JP6682145B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
前記ヒンジキャップは、内容液を注ぎ出すために、容器をヒンジと反対側に傾ける必要がある。
注出量が少量の場合は、容器の傾きを小さくする必要があるが、この際に、容器の傾きを調整することが難しく、容器を傾け過ぎると、内容液が出過ぎたり、思わぬ方向に内容液が飛び出したりすることがあり、注出する内容液の流量を調整することが必要となる。
そこで、ヒンジキャップのキャップ本体に流量調整機構を備えたヒンジキャップが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、注出孔の幅を大きく設定すると、最初の注出の際に、内容液が出過ぎて、液流が暴れ、注出量の調整が難しかった。
逆に、注出孔の幅を小さく設定すると、内容液が、醤油などより粘度が高く、サラダ油などより粘度の低い内容液であった場合に、内容液を通過させることが困難なために、内容液をスムーズに注出することができず、注出に時間が掛かり、使用者がストレスに感じるという問題があった。
また、流量調整機構の底壁開孔の別実施形態として、底壁開孔は、ヒンジと反対側を起点部として両側に向かって形成されたV字状スリット孔であることを特徴とする構成を採用し、底壁開孔は、ヒンジと反対側を起点部として両側に向かって形成されたU字状スリット孔であることを特徴とする構成を採用し、さらに、V字状スリット孔またはU字状スリット孔は、スリット幅が1〜2mmの一定幅であることを特徴とする構成を採用する。
特に、容器に収容される内容液が、醤油などより粘度が高く、サラダ油などより粘度が低い(粘度が10〜60mPa・s)場合に、好適に使用することができる。
容器Dは、上部に口部1を有し、口部1の外周面には、嵌合突条2が設けられている。
外周壁部9の内周下部には、容器Dの口部1の嵌合突条2と係合する係合突部10が設けられている。
図1(b)に示すように、周壁20の注出側の範囲α(ほぼ180°)には、周壁開孔として、周方向に間隔をおいて、縦方向に一定幅でスリット状に形成された複数のスリット状開孔22が設けられ、ヒンジC側には、空気置換孔23が設けられている。
本実施例では、7箇所にスリット状開孔22が設けられており、いずれも等間隔で、同一の開口面積を有しているが、スリット状開孔22の数は、必要に応じて増減することができる。
例えば、本実施例では、底壁開孔として、底壁21の注出側中央に1箇所と、底壁21のヒンジC側と注出側とを結ぶ線を中心線とし、その中央の両側に2箇所の合計3箇所に直径がdである円形状孔24が穿設されており、2箇所の円形状孔24は、それぞれ半分が範囲αよりもヒンジC側に形成されている。
なお、本実施例では、底壁開孔を3箇所の円形状孔24としているが、底壁開孔の形状は、円形に限らず、長径と短径とからなる楕円形や卵形であっても構わず、また、四角形や星形などの多角形や扇形など適度な開口面積を有する形状であれば、様々な形状のものを必要に応じた数だけ穿設することができる。
ただし、底壁開孔の合計開口面積は、底壁21の内径fで示された部分の面積に対する比率が4分の1を超えないことが好ましい。
ただし、流量調整機構Eは、底壁21の内径(f)が12mm、周壁20の高さが9mmである。
スリット状開孔22の大きさ 幅(w1)0.8mm、高さ(h1)6.8mm
なお、スリット状開孔22の周方向の幅w1は、0.8〜1.2mmが好ましく、高さh1は、4〜8mmが好ましい。
スリット状開孔22の開口面積 0.8×6.8=5.44mm2
空気置換孔23の大きさ 幅(w2)3.9mm、高さ(h2)6.8mm
空気置換孔23の開口面積 3.9×6.8=26.52mm2
円形状孔24の大きさ 直径(d)3mm
なお、円形状孔24の直径dは、2.5〜4mmが好ましく、2.5〜3.5mmがより好ましい。
その場合は、基壁4の注出口4a周縁下に嵌合部を設け、流量調整機構Eの周壁20の上部に設けられた被嵌合部と嵌合させることができる。
