JP6063276B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Description
本発明の第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
油圧緩衝器100Aの構成を説明する。
油圧緩衝器100Aは、例えば車両に搭載され、これに外挿するスプリング等と共に、サスペンション装置を構成するものである。油圧緩衝器100Aは、3本のチューブが三重で配置されたトリプルチューブ型(三重管構造型)であって、ダンパケース111、外筒体112及びシリンダ113と、ピストン121と、ピストンロッド131と、第1ボトムバルブ200(第1弁装置)と、第2ボトムバルブ300(第2弁装置)と、ニードル弁10(第3弁装置、(弁装置))と、モータ31(電気駆動装置)と、給電線50A(給電体)と、を備えている。
ダンパケース111、外筒体112及びシリンダ113は、円筒状の部品であり、同一中心軸線で配置されると共に、径方向内側から外側に向かって、シリンダ113、外筒体112、ダンパケース111の順で配置されている。
ピストン121は、シリンダ113の内周面に摺動自在に配置されると共にシリンダ113内を、ピストン121の上側(ピストンロッド131の挿入側)のロッド側油室S1と、ピストン121の下側(ピストンロッド131の挿入側の反対側)のピストン側油室S2と、に区画している。すなわち、ピストン121、シリンダ113及びロッドガイド114で囲まれた空間は、ロッド側油室S1を構成している。そして、ピストン121、シリンダ113及び第2ボトムバルブ300で囲まれた空間は、ピストン側油室S2を構成している。
ピストンロッド131は、中空部131aを有する細長の円筒状部品であり、ケース上蓋116、オイルシール115及びロッドガイド114を貫通し、上方からシリンダ113内に挿入されている。ピストンロッド131の下端部131bは、ピストン121を貫通し、ピストン121の下方に突出している。そして、この突出した部分はナット132と螺合しており、これにより、ピストンロッド131はピストン121に固定されている。中空部131aは、軸方向に延びると共にピストン側油室S2と外部とを連通している。なお、ピストンロッド131の上端は、車体側のブラケット等に固定されている。
第1ボトムバルブ200は、油圧緩衝器100Aのボトム側に配置された第1弁装置であり、第1ベース210と、第1圧側バルブシート220と、第1伸側バルブシート230と、を備えている。
第1ベース210は、シリンダ113及び外筒体112の下端に差し込まれている。そして、第1ベース210の下方には、第1ベース210及びケース下蓋117で囲まれた第1ボトム油室S3が形成されている。一方、第1ベース210の上方には、第1ベース210、後記する第2ベース310及びシリンダ113で囲まれた第2ボトム油室S4が形成されている。
第1圧側バルブシート220は、第1圧側ポート211の第1ボトム油室S3側開口を塞ぐように設けられている。第1圧側バルブシート220は、弾性変形可能な金属製の薄板で構成されており、圧側行程時、第2ボトム油室S4の油圧に対応して弾性変形することで、第1圧側ポート211と第1ボトム油室S3との連通断面積が変化し、減衰力が発生するようになっている。
第1伸側バルブシート230は、第1伸側ポート213の第2ボトム油室S4側開口を塞ぐように設けられている。第1伸側バルブシート230は、弾性変形可能な金属製の薄板で構成されており、伸側行程時、第1ボトム油室S3の油圧に対応して弾性変形することで、第1伸側ポート213と第2ボトム油室S4との連通断面積が変化し、減衰力が発生するようになっている。
第2ボトムバルブ300は、油圧緩衝器100Aのボトム側において第1ボトムバルブ200よりも上方に第2ボトム油室S4を隔てて配置された第2弁装置であり、第2ベース310と、第2圧側バルブシート320と、第2伸側バルブシート330と、を備えている。
第2ベース310には、第2圧側ポート311、第2伸側ポート312が形成されている。第2圧側ポート311及び第2伸側ポート312は、それぞれ軸方向に延び、ピストン側油室S2と第2ボトム油室S4とをそれぞれ連通している。
