JP6684277B2 - レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物 - Google Patents

レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物に関する。さらに詳しくは、アミノ酸を構成単位とする特定の環状ジペプチド又はその塩を有効成分とするレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物、レニン−アンジオテンシン系を抑制するための特定の環状ジペプチド又はその塩の使用、及びレニン−アンジオテンシン系を抑制する方法に関する。
レニン−アンジオテンシン系は、生体において血圧調節作用や体液・電解質のホメオスタシス維持に関わり、高血圧症の発症に深く関与していることが知られている。レニン−アンジオテンシン系においては、末梢毛細血管収縮作用を有し、交感神経及び副腎を刺激してカテコールアミンの放出を促進するアンジオテンシンIIが高い血圧上昇作用を示す。アンジオテンシンIIは副腎皮質ホルモンのアルドステロンの分泌も促進するため、ナトリウムの再吸収促進及び循環血流量の増大というメカニズムによっても血圧を上昇させる。
アンジオテンシンIIの産生には、血管内皮細胞膜などに存在するアンジオテンシン変換酵素(アンジオテンシンI変換酵素ともいう)が重要な役割を果たしている。そのため、アンジオテンシン変換酵素の活性を阻害するカプトプリルやエナラプリルなどが、高血圧治療薬として従来利用されている。アンジオテンシン変換酵素はアンジオテンシンIIを産生するほか、血管拡張作用を持つブラジキニンを分解する作用もあるため、アンジオテンシン変換酵素阻害剤はブラジキニン分解阻害作用というメカニズムによっても血圧降下作用が期待できる。
アンジオテンシン変換酵素の阻害については、食品タンパク質由来の直鎖状ペプチドも有用であることが知られている。そのアンジオテンシン変換酵素阻害作用やそれに伴う血圧上昇抑制作用はこれまでに数多く報告されており、例えばゴマペプチド(ロイシン−バリン−チロシン(LVY))などを関与成分として添加した特定保健用食品が数多く実用化されている(非特許文献1)。
食品タンパク質由来のペプチドの中では、アミノ酸が二つ結合した「ジペプチド」も機能性物質として注目されている。ジペプチドには、単体アミノ酸にない物理的、化学的性質や新たな機能を付加することが可能であり、単体アミノ酸以上の応用範囲を有するものとして期待されている。アンジオテンシン変換酵素の阻害に関しては、魚介類由来の特定の直鎖状ジペプチドが有用であることがこれまでに開示されている(特許文献1)。
レニン−アンジオテンシン系の抑制には、アンジオテンシンIIの産生抑制のほかに、アンジオテンシンIIのアンジオテンシンII受容体への結合阻害も有用である。アンジオテンシンII受容体にはAT−1とAT−2の2種類のサブタイプが存在している。このうちAT−1は、血管平滑筋、肺、肝臓、腎臓、副腎、卵巣、脾臓、脳などに分布しており、血管収縮や動脈硬化に関与している。
アンジオテンシンIIのその受容体への結合阻害にはアンジオテンシンII受容体(AT−1)拮抗剤が用いられており、これは特にレニン依存性の高血圧治療に有効であり、優れた臓器保護効果を有している。従来使用されている薬剤としては、ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、イルベサルタン等が挙げられる。また、ペプチドに関しては、アラニン−ロイシン−プロリン−メチオニン(ALPM)のテトラペプチドが有用であることが開示されている(特許文献2)。
近年では、アンジオテンシンII受容体(AT−1)拮抗薬が血圧調節作用のみならず、脳卒中、心筋梗塞、心臓発作などの心血管イベントの発症抑制や蛋白尿の減少など腎保護効果をもたらすことが大規模臨床試験によって証明されている。また、アンジオテンシン変換酵素阻害薬に関しても、臓器保護作用が証明されている。
上述した通り、レニン−アンジオテンシン系の抑制には種々の医薬品が従来使用されているが、一方ではそれらの副作用が懸念されるところである。この点では、食品タンパク質由来の直鎖状ペプチドは有効であるように考えられる。しかしながら、直鎖状ジペプチドは極性基であるアミノ基とカルボキシル基が末端に露出しているため、脂溶性に欠けるという問題点が存在する。そのため、直鎖状ジペプチドは、植物油やオリーブ油、魚油、米胚芽油といった油性基材への高濃度での混合が難しい場合がある。また、直鎖状ジペプチドは、消化管に分泌されるカルボキシペプチダーゼやアミノペプチダーゼなどの各種ペプチダーゼの作用によって遊離アミノ酸に分解されることがあり(非特許文献2)、この特性によって体内への吸収性が低くなることも考えられる。以上の点から、効果の高いレニン−アンジオテンシン系抑制剤の中でも、より副作用が少なく、油性基材への適用も可能であり、更には体内への吸収性にも優れているものが望ましいと考えられる。
特開2003−24012号公報 特開2005−350443号公報
機能性タンパク質・ペプチドと生体利用、建吊社、第19頁 J Biochem., Aug;94(2):619-22 (1983)
本発明の課題は、安全性が高く、製剤化における使用性に優れており、更には体内への高い吸収性が期待できるレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物を提供することにある。また、本発明の課題は、レニン−アンジオテンシン系を抑制するための当該組成物の使用、及びレニン−アンジオテンシン系を抑制する方法等を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、環状ジペプチドの利用に着目した。環状ジペプチドは、直鎖状ジペプチドの末端に存在するアミノ基とカルボキシル基とが脱水縮合することにより生成した環状構造を有するジペプチドであり、近年ではその様々な生理活性が注目を受けている。本発明者らは、天然アミノ酸の組合せからなる100種類以上にも及ぶ多数の環状ジペプチドについて鋭意検討し、その中から特定の環状ジペプチドがアンジオテンシン変換酵素阻害作用及び/又はアンジオテンシンII受容体拮抗作用を有することを初めて見出した。かかる知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に関するが、これらに限定されない。
(1)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物であって、
前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、及びシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
(2)アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する、(1)に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物であって、
