JP6679941B2 - 印刷装置、制御方法、及び、印刷システム - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッド素子を備えるサーマル式の印刷装置等に関し、特に、ヘッド素子の劣化状態を適確に把握することのできると共に、保持するデータ量を小さく抑えることができる印刷装置等に関する。
従来、レシートなどの印刷においてサーマル式のプリンターが普及している。かかるサーマルプリンターは、印刷ヘッドに複数のヘッド素子を備え、それらのヘッド素子に電圧を印加することによってヘッド素子の抵抗要素(発熱体)を発熱させ、用紙に印刷を行う。従って、このようなプリンターではヘッド素子に不良があると印刷品質が低下し好ましくない。
下記特許文献1では、サーマルヘッドの不良検出方法が提案され、発熱素子の抵抗値を用いてその最大値と最小値に基づきヘッドの良・不良を判断することが開示されている。
特開2000−141730号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、ヘッド素子の良・不良の検出であり、ヘッド素子の劣化の進行状態を把握することはできない。
特に、販売店等で用いられるレシートプリンターなどにおいては、レシートに印刷されるバーコードがかすれてしまうような印刷不良は避けられなければならず、ヘッド素子を不良になる前の適切なタイミングで交換できるようにすることが望まれる。すなわち、ヘッド素子の劣化状態をよりきめ細かく管理できる技術が望まれる。
また、ヘッド素子の劣化判断のために、プリンターが保持すべきデータ量を少なく抑えたいという要望もある。
そこで、本発明の目的は、ヘッド素子を備えるサーマル式の印刷装置であって、ヘッド素子の劣化状態を適確に把握することのできると共に、保持するデータ量を小さく抑えることができる印刷装置、等を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、印刷装置が、複数のヘッド素子を備えるサーマルヘッドと、前記ヘッド素子に印刷用電圧と検査用電圧を印加する電圧印加回路と、前記サーマルヘッドと前記電圧印加回路を制御するヘッド制御部と、前記ヘッド素子の分圧電圧と抵抗値を対応付けて収めた変換テーブルを記憶するデータ記憶部と、を有し、前記ヘッド制御部は、所定のタイミングで、前記電圧印加回路によって前記検査用電圧を前記ヘッド素子に印加し、前記ヘッド素子の分圧電圧を測定し、前記変換テーブルに基づいて前記測定した分圧電圧を抵抗値に変換し、前記変換された抵抗値に基づいて劣化情報を求め、当該劣化情報を前記データ記憶部に記憶する、ことである。
上記側面により、適切なタイミングで、ヘッド素子の抵抗値からヘッド素子の劣化判断を行うことができ、また、印刷装置は変換テーブルを予め記憶しておけばよく、印刷装置に記憶するデータ量を少なく抑えることができる。
更に、上記発明において、その好ましい態様は、前記データ記憶部は、前記ヘッド素子の分圧電圧あるいは抵抗値の初期値を記憶し、前記ヘッド制御部は、前記初期値に基づいて前記劣化情報を求める、ことを特徴とする。
上記態様によれば、劣化判断には、ヘッド素子の初期値が用いられるので、適確な劣化判断を行うことができる。
更に、上記発明において、その好ましい一つの態様は、前記劣化情報は、前記ヘッド素子の抵抗値の変化率を含む、ことを特徴とする。
上記態様により、適確な劣化判断を行うことができる。
更に、上記発明において、その好ましい一つの態様は、前記分圧電圧は、4バイト以下のデータで表現される、ことを特徴とする。
上記態様により、印刷装置に記憶しておくデータ量を少なく抑えることができる。
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、複数のヘッド素子を備えるサーマルヘッドと、前記ヘッド素子に印刷用電圧と検査用電圧を印加する電圧印加回路と、前記ヘッド素子の分圧電圧と抵抗値を対応付けて収めた変換テーブルを記憶するデータ記憶部と、を備える印刷装置の制御方法において、所定のタイミングで、前記電圧印加回路によって前記検査用電圧を前記ヘッド素子に印加し、前記ヘッド素子の分圧電圧を測定し、前記変換テーブルに基づいて前記測定した分圧電圧を抵抗値に変換し、前記変換された抵抗値に基づいて劣化情報を求め、当該劣化情報を前記データ記憶部に記憶する、ことである。
上記の目的を達成するために、本発明の更に別の側面は、制御装置と印刷装置を備える印刷システムにおいて、前記印刷装置は、複数のヘッド素子を備えるサーマルヘッドと、前記ヘッド素子に印刷用電圧と検査用電圧を印加する電圧印加回路と、前記ヘッド素子の分圧電圧と抵抗値を対応付けて収めた変換テーブルを記憶するデータ記憶部と、所定のタイミングで、前記電圧印加回路によって前記検査用電圧を前記ヘッド素子に印加し、前記ヘッド素子の分圧電圧を測定し、前記変換テーブルに基づいて前記測定した分圧電圧を抵抗値に変換し、前記変換された抵抗値に基づいて劣化情報を求め、当該劣化情報を前記データ記憶部に記憶する前記ヘッド制御部と、を備え、前記ヘッド制御部は、前記ヘッド素子の分圧電圧及び/又は前記劣化情報を前記制御装置へ送信する、ことである。
上記側面により、外部装置で印刷装置の劣化管理を容易に行うことができる。
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
