JP2007083554A - サーマルヘッド記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッド切れを高精度に予測してタイムリーにヘッド交換を促すことができ、かつ、突発的なヘッド切れについても対応することが可能なサーマルヘッド記録装置を提供する。
【解決手段】サーマルヘッド66上の、発熱体からなる画素を選択的に発熱させ、感熱記録材料に画像を印画するサーマルヘッド記録装置であって、サーマルヘッド66上の画素の抵抗値を測定する抵抗測定部84と、この測定により得られる抵抗値データを保存する使用履歴蓄積部112と、使用履歴蓄積部112に保存されている抵抗値データに基づいて寿命情報を得て、サーマルヘッドの故障発生を予測する故障予測部110と、を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サーマルヘッドを用いて熱記録媒体に熱記録を行うサーマルヘッド記録装置に関する。
従来、サーマルヘッドを使用して、熱記録媒体(以下メディアとする。)に熱記録を行うサーマルヘッド記録装置が、医療分野を始め様々な分野で利用されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、超音波診断画像の記録に、フィルムや紙等の支持体の片面に感熱記録層を形成した感熱記録材料を用いる感熱記録が利用されている。感熱記録は湿式の現像処理が不要であり、取り扱いが簡単である等の利点を有することから、近年では、超音波診断のような小型の画像記録のみならず、MRI診断やX線診断等の大型かつ高画質な画像が要求される用途において、医療診断のための画像記録への利用も検討されている。
サーマルヘッドを用いた感熱記録装置(サーマルイメージャ)おいては、1ライン分の画素数に相当する個数の発熱体を主方向に配列したグレーズを有するサーマルヘッドを用い、グレーズを感熱記録材料の感熱記録層に若干押し当てた状態で、両者を主方向と略直交する副方向に相対的に移動させながら、記録画像の画像データに応じて、グレーズの各発熱体に記録エネルギを与えて加熱することにより、感熱記録材料の感熱記録層を加熱して画像記録が行われる。
このようなサーマルヘッドは、スイッチ素子を介して電源とグランドとの間に発熱体(抵抗体)を接続した等価回路により表現することができ、スイッチ素子は、例えば、各画素の画像データをパルス幅変調した制御信号によってそのオンオフが制御される。発熱体は、スイッチ素子を介して、制御信号のハイレベルのパルス幅に相当する時間通電されることにより、画像データに対応する所定の温度に制御される。
特開2000−94728号公報
画素を構成する発熱体上には絶縁性保護膜が形成されているが、この絶縁性保護膜には、粒(スプラッシュ)や成長限界線(ステップ)と呼ばれる不連続面が生じる場合があり、これらの不連続面は、空気中の酸素や水等が侵入する経路、あるいはメディアに含有される溶剤、染料、イオンの物質が侵入する経路となり易すい。したがって、メディアに記録を続けると、これらの物質が侵入して、電極を腐食し、画素破壊(ヘッド切れという)を起こすことがある。
ヘッド切れが生じると、正確な画像の印刷ができなくなる。例えば、サーマルヘッドで医療用画像を出力する場合、サーマルヘッドの劣化(ヘッド切れ)により故障が発生すると、出力画像の精度が低下して、医者の誤診等の重大な問題が生じる原因となる。したがって、サーマルヘッドの状態を管理(メンテナンス)し、適切なタイミングでヘッド交換することが重要である。
従来のサーマルヘッドの管理手法としては、実際の記録結果を見て寿命を判定するもの(目視による判定)、あるいは、通算の動作時間が一定時間を越えるとヘッド寿命が近いことを通知するものがある。
しかし、これらのサーマルヘッド管理手法は、必ずしも正確なヘッド交換タイミングを予測することはできない。また、目視による判定は、人手による管理であることから、メンテナンス要員の負担が重くなる。また、ヘッド切れは突発的に生じる場合もあり、通算の動作時間に基づいてヘッド寿命を予測する方法では、このような突発的なヘッド切れには対応できない。