環状ジペプチド又はその塩が、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、及びシクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
(3)アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有する、(1)に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物であって、
環状ジペプチド又はその塩が、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、及びシクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
(4)血圧上昇抑制用、血圧降下用、腎機能保護用、又は脳卒中若しくは心疾患の予防若しくは改善用である、(1)〜(3)のいずれかに記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
(5)環状ジペプチド又はその塩が動植物由来ペプチドから得られるものである、(1)〜(4)のいずれかに記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
(6)レニン−アンジオテンシン系の抑制により発揮される機能の表示を付した、(1)〜(5)のいずれかに記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
(7)機能の表示が、「血圧低下を期待する」、「血圧の上昇を抑制する」、「血圧の上昇を緩やかにする」、「高血圧症を予防する」、「高血圧症の改善に役立つ」、「腎機能を保護する」、及び「腎機能を改善する」からなる群から選択されるものである、(6)に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
(8)前記組成物が剤である、(1)〜(7)のいずれかに記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
(9)レニン−アンジオテンシン系を抑制するための、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩の使用であって、
前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、及びシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記使用。
(10)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として使用する、レニン−アンジオテンシン系を抑制する方法であって、
前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、及びシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記方法。
本発明によって、レニン−アンジオテンシン系の優れた抑制効果を有する組成物を提供することができる。また、本発明の組成物はアンジオテンシン変換酵素阻害作用及び/又はアンジオテンシンII受容体拮抗作用を有することから、アンジオテンシン変換酵素阻害用組成物及び/又はアンジオテンシンII受容体拮抗用組成物としても有用である。そして、本発明の組成物を利用すれば、メタボリックシンドローム診断の副次項目に挙げられるような高血圧に対して血圧降下作用が得られ、更には、脳卒中、心筋梗塞、心臓発作などの心血管イベントの発症抑制や、蛋白尿の減少などの腎保護効果も得られる可能性がある。
本発明の組成物に有効成分として含まれる環状ジペプチド又はその塩は、食品タンパク質由来ペプチドの熱処理物にも含まれていることから安全性は高く、副作用は従来の医薬品に比して極めて少ないと考えられる。また、環状ジペプチドは直鎖状ジペプチドと比較して親油性に優れており、油性基材への高濃度充填も十分に可能である。そのため、本発明の組成物は、製剤化における使用性に優れているといえる。さらに、環状ジペプチドは脂溶性に富み、且つ単なるペプチド結合のみで構成されるジペプチドではないため、消化管に分泌される各種ペプチド分解酵素の作用に対して耐性を有することが考えられ、高い消化管吸収性も期待できる。
図1は、各種ジペプチドの経口投与後の血漿中濃度を示す図である。
1.レニン−アンジオテンシン系及びレニン−アンジオテンシン系抑制
本明細書において「レニン−アンジオテンシン系」とは、レニン及びアンジオテンシノーゲンの作用に基づいて血圧調節を司る系をいう。レニンは、腎臓から分泌されるタンパク質分解酵素であり、アンジオテンシノーゲンを基質としてこれに作用してアンジオテンシンIを生成する。このアンジオテンシンIがアンジオテンシン変換酵素(本明細書では、「アンジオテンシンI変換酵素」とも称する)の作用でアンジオテンシンIIに変化して、このアンジオテンシンIIが血圧上昇をもたらす。
本明細書において「レニン−アンジオテンシン系抑制」とは、上述したレニン−アンジオテンシン系を血圧上昇抑制、血圧降下、腎機能保護、又は脳卒中若しくは心疾患の予防若しくは改善のために抑制することを意味する。この「抑制」には、レニン−アンジオテンシン系の抑制に関連する各種因子のあらゆる作用機序が包含される。その一つの具体例としては、アンジオテンシン変換酵素の阻害が挙げられる。アンジオテンシン変換酵素の阻害活性は、公知の方法に従って測定することができ、例えば、合成基質Hippuryl-His-Leuに作用して得られる馬尿酸を酢酸エチルで溶媒抽出後、濃縮乾固し、再溶解して228nmの吸光度を測定することで算出される。また、アンジオテンシン変換酵素の阻害活性は、市販のキット等を用いて測定することもできる。
レニン−アンジオテンシン系抑制の別の具体例としては、アンジオテンシンIIのアンジオテンシンII受容体(AT−1又はAT−2)への結合阻害が挙げられる。アンジオテンシンIIのその受容体への結合阻害は、アンジオテンシンII受容体拮抗作用(即ち、アンジオテンシンIIと拮抗してアンジオテンシンIIのアンジオテンシンII受容体への結合を阻害する作用)を有する物質を用いて対処することが可能である。アンジオテンシンII受容体拮抗作用については、公知の方法に従って評価することができ、例えば、アンジオテンシンII受容体を発現した細胞を用いて、アンジオテンシンIIを添加したときの細胞内カルシウムイオン濃度の変化を測定し、試料が存在する場合と存在しない場合との測定値を比較して評価することができる。より具体的には、試料が存在しない場合の測定値に対して試料が存在する測定値の方が低い(即ち、細胞内カルシウムイオン濃度の変化が小さい)ほど、アンジオテンシンII受容体拮抗作用は大きいと評価することができる。
2.環状ジペプチド
