JP6685946B2 - 浸水防止構造及びこれを備えた船舶 - Google Patents

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Description

本発明は、旅客船、フェリー、RO−RO船(Roll-on/Roll-off Ship)、自動車専用船としてのPCC(Pure Car Carrier)、PCTC(Pure Car / Truck Carrier)などの船舶に関するものである。
例えば、従来の旅客船は、船体に多層の甲板を有する区画が設けられ、この各区画に各層の甲板間を接続するランプウェイが設けられたものが一般的である。この場合、船体の上層に居住区画が形成され、下層に車両区画が形成され、自動車は、ドライバが運転し、岸壁からショアランプウェイを介して船内の甲板へ入り込み、ランプウェイを経由して下層の甲板に移動し、指定された位置に駐車する。
また、このような旅客船は、居住区画や車両区画とは別に、船内が機関室や軸室など多数の部屋が区画形成されている。この場合、船舶の国際規則として、ダメージスタビリティの要件が規定されている。この規則では、船側損傷の要件として、損傷後の残存復原力の確保、損傷後の最終水線が浸水を制限する甲板を超えないことなどが規定されている。
なお、このような従来の船舶の区画構造としては、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された自動車運搬船は、船舶の船底のボイドスペースを形成する最下層の水密甲板に遠隔で開放可能な海水導入手段を設けたものであり、これにより、船舶の船側外板等が破損して、海水が船内に進入した場合、最下層の水密甲板に設けられた海水導入手段を開放することにより、船内に進入した海水をボイドスペースに導入し、このボイドスペースを海水バラストタンクとして機能させることで、船舶の復原力を回復させることができる。特許文献2には、船外に面する左右の側壁を有する船体と、該船体の内部であって隔壁により推進方向の前後に区画される複数の部屋と、前記側壁及び前記隔壁に接する少なくとも1つの浸水防止部屋と、を備え、前記浸水防止部屋は、端部が前記側壁及び前記隔壁に接合される仕切板により形成され、前記仕切板の全面が前記部屋に面すると共に、前記浸水防止部屋は、ショアランプが設けられる甲板に面してその下方に設けられ、前記浸水防止部屋の少なくとも1つは、機関区域の前記部屋に設けられ、前記機関区域の前記部屋の前記側壁と前記隔壁との連結部を覆った空間であり前記側壁が損傷した場合浸水し、前記浸水防止部屋で前記連結部が覆われた前記隔壁は、前記機関区域の2つの前記部屋を区画し、前記機関区域の前記部屋は、縦通隔壁で区画されていない船舶が記載されている。
特開2008−201308号公報 特許第5536254号公報
上述した従来の船舶の国際規則において、船側損傷は、旅客搭載人数によりその損傷時の損傷想定長さ、幅、高さが決められており、損傷時の浸水容積が大きな区画(例えば、機関室、補機室、軸室など)が損傷した際、隔壁を挟んで2区画の損傷要件となる。そのため、船損傷時の浸水容積が過大となり、規則要求の復元性能の項目としてのGoM(横メタセンタ高さ)が大きくなってしまう。この場合、船型計画の制約、上部構造の制約、区画配置の制約があることから、配置の自由度が制限されてしまう。特に機関室、主機室、補機室、軸室を含む機関区域の部屋は、設置する機器が多く、設置する機器の配置の制約があるため、配置の自由度が低いと、領域を有効活用できず、部屋が大きくなってしまう。特許文献1に記載の装置は、機関区域の部屋に浸水防止部屋を設けているが、スペースに制約が出てしまう場合がある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、船損傷時における機関区域の部屋への浸水を防止すると共に設計の自由度を拡大可能とする浸水防止構造及びこれを備えた船舶を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明は、船舶の左右の側壁を有する船体に設けられた浸水防止構造であって、前記船体の内部に設けられ、両端が前記側壁と接する第1隔壁により推進方向の前後に区画される第1の部屋と第2の部屋を有し、縦通隔壁で区画されていない特定区域と、前記第1の部屋に設けられ、前記側壁及び前記第1隔壁に接する第1浸水防止部屋と、前記第2の部屋に設けられ、前記第1浸水防止部屋が接する前記側壁と反対側の前記側壁及び前記第1隔壁に接する第2浸水防止部屋と、を備え、前記第1浸水防止部屋は、端部が前記側壁及び前記第1隔壁に接合される仕切板により形成され、前記仕切板の全面が前記第1部屋に面すると共に、前記側壁が損傷した場合浸水し、前記第2浸水防止部屋は、端部が前記側壁及び前記第1隔壁に接合される仕切板により形成され、前記仕切板の全面が前記第2部屋に面すると共に、前記側壁が損傷した場合浸水し、前記第1隔壁は、前記第1浸水防止部屋が設けられている側の前記側壁との接続部が、前記第2の部屋と対面し、前記第2浸水防止部屋が設けられている側の前記側壁との接続部が、前記第1の部屋と対面することを特徴とする。
前記区間区域は、両端が前記側壁と接する第2隔壁により区画された第3の部屋を有し、前記第3の部屋に設けられ、前記側壁及び前記第2隔壁に接する第3浸水防止部屋を有し、前記第3浸水防止部屋は、前記左側の側壁と前記隔壁に接する左方浸水防止部屋と、前記右側の側壁と前記隔壁に接する右方浸水防止部屋とを有することが好ましい。
また、前記第1浸水防止部屋に侵入した水を前記第2浸水防止部屋に排出する第1通水機構と、前記第2浸水防止部屋に侵入した水を前記第1浸水防止部屋に排出する第2通水機構と、を有することが好ましい。
