JP6869821B2 - シリンダ装置 - Google Patents

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本発明は、例えば自動車、鉄道車両等の車両の振動を緩衝するのに好適に用いられるシリンダ装置に関する。
一般に、自動車等の車両には、車体(ばね上)側と各車輪(ばね下)側との間に油圧緩衝器に代表されるシリンダ装置が設けられている。ここで、特許文献1には、機能性流体として電気粘性流体を用いたダンパ装置(緩衝器)において、内筒と電極筒との間に、電気粘性流体が流れる流路を形成するための螺旋状の流路形成部を設けた構成が開示されている。
国際公開第2014/135183号
ところで、特許文献1に開示されたシリンダ装置では、内筒の外周面に螺旋状の流路形成部を取付け、この流路形成部が取付けられた内筒を電極筒に圧入する構成としている。この場合、内筒を圧入するときに、内筒に取付けた流路形成部が位置ずれを生じることがあり、流路の変形によって電気粘性流体の流れが不安定になるという問題がある。
本発明の目的は、流路形成部の位置ずれを防止することで、流路における電気粘性流体の流れを良好にできるようにしたシリンダ装置を提供することにある。
本発明によれば、電界により流体の性状が変化する電気粘性流体が封入され、内部にロッドが挿入される筒体と、該筒体の外側に設けられる電極筒と、前記筒体と前記電極筒との間に位置し、軸方向の一端側から他端側に向けて前記ロッドの進退動により前記電気粘性流体が流動する流路を形成する流路形成部と、を有し、前記電極筒と前記流路形成部とは、絶縁性材料を用いて一体物として形成され、前記電極筒の内周面には、前記流路形成部を避けるように導電性の被膜が設けられている。
また、本発明によれば、電界により流体の性状が変化する電気粘性流体が封入され、内部にロッドが挿入される筒体と、該筒体の外側に設けられる電極筒と、前記筒体と前記電極筒との間に位置し、軸方向の一端側から他端側に向けて前記ロッドの進退動により前記電気粘性流体が流動する流路を形成する流路形成部と、を有し、前記電極筒と前記流路形成部とは、一体物として形成され、前記流路形成部は、前記電極筒の内周面に一体形成され前記内周面に沿って螺旋状に延びる突条であり、前記筒体は、その外周面が前記突条に当接した状態で前記電極筒の内周側に圧入されている。
本発明によれば、流路形成部の位置ずれを防止することができ、流路における電気粘性流体の流れを良好にすることができる。
実施形態によるシリンダ装置としての緩衝器を示す縦断面図である。 実施形態による中間筒電極を単体で示す縦断面図である。 中間筒電極を構成する隔壁一体型中間筒を示す縦断面図である。 隔壁一体型中間筒の内周面に導電性被膜を形成するための中子部材を単体で示す外観図である。 隔壁一体型中間筒に中子部材を取付けた状態を示す縦断面図である。
以下、本発明によるシリンダ装置について、4輪自動車等の車両に設けられる緩衝器に適用した場合を例に挙げ、図1ないし図5に従って説明する。
図1において、シリンダ装置としての緩衝器1は、内部に封入する作動油等の電気粘性流体2を用いた減衰力調整式の油圧緩衝器(セミアクティブダンパ)として構成されている。緩衝器1は、例えば、コイルばねからなる懸架ばね(図示せず)と共に、車両用のサスペンション装置を構成する。なお、以下の説明では、緩衝器1の軸方向の一端側を「上端」側とし、軸方向の他端側を「下端」側として記載するが、緩衝器1の軸方向の一端側を「下端」側とし、軸方向の他端側を「上端」側としてもよい。
緩衝器1は、後述の内筒電極3、外筒4、ピストン6、ピストンロッド9、ボトムバルブ13および中間筒電極19を含んで構成されている。
内筒電極3は、最内側の筒体を構成するもので、軸方向に延びる円筒状に形成されている。内筒電極3の内部には、機能性流体である電気粘性流体2が封入されている。また、内筒電極3の内部には、ピストンロッド9が挿入されている。内筒電極3の外側には、外筒4と中間筒電極19が同軸となるように設けられている。内筒電極3の内部には、ピストンロッド9が軸方向に伸縮可能に挿入されている。
