JP6873356B2 - 圧力緩衝装置 - Google Patents
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Description
<実施形態1>
[油圧緩衝装置1の構成・機能]
図1は、実施形態1の油圧緩衝装置1の全体構成図である。
なお、以下の説明において、図1に示す油圧緩衝装置1の上下方向を「軸方向」と称し、軸方向における図中下側を「一方側」と称し、図中上側を「他方側」と称する。また、油圧緩衝装置1の左右方向を「半径方向」と称し、半径方向において中心軸が位置する側を「内側」と称し、中心軸から半径方向に離れる側を「外側」と称する。
油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置)は、オイル(流体)を収容するシリンダ部10(収容部)と、移動可能に設けられるバルブを有してオイルに抵抗を与えて減衰力を発生させるバルブ部53(減衰力発生部)と、磁力を発生させるコイルを有し、磁力によってバルブを移動させるコイルユニット51と、コイルユニット51を保持する本体ハウジング部52(コイル保持部)と、コイルユニット51と本体ハウジング部52との間に設けられ、コイルユニット51および本体ハウジング部52に掛かることで、本体ハウジング部52にコイルユニット51を固定する固定リング54(固定部材)と、コイルユニット51と本体ハウジング部52とが接続した状態にて、固定リング54に対する操作を可能にする後述の操作開口部513H(操作部)とを備える。
以下で、各々の構成について詳述する。
シリンダ11は、薄肉円筒状の部材である。シリンダ11は、オイルを収容する。また、シリンダ11は、内周面にてピストン部30が軸方向に摺動可能にピストン部30を収容する。また、シリンダ11は、他方の端部側であってロッドガイド15よりも一方側において、後述の連絡路Lとシリンダ11内(第2油室Y2)との間でオイルが流れる経路となるシリンダ開口11Hを有している。
ピストンボディ31は、ロッド20の一方側を通すロッド孔を有する略円柱状の部材である。そして、ピストンボディ31は、ロッド孔よりも半径方向の外側の部位に軸方向に延びて形成された複数の油路311を有する。
バルブ32は、ロッド20の一方側を通すロッド孔が形成された円盤状の部材である。そして、バルブ32は、ピストンボディ31の他方側に設けられて、複数の油路311の他方側を塞ぐように取り付けられる。
スプリング33は、一方側にてバルブ32に接触し、他方側がロッド20と一方側に支持される。そして、スプリング33は、バルブ32を一方側に位置するピストンボディ31に押し付ける。
図2は、実施形態1の減衰力可変部50の断面図である。
図3は、実施形態1のコイルユニット51および固定リング54の斜視図である。なお、図3(a)はコイルユニット51および固定リング54を端側から見た斜視図であり、図3(b)はコイルユニット51および固定リング54を中央側から見た図である。
図4は、実施形態1の固定リング54を説明するための図である。図4(a)は固定リング54の斜視図であり、図4(b)はコイルユニット51に取り付けられた状態の固定リング54を示す図である。
コイルユニット51は、コイル511と、コネクタ512と、コイルユニットハウジング513とを有する。そして、実施形態1では、コイルユニット51は、本体ハウジング部52およびバルブ部53とは別体に構成され、また、本体ハウジング部52に対して着脱可能に構成されている。
コネクタ512は、外部電源とコイル511とを接続するための接続箇所を形成する。実施形態1では、図2に示すように電極512Lと、電源ケーブルを保持するための保持部512Jとを有している。
コイル部513Sは、実施形態1では厚肉の円筒状に形成されてコイル511を覆う。また、実施形態1において、コイル部513Sは、図3(b)に示すように、外周において周方向に形成される外周溝513Eが形成される。この外周溝513Eは、図2に示すように、コイルユニット51が本体ハウジング部52に挿入され予め定めた位置に取り付けられた状態で、後述する内周溝521Eと対向する位置に形成される。
本体ハウジング部52は、図2に示すように、コイル収容部521と、コイル収容部521の第2半径方向内側に設けられるバルブ収容部522と、外周に形成される雄ネジ523とを有する。
コイル収容部521は、略円筒形状に形成される。そして、コイル収容部521は、内周にて周方向に形成される内周溝521Eが形成される。
バルブ収容部522は、コイル収容部521に囲まれるようにして突出し、バルブ部53を収容する。
雄ネジ523は、シリンダ部10の保持部132に形成される雌ネジ132Nに接続する。
バルブ部53は、図2に示すように、磁性体コア531と、磁性体コア531の第2軸方向の中央側に設けられる吸込ポート532と、吸込ポート532の端側に設けられるバルブ533と、吸込ポート532とバルブ533との間に設けられるスプリング534とを有する。
磁性体コア531は、第2半径方向において、コイル511よりも内側に設けられる。そして、磁性体コア531は、コイル511が発生する磁力によって第2軸方向に移動し、実施形態1ではバルブ533を吸込ポート532に対して相対的に移動させる。