また、前記第1通水機構は、前記第1浸水防止部屋と前記第2浸水防止部屋とを接続する配管と、前記配管を介して前記第1浸水防止部屋に侵入した水を前記第2浸水防止部屋に送るポンプと、を有し、前記第2通水機構は、前記第2浸水防止部屋と前記第1浸水防止部屋とを接続する配管と、前記配管を介して前記第2浸水防止部屋に侵入した水を前記第1浸水防止部屋に送るポンプと、を有することが好ましい。
また、前記第1の部屋及び前記第2の部屋は、仕切甲板を介して上下に区画されており、前記第1浸水防止部屋及び前記第2浸水防止部屋は、上下に区画された2つの部屋の両方に設けられていることが好ましい。
また、前記浸水防止部屋は、前記複数の部屋より容積が小さく、且つ、満載喫水線での幅が前記船体の幅の1/10以上に設定されることが好ましい。
また、前記浸水防止部屋は、前記複数の部屋より容積が小さく、且つ、前記満載喫水線での前後長さが前記船体の全長の3/100以上に設定されることが好ましい。
また、前記浸水防止部屋は、ショアランプが設けられる甲板の下方に設けられることが好ましい。
また、前記浸水防止部屋は、前記ショアランプが設けられる甲板と船底との間に設けられる車両搭載甲板より後方に設けられることが好ましい。
また、前記特定区域は、主機室、補機室、軸室の少なくとも1つを含む機関区域であることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明は、船舶であって、上記のいずれかに記載される浸水防止構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、機関区域を隔壁により船体の前後に複数の部屋を区画し、左の側壁と隔壁とに設ける浸水防止部屋と、右の側壁と隔壁とに設ける浸水防止部屋を異なる部屋に設けることで、船損傷時における複数の部屋への浸水を防止することができると共に設計の自由度を拡大することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る船舶としての旅客船を表す側面図である。 図2は、図1に示す旅客船における後部の平面図である。 図3は、図1に示す旅客船における後部の斜視図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。 図7は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。 図8は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。 図9は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船の平面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る船舶の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本発明の実施形態に係る船舶としての旅客船を表す側面図である。図2は、図1に示す旅客船における後部の平面図である。図3は、図1に示す旅客船における後部の斜視図である。
本実施形態の船舶1としての旅客船(カーフェリー)は、図1に示すように、船体1は、上下多層の甲板12a,12b,12c,12d,12e,12fが設けられており、甲板12bの下方に後述する機関室が設けられる下層空間13が形成され、この下層空間12の船尾側に推進用エンジン14が配置されている。
そして、甲板12a上にトラック、バス等の大型車両も搭載可能な大型車両搭載区画15aが形成され、甲板12b上に大型車両搭載区画15bが形成され、甲板12c上に大型車両搭載区画15cが形成されている。また、甲板12aと甲板12cとの間に、大型車両が通行可能な少なくとも1本の船内ランプ16aが設けられている。甲板12bと甲板12cとの間に、大型車両が通行可能な少なくとも2本の船内ランプ16bが設けられている。甲板12cと甲板12dとの間に、1本の乗用車専用船内ランプ16cが設けられている。また、甲板12bの船首側右舷に、車両がロールオン・ロールオフするための起倒式の船首舷側ランプ17aが設けられ、船尾側右舷には、起倒式の船尾舷側ランプ17bが設けられている。
居住区用として、甲板12d,12e,12fが設けられ、複数段の居住区画18a,18b,18cが形成されている。この場合、居住区画18a,18b,18cは、推進用エンジン14からの騒音を避けるために、推進用エンジン14の設置位置の直上より船首側に形成されている。そして、居住区画18a(甲板12d上)の船尾側は、遊歩スペース19として利用されている。
また、船体11は、左右の側壁20a,20bと船底21を有しており、甲板12bと船底21との間の空間で、且つ、甲板12aの配設位置より後方の空間に機関区域が設けられている。側壁20a,20bは、一重の壁面である。つまり二重壁面ではない。機関区域は、複数の部屋22a,22b,22c,23a,23b,23cが設けられている。本実施形態の部屋22a、23aは、補機室である。部屋22b、23bは、主機室である。部屋22c、23cは、軸室である。
図1に示すように、船体11は、甲板12bと船底21との間に仕切甲板24が設けられることで、上下の空間(部屋)22,23bが区画されている。また、図1から図3に示すように、船体11は、この各空間(部屋)22a,23aと空間(部屋)22b、23bの前後方向のほぼ中間部に位置して隔壁(第1隔壁)25(25a,25b)が設けられることで、前後の空間(部屋)22a,23aと、空間(部屋)22b,23bが区画されている。船体11は、この各空間(部屋)22b,23bと空間(部屋)22c、23cの前後方向のほぼ中間部に位置して隔壁(第2隔壁)31(31a,31b)が設けられることで、前後の空間(部屋)22b,23bと、空間(部屋)22c,23cが区画されている。なお、図3は、仕切甲板24で仕切られた部屋のうち、船底側の部屋である部屋23a,23b,23cを示している。
