JP6681823B2 - 緩衝器の製造方法および該製造方法で用いる加締め治具 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンロッドのストロークに対する作動流体の流れを制御することで減衰力を発生させる緩衝器の製造方法および該製造方法で用いる加締め治具に関する。
特許文献1には、バルブケースの側壁に加締め部を形成することでバルブケースにソレノイドケースを固定する減衰力調整式油圧緩衝器が記載されている。この加締め部は、加締め治具でバルブケースの側壁をソレノイドケースの環状溝に向かって押圧することで形成される。このようにバルブケースとソレノイドケースとが加締めにより結合される緩衝器は、スプリングシートやブラケット等のケースの周囲の部品を、加締め治具を避けて配置するので、緩衝器の設計(レイアウト)自由度が低下する問題がある。
特開2015−197126号公報
本発明は、設計自由度が高められる緩衝器を製造する方法および該製造方法で用いる加締め治具を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の緩衝器の製造方法は、作動流体が封入された円筒状のシリンダ部と、該シリンダ部の内部を摺動するピストンと、一端が前記ピストンに連結されて他端が前記シリンダ部の外部へ延出されるピストンロッドと、前記シリンダ部の側面部に結合される円筒状のケースと、該ケース内に収容されて前記ピストンの摺動により生じる作動流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生手段とを備える減衰力調整式緩衝器の製造方法であって、前記ケースは、有底筒状の第1筒体と、該第1筒体の一端側に配置されて前記第1筒体の内周側に嵌合される有底筒状の第2筒体とからなり、前記第1筒体の一端側の外周面に形成される第1周溝と、前記第2筒体の一端側の外周面に形成される第2周溝とを備え、前記減衰力発生手段の内機部品を前記第1筒体の底部と前記第2筒体の底部とで挟持し、前記第2筒体の底部を押圧することにより前記内機部品に軸力を付与させる第1工程と、前記第1筒体の一端側を前記第2筒体側へ押し付けながら前記軸力の方向に沿う方向へ引っ張ることにより、前記第1筒体の一端を前記第2周溝に加締める第2工程とを含むことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の緩衝器の製造方法で用いる加締め治具は、緩衝器は、作動流体が封入された円筒状のシリンダ部と、該シリンダ部の側面部に結合される円筒状のケースと、該ケース内に収容されて前記ピストンの摺動により生じる作動流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生手段とを備える減衰力調整式緩衝器であり、前記ケースは、有底筒状の第1筒体と、該第1筒体の一端側に配置されて前記第1筒体の内周側に嵌合される有底筒状の第2筒体とからなり、前記減衰力発生手段の内機部品を前記第1筒体の底部と前記第2筒体の底部とで挟持し、前記第2筒体の底部を押圧して前記内機部品に軸力を付与する第1工程と、前記第1筒体の一端側を前記第2筒体側へ押し付けながら前記軸力の方向に沿う方向へ引っ張ることで、前記第1筒体の一端を前記第2筒体の第2周溝に加締める第2工程とを含む、緩衝器の製造方法で用いる加締め治具であって、前記ケースに対して同軸に配置される軸部と、該軸部の一端側に設けられ、前記第2筒体の底部に当接される当接部と、前記軸部に設けられ、前記軸部に沿って移動可能な移動部と、一端が前記移動部に連結され、他端には前記第1筒体の一端側の外周面に形成された第1周溝に引っ掛ける鉤部が形成された複数個のリンクとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、緩衝器の設計自由度を高めることができる。
本実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器1の断面図である。 本実施形態の説明図であって、バルブケースとソレノイドケースとの嵌合状態を示す断面図である。 図2におけるA部の拡大図である。 本実施形態の説明図であって、ソレノイドケースが嵌合されたバルブケースの第1周溝に加締め治具がセットされた状態を示す図である。 図4におけるB部の拡大図である。 本実施形態の説明図であって、バルブケースの開口側端部が加締め治具により加締められた状態を示す図である。 図6におけるC部の拡大図である。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。
なお、図1における上下方向を当該緩衝器1における上下方向とする。