本発明は、このような考察に基づいてなされたものであり、その目的は、ヘッド切れを高精度に予測してタイムリーにヘッド交換を促すことができ、かつ、突発的なヘッド切れについても対応することが可能なサーマルヘッド記録装置を提供することにある。
本発明に係る上記目的は下記構成により達成される。
(1) サーマルヘッド上の、発熱体からなる画素を選択的に発熱させ、感熱記録材料に画像を印画するサーマルヘッド記録装置であって、前記サーマルヘッド上の画素の抵抗値を測定する抵抗測定部と、この測定により得られる抵抗値データを保存する使用履歴蓄積部と、前記使用履歴蓄積部に保存されている前記抵抗値データに基づいて寿命情報を得て、前記サーマルヘッドの故障発生を予測する故障予測部と、を備えることを特徴とするサーマルヘッド記録装置。
このサーマルヘッド記録装置によれば、画素の抵抗値を実測して、抵抗値の経時的変化の特性から寿命切れ間近であることを予測することで、高精度の予測を行い、ユーザへの報知(例えば、サーマルヘッド交換を促すメッセージをディスプレイ上に表示する)を確実に、適切な時点で行うことができる。また、突発的なヘッド切れのときも、経年的な寿命の場合と同様に、画素の抵抗値が急激に変化するため、本発明によれば、突発的なヘッド切れの予測も行うことが可能である。
(2) 前記故障予測部は、同じ画素についての抵抗値の変化傾向が増加傾向に変化した場合に寿命が近いものと判定して、該判定結果をユーザに報知させることを特徴とする(1)記載のサーマルヘッド記録装置。
このサーマルヘッド記録装置によれば、画素の抵抗値の実測値が、減少傾向から上昇傾向に変化したことを検出して、故障発生を予測する。この場合、1つの画素の抵抗値は、微視的にみて上下する場合があるため、瞬間的な抵抗値の上昇に拘泥せず、所定の時間幅に渡って上昇傾向が継続しているかを見極めるのが望ましい。
(3) 前記抵抗測定部は、前記サーマルヘッドの一部の画素のみの抵抗値を測定することを特徴とする(1)又は(2)記載のサーマルヘッド記録装置。
このサーマルヘッド記録装置によれば、抵抗値の測定は全画素(例えば、数千ドット)に対して行うと測定時間が長くなり、また、測定機構が大掛かりとなりがちであるため、測定対象の画素を一部の画素に絞り込み、これによって、測定時間の短縮、測定機構の簡素化、ならびに故障予測処理の容易化が図られる。例えば、測定対象の各画素の抵抗値を定期的に測定していき、画素毎に抵抗値の上昇傾向が見られるかを監視し、所定割合の画素について増加傾向を確認できたときに、ヘッド切れが近い、と判定することができる。この場合、常に特定の一部の画素が測定対象とならないように配慮し、万遍なく測定することが好ましい。画素毎の抵抗値の個体差はあるが、寿命に関してはどれも同じ傾向であるため、基本的にどの画素で行ってもよい。測定対象の画素を、特定の箇所の画素に偏ることなく、万遍なく抽出することによって、局部的に劣化が進んだ画素を検出することが可能となる。
(4) 前記抵抗測定部は、前記サーマルヘッドの画素の抵抗値を一定時間毎に測定することを特徴とする(1)又は(2)記載のサーマルヘッド記録装置。
このサーマルヘッド記録装置によれば、この定期的な抵抗値の監視によって、サーマルヘッド故障(ヘッド切れ)の予兆を、見逃すことなく確実に検出することが可能となる。
(5) 前記抵抗測定部は、前記サーマルヘッドの画素の抵抗値を、サーマルヘッド記録装置の起動時に測定することを特徴とする(1)又は(2)記載のサーマルヘッド記録装置。
このサーマルヘッド記録装置によれば、サーマルヘッド記録装置が通常の動作中に、抵抗値測定を実施する場合、プリント指示が入ったときにはその抵抗値測定を一旦中断して、プリント終了後に最初からやり直す必要があるが、プリンタの起動時(ウォームアップ時)に抵抗値の測定を済ませておけば、プリントジョブとの競合が生じず、効率的な抵抗測定を実施することが可能となる。