船体11は、上部の空間(部屋22a)にて、端部が左の側壁20a及び隔壁25(25a)に接合される仕切板26aが設けられることで、左の側壁20a及び隔壁25(25a)に接する左方の浸水防止部屋27aが形成されている。船体11は、上部の空間(部屋22b)にて、端部が右の側壁20b及び隔壁25(25a)に接合される仕切板26bが設けられることで、右の側壁20b及び隔壁25(25a)に接する右方の浸水防止部屋27bが形成されている。同様に、下部の空間(部屋23a,23b)にて、端部が左右の側壁20a,20b及び隔壁25(25b)に接合される仕切板28a,28bが設けられることで、左右の側壁20a,20b及び隔壁25(25b)に接する左右の浸水防止部屋29a,29bが形成されている。
本実施形態では、左側の側壁20aと隔壁25(25a,25b)に接する左方浸水防止部屋(第1浸水防止部屋)27a,29aと、右側の側壁20bと隔壁25(25a,25b)に接する右方浸水防止部屋(第2浸水防止部屋)27b,29bと、が設けられている。
左方浸水防止部屋27a、29aは、部屋22a,23aに設けられている。つまり、仕切板26aは、部屋22a,23aに配置され、隔壁25(25a、25b)の部屋22a,23a側と接し、隔壁20aの部屋22a、23aに接している面と接続している。つまり、左方浸水防止部屋27a、29aは、隔壁25と側壁20aとの接続部の部屋22a,23a側の領域を覆っている。
右方浸水防止部屋は27b、29bは、部屋22b、23bに設けられている。つまり、仕切板26bは、部屋22b,23bに配置され、隔壁25(25a、25b)の部屋22b,23b側と接し、隔壁20bの部屋22b、23bに接している面と接続している。つまり、右方浸水防止部屋27b、29bは、隔壁25と側壁20bとの接続部の部屋22b,23b側の領域を覆っている。
船舶1は、隔壁25a、25bの左側壁20aとの連結部の部屋22a,23a側を覆う左方浸水防止部屋27a、29aを設け、隔壁25a、25bの左側壁20aとの連結部の部屋22b,23b側を部屋22b,23bと対面させている。船舶1は、隔壁25a、25bの右側壁20bとの連結部の部屋22b,23b側を覆う右方浸水防止部屋27b、29bを設け、隔壁25a、25bの右側壁20bとの連結部の部屋22a,23a側を部屋22b,23bと対面させている。つまり、隔壁25a,25bは、両側壁20a,20bとの接続部の一方の部屋側に浸水防止部屋が設けられ、他方の部屋側に浸水防止部屋が設けられておらず、かつ、浸水防止部屋が設けられている部屋が、一方と他方とで異なる部屋となる。
各浸水防止部屋27a,27b,29a,29bは、複数の部屋22a,22b,23a,23bより容積が小さく、且つ、満載喫水線Lでの幅が船体11の幅の1/10以上に設定されると共に、満載喫水線Lでの前後長さが船体11の全長の3/100以上に設定されている。これは、船舶区画規定の第44条に規定される要件を満足するものである。また、各浸水防止部屋27a,27b,29a,29bは、タンク等の液体が充填される領域ではなく、船体11の側壁20a,20bが損傷した場合に、船体の外の水が浸水する空間(VOID)である。
従って、船体11の外部から隔壁25(25a,25b)の近傍に位置する左側壁20aに損傷を受けた場合、左方浸水防止部屋27aと部屋22bまたは、左方浸水防止部屋29aと部屋23bには浸水するものの、部屋22aや部屋23aに浸水することがない。即ち、このとき、部屋22a,23aより小さい浸水防止部屋27a,29aに浸水することで、部屋22a,23aへの浸水が防止される。また、船体11の外部から仕切り板26a,28aの近傍に位置する左側壁20aに損傷を受けた場合、左方浸水防止部屋27aと部屋22aまたは、左方浸水防止部屋29aと部屋23aには浸水するものの、部屋22bや部屋23bに浸水することがない。即ち、このとき、部屋22b,23bより小さい浸水防止部屋27a,29aに浸水することで、部屋22b,23bへの浸水が防止される。
また、船体11の外部から隔壁25(25a,25b)の近傍に位置する右側壁20bに損傷を受けた場合、右方浸水防止部屋27bと部屋22aまたは、左方浸水防止部屋29bと部屋23aには浸水するものの、部屋22bや部屋23bに浸水することがない。即ち、このとき、部屋22b,23bより小さい浸水防止部屋27b,29bに浸水することで、部屋22b,23bへの浸水が防止される。また、船体11の外部から仕切り板26b,28bの近傍に位置する右側壁20bに損傷を受けた場合、左方浸水防止部屋27bと部屋22bまたは、左方浸水防止部屋29bと部屋23bには浸水するものの、部屋22aや部屋23aに浸水することがない。即ち、このとき、部屋22a,23aより小さい浸水防止部屋27b,29bに浸水することで、部屋22a,23aへの浸水が防止される。
このように本実施形態の旅客船にあっては、左右の側壁20a,20bを有する船体11と、この船体11の内部であって隔壁25(25a,25b)により推進方向の前後に区画される複数の部屋22a,22b,23a,23bと、側壁20a,20b及び隔壁25(25a,25b)に接する浸水防止部屋27a,27b,29a,29bとを設けている。