内筒電極3は、下端側がボトムバルブ13のバルブボディ14に嵌合して取付けられており、上端側は、ロッドガイド10に嵌合して取付けられている。内筒電極3の上側には、周方向に間隔をもって複数個の油孔3Aが径方向に貫通して設けられている。また、内筒電極3は、後述する中間筒電極19内に圧入される。これにより、内筒電極3の外周面3Bには、中間筒電極19に設けられた複数本(例えば2本)の隔壁22の尾根部22Aが押圧状態で密着される。
ここで、内筒電極3は、導体(電気伝導体)となる材料から形成され、負(マイナス)の電極として構成されている。内筒電極3は、後述する外筒4、ロッドガイド10、ボトムバルブ13等を介して後述する高電圧ドライバ25の負極(マイナス極)に電気的に接続されている。
外筒4は、緩衝器1の外殻をなすもので、導体(電気伝導体)となる材料によって円筒体として形成されている。外筒4は、内筒電極3および中間筒電極19の外側に設けられており、該中間筒電極19との間に各流路23と連通するリザーバ室Aを形成している。この場合、外筒4の下端側は、当該外筒4の下端に溶接手段等を用いてボトムキャップ5が固着されることにより閉塞端となっている。
一方、外筒4の上端側は、開口端となっている。外筒4の開口端側には、例えば、かしめ部4Aが径方向の内側に屈曲して形成されている。かしめ部4Aは、シール部材12の外周側を上側から押えることにより、シール部材12と一緒に内筒電極3、ロッドガイド10および中間筒電極19を外筒4内に固定している。
ここで、内筒電極3と外筒4はシリンダを構成し、該シリンダ内には、電気粘性流体2(ERF:Electro Rheological Fluid)が封入されている。なお、図1では、封入されている電気粘性流体2を無色透明で表している。
電気粘性流体2は、電界(電圧)により性状が変化するものである。即ち、電気粘性流体2は、印加される電圧に応じて粘度が変化し、流通抵抗(減衰力)が変化する。電気粘性流体2は、例えば、シリコンオイル等からなる基油(ベースオイル)と、該基油に混ぜ込まれ(分散され)電界の変化に応じて粘性を可変にする粒子(微粒子)とにより構成されている。
後述するように、緩衝器1は、内筒電極3と中間筒電極19との間の流路23内に電位差を発生させ、流路23を通過する電気粘性流体2の粘度を制御することで、発生減衰力を制御(調整)する構成となっている。
外筒4と中間筒電極19との間には、環状のリザーバ室Aが形成されている。リザーバ室A内には、電気粘性流体2と共に作動気体となるガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。リザーバ室A内のガスは、ピストンロッド9の縮小行程時に、当該ピストンロッド9の進入体積分を補償すべく圧縮される。
ピストン6は、内筒電極3内に摺動可能に設けられている。ピストン6は、内筒電極3内を上側に位置するロッド側油室Bと下側に位置するボトム側油室Cとに仕切っている。ピストン6には、ロッド側油室Bとボトム側油室Cとを連通可能とする油路6A,6Bがそれぞれ周方向に離間して複数個(それぞれ1個のみ図示)形成されている。
ここで、実施形態による緩衝器1は、ユニフロー構造になっている。このため、内筒電極3内の電気粘性流体2は、ピストンロッド9の縮小行程と伸長行程との両行程で、ロッド側油室Bから内筒電極3の各油孔3Aを通じて流路23に向け、常に一方向(図1中に矢印Fで示す方向)に流通する。
このようなユニフロー構造を実現するため、ピストン6の上端面には、例えば、ピストンロッド9の縮小行程でピストン6が内筒電極3内を下向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する縮小側逆止弁7が設けられている。縮小側逆止弁7は、ボトム側油室C内の電気粘性流体2がロッド側油室Bに向けて各油路6A内を流通するのを許し、これとは逆向きに電気粘性流体2が流れるのを阻止する。即ち、縮小側逆止弁7は、ボトム側油室Cからロッド側油室Bへの電気粘性流体2の流通のみを許容する。
ピストン6の下端面には、例えば、伸長側のディスクバルブ8が設けられている。伸長側のディスクバルブ8は、ピストンロッド9の伸長行程でピストン6が内筒電極3内を上向きに摺動変位するときに、ロッド側油室B内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を、各油路6Bを介してボトム側油室C側にリリーフする。