(6) 前記抵抗測定部は、前記サーマルヘッドの画素の抵抗値を、所定時刻または所定時間帯に測定することを特徴とする(1)又は(2)記載のサーマルヘッド記録装置。
このサーマルヘッド記録装置によれば、サーマルヘッド記録装置の一日の稼動状況を勘案し、例えば、昼休み中、深夜、早朝等のプリントジョブの発生頻度が極めて低くなる時刻、時間帯において抵抗測定を実施することで、装置利用の隙間時間を有効に活用して、必要な抵抗測定を無理なく実施することが可能となる。
(7) 前記サーマルヘッド記録装置は、医療用サーマルイメージャであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項記載のサーマルヘッド記録装置。
このサーマルヘッド記録装置によれば、医療用の画像は医師の診断に与える影響が大きく、不鮮明な画像は誤診の一因ともなり得るが、画素の抵抗値の実測によるヘッド切れ監視が常に行われているために、プリント画像の信頼性が向上し、医療用サーマルイメージャの信頼性を高められる。
本発明によれば、画素の抵抗値を実測して、抵抗値の経時的変化の特性から寿命切れ間近であることを予測することにより、高精度の寿命予測を行うことができる。また、ユーザへの報知を確実に、適切な時点で行うことができ、突発的なヘッド切れの予測も行うことが可能となる。
次に、本発明のサーマルヘッド記録装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、サーマルヘッド記録装置の一例としての(ここでは、医療用サーマルイメージャとする)の全体構成について説明する。
図1は、本発明のサーマルヘッド記録装置の一例の全体構成図である。
この医療用サーマルイメージャ10は、例えばB4サイズ等の所定サイズのカットシートである感熱記録材料(以下「感熱記録材料A」という)に感熱記録を行うものである。
医療用サーマルイメージャ10は、感熱記録材料Aが収容されたマガジン24が装填される装填部14と、供給搬送部16と、サーマルヘッド66によって感熱記録材料Aに感熱記録を行う記録部20と、排出部22と、を有する。このような医療用サーマルイメージャ10においては、マガジン24から感熱記録材料Aを1枚引き出し、記録部20まで感熱記録材料Aを搬送し、サーマルヘッド66を感熱記録材料Aに押圧しつつ、グレーズ(画素の構成要素の一つ)の延在方向すなわち主走査方向と直交する副走査方向に感熱記録材料Aを搬送して、記録画像(画像データ)に応じて各画素の発熱体を発熱させることにより、感熱記録材料Aに感熱記録を行う。
感熱記録材料Aは、100枚等の所定単位の積層体(束)とされて袋体や帯等で包装されており、所定単位の束のまま感熱記録層を下面として医療用サーマルイメージャ10のマガジン24に収納され、一枚ずつマガジン24から取り出されて感熱記録に供される。マガジン24は、開閉自在な蓋体26を有する筐体であり、感熱記録材料Aを収納して医療用サーマルイメージャ10の装填部14に装填される。装填部14は、医療用サーマルイメージャ10のハウジング28に形成された挿入口30、案内板32および案内ロール34,34、停止部材36を有している。マガジン24は、蓋体26側を先にして挿入口30から医療用サーマルイメージャ10内に挿入され、案内板32および案内ロール34に案内されつつ、停止部材36に当接する位置まで押し込まれることにより、医療用サーマルイメージャ10の所定の位置に装填される。また、装填部14には、マガジンの蓋体26を開閉するための、図示しない蓋開閉機構が設けられている。
供給搬送手段16は、装填部14に装填されたマガジン24から感熱記録材料Aを1枚取り出して、記録部20に搬送するものであり、吸引によって感熱記録材料Aを吸着する吸盤40を用いる枚葉機構と、搬送手段42と、搬送ガイド44と、搬送ガイド44の出口に位置する規制ローラ対52と、を有する。