本発明を適用した印刷装置の実施の形態例に係る構成図である。 電圧印加回路25とサーマルヘッド26の一例を示した回路図である。 分圧電圧値(AD値)と抵抗値(Rhead)の関係を示すグラフである。 変換テーブルCTの一例を示した図である。 初期値取得処理の手順を例示したフローチャートである。 状態値取得処理の手順を例示したフローチャートである。 劣化情報取得処理の手順を例示したフローチャートである。 劣化情報の一例を示した図である。 別の実施形態による劣化判断処理の手順を示したフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
図1は、本発明を適用した印刷装置の実施の形態例に係る構成図である。図1に示すプリンター2が本発明を適用した印刷装置であり、本プリンター2では、初回起動時等に、そのサーマルヘッド26に備えられる各ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の各分圧電圧値(AD値)を測定して初期値として記憶しておき、その後、所定のタイミングで、各ヘッド素子の各分圧電圧値(AD値)を測定して状態値として取得し、ヘッド素子毎に、その状態値と記憶しておいた初期値を予め記憶した変換テーブルCTに基づいてヘッド素子の抵抗値に変換し、変換後のそれら抵抗値からそのヘッド素子の劣化状態を判定する。
これにより、各ヘッド素子の劣化状態を適確に把握することができ、ヘッド素子が不良になって印刷品質を落としてしまう前にヘッド素子の交換が行えるようになる。更に、プリンター2は、上記劣化判断のために、上述した分圧電圧値を抵抗値に変換する変換テーブルCTを予め記憶しておけばよく、プリンター内に保持すべきデータ量を少なく抑えることができる。
図1に示すように、本実施の形態例では、プリンター2はPOS(Point Of Sales)端末装置1(制御装置)からの印刷命令によりレシート等を印刷する印刷装置である。POS端末装置1及びプリンター2は、それぞれ、インターネットなどの通信網4を介して劣化管理サーバー3(制御装置)と通信可能に構成される。POS端末装置1とプリンター2でプリンターシステム100(印刷システム)を構成することができ、また、POS端末装置1とプリンター2と劣化管理サーバー3で、あるいは、プリンター2と劣化管理サーバー3で、劣化管理システム200(印刷システム)を構成することができる。
なお、図示していないが、通信網4には、複数のプリンターシステム100、POSサーバー等が接続され得る。
POS端末装置1は、販売店などに設置されるいわゆるレジであり、プリンター2にレシート等の印刷命令を行うプリンター2のホスト装置である。POS端末装置1は、図示していないが、CPU、RAM、ROM、表示装置、入力装置(バーコードリーダーなど)、通信装置等を備え、商品販売時における精算処理等を実行する。また、後述の通り、POS端末装置1が、プリンター2のヘッド素子(RH−1〜RH−n)の劣化管理を行ってもよい。
図1に示す通り、POS端末装置1は、機能構成としてPOSアプリケーション部11、プリンタードライバー部12、及び、劣化管理部13を備える。
POSアプリケーション部11は、商品販売時の精算処理、レシート・クーポンの印刷要求、図示していないPOSサーバーへのデータ送信等を担う部分である。印刷要求時には、印刷要求データをプリンタードライバー部12に出力する。
プリンタードライバー部12は、レシートプリンター2用のドライバー機能を担う部分である。プリンタードライバー部12は、POSアプリケーション部11から出力された印刷要求データを受信し、その印刷要求データに従ってプリンター2用のコマンドで表現された印刷データを生成し、プリンター2へ送信する。
劣化管理部13は、プリンター2のヘッド素子(RH−1〜RH−n)の劣化管理を行う部分である。具体的な機能については後述する。
なお、POSアプリケーション部11、プリンタードライバー部12、及び、劣化管理部13は、それぞれ、各処理内容を指示するプログラム、当該プログラムによって動作するCPU、RAM等によって構成される。
次に、劣化管理サーバー3は、プリンター2など管理対象のプリンターの劣化に関する情報を管理するサーバーである。図視していないが、劣化管理サーバー3は、サーバーコンピューターで構成され、CPU、RAM、ROM、HDD、表示装置、入力装置、通信装置等を備える。劣化管理サーバー3の具体的な機能については後述する。
次に、プリンター2は、POS端末装置1の命令に従って(印刷データに従って)レシート・クーポン等を印刷する、ラインヘッドを備えたサーマルプリンターである。プリンター2は、印刷媒体(ロール状の用紙等)に印刷対象を印刷し、印刷が完了するとカッターにより用紙を切断し、排出する。
また、プリンター2は、いわゆるインテリジェントプリンターと呼ばれるものであり、一般的なプリンターにおける印刷制御を行う制御装置のほかに、パーソナルコンピューターと同様のデータ処理装置(演算装置)を備える。
プリンター2は、図1に示すような機能構成を備える。通信部21は、外部装置と通信を行う通信装置であり、POS端末装置1、劣化管理サーバー3などとの通信機能を担う。
メイン制御部22は、後述するヘッド制御部23が担う制御機能以外の制御機能を担う、プリンター2のメインコントローラーである。上述したパーソナルコンピューターと同様のデータ処理装置(演算装置)で構成される。
ヘッド制御部23は、サーマルヘッド26及び電圧印加回路25を制御し、印刷媒体に印刷を実行させると共に、サーマルヘッド26が備えるヘッド素子(RH−1〜RH−n)の劣化状態を判定する処理を行う。ヘッド制御部23は、CPU、RAM、ROM、ASIC等で構成され、主にROMに記憶されたプログラムに従ってCPUが動作することにより、処理を実行する。ヘッド制御部23による具体的な処理内容は後述する。