第2圧側バルブシート320は、第2圧側ポート311の第2ボトム油室S4側開口を塞ぐように設けられている。第2圧側バルブシート320は、弾性変形可能な金属製の薄板で構成されており、圧側行程時、ピストン側油室S2の油圧に対応して弾性変形することで、第2圧側ポート311と第2ボトム油室S4との連通断面積が変化し、減衰力が発生するようになっている。
第2伸側バルブシート330は、第2伸側ポート312のピストン側油室S2側開口を塞ぐように設けられている。第2伸側バルブシート330は、弾性変形可能な金属製の薄板で構成されており、伸側行程時、第2ボトム油室S4の油圧に対応して弾性変形することで、第2伸側ポート312とピストン側油室S2との連通断面積が変化し、減衰力が発生するようになっている。
軸方向において、第1ボトムバルブ200、第2ボトムバルブ300を、軸部材410(ボトムボルト)が貫通している。軸部材410は、第1ベース210及び第2ベース310を貫通する軸部411と、軸部411の下部に形成された大径の頭部412と、を備えている。
ニードル弁10は、ピストンロッド131の挿入側(上側)の反対側(下側)でダンパケース111内に設けられ、作動することでピストン側油室S2と第2ボトム油室S4との間における油量を可変し、減衰力を可変する弁装置である。具体的には、ニードル弁10は、第1ポート413の上側の開口面積を可変することで、減衰力を可変する弁装置である。ニードル弁10は、第1ポート413の上側の開口面積を可変するニードル20と、ニードル20を軸方向においてガイドするガイド体11と、を備えている(図3参照)。
モータ31は、ピストンロッド131の挿入側(上側)の反対側(下側)で、その全体がダンパケース111内に設けられ、通電することでニードル弁10を作動する電気駆動装置である。このようなモータ31は、例えば、ステッピングモータで構成される。
給電線50Aは、外部電源900からモータ31に給電すると共に、ピストンロッド131の中空部131aを延びる部品である。具体的には、給電線50Aは、モータ31と外部電源900とのプラス側の給電経路を構成しており、ピストンロッド131を貫通し、上端及び下端はピストンロッド131から突出している。なお、給電線50Aの表面には、ピストンロッド131等と電気的に絶縁するための絶縁膜(図示しない)が形成されている。後記する給電線50B、給電線50Cについても同様に絶縁膜が形成されている。
ここで、油室について説明する。
過剰な油を一時的に貯溜するリザーバ室S6は、ダンパケース111、外筒体112、ロッドガイド114、ケース下蓋117及び第1ベース210で囲まれた空間で構成されている。なお、リザーバ室S6において、油溜まりの上方には、ガス溜まりS7が形成されている。
油圧緩衝器100Aの作用効果を説明する。
図3を参照して、圧側行程について説明する。
ピストンロッド131及びピストン121が下方に移動すると、ピストン側油室S2の油圧が上昇し、第2圧側バルブシート320が弾性変形する。そうすると、ピストン側油室S2の油が第2圧側ポート311を通って第2ボトム油室S4に流入する。
図4を参照して、伸側行程について説明する。
ピストンロッド131及びピストン121が上方に移動すると、ロッド側油室S1(図1参照)の油圧が上昇し、ロッド側油室S1の油が、ロッドガイド114の切欠114a、還流室S5、還流室用ポート214を通って、第1ボトム油室S3に流入する。そうすると、第1ボトム油室S3の油圧が上昇し、第1伸側バルブシート230が弾性変形する。これにより、第1ボトム油室S3の油が、第1伸側ポート213を通って、第2ボトム油室S4に流入する。
モータ31の全体がダンパケース111内に設けられた構成であるので、モータ31がブラケット等の外装部品から取付位置の制約を受けることはない。また、外部電源900からモータ31に給電する給電線50Aが、ピストンロッド131の中空部131aを延びる構成であるので、給電線50Aの取り回しは容易となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更してもよいし、後記する実施形態の構成と適宜に組み合わせてもよい。
本発明の第2実施形態について、図5〜図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と異なる部分を説明する。後記する第3実施形態等についても同様である。