搬送手段42は、搬送ローラ46と、この搬送ローラ46の同軸のプーリ47a、回転駆動源に接続されるプーリ47bならびにテンションプーリ47cと、この3つのプーリに張架されるエンドレスベルト48と、搬送ローラ46とローラ対を成すニップローラ50と、によって構成され、吸盤40によって枚葉された感熱記録材料Aの先端を搬送ローラ46とニップローラ50とによって挟持して、感熱記録材料Aを搬送する。
上記構成の医療用サーマルイメージャ10においては、記録開始の指示が出されると、開閉機構によって蓋体26が開放され、吸盤40を用いた枚葉機構がマガジン24から感熱記録材料Aを一枚取り出し、感熱記録材料Aの先端を搬送手段42(搬送ローラ46とニップローラ50とから成るローラ対)に供給する。
搬送ローラ46とニップローラ50とによって感熱記録材料Aが挟持された時点で、吸盤40による吸引は開放され、供給された感熱記録材料Aは、搬送ガイド44によって案内されつつ搬送手段42によって規制ローラ対52に搬送される。なお、記録に供される感熱記録材料Aがマガジン24から完全に排出された時点で、開閉機構によって蓋体26が閉塞される。
また、搬送ガイド44によって規定される搬送手段42から規制ローラ対52に至るまでの距離は、感熱記録材料Aの搬送方向の長さより若干短く設定されている。搬送手段42による搬送で感熱記録材料Aの先端が規制ローラ対52に至るが、規制ローラ対52は最初は停止しており、感熱記録材料Aの先端はここで一旦停止して位置決めされる。
この感熱記録材料Aの先端が規制ローラ対52に至った時点で、サーマルヘッド66(グレーズ)の温度が確認され、サーマルヘッド66の温度が所定温度であれば、規制ローラ対52による感熱記録材料Aの搬送が開始され、感熱記録材料Aは、記録部20に搬送される。この記録部20は、サーマルヘッド66、プラテンローラ60、クリーニングローラ対56、ガイド58、サーマルヘッド66を冷却するヒートシンク67、冷却ファン76およびガイド62を有する。
サーマルヘッド66は、例えば、最大B4サイズまでの画像記録が可能な、300dpi等の記録(画素)密度の感熱記録を行うものであって、保護膜に特徴を有する以外は、感熱記録材料Aへの感熱記録を行う発熱体が一方向(主走査方向)に配列されるグレーズが形成された公知の構成を有するものである。このサーマルヘッド66には、冷却のためのヒートシンク67が固定される。
また、サーマルヘッド66は、支点を中心に回動自在になるように支持部材68に支持されている。このサーマルヘッド66の詳細については、後述する。
なお、本発明を実施するための感熱記録システムに用いられるサーマルヘッド66の幅(主走査方向)、解像度(記録密度)、記録階調等には特に限定はないが、例えば、幅は5cm〜50cm、解像度は6dot/mm(約150dpi)以上、記録階調は256階調以上であるのが好ましい。
また、プラテンローラ60は、感熱記録材料Aを所定位置に保持しつつ所定の画像記録速度で回転し、主走査方向と直交する副走査方向(矢印X方向)に感熱記録材料Aを搬送する。クリーニングローラ対56は、弾性体である粘着ゴムローラと、通常のローラとからなるローラ対であり、粘着ゴムローラが感熱記録材料Aの感熱記録層に付着したゴミ等を除去して、グレーズへのゴミの付着や、ゴミが画像記録に悪影響を与えることを防止する。
図1の医療用サーマルイメージャ10において、感熱記録材料Aが搬送される前は、支持部材68は上方に回動して、サーマルヘッド66(グレーズ)とプラテンローラ60とが接触する直前の待機位置となっている。前述の規制ローラ対52による搬送が開始されると、感熱記録材料Aは、次いでクリーニングローラ対56に挟持され、さらに、ガイド58によって案内されつつ搬送される。