本明細書において「環状ジペプチド」とは、アミノ酸を構成単位とすることを特徴とし、アミノ酸のアミノ基とカルボキシル基とが脱水縮合することにより生成したジケトピペラジン構造を有する環状ジペプチドのことをいう。そのため、環状ジペプチドは、鎖状のジペプチドとは区別される。なお、本明細書において、環状ジペプチド又はその塩をまとめて、単に、環状ジペプチドと称する場合がある。また、本明細書において、環状ジペプチドのアミノ酸構成が同じであれば、それらの記載順序はいずれが先でも構わず、例えば、〔Cyclo(Met-Arg)〕と〔Cyclo(Arg-Met)〕とは同じ環状ジペプチドを表すものである。
環状ジペプチドではアミド結合を介して二個のアミノ酸の末端部分が結合しているため(即ち、環状ジペプチドは、アミノ末端とカルボキシ末端とがアミド結合することによって形成される環状構造を有しているため)、分子末端部分に極性基であるカルボキシル基やアミノ基が露出している直鎖状ジペプチド(特に、同種のアミノ酸組成からなる直鎖状ジペプチド)と比較して環状ジペプチドは脂溶性が高いという特徴を有する。そのため、環状ジペプチドは直鎖状のジペプチドと比較して、消化管透過性や膜透過性に優れる。このことは、過去に報告されているラット反転腸管を用いた化合物透過試験の結果からも明らかである(J. Pharmacol, 1998, 50: 167-172)。また環状ジペプチドは、その特異的な構造から各種ペプチダーゼに対する耐性も高まると考えられる。
本発明において有効成分として含有される環状ジペプチド又はその塩は、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、及びシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上のものである。環状ジペプチド又はその塩の数は特に限定されないが、本発明では、上述した環状ジペプチド又はその塩から選択される2つ以上を有効成分とすることが好ましい。
本発明では、アンジオテンシン変換酵素阻害効果の観点から、有効成分として含有される環状ジペプチド又はその塩は、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、及びシクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上のものであることが好ましく、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を有効成分とすることがより好ましい。また、前記環状ジペプチド又はその塩の中では、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、及びシクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上が好ましく、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、及び/又はシクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕がより好ましい。
また、本発明では、アンジオテンシンII受容体拮抗効果の観点から、有効成分として含有される環状ジペプチド又はその塩は、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、及びシクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上のものであることが好ましく、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を有効成分とすることがより好ましい。また、前記環状ジペプチド又はその塩の中では、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、及びシクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上が好ましく、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、及び/又はシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕がより好ましい。
本明細書において「環状ジペプチドの塩」とは、前記環状ジペプチドの薬理学的に許容される任意の塩(無機塩及び有機塩を含む)をいい、例えば、前記環状ジペプチドのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、有機酸塩(酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、ピクリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等)等が挙げられるが、これらに限定されない。環状ジペプチドの塩は、当該分野で公知の任意の方法により、当業者によって容易に調製され得る。
本発明で用いる環状ジペプチドは、当該分野で公知の方法に従って調製することができる。例えば、化学合成法や酵素法、微生物発酵法により製造されてもよく、直鎖状ペプチドを脱水及び環化させることにより合成されてもよく、特開2003−252896号公報やJournal of Peptide Science, 10, 737-737, 2004に記載の方法に従って調製することもできる。例えば、動植物由来タンパク質を含む原料に酵素処理や熱処理を施して得られる動植物由来ペプチドを、さらに高温加熱処理することで、環状ジペプチドを豊富に含む動植物由来ペプチド熱処理物を得ることができる。これらの点から、本発明で用いる環状ジペプチド又はその塩は、化学的又は生物的に合成されるものであってもよいし、或いは動植物由来ペプチドから得られるものであってもよい。
3.動植物由来ペプチド
本明細書における「動植物由来ペプチド」は特に限定されないが、例えば、大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、コラーゲンペプチド等を用いることができる。動植物由来のタンパク質又はタンパク質を含む原料から動植物由来ペプチドを調製して用いてもよいが、市販品を用いてもよい。
3−1.大豆ペプチド
本明細書でいう「大豆ペプチド」とは、大豆タンパク質に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる低分子ペプチドをいう。原料となる大豆(学名:Glycine max)は品種や産地などの制限なく用いることができ、粉砕品などの加工品段階のものを用いることもできる。
3−2.茶ペプチド
本明細書でいう「茶ペプチド」とは、茶(茶葉や茶殻を含む)抽出物に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる茶由来の低分子ペプチドをいう。抽出原料となる茶葉としては、茶樹(学名:Camellia sinensis)を用いて製造された茶葉の葉、茎など、抽出して飲用可能な部位を使用することができる。また、その形態も大葉、粉状など制限されない。茶葉の収穫期についても、所望する香味に合わせて適宜選択できる。