図1に、本実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器1の断面図を示す。当該緩衝器1は、シリンダ2(シリンダ部)の外側にアウタチューブ3(シリンダ部)を設けた複筒構造であり、シリンダ2とアウタチューブ3との間には、リザーバ4が形成される。シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装され、該ピストン5によりシリンダ2内がシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に分画される。ピストン5には、ピストンロッド6の一端がナット7(移動部)により連結される。ピストンロッド6は、シリンダ上室2Aを通過してシリンダ2およびアウタチューブ3の上端部に装着されたロッドガイド8およびオイルシール9に挿通され、他端がシリンダ2の外部へ延出する。
シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを分画するベースバルブ10が設けられる。ピストン5には、シリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの間を連通する通路11,12が設けられる。通路12には、シリンダ下室2B側からシリンダ上室2A側への油液(作動流体)の流通のみを許容する逆止弁13が設けられる。また、通路11には、シリンダ上室2A側の油液の圧力が設定圧力に達したときに開弁し、この圧力をシリンダ下室2B側へリリーフするディスクバルブ14が設けられる。
ベースバルブ10には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを連通する通路15、16が設けられる。通路15には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への油液の流通のみを許容する逆止弁17が設けられる。また、通路16には、シリンダ下室2B側の油液の圧力が所定圧力に達したときに開弁し、この圧力をリザーバ4側へリリーフするディスクバルブ18が設けられる。なお、作動流体として、シリンダ2内に油液が封入され、リザーバ4内に油液及びガスが封入される。
シリンダ2には、上下両端部にシール部材19を介してセパレータチューブ20が外嵌される。シリンダ2とセパレータチューブ20との間には、環状通路21が形成される。環状通路21は、シリンダ2の上端部近傍の側壁に設けられた通路22を介してシリンダ上室2Aに連通される。セパレータチューブ20の下部には、径方向外側(図1における右方向)に突出する円筒状の枝管23が形成される。アウタチューブ3の側壁には、枝管23に対して同心に位置し、かつ枝管23よりも大径の開口24が設けられる。アウタチューブ3の側面部には、開口24を囲むように、有底円筒状のバルブケース31(ケースの第1筒体)の底部32が接合(結合)される。バルブケース31内には、減衰力発生手段25の減衰弁機構26(内機部品)が収容される。
減衰力発生手段25は、基端側(図1における左側)が、リザーバ4と環状通路21との間に介在するように配置され、先端側(図1における右側)が、アウタチューブ3から径方向外側へ突出される。減衰力発生手段25は、環状通路21からリザーバ4への油液の流通を減衰弁機構26で制御することにより減衰力を発生させる。また、減衰力発生手段25は、ソレノイド27で減衰弁機構26の開弁圧を調整することにより、発生させる減衰力を可変させる。ソレノイド27は、有底円筒状のソレノイドケース41(ケースの第2筒体)と、該ソレノイドケース41に収容されるコイルケース28とを含む。コイルケース28には、コイル29がモールド成形され、コイル29には、ケーブル30を介して電力が供給される。
ソレノイドケース41は、バルブケース31の開口側(一端側)に配置され、当該バルブケース31の内周側に嵌合される。ソレノイドケース41は、バルブケース31の開口側端部33を、後述する加締め治具51(図4参照)で加締めることにより、バルブケース31に結合(固定)される。
ここで、図2に、加締め治具51で加締める前の状態(以下「嵌合状態」と称する)のバルブケース31(第1筒体)およびソレノイドケース41(第2筒体)を示す。また、図3は、図2におけるA部の拡大図である。なお、図1を除外して、減衰弁機構26(内機部品)を仮想線で示す。
図2,図3を参照すると、バルブケース31の開口側端部33(一端側)の外周面31Aには、環状の第1周溝34が形成される。第1周溝34は、円筒面34Aと、該円筒面34Aの開口側(図2における右側)に連続し、かつ円筒面34Aに対して垂直な第1垂直面34Bとを有する。これにより、バルブケース31の開口側端面33Aと第1周溝34との間には、円筒面34Aに対して径方向外側(図3における上側)へ突出するフランジ部35が形成される。なお、第1周溝34は、円筒面34Aの底部32側(図2における左側)に連続し、かつ円筒面34Aに対して垂直な第2垂直面34Cを有する。該第2垂直面34Cは、底部32側に向かって漸次拡径させて傾斜面としてもよい。