従って、側壁20a,20bにおける隔壁25(25a,25b)の近傍が損傷を受けても、浸水防止部屋27a,27b,29a,29bが浸水するだめで、前後の部屋22a,22b,23a,23bに跨って浸水することはなく、船損傷時における複数の部屋22a,22b,23a,23bへの浸水を防止することができると共に、複数の部屋22a,22b,23a,23bの大型化を抑制して設計の自由度を拡大することができる。
また、本実施形態の旅客船では、浸水防止部屋として、左側の側壁20aと隔壁25(25a,25b)に接する左方浸水防止部屋27a,29aと、右側の側壁20bと隔壁25(25a,25b)に接する右方浸水防止部屋27b,29bとを設けている。従って、浸水防止部屋27a,27b,29a,29bが船体11の左右両側にそれぞれ設けられることとなり、浸水防止性能を向上することができる。
また、本実施形態の旅客船では、浸水防止部屋として、左側の側壁20aと隔壁25(25a,25b)に接する左方浸水防止部屋27a,29aを部屋22a,23aに設けて、右側の側壁20bと隔壁25(25a,25b)に接する右方浸水防止部屋27b,29bを部屋22b,23bに設けている。これにより、部屋22a,22b,23a,23bのそれぞれに設けられる浸水防止部屋を1つとすることができ、部屋22a,22b,23a,23bのそれぞれの部屋の有効面積を均等にすることができ、かつ、浸水防止性能を向上することができる。
また、本実施形態の旅客船では、浸水防止部屋27a,27b,29a,29bは、複数の部屋22a,22b,23a,23bより容積が小さく、且つ、満載喫水線Lでの幅が船体11の幅の1/10以上に設定されている。従って、浸水防止部屋による浸水防止性能を十分に確保することができる。
図4は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に示す船舶1Aは、隔壁25bの左側壁20aとの連結部の部屋23a側を覆う左方浸水防止部屋129aを設け、隔壁25bの左側壁20aとの連結部の部屋23b側を部屋23bと対面させている。船舶1は、隔壁25bの右側壁20bとの連結部の部屋23b側を覆う右方浸水防止部屋129bを設け、隔壁25bの右側壁20bとの連結部の部屋23a側を部屋23bと対面させている。つまり、隔壁25bは、両側壁20a,20bとの接続部の一方の部屋側に浸水防止部屋が設けられ、他方の部屋側に浸水防止部屋が設けられておらず、かつ、浸水防止部屋が設けられている部屋が、一方と他方とで異なる部屋となる。つまり、浸水防止部屋129a,129bの配置位置は、浸水防止部屋29a,29bと同様である。また、部屋22a、22bに設けられる浸水防止部屋も浸水防止部屋129a,129bと同様である。
船舶1Aは、浸水防止部屋の内部が仕切板で上下に区画されている。具体的には、浸水防止部屋129aは、内部に水平仕切板140aが設けられている。これにより、浸水防止部屋129aは、部屋23aを仕切って形成した空間が領域142aと領域144aに分離される。浸水防止部屋129bは、内部に水平仕切板140aが設けられている。これにより、浸水防止部屋129bは、部屋23bを仕切って形成した空間が領域142bと領域144bに分離される。なお、本実施形態では、浸水防止部屋129a、129bを1つの水平仕切板140a、140bでそれぞれ2つの領域に分離したが、2つ以上の水平仕切板を設け、3つ以上の領域に分割してもよい。
本実施形態では、浸水防止部屋129a,129bをそれぞれ水平仕切板140a,140bで仕切ることで、隔壁の近傍で損傷が発生した場合に浸水する浸水防止部屋129a,129bの領域を領域142aのみ、領域142bのみ、領域144aのみ、領域144bのみとすることができる。
従って、船体11の外部から隔壁25(25a,25b)の近傍に位置する左側壁20aに損傷を受けた場合、浸水防止部屋の浸水する領域を小さくすることができ、復原性を高くすることができる。
図5は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に示す船舶1Bは、船舶1に通水機構を設けた構造である。つまり、船舶1Bは、浸水防止部屋27a,27b,29a,29bを有する。以下では、浸水防止部屋29a,29bに設けた通水機構について、説明するが、浸水防止部屋27a,27bも同様の構造である。
船舶1Bは、浸水防止部屋29aと浸水防止部屋29bとの間で水を流通させる通水機構150を有する。通水機構150は、第1通水機構152aと、第2通水機構152bと、を有する。第1通水機構152aは、浸水防止部屋(第1浸水防止部屋)29aに進入した水を浸水防止部屋(第2浸水防止部屋)29bに排出する機構であり、配管154aと、ポンプ156aと、を有する。配管154aは、浸水防止部屋29aと浸水防止部屋29bとを接続する。配管154aは、浸水防止部屋29aの仕切板を貫通し、部屋23aに露出し、隔壁25bを貫通して浸水防止部屋29bと接続する。配管154aは、浸水防止部屋29a側の端部158aが浸水防止部屋29aの底面の近傍に配置され、浸水防止部屋29b側の端部159aが浸水防止部屋29bの天井の近傍に配置されている。ポンプ156aは、配管154aに設置され、配管154aに流入する水を浸水防止部屋29aから浸水防止部屋29bに送る。
第2通水機構152bは、浸水防止部屋(第2浸水防止部屋)29bに進入した水を浸水防止部屋(第1浸水防止部屋)29aに排出する機構であり、配管154bと、ポンプ156bと、を有する。配管154bは、浸水防止部屋29bと浸水防止部屋29aとを接続する。配管154bは、浸水防止部屋29bの仕切板を貫通し、部屋23bに露出し、隔壁25bを貫通して浸水防止部屋29aと接続する。配管154bは、浸水防止部屋29b側の端部158bが浸水防止部屋29bの底面の近傍に配置され、浸水防止部屋29a側の端部159bが浸水防止部屋29aの天井の近傍に配置されている。ポンプ156bは、配管154bに設置され、配管154bに流入する水を浸水防止部屋29bから浸水防止部屋29aに送る。
