視による確認等を含む。
以上説明したように、本発明に係る画像処理装置においては、蛍光ナノ粒子を用いて生体物質の発現パターンを定量し、発現パターンに応じて細胞のクラス分けを行う。即ち、蛍光ナノ粒子を用いることで従来の染色方法では不可能であった、生体物質の定量的解析が可能となるため、診断の精度を向上させることができる。
また、本発明に係る画像処理装置においては、細胞のクラス分けに応じて発現パターン情報の表示方法を設定し、細胞分布画像とともに表示させる。これにより、観察者が細胞の分布と生体物質発現量を逐次対応づけながら観察する必要がなく、一見して発現パターンを把握することが可能となる。
また、発現パターン情報が互いに重複する場合は、発現パターン情報が重複しない位置となるように再配置させる。さらに、発現パターン情報は、細胞分布画像の色と異なる色で表示させる。これにより、各発現パターン情報の識別性を維持することができる。
また、細胞特徴量に基づいて細胞の種類を特定し、細胞の種類ごとに画像処理を行うことができる。即ち、細胞の種類ごとに表示方法を設定することによって、さらに視認性を向上させることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明を実施するための第2実施形態について説明する。なお、本実施形態における<病理診断支援システム100の構成>、<蛍光染色試薬や染色方法>、<病理診断支援システム100の動作>は第1実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第1実施形態においては、明視野画像としてHE染色試薬を用いて染色した組織切片を用いるものとしたが、第2実施形態においては、明視野画像としてマクロファージに特異的に発現するタンパク質(以下、マクロファージタンパク質)を標的として、後述する色素で染色した組織切片を用いる点で異なる。なお、がん細胞を取り巻く微小環境に存在する細胞に特異的に発現するタンパク質はさまざま存在し、適宜色素による染色は可能である。なお、微小環境を形成する細胞には、間質細胞(線維芽細胞、内皮細胞、白血球(リンパ球(B細胞、T細胞NK細胞、T−regなど)、単球、好中球、好酸球、好塩基球)等)死細胞、腺細胞、脂肪細胞、上皮細胞などが挙げられ、マクロファージは単球に分類される。
さらに、異なる色素2種類以上用いた染色も可能であり、色素染色とH染色E染色とを組み合わせた染色を利用することも可能である。
具体的には、マクロファージタンパク質を染色する工程(A)、標的タンパク質を染色する工程(B)、標的タンパク質に由来するシグナルを定量評価する工程(C)を含む。なお、工程(A)及び(B)は同一の検体に対して行われる工程である。本発明の情報取得方法において工程(A)及び(B)の順序は特に限定されないが、通常は工程(A)→工程(B)の順で行い、その後工程(C)を行うことが好ましい。
本実施形態においては前記工程(A)〜(C)に加え、さらに工程(D)を含むことが好ましく、工程(D)および(E)を含むことがより好ましい。ここで前記工程(D)は、前記工程(A)における染色によってマクロファージの位置および数を特定する工程である。前記工程(E)は、前記工程(C)で計測された標的タンパク質に由来するシグナルおよび前記工程(D)で特定されたマクロファージの位置および数に基づいて、標的タンパク質の発現状態の情報を特定する工程である。
本実施形態において取得されうる情報は、前記工程(C)で計測される標的タンパク質に由来するシグナルに基づくものを含むことが好ましく、前記工程(D)において特定されたマクロファージの位置および数、ならびに前記工程(E)において特定された標的タンパク質の発現状態の情報に基づくものがより好ましい。
そのような情報は特に限定されないが、例えば、検体の単位面積あたりにおける標的タンパク質の発現量、例えば検体の単位面積あたりのマクロファージの数、検体に含まれる全マクロファージの数に対するTAMの割合、検体の単位面積あたりにおける標的タンパク質のうち腫瘍細胞に発現している量とマクロファージ(TAM)に発現している量、およびそれらの割合、検体に含まれる組織や細胞の形態等が挙げられ、異なる色素2種類以上用いた染色により可能となる。特にマクロファージ内における標的タンパク質の位置または発現量の少なくとも一方を含むことが好ましく、位置および発現量を含むことがより好ましい。
工程(A)において行われる染色は色素染色であることが好ましく、工程(B)において行われる染色は蛍光染色であることが好ましく、「標的タンパク質に由来するシグナル」は蛍光染色された標的タンパク質に由来する輝点数に基づいたものであることが好ましい。
前記工程(A)及び(B)において行われる染色は、後述する検体と標識物質とを接触させることにより、染色の目的となるマクロファージタンパク質および標的タンパク質に標識物質を直接的または間接的に結合させて行なうことが好ましく、例えば、マクロファージタンパク質または標的タンパク質と直接的または間接的に結合する抗体に標識物質を結合させた標識化抗体を、検体と反応させて行う免疫染色であることが好ましい。