3−3.麦芽ペプチド
本明細書でいう「麦芽ペプチド」とは、麦芽又はその粉砕物から得られる抽出物に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる麦芽由来の低分子ペプチドをいう。原料となる麦芽ペプチドは、品種や産地などの制限なく用いることができるが、特に大麦の種子を発芽させた大麦麦芽が好適に用いられる。本明細書においては、大麦麦芽を単に「麦芽」と表記することもある。
3−4.乳ペプチド
本明細書でいう「乳ペプチド」とは、天然の乳由来の成分である乳蛋白質をアミノ酸が少なくとも数個結合した分子に分解したものである。より具体的には、ホエイ(乳清タンパク質)又はカゼイン等の乳蛋白質をプロテナーゼ等の酵素により加水分解し、これを濾過して得られる濾液を殺菌及び/又は濃縮して乾燥することにより得られるホエイペプチド、カゼインペプチド等が挙げられる。
3−5.プラセンタペプチド
プラセンタとは哺乳類の胎盤のことであり、その優れた機能性から、近年、健康食品、化粧品、医薬品素材として用いられている。本明細書において「プラセンタペプチド」とは、プラセンタを酵素処理、又は亜臨界処理により可溶化、低分子化したものをいう。また、本来の意味とは異なるが、植物の胎座から得られる抽出物が胎盤由来のプラセンタと同等の生理学的効果を有するものとして健康食品、化粧品等に利用されており、これらは植物プラセンタと呼ばれる。本明細書における「プラセンタペプチド」には、植物プラセンタに酵素処理、又は亜臨界処理等を施し、可溶化、低分子化したものも含まれる。
3−6.コラーゲンペプチド
本明細書でいう「コラーゲンペプチド」とは、コラーゲン又はその粉砕物を酵素処理や熱処理を施し、コラーゲンを低分子化することによって得られる低分子ペプチドをいう。コラーゲンは動物の結合組織の主要なタンパク質であり、ヒトを含めた哺乳類の身体に最も大量に含まれるタンパク質である。
4.動植物由来ペプチド熱処理物
上述した通り、動植物由来ペプチドを高温加熱処理することで、環状ジペプチドを豊富に含む動植物由来ペプチド熱処理物を得ることができる。本明細書において「高温加熱処理」とは、100℃以上の温度かつ大気圧を超える圧力下で一定時間処理することを意味する。高温高圧処理装置としては、耐圧性抽出装置や圧力鍋、オートクレーブなどを条件に合わせて用いることができる。
高温加熱処理における温度は、100℃以上である限り特に限定されないが、好ましくは100℃〜170℃、より好ましくは110℃〜150℃、さらにより好ましくは120℃〜140℃である。なお、この温度は、加熱装置として耐圧性抽出装置を用いた場合には抽出カラムの出口温度を測定した値を示し、加熱装置としてオートクレーブを用いた場合には、圧力容器内の中心温度の温度を測定した値を示す。
高温加熱処理における圧力は、大気圧を超える圧力である限り特に限定されないが、好ましくは0.101MPa〜0.79MPa、より好ましくは0.101MPa〜0.60MPa、さらにより好ましくは0.101MPa〜0.48MPaである。
高温加熱処理時間は、環状ジペプチドを含む処理物が得られる限り特に限定されないが、好ましくは15分〜600分程度、より好ましくは30分〜500分程度、さらにより好ましくは60分〜300分程度である。
また、動植物由来ペプチドの高温加熱処理条件は、環状ジペプチドを含む処理物が得られる限り特に限定されないが、好ましくは[温度:圧力:時間]が[100℃〜170℃:0.101MPa〜0.79MPa:15分〜600分]、より好ましくは[110℃〜150℃:0.101MPa〜0.60MPa:30分〜500分]、さらにより好ましくは[120℃〜140℃:0.101MPa〜0.48MPa:60分〜300分]である。
なお、得られた動植物由来ペプチド熱処理物に対して、所望により、濾過、遠心分離、濃縮、限外濾過、凍結乾燥、粉末化等の処理を行ってもよい。また、動植物由来ペプチド熱処理物中の特定の環状ジペプチドが所望の含有量に満たなければ、不足する特定の環状ジペプチドについては他の動植物由来ペプチドや市販品、合成品を用いて適宜追加することもできる。
5.レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物
5−1.環状ジペプチド含有レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物
本発明の一態様は、特定の環状ジペプチド又はその塩を有効成分とするレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物である。
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、及びシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含むものである。本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物に含まれる環状ジペプチド又はその塩の数は特に限定されないが、本発明では、上述した環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上が含まれることが好ましい。
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、アンジオテンシン変換酵素阻害効果の観点から、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、及びシクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含むものである。本発明の組成物は、好ましくは、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を有効成分として含むものである。前記環状ジペプチド又はその塩の中では、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、及びシクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上が好ましく、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、及び/又はシクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕がより好ましい。
また、本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、アンジオテンシンII受容体拮抗効果の観点から、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、及びシクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含むものである。本発明の組成物は、好ましくは、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を有効成分として含むものである。前記環状ジペプチド又はその塩の中では、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、及びシクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上が好ましく、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、及び/又はシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕がより好ましい。
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物における環状ジペプチド又はその塩の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、本発明の所望の効果が得られるような量であればよく、特に限定されるものではない。例えば、動植物由来ペプチドを原料として用いる場合、本発明の組成物における環状ジペプチド又はその塩の含有量の総量は、1.0×10ppm/Brix以上、好ましくは1.0×102ppm/Brix以上であり、5.0×103ppm/Brix以下、好ましくは3.0×103ppm/Brix以下である。また、本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物におけるシクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、又はそれぞれに対応する塩の含有量としては、1.0ppm/Brix以上、好ましくは1.0×10ppm/Brix以上であり、5.0×103ppm/Brix以下、好ましくは3.0×103ppm/Brix以下である。前記の含有量は、合成品又は精製品の環状ジペプチド又はその塩を用いた場合にも適用可能である。本発明において、環状ジペプチド又はその塩の含有量は上記の通りBrix(ブリックス)あたりの量で表される。本明細書において「Brixあたりの量」は、20℃のショ糖溶液(ショ糖のみを溶質として含む水溶液)の質量百分率に相当する値で定められる量を意味する。なお、特に断りがない限り、本明細書において用いる「ppm」は、重量/容量(w/v)のppmを意味し、1.0ppm/Brixは溶媒の比重が1の場合、0.1mg/mLと換算され、0.01重量%と換算されるものである。
環状ジペプチド又はその塩の含有量は、公知の方法に従って測定することができる。例えば、LC−MS/MS又は糖度計を使用することで測定することができる。
5−2.作用メカニズム
上述した通り「レニン−アンジオテンシン系」とは、レニン及びアンジオテンシノーゲンの作用に基づいて血圧が調節される系をいう。当該系には種々の因子が関与しており、その一つとしてアンジオテンシン変換酵素が挙げられる。アンジオテンシン変換酵素は肺毛細血管等に存在しており、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する作用を有している。これにより変換されたアンジオテンシンIIは、副腎皮質に存在する受容体に結合し、副腎皮質からのアルドステロンの合成及び分泌を促進する。このアルドステロンの働きによって腎集合管でのナトリウムの再吸収を促進し、これによって体液量が増加して昇圧作用がもたらされる。そのため、アンジオテンシン変換酵素の阻害はアンジオテンシンIIの産生抑制に寄与し、それによって血圧上昇抑制作用や血圧降下作用が得られる。
また、レニン−アンジオテンシン系に関与する因子には、上述の内容に関連してアンジオテンシンII及びアンジオテンシンII受容体(AT−1又はAT−2)が挙げられる。上述した通り、アンジオテンシンIIはアンジオテンシンII受容体に結合して、アルドステロンの合成及び分泌を促進し、結果的に昇圧作用をもたらす。そのため、アンジオテンシンIIのアンジオテンシンII受容体への結合を阻害することは、アルドステロンの合成及び分泌の抑制に寄与し、それによって血圧上昇抑制作用や血圧降下作用が得られる。アンジオテンシンIIのその受容体への結合阻害は、アンジオテンシンII受容体拮抗作用(即ち、アンジオテンシンIIと拮抗してアンジオテンシンIIのアンジオテンシンII受容体への結合を阻害する作用)を有する物質を用いて対処することが可能である。
5−3.他の成分
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、その形態に応じて、環状ジペプチド又はその塩の他に、任意の添加剤、通常用いられる任意の成分を含有することができる。これらの添加剤及び/又は成分の例としては、ビタミンE、ビタミンC等のビタミン類、ミネラル類、栄養成分、香料などの生理活性成分の他、製剤化において配合される賦形剤、結合剤、乳化剤、緊張化剤(等張化剤)、緩衝剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤、着色剤、凝固剤、又はコーティング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
5−4.用途
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、前述の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有することを特徴としており、当該有効成分がレニン−アンジオテンシン系の抑制効果に寄与し得る。レニン−アンジオテンシン系の抑制には、アンジオテンシン変換酵素の阻害やアンジオテンシンIIのその受容体(AT−1又はAT−2)への結合阻害が含まれ、前述の環状ジペプチド又はその塩は、後述の実施例でも示される通りアンジオテンシン変換酵素の阻害作用やアンジオテンシンII受容体の拮抗作用を有している。従って、本発明の一態様は、所定の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物であって、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する前記組成物である。また、本発明の別の一つの態様は、所定の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物であって、アンジオテンシンII受容体(AT−1又はAT−2)拮抗作用を有する前記組成物である。これらの作用に基づき、本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、アンジオテンシン変換酵素阻害用組成物及び/又はアンジオテンシンII受容体(AT−1又はAT−2)拮抗用組成物ともなり得る。