感熱記録材料Aの先端が記録開始位置に搬送されると、支持部材68が回動して、サーマルヘッド66(グレーズ)とプラテンローラ60とで感熱記録材料Aが挟持されて、記録層にグレーズが押圧された状態となり、感熱記録材料Aはプラテンローラ60によって所定位置に保持されつつ、プラテンローラ60(および規制ローラ対52と搬送ローラ対63)によって矢印b方向に搬送される。この搬送に伴い、グレーズの各画素の発熱体を記録画像に応じて加熱することにより、感熱記録材料Aに感熱記録が行われる。
感熱記録が終了した感熱記録材料Aは、ガイド62に案内されつつ、プラテンローラ60および搬送ローラ対63に搬送されて排出部22のトレイ72に排出される。トレイ72は、ハウジング28に形成された排出口74を経て医療用サーマルイメージャの外部に突出しており、画像が記録された感熱記録材料Aは、この排出口74を経て外部に排出され、取り出される。
このような構造の医療用サーマルイメージャ10により出力される医療用画像(例えば、X線CTによる断層撮影写真)は、医師の病気診断の基礎となるものであり、常に、高精度の画像のプリントアウトが保証されなくてはならず、仮に、不鮮明な画像を出力することになると、誤診の一因ともなり得る。
そこで、図1の医療用サーマルイメージャ10では、サーマルヘッドを構成する画素の、電極腐食等に起因する画素破壊(ヘッド切れ)を的確に予測し、タイムリーなサーマルヘッド交換を可能とするために、図1の右上に示すように、給電部82と、抵抗測定部84と、報知部100と、制御部(CPU)108と、故障予測部110と、使用履歴蓄積部(測定データ蓄積メモリ)112と、が設けられている。
図2は、サーマルヘッドの各画素の抵抗値の経時的変化の傾向を示す特性図である。図2に示されるように、サーマルヘッド66を構成する各画素の抵抗値は、時間経過と共に漸次、低下傾向を示すが、寿命間近(故障間近:図2中の時刻t1)になると急激に上昇するという特性をもつ。なお、図2において、斜線が施された領域ARは、寿命間近と判断される領域であり、また、変曲点“P”は、低下傾向を示していた抵抗値が、上昇傾向に転じる点である。
故障予測部110(図1参照)は、図2に示されるような画素の抵抗値の特性に着目し、画素の抵抗値の実測値が、減少傾向から上昇傾向に変化したことを検出して(すなわち、変曲点“P”を検出して)、故障発生を予測する。抗値の変化を観測する場合には、1つの画素の抵抗値は、微視的にみて上下する場合があるため、瞬間的な抵抗値の上昇によらず、所定の時間幅に渡って上昇傾向が継続しているかを見極めるのが望ましい。
図1において、給電部82は、通常動作時には、サーマルヘッドに電源電圧し、画素の抵抗値の測定時には、所定の低電圧を供給する。抵抗測定部84は、画素の抵抗値を測定する。制御部108は、給電部82と抵抗測定部84の動作を制御し、所定の画素について、所定のタイミングで画素の抵抗値の測定を実施させる。
測定された抵抗値は、使用履歴蓄積部112に蓄積される。故障予測部110は、同じ画素についての抵抗値の変化傾向が、増加傾向に変化した場合に寿命が近いものと判定してサーマルヘッドの故障発生を予測し、そのことを報知部100に通知し、この報知部100(ディスプレイやスピーカ)を介して、ユーザに故障発生が間近であることを知らせる(例えば、ディスプレイ上にヘッド交換を促すメッセージ等を表示したり、スピーカから警告音や音声等を発生させる)。
ここで、抵抗値の測定は全画素(例えば、数千ドット)に対して行ってもよいが、測定対象の画素を一部の画素に絞り込み、これによって、測定時間の短縮、測定機構の簡素化、ならびに故障予測処理の容易化が図られる。
例えば、測定対象の各画素の抵抗値を定期的に測定していき、画素毎に抵抗値の上昇傾向が見られるかを監視し、所定割合の画素について増加傾向を確認できたときに、ヘッド切れが近い、と判定することができる。この場合、常に特定の一部の画素が測定対象とならないように配慮し、万遍なく測定することが好ましい。画素毎の抵抗値の個体差はあるが、寿命に関してはどれも同じ傾向であるため、基本的にどの画素で行ってもよい。測定対象の画素を、特定の箇所の画素に偏ることなく、万遍なく抽出することによって、局部的に劣化が進んだ画素を検出することが可能となる。