ロッドとしてのピストンロッド9は、内筒電極3内を軸方向(図1の上下方向)に延びている。ピストンロッド9は、下端が内筒電極3内でナット9A等を用いてピストン6に連結(固定)され、上端がロッド側油室Bを通って内筒電極3および外筒4の外部へ延出されている。また、ピストンロッド9の上端側は、ロッドガイド10を介して外部に突出している。なお、緩衝器としては、ピストンロッド9の下端をさらに延ばしてボトム部(例えば、ボトムキャップ5)側から外向きに突出させた両ロッド形式としてもよい。
ロッドガイド10は、内筒電極3と外筒4の上端側に嵌合して設けられている。ロッドガイド10は、内筒電極3と外筒4の上端側を閉塞している。ロッドガイド10は、ガイドブッシュ11を介してピストンロッド9を支持するもので、金属材料(導体)により段付の筒状体として形成されている。この場合、ロッドガイド10は、後述するバルブボディ14が金属材料(導体)である場合に、絶縁体、誘電体、高抵抗体等からなる材料、例えば硬質な樹脂材料を用いて形成することができる。そして、ロッドガイド10は、内筒電極3の上側部分および中間筒電極19の上側部分を、外筒4と同軸に位置決めする。これと共に、ロッドガイド10は、その内周側のガイドブッシュ11でピストンロッド9を軸方向に摺動可能に案内(ガイド)する。
ロッドガイド10と外筒4のかしめ部4Aとの間には、環状のシール部材12が設けられている。シール部材12は、その内周側がピストンロッド9の外周面に摺接することにより、外筒4とピストンロッド9との間を液密、気密に封止(シール)している。
ボトムバルブ13は、内筒電極3の下端側に位置して、内筒電極3とボトムキャップ5との間に設けられている。ボトムバルブ13は、ボトム側油室Cとリザーバ室Aとを連通または遮断するものである。このために、ボトムバルブ13は、バルブボディ14、伸長側逆止弁15および縮小側のディスクバルブ16を含んで構成されている。バルブボディ14は、ボトムキャップ5と内筒電極3との間でリザーバ室Aとボトム側油室Cとを仕切っている。
バルブボディ14には、リザーバ室Aとボトム側油室Cとを連通可能とする油路14A,14Bがそれぞれ周方向に間隔をもって形成されている。バルブボディ14の外周側には、内筒電極3の下端が嵌合して固定されている。また、バルブボディ14の外周側には、内筒電極3よりも外周側に位置して後述の下側保持部材18が嵌合して取付けられている。ここで、バルブボディ14は、金属材料(導体)を用いて段付筒状に形成されている。一方、バルブボディ14は、前述したロッドガイド10が金属材料(導体)である場合に、絶縁体、誘電体、高抵抗体等からなる材料、例えば硬質な樹脂材料を用いて形成することができる。
伸長側逆止弁15は、例えば、バルブボディ14の上面側に設けられている。伸長側逆止弁15は、ピストンロッド9の伸長行程でピストン6が上向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する。伸長側逆止弁15は、リザーバ室A内の電気粘性流体2がボトム側油室Cに向けて各油路14A内を流通するのを許し、これとは逆向きに電気粘性流体2が流れるのを阻止する。即ち、伸長側逆止弁15は、リザーバ室A側からボトム側油室C側への電気粘性流体2の流通のみを許容する。
縮小側のディスクバルブ16は、例えば、バルブボディ14の下面側に設けられている。縮小側のディスクバルブ16は、ピストンロッド9の縮小行程でピストン6が下向きに摺動変位するときに、ボトム側油室C内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を、各油路14Bを介してリザーバ室A側にリリーフする。
上側保持部材17は、内筒電極3上部を取囲むようにロッドガイド10の外周側に嵌合している。上側保持部材17は、中間筒電極19の上端側を軸方向および径方向に位置決めした状態で保持している。上側保持部材17は、例えば電気絶縁性材料(アイソレータ)により形成され、内筒電極3と中間筒電極19との間、ロッドガイド10と中間筒電極19との間をそれぞれ電気的に絶縁した状態に保っている。