係合突部10の外周切り込み部11に対応する位置には、内周切り込み部が縦方向に刻設され、縦方向引き裂きラインが形成される。
また、縦方向引き裂きラインに隣接するスリット溝13の起点を引き裂き開始点として、スリット溝13の底面14の内周側には、外周壁部9と蓋係合部7を連結する薄肉の連結部15が設けられ、周方向引き裂きラインが円弧状に延びるように形成されている。
摘み片27は、蓋体Bに設けられる把手部35の側方から上方に延びるように設けられている。
封緘部材Fは、外周壁部9の外周上端の周方向に延在する破断可能な中央弱化部28および両端弱化部29を介して外周壁部9の外周上端に一体に設けられている。
側周壁31の注出側の外周中程に、円弧状の把手部35が設けられている。
把手部35下面には、封緘部材Fの係止片25に対応する位置に、把手凹部35aが凹設され、把手部35外周には、指掛け部36が設けられている。
側周壁31の外周下部の把手部35の両側には、爪部37が突設されている。
栓体Gは、円盤状の栓体基部40と、栓体基部40の下面から垂設され、キャップ本体Aの注出筒5の内周に先端部から嵌入する密封リング41とから構成されている。
本実施例のヒンジキャップは、最初に閉蓋する工程の前に、蓋体Bの筒壁32に栓体Gを組み付ける必要があり、蓋体Bを開いた状態で、筒壁32の内周に栓体Gを押し込むと、栓体基部40の外周面は、筒壁32内周の抜け止め部32aを乗り越えて、筒壁32に保持される。
また、蓋体Bをキャップ本体Aに閉蓋した際には、栓体Gの密封リング41の先端部がキャップ本体Aの注出筒5内周に嵌入し、キャップ本体Aを密封する。
打栓工程は、装着部3の内筒8と外周壁部9との間に形成された環状溝に容器Dの口部1を当てがい、蓋体Bの上から押圧力が加えられ、外周壁部9の係合突部10が口部1の嵌合突条2を乗り越えて嵌合し、容器Dの口部1が内筒8の外周と外周壁部9の内周、および蓋係合部7とによって挟持されることで装着される。
本発明のヒンジキャップを装着する容器Dに充填する内容液として、醤油などより粘度が高く、サラダ油などより粘度が低い(粘度が10〜60mPa・s)液体が適している。
封緘部材Fの摘み片27の左右いずれか側を引っ張ることで、その側の両端弱化部29を左右いずれかの方向から破断し、中央弱化部28も破断された後、封緘部材Fの係止片25を把手凹部35aから外し、封緘部材Fをキャップ本体Aから完全に切り離す。
本実施例の流量調整機構Eでは、容器Dを傾け始めた初期に、内容液は、周壁20の外周と底壁21の底部に堰き止められ、内容液の一部が注出側のスリット状開孔22と円形状孔24とを通り抜けていく。
スリット状開孔22の幅は、0.8mmと細く形成されているので、内容液が醤油などより粘度が高く、サラダ油などより粘度が低いものの場合、スリット状開孔22を通る液体の流量が制限され、流出が困難となるが、底壁21に形成された円形状孔24の直径が3mmあるので、内容液の流出を妨げることがない。
本実施例では、注出方向の範囲α(ほぼ180°)の周壁20にスリット状開孔22を複数形成するとともに、底壁21に円形状孔24を複数箇所形成しているので、容器Dの傾きに応じて、注出する内容液の量を多くすることができるとともに、2つの液流をぶつかり合わせることで安定して注出することができる。
また、周壁20のヒンジC側に空気置換孔23が設けられているので、容器Dを傾きが大きくなって、内溶液がスリット状開孔22と円形状孔24とを塞いでも、容器D内に空気を置換し、安定して注出することができる。
また、急に容器Dを傾けても、注出時に内容液が、周壁20および底壁21により一旦堰き止められるので、液流が暴れることを抑制してスムーズに流れるようにすることができる。
本実施例では別体の栓体Gを用いているが、蓋体Bの頂壁30の内面に垂設された密封筒を用いて、キャップ本体Aの注出筒5を密封することも可能である。
その際には、ヒンジキャップを開蓋し、蓋体Bを指で把持して外方に引っ張ると、外周壁部9のヒンジCとの連設部位が引っ張られて変形し、縦方向引き裂きラインが破断され、さらに蓋体Bを引っ張ると、周方向引き裂きラインを形成する連結部15が破断を始める。連結部15の破断が進行すると、蓋体Bがキャップ本体Aから離れていく。