また、本発明の組成物に含まれる前述の環状ジペプチド又はその塩は、レニン−アンジオテンシン系の抑制を通じて血圧上昇抑制、血圧降下、腎機能保護、及び脳卒中又は心疾患の予防又は改善を行うことができる。そのため、本発明の更なる別の一つの態様は、所定の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物であって、血圧上昇抑制用、血圧降下用、腎機能保護用、又は脳卒中若しくは心疾患の予防若しくは改善用の前記組成物である。これらの用途に基づき、本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、血圧上昇抑制用組成物、血圧降下用組成物、腎機能保護用組成物、又は脳卒中若しくは心疾患の予防若しくは改善用組成物ともなり得る。
本発明の組成物はまた、血圧上昇に関連して、高血圧症等の治療及び/又は予防にも有用である。なお、脳卒中においては脳梗塞、脳出血、くも膜下出血等が含まれ、心疾患においては狭心症、心筋梗塞、心肥大、心不全等が含まれる。
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、例えば、前記環状ジペプチド又はその塩を含有する原料に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、又は滑沢剤等を加えて、公知の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、又はカプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、又は乳剤等の液剤等に製剤化することができる。これらの組成物はそのまま水等と共に服用することができる。また、容易に配合することが出来る形態(例えば、粉末形態や顆粒形態)に調製後、例えば、医薬品の原材料として用いることができる。
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、一例として、剤の形態で提供することができるが、本形態に限定されるものではない。当該剤をそのまま組成物として、或いは当該剤を含む組成物として提供することもできる。本発明の組成物としては、医薬組成物、飲食品組成物、食品組成物、飲料組成物、化粧用組成物等が挙げられるが、これらに限定されない。食品組成物の限定的でない例として、機能性食品、健康補助食品、栄養機能食品、特別用途食品、特定保健用食品、栄養補助食品、食事療法用食品、健康食品、サプリメント、食品添加剤等が挙げられる。
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、治療的用途(医療用途)又は非治療用途(非医療用途)のいずれにも適用することができる。具体的には、医薬品、医薬部外品及び化粧料等や薬事法上はこれらに属さないが、血圧の上昇を抑制する効果、血圧の上昇を緩やかにする効果、高血圧症の予防効果、又は高血圧症の改善効果等を明示的又は暗示的に訴求する組成物としての使用が挙げられる。
本発明は、別の側面では、レニン−アンジオテンシン系の抑制により発揮される機能の表示を付した、前記レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物に関する。このような表示又は機能性表示は特に限定されないが、例えば、「血圧低下を期待する」、「血圧の上昇を抑制する」、「血圧の上昇を緩やかにする」、「高血圧症を予防する」、「高血圧症の改善に役立つ」、「腎機能を保護する」、「腎機能を改善する」等、或いは、これらと同視できる表示又は機能性表示が挙げられる。本明細書において、当該表示及び機能性表示のような表示は、組成物自体に付されてもよいし、組成物の容器又は包装に付されていてもよい。
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物は、その形態に応じた適当な方法で摂取することができる。摂取方法は、本発明の環状ジペプチド又はその塩が循環血中に移行できるのであれば特に限定はない。例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、又はカプセル剤等の経口用固形製剤、内服液剤、又はシロップ剤等の経口用液体製剤、注射剤、外用剤、坐剤、又は経皮吸収剤等の非経口用製剤などの形態とすることができるが、これらに限定されない。なお、本明細書において「摂取」とは、摂取、服用、又は飲用等の全態様を含むものとして用いられる。
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物の適用量は、その形態、投与方法、使用目的及び投与対象である患者又は患獣の年齢、体重、症状によって適時設定され、一定ではない。本発明の組成物の有効ヒト摂取量は一定ではないが、例えば、その有効成分である環状ジペプチド又はその塩の重量として、体重50kgのヒトで一日あたり、好ましくは10mg以上、より好ましくは100mg以上である。また、投与は所望の投与量範囲内において、1日内において単回又は数回に分けて行ってもよい。投与期間も任意である。なお、本発明の組成物の有効ヒト摂取量とは、ヒトにおいて有効な効果を示す本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物の摂取量のことであり、当該組成物に含まれる環状ジペプチドの種類は特に限定されない。
本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物の適用対象は、好ましくはヒトであるが、ウシ、ウマ、ヤギ等の家畜動物、イヌ、ネコ、ウサギ等のペット動物、又は、マウス、ラット、モルモット、サル等の実験動物であってもよい。
6.レニン−アンジオテンシン系を抑制するための環状ジペプチド又はその塩の使用
本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする特定の環状ジペプチド又はその塩のレニン−アンジオテンシン系抑制のための使用である。好ましくは、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、及びシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩のレニン−アンジオテンシン系抑制のための使用である。より好ましくは、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含むもののレニン−アンジオテンシン系抑制のための使用である。
本発明の使用には、例えば、アンジオテンシン変換酵素の阻害のため、アンジオテンシンIIのその受容体(AT−1又はAT−2)への結合阻害のため、及び/又は血圧上昇を抑制するための、前記環状ジペプチド又はその塩の使用が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、当該使用は、ヒト又は非ヒト動物における使用であり、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。ここで、「非治療的」とは、医療行為、即ち、治療による人体への処理行為を含まない概念である。
7.レニン−アンジオテンシン系を抑制する方法