<マクロファージタンパク質や標的タンパク質など>
以下、第2実施形態の解析に用いられるマクロファージタンパク質や標的タンパク質について説明する。
(1)マクロファージタンパク質
本発明の情報取得方法における、工程(A)において染色されるマクロファージタンパク質は、マクロファージにおいて特異的に発現されるタンパク質から任意に選択することができ、例えば、CD163、CD204、CD68、Iba1、CD11c、CD206、CD80、CD86、CD163、CD181、CD197、iNOS、Arginase1、CD38、Egr2等が挙げられ、特に、CD68、CD163、およびCD204
から選択することが好ましい。
マクロファージタンパク質がM2マクロファージに特異的に発現するタンパク質であることが好ましく、腫瘍関連マクロファージ(TAM)に発現するタンパク質であることも好ましい。
M2マクロファージに特異的に発現するタンパク質としては、CD163、CD204が好ましい。
(2)色素染色
工程(A)では、マクロファージタンパク質に対して色素染色が行われることが好ましい。前記色素染色はマクロファージタンパク質を明視野観察可能な色素で染色する手法であれば特に限定されず、例えば、標識物質(酵素)を任意の方法で染色の対象であるマクロファージタンパク質に結合させ、酵素基質反応により呈色する色素(基質)を添加することで色素を検体に沈着させることにより標的物質を染色する方法が広く用いられている。例えば、前記標的タンパク質と直接的または間接的に結合する抗体に前記酵素を結合させた標識化抗体をあらかじめ反応させた検体に、該酵素の基質である色素を添加することで行う、免疫染色であることが好ましい。前記酵素としてはペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼが、前記色素としては3,3’−diaminobenzidine(DAB)、Histogreen、TMB、Betazoid DAB、CardassianDAB、Bajoran Purple、VinaGreen、Romulin AEC、FerangiBlue、Vulcan FastRed、Warp Red等が挙げられる。
(3)標的タンパク質
本発明の情報取得方法における工程(B)において染色される標的タンパク質は、検体に含まれる少なくとも1種のタンパク質であり、特に限定されないが前記標的タンパク質としては、例えば、CSF−1Rなどのコロニー刺激因子の受容体(レセプター)、PD−L1(Programmed cell death1 ligand 1)、B7−1/2、CD8、CD30、CD48、CD59などのがんに係る病理診断においてバイオマーカーとして利用することができるタンパク質、IDO(Indoleamine-2,3-dioxygenase-1)などの免疫細胞の代謝に関わるタンパク質が挙げられる。
前記標的タンパク質はマクロファージに発現するタンパク質(抗原)であることが好ましく、マクロファージに特異的に発現するタンパク質であることがより好ましく、M2マクロファージに特異的に発現するタンパク質であることが特に好ましい。また、検体として腫瘍組織を用いる場合には、標的タンパク質はTAMに発現するタンパク質であることが好ましく、TAMに特異的に発現するタンパク質であることがより好ましい。具体的な標的タンパク質としては、CSF−1R、IDO、PDL1、B7−1/2、CD8、CD30、CD48、CD59が好ましく、特にCSF−1R、IDO、またはPDL1がより好ましい。
以下、第2実施形態に係る染色および輝点数計測結果について、マクロファージタンパク質としてCD68を挙げ、標的タンパク質としてCSF−1Rを挙げた例示について、説明する。表に示す通り、輝点数が異なる細胞が存在することが輝点数計測結果から明確になり、異なる細胞種あるいは異なる細胞環境が存在することの示唆を得ることができた。また、マクロファージタンパク質としてCD68とともにCD204を同時に染色して2色の明視野画像を取得すれば、マクロファージをM2マクロファージと特定できるので、より詳細な細胞のクラス分けも可能と考えられる。
[実施例]
(1)染色前処理
(1−1)脱パラフィン処理
肺腺がん組織アレイスライド(HLug-Ade150Sur-02:US Biomax社)に対して、以下の手順で脱パラフィン処理を行った。組織アレイスライドを、65℃インキュベーター内に15分間静置することでスライド内のパラフィンを融解した。キシレンを入れた容器3つにそれぞれ5分間ずつ浸け、脱水エタノール(関東化学;14599-95)で洗浄を行い、さらに脱水エタノールに5分間×2回浸けた。その後99.5%エタノール(関東化学;14033-70)でさらに脱水を行い、10分間純水に流して洗浄した。
(1−2)賦活化処理
あらかじめ95℃に予備加熱した賦活液(10mMトリス緩衝液(pH9.0))に脱パラフィン処理した組織アレイスライドを浸け、45分間放置する。室温になるまで放置した後10分間流水させた純水に曝して洗浄を行い、さらにPBSを入れた染色バットに切片スライドを浸漬し、5分間×3回洗浄する。