データ記憶部24は、ヘッド制御部23による、上述したヘッド素子(RH−1〜RH−n)の劣化状態を判定する処理に関するデータを記憶する部分である。データ記憶部24は、具体的には、後述する変換テーブルCT、各ヘッド素子の初期値(分圧電圧値、AD値)、及び、劣化情報(ヘッド素子の識別番号(ヘッド素子No.)とそのヘッド素子の劣化度合(抵抗値変化率)、等)等のデータを記憶する。なお、データ記憶部24は、NVRAMなどで構成することができる。
電圧印加回路25は、サーマルヘッド26に電圧を印加する回路である。電圧印加回路25は、電圧値の異なる2つの電源(24V、3.3V)を備え、印刷実行時には印刷用電圧(24V)をサーマルヘッド26に印加し、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の検査実行時には検査用電圧(3.3V)をサーマルヘッド26に印加する。
サーマルヘッド26は、複数のヘッド素子(RH−1〜RH−n)とそれらの選択部を備える。印刷実行時には、選択部によって選択されたヘッド素子(RH−1〜RH−n)に印刷用電圧が印加され、そのヘッド素子の発熱体(抵抗要素)が発熱し印刷媒体に印刷がなされる。また、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の検査実行時(劣化判断実行時)には、選択部によって選択されたヘッド素子(RH−1〜RH−n)に検査用電圧が印加される。
図2は、電圧印加回路25とサーマルヘッド26の一例を示した回路図である。図2に示す通り、サーマルヘッド26は、ラインヘッドを構成する複数のヘッド素子(RH−1〜RH−n)とラッチドライバー262とn段のFF(フリップフロップ)からなるシフトレジスター263を備えている。上述した選択部は、ラッチドライバー262とシフトレジスター263で構成される。また、各ヘッド素子(RH−1〜RH−n)は、図2に示されるように、発熱体である抵抗要素を備える。
シフトレジスター263は、通常複数の半導体素子によって構成されており、例えば、第1段のシフトレジスターのDO(Data Out)は第2段シフトレジスターのDI(Data In)に接続されるように順次連結されている。
ラッチドライバー262は、ストローブ信号の入力端子STBと、ラッチ信号の入力端子LATを備えている。また、n段の各シフトレジスターは、印刷データであるシリアルデータが入力される入力端子DI、クロック信号の入力端子CLK、シフトレジスター263からあふれたシリアルデータが出力される出力端子DOを備えている。
図2の左側でこれらの回路に接続されるヘッド制御部23からの制御信号によって第1段のシフトレジスターの入力端子DIから、クロック信号に対応して1ビットずつ1ライン分のシリアルデータが入力される。次に、1ライン分のシリアルデータがシフトレジスターに格納された時点で、ラッチ信号によって1ライン分のシリアルデータをパラレルデータとしてラッチドライバー5に格納する。
次に、ストローブ信号を受信したラッチドライバー262は、ストローブ信号を受けている間、ラッチしたデータの“1”に相当するヘッド素子に通電する。この通電によって印刷媒体に1ライン分(1ドット)の画像が形成され、図示しない紙送り機構によって1ドット分の紙送りが実行される。この手順を繰り返すことで印刷が実行される。
また、電圧印加回路25は、スイッチ信号(SW24VAあるいはDOT_DETECT)によって、ヘッド素子の印刷用電源24[V]及び検査用電源3.3[V]のON/OFFを制御する。なお、検査用電源は、ヘッド制御部23の電源と同じ電圧が望ましく、一例として、ここでは3.3Vとしている。これにより、後述するA/D変換時の誤差が少なくなる。
上述した印刷の実行時には、ヘッド制御部23からのSW24VA信号により、FETで構成されるスイッチング素子QF5をONとして、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)へ印刷用電圧24Vを印加する。
一方、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の検査時(劣化判断時)には、スイッチング素子QF5をOFFにして、ヘッド制御部23からのDOT_DETECT信号のより、それぞれFETで構成されるスイッチング素子QF1及びQF2をONとして、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)へ検査用電圧3.3Vを印加する。
次に、ヘッド制御部23はDI信号で検査対象のヘッド素子(RH−1〜RH−n)を指定(選択)し、ラッチドライバー262によってそのヘッド素子(RH−1〜RH−n)が通電される。
これにより、検査用抵抗R1とヘッド素子の抵抗要素(発熱体)をつなぐ直列回路が形成され、ヘッド制御部23は、READ_HEAD信号で上記直列回路の検査用抵抗R1とヘッド素子の抵抗要素(発熱体)間の分圧電圧を取得(測定)する。具体的には、A/DコンバーターADCを介して、A/D変換されたAD値を取得する。なお、通電時間が長いと印字がなされる場合があるが、通常検査用電圧がヘッド素子に通電されても印字はなされない。