バルブケース31の開口側端部33(一端側)の内周側には、当該バルブケース31の内周面31Bの内径に対して大きい内径を有する大内径部36が形成される。該大内径部36は、開口側端面33Aから底部32側に向かって第2垂直34Cを超えて延びる。大内径部36とバルブケース31の内周面31Bとの間には、大内径部36から底部32側に向かって漸次縮径される傾斜面37が形成される。これにより、バルブケース31の開口側端部33の第1周溝34に対応する部分には、底部32側の壁厚T0(図3参照)に対して薄い壁厚T1(図3参照)を有する部分が形成される。換言すると、バルブケース31の開口側端部33は、第1周溝34に対応する部分(以下「低剛性部38」と称する)の剛性(機械的強度)が、底部32側の部分(図3における第1周溝34よりも左側の部分)の剛性よりも低く形成される。
ソレノイドケース41の内周側には、内フランジ状のヨーク42(第2筒体の底部)が形成される。ソレノイドケース41の一端側(図2におけるヨーク42に対して左側の部分)には、バルブケース31の開口側端部33の内周側に嵌合される嵌合部43が形成される。ソレノイドケース41の他端側(図2におけるヨーク42に対して右側の部分)には、コイルケース28(図1参照)が収容されるコイル収容部44が形成される。ヨーク42は、嵌合部43の内周側の空間とコイル収容部44の内周側の空間を隔てるようにして嵌合部43とコイル収容部44との間に設けられる。
ソレノイドケース41の嵌合部43は、先端部45の外径がヨーク42に対応する部分の外径(外周面41Aの外径)に対して小さく形成される。嵌合部43は、先端部45がバルブケース31の内周面31Bに嵌合される。換言すると、先端部45は、バルブケース31の壁厚T0の部分の内周側に嵌合される。ソレノイドケース41の嵌合部43のヨーク42に対応する部分、換言すると、ソレノイドケース41の外周面41Aの先端部45側は、バルブケース31の大内径部36に所定のはめあい(例えば「中間ばめ」)で嵌合される。なお、先端部45の外周面45Aには、先端部45とバルブケース31との間をシールするシール部材47を収容するための環状のシール溝48が形成される。また、嵌合部43には、外周面41Aと先端部45の外周面45Aとを繋ぎ、先端部45側(図2における左側)に向かって漸次縮径される傾斜面46が形成される。
ソレノイドケース41は、嵌合部43側(一端側)の外周面41Aに形成された第2周溝49を有する。第2周溝49は、軸平面(ソレノイドケース41の中心線を含む平面)による断面が矩形に形成され、嵌合状態でバルブケース31の開口側端部33のフランジ部35に対応する位置に配置される。また、第2周溝49は、ヨーク42の近傍、換言すると、変形に対する強度が相対的に高い位置に配置される。そして、ソレノイドケース41の外周側の、第2周溝49と先端部45との間には、嵌合状態でバルブケース31の低剛性部38に当接し、周方向に延びる当接部50が形成される。
次に、図4,図5を参照して本実施形態の緩衝器1の製造方法に用いる加締め治具51を説明する。図4に、ケース(ソレノイドケース41が嵌合されたバルブケース31)にセットされた加締め治具51を示す。加締め治具51は、ソレノイドケース41のコイル収容部44内に挿入される有底円筒状のアダプタ52(当接部)と、ケース(バルブケース31およびソレノイドケース41)の中心線に対して同軸に配置されるねじ軸53(軸部)とを有する。アダプタ52の底部52Aは、ソレノイドケース41のヨーク42に当接される。ねじ軸53の一端(図4における下端)には、アダプタ52の軸穴54に挿入される円板状の押圧板55(当接部)が取り付けられる。押圧板55は、ねじ軸53に対して中心線回りに相対回転可能で、かつ軸穴54に対して摺動可能である。
アダプタ52の軸穴54には、円板状のロードセル56が接着等により固定される。ロードセル56は、アダプタ52の底部52Aと押圧板55とで挟み込まれるように配置され、いわゆるワイヤレス型が適用される。よって、ロードセル56により測定された荷重は、所定の外部装置でモニタリングすることができる。なお、軸穴54の底面、換言すると、アダプタ52の底部52Aの中央には凹球面状の凹部57が形成されており、ロードセル56は、アダプタ52の凹部57の周縁に当接している。