(1−3)内因性ペルオキシダーゼブロック
賦活化した組織アレイスライドを3%過酸化水素に15分間浸け、内因性ペルオキシダーゼブロックを行った。
(1−4)ブロッキング
前記処理を行った組織アレイスライドをBSAを1%含有するPBSに浸け、ブロッキング処理を行った。
(2)CD68染色工程
(2−1)1次抗体反応
BSAを1%含有するPBSを用いて抗CD68マウスモノクロナール抗体[PG−M1](Dako社)を100倍希釈し、上記ブロッキング処理を行った組織アレイスライドに添加し、室温で1時間反応させた。
(2−2)2次抗体反応
1次抗体反応後の組織アレイスライドをPBSで洗浄した後に、ヒストファインシンプルステインMAX−PO(MULTI)(ニチレイバイオサイエンス社;049-22831)を添加し、室温で30分間反応させた。
(2−3)HistoGreen染色
(2−2)2次抗体反応後の組織アレイスライドをHistoGreen(AbCys社;E109)を添加し、室温で3分間反応させる。反応後はPBSで5分間×3回洗浄し、さらに純水で洗浄した。
(3)MCSFR(CSF−1R)染色工程
(3−1)ブロッキング
(2−2)で洗浄を行った後の組織アレイスライドに対して、(1−4)と同様にブロッキングを行った。
(3−2)1次抗体反応
BSAを1%含有するPBSを用いて抗MCSFRラビットモノクロナール抗体[SP211](abcam社)を50倍希釈し、上記ブロッキング処理した組織アレイスライドに添加し、4℃で1晩反応させた。
(3−3)2次抗体反応
1次抗体反応後の組織アレイスライドをPBSで洗浄した後に、作製例1で作製したビオチン化2次抗体をBSAを1%含有するPBSで2μg/mLに希釈したものを添加し、30分間反応させた。
(3−4)蛍光標識
2次抗体反応後の組織アレイスライドをPBSで洗浄した後に、作製例2で作製したストレプトアビジン化蛍光体集積粒子の分散液を添加し、室温で2時間反応させた。2時間後PBSで5分間×3回洗浄し、4%PFAを切片スライドに添加して10分間反応させた。
(4)固定処理
PFA反応後の組織アレイスライドを1分間純水の流水に曝した。
(5)封入処理
(5−1)脱水・透徹工程
切片スライドを「99.5%EtOH槽」、「脱水EtOH槽」×3、「キシレン槽」×3の順に浸けた。
(5−2)封入工程
脱水・透徹後の切片スライドを、自動封入機により封入した。その後切片スライドを遮光下で保存した。
(6)撮影工程
まず、蛍光顕微鏡「BX−53」(オリンパス株式会社)に取り付けた顕微鏡用デジタルカメラ「DP73」(オリンパス株式会社)を用いて、色素染色画像(400倍)の撮影を行った。
次に、蛍光顕微鏡「BX−53」(オリンパス株式会社)を用いて蛍光画像の撮影を行った。(3−4)の蛍光標識に用いたビオチン化蛍光体集積粒子に対応する励起光を標本に照射して蛍光を発光させ、その状態の染色画像を撮影した。この際、励起光の波長は、蛍光顕微鏡が備える励起光用光学フィルターを用いて575〜600nmに設定し、観察する蛍光の波長は、蛍光用光学フィルターを用いて612〜692nmに設定した。蛍光顕微鏡による観察および画像撮影時の励起光の強度は、視野中心部付近の照射エネルギーが900W/cm2となるようにした。画像撮影時の露光時間は、画像の輝度が飽和しないような範囲で調節し、例えば4000μ秒に設定した。
色素染色画像および蛍光画像を重ね合わせ、画像処理を行った。組織アレイスライドに含まれる150の検体の内、HistGreenで染色された細胞、つまりCD68が染色された細胞をマクロファージとし、マクロファージが存在する検体を抽出した。マクロファージが存在する検体について、さらにマクロファージ細胞あたりのCSF−1Rに由来する輝点を計測した。なお、蛍光体集積粒子を表す輝点は輝度が所定の値以上のものの数を計測した。
マクロファージが存在する検体について、画像に含まれたマクロファージおよびマクロファージ1細胞あたりの輝点数を表1に示す。TAMごとに、含まれる輝点数(CSF−1Rの発現量)が異なることが分かる。
Figure 2018143406
以降、病理診断支援システム100において、上記した蛍光画像及び明視野画像を取得して解析を行う動作については、第1実施形態における<病理診断支援システム100の動作>と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る画像処理装置においては、同一視野において、前記検体に対して照明光を当てて撮影を行うことにより、マクロファージタンパク質について行った色素染色の染色画像が得られる。
また、この色素染色の染色画像によってマクロファージの位置および数を特定する工程(D)を行う場合、工程(D)が、色素染色の染色画像によってM2マクロファージの位置および数を特定する工程であることが好ましく、TAMの位置および数を特定する工程であることがより好ましい。
また、上述した標的タンパク質に由来するシグナルおよび前記工程(D)で特定されたマクロファージ(M2マクロファージ、TAM)の位置および数に基づいて、標的タンパク質の発現状態の情報を特定する工程(E)を行うことにより、マクロファージ内の標的タンパク質の位置または発現量に係る情報を取得することができる。
