JP2007083553A - サーマルヘッド用給電回路およびサーマルヘッド記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素の抵抗値を測定することが可能なサーマルヘッドに、通常の電源電圧と抵抗測定用の電源電圧とを選択的に供給するサーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化、低損失化を図る。
【解決手段】電源A(通常電源6)とサーマルヘッド66とを結ぶ電源ライン(L1)に介在する第1のリレー(1)に、インターロックリレーとしての役割も持たせる。すなわち、インターロックスイッチ(8)によって扉の開放を検出し、その検出信号を電源制御回路(5)に入力する。電源制御回路(5)は、扉の開放が検出されると、第1のリレー(1)を強制的にオフし、同じく第2のリレー3(電源Bからの、画素の抵抗値測定用の低電圧をオン/オフするスイッチ)をオフ状態に保ち、オペレータの安全を確保する。
【選択図】 図4
【解決手段】電源A(通常電源6)とサーマルヘッド66とを結ぶ電源ライン(L1)に介在する第1のリレー(1)に、インターロックリレーとしての役割も持たせる。すなわち、インターロックスイッチ(8)によって扉の開放を検出し、その検出信号を電源制御回路(5)に入力する。電源制御回路(5)は、扉の開放が検出されると、第1のリレー(1)を強制的にオフし、同じく第2のリレー3(電源Bからの、画素の抵抗値測定用の低電圧をオン/オフするスイッチ)をオフ状態に保ち、オペレータの安全を確保する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、サーマルヘッド用給電回路、ならびに、サーマルヘッドを用いて熱記録媒体に熱記録を行うサーマルヘッド記録装置に関する。
従来、サーマルヘッドを使用して、熱記録媒体(以下メディアとする。)に熱記録を行うサーマルヘッド記録装置が、医療分野を始め様々な分野で利用されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、超音波診断画像の記録に、フィルムや紙等の支持体の片面に感熱記録層を形成した感熱記録材料を用いる感熱記録が利用されている。感熱記録は湿式の現像処理が不要であり、取り扱いが簡単である等の利点を有することから、近年では、超音波診断のような小型の画像記録のみならず、MRI診断やX線診断等の大型かつ高画質な画像が要求される用途において、医療診断のための画像記録への利用も検討されている。
サーマルヘッドを用いた感熱記録装置(本明細書では、サーマルヘッド記録装置あるいはサーマルイメージャという)においては、1ライン分の画素数に相当する個数の発熱体を主方向に配列したグレーズを有するサーマルヘッドを用い、グレーズを感熱記録材料の感熱記録層に若干押し当てた状態で、両者を主方向と略直交する副方向に相対的に移動させながら、記録画像の画像データに応じて、グレーズの各発熱体に記録エネルギを与えて加熱することにより、感熱記録材料の感熱記録層を加熱して画像記録が行われる。
このようなサーマルヘッドは、スイッチ素子を介して電源とグランドとの間に発熱体(抵抗体)を接続した等価回路により表現することができ、スイッチ素子は、例えば、各画素の画像データをパルス幅変調した制御信号によってそのオンオフが制御される。発熱体は、スイッチ素子を介して、制御信号のハイレベルのパルス幅に相当する時間通電されることにより、画像データに対応する所定の温度に制御される。
ここで、発熱体(抵抗体)に与えられる電源電圧は高レベルであるため、サーマルヘッド記録装置の扉を、オペレータが開いた場合等において、感電防止のために、電源電圧の供給を停止する必要がある。つまり、扉などが閉状態から開状態になったことを検知して、高電圧の供給を直ちに遮断する必要があり、このためにインターロック回路が使用される)。インターロック回路は、インターロックスイッチ(扉の開閉に連動したスイッチ:扉の開閉検出用のマイクロスイッチ等)と、このインターロックスイッチのオン/オフに連動して開閉するインターロックリレーと、で構成される(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−94728号公報
特開2003−336792号公報
画素を構成する発熱体上には絶縁性保護膜が形成され、異物の侵入から発熱体を保護しているが、この絶縁性保護膜には、粒(スプラッシュ)や成長限界線(ステップ)と呼ばれる不連続面が生じる場合があり、これらの不連続面は、空気中の酸素や水等が侵入する経路、あるいはメディアに含有される溶剤、染料、イオンの物質が侵入する経路となり易い。したがって、メディアに記録を続けると、これらの物質が侵入して、電極を腐食し、画素破壊(ヘッド切れという)を起こすことがある。
ヘッド切れが生じると、正確な画像の印刷ができなくなる。例えば、サーマルヘッドで医療用画像を出力する場合、サーマルヘッドの劣化(サーマルヘッド切れ)により故障が発生すると、出力画像の精度が低下して、医者の誤診等の重大な問題が生じる原因となる。
したがって、サーマルヘッドの状態を管理(メンテナンス)し、適切なタイミングでヘッド交換することが重要である。
ここで、本発明の発明者は、ヘッドの各画素の抵抗値が、寿命間近となると急に増大する傾向があることに着目し、抵抗測定部にて画素の抵抗値を測定し(測定対象の画素は、全画素/一部の画素のいずれでもよい)、その測定データを保存、蓄積し、故障予測部が、抵抗値の履歴から、抵抗値の上昇傾向を判定して寿命間近であることを検出し、サーマルヘッドの故障発生(サーマルヘッド切れ)を予測する手法について検討したが、この結果として、画素の抵抗値測定を実施する場合には、給電回路が複雑化、大型化するという問題が生じることが明らかとなった。