加締め治具51は、ねじ軸53に螺合されるナット58(移動部)と、該ナット58の周囲に等間隔で配置される複数個(本実施形態では「12個」、図4には2個のみ表示)のリンク59とを有する。各リンク59は、ねじ軸53の軸平面(ねじ軸53の中心線を含む平面)上に配置される。リンク59は、一端がナット58に回動可能に接続される第1リンク部材60と、長手方向中間部で第1リンク部材60の他端に回動可能に接続される第2リンク部材61とで構成される。第2リンク部材61の一端(図4における下端)には、略L形のフック62(鉤部)が形成される。
図5に示されるように、フック62は、バルブケース31の第1周溝34に引っ掛けられる。換言すると、第1周溝34の円筒面34Aと垂直面34Bとの内角部分に、フック62の先端が引っ掛けられる。なお、図4に示されるように、第2リンク部材61の他端(図4における上端)には、フック62とは異なる型の緩衝器1に対応させるためのフック63が形成される。
次に、図4から図7を参照して本実施形態の緩衝器1の製造方法を説明する。ここでは、加締め治具51を用いてバルブケース31(第1筒体)の開口側端部33(一端)を加締めることにより、バルブケース31とソレノイドケース41(第2筒体)とを結合させる工程を説明する。なお、バルブケース31は、予めアウタチューブ3(図1参照)に接合されている。また、アウタチューブ3は、ワーク固定治具(図示省略)に固定されている。また、バルブケース31内には、減衰力発生手段25の減衰弁機構26(以下「内機部品26」と称する)が収容されている。
まず、図4,図5に示されるように、加締め治具51の各フック62(鉤部)をバルブケース31の第1周溝34に引っ掛けて当該加締め治具51を緩衝器1(図1参照)のケース(バルブケース31およびソレノイドケース41)にセットする。この状態で、内機部品26は、バルブケース31の底部32とソレノイドケース41のヨーク42(底部)とにより挟持される。図4の状態から加締め治具51のねじ軸53(軸部)を締付け方向(時計回り方向)へ回転させると、ナット58(移動部)とバルブケース31とが各リンク59で連結されていることから、ねじ軸53は、押圧板55(当接部)、ロードセル56、およびアダプタ52を介してソレノイドケース41のヨーク42をバルブケース31の底部32へ向かって押し付ける。
ここで、ねじ軸53がソレノイドケース41のヨーク42をバルブケース31の底部32に向かって押し付ける力(以下「ねじ軸53の押付け力」と称する)は、内機部品26に軸力として作用する。また、ねじ軸53の押付け力の反力、換言すると、内機部品26に作用する軸力の反力は、加締め治具51の各フック62がバルブケース31の開口側端部33を図4における上方向(軸力に沿う方向)へ引っ張る力として作用する。そして、内機部品26に軸力を付与しながら、ねじ軸53をさらに締付け方向へ回転させると、当該ねじ軸53の回転に応じて、内機部品26に作用する軸力が増大されるとともに、加締め治具51の各フック62がバルブケース31の開口側端部33を引っ張る力が漸次増大される。
これにより、バルブケース31の開口側端部33は、ソレノイドケース41の第2周溝49側へ塑性変形して加締められる(図6,図7参照)。このとき、開口側端部33は、低剛性部38の内周側がソレノイドケース41の当接部50に当接している。換言すると、開口側端部33は、当接部50で支持されているので、当接部50の角部50A(当接部50と第2周溝49との稜)を起点に折れ曲がるようにして第2周溝49側へ加締められる。なお、加締め中におけるねじ軸53の押付け力より内機部品26に作用する軸力は、ロードセル56の測定値にてモニタリングすることができる。
以下、本実施形態の作用効果を示す。
本実施形態によれば、内機部品をバルブケース(第1筒体)の底部とソレノイドケース(第2筒体)のヨーク(底部)とで挟持し、ソレノイドケースのヨークを押圧することで内機部品に軸力を付与させ、バルブケースの開口側端部(一端側)をソレノイドケース側へ押し付けながら当該軸力に沿う方向へ引っ張ることにより、バルブケースの開口側端部をソレノイドケースの第2周溝に加締めるので、ソレノイドケースをバルブケースに固定するためのナットが不要となり、製造コストを削減することができる。
本実施形態では、プーラー(引き抜き用工具)が対象物を引き抜く原理を利用して加締め治具を構成したので、当該加締め治具をコンパクト化することができる。これにより、加締め治具との干渉を考慮する領域が大幅に縮小され、ケース(バルブケースおよびソレノイドケース)の周囲に配置されるスプリングシートやブラケット等の部品の設計自由度が犠牲になることを回避することができる。また、従来、内機部品に軸力を付与させる動力源と、ケースに径方向への加締め力を付与させる動力源との2つの動力源(油圧発生のための設備)を要していたが、本実施形態では、加締め治具にプーラーの構造を適用したので、手動や比較的小型の電動モータ等の動力で、軸力と加締め力とを同時に発生させることが可能であり、設備コストを大幅に削減することができる。