船舶1Bは、通水機構150を設けることで、浸水防止部屋29aが浸水した場合、第1通水機構152aで、浸水防止部屋29aに流入した水を浸水防止部屋29bに排出することができ、浸水防止部屋29bが浸水した場合、第2通水機構152bで、浸水防止部屋29bに流入した水を浸水防止部屋29aに排出する。
これにより、船舶1Bは、隔壁25の両端に設けた浸水防止部屋のうち一方の浸水防止部屋が浸水した場合、他方の浸水防止部屋にも水が充填された状態とすることができる。船舶1Bは、両方の浸水防止部屋を浸水した状態とすることで、船体11の右舷と左舷の状態を平均化することができ、船体11が傾く可能性を低減でき復原性を高くすることができる。また、通水機構152は、ポンプ156a、156bで水を送ることができる構造とすることで、浸水して船体11が傾いている場合も、一方の浸水防止部屋から鉛直方向上側となる他方の浸水防止部屋に水を送ることができる。
また、通水機構150は、配管154a、154bを浸水した際に水の送り元となる浸水防止部屋が設けられた部屋に露出させた後、隔壁を通過させて水の送り先となる浸水防止部屋と繋げる構造とすることで、船体の隔壁近傍の側壁が損傷した場合であっても、水を送る配管を浸水しない側の部屋に配置することができ、使用する際に配管が損傷しているリスクを低減することができる。また、配管は、隔壁の上部に沿って配置することが好ましい。これにより、配管が損傷するリスク、配管が浸水するリスクをより低減することができる。また、配管の水を吸引する側の端部158a、158bを浸水防止部屋の底面近傍に配置することで、浸水防止部屋の水かさが低い場合も水を送ることができる。
また、船舶1Bは、通水機構150を動作させるか否かを種々の方法で判定し、ポンプ158a、158bを稼動させることができる。例えば、船舶1Bは、浸水防止部屋に水位センサを設け、水位の上昇を検出した場合にポンプを稼動させてもよい。また、船舶1Bは、船体の傾斜センサ設け、船体の傾斜が閾値以上となった場合にポンプを稼動させてもよい。さらに、船橋などからの遠隔操作でポンプを操作できる構成としてもよい。通信機構の運転は、バラスト水等を制御して喫水や姿勢を制御する制御装置で制御してもよい。
図6は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図6に示す船舶1Cは、船舶1Aに通水機構を設けた構造である。つまり、船舶1Cは、浸水防止部屋129a,129bを有する。以下では、浸水防止部屋129a,129bに設けた通水機構について、説明するが、部屋22a,22bに設けた浸水防止部屋も同様の構造である。
船舶1Cは、浸水防止部屋129aと浸水防止部屋129bとの間で水を流通させる通水機構172を有する。通水機構172は、第1通水機構174aと、第2通水機構174bと、第3通水機構175と、を有する。を有する。第1通水機構174aは、浸水防止部屋(第1浸水防止部屋)129aに進入した水を浸水防止部屋(第2浸水防止部屋)129bに排出する機構であり、配管176aと、ポンプ178aと、を有する。配管176aは、浸水防止部屋129aの領域144aと浸水防止部屋129bの領域144bとを接続する。配管176aは、浸水防止部屋129aの領域144aの仕切板を貫通し、部屋23aに露出し、隔壁25bを貫通して浸水防止部屋129bの領域142bと接続する。配管176aは、浸水防止部屋129a側の端部180aが浸水防止部屋129aの領域144aの底面の近傍に配置され、浸水防止部屋129b側の端部182aが浸水防止部屋129bの天井の近傍に配置されている。ポンプ176aは、配管174aに設置され、配管174aに流入する水を浸水防止部屋129aから浸水防止部屋129bに送る。
第2通水機構174bは、浸水防止部屋(第2浸水防止部屋)129bに進入した水を浸水防止部屋(第1浸水防止部屋)129aに排出する機構であり、配管176bと、ポンプ178bと、を有する。配管176bは、浸水防止部屋129bの領域142bと浸水防止部屋129aの領域144aとを接続する。配管176bは、浸水防止部屋129bの領域142bの仕切板を貫通し、部屋23bに露出し、隔壁25bを貫通して浸水防止部屋129aの領域142aと接続する。配管176bは、浸水防止部屋129b側の端部180bが浸水防止部屋129bの領域144bの底面の近傍に配置され、浸水防止部屋129a側の端部182bが浸水防止部屋129aの領域142aの天井の近傍に配置されている。ポンプ178bは、配管176bに設置され、配管176bに流入する水を浸水防止部屋129bから浸水防止部屋129aに送る。
第3通水機構175は、浸水防止部屋(第2浸水防止部屋)129bに進入した水を浸水防止部屋(第1浸水防止部屋)129aに排出し、かつ、浸水防止部屋(第1浸水防止部屋)129aに進入した水を浸水防止部屋(第2浸水防止部屋)129bに排出する機構であり、配管190と、ポンプ1192、194と、を有する。配管192は、浸水防止部屋129aの領域142aと浸水防止部屋129bの領域142bとを接続する。配管190は、浸水防止部屋129aの領域142aの仕切板を貫通し、部屋23aに露出し、隔壁25bを貫通して浸水防止部屋129bの領域142bと接続する。配管190は、浸水防止部屋129a側の端部が浸水防止部屋129bの領域142aの底面の近傍に配置され、浸水防止部屋129b側の端部が浸水防止部屋129bの領域142bの底面の近傍に配置される。ポンプ192は、配管190に設置され、配管190に流入する水を浸水防止部屋129aから浸水防止部屋129bに送る。ポンプ194は、配管190に設置され、配管190に流入する水を浸水防止部屋129bから浸水防止部屋129aに送る。