すなわち、画素の抵抗を測定するためには、通常電源(高電圧源)の他に、画素の抵抗測定用の低電源(低電圧源)が必要であり、各電源から発生する高電圧と低電圧を選択的にサーマルヘッドに供給するためには、通常電源とサーマルヘッドとを結ぶ電源ラインに第1のリレースイッチを介在させ、画素抵抗測定用の低電源とサーマルヘッドと結ぶ電源ラインに第2のリレースイッチを介在させる必要がある。
さらに、上述のとおり、オペレータの感電防止のために、インターロック回路を設ける必要があり、このインターロック回路は、上述のとおり、電源ラインに挿入されるインターロックリレーを備える。つまり、第3のリレースイッチとしてのインターロックリレーを、通常電源とサーマルヘッドとを結ぶ電源ラインに介在させる必要があることになる。
したがって、合計で(最小限)3つのリレースイッチが必要となる。リレースイッチは、大電流(高電圧)を扱う大型のスイッチであるため、給電回路は、必然的に複雑化し、大型化する。また、電圧ラインに2つのリレースイッチが直列に介在すれば、そのスイッチにおける損失が生じて、電源電圧の供給の効率も低下する。
本発明は、このような考察に基づいてなされたものであり、その目的は、画素の抵抗値を測定することが可能なサーマルヘッドに、通常の電源電圧と抵抗測定用の電源電圧とを選択的に供給するサーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化、低損失化を図ることにある。
本発明のサーマルヘッド用給電回路は、サーマルヘッド記録装置におけるサーマルヘッドの電源ラインに、発熱体からなる画素を発熱させて感熱記録を行うための第1の電源電圧、あるいは、前記サーマルヘッドの画素の抵抗値を測定するための第2の電源電圧を選択的に供給する、サーマルヘッド用給電回路であって、前記第1の電源電圧を出力する第1の電源と、前記第2の電源電圧を出力する第2の電源と、前記第1の電源と前記サーマルヘッドとの間に介在する第1のリレースイッチと、前記第2の電源と前記サーマルヘッドとの間に介在する第2のリレースイッチと、前記第1および第2のリレースイッチの開閉を制御する電源制御回路と、前記第1の電源から前記サーマルヘッドに給電している最中に、前記サーマルヘッド記録装置の所定要素の状況が変化したとき、その状況の変化に連動してオン/オフし、前記所定要素の状況変化の検出信号を前記電源制御回路に向けて出力するインターロックスイッチと、を有し、前記電源制御回路は、前記検出信号が入力されると、前記第1のリレースイッチをオフして前記サーマルヘッドを前記第1の電源から切り離す。
第1の電源(通常電源)とサーマルヘッドとを結ぶ電源ラインに介在する第1のリレーに、インターロックリレーとしての役割も持たせることによって、独立したインターロックリレーを不要とし、リレースイッチの数を3個から2個に減少させ、サーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化ならびに低損失化を実現するものである。サーマルヘッド記録装置における前扉や横扉等(所定要素)の開閉(すなわち、所定要素の状況の変化)は、従来どおり、その扉の開閉に連動したインターロックスイッチで検出するが、本発明では、扉等の開放の検出信号(インターロックスイッチの一端から出力される信号)は、第1および第2のリレースイッチの開閉を制御する電源制御回路に入力され、その検出信号(扉の開放の検出信号)が入力されると、電源制御回路は、第1のリレースイッチを強制的にオフさせる。これにより、通常電源からの高電圧の電源ラインへの供給が停止され、オペレータが感電するおそれが無くなり、安全性が確保される。このように、インターロックスイッチの一端から出力される信号を電源制御回路に入力して、この電源制御回路の制御によって通常電源の電源ラインに介在する第1のリレースイッチをオフさせることにより、何らの特別な回路を付加することなく、インターロックリレーを削除することが可能となり、サーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化ならびに低損失化が、無理なく達成される。
また、本発明のサーマルヘッド用給電回路の一態様では、前記電源制御回路は、前記第1のリレースイッチをオフして前記サーマルヘッドを前記第1の電源から切り離すと共に、前記第2のリレースイッチもオフ状態に維持する。
第1のリレーが強制的にオフされたときには、第2のリレーもオフ状態に保ち、サーマルヘッドにまったく電源電圧を印加しないようにして万全を期し、作業中のオペレータの安全を確保するものである。
また、本発明のサーマルヘッド用給電回路の他の態様では、前記電源制御回路は、前記第1のリレースイッチをオフして前記サーマルヘッドを前記第1の電源から切り離すと共に、前記第2のリレースイッチをオンさせる。
画素抵抗測定時に使用される第2の電圧源の出力電圧は、極めて低い電圧であり、危険性はほとんど無いため、第1のリレーが強制的にオフされたときは、代わりに、第2のリレーをオンして、低電圧をサーマルヘッドに供給するものである。これにより、オペレータが扉を開けて作業中に、画素の抵抗値の測定を実施することが可能となる。
また、本発明のサーマルヘッド記録装置は、本発明のサーマルヘッド用給電回路を備える。
給電回路が小型化、低損失化されるため、サーマルヘッド記録装置全体についても、小型化、低消費電力化が実現する。すなわち、本発明によれば、画素抵抗の実測値に基づいてヘッド切れを高精度に予測可能であり、かつ、小型で低消費電力のサーマルヘッド記録装置を実現することができる。
また、本発明の医療用サーマルイメージャは、本発明のサーマルヘッド用給電回路を備える。
本発明により、高精度の現像が可能な医療用サーマルイメージャの、小型化ならびに低消費電力化が実現する。すなわち、本発明によれば、画素抵抗の実測値に基づいてヘッド切れを高精度に予測可能であり、かつ、小型で低消費電力の医療用サーマルイメージャを実現することができる。