一方、下側保持部材18は、中間筒電極19の下端側を軸方向および径方向に位置決めした状態で保持している。下側保持部材18は、上側保持部材17と同様に、例えば電気絶縁性材料(アイソレータ)により形成され、内筒電極3と中間筒電極19との間、バルブボディ14と中間筒電極19との間をそれぞれ電気的に絶縁した状態に保っている。また、下側保持部材18には、流路23をリザーバ室Aに対して連通させる複数の油路18Aが形成されている。
次に、本実施形態の特徴部分となる中間筒電極19の構成について詳細に説明するものとする。
中間筒電極19は、内筒電極3の外側、即ち、内筒電極3と外筒4との間に設けられている。図2に示すように、中間筒電極19は、後述の隔壁一体型中間筒20と導電性被膜24とにより構成されている。
隔壁一体型中間筒20は、中間筒電極19のベース筒をなすもので、絶縁体、誘電体、高抵抗体等からなる材料、例えば硬質な樹脂材料を用いて形成されている。隔壁一体型中間筒20は、例えば、射出成形等の成形手段を用いて長尺な円筒体として形成されている。隔壁一体型中間筒20は、後述の電極筒21と隔壁22とからなる一体物として形成されている。
電極筒21は、内筒電極3よりも大きく、外筒4よりも小さな筒状体として形成されている。即ち、電極筒21の内周面21Aは、内筒電極3の外周面3Bと僅かな隙間をもって径方向で対面している。隔壁一体型中間筒20の内周面21Aには、後述の隔壁22が一体的に設けられている。さらに、電極筒21の軸方向の中間位置には、径方向に貫通して横孔21Bが形成されている。この横孔21Bは、導電性被膜24を形成するときの注入口として利用される。この上で、横孔21Bの位置には、導電性被膜24の接続端部24Aを形成することができ、この接続端部24Aは、後述する高電圧ドライバ25の正極(プラス極)に電気的に接続されている。
電極筒21は、上端側が上側保持部材17を介してロッドガイド10に対して上下方向と径方向に位置決め状態で保持されている。一方、電極筒21の下端側は、下側保持部材18を介してボトムバルブ13のバルブボディ14に対して上下方向と径方向に位置決め状態で保持されている。
隔壁22は、流路形成部を構成するもので、電極筒21の内周側に一体形成されている。隔壁22は、内筒電極3と中間筒電極19の電極筒21との間に設けられている。隔壁22は、内筒電極3と中間筒電極19の電極筒21との間に螺旋状をした後述の流路23を形成するものである。図3に示すように、隔壁22は、電極筒21の内周面21Aに、螺旋状に巻回しつつ電極筒21の軸方向に延びて設けられている。隔壁22は、1本または複数本、例えば2本形成されている。これにより、各隔壁22は、内筒電極3と中間筒電極19の電極筒21(導電性被膜24)との隙間に2本の流路23を形成することができる。
ここで、各隔壁22は、半円形状の断面をもった突条として形成され、電極筒21の内周面21Aから径方向の内向きに突出している。各隔壁22のうち、径方向の内側に向けて高くなった先端部となる尾根部22Aは、絶縁性を維持した状態で内筒電極3の外周面3Bに当接するために、後述の導電性被膜24の形成範囲から外れている。
このように、各隔壁22は、電極筒21の内周側に一体形成されているから、中間筒電極19内に内筒電極3を圧入した場合でも、位置ずれが生じることが無い。これにより、後述する流路23の流路面積を全長に亘って一定にすることができ、各流路23で電気粘性流体2を安定的に流通させることができる。
流路23は、内筒電極3の外周面3Bと中間筒電極19の電極筒21の内周面21Aとの間に設けられている。流路23は、各隔壁22によって螺旋状に延びる複数本、例えば2本に通路として形成されている。各流路23は、上端側から下端側に向けて電気粘性流体2が流通するものである。各流路23は、内筒電極3の油孔3Aによりロッド側油室Bと常時連通している。即ち、図1中に矢印Fで示す電気粘性流体2の流れの方向のように、緩衝器1は、ピストン6の縮小行程および伸長行程の両方で、ロッド側油室Bから油孔3Aを通じて各流路23内に電気粘性流体2が流入する。各流路23内に流入した電気粘性流体2は、ピストンロッド9が内筒電極3内を進退動するとき(即ち、縮小行程と伸長行程を繰返す間)に、この進退動により各流路23の軸方向の上端側から下端側に向けて流動する。そして、各流路23内に流入した電気粘性流体2は、下側保持部材18の油路18Aを介してリザーバ室Aへと流出する。