以上のような構成を備えるプリンター2では、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の劣化判断に係る処理に特徴があり、以下、その具体的な内容について説明する。
まず、分圧電圧値(AD値)を抵抗値(Ω)に変換するための変換テーブルCTについて説明する。当該変換テーブルCTは、プリンター2の出荷前に生成されて、プリンター2のデータ記憶部24に記憶される。
ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の検査時(劣化判断時)に形成される、上述した検査用抵抗R1とヘッド素子の抵抗要素(発熱体)をつなぐ直列回路では、検査用抵抗R1の抵抗値(Ω)をRで表現し、ヘッド素子の抵抗要素の抵抗値(Ω)をRheadで表現すると、以下の関係式(1)が成り立つ。
Rhead=(R×AD)/(255−AD) (1)
なお、ADは、図2の「READ_HEAD」でA/DコンバーターADCを介して読み取られる分圧電圧値(AD値)であり、例えば、0−255(0−3.3Vに相当)の1バイトのデータで表現される。なお、分圧電圧値(AD値)は、4バイト以下のデータで表現されることが好ましい。
図3は、分圧電圧値(AD値)と抵抗値(Rhead)の関係を示すグラフである。図3に例示されるグラフは、検査用抵抗R1の抵抗値Rを255Ωとした場合に、上記関係式(1)に基づいて求められるものである。当該グラフは、測定(取得)された分圧電圧値(AD値)を抵抗値(Rhead)に変換するために用いることができ、その対応関係を表形式で表現したものが変換テーブルCTである。
図4は、変換テーブルCTの一例を示した図である。図4に示すように、変換テーブルCTには、分圧電圧値である「AD値」に、上記関係式(1)で対応付けられる「抵抗値(Ω)」が対応付けて収められている。従って、変換テーブルCTを用いれば、検査時(劣化判断時)に、測定(取得)されるAD値から、測定対象のヘッド素子の抵抗値(Rhead)をすぐに取得することができる。
このような変換テーブルCTが、出荷前の各プリンターに記憶される。なお、プリンター2の各個体には、基板上のパターンや素子の抵抗値に起因する誤差があるので、実際の測定を行って、その測定結果に合うように上記変換テーブルCTの値(抵抗値又はAD値)に補正を加えるようにしてもよい。この場合には、プリンター2の各個体に応じた変換テーブルCTが生成されて、プリンター2に記憶される。
次に、各ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の初期値の取得処理について説明する。
ヘッド素子(RH−1〜RH−n)においては、劣化が進むことによりその発熱体(抵抗素子)の抵抗値が変化することが知られている。変化の仕方にはいくつかの現象が見られるが、1つの現象においては、抵抗値が徐々に増加していく。また、他の現象においては、抵抗値が徐々に減少していき、その後急激に増加する。いずれの場合においても、ある程度以上に抵抗値が増加すると印刷時に十分に発熱せず印刷不良を起こす虞がある。
従って、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の劣化判断では、各ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の(発熱体の)抵抗値の変化を段階的に把握することが重要である。
そのため、本プリンター2では、まず、各ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の初期状態の値(初期値)を把握する処理(初期値取得処理)を行った後、適切な頻度でその時の状態を示す値(状態値)を測定し、初期値と状態値によって劣化判断を行う。
図5は、初期値取得処理の手順を例示したフローチャートである。初期値取得処理は、本プリンター2の初回起動時等に実行される。
ヘッド制御部23は、まず、上述したように、電圧印加回路25に信号を出し、検査用電圧(3.3V)をサーマルヘッド26に印加する(図5のステップS1)。
次に、ヘッド制御部23は、初期値を取得する1つのヘッド素子(RH−1〜RH−n)を選択し、そのヘッド素子(RH−1〜RH−n)に通電する(図5のステップS2及びS3)。具体的には、上述の通り、DI信号をサーマルヘッド26に出して、そのヘッド素子に通電させる。
これにより、検査用抵抗R1と当該ヘッド素子の抵抗要素(発熱体)をつなぐ直列回路が形成されるので、電圧が安定するのを待った後(図5のステップS4)、ヘッド制御部23は、READ_HEAD信号で上記直列回路の検査用抵抗R1とヘッド素子の抵抗要素(発熱体)間の分圧電圧の測定値(AD値)を取得する(図5のステップS5)。すなわち、当該ヘッド素子の(抵抗要素(発熱体)の)初期抵抗値に対応する情報が取得される。
次に、ヘッド制御部23は、取得したAD値を当該ヘッド素子の初期値として、データ記憶部24に記憶(保存)する(図5のステップS6)。
なお、取得したAD値を、データ記憶部24に記憶される上記変換テーブルCTを用いて抵抗値に変換し、変換後の抵抗値を初期値としてデータ記憶部24に記憶するようにしてもよい。なお、AD値を初期値とすることにより、記憶するデータ量を1バイトに抑えることができる。
ヘッド制御部23は、以上説明した初期値取得処理(S2−S6)を、全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について実行する(図5のステップS7のNo)。