スリット溝13の終端部まで連結部15の切断が完了し、さらに蓋体Bを引っ張ると、キャップ本体Aと容器Dの口部1との嵌合が外され、ヒンジキャップと容器Dとを分別廃棄することができる。
この場合は、垂直に延設された周壁20と比べ、傾斜した周壁20aの方が内容液と接触する面積を大きくすることができるとともに、スリット状開孔22の開口面積を大きくすることができるので、よりスムーズに内容液を注出することができる。
また、本実施例の流量調整機構Eは、底壁21が、水平に形成されているが、底壁21を注出側からヒンジC側に向かって下方へわずかに傾斜した平板として構成することもできる。
このように構成すると、注出後に底壁21の上面に残った内容液は、底壁21の傾斜面に沿って流れ、開口面積が大きな空気置換孔23から容器D内に戻るため、再注出の際に、残液が飛び出して容器D外を汚すことがない。
このように構成すると、底壁21の連絡スリット孔24aからヒンジC側に向けてハッチングを施した部分は、閉塞域21aとして内容液を堰き止めることにより、容器Dを注出方向に傾けた際に、一度に大量の内容液が底壁21を通過しないようにすることができる。
なお、底壁21は、連絡スリット孔24aを形成しなくても、3箇所の円形状孔24を仮想線で結んだ3角形の部分が第2変形実施例と同様に、閉塞域として内容液を堰き止めることができるので、連絡スリット孔24aは、必要に応じて形成すればよい。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、流量調整機構の変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
周壁45の注出側の範囲α(ほぼ180°)には、周壁開孔として、周方向に間隔をおいて、縦方向にスリット状に一定幅で形成された複数のスリット状開孔22が設けられ、ヒンジC側には、空気置換孔47が設けられている。
底壁46には、底壁開孔として、注出側を起点部48aとして両側に向かって形成されたV字状スリット孔48が穿設され、V字状スリット孔48からヒンジC側に向けてハッチングを施した部分を閉塞域46aとしている。
なお、V字状スリット孔48の両端部は、注出側の範囲αまで延長してもよい。
ただし、流量調整機構Ebは、底壁46の内径が12mm、周壁45の高さが9mmである。
空気置換孔47の大きさ 幅(w3)0.8mm、高さ(h3)6.8mm(スリット状開孔22と同等)
空気置換孔47の開口面積 0.8×6.8=5.44mm2 (スリット状開孔22と同等)
V字状スリット孔48のスリット幅(w4)1.5mm
なお、V字状スリット孔48のスリット幅w4は、1〜2mmが好ましい。
さらに、容器Dを傾けていくと、内容液が流出する範囲は、V字状スリット孔48の起点部48aから両側に向かって広がり、V字状スリット孔48からの流出量も増え、また、複数のスリット状開孔22からの流出量も増え、2つの液流をぶつかり合わせることで安定して注出することができる。
また、周壁45のヒンジC側に空気置換孔47が設けられているので、容器Dの傾きが大きくなって、内溶液がスリット状開孔22と、V字状スリット孔48とを塞いでも、容器内に空気を置換し、安定して注出することができる。
その他の構成については、第1実施例と同様であり、作用効果も同様である。
以下、第1実施例および第2実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、流量調整機構の変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
底壁50には、底壁開孔として、注出側を起点部51aとして両側に向かって形成されたU字状スリット孔51が穿設されており、本実施例では、U字状スリット孔51は、底壁50の範囲α(ほぼ180°)にわたり周壁45の内周に沿って円弧状に形成され、U字状スリット孔51からヒンジC側に向けてハッチングを施した部分を閉塞域50aとしている。