導電性被膜24は、電極筒21の内周面21Aに設けられている。導電性被膜24は、電極筒21の内周面21Aに、例えば導電性塗料を付着させることにより薄膜状に形成されている。導電性被膜24は、例えば、0.5〜0.8mm程度の膜厚寸法をもって形成されている。導電性被膜24は、後述の製造方法を用いることにより、各隔壁22の尾根部22Aに導電性塗料が付着しないように、この尾根部22Aを除いた電極筒21の内周側に設けることができる。導電性被膜24には、電極筒21の横孔21Bに位置して接続端部24Aが形成されている。この接続端部24Aは、後述する高電圧ドライバ25の正極(プラス極)に電気的に接続されている。
ここで、各隔壁22によって分割された各流路23では、内筒電極3内でピストン6が摺動することによって流通する電気粘性流体2に抵抗を付与する。このために、中間筒電極19は、例えば、高電圧を発生する高電圧ドライバ25に電源となるバッテリ(図示せず)を介して接続されている。高電圧ドライバ25は、電圧供給部(電界供給部)となり、中間筒電極19は、各流路23内の電気粘性流体2に電界(電圧)をかける電極(エレクトロード)となる。この場合、中間筒電極19の両端側は、電気絶縁性の各保持部材17,18によって電気的に絶縁されている。一方、内筒電極3は、ロッドガイド10、ボトムバルブ13、ボトムキャップ5、外筒4等を介して高電圧ドライバ25の負極(グランド)に接続されている。
次に、電極筒21の内周面21Aに導電性被膜24を設ける場合の製造方法の一例について、図2ないし図5を参照しつつ説明する。
導電性被膜24の製造方法では、内筒電極3と中間筒電極19との間を絶縁状態に保持するために、内筒電極3に対して各隔壁22が接触する先端の尾根部22Aを除いて導電性被膜24を形成する必要がある。
まず、導電性被膜24の製造方法に用いる中子部材26について述べる(図4参照)。この中子部材26は、導電性被膜24の膜厚寸法の分だけ、電極筒21の内周面21Aよりも小径な円柱体(または円筒体)として形成されている。また、中子部材26の外周面26Aには、各隔壁22の尾根部22Aが螺合する螺旋状の溝部26Bが形成されている。この溝部26Bは、導電性塗料が付着しないように隔壁22の尾根部22Aを覆う(マスキングする)ものである。
導電性被膜24の製造方法、即ち、中間筒電極19を製造する場合の作業方法の一例について説明する。
射出成形等によって隔壁一体型中間筒20を製造したら、図5に示すように、隔壁一体型中間筒20内に中子部材26を挿入する。このときに、中子部材26の各溝部26Bを隔壁一体型中間筒20の各隔壁22に合せ、各隔壁22の螺旋方向に沿うように、例えば反時計回りに回転させながら中子部材26を隔壁一体型中間筒20に押込む。これにより、中子部材26の外周面26Aと電極筒21の内周面21Aとの間には、導電性被膜24の膜厚寸法分の隙間を形成することができる。この上で、中子部材26の溝部26Bは、隔壁22の尾根部22Aを覆うことができる。
隔壁一体型中間筒20内に中子部材26を挿着したら、隔壁一体型中間筒20、中子部材26の端部および電極筒21の横孔21Bから、隔壁一体型中間筒20と中子部材26との隙間に導電性塗料を注入する。注入した導電性塗料が固化したら、中子部材26を時計回りに回転させながら、隔壁一体型中間筒20から引き抜く。これにより、図2に示すように、各隔壁22の尾根部22Aを避けた電極筒21の内周面21Aに導電性被膜24を設けることができ、中間筒電極19を製造することができる。この中間筒電極19(導電性被膜24)の製造方法では、高電圧ドライバ25を接続するための接続端部24Aも同時に設けることができる。
次に、中間筒電極19に導電性被膜24を設けたら、中間筒電極19に内筒電極3を挿入する。このときに、各隔壁22は、隔壁一体型中間筒20の電極筒21と一体形成されているから、各隔壁22が位置ずれすることが無い。
本実施形態による緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