全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について初期値取得処理が実行されると(図5のステップS7のYes)、処理が終了し、全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について初期値がデータ記憶部24に記憶される。
次に、劣化判断処理について説明する。初期値取得処理が行われた後、プリンター2が使用され、所定のタイミングになると、ヘッド制御部23は、劣化判断処理を実行する。なお、所定のタイミングについては後述する。
まず、ヘッド制御部23は、状態値取得処理を実行する。
図6は、状態値取得処理の手順を例示したフローチャートである。まず、ヘッド制御部23は、上述したように、電圧印加回路25に信号を出し、印刷用電圧(24V)のサーマルヘッド26への印加を遮断する(図6のステップS11)。そして、ヘッド制御部23は、上述したように電圧印加回路25に信号を出し、検査用電圧(3.3V)をサーマルヘッド26に印加する(図6のステップS12)。
次に、ヘッド制御部23は、状態値を取得する1つのヘッド素子(RH−1〜RH−n)を選択し、そのヘッド素子(RH−1〜RH−n)に通電する(図6のステップS13及びS14)。具体的には、上述の通り、DI信号をサーマルヘッド26に出して、そのヘッド素子に通電させる。
これにより、検査用抵抗R1と当該ヘッド素子の抵抗要素(発熱体)をつなぐ直列回路が形成されるので、電圧が安定するのを待った後(図6のステップS15)、ヘッド制御部23は、READ_HEAD信号で上記直列回路の検査用抵抗R1とヘッド素子の抵抗要素(発熱体)間の分圧電圧の測定値(AD値)を取得する(図6のステップS16)。すなわち、当該ヘッド素子の(抵抗要素(発熱体)の)その時点の抵抗値に対応する情報が取得される。
次に、ヘッド制御部23は、取得したAD値を当該ヘッド素子の状態値として、データ記憶部24に記憶(保存)する(図6のステップS17)。なお、状態値は、ヘッド制御部23内のRAMに記憶してもよい。
なお、取得したAD値を、データ記憶部24に記憶される上記変換テーブルCTを用いて抵抗値に変換し、変換後の抵抗値を状態値としてデータ記憶部24に記憶するようにしてもよい。なお、AD値を状態値とすることにより、記憶するデータ量を1バイトに抑えることができる。
ヘッド制御部23は、以上説明した状態値取得処理(S13−S17)を、全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について実行する(図6のステップS18のNo)。
全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について状態値取得処理が実行されると(図6のステップS18のYes)、処理が終了し、全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について状態値がデータ記憶部24に記憶される。
引き続きヘッド制御部23は、劣化情報取得処理(抵抗値変化率取得処理)を実行する。
図7は、劣化情報取得処理の手順を例示したフローチャートである。まず、ヘッド制御部23は、1つのヘッド素子(RH−1〜RH−n)を選択する(図7のステップS21)。その後、ヘッド制御部23は、データ記憶部24にアクセスし、選択したヘッド素子(RH−1〜RH−n)の初期値を読み出す(図7のステップS22)。当該初期値は、上述した初期値取得処理で取得されて記憶されたものである。
ヘッド制御部23は、読み出した初期値を、データ記憶部24に記憶された変換テーブルCTを用いて、抵抗値に変換する(図7のステップS23)。読み出された初期値はAD値であるので、変換テーブルCTにおいて、そのAD値に対応付けて記憶されている抵抗値(Ω)を読み出すことによって、抵抗値への変換を行う。
次に、ヘッド制御部23は、データ記憶部24にアクセスし、選択したヘッド素子(RH−1〜RH−n)の状態値を読み出す(図7のステップS24)。当該状態値は、上述した状態値取得処理で取得されて記憶されたものである。
ヘッド制御部23は、読み出した状態値を、データ記憶部24に記憶された変換テーブルCTを用いて、抵抗値に変換する(図7のステップS25)。読み出された状態値はAD値であるので、変換テーブルCTにおいて、そのAD値に対応付けて記憶されている抵抗値(Ω)を読み出すことによって、抵抗値への変換を行う。
次に、ヘッド制御部23は、抵抗値変化率の計算を行う(図7のステップS26)。具体的には、下記(2)式を用いて行う。
抵抗値変化率(%)=(状態値(Ω)−初期値(Ω))/初期値(Ω)×100 (2)
なお、初期値(Ω)は、ステップS23で抵抗値に変換された初期値であり、状態値(Ω)は、ステップS25で抵抗値に変換された状態値である。
計算された抵抗値変化率が、マイナスである場合には、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の抵抗値が減少していることを意味し、計算された抵抗値変化率が、プラスである場合には、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の抵抗値が増加していることを意味する。
上述の通り、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の劣化が進んでいる場合、その抵抗値が減少している場合及び増加している場合があり、いずれの場合にもその絶対値が所定値以上になった場合には、ドット抜けの虞があるとしてユーザーに報知すべきである。