このようにマクロファージ、好ましくはM2マクロファージ、およびTAMの一方、より好ましくはM2マクロファージおよびTAMを正確に判定し、当該マクロファージに含まれる標的タンパク質のシグナルを抽出して測定することで、標的タンパク質の発現状態の情報をより詳細に特定することができる。具体的には例えば、マクロファージ(例えばTAM)1細胞あたりにおける標的タンパク質の平均発現量や密度、マクロファージにおける標的タンパク質の局在、検体の単位面積あたりにおける標的タンパク質の全発現量に対するマクロファージに発現している標的タンパク質の発現量の割合などが挙げられる。
[他の実施形態]
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、上記の実施形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
たとえば、上記実施形態においては、特定タンパクの例として1種類の生体物質の発現量を定量する場合について説明したが、これに限定されず、発光特性の異なる蛍光ナノ粒子を用いることによって、複数種類の生体物質の定量を行うことも可能である。たとえば、乳癌組織においては、ホルモン受容体(エストロゲン受容体(ER)及びプロゲステロン受容体(PgR))、HER2、及びKi67の発現解析によって、乳癌のサブタイプの分類を行うことができる。
また、上記実施形態においては、生体物質発現パターンとして発現量についてクラス分けを行うものとしたが、これに限定されず、たとえば生体物質の細胞内分布や密集度、目的生体物質の一細胞当たりの発現量とそれに対応する細胞数によって表されるヒストグラム若しくは曲線等によってもクラス分けを行うことができる。
具体的には、以下のようなクラス分け方法が挙げられる。
たとえば、HER2が細胞膜に特異的に発現していたら、癌細胞である可能性が高いため、細胞膜での発現量に閾値を設け、陽性細胞又は陰性細胞のクラス分けを行う。
また、生体物質が帰属している細胞や領域の種類によってもクラス分けを行うことができる。たとえば、癌細胞を攻撃するT細胞における生体物質の発現の程度を観察しやすくするために、T細胞に発現している生体物質とB細胞に発現している生体物質は区別して表示する方法がある。
あるいは、細胞や特定の領域からの距離によってもクラス分けを行うことができる。たとえば、腫瘍領域(癌細胞が集まっている部分)の縁からの距離によって表示を異ならせることで、腫瘍領域の中にどの程度生体物質が浸潤しているかを視認しやすくできる。
また、上記実施形態においては、細胞特徴量として細胞の形状を利用するものとしたが、これに限定されるものではなく、細胞核の形状を細胞特徴量として抽出してもよい。これにより、たとえば癌細胞における細胞核の肥大化などの異型性を検出することで、陽性細胞又は陰性細胞の分類を行うことができる。
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記
録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、病理診断支援システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
本発明は、画像処理装置及びプログラムに利用できる。
2A 画像処理装置
3A ケーブル
21 制御部(入力手段、第1抽出手段、第2抽出手段、生成手段、分類手段、表示制御手段、特定手段)
22 操作部
23 表示部
231 情報ボックス
232 描画ボックス
233 発現パターン情報
234 細胞分布画像
24 通信I/F
25 記憶部
26 バス
100 病理診断支援システム

Claims (7)

  1. 単一又は複数種類の生体物質が染色された組織標本における、細胞の形態を表す形態画像及び前記形態画像と同一範囲の前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力手段と、
    前記形態画像から細胞領域を抽出する第1抽出手段と、
    前記蛍光画像から蛍光輝点領域を抽出する第2抽出手段と、
    前記第2抽出手段によって抽出された、前記蛍光輝点領域の数から前記生体物質の発現量を算出し、当該発現量を含む発現パターン情報を生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された、前記発現パターン情報に応じて細胞のクラス分けを行う分類手段と、を備える画像処理装置。
  2. 前記生成手段によって生成された、前記発現パターン情報を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