バルブ533は、吸込ポート532の貫通孔532Rの内径よりも小さい外径の先端部533Pを有する。そして、バルブ533は、先端部533Pによって吸込ポート532との間にオイルの流れを絞る絞部Vを形成する。そして、バルブ533は、吸込ポート532との距離に応じて、絞部Vにおけるオイルの流路断面積を変化させる。
そして、スプリング534は、吸込ポート532に対してバルブ533が遠ざかる方向に移動する力をバルブ533に付与する。
固定リング54には、例えば、金属材料などの弾性材料を用いることができる。そして、固定リング54は、図4(a)に示すように、略C字状の概形を有する掛部540と、掛部540の周方向の端部に位置する一端部541と、一端部541とは異なる他端部542とを有している。また、実施形態1では、固定リング54は、一端部541と他端部542とに、それぞれ第1操作受部541Rと第2操作受部542Rとをそれぞれ有している。
以上のように、固定リング54は、一端部541(一端)と他端部542(他端)とを有してコイルユニット51の周方向にわたって設けられ、一端部541と他端部542との間隔Xを変更する操作を受ける第1操作受部541Rおよび第2操作受部542R(受部)を備えている。
以上のように構成される油圧緩衝装置1の動作を説明する。
図5は、油圧緩衝装置1のオイルの流れを示す図である。なお、図5において圧縮行程時におけるオイルの流れを実線の矢印で示し、伸張行程時におけるオイルの流れを破線の矢印で示す。
まず、油圧緩衝装置1の圧縮行程時における動作を説明する。
圧縮行程時においては、ロッド20は、シリンダ11に対して一方側に移動する。ピストン部30においては、第1油室Y1と第2油室Y2との差圧によって、油路311を塞ぐバルブ32が開く。そして、第1油室Y1のオイルは、油路311を通って第2油室Y2に流れ出る。ここで、第2油室Y2にはロッド20が配置されている。そのため、第1油室Y1から第2油室Y2に流れ込むオイルは、ロッド20の進入体積分だけ過剰になる。従って、このロッド20の進入体積分に相当する量のオイルは、シリンダ開口11Hから流出する。そして、オイルは、連絡路Lを通って、減衰力可変部50に流れ込む。
伸張行程時においては、ロッド20は、シリンダ11に対して他方側に移動する。ピストン部30においては、バルブ32は油路311を塞いだままになる。また、第1油室Y1の圧力は、リザーバ室Rに対して相対的に低くなるため、ボトムバルブ部40における油路411がバルブ42を開く。そして、オイルは、油路411を通って、リザーバ室Rから第1油室Y1に流れ込む。
次に、減衰力可変部50の分解操作について説明する。
図6は、減衰力可変部50の分解操作について説明するための図である。
例えばコイル511の故障などによってコイルユニット51を交換する場合には、まず、蓋部513Fの操作片513V(図2、図3(a)参照)を取り除く。操作片513Vは、上述したとおり厚みが薄く形成され、さらに切欠が形成されている。そのため、減衰力可変部50においては、容易かつ安価にコイルユニット51から操作片513Vを取り除くことができる。
そして、図6(a)に示すように、操作開口部513Hが開放された状態になる。また、操作開口部513Hを介して、固定リング54の第1操作受部541Rと第2操作受部542R(図4(a)参照)に対して、工具などの操作を行うことが可能になる。
この状態にて、図6(a)および図6(b)に示すように、コイルユニット51を第2軸方向の端側に移動させることで、コイルユニット51を本体ハウジング部52から引き出すことができる。
なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の部材については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図7(a)に示すように、変形例1の固定リング254(固定部材)は、一端部541および他端部542にそれぞれ開口部254H(受部)が形成される。そして、開口部254Hは、工具などの操作を受ける際に、工具などが引っ掛かりを受ける箇所を形成する。
このように構成された変形例1の固定リング254によっても、図6(a)および図6(b)を参照しながら説明したように、コイルユニット51の操作開口部513Hを介して、固定リング254に対して操作を行うことで、容易かつ安価にコイルユニット51を本体ハウジング部52から分解することができる。
図7(b)に示すように、変形例2の固定リング354(固定部材)は、一端部541および他端部542にそれぞれ形成される開口部354H(受部)と、周方向において直線状に形成される直線状部354S(回転抑制部)とを有している。
また、変形例2の固定リング354が適用される場合には、本体ハウジング部52の内周溝521Eにおいても、同様に直線状に形成される直線部521Esを形成する。この直線部521Esには、固定リング354の直線状部354Sが対向するように設けられる。