従って、その所定値を閾値として設定し、上記計算された抵抗値変化率がその閾値を超えたか否かを、ヘッド制御部23は判断する。具体的には、閾値は、例えば、絶対値で「15%」と「30%」に設定される。
その後、ヘッド制御部23は、上記算出した抵抗値変化率と上記閾値を用いた判断結果を、劣化情報としてデータ記憶部24に記憶(保存)する(図7のステップS27)。
図8は、劣化情報の一例を示した図である。図8に例示される劣化情報は、各ヘッド素子(RH−1〜RH−n)の識別情報(ヘッド素子No.)に、そのヘッド素子(RH−1〜RH−n)の上記算出した抵抗値変化率と、上記閾値を用いた判断結果としてのアラームフラグが対応付けられた情報である。これらの情報がデータ記憶部24に記憶(保存)される。
図8に示される例では、上述した閾値として、例えば、「15%」、「30%」、「−15%」、「−30%」の4つの閾値が設定されている場合である。「15%」と「−15%」の閾値は軽度の劣化進行の基準であり、これらを超えた(「−15%」については、これよりも下回る)ヘッド素子(RH−1〜RH−n)のアラームフラグには、ON(A)が立つ(記憶される)。また、「30%」と「−30%」の閾値は強度の劣化進行の基準であり、これらを超えた(「−30%」については、これよりも下回る)ヘッド素子(RH−1〜RH−n)のアラームフラグには、ON(B)が立つ(記憶される)。なお、閾値を超えていないヘッド素子(RH−1〜RH−n)のアラームフラグには、OFFが記憶される。
例えば、図8において、ヘッド素子No.「2」のヘッド素子(RH−1〜RH−n)は、抵抗値変化率が「5%」であり、従って、アラームフラグは「OFF」となる。また、ヘッド素子No.「61」のヘッド素子(RH−1〜RH−n)は、抵抗値変化率が「−18%」であり、従って、アラームフラグは「ON(A)」となる。また、ヘッド素子No.「150」のヘッド素子(RH−1〜RH−n)は、抵抗値変化率が「33%」であり、従って、アラームフラグは「ON(B)」となる。これらの劣化情報から、ヘッド素子No.「2」のヘッド素子(RH−1〜RH−n)は劣化があまり進んでいないと判断でき、ヘッド素子No.「61」のヘッド素子(RH−1〜RH−n)は劣化がある程度進んでいると判断でき、ヘッド素子No.「150」のヘッド素子(RH−1〜RH−n)は劣化がかなり進んでいると判断できる。
ヘッド制御部23は、以上説明した劣化情報取得処理(S21−S27)を、全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について実行する(図7のステップS28のNo)。
全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について劣化情報取得処理が実行されると(図7のステップS28のYes)、処理が終了し、全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について劣化情報がデータ記憶部24に記憶される。
以上説明した、劣化判断処理(状態値取得処理と劣化情報取得処理)が実行される上記所定のタイミングは、プリンター2の電源をONにした際、所定の使用時間が経過した際、所定量の印刷を行った際などとすることができる。
なお、上述の実施の形態例では、全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について状態値を取得した後に、劣化情報取得処理を行ったが、ヘッド素子(RH−1〜RH−n)毎に、状態値の取得と劣化情報の取得を連続して行う処理手順としてもよい。
図9は、別の実施形態による劣化判断処理の手順を示したフローチャートである。当該手順によれば、まず、ヘッド制御部23は、電圧印加回路25に信号を出し、印刷用電圧(24V)のサーマルヘッド26への印加を遮断する(図9のステップS31)。そして、ヘッド制御部23は、上述したように電圧印加回路25に信号を出し、検査用電圧(3.3V)をサーマルヘッド26に印加する(図9のステップS32)。
次に、ヘッド制御部23は、1つのヘッド素子(RH−1〜RH−n)を選択し、そのヘッド素子(RH−1〜RH−n)に通電する(図9のステップS33及びS34)。具体的には、上述の通り、DI信号をサーマルヘッド26に出して、そのヘッド素子に通電させる。
これにより、検査用抵抗R1と当該ヘッド素子の抵抗要素(発熱体)をつなぐ直列回路が形成されるので、電圧が安定するのを待った後(図9のステップS35)、ヘッド制御部23は、READ_HEAD信号で上記直列回路の検査用抵抗R1とヘッド素子の抵抗要素(発熱体)間の分圧電圧の測定値(AD値)を取得する(図9のステップS36)。すなわち、当該ヘッド素子の(抵抗要素(発熱体)の)その時点の抵抗値に対応する情報が取得される。
次に、ヘッド制御部23は、取得した状態値を、データ記憶部24に記憶された変換テーブルCTを用いて、抵抗値に変換する(図9のステップS37)。読み出された状態値はAD値であるので、変換テーブルCTにおいて、そのAD値に対応付けて記憶されている抵抗値(Ω)を読み出すことによって、抵抗値への変換を行う。
次に、ヘッド制御部23は、データ記憶部24にアクセスし、選択したヘッド素子(RH−1〜RH−n)の初期値を読み出す(図9のステップS38)。当該初期値は、上述した初期値取得処理で取得されて記憶されたものである。