緩衝器1を自動車等の車両に実装するときは、例えば、ピストンロッド9の上端側を車両の車体側に取付け、外筒4の下端側(ボトムキャップ5側)を車輪側(車軸側)に取付ける。車両の走行時には、路面の凹凸等によって上下方向の振動が発生すると、ピストンロッド9が外筒4から伸長、縮小するように変位する。このとき、コントローラからの指令により高電圧ドライバ25を用いて各流路23内に電位差を発生させ、各流路23を通過する電気粘性流体2の粘度を制御することにより、緩衝器1の発生減衰力を可変に調整する。
ピストンロッド9の伸長行程時には、内筒電極3内のピストン6の移動によってピストン6の縮小側逆止弁7が閉じる。ピストン6のディスクバルブ8の開弁前には、ロッド側油室Bの電気粘性流体2が加圧され、内筒電極3の各油孔3Aを通じて各流路23内に流入する。このとき、ピストン6が移動した分の電気粘性流体2は、リザーバ室Aからボトムバルブ13の伸長側逆止弁15を開いてボトム側油室Cに流入する。
一方、ピストンロッド9の縮小行程時には、内筒電極3内のピストン6の移動によってピストン6の縮小側逆止弁7が開き、ボトムバルブ13の伸長側逆止弁15が閉じる。ボトムバルブ13(ディスクバルブ16)の開弁前には、ボトム側油室Cの電気粘性流体2がロッド側油室Bに流入する。これと共に、ピストンロッド9が内筒電極3内に進入した分に相当する電気粘性流体2が、ロッド側油室Bから内筒電極3の各油孔3Aを通じて各流路23内に流入する。
従って、いずれの場合も(伸長行程時も縮小行程時も)、各流路23内に流入した電気粘性流体2は、各流路23の電位差(内筒電極3と中間筒電極19との間の電位差)に応じた粘度で各流路23内を出口側(下側)に向けて通過し、各流路23から下側保持部材18の油路18Aを通じてリザーバ室Aに流出する。このとき、緩衝器1は、各流路23を通過する電気粘性流体2の粘度に応じた減衰力を発生し、車両の上下振動を緩衝(減衰)することができる。
かくして、本実施形態では、隔壁一体型中間筒20の電極筒21と各隔壁22とを、一体物として形成している。従って、隔壁一体型中間筒20に内筒電極3を圧入するときに、各隔壁22が位置ずれするのを防止することができ、各流路23における電気粘性流体2の流れを良好にすることができる。
また、中間筒電極19の隔壁一体型中間筒20は、絶縁体、誘電体、高抵抗体等からなる硬質な樹脂材料を用いて形成している。従って、隔壁一体型中間筒20の外周面に絶縁性の被膜を設ける必要がないから、絶縁性被膜の一部が剥離して電気粘性流体2に混入する事態を未然に防ぐことができる。
なお、実施形態では、導電性被膜24は、電極筒21の内周面21Aに導電性塗料を付着させることにより薄膜状に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、導電性被膜24は、例えば、導電体を薄膜状に形成してなる導電フィルムを、各隔壁22を避けるように電極筒21の内周面21Aに貼付けることにより形成してもよい。
また、実施形態では、隔壁一体型中間筒20は、樹脂材料を用い、射出成形等の成形手段によって電極筒21と隔壁22とを一体化して形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、切削加工、3Dプリンタ等の加工手段を用いて隔壁一体型中間筒20を形成する構成としてもよい。
実施形態では、導電性被膜24の製造方法に用いる中子部材26には、螺旋状に延びる突条として形成された隔壁22に対応するように、その外周面26Aに螺旋状の溝部26Bを形成し、中子部材26を螺旋形状に合わせて回転させながら隔壁一体型中間筒20に抜き差しするものとして記載した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、隔壁は、蛇行形状、ジグザグ形状等の他の形状に形成してもよい。この場合、中子部材を弾性体によって形成することにより、中子部材を隔壁に密着させることができる上に、隔壁一体型中間筒に対して中子部材を直線的に抜き差しすることができる。
実施形態では、緩衝器1をユニフロー構造とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、緩衝器をバイフロー構造としてもよい。なお、バイフロー構造とした場合には、ロッドの進退方向が反対になったときには、油孔が流出部となる。