直線状部354Sは、略環状に形成される固定リング354の周方向における回転を抑制する。具体的には、内周溝521Eの直線部521Es(回転抑制部)に、直線状部354Sが対向することで、コイルユニット51の周方向における固定リング354の回転を抑制する。これによって、固定リング354のコイルユニット51に対する周方向における位置が定まる。本実施形態では、固定リング354に直線状部354Sを形成し、コイルユニット51に直線部521Esを形成することで、固定リング354およびコイルユニット51の両方により、コイルユニット51の周方向における固定リング354の回転を抑制する回転抑制部を構成している。
図7(c)に示すように、変形例3の固定リング454(回転抑制部)は、他端部542に第3開口部454Hが形成される。
第3開口部454Hは、一端部541が挿入可能になっている。そして、固定リング454では、コイルユニット51の外周に取り付けられた際、第3開口部454Hに一端部541が挿入された状態が形成される。
このように構成された変形例3の固定リング454では、図6(a)および図6(b)を参照しながら説明したように、操作開口部513Hを介して固定リング454に対して操作を行う際に、一端部541を引き出す操作を行うだけで、一端部541が第3開口部454Hを介して他端部542を締め込むことができる。その結果、掛部540全体に縮む力が作用する。従って、変形例3の固定リング454によっても、コイルユニット51を本体ハウジング部52から容易に分解することができる。
図8は、実施形態2の減衰力可変部250の断面図である。
図8に示すように、実施形態2の減衰力可変部250の基本構成は、上述した実施形態1と同じである。ただし、実施形態2において、固定リング54が設けられる箇所が、実施形態1とは異なる。また、実施形態2では、コイルユニット51に、本体ハウジング部52が挿入されて、コイルユニット51が本体ハウジング部52に保持される構造を採用している。
そして、実施形態2では、操作片513V2が取り除かれることで、第2操作開口部513H2は、例えば工具などによる固定リング54に対する操作を可能にする。
例えば、固定リング54を拡げることによって、コイルユニット51の外周溝513Eから掛部540を退かせ、コイルユニット51を本体ハウジング部52から引き出すようにしても良い。この場合、例えば本体ハウジング部52において、固定リング54の端部に向けて開口する開口部(「操作部」または「空間部」の一例)を設け、その開口部を介して、固定リング54を操作することで固定リング54を拡げる構成を採用することもできる。
また、例えば実施形態1では固定リング54の最端部に対して操作開口部513Hを設けているが、操作開口部513Hは、必ずしも固定リング54の最端部に設ける必要はなく、例えば固定リング54の最端部以外の箇所であっても構わない。
また、上述した実施形態では、単数の固定リング54によってコイルユニット51を本体ハウジング部52に固定しているが、例えば複数の固定リング54を用いても構わない。この場合においては、本体ハウジング部52にコイルユニット51が接続した状態で、例えば複数の固定複数の固定リング54に対して操作を可能にする形状を有する操作開口部513H(513H2)を設けることによって、コイルユニット51を本体ハウジング部52に対して分解することができる。
さらに、上述した実施形態において、「減衰力発生部」は、コイルユニット51によって発生した磁力により(発生した磁場に対して)バルブ533を垂直方向に移動させる構成を採用しているが、電磁力によりバルブに力を付与する構成であれば良い。あえて図示はしないが、「減衰力発生部」は、例えばバルブを周方向に回転させる構成、いわゆる、ロータリーバルブでも良い。
また、コイルユニット51は、本実施形態のように吸込ポート532に対してバルブ533を遠ざける方向にスプリング534の力を付与するタイプでも良いし、吸込ポート532に対してバルブ533を近づける方向にスプリングの力を付与するタイプでも良い。
Claims (3)
- 流体を収容する収容部と、
移動可能に設けられるバルブを有して前記流体に抵抗を与えて減衰力を発生させる減衰力発生部と、
磁力を発生させるコイルを有し、前記磁力によって前記バルブを移動させるコイルユニットと、
前記コイルユニットを着脱可能に保持するコイル保持部と、
前記コイルユニットと前記コイル保持部との間に設けられ、前記コイルユニットおよび前記コイル保持部に掛かることで、前記コイル保持部に前記コイルユニットを固定し、掛かりを解除する操作を受けることで、前記コイルユニットを前記コイル保持部から脱離可能にする固定部材と、
を備え、
前記固定部材は、前記コイル保持部に前記コイルユニットが固定された状態で、前記コイルユニットおよび前記コイル保持部の少なくとも一方に覆われ、
前記コイルユニットは、前記操作を行うための空間を形成する空間部と、前記コイルユニットから取り除くことが可能に設けられて前記空間部を覆う覆部と、を有する圧力緩衝装置。 - 前記固定部材は、一端と他端とを有して前記コイルユニットの周方向にわたって設けられ、前記一端と前記他端との間隔を変更する操作を受ける受部を備え、
前記受部は、前記空間部に位置するように設けられる請求項1に記載の圧力緩衝装置。 - 前記コイルユニットの周方向における前記固定部材の回転を抑制する回転抑制部を更に備える請求項1に記載の圧力緩衝装置。
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