また、抵抗値の測定タイミングとしては、以下のようなタイミングが考えられる。すなわち、一定時間毎に抵抗値を測定し、定期的にヘッド故障を監視することによって、サーマルヘッド故障(ヘッド切れ)の予兆を、見逃すことなく、確実に検出することが可能となる。また、プリンタの起動時(ウォームアップ時)に抵抗値の測定を済ませることによって、プリントジョブとの競合が生じず、効率的な抵抗測定を実施することが可能となる。また、サーマルヘッド記録装置の一日の稼動状況を勘案し、例えば、昼休み中、深夜、早朝等のプリントジョブの発生頻度が極めて低くなる時刻、時間帯において抵抗測定を実施することによって、装置利用の隙間時間を有効に活用して、必要な抵抗測定を無理なく実施することが可能となる。
次に、サーマルヘッド本体の構成と、発熱体の抵抗値の測定方法の詳細について説明する。
図3は、サーマルヘッド本体のグレーズに形成される発熱体の概略構成を示す断面図である。
サーマルヘッドは、ベース120上のセラミック基板42が設けられ、このセラミック基板42上に蒲鉾状(半円または半楕円状)のグレーズ126が配置されている。そして、このグレーズ126上に、発熱体(抵抗層)124と、一対の電極層(128a,128b)が設けられている。抵抗層124および一対の電極層(128a,128b)は、シリコンナイトライド等からなる絶縁性保護膜130が設けられ、この絶縁性保護膜130の表面には、メディア等から侵入物質(溶剤、染料、イオン等)が侵入することを阻止する緻密層132が設けられている。
本発明の医療用サーマルイメージャ10では、図3に示される給電部82から、低電圧を供給して発熱体(抵抗層)124に微弱電流を流し、そして、抵抗測定部84において、その微弱電流値を測定する。給電部82から供給される低電圧の値と、電流値がわかれば、発熱体(抵抗層)124の等価抵抗を求めることができる。抵抗測定部84で測定された画素の抵抗値は、先に説明したように、使用履歴蓄積部112に保存される。
図4は、図1の医療用サーマルイメージャのシステム構成の一例を示すブロック図である。図4において、図1と同じ部分には、同じ参照符号を付してある。
図示されるように、図1の医療用サーマルイメージャ10のシステムは、サーマルヘッド66と、抵抗測定部84と、報知部100と、入力操作部102と、タイマ104と、CPU108と、故障予測部110と、使用履歴蓄積部112と、を有しており、各部は、例えば、バス114により相互に接続されている。
入力操作部102は、ユーザが、抵抗値の測定をいつ行うか等の設定をする際に使用される。また、タイマ104は、一定時間毎に画素の抵抗値の測定を行う場合(定期的な抵抗値の測定を行う場合)に使用される。
図5は、図1の医療用サーマルイメージャにおける故障予測ための主要な手順を示すフロー図である。
以下に、故障予測を行う手順を説明する。
まず、サーマルヘッド66の各画素(発熱体(抵抗層)124)の抵抗値を検出し(ステップ1、以降はS1と略記する)、使用履歴蓄積部に保存する(S2)。
次に、抵抗値の変化を検出し(S3)、抵抗値の変化特性が、低下から上昇に転じる点(図2の変曲点“P”)を検出することによって、サーマルヘッドの寿命が近いことを検出し(S4)、そして、抵抗測定部84は、ヘッド交換を促すメッセージを、報知部100に出力する(S5)。
このように、本発明では、サーマルヘッドの画素の抵抗値は、故障する前に上昇することに着目し、画素の抵抗値を実測して、抵抗値の経時変化の特性から寿命切れ間近であることを予測するものであり、高精度の予測を行うことができ、ユーザへの報知(例えば、サーマルヘッド交換を促すメッセージをディスプレイ上に表示する)を確実に、適切な時点で行うことができる。また、突発的なヘッド切れのときも、経年的な寿命の場合と同様に、画素の抵抗値が急激に変化するため、何らかの原因による、突発的なヘッド切れの予測も行うことが可能である。さらに、本発明の装置では、画素の抵抗値の実測によるヘッド切れの監視を常に行うため、プリントされる画像の信頼性が保証される。したがって、本発明によれば、高信頼度の医療用サーマルイメージャを提供することができる。