実施形態では、緩衝器1を上下方向に配置する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばエアレーションを起こさない範囲で傾けて配置する等、取付対象に応じて所望の方向に配置することができる。
実施形態では、電気粘性流体2は、軸方向の上端側(一端側)から下端側(他端側)に向けて流動する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、緩衝器1の配設方向に応じて、例えば下端側から上端側に向けて流動する構成、左端側(または右端側)から右端側(または左端側)に向けて流動する構成、前端側(または後端側)から後端側(または前端側)に向けて流動する構成等、軸方向の他端側から一端側に向けて流動する構成とすることができる。
実施形態では、シリンダ装置としての緩衝器1を4輪自動車に用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば2輪車に用いる緩衝器、鉄道車両に用いる緩衝器、一般産業機器を含む各種の機械機器に用いる緩衝器、建築物に用いる緩衝器等、緩衝すべき対象を緩衝する各種の緩衝器(シリンダ装置)として広く用いることができる。さらに、実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。即ち、シリンダ装置(緩衝器)は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更が可能である。
以上説明した実施形態に基づくシリンダ装置として、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様としては、電界により流体の性状が変化する電気粘性流体が封入され、内部にロッドが挿入される筒体と、該筒体の外側に設けられる電極筒と、前記筒体と前記電極筒との間に位置し、軸方向の一端側から他端側に向けて前記ロッドの進退動により前記電気粘性流体が流動する流路を形成する流路形成部と、を有し、前記電極筒と前記流路形成部とは、一体物として形成されていることを特徴としている。
第2の態様としては、第1の態様において、前記電極筒と前記流路形成部とは、絶縁性材料を用いて一体形成され、前記電極筒の内周面には、前記流路形成部を避けるように導電性の被膜が設けられていることを特徴としている。
第3の態様としては、第1の態様において、前記流路形成部は、前記電極筒の内周面に一体形成され前記内周面に沿って螺旋状に延びる突条であり、前記筒体は、その外周面が前記突条に当接した状態で前記電極筒の内周側に圧入されていることを特徴としている。
1 緩衝器(シリンダ装置)
2 電気粘性流体
3 内筒電極(筒体)
3B 外周面
4 外筒
9 ピストンロッド(ロッド)
19 中間筒電極
20 隔壁一体型中間筒
21 電極筒
21A 内周面
22 隔壁(流路形成部)
22A 尾根部
23 流路
24 導電性被膜

Claims (2)

  1. 電界により流体の性状が変化する電気粘性流体が封入され、内部にロッドが挿入される筒体と、
    該筒体の外側に設けられる電極筒と、
    前記筒体と前記電極筒との間に位置し、軸方向の一端側から他端側に向けて前記ロッドの進退動により前記電気粘性流体が流動する流路を形成する流路形成部と、
    を有し、
    前記電極筒と前記流路形成部とは、絶縁性材料を用いて一体物として形成され
    前記電極筒の内周面には、前記流路形成部を避けるように導電性の被膜が設けられていることを特徴とするシリンダ装置。
  2. 電界により流体の性状が変化する電気粘性流体が封入され、内部にロッドが挿入される筒体と、
    該筒体の外側に設けられる電極筒と、
    前記筒体と前記電極筒との間に位置し、軸方向の一端側から他端側に向けて前記ロッドの進退動により前記電気粘性流体が流動する流路を形成する流路形成部と、
    を有し、
    前記電極筒と前記流路形成部とは、一体物として形成され、
    前記流路形成部は、前記電極筒の内周面に一体形成され前記内周面に沿って螺旋状に延びる突条であり、
    前記筒体は、その外周面が前記突条に当接した状態で前記電極筒の内周側に圧入されていることを特徴とするシリンダ装置。
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