ヘッド制御部23は、読み出した初期値を、データ記憶部24に記憶された変換テーブルCTを用いて、抵抗値に変換する(図9のステップS39)。読み出された初期値はAD値であるので、変換テーブルCTにおいて、そのAD値に対応付けて記憶されている抵抗値(Ω)を読み出すことによって、抵抗値への変換を行う。
次に、ヘッド制御部23は、抵抗値変化率の計算を行う(図9のステップS40)。具体的には、上述した図7のステップS26と同様に行う。
その後、ヘッド制御部23は、劣化情報の保存処理を実行する(図9のステップS41)。具体的には、図7のステップS27と同様に行う。
ヘッド制御部23は、以上説明した劣化判断処理(S31−S41)を、全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について実行する(図9のステップS42のNo)。
全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について劣化判断処理が実行されると(図9のステップS42のYes)、処理が終了し、全てのヘッド素子(RH−1〜RH−n)について劣化情報がデータ記憶部24に記憶される。
以上で、別の実施形態による劣化判断処理が終了する。
なお、POS端末装置1、劣化管理サーバー3などの外部装置(ホスト装置)からの指示(命令)を受けた際に劣化判断処理を実行してもよい。この場合には、劣化判断処理の実行を命令するプリンター2用のコマンドを用意し、ホスト装置側から当該コマンドをプリンター2へ送信して、劣化判断処理を実行させる。送信された当該コマンドは、プリンター2の通信部21で受信され、メイン制御部22がそのコマンドを解釈して劣化判断処理をヘッド制御部23に指示する。ヘッド制御部23は上述した劣化判断処理を実行後、データ記憶部24に記憶した劣化情報をメイン制御部22に渡し、メイン制御部22は、その劣化情報を通信部21を介して、コマンドの送信元のホスト装置に返信する。ホスト装置がPOS端末装置1である場合には、劣化管理部13が上記コマンドを送信し、返信される劣化情報を、メンテナンス処理等に利用可能に記憶する。また、ホスト装置が劣化管理サーバー3である場合には、劣化管理サーバー3が上記コマンドを送信し、返信される劣化情報を、メンテナンス処理等に利用可能に記憶する。
なお、このようにホスト装置(POS端末装置1、劣化管理サーバー3等)からのコマンドにより、ホスト装置側が主導でヘッド素子の劣化を管理する場合には、初期値取得処理もそれを指示(命令)するコマンドを用意し、そのコマンドをホスト装置から送信することで、プリンター2における上述した初期値取得処理がなされてもよい。更に、この場合には、プリンター2は測定した各ヘッド素子の分圧電圧(AD値)をホスト装置に返信し、ホスト装置がその分圧電圧(AD値)を初期値として記憶してもよい。この場合には、劣化判断処理においても、プリンター2は測定した各ヘッド素子の分圧電圧(AD値)をホスト装置に返信し、ホスト装置が記憶している変換テーブルCTを用いて上述した劣化判断処理(抵抗値への変換、閾値との比較、劣化情報の記憶等)を行う。なお、ホスト装置がPOS端末装置1である場合には、これらの処理は劣化管理部13が行う。
また、上述した実施の形態例の変形例として、ホスト装置(POS端末装置1、劣化管理サーバー3等)がヘッド素子の劣化情報を取得する方法に、ASB(オートステータスバック)という機能を適用してもよい。通常、ホスト装置とプリンターはマスター/スレーブの関係にあり、原則的にはプリンター側から自発的にホスト装置に情報送信を行うことはないが、プリンターで所定のステータス情報について設定を行うことにより、そのステータス情報に変化があった際にプリンター側からそのステータス情報を自発的にホスト装置に送信することができ、その機能がASBである。この機能を適用することにより、データ記憶部24に記憶される上記劣化情報に変化があった際には、自発的にその劣化情報がホスト装置に送信されるようになる。すなわち、ヘッド制御部23が劣化情報をデータ記憶部24から読み出し、読み出された劣化情報がメイン制御部22から通信部21を介してホスト装置(例えば、POS端末装置1の劣化管理部13)に送信される。
また、上記の実施例において、ホスト装置(POS端末装置1、劣化管理サーバー3等)側へ劣化情報を提供する構成(態様)としてもよい。具体的には、ホスト装置は、プリンター2へコマンドを送信し、当該コマンドを受信したプリンター2(ヘッド制御部23)は、測定した分圧電圧、及び/又は、予め設定した閾値による判断結果(上記閾値を用いた劣化判断処理の結果、劣化情報)をホスト装置へ送信する。
また、ホスト装置からのコマンドにより、プリンター2における劣化判断処理の有効/無効(実施/不実施)や実行タイミングを設定できるようにしても良い。
また、上述した実施の形態例の変形例として、1つのヘッド素子毎に行っていた劣化判断処理を2以上のヘッド素子(複数のヘッド素子を含むグループ)毎に行ってもよい。すなわち、そのグループに含まれるヘッド素子に通電し、分圧電圧を測定して、そのグループ全体として劣化度合を判断する。この方法では、劣化度合(抵抗値変化率)が大きいグループについて、再度、ヘッド素子毎の劣化判断処理を実行する。当該変形例では、劣化判断処理(分圧電圧測定)の回数を減らし処理時間を短縮することができる。なお、この場合には、測定精度を上げるため、マルチプレクサ等を設けて検査用抵抗R1の抵抗値を変更してもよい。