    前記表示制御手段は、前記発現パターン情報と前記形態画像とを重ね合わせて表示させる請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記表示制御手段は、前記分類手段によって分類された細胞のクラスごとに、前記発現パターン情報の表示方法を変更して表示させる請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記表示制御手段は、前記発現パターン情報が互いに重なり合わないように表示させる請求項2又は3に記載の画像処理装置。
  5. 前記表示制御手段は、前記発現パターン情報を前記形態画像の色と異なる色で表示させる請求項2から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1抽出手段によって抽出された細胞領域の特徴量によって、細胞の種類を特定する特定手段を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 画像処理装置のコンピューターを、
    単一又は複数種類の生体物質が染色された組織標本における、細胞の形態を表す形態画像及び前記形態画像と同一範囲の前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力手段、
    前記形態画像から細胞領域を抽出する第1抽出手段、
    前記蛍光画像から蛍光輝点領域を抽出する第2抽出手段、
    前記第2抽出手段によって抽出された、前記蛍光輝点領域の数から前記生体物質の発現量を算出し、当該発現量を含む発現パターン情報を生成する生成手段、
    前記生成手段によって生成された、前記発現パターン情報に応じて細胞のクラス分けを行う分類手段、
    として機能させるためのプログラム。
JP2018566122A 2017-02-06 2018-02-02 画像処理装置及びプログラム Pending JPWO2018143406A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017019395 2017-02-06
JP2017019395 2017-02-06
PCT/JP2018/003587 WO2018143406A1 (ja) 2017-02-06 2018-02-02 画像処理装置及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2018143406A1 true JPWO2018143406A1 (ja) 2019-12-26

Family

ID=63040741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018566122A Pending JPWO2018143406A1 (ja) 2017-02-06 2018-02-02 画像処理装置及びプログラム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2018143406A1 (ja)
WO (1) WO2018143406A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10957041B2 (en) 2018-05-14 2021-03-23 Tempus Labs, Inc. Determining biomarkers from histopathology slide images
JP7147982B2 (ja) * 2019-06-26 2022-10-05 株式会社島津製作所 細胞立体形状評価方法及び細胞観察装置
JP2021124861A (ja) * 2020-02-04 2021-08-30 ソニーグループ株式会社 解析装置、解析方法、解析プログラム及び診断支援システム

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004042392A1 (ja) * 2002-11-07 2004-05-21 Fujitsu Limited 画像解析支援方法、画像解析支援プログラムおよび画像解析支援装置
US20100177950A1 (en) * 2008-07-25 2010-07-15 Aureon Laboratories, Inc. Systems and methods for treating, diagnosing and predicting the occurrence of a medical condition
JP2012037432A (ja) * 2010-08-09 2012-02-23 Olympus Corp 顕微鏡システム、標本観察方法およびプログラム
WO2013146843A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 コニカミノルタ株式会社 医用画像処理装置及びプログラム
WO2015002082A1 (ja) * 2013-07-03 2015-01-08 コニカミノルタ株式会社 画像処理装置、病理診断支援システム、画像処理プログラム及び病理診断支援方法