次に、本発明に係るサーマルヘッド記録装置における故障予測に必要な回路の、より具体的な構成例について説明する。
図6は、本発明のサーマルヘッド記録装置における故障予測に必要な回路の具体的な構成とその動作を説明するための図である。図6において、図1と共通する部分には、同じ参照符号を付してある。
給電部82は、熱現像に必要な高電圧を出力する通常電源(電源A)と、抵抗値測定用の低電源(電源B)とを内蔵し、どちらの電源を使用するかは、スイッチSW1によって切り替えられる。スイッチSW1は、図1,図4の制御部(CPU)108(図6では不図示)によって制御される。スイッチSW1がa端子側に切り替えられるときは、電源Aから給電ラインL1に、熱現像に必要な高電圧が供給される。また、スイッチSW1がb端子側に切り替えられるときは、電源Bから、給電ラインL1に、画素の抵抗値測定に必要な低電圧が供給される。
サーマルヘッド66は、図3で示したように、発熱体(抵抗層)124を構成要素とする、複数の画素を有する。図6では、一つの画素の発熱体を、等価抵抗R1(R2)で表している。以下の説明では、「画素R1」と記載する。
抵抗測定部84は、一つの画素R1を個別に駆動するための、NPNバイポーラトランジスタからなるスイッチング素子Q1と、画素の抵抗値を測定する場合に使用される、NPNバイポーラトランジスタからなるスイッチング素子Q2と、を有している。ゲート回路G1,G2,G3は、スイッチング素子Q1,Q2を相補的にオンさせるための制御ゲート回路を構成する(回路動作は後述する)。また、抵抗R3は、画素(R1等)の抵抗値を測定するときに、画素(R1等)を介して流れる微弱電流を電圧に変換する、電流/電圧変換抵抗である。A/D変換器85は、電流/電圧変換によって得られる電圧値をデジタルデータに変換する。ここでは、このデジタル値を、画素の抵抗値を示している測定データとして取り扱う。そして、このデジタル値(画素の抵抗の実測値)は、使用履歴蓄積部112に蓄積される。
故障予測部110は、抵抗値上昇判定部111(画素の抵抗値の特性が低下傾向から上昇傾向に転じたことを検出する)と、制御信号生成部113と、を内蔵している。なお、制御信号生成部113は、説明の便宜上、故障予測部110内に描いているにすぎず、故障予測部110から独立させることもできる。また、報知部100は、警告メッセージ表示用のディスプレイや、音声による警告を出力するためのスピーカからなる。
制御信号生成部113は、“D1”と“C”という2つの制御信号を生成して出力する。制御信号D1は、通常(熱現像)動作時/抵抗測定時の双方において共通に使用される、画素選択のための制御信号である。図6の場合、D1が“H”のとき、画素R1が選択され、“L”のときは、画素R1は非選択となる。また、制御信号Cは、通常(熱現像)動作/抵抗測定を切り替えるための制御信号である。制御信号Cが“H”で、かつ、制御信号D1も“H”の場合は、ゲートG1の出力が“H”となり、スイッチング素子Q1がオンし、画素R1が駆動され、発熱体が発熱して熱現像がなされる。このとき、ゲートG2(インバータ)の出力は“L”となるため、ゲートG3の出力も“L”となり、スイッチング素子Q2はオフしている。
一方、制御信号Cが“L”で、かつ、制御信号D1が“H”の場合は、ゲートG1の出力が“L”となり、スイッチング素子Q1がオフする。このとき、ゲートG2(インバータ)の出力は“H”に転じるため、ゲートG3の出力も“H”となり、スイッチング素子Q2がオンする。これによって、画素R1を介して流れる微弱電流(抵抗値測定のための微弱電流)は、スイッチング素子Q2を介して抵抗R3に導かれる。