本発明によれば、第1の電源(通常電源)とサーマルヘッドとを結ぶ電源ラインに介在する第1のリレーに、インターロックリレーとしての役割も持たせることによって、独立したインターロックリレーを不要とし、リレースイッチの数を3個から2個に減少させ、サーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化ならびに低損失化を実現する。また、インターロックスイッチの一端から出力される信号を電源制御回路に入力して、この電源制御回路の制御によって通常電源の電源ラインに介在する第1のリレースイッチをオフさせることにより、何らの特別な回路を付加することなく、インターロックリレーを削除することが可能となり、サーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化、低損失化を、無理なく達成することができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、サーマルヘッド記録装置の一例(ここでは、医療用サーマルイメージャとする)の全体の内部構成について説明する。
図1は、本発明のサーマルヘッド記録装置の一例(医療用サーマルイメージャ)の全体の内部構成を示す図である。
まず、サーマルヘッド記録装置の一例(ここでは、医療用サーマルイメージャとする)の全体の内部構成について説明する。
図1は、本発明のサーマルヘッド記録装置の一例(医療用サーマルイメージャ)の全体の内部構成を示す図である。
図1の医療用サーマルイメージャ10は、例えば、B4サイズ等の所定のサイズのカットシートである感熱記録材料(以下「感熱記録材料A」という)に感熱記録を行うものである。
この医療用サーマルイメージャ10は、感熱記録材料Aが収容されたマガジン24が装填される装填部14と、供給搬送部16と、サーマルヘッド66によって感熱記録材料Aに感熱記録を行う記録部20と、排出部22と、を有する。このような医療用サーマルイメージャ10においては、マガジン24から感熱記録材料Aを1枚引き出し、記録部20まで感熱記録材料Aを搬送し、サーマルヘッド66を感熱記録材料Aに押圧しつつ、グレーズ(画素の構成要素の一つ)の延在方向すなわち主走査方向と直交する副走査方向に感熱記録材料Aを搬送して、記録画像(画像データ)に応じて各画素の発熱体を発熱させることにより、感熱記録材料Aに感熱記録を行う。
感熱記録材料Aは、100枚等の所定単位の積層体(束)とされて袋体や帯等で包装されており、所定単位の束のまま感熱記録層を下面として医療用サーマルイメージャ10のマガジン24に収納され、一枚ずつマガジン24から取り出されて感熱記録に供される。マガジン24は、開閉自在な蓋体26を有する筐体であり、感熱記録材料Aを収納して医療用サーマルイメージャ10の装填部14に装填される。
装填部14は、医療用サーマルイメージャ10のハウジング28に形成された挿入口30、案内板32および案内ロール34,34、停止部材36を有している。マガジン24は、蓋体26側を先にして挿入口30から医療用サーマルイメージャ10内に挿入され、案内板32および案内ロール34に案内されつつ、停止部材36に当接する位置まで押し込まれることにより、医療用サーマルイメージャ10の所定の位置に装填される。また、装填部14には、マガジンの蓋体26を開閉するための、図示しない開閉機構が設けられている。
供給搬送手段16は、装填部14に装填されたマガジン24から感熱記録材料Aを1枚取り出して、記録部20に搬送するものであり、吸引によって感熱記録材料Aを吸着する吸盤40を用いる枚葉機構と、搬送手段42と、搬送ガイド44と、搬送ガイド44の出口に位置する規制ローラ対52と、を有する。
搬送手段42は、搬送ローラ46と、この搬送ローラ46の同軸のプーリ47a、回転駆動源に接続されるプーリ47bならびにテンションプーリ47cと、この3つのプーリに張架されるエンドレスベルト48と、搬送ローラ46とローラ対を成すニップローラ50と、によって構成され、吸盤40によって枚葉された感熱記録材料Aの先端を搬送ローラ46とニップローラ50とによって挟持して、感熱記録材料Aを搬送する。
医療用サーマルイメージャ10において記録開始の指示が出されると、開閉機構によって蓋体26が開放され、吸盤40を用いた枚葉機構がマガジン24から感熱記録材料Aを一枚取り出し、感熱記録材料Aの先端を搬送手段42(搬送ローラ46とニップローラ50とから成るローラ対)に供給する。
搬送ローラ46とニップローラ50とによって感熱記録材料Aが挟持された時点で、吸盤40による吸引は開放され、供給された感熱記録材料Aは、搬送ガイド44によって案内されつつ搬送手段42によって規制ローラ対52に搬送される。なお、記録に供される感熱記録材料Aがマガジン24から完全に排出された時点で、開閉機構によって蓋体26が閉塞される。
また、搬送ガイド44によって規定される搬送手段42から規制ローラ対52に至るまでの距離は、感熱記録材料Aの搬送方向の長さより若干短く設定されている。搬送手段42による搬送で感熱記録材料Aの先端が規制ローラ対52に至るが、規制ローラ対52は最初は停止しており、感熱記録材料Aの先端はここで一旦停止して位置決めされる。
また、搬送ガイド44によって規定される搬送手段42から規制ローラ対52に至るまでの距離は、感熱記録材料Aの搬送方向の長さより若干短く設定されている。搬送手段42による搬送で感熱記録材料Aの先端が規制ローラ対52に至るが、規制ローラ対52は最初は停止しており、感熱記録材料Aの先端はここで一旦停止して位置決めされる。
この感熱記録材料Aの先端が規制ローラ対52に至った時点で、サーマルヘッド66(グレーズ)の温度が確認され、サーマルヘッド66の温度が所定温度であれば、規制ローラ対52による感熱記録材料Aの搬送が開始され、感熱記録材料Aは、記録部20に搬送される。記録部20は、サーマルヘッド66、プラテンローラ60、クリーニングローラ対56、ガイド58、サーマルヘッド66を冷却するヒートシンク67、冷却ファン76およびガイド62を有する。