船舶1Cは、通水機構170を設けることで、浸水防止部屋129aの上側の領域144aが浸水した場合、第1通水機構172aで、浸水防止部屋129aに流入した水を浸水防止部屋129bの下側の領域142bに排出することができ、浸水防止部屋129bの上側の領域144bが浸水した場合、第2通水機構172bで、浸水防止部屋129bに流入した水を浸水防止部屋129aの下側の領域142aに排出する。さらに、船舶1Cは、通水機構170を設けることで、浸水防止部屋129aの下側の領域142aが浸水した場合、第3通水機構190で、浸水防止部屋129aに流入した水を浸水防止部屋129bの下側の領域142bに排出することができ、浸水防止部屋129bの下側の領域142bが浸水した場合、第3通水機構190で、浸水防止部屋129bに流入した水を浸水防止部屋129aの下側の領域142aに排出する。
これにより、船舶1Cは、隔壁25の両端に設けた浸水防止部屋のうち一方の浸水防止部屋が浸水した場合、他方の浸水防止部屋にも水が充填された状態とすることができる。船舶1Cは、両方の浸水防止部屋を浸水した状態とすることで、船体11の右舷と左舷の状態を平均化することができ、船体11が傾く可能性を低減でき復原性を高くすることができる。また、通水機構170は、ポンプ176a、176b、192、194で水を送ることができる構造とすることで、浸水して船体11が傾いている場合も、一方の浸水防止部屋から鉛直方向上側となる他方の浸水防止部屋に水を送ることができる。
また、通水機構170は、配管174a、174bを浸水した際に水の送り元となる浸水防止部屋が設けられた部屋に露出させ、隔壁を通過させたて、水の送り先となる浸水防止部屋と繋げる構造とすることで、船体の隔壁近傍の側壁が損傷した場合であっても、水を送る配管を浸水しない側の部屋に配置することができ、使用する際に配管が損傷しているリスクを低減することができる。また、配管は、隔壁の上部に沿って配置することが好ましい。これにより、配管が損傷するリスク、配管が浸水するリスクをより低減することができる。また、配管の水を吸引する側の端部を浸水防止部屋の底面近傍に配置することで、浸水防止部屋の水かさが低い場合も水を送ることができる。
図7は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に示す船舶1Dは、船舶1に通水機構を設けた構造である。つまり、船舶1Dは、浸水防止部屋27a,27b,29a,29bを有する。以下では、浸水防止部屋29a,29bに設けた通水機構について、説明するが、浸水防止部屋27a,27bも同様の構造である。
船舶1Dは、浸水防止部屋29aと浸水防止部屋29bとのそれぞれに水を流通させる通水機構210を有する。通水機構210は、第1通水機構212aと、第2通水機構212bと、を有する。第1通水機構212aは、浸水防止部屋(第1浸水防止部屋)29aに水を供給する機構であり、配管214aと、ポンプ216aと、を有する。配管214aは、浸水防止部屋29aと船体11の外側とを接続する。配管214aは、浸水防止部屋29aの側壁21aを貫通し、船体11の外側と繋がっている。船体11の外側はシーチェストでも、船舶1Dが航行している領域でもよい。配管214aは、浸水防止部屋29a側の端部218aが浸水防止部屋29aの底面の近傍に配置され、側壁21a側の端部219aが浸水防止部屋29aの天井の近傍に配置されている。ポンプ216aは、配管214aに設置され、外部の水を浸水防止部屋29aに供給する。
第2通水機構212bは、浸水防止部屋(第2浸水防止部屋)29bに水を供給する機構であり、配管214bと、ポンプ216bと、を有する。配管214bは、浸水防止部屋29bと船体11の外側とを接続する。配管214bは、浸水防止部屋29bの側壁21bを貫通し、船体11の外側と繋がっている。船体11の外側はシーチェストでも、船舶1Dが航行している領域でもよい。配管214bは、浸水防止部屋29b側の端部218bが浸水防止部屋29bの底面の近傍に配置され、側壁21bの端部219bが浸水防止部屋29bの天井の近傍に配置されている。ポンプ216bは、配管214bに設置され、外部の水を浸水防止部屋29bに供給する。
船舶1Dは、通水機構210を設けることで、浸水防止部屋29aが浸水した場合、第2通水機構212bで、浸水防止部屋29aに流入した水と同量の水を浸水防止部屋29bに流入させることができ、浸水防止部屋29bが浸水した場合、第1通水機構212aで、浸水防止部屋29bに流入した水と同量の水を浸水防止部屋29bに供給する。
これにより、船舶1Dは、隔壁25の両端に設けた浸水防止部屋のうち一方の浸水防止部屋が浸水した場合、他方の浸水防止部屋にも水が充填された状態とすることができる。船舶1Dは、両方の浸水防止部屋を浸水した状態とすることで、船体11の右舷と左舷の状態を平均化することができ、船体11が傾く可能性を低減でき復原性を高くすることができる。また、通水機構210は、ポンプ216a、216bで水を送ることができる構造とすることで、浸水して船体11が傾いている場合も、一方の浸水防止部屋から鉛直方向上側となる他方の浸水防止部屋に水を送ることができる。
また、船舶1Dは、通水機構210を動作させるか否かを種々の方法で判定し、ポンプ218a、218bを稼動させることができる。例えば、船舶1Dは、浸水防止部屋に水位センサを設け、水位の上昇を検出した場合にポンプを稼動させてもよい。また、船舶1Dは、船体の傾斜センサ設け、船体の傾斜が閾値以上となった場合にポンプを稼動させてもよい。