したがって、抵抗R3の両端に電圧が生じ、その電圧がA/D変換器85によりデジタル値に変換され、そのデジタル値が、画素R1の抵抗値を示すデータとして、使用履歴蓄積部112に保存される。図6の回路によれば、簡素化された構成のスイッチング回路を使用して、所定の画素の抵抗値を無理なく測定することが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、画素の抵抗値を実測して、抵抗値の経時的変化の特性から寿命切れ間近であることを予測することにより、高精度の予測を行うことができる。また、ユーザへの報知を確実に、適切な時点で行うことができる。また、突発的なヘッド切れの予測も行うことが可能となる。
また、本発明では、画素の抵抗値の実測によるヘッド切れ監視が常に行われているために、プリント画像の信頼性が高く、したがって、本発明によれば、高信頼度の医療用サーマルイメージャを提供することができる。
このように、本発明によれば、ヘッド切れを高精度に予測してタイムリーにヘッド交換を促すことができ、かつ、突発的なヘッド切れについても対応することが可能なサーマルヘッド記録装置を実現することができる。
本発明のサーマルヘッド記録装置の一例(医療用サーマルイメージャ)の全体構成図である。 サーマルヘッドの各画素の抵抗値の経時的変化の傾向を示す特性図である。 サーマルヘッド本体のグレーズに形成される発熱体の概略構成を示す断面図である。 図1の医療用サーマルイメージャのシステム構成の一例を示すブロック図である。 図1の医療用サーマルイメージャにおける故障予測ための主要な手順を示すフロー図である。 本発明のサーマルヘッド記録装置における故障予測に必要な回路の具体的な構成とその動作を説明するための図である。
符号の説明
10 医療用サーマルイメージャ
66 サーマルヘッド
84 抵抗測定部
100 報知部
102 入力操作部
104 タイマ
108 CPU
110 故障予測部
112 使用履歴蓄積部
114 バス

Claims (7)

  1. サーマルヘッド上の、発熱体からなる画素を選択的に発熱させ、感熱記録材料に画像を印画するサーマルヘッド記録装置であって、
    前記サーマルヘッド上の画素の抵抗値を測定する抵抗測定部と、
    この測定により得られる抵抗値データを保存する使用履歴蓄積部と、
    前記使用履歴蓄積部に保存されている前記抵抗値データに基づいて寿命情報を得て前記サーマルヘッドの故障発生を予測する故障予測部と、を備えることを特徴とするサーマルヘッド記録装置。
  2. 前記故障予測部は、同じ画素についての抵抗値の変化傾向が増加傾向に変化した場合に寿命が近いものと判定して、該判定結果をユーザに報知させることを特徴とする請求項1記載のサーマルヘッド記録装置。
  3. 前記抵抗測定部は、前記サーマルヘッドの一部の画素のみの抵抗値を測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のサーマルヘッド記録装置。
  4. 前記抵抗測定部は、前記サーマルヘッドの画素の抵抗値を一定時間毎に測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のサーマルヘッド記録装置。
  5. 前記抵抗測定部は、前記サーマルヘッドの画素の抵抗値を、サーマルヘッド記録装置の起動時に測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のサーマルヘッド記録装置。
  6. 前記抵抗測定部は、前記サーマルヘッドの画素の抵抗値を、所定時刻または所定時間帯に測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のサーマルヘッド記録装置。
  7. 前記サーマルヘッド記録装置は、医療用サーマルイメージャであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項記載のサーマルヘッド記録装置。
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