サーマルヘッド66は、例えば、最大B4サイズまでの画像記録が可能な、約300dpiの記録(画素)密度の感熱記録を行うものであって、保護膜に特徴を有する以外は、感熱記録材料Aへの感熱記録を行う発熱体が一方向(主走査方向)に配列されるグレーズが形成された公知の構成を有するものである。このサーマルヘッド66には、冷却のためのヒートシンク67が固定される。
また、サーマルヘッド66は、支点を中心に回動自在になるように支持部材68に支持されている。このサーマルヘッド66の概要については、後述する。
なお、本発明を実施するための感熱記録システムに用いられるサーマルヘッド66の幅(主走査方向)、解像度(記録密度)、記録階調等には特に限定はないが、例えば、幅は5cm〜50cm、解像度は6dot/mm(約150dpi)以上、記録階調は256階調以上であるのが好ましい。
なお、本発明を実施するための感熱記録システムに用いられるサーマルヘッド66の幅(主走査方向)、解像度(記録密度)、記録階調等には特に限定はないが、例えば、幅は5cm〜50cm、解像度は6dot/mm(約150dpi)以上、記録階調は256階調以上であるのが好ましい。
また、プラテンローラ60は、感熱記録材料Aを所定位置に保持しつつ所定の画像記録速度で回転し、主走査方向と直交する副走査方向(矢印X方向)に感熱記録材料Aを搬送する。クリーニングローラ対56は、弾性体である粘着ゴムローラと、通常のローラとからなるローラ対であり、粘着ゴムローラが感熱記録材料Aの感熱記録層に付着したゴミ等を除去して、グレーズへのゴミの付着や、ゴミが画像記録に悪影響を与えることを防止する。
図1の医療用サーマルイメージャ10において、感熱記録材料Aが搬送される前は、支持部材68は上方に回動して、サーマルヘッド66(グレーズ)とプラテンローラ60とが接触する直前の待機位置となっている。前述の規制ローラ対52による搬送が開始されると、感熱記録材料Aは、次いでクリーニングローラ対56に挟持され、さらに、ガイド58によって案内されつつ搬送される。
図1の医療用サーマルイメージャ10において、感熱記録材料Aが搬送される前は、支持部材68は上方に回動して、サーマルヘッド66(グレーズ)とプラテンローラ60とが接触する直前の待機位置となっている。前述の規制ローラ対52による搬送が開始されると、感熱記録材料Aは、次いでクリーニングローラ対56に挟持され、さらに、ガイド58によって案内されつつ搬送される。
感熱記録材料Aの先端が記録開始位置に搬送されると、支持部材68が回動して、サーマルヘッド66(グレーズ)とプラテンローラ60とで感熱記録材料Aが挟持されて、記録層にグレーズが押圧された状態となり、感熱記録材料Aはプラテンローラ60によって所定位置に保持されつつ、プラテンローラ60(および規制ローラ対52と搬送ローラ対63)によって矢印b方向に搬送される。この搬送に伴い、グレーズの各画素の発熱体を記録画像に応じて加熱することにより、感熱記録材料Aに感熱記録が行われる。
感熱記録が終了した感熱記録材料Aは、ガイド62に案内されつつ、プラテンローラ60および搬送ローラ対63に搬送されて排出部22のトレイ72に排出される。トレイ72は、ハウジング28に形成された排出口74を経て医療用サーマルイメージャの外部に突出しており、画像が記録された感熱記録材料Aは、この排出口74を経て外部に排出され、取り出される。
このような構造の医療用サーマルイメージャ10によりプリントアウトされる医療用画像(例えば、X線CTによる断層撮影写真)は、医師の病気診断の基礎となるものであり、常に、高精度の画像のプリントアウトが保証されなくてはならず、仮に、不鮮明な画像を出力することになると、誤診の一因ともなり得る。
このような構造の医療用サーマルイメージャ10によりプリントアウトされる医療用画像(例えば、X線CTによる断層撮影写真)は、医師の病気診断の基礎となるものであり、常に、高精度の画像のプリントアウトが保証されなくてはならず、仮に、不鮮明な画像を出力することになると、誤診の一因ともなり得る。
そこで、図1の医療用サーマルイメージャ10では、サーマルヘッドを構成する画素の、電極腐食等に起因する画素破壊(ヘッド切れ)を的確に予測し、タイムリーなサーマルヘッド交換を可能とするために、図1の右上に示すように、給電回路82と、抵抗測定部84と、報知部100と、制御部(CPU)108と、故障予測部110と、使用履歴蓄積部(測定データ蓄積メモリ)112と、が設けられている。
図2は、サーマルヘッドの各画素の抵抗値の経時的変化の傾向を示す特性図である。
図2に示されるように、サーマルヘッド66を構成する各画素の抵抗値は、時間経過と共に漸次、低下傾向を示すが、寿命間近(故障間近:図2中の時刻t1)になると急激に上昇するという特性をもつ。なお、図2において、斜線が施された領域ARは、寿命間近と判断される領域であり、また、変曲点“P”は、低下傾向を示していた抵抗値が、上昇傾向に転じる点である。
図2に示されるように、サーマルヘッド66を構成する各画素の抵抗値は、時間経過と共に漸次、低下傾向を示すが、寿命間近(故障間近:図2中の時刻t1)になると急激に上昇するという特性をもつ。なお、図2において、斜線が施された領域ARは、寿命間近と判断される領域であり、また、変曲点“P”は、低下傾向を示していた抵抗値が、上昇傾向に転じる点である。
図1の故障予測部110は、図2に示されるような画素の抵抗値の特性に着目し、画素の抵抗値の実測値が、減少傾向から上昇傾向に変化したことを検出して(すなわち、変曲点“P”を検出して)、故障発生を予測する。抗値の変化を観測する場合には、1つの画素の抵抗値は、微視的にみて上下する場合があるため、瞬間的な抵抗値の上昇に拘泥せず、所定の時間幅に渡って上昇傾向が継続しているかを見極めるのが望ましい。