なお、U字状スリット孔51の両端部は、底壁50の範囲αまで延びる必要はなく、第2実施例のV字状スリット孔48のように範囲αの途中まででも構わない。
また、U字状スリット孔51は、周壁45の内周に沿って円弧状に形成される必要はなく、U字状スリット孔51は、両端部が周壁45の内周から次第に離れるように形成されてもよい。
本実施例のU字状スリット孔51のスリット幅は、以下のとおりである。
U字状スリット孔51のスリット幅(w5)1.5mm
なお、U字状スリット孔51のスリット幅w5は、1〜2mmが好ましい。
さらに、容器Dを傾けていくと、内容液が流出する範囲は、U字状スリット孔51の起点部51aから両側に向かって広がり、U字状スリット孔51からの流出量も増え、また、複数のスリット状開孔22からの流出量も増え、2つの液流を合流させることで安定して注出することができる。
その他の構成については、第1実施例と同様であり、作用効果も同様である。
B 蓋体
C ヒンジ
D 容器
E、Ea1、Ea2、Eb、Ec 流量調整機構
F 封緘部材
G 栓体
1 口部
2 嵌合突条
3 装着部
4 基壁
4a 注出口
5 注出筒
6 係止突条
7 蓋係合部
8 内筒
9 外周壁部
10 係合突部
11 外周切り込み部
11a 端面
12 薄肉底壁
13 スリット溝
14 底面
15 連結部
20、20a、45 周壁
21、46、50 底壁
21a、46a、50a 閉塞域
22 スリット状開孔(周壁開孔)
23、47 空気置換孔
24 円形状孔(底壁開孔)
24a 連絡スリット孔
25 係止片
26 切欠部
27 摘み片
28 中央弱化部
29 両端弱化部
30 頂壁
31 側周壁
32 筒壁
32a 抜け止め部
33 係合凹部
35 把手部
35a 把手凹部
36 指掛け部
37 爪部
40 栓体基部
41 密封リング
48 V字状スリット孔(底壁開孔)
48a、51a 起点部
51 U字状スリット孔(底壁開孔)
Claims (8)
- 粘度が10〜60mPa・sの内容液を収容する容器の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設された蓋体とを備えるヒンジキャップであって、
キャップ本体は、容器の口部を封鎖する基壁と、基壁に開口された注出口と、注出口から立設された注出筒と、注出口の下方に設けられた流量調整機構とを備え、
流量調整機構は、注出口から下方に延設された周壁と、周壁の下端部を閉塞する底壁とを備え、
周壁は、ヒンジと反対側の周方向に間隔をおいて形成された複数の周壁開孔と、ヒンジ側に形成された空気置換孔とを有し、
底壁は、ヒンジと反対側に偏って、少なくとも1つの底壁開孔を有することを特徴とするヒンジキャップ。 - 周壁開孔は、縦方向に形成されたスリット状開孔であることを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
- スリット状開孔は、周方向の幅が0.8〜1.2mmの一定幅であることを特徴とする請求項2に記載のヒンジキャップ。
- 底壁開孔は、底壁のヒンジと反対側の範囲に複数形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒンジキャップ。
- 底壁開孔の合計開口面積は、底壁の内径部分の面積に対する比率が4分の1を超えないことを特徴とする請求項4に記載のヒンジキャップ。
- 底壁開孔は、ヒンジと反対側を起点部として両側に向かって形成されたV字状スリット孔であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒンジキャップ。
- 底壁開孔は、ヒンジと反対側を起点部として両側に向かって形成されたU字状スリット孔であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒンジキャップ。
- V字状スリット孔またはU字状スリット孔は、スリット幅が1〜2mmの一定幅であることを特徴とする請求項6または7に記載のヒンジキャップ。
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