WO2015190225A1 (ja) * 2014-06-12 2015-12-17 コニカミノルタ株式会社 診断支援情報生成方法、画像処理装置、診断支援情報生成システム及び画像処理プログラム
WO2016080187A1 (ja) * 2014-11-18 2016-05-26 コニカミノルタ株式会社 画像処理方法、画像処理装置及びプログラム
JP2016517115A (ja) * 2013-04-17 2016-06-09 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 連続的に染色した組織における、1つの細胞の分割を使用する多重化バイオマーカー定量用のシステム及び方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004042392A1 (ja) * 2002-11-07 2004-05-21 Fujitsu Limited 画像解析支援方法、画像解析支援プログラムおよび画像解析支援装置
US20100177950A1 (en) * 2008-07-25 2010-07-15 Aureon Laboratories, Inc. Systems and methods for treating, diagnosing and predicting the occurrence of a medical condition
JP2012037432A (ja) * 2010-08-09 2012-02-23 Olympus Corp 顕微鏡システム、標本観察方法およびプログラム
WO2013146843A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 コニカミノルタ株式会社 医用画像処理装置及びプログラム
JP2016517115A (ja) * 2013-04-17 2016-06-09 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 連続的に染色した組織における、1つの細胞の分割を使用する多重化バイオマーカー定量用のシステム及び方法
WO2015002082A1 (ja) * 2013-07-03 2015-01-08 コニカミノルタ株式会社 画像処理装置、病理診断支援システム、画像処理プログラム及び病理診断支援方法
WO2015190225A1 (ja) * 2014-06-12 2015-12-17 コニカミノルタ株式会社 診断支援情報生成方法、画像処理装置、診断支援情報生成システム及び画像処理プログラム
WO2016080187A1 (ja) * 2014-11-18 2016-05-26 コニカミノルタ株式会社 画像処理方法、画像処理装置及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018143406A1 (ja) 2018-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6350527B2 (ja) 画像処理装置、病理診断支援システム、画像処理プログラム及び病理診断支援方法
US11035844B2 (en) Image processing device, pathological diagnosis support system, storage medium for image processing, and image processing method
JP5892238B2 (ja) 医用画像処理装置及びプログラム
JP5804194B2 (ja) 医用画像処理装置及びプログラム
JP6635108B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
JP6597316B2 (ja) 画像処理装置及びプログラム
JP6763407B2 (ja) 画像処理装置及びプログラム
JP7173034B2 (ja) 画像処理装置、合焦位置特定方法及び合焦位置特定プログラム
JP6493398B2 (ja) 診断支援情報生成方法、画像処理装置、診断支援情報生成システム及び画像処理プログラム
WO2018143406A1 (ja) 画像処理装置及びプログラム
JP5835536B1 (ja) 組織評価方法、画像処理装置、病理診断支援システム及びプログラム
JP6375925B2 (ja) 画像処理装置、画像処理システム、画像処理プログラム及び画像処理方法
JP6337629B2 (ja) 診断支援情報生成方法、画像処理装置、診断支援情報生成システム及び画像処理プログラム
JP6702339B2 (ja) 画像処理装置及びプログラム
JPWO2019172097A1 (ja) 画像処理方法、画像処理装置及びプログラム
JP6405985B2 (ja) 画像処理装置、画像処理システム、画像処理プログラム及び画像処理方法
JP6801653B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理用のプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220208