図1において、給電回路82は、通常動作時には、サーマルヘッドに高電圧の電源電圧を供給し、画素の抵抗値の測定時には、所定の低電圧を供給する(この点については後述する)。
抵抗測定部84は、画素の抵抗値を測定する。制御部108は、給電回路82と抵抗測定部84の動作を制御し、所定の画素について、所定のタイミングで画素の抵抗値の測定を実施させる。
測定された抵抗値は、使用履歴蓄積部112に蓄積される。故障予測部110は、同じ画素についての抵抗値の変化傾向が、増加傾向に変化した場合に寿命が近いものと判定してサーマルヘッドの故障発生を予測し、そのことを報知部100に通知し、この報知部100(ディスプレイやスピーカ)を介して、ユーザに、故障発生が間近であることを知らせる(例えば、ディスプレイ上に、ヘッド交換を促すメッセージを表示する)。
ここで、抵抗値の測定は全画素(例えば、数千ドット)に対して行ってもよいが、測定対象の画素を一部の画素に絞り込み、これによって、測定時間の短縮、測定機構の簡素化、ならびに故障予測処理の容易化を図ることができる。
例えば、測定対象の各画素の抵抗値を定期的に測定していき、画素毎に抵抗値の上昇傾向が見られるかを監視し、所定割合の画素について増加傾向を確認できたときに、ヘッド切れが近い、と判定することができる。この場合、常に特定の一部の画素が測定対象とならないように配慮し、万遍なく測定することが好ましい。画素毎の抵抗値の個体差はあるが、寿命に関してはどれも同じ傾向であるため、基本的にどの画素で行ってもよい。測定対象の画素を、特定の箇所の画素に偏ることなく、万遍に抽出することによって、局部的に劣化が進んだ画素を検出することが可能となる。
また、抵抗値の測定タイミングとしては、以下のようなタイミングが考えられる。すなわち、一定時間毎に抵抗値を測定し、定期的にヘッド故障を監視することによって、サーマルヘッド故障(ヘッド切れ)の予兆を、見逃すことなく、確実に検出することが可能となる。また、プリンタの起動時(ウォームアップ時)に抵抗値の測定を済ませることによって、プリントジョブとの競合が生じず、効率的な抵抗測定を実施することが可能となる。また、サーマルヘッド記録装置の一日の稼動状況を勘案し、例えば、昼休み中、深夜、早朝等のプリントジョブの発生頻度が極めて低くなる時刻、時間帯において抵抗測定を実施することによって、装置利用の隙間時間を有効に活用して、必要な抵抗測定を無理なく実施することが可能となる。
次に、図3を用いて、サーマルヘッド本体の構成と、発熱体の抵抗値の測定方法の概略について説明する。
図3は、サーマルヘッド本体のグレーズに形成される発熱体の概略構成を示す断面図である。
サーマルヘッドは、ベース120上のセラミック基板42が設けられ、このセラミック基板42上に蒲鉾状(半円または半楕円状)のグレーズ126が配置されている。そして、このグレーズ126上に、発熱体(抵抗層)124と、一対の電極層(128a,128b)が設けられている。抵抗層124および一対の電極層(128a,128b)は、シリコンナイトライド等からなる絶縁性保護膜130が設けられ、この絶縁性保護膜130の表面には、ナトリウムなどの侵入を阻止するための緻密層132が設けられている。
図3は、サーマルヘッド本体のグレーズに形成される発熱体の概略構成を示す断面図である。
サーマルヘッドは、ベース120上のセラミック基板42が設けられ、このセラミック基板42上に蒲鉾状(半円または半楕円状)のグレーズ126が配置されている。そして、このグレーズ126上に、発熱体(抵抗層)124と、一対の電極層(128a,128b)が設けられている。抵抗層124および一対の電極層(128a,128b)は、シリコンナイトライド等からなる絶縁性保護膜130が設けられ、この絶縁性保護膜130の表面には、ナトリウムなどの侵入を阻止するための緻密層132が設けられている。
本発明の医療用サーマルイメージャ10では、図3の右下に示される給電回路80から、所定の低電圧を供給して、発熱体(抵抗層)124に微小電流を流し、そして、図3の左下に示される抵抗測定部84において、その微小電流値を測定する。給電回路80から供給される低電圧の値と、電流値がわかれば、発熱体(抵抗層)124の等価抵抗を求めることができる。抵抗測定部84で測定された画素の抵抗値は、先に説明したように、使用履歴蓄積部112に保存される。
このように、本発明では、サーマルヘッドの画素の抵抗値は、故障する前に上昇することに着目し、画素の抵抗値を実測して、抵抗値の経時変化の特性から寿命切れ間近であることを予測するものであり、高精度の予測を行うことができ、ユーザへの報知(例えば、サーマルヘッド交換を促すメッセージをディスプレイ上に表示する)を確実に、適切な時点で行うことができる。
ただし、上記のとおり、通常電源電圧と、画素抵抗測定用電圧とを選択的に供給すると共に、扉等の開放を検出して通常電源電圧の供給を即時停止するためのインターロック回路も設ける必要があり、給電回路82の構成が複雑化し、回路が大型化するという問題が生じることから、本実施形態における給電回路82では、回路構成を簡素化する工夫がなされている。以下、この点について説明する。
図4は、図1の医療用サーマルイメージャに搭載されている給電回路の内部構成の一例を示す回路図である。図4において、前掲の図面と共通する部分には、同じ参照符号を付してある。
給電回路82は、第1のリレー1と、この第1のリレー1をオン/オフさせるためのスイッチング素子(NPNバイポーラトランジスタ)2と、第2のリレー3と、この第2のリレー3をオン/オフさせるためのスイッチング素子(NPNバイポーラトランジスタ)4と、スイッチング素子2,4のオン/オフを制御する電源制御回路5と、高電圧を発生する電源A(通常電源6)と、サーマルヘッドの画素の抵抗値を測定するための低電圧を発生させる電源B(画素抵抗値測定用電源7)と、を有する。