第2実施形態に係る油圧緩衝器100Bは、給電線50Aに代えて、ピストン121及びピストンロッド131の移動に対応して伸縮する給電線50Bを備えている。給電線50Bは、大径の円筒状を呈するロッド側給電線51(ロッド側給電体)と、ロッド側給電線51と同軸で配置されると共に小径の円筒状を呈する駆動装置側給電線52(駆動装置側給電体)と、を備えている。
ロッド側給電線51は、ピストンロッド131の中空部131aを延びると共に、中空部131aを囲む内周面131dに、例えば、接着剤等で固定されている。ロッド側給電線51の上端は、ピストンロッド131から突出し、外部電源900のプラス端子と電気的に接続されている。ロッド側給電線51の下端部51aは、肉厚で形成されており、駆動装置側給電線52と電気的に導通可能であると共に摺接している。
駆動装置側給電線52は、ロッド側給電線51の内側で、モータ31からピストンロッド131の挿入側(上側)に向けて軸方向で延びている。そして、駆動装置側給電線52の下端は、モータ31のプラス端子(一方極)に電気的に接続されている。したがって、駆動装置側給電線52は、ピストン121が上下しても、その軸方向位置は変化しない。
第2実施形態によれば次の作用効果を得る。
モータ31の全体がダンパケース111内に設けられた構成であるので、モータ31が外装部品から取付位置の制約を受けることはない。また、給電線50Bが、ピストンロッド131の中空部131aを延びる構成であるので、その取り回しは容易となる。さらに、マイナス側の専用の給電線を備えないので、部品点数が削減される。
本発明の第3実施形態について、図7〜図8を参照して説明する。
第3実施形態に係る油圧緩衝器100Cは、第2実施形態に係る給電線50B(第1給電体)と、給電線50C(第2給電体)と、を備えている。給電線50Bについては、第2実施形態と同様である。そして、例えば、給電線50Bがプラス極側の給電線を構成しており、給電線50Cがマイナス極側の給電線を構成している。また、第3実施形態では、ダンパケース111を接地する必要がなく、アース部材(車両のフレーム)等を考慮せずに、油圧緩衝器100Cをレイアウト可能である。
第B伸縮給電線54は、ピストンロッド131の上下により第A給電線53の軸方向位置が変化しても、これに追従して伸縮することで、第A給電線53と第C給電線55との電気的接続を維持するものである。なお、第B伸縮給電線54は、ピストンロッド131の中空部131aに配置されることが好ましい。
このような第3実施形態によれば、次の作用効果を得る。
モータ31の全体がダンパケース111内に設けられた構成であるので、モータ31が外装部品から取付位置の制約を受けることはない。また、給電線50B、給電線50Cが、ピストンロッド131の中空部131aを延びる構成であるので、その取り回しは容易となる。具体的には、外部電源900から、給電線50B(第1給電体)及び給電線50C(第2給電体)を介して、モータ31に給電できる。
本発明の第4実施形態について、図9〜図10を参照して説明する。
油圧緩衝器100Dは、2本のチューブが二重で配置されたダブルチューブ型(二重管構造型)であって、ダンパケース111及びシリンダ113と、ピストン121と、ピストンロッド131と、第1ボトムバルブ200と、ピストンバルブ500と、ニードル弁10(弁装置)と、モータ31(電気駆動装置)と、給電線50B(第1給電線)と、給電線50C(第2給電線)と、を備えている。なお、ピストンロッド131は、アダプタ133を介してピストン121に固定されている。そして、アダプタ133と給電線50Bの駆動装置側給電線52との間には、Oリング134(オイルシール)が設けられている。
ピストンバルブ500は、圧側ポート122及び伸側ポート123と、圧側バルブシート510と、伸側バルブシート520と、を備えている。圧側ポート122及び伸側ポート123は、ピストン121に軸方向で形成されており、ロッド側油室S1とピストン側油室S2とを連通している。
ピストン側油室S2は、軸部材410(ボトムボルト)の第1ポート413及び第2ポート416を介して、第1ボトム油室S3と連通している。第1ボトム油室S3は、第1ベース210のリザーバ室用ポート215を介して、リザーバ室S6と連通している。