また、本実施形態のように、一方の浸水防止部屋は浸水した場合、他方の浸水防止部屋に供給する水は、一方の浸水防止部屋以外から供給してもよい。また、船舶1Dは、側壁を介して対面する船体11の外側領域にある水を取得することで、配管を短くすることができる。
図8は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船における後部の斜視図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図8に示す船舶1Eは、船舶1Aに通水機構を設けた構造である。つまり、船舶1Eは、浸水防止部屋129a,129bを有する。以下では、浸水防止部屋129a,129bに設けた通水機構について、説明するが、部屋22a,22bに設けた浸水防止部屋も同様の構造である。
船舶1Eは、浸水防止部屋129aと浸水防止部屋129bとのそれぞれに水を流通させる通水機構230を有する。通水機構230は、第1通水機構232aと、第2通水機構232bと、を有する。第1通水機構232aは、浸水防止部屋(第1浸水防止部屋)129aに水を供給する機構であり、配管234aと、ポンプ236aと、を有する。配管234aは、浸水防止部屋129aの領域142aと船体11の外側とを接続する。配管234aは、浸水防止部屋129aの領域142aの側壁23aを貫通し、船体11の外側と繋がっている。船体11の外側はシーチェストでも、船舶1Dが航行している領域でもよい。配管234aは、浸水防止部屋129aの領域142a側の端部238aが浸水防止部屋129aの底面の近傍に配置され、側壁21a側の端部239aが浸水防止部屋29aの天井の近傍に配置されている。ポンプ236aは、配管234aに設置され、外部の水を浸水防止部屋29aに供給する。
第2通水機構232bは、浸水防止部屋(第2浸水防止部屋)129bに水を供給する機構であり、配管234bと、ポンプ236bと、を有する。配管234bは、浸水防止部屋129bの領域142bと船体11の外側とを接続する。配管234bは、浸水防止部屋129bの領域142bの側壁23bを貫通し、船体11の外側と繋がっている。船体11の外側はシーチェストでも、船舶1Eが航行している領域でもよい。配管234bは、浸水防止部屋129b側の端部238bが浸水防止部屋129bの領域142bの底面の近傍に配置され、側壁11b側の端部239bが浸水防止部屋129bの領域142bの天井の近傍に配置されている。ポンプ236bは、配管234bに設置され、外部の水を浸水防止部屋29bに供給する。
船舶1Eは、通水機構230を設けることで、浸水防止部屋129aの領域142aが浸水した場合、第2通水機構232bで、浸水防止部屋29aに流入した水と同量の水を浸水防止部屋129bの領域142bに流入させることができ、浸水防止部屋129bが浸水した場合、第1通水機構232aで、浸水防止部屋29bに流入した水と同量の水を浸水防止部屋29bに供給する。
船舶1Eは、通水機構230を設けることで、浸水防止部屋129aの上側の領域144aが浸水した場合、第1通水機構232aで、浸水防止部屋129aに流入した水を浸水防止部屋129bの下側の領域142bに排出することができ、浸水防止部屋129bの上側の領域144bが浸水した場合、第2通水機構232bで、浸水防止部屋129bに流入した水を浸水防止部屋129aの下側の領域142aに排出する。さらに、船舶1Eは、通水機構230を設けることで、浸水防止部屋129aの下側の領域142aが浸水した場合、第3通水機構190で、浸水防止部屋129aに流入した水を浸水防止部屋129bの下側の領域142bに排出することができ、浸水防止部屋129bの下側の領域142bが浸水した場合、第3通水機構190で、浸水防止部屋129bに流入した水を浸水防止部屋129aの下側の領域142aに排出する。
これにより、船舶1Eは、隔壁25の両端に設けた浸水防止部屋のうち一方の浸水防止部屋が浸水した場合、他方の浸水防止部屋にも水が充填された状態とすることができる。船舶1Eは、両方の浸水防止部屋を浸水した状態とすることで、船体11の右舷と左舷の状態を平均化することができ、船体11が傾く可能性を低減でき復原性を高くすることができる。また、通水機構230は、ポンプ236a、236b、192、194で水を送ることができる構造とすることで、浸水して船体11が傾いている場合も、一方の浸水防止部屋から鉛直方向上側となる他方の浸水防止部屋に水を送ることができる。
図9は、本発明の他の実施形態に係る船舶としての旅客船の平面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示す船舶1Fは、船舶1の部屋22c、23c及び、部屋22a,23aと隣接する機関区域以外の部屋にも浸水防止部屋を設けている。船舶1Fは、浸水防止部屋40a、40b、44a、44bを備えている。浸水防止部屋40a、40b、44a、44bは、配置位置以外の基本的な構造は、浸水防止部屋27a,27b,29a,29bと同様である。
浸水防止部屋40a,40bは、部屋22c、23cと部屋22b,23bとを区画する隔壁31(31a、31b)に対して設けられている。浸水防止部屋40a,40bは、部屋22c、23cに設けられ、仕切板42a,42bで、隔壁31とそれぞれの側壁20a、20bとの接続部を覆っている。つまり、浸水防止部屋40a、40bは、同じ部屋に設けられている。
浸水防止部屋44a,44bは、部屋22a,23aと、その前方の部屋を区画する隔壁35(35a、35b)に対いて設けられている。浸水防止部屋40a,40bは、部屋22a,23aの前方の部屋に設けられ、仕切板46a,46bで、隔壁35とそれぞれの側壁20a、20bとの接続部を覆っている。つまり、浸水防止部屋44a、44bは、同じ部屋に設けられている。