給電回路82は、第1のリレー1と、この第1のリレー1をオン/オフさせるためのスイッチング素子(NPNバイポーラトランジスタ)2と、第2のリレー3と、この第2のリレー3をオン/オフさせるためのスイッチング素子(NPNバイポーラトランジスタ)4と、スイッチング素子2,4のオン/オフを制御する電源制御回路5と、高電圧を発生する電源A(通常電源6)と、サーマルヘッドの画素の抵抗値を測定するための低電圧を発生させる電源B(画素抵抗値測定用電源7)と、を有する。
第1および第2のリレー(1,3)は、スイッチング素子(2,4)がオンして、コイルに電流が供給されるとオフ状態となり、スイッチング素子(2,4)がオフして電流が流れないときにはオン状態となる。
第1および第2のリレー(1,3)ならびにスイッチング素子(2,4)は、電源ラインL1に供給する電圧を切り替えるスイッチSW1(図中、点線で囲まれて示されている)を構成している。第1のリレー1がオンしているときには、通常電源6から発生する通常電源電圧(高電圧)がサーマルヘッド66に供給される。また、第2のリレー3がオンしているときには、電源Bから発生する画素抵抗値測定用電圧(低電圧)がサーマルヘッド66に供給される。
また、図4の右側に示されるように、サーマルヘッド66は、抵抗値測定部(通常動作時において、発熱する画素を切り替えるための画素切替部としても機能する)84と、複数の画素の等価抵抗(R1〜Rn)と、を有する。
ここで、注目すべき点は、図4の給電回路82では、電源A(通常電源6)とサーマルヘッド66とを結ぶ電源ラインL1に介在する第1のリレー1に、インターロックリレー(扉の開放に連動してオフして電源供給を遮断するためのリレー)としての役割も持たせている点である。
すなわち、インターロックスイッチ8(扉の開放を検出するマイクロスイッチ等)によって扉の開放を検出し、その検出信号は電源制御回路5に入力される。
すなわち、インターロックスイッチ8(扉の開放を検出するマイクロスイッチ等)によって扉の開放を検出し、その検出信号は電源制御回路5に入力される。
通常の給電を行っている最中において、インターロックスイッチ8からの入力信号によって扉の開放が検出されると、電源制御回路5は、スイッチング素子2をオンさせ、第1のリレー1を強制的にオフし、電源A(通常電源6)をサーマルヘッド66から切り離す。また、第2のリレー3(電源Bからの、画素の抵抗値測定用の低電圧をオン/オフするスイッチ)をオフ状態に保ち、サーマルヘッド66にまったく電源電圧を供給しないようにして、オペレータの安全の確保に万全を期す。
この場合、画素抵抗測定時に使用される第2の電圧源の出力電圧は、極めて低い電圧であり、危険性はほとんど無いため、第1のリレー1が強制的にオフされたときは、代わりに、第2のリレー3をオンさせて、低電圧をサーマルヘッド66に供給するようにしてもよい。これにより、オペレータが扉を開けて作業しているときに、画素の抵抗値の測定を実施することが可能となる。
図5は、図4の給電回路の回路構成の特徴を明確化するための、比較例の回路構成を示す回路図である。図5において、図4と共通する部分には、共通の参照符号を付してある。
図5においては、インターロック回路(K)を構成する、独立した第3のリレースイッチ9が設けられており、この第3のリレースイッチ9をインターロックスイッチ8によって、オン/オフ駆動させる構成となっている。
つまり、図5の給電回路では、電源A(通常電源6)とサーマルヘッド66とを結ぶ電源ラインに第3および第1のリレースイッチ(9,1)を直列に介在させ、また、電源B(画素抵抗測定用の低電源7)とサーマルヘッド66と結ぶ電源ラインに第2のリレースイッチ3を介在させており、したがって、合計で3つのリレースイッチが存在する。
リレースイッチは、大電流(高電圧)を扱う大型のスイッチであるため、給電回路は、必然的に複雑化し、大型化する。また、電圧ラインに2つのリレースイッチが直列に介在すれば、そのスイッチにおける損失が生じて、電源電圧の供給の効率も低下する。
これに対し、図4の本実施形態の給電回路82では、電源A(通常電源6)とサーマルヘッド66とを結ぶ電源ラインに介在する第1のリレー1に、インターロックリレーとしての役割も持たせることによって、独立したインターロックリレーを不要とし、リレースイッチの数を3個から2個に減少させ、サーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化ならびに低損失化を実現している。
サーマルヘッド記録装置における前扉や横扉等(所定要素)の開閉(すなわち、所定要素の状況の変化)は、従来どおり、その扉の開閉に連動したインターロックスイッチで検出するが、図4の給電回路82では、扉の開放の検出信号(インターロックスイッチ8の一端から出力される信号)は、第1および第2のリレースイッチ(1,3)の開閉を制御する電源制御回路5に入力され、その検出信号(扉の開放の検出信号)が入力されると、電源制御回路5は、第1のリレースイッチ1を強制的にオフさせる。これにより、通常電源からの高電圧の電源ラインへの供給が停止され、オペレータが感電するおそれが無くなり、安全性が確保される。このように、インターロックスイッチの一端から出力される信号を電源制御回路5に入力して、この電源制御回路の制御によって通常電源の電源ラインに介在する第1のリレースイッチ1を即時にオフさせることにより、何らの特別な回路を付加することなく、インターロックリレーを削除することが可能となり、サーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化ならびに低損失化が、無理なく達成される。