以上説明したように、本実施の形態例及び変形例に係るプリンター2では、ヘッド素子毎に、適切なタイミングで、抵抗値から劣化判断を行うことができ、プリンター2は変換テーブルCTを予め記憶しておけばよいので、プリンター2に記憶するデータ量を少なく抑えることができる。
また、劣化判断には、各ヘッド素子の初期値(分圧電圧値(AD値)、抵抗値(Ω))が用いられるので、適確な劣化判断を行うことができる。
劣化情報は、ヘッド素子の抵抗値変化率を含むので、適確な劣化判断を行うことができる。
また、抵抗値変化率を算出するまでに記憶しておくAD値は、4バイト以下のデータであり、記憶しておくデータ量を少なく抑えることができる。
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
1…POS端末装置、2…プリンター、3…劣化管理サーバー、4…通信網、11…POSアプリケーション部、12…プリンタードライバー部、13…劣化管理部、21…通信部、22…メイン制御部、23…ヘッド制御部、24…データ記憶部、25…電圧印加回路、26…サーマルヘッド、100…プリンターシステム、200…劣化管理システム、262…ラッチドライバー、263…シフトレジスター、CT…変換テーブル、RH−1〜RH−n…ヘッド素子。

Claims (5)

  1. 複数のヘッド素子を備えるサーマルヘッドと、
    前記ヘッド素子に印刷用電圧と検査用電圧を印加する電圧印加回路と、
    前記サーマルヘッドと前記電圧印加回路を制御するヘッド制御部と、
    前記ヘッド素子の分圧電圧と抵抗値を対応付けて収めた変換テーブルを記憶するデータ記憶部と、
    前記ヘッド素子の分圧電圧を取得するA/Dコンバーターを有し、
    前記ヘッド制御部は、初回起動時に、前記電圧印加回路によって前記検査用電圧を前記ヘッド素子に印加し、前記A/Dコンバーターにより前記ヘッド素子の分圧電圧を取得し、所定のタイミングで、前記電圧印加回路によって前記検査用電圧を前記ヘッド素子に印加し、前記ヘッド素子の分圧電圧を取得し、当該取得した両分圧電圧と、前記変換テーブルに基づいて劣化情報を求め、当該劣化情報を前記データ記憶部に記憶し、前記劣化情報に変化があった場合には、自発的に外部装置へ送信すべきステータス情報に変化があったものとして、自発的に前記劣化情報を前記外部装置へ送信し、
    前記検査用電圧は、前記ヘッド制御部の電源電圧と、前記A/Dコンバーターの分圧電圧値の上限と同じ電圧値である
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1において、
    前記劣化情報は、前記ヘッド素子の抵抗値の変化率を含む
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1あるいは2において、
    前記分圧電圧は、4バイト以下のデータで表現される
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 複数のヘッド素子を備えるサーマルヘッドと、前記ヘッド素子に印刷用電圧と検査用電圧を印加する電圧印加回路と、前記ヘッド素子の分圧電圧と抵抗値を対応付けて収めた変換テーブルを記憶するデータ記憶部と、前記ヘッド素子の分圧電圧を取得するA/Dコンバーターを備える印刷装置の制御方法であって、
    初回起動時に、前記電圧印加回路によって前記検査用電圧を前記ヘッド素子に印加し、前記A/Dコンバーターにより前記ヘッド素子の分圧電圧を取得し、所定のタイミングで、前記電圧印加回路によって前記検査用電圧を前記ヘッド素子に印加し、前記ヘッド素子の分圧電圧を取得し、当該取得した両分圧電圧と、前記変換テーブルに基づいて劣化情報を求め、当該劣化情報を前記データ記憶部に記憶し、前記劣化情報に変化があった場合には、自発的に外部装置へ送信すべきステータス情報に変化があったものとして、自発的に前記劣化情報を前記外部装置へ送信し、
    前記検査用電圧は、前記印刷装置のヘッド制御部の電源電圧と、前記A/Dコンバーターの分圧電圧値の上限と同じ電圧値である
    ことを特徴とする制御方法。
  5. 制御装置と印刷装置を備える印刷システムであって、
    前記印刷装置は、
    複数のヘッド素子を備えるサーマルヘッドと、
    前記ヘッド素子に印刷用電圧と検査用電圧を印加する電圧印加回路と、
    前記ヘッド素子の分圧電圧と抵抗値を対応付けて収めた変換テーブルを記憶するデータ記憶部と、
    前記ヘッド素子の分圧電圧を取得するA/Dコンバーターと、
    初回起動時に、前記電圧印加回路によって前記検査用電圧を前記ヘッド素子に印加し、前記A/Dコンバーターにより前記ヘッド素子の分圧電圧を取得し、所定のタイミングで、前記電圧印加回路によって前記検査用電圧を前記ヘッド素子に印加し、前記ヘッド素子の分圧電圧を取得し、当該取得した両分圧電圧と、前記変換テーブルに基づいて劣化情報を求め、当該劣化情報を前記データ記憶部に記憶し、前記劣化情報に変化があった場合には、自発的に外部装置へ送信すべきステータス情報に変化があったものとして、自発的に前記劣化情報を前記制御装置へ送信するヘッド制御部と、を備え、
    前記ヘッド制御部は、前記ヘッド素子の分圧電圧及び/又は前記劣化情報を前記制御装置へ送信し、
    前記検査用電圧は、前記ヘッド制御部の電源電圧と、前記A/Dコンバーターの分圧電圧値の上限と同じ電圧値である
    ことを特徴とする印刷システム。
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