油圧緩衝器100Dの作用効果を説明する。
ピストンロッド131及びピストン121が下方に移動すると、ピストン側油室S2の油圧が上昇し、圧側バルブシート510が弾性変形する。そうすると、ピストン側油室S2の油が圧側ポート122を通ってロッド側油室S1に流入する。これと同時に、第1圧側バルブシート220が弾性変形する。そうすると、ピストン側油室S2の油が、第1圧側ポート211、第1ボトム油室S3、リザーバ室用ポート215を通って、リザーバ室S6に流入する。
伸側行程について説明する。
ピストンロッド131及びピストン121が上方に移動すると、ロッド側油室S1の油圧が上昇し、伸側バルブシート520が弾性変形する。そうすると、ロッド側油室S1の油が伸側ポート123を通ってピストン側油室S2に流入する。これと同時に、第1伸側バルブシート230が弾性変形する。そうすると、リザーバ室S6の油が、リザーバ室用ポート215、ピストン側油室S2の油が、リザーバ室用ポート215、第1ボトム油室S3、第1圧側ポート211を通って、ピストン側油室S2に流入する。
モータ31の全体がダンパケース111内に設けられた構成であるので、モータ31が外装部品から取付位置の制約を受けることはない。また、給電線50B、給電線50Cが、ピストンロッド131の中空部131aを延びる構成であるので、その取り回しは容易となる。
油圧緩衝器100Dは、給電線50B及び給電線50Cを備える構成としたが、(1)給電線50Bのみを備える構成、(2)給電線50Cのみを備える構成、(3)給電線50A(図1参照)のみを備える構成に変更してもよい。
31 モータ(電気駆動装置)
50A 給電線(給電体)
50B 給電線(第1給電体)
50C 給電線(第2給電体)
51 ロッド側給電線(ロッド側給電体)
52 駆動装置側給電線(駆動装置側給電体)
53 第A給電線
54 第B伸縮給電線(伸縮部分)
55 第C給電線
100A、100B、100C、100D 油圧緩衝器
111 ダンパケース
112 外筒体
113 シリンダ
121 ピストン
122 圧側ポート
123 伸側ポート
131 ピストンロッド
131a 中空部
131d 内周面
900 外部電源
S1 ロッド側油室
S2 ピストン側油室
S3 第1ボトム油室
S4 第2ボトム油室
S5 還流室
S6 リザーバ室
Claims (4)
- 筒状のダンパケースと、
前記ダンパケース内に配置された筒状のシリンダと、
前記ダンパケースの一方側から挿入され、前記シリンダの内周面に摺動自在に配置され前記シリンダ内を区画するピストンに固定されると共に、中空部を有する円筒状のピストンロッドと、
前記ピストンロッドの挿入側の反対側で前記ダンパケース内に設けられ、作動することで油量を可変し、減衰力を可変する弁装置と、
前記反対側で全体が前記ダンパケース内に設けられ、通電されることで前記弁装置を作動する電気駆動装置と、
外部電源から前記電気駆動装置に給電すると共に、前記ピストンロッドの前記中空部を延びる給電体と、
を備え、
前記給電体は、第1給電体を備え、
前記第1給電体は、前記ピストンロッドの内周面に固定されたロッド側給電体と、前記電気駆動装置から前記挿入側に向けて延びる駆動装置側給電体と、を備え、
前記ロッド側給電体と前記駆動装置側給電体とは、導通可能であると共に摺接している
ことを特徴とする油圧緩衝器。 - 前記給電体は、第2給電体を備え、
前記第2給電体は、少なくとも一部に前記ピストンの移動に対応して伸縮可能である伸縮部分を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。 - 前記給電体と別であって、前記外部電源から前記電気駆動装置に給電する他の給電体は、前記ダンパケースを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。 - 更に、
前記ダンパケースと前記シリンダとの間に設けられ、前記ダンパケースとの間にリザーバを形成し、前記シリンダとの間に還流路を形成する外筒体を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の油圧緩衝器。
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