次に、上記説明した給電回路を搭載した医療用サーマルイメージャにおける、サーマルヘッド周りの具体的な回路構成(特に、画素の抵抗値の測定に用いられる回路の構成)について、具体的に説明する。
図6は、本発明の給電回路を搭載した医療用サーマルイメージャにおける、サーマルヘッド周りの具体的な回路構成(特に、画素の抵抗値の測定に用いられる回路の具体的な構成)を示す回路図である。図6において、前掲の図面と共通する部分には、同じ参照符号を付してある。
給電回路82は、先に説明したように、熱現像に必要な高電圧を出力する通常電源(電源A)と、抵抗値測定用の低電源(電源B)とを内蔵し、どちらの電源を使用するかは、スイッチSW1(図4の点線で囲まれる部分に相当する)によって切り替えられる。スイッチSW1は、図1の制御部(CPU)108によって制御される。スイッチSW1がa端子側に切り替えられるときは、電源Aから給電ラインL1に、熱現像に必要な高電圧が供給される。また、スイッチSW1がb端子側に切り替えられるときは、電源Bから、給電ラインL1に、画素の抵抗値測定に必要な低電圧が供給される。
また、図6の給電回路82では、オペレータが扉等を開放したときは、インターロックスイッチ8によって、そのことが検出され、電源制御回路5が、スイッチSW1を、a端子側からb端子側に、強制的に切り替える。
サーマルヘッド66は、図3で示したように、発熱体(抵抗層)124を構成要素とする、複数の画素を有する。図6では、一つの画素の発熱体を、等価抵抗R1(R2)で表している。以下の説明では、「画素R1」のようにに記載する。
抵抗測定部(通常動作時における画素切替部としても機能する)84は、一つの画素R1を個別に駆動するための、NPNバイポーラトランジスタからなるスイッチング素子Q1と、画素の抵抗値を測定する場合に使用される、NPNバイポーラトランジスタからなるスイッチング素子Q2と、を有している。
ゲート回路G1,G2,G3は、スイッチング素子Q1,Q2を相補的にオンさせるための制御ゲート回路を構成する(回路動作は後述する)。
また、抵抗R3は、画素(R1等)の抵抗値を測定するときに、画素(R1等)を介して流れる微小電流を電圧に変換する、電流/電圧変換抵抗である。
A/D変換器85は、電流/電圧変換によって得られる電圧値をデジタルデータに変換する。ここでは、このデジタル値を、画素の抵抗値を示している測定データとして取り扱う。そして、このデジタル値(画素の抵抗の実測値)は、使用履歴蓄積部112に蓄積される。
故障予測部110は、抵抗値上昇判定部111(画素の抵抗値の特性が低下傾向から上昇傾向に転じたことを検出する)と、制御信号生成部113と、を内蔵している。
なお、制御信号生成部113は、説明の便宜上、故障予測部110内に描いているにすぎず、故障予測部110から独立させることもできる。
また、報知部100は、ディスプレイ(警告メッセージの表示に使用する)や、スピーカ(音声による警告を出力するために使用する)からなる。
制御信号生成部113は、“D1”と“C”という2つの制御信号を生成して出力する。制御信号D1は、通常(熱現像)動作時/抵抗測定時の双方において共通に使用される、画素選択のための制御信号である。図6の場合、D1が“H”のとき、画素R1が選択され、“L”のときは、画素R1は非選択となる。
また、制御信号Cは、通常(熱現像)動作/抵抗測定を切り替えるための制御信号である。
制御信号Cが“H”で、かつ、制御信号D1も“H”の場合は、ゲートG1の出力が“H”となり、スイッチング素子Q1がオンし、画素R1が駆動され、発熱体が発熱して熱現像がなされる。このとき、ゲートG2(インバータ)の出力は“L”となるため、ゲートG3の出力も“L”となり、スイッチング素子Q2はオフしている。
一方、制御信号Cが“L”で、かつ、制御信号D1が“H”の場合は、ゲートG1の出力が“L”となり、スイッチング素子Q1がオフする。このとき、ゲートG2(インバータ)の出力は“H”に転じるため、ゲートG3の出力も“H”となり、スイッチング素子Q2がオンする。これによって、画素R1を介して流れる微小電流(抵抗値測定のための微小電流)は、スイッチング素子Q2を介して抵抗R3に導かれる。
したがって、抵抗R3の両端に電圧が生じ、その電圧がA/D変換器85によりデジタル値に変換され、そのデジタル値が、画素R1の抵抗値を示すデータとして、使用履歴蓄積部112に保存される。
故障測定部110の抵抗値上昇判定部111は、画素の抵抗値の変化特性を常時、監視し、一つの画素の抵抗値が低下傾向から上昇傾向に転じたことを検出、判定し、報知部(ディスプレイやスピーカ等)100に指示して、ユーザに報知メッセージを出力させる。
図6の回路によれば、簡素化された構成の給電回路ならびに簡単なスイッチング回路を使用して、所定の画素の抵抗値を無理なく測定することが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、第1の電源(通常電源)とサーマルヘッドとを結ぶ電源ラインに介在する第1のリレーに、インターロックリレーとしての役割も持たせることによって、独立したインターロックリレーを不要とし、リレースイッチの数を3個から2個に減少させ、サーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化ならびに低損失化を実現することができる。
また、インターロックスイッチの一端から出力される信号を電源制御回路に入力して、この電源制御回路の制御によって通常電源の電源ラインに介在する第1のリレースイッチをオフさせることにより、何らの特別な回路を付加することなく、インターロックリレーを削除することが可能となり、サーマルヘッド用給電回路の構成の簡素化、小型化、低損失化を、無理なく達成することができる。
また、第1のリレーが強制的にオフされたときには、第2のリレーもオフ状態に保ち、サーマルヘッドにまったく電源電圧を印加しないようにすることによって、作業中のオペレータの安全の確保に万全を期すことができる。