本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として使用する、レニン−アンジオテンシン系を抑制する方法である。当該方法は、好ましくは、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、及びシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として使用することを含む、レニン−アンジオテンシン系を抑制する方法である。より好ましくは、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含むものを有効成分として使用することを含む、レニン−アンジオテンシン系を抑制する方法である。
当該方法に関する別の態様は、レニン−アンジオテンシン系の抑制を必要とする対象に、特定の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として治療有効量を投与することを含む、レニン−アンジオテンシン系を抑制する方法である。好ましくは、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクロイソロイシルプロリン〔Cyclo(Ile-Pro)〕、シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、及びシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として治療有効量を投与することを含む、レニン−アンジオテンシン系を抑制する方法である。より好ましくは、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含むものを有効成分として治療有効量を投与することを含む、レニン−アンジオテンシン系を抑制する方法である。
上記方法において、レニン−アンジオテンシン系の抑制を必要とする対象とは、本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物の前記適用対象と同様である。また、本明細書中において治療有効量とは、本発明のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物を上記対象に投与した場合に、投与していない対象と比較して、レニン−アンジオテンシン系が抑制される量のことである。具体的な有効量としては、投与形態、投与方法、使用目的及び対象の年齢、体重、症状等によって適時設定され一定ではない。
本発明の方法においては、前記治療有効量となるよう、前記特定の環状ジペプチド又はその塩をそのまま、或いは、特定の環状ジペプチド又はその塩を含有する組成物として投与してもよい。
本発明の方法によれば、副作用を生じることなくレニン−アンジオテンシン系を抑制することが可能になる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、これにより本発明の範囲を限定するものではない。当業者は、本発明の方法を種々変更、修飾して使用することが可能であり、これらも本発明の範囲に含まれる。
実施例1.アンジオテンシンI変換酵素活性に対する活性阻害効果
アンジオテンシンI変換酵素活性に対する環状ジペプチド標品の阻害効果を調べた。具体的には、化学合成した環状ジペプチド標品について、ACE Kit−WST((株)同仁化学研究所)を使用し、当該キットに付属の説明書に従って各種環状ジペプチドのアンジオテンシンI変換酵素阻害活性を測定した。環状ジペプチドは50μM及び500μMの各濃度について検討し、その阻害活性は、下記の式1を用いて算出されたアンジオテンシンI変換酵素の残存活性として評価した。コントロールとしては、環状ジペプチド水溶液の代わりに蒸留水を添加したものを用いた。
(式1)
残存活性(%)=(環状ジペプチド添加群における450nm吸光度/コントロールにおける450nm吸光度)×100
各種環状ジペプチドの評価結果を下記の表1に示す。
上記の結果から、表1に示した環状ジペプチドはいずれもアンジオテンシンI変換酵素の阻害活性を有することが明らかとなった。
実施例2.アンジオテンシンII受容体(AT-1)に関する拮抗作用
環状ジペプチド標品のアンジオテンシンII受容体における拮抗作用(即ち、アンジオテンシンIIのアンジオテンシンII受容体への結合阻害作用)を調べるため、アンジオテンシンII受容体に対する結合アッセイを実施した。具体的には、ヒト組み換えアンジオテンシンII 1型受容体(AT-1)発現HEK-293細胞を用い、これに3nMのアンジオテンシンIIと各種濃度の化学合成された環状ジペプチド標品とを添加して、カルシウムイオンの流入による細胞内カルシウムイオン濃度の変化を測定した。なお、細胞内カルシウムイオン濃度は蛍光光度分析により定量した。
被験環状ジペプチドの拮抗作用については、環状ジペプチドを添加しない場合の応答率(細胞内カルシウムイオン濃度の変化)を100%とし、これに対して環状ジペプチドを添加したときの応答率(%)を評価した。その結果を表2に示す。
上記の結果から、表2に示した環状ジペプチドはいずれもアンジオテンシンII受容体における拮抗作用(即ち、アンジオテンシンIIのアンジオテンシンII受容体への結合阻害作用)を有することが明らかとなった。
実施例3.環状ジペプチド及び直鎖ジペプチド投与時の血中動態の比較
レニン−アンジオテンシン系抑制作用を有する環状ジペプチドの一種であるCyclo(Tyr-Gly) 10mg/kgをマウスに経口投与した後の血漿中濃度を測定し、血中動態を確認した。比較対象として、体重1kgあたりの重量として等量の直鎖ジペプチドTyr-Gly(10mg/kg)投与後の血中動態を併せて検討した。
日本クレア社よりBALB/cマウス(雄性、6週齢)を購入し、約1週間馴化させた後に試験に供した。Cyclo(Tyr-Gly)(神戸天然物化学社)又は直鎖ジペプチドTyr-Gly(BACHEM社)を蒸留水に溶解し、投与量が10mg/kgとなるようにシリンジ及びゾンデを用いてそれぞれ別のマウス個体に経口投与した。一定時間後に腹部大静脈より血液を回収し、ヘパリンリチウム及び血漿分離剤入り採血容器(キャピジェクト、テルモ社)を用いて速やかに血漿を取得した。取得した血漿のうち20μLを、内部標準物質入り溶液10μL、水10μL、及びアセトニトリル80μLと順に混合し、撹拌及び遠心分離(15,000rpm、10℃、4℃)を行い、タンパク質を除去した。なお、内部標準物質として、Cyclo(Tyr-Gly)の場合はワルファリン、直鎖Tyr-Glyの場合はフェニトインを使用した。遠心後の上清を窒素気流下で蒸発乾固し、アセトニトリル15%水溶液で再溶解してLC-MS/MS分析(質量分析装置:API5000、AB Sciex社)に供した。LC-MS/MS分析は以下の分析条件で実施した。定量解析はブランク血漿試料と標準品水溶液とを用いて作成した検量線データを利用して実施し、投与後各時間における血漿中濃度(ng/mL)を得た。その結果を図1に示す。グラフ中の各時刻における血漿中濃度の値は(平均値)±(標準誤差)(n=4)を示す。