このように船舶1Fは、機関区画の部屋のうち、補機室となる部屋22a,23aと、主機室となる部屋22b,23bに設ける浸水防止部屋を1つとし、それぞれの部屋にたいして前後方向に隣接する部屋は、隣接する部屋の隔壁の両端部に浸水防止部屋を設けることで、配置する機器が多くなる主機室と補機室のスペースを有効活用することができる。
また、上記効果を得ることができるため、1つの隔壁の両端の配置する浸水防止部屋を別々の部屋に設ける構造は、機関区域の部屋に設けることが好ましいが、機関区域以外に設けられた部屋に設けてもよい。この浸水防止部屋が設けられる部屋は、縦通隔壁によって区画されておらず、側壁20aと側壁20bに両端が接続した隔壁25によって区画され、側壁20aと側壁20bと対面する1つの部屋である。
11 船体
12a,12b,12c,12d,12e,12f 甲板
13 機関室
14 推進用エンジン
15a,15b,15c 大型車両搭載区画
18a,18b,18c 居住区画
20a,20b 側壁
21 船底
22,22a,22b,23,23a,23b 部屋
24 仕切甲板
25,25a,25b、31、35 隔壁
27a,27b,29a,29b,40a,40b,44a,46b 浸水防止部屋

Claims (11)

  1. 船舶の左右の側壁を有する船体に設置される浸水防止構造であって、
    前記船体の内部に設けられ、両端が前記側壁と接する第1隔壁により推進方向の前後に区画される第1の部屋と第2の部屋を有し、縦通隔壁で区画されていない特定区域と、
    前記第1の部屋に設けられ、前記側壁及び前記第1隔壁に接する第1浸水防止部屋と、
    前記第2の部屋に設けられ、前記第1浸水防止部屋が接する前記側壁と反対側の前記側壁及び前記第1隔壁に接する第2浸水防止部屋と、を備え、
    前記第1浸水防止部屋は、端部が前記側壁及び前記第1隔壁に接合される仕切板により形成され、前記仕切板の全面が前記第1部屋に面すると共に、前記側壁が損傷した場合浸水し、
    前記第2浸水防止部屋は、端部が前記側壁及び前記第1隔壁に接合される仕切板により形成され、前記仕切板の全面が前記第2部屋に面すると共に、前記側壁が損傷した場合浸水し、
    前記第1隔壁は、前記第1浸水防止部屋が設けられている側の前記側壁との接続部が、前記第2の部屋と対面し、前記第2浸水防止部屋が設けられている側の前記側壁との接続部が、前記第1の部屋と対面することを特徴とする浸水防止構造。
  2. 前記特定区域は、両端が前記側壁と接する第2隔壁により区画された第3の部屋を有し、
    前記第3の部屋に設けられ、前記側壁及び前記第2隔壁に接する第3浸水防止部屋を有し、
    前記第3浸水防止部屋は、左側の前記側壁と前記隔壁に接する左方浸水防止部屋と、右側の前記側壁と前記隔壁に接する右方浸水防止部屋とを有することを特徴とする請求項1に記載の浸水防止構造。
  3. 前記第1浸水防止部屋に侵入した水を前記第2浸水防止部屋に排出する第1通水機構と、
    前記第2浸水防止部屋に侵入した水を前記第1浸水防止部屋に排出する第2通水機構と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の浸水防止構造。
  4. 前記第1通水機構は、前記第1浸水防止部屋と前記第2浸水防止部屋とを接続する配管と、前記配管を介して前記第1浸水防止部屋に侵入した水を前記第2浸水防止部屋に送るポンプと、を有し、
    前記第2通水機構は、前記第2浸水防止部屋と前記第1浸水防止部屋とを接続する配管と、前記配管を介して前記第2浸水防止部屋に侵入した水を前記第1浸水防止部屋に送るポンプと、を有することを特徴とする請求項3に記載の浸水防止構造。
  5. 前記第1の部屋及び前記第2の部屋は、仕切甲板を介して上下に区画されており、
    前記第1浸水防止部屋及び前記第2浸水防止部屋は、上下に区画された2つの部屋の両方に設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の浸水防止構造。
  6. 前記浸水防止部屋は、前記複数の部屋より容積が小さく、且つ、満載喫水線での幅が前記船体の幅の1/10以上に設定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の浸水防止構造。
  7. 前記浸水防止部屋は、前記複数の部屋より容積が小さく、且つ、満載喫水線での前後長さが前記船体の全長の3/100以上に設定されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の浸水防止構造。
  8. 前記浸水防止部屋は、ショアランプが設けられる甲板の下方に設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の浸水防止構造。
  9. 前記浸水防止部屋は、ショアランプが設けられる甲板と船底との間に設けられる車両搭載甲板より後方に設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の浸水防止構造。
  10. 前記特定区域は、主機室、補機室、軸室の少なくとも1つを含む機関区域であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の浸水防止構造。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載される浸水防止構造を有することを特徴とする船舶。
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