また、第1のリレーが強制的にオフされたときは、代わりに、第2のリレーをオンして、低電圧をサーマルヘッドに供給することにより、オペレータが扉を開けて作業中に、画素の抵抗値の測定を実施することが可能となる。
本発明によれば、画素抵抗の実測値に基づいてヘッド切れを高精度に予測可能であり、かつ、小型で低消費電力のサーマルヘッド記録装置を実現することができる。
また、本発明によれば、画素抵抗の実測値に基づいてヘッド切れを高精度に予測可能であり、かつ、小型で低消費電力の医療用サーマルイメージャを実現することができる。
1 第1のリレースイッチ(インターロックリレー兼用)
2 第1のリレースイッチのオン/オフ用のスイッチング素子
3 第2のリレースイッチ(画素抵抗測定用の低電圧をオン/オフするリレースイッチ)
5 電源制御回路
6 電源A(高電圧を発生させる通常電源)
7 電源B(画素抵抗測定用の低電圧を発生させる電源)
8 扉の開閉に連動したインターロックスイッチ
10 医療用サーマルイメージャ
66 サーマルヘッド
82 給電回路
84 抵抗測定部(画素切替部)
85 A/D変換器
100 報知部
108 制御部(CPU)
110 故障予測部
112 使用履歴蓄積部
R1〜Rn 各画素の等価抵抗
L1 電源ライン
2 第1のリレースイッチのオン/オフ用のスイッチング素子
3 第2のリレースイッチ(画素抵抗測定用の低電圧をオン/オフするリレースイッチ)
5 電源制御回路
6 電源A(高電圧を発生させる通常電源)
7 電源B(画素抵抗測定用の低電圧を発生させる電源)
8 扉の開閉に連動したインターロックスイッチ
10 医療用サーマルイメージャ
66 サーマルヘッド
82 給電回路
84 抵抗測定部(画素切替部)
85 A/D変換器
100 報知部
108 制御部(CPU)
110 故障予測部
112 使用履歴蓄積部
R1〜Rn 各画素の等価抵抗
L1 電源ライン
Claims (5)
- サーマルヘッド記録装置におけるサーマルヘッドの電源ラインに、発熱体からなる画素を発熱させて感熱記録を行うための第1の電源電圧、あるいは、前記サーマルヘッドの画素の抵抗値を測定するための第2の電源電圧を選択的に供給する、サーマルヘッド用給電回路であって、
前記第1の電源電圧を出力する第1の電源と、
前記第2の電源電圧を出力する第2の電源と、
前記第1の電源と前記サーマルヘッドとの間に介在する第1のリレースイッチと、
前記第2の電源と前記サーマルヘッドとの間に介在する第2のリレースイッチと、
前記第1および第2のリレースイッチの開閉を制御する電源制御回路と、
前記第1の電源から前記サーマルヘッドに給電している最中に、前記サーマルヘッド記録装置の所定要素の状況が変化したとき、その状況の変化に連動してオン/オフし、前記所定要素の状況変化の検出信号を前記電源制御回路に向けて出力するインターロックスイッチと、を有し、
前記電源制御回路は、前記検出信号が入力されると、前記第1のリレースイッチをオフして前記サーマルヘッドを前記第1の電源から切り離すことを特徴とするサーマルヘッド用給電回路。 - 請求項1記載のサーマルヘッド用給電回路であって、
前記電源制御回路は、前記第1のリレースイッチをオフして前記サーマルヘッドを前記第1の電源から切り離すと共に、前記第2のリレースイッチもオフ状態に維持することを特徴とするサーマルヘッド給電回路。 - 請求項1記載のサーマルヘッド用給電回路であって、
前記電源制御回路は、前記第1のリレースイッチをオフして前記サーマルヘッドを前記第1の電源から切り離すと共に、前記第2のリレースイッチをオンさせることを特徴とするサーマルヘッド用給電回路。 - 請求項1〜請求項3のいずれか記載のサーマルヘッド用給電回路を備えるサーマルヘッド記録装置。
- 請求項1〜請求項3のいずれか記載のサーマルヘッド用給電回路を備える医療用サーマルイメージャ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005275251A JP2007083553A (ja) | 2005-09-22 | 2005-09-22 | サーマルヘッド用給電回路およびサーマルヘッド記録装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017105151A (ja) * | 2015-12-04 | 2017-06-15 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置、制御方法、及び、印刷システム |
JP2017119413A (ja) * | 2015-12-25 | 2017-07-06 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置、制御方法、及び、印刷システム |
JP2017124543A (ja) * | 2016-01-14 | 2017-07-20 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置、制御方法、及び、印刷システム |
JP2020023124A (ja) * | 2018-08-08 | 2020-02-13 | 東芝テック株式会社 | プリンタ |
-
2005
- 2005-09-22 JP JP2005275251A patent/JP2007083553A/ja active Pending
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JP2020023124A (ja) * | 2018-08-08 | 2020-02-13 | 東芝テック株式会社 | プリンタ |
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