本実施形態では、バルブケースの開口側端部の第1周溝に対応する部分の壁厚を薄くして低剛性部を形成したので、当該低剛性部の壁厚(強度)を調節することにより、加締め力および内機部品に付与させる軸力をコントロールすることができる。また、加締め治具のアダプタ(当接部)とねじ軸(軸部)との間にロードセルを介在させたので、加締め中に内機部品に作用する軸力をモニタリングすることが可能であり、当該軸力を管理することができる。
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば、次のように構成することができる。
加締め治具51のアダプタ52(当接部)は、対象となる緩衝器1に応じて製作され、図4,図6に示した形状に限定されるものではない。
本実施形態では、ねじ軸53(軸部)とナット58(移動部)とによるねじ機構を用いて、内機部品26に付与させる軸力と、バルブケース31(第1筒体)の開口側端部33(一端側)に付与させる加締め力とを発生させるように、加締め治具51を構成したが、当該ねじ機構の代わりに、例えば、油圧式プーラーの動力発生機構を適用してもよい。
1 緩衝器、2 シリンダ(シリンダ部)、3 アウタチューブ(シリンダ部)、5 ピストン、6 ピストンロッド、25 減衰力発生手段、26 減衰弁機構(内機部品)、31 バルブケース(第1筒体)、31A 外周面(第1筒体の外周面)、32 底部、33 開口側端部(第1筒体の一端側)、34 第1周溝、41 ソレノイドケース(第2筒体)、41A 外周面(第2筒体の外周面)、43 ヨーク(第2筒体の底部)、49 第2周溝

Claims (4)

  1. 作動流体が封入された円筒状のシリンダ部と、該シリンダ部の内部を摺動するピストンと、一端が前記ピストンに連結されて他端が前記シリンダ部の外部へ延出されるピストンロッドと、前記シリンダ部の側面部に結合される円筒状のケースと、該ケース内に収容されて前記ピストンの摺動により生じる作動流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生手段とを備える減衰力調整式緩衝器の製造方法であって、
    前記ケースは、有底筒状の第1筒体と、該第1筒体の一端側に配置されて前記第1筒体の内周側に嵌合される有底筒状の第2筒体とからなり、前記第1筒体の一端側の外周面に形成される第1周溝と、前記第2筒体の一端側の外周面に形成される第2周溝とを備え、
    前記減衰力発生手段の内機部品を前記第1筒体の底部と前記第2筒体の底部とで挟持し、前記第2筒体の底部を押圧することにより前記内機部品に軸力を付与させる第1工程と、前記第1筒体の一端側を前記第2筒体側へ押し付けながら前記軸力の方向に沿う方向へ引っ張ることにより、前記第1筒体の一端を前記第2周溝に加締める第2工程とを含むことを特徴とする緩衝器の製造方法。
  2. 前記第2工程では、前記第1工程で前記内機部品に付与させる軸力の反力により前記第1筒体の一端側を引っ張ることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器の製造方法。
  3. 緩衝器は、作動流体が封入された円筒状のシリンダ部と、該シリンダ部の側面部に結合される円筒状のケースと、該ケース内に収容されて前記ピストンの摺動により生じる作動流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生手段とを備える減衰力調整式緩衝器であり、
    前記ケースは、有底筒状の第1筒体と、該第1筒体の一端側に配置されて前記第1筒体の内周側に嵌合される有底筒状の第2筒体とからなり、
    前記減衰力発生手段の内機部品を前記第1筒体の底部と前記第2筒体の底部とで挟持し、前記第2筒体の底部を押圧して前記内機部品に軸力を付与する第1工程と、前記第1筒体の一端側を前記第2筒体側へ押し付けながら前記軸力の方向に沿う方向へ引っ張ることで、前記第1筒体の一端を前記第2筒体の第2周溝に加締める第2工程とを含む、緩衝器の製造方法で用いる加締め治具であって、
    前記ケースに対して同軸に配置される軸部と、該軸部の一端側に設けられ、前記第2筒体の底部に当接される当接部と、前記軸部に設けられ、前記軸部に沿って移動可能な移動部と、一端が前記移動部に連結され、他端には前記第1筒体の一端側の外周面に形成された第1周溝に引っ掛ける鉤部が形成された複数個のリンクとを備えることを特徴とする加締め治具。
  4. 前記軸部は、ねじ軸であり、前記移動部は、前記ねじ軸に螺合されたナットであることを特徴とする請求項3に記載の加締め治具。
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