<LC-MS/MSの分析条件>
[HPLC条件]
移動相は以下の溶媒を使用し、下記のグラジェント条件を適用した。
(基本条件)
流速:0.2mL/分
分析時間:
Cyclo(Tyr-Gly): 15分/サンプル
直鎖Tyr-Gly: 13分/サンプル
カラム:Cadenza CD-C18 150(mm)×2(mm), 粒子径3μm
(移動相)
A相:0.1% ギ酸水溶液
B相:メタノール
(グラジェント条件)
[MS/MS条件]
測定モード:
Cyclo(Tyr-Gly): MRM negative
直鎖Tyr-Gly: MRM positive
Q1/Q3: 219 > 113(Cyclo(Tyr-Gly))
239 > 136 (直鎖Tyr-Gly)
上記の結果から、環状ジペプチドCyclo(Tyr-Gly)は直鎖ジペプチドTyr-Glyと比較して、同等の投与量においてはるかに高い血漿中濃度に達することが明らかとなった。仮定として環状ジペプチドと直鎖ジペプチドとで試験管レベルでの試験(in vitro試験)におけるレニン−アンジオテンシン系抑制作用の強さが同等であったとしても、環状ジペプチドではその良好な血中動態に基づいて、直鎖ジペプチドと比較して動物やヒトにおいて強力なレニン−アンジオテンシン系抑制作用が期待できる可能性がある。
本発明は、特定の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物を提供するものである。本発明は、血圧上昇抑制などに資する安全で効果的な新たな手段を提供するものであるため、産業上の利用性が高い。

Claims (8)

  1. アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物であって、
    前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕シクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、及びシクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
  2. アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する、請求項1に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物であって、
    環状ジペプチド又はその塩が、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルリシン〔Cyclo(Ala-Lys)〕、シクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕、シクロアスパルチルリシン〔Cyclo(Asp-Lys)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミルヒスチジン〔Cyclo(Glu-His)〕、シクロトリプトファニルアスパラギン〔Cyclo(Trp-Asn)〕、シクロリシルリシン〔Cyclo(Lys-Lys)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕及びシクロアルギニルチロシン〔Cyclo(Arg-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
  3. アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有する、請求項1に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物であって、
    環状ジペプチド又はその塩が、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロセリルチロシン〔Cyclo(Ser-Tyr)〕、シクロアスパルチルグルタミン酸〔Cyclo(Asp-Glu)〕、シクロヒスチジルイソロイシン〔Cyclo(His-Ile)〕、シクロアラニルグルタミン酸〔Cyclo(Ala-Glu)〕、シクロバリルグリシン〔Cyclo(Val-Gly)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕シクログルタミルバリン〔Cyclo(Glu-Val)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクログリシルチロシン〔Cyclo(Gly-Tyr)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロトレオニルバリン〔Cyclo(Thr-Val)〕、シクロアスパルチルバリン〔Cyclo(Asp-Val)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロアラニルメチオニン〔Cyclo(Ala-Met)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロリシルプロリン〔Cyclo(Lys-Pro)〕、シクロセリルトリプトファン〔Cyclo(Ser-Trp)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、及びシクログルタミルチロシン〔Cyclo(Glu-Tyr)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記レニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
  4. 血圧上昇抑制用、血圧降下用、腎機能保護用、又は脳卒中若しくは心疾患の予防若しくは改善用である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
  5. 環状ジペプチド又はその塩が動植物由来ペプチドから得られるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
  6. レニン−アンジオテンシン系の抑制により発揮される機能の表示を付した、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
  7. 機能の表示が、「血圧低下を期待する」、「血圧の上昇を抑制する」、「血圧の上昇を緩やかにする」、「高血圧症を予防する」、「高血圧症の改善に役立つ」、「腎機能を保護する」、及び「腎機能を改善する」からなる群から選択されるものである、請求項6に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
  8. 前記組成物が剤である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレニン−アンジオテンシン系抑制用組成物。
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