JP6678088B2 - パワーユニットの駆動輪速度検出センサ保護構造 - Google Patents
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Description
このようなパワーユニットに突設される駆動輪速度検出センサを外力から保護する構造については、同じ出願人の先願に係る特許文献1の例がある。
駆動輪速度検出センサの後方に設けられた後側保護壁により後方から異物の衝突などの外力から駆動輪速度検出センサを保護している。
したがって、部品点数が増えてコストが嵩むとともに、車体重量が増加することとなる。
内燃機関のクランクケースから後方に延出した伝動ケースが伝動ケースカバーとともにベルト式無段変速機を収容するとともに前記伝動ケースの後部に軸支され側方に突出した後車軸に駆動輪を嵌着して支持するパワーユニットが車両に搭載され、
前記クランクケースの前部が車両の車体フレームに軸支されて揺動可能に支持され、
前記伝動ケースの後部に突設される支持ブラケットと前記車体フレームの後部との間にリヤクッションが介装され、
前記駆動輪の回転速度を検出する駆動輪速度検出センサが、前記伝動ケースの前記後車軸の上方部位に嵌挿されて突設されるパワーユニットの駆動輪速度検出センサ保護構造において、
前記支持ブラケットは、車両後面視で前記駆動輪速度検出センサの少なくとも一部を後方から覆う位置に突設され、
前記支持ブラケットの前記駆動輪側の側部が、車両後面視で前記駆動輪速度検出センサの一部を覆うことを特徴とする。
後方からの外力から駆動輪速度検出センサを保護するのに、リヤクッションを支持する支持ブラケットを利用しているので、部品点数を削減して低コストとし、車体の重量増を回避することができる。
前記支持ブラケットは、車両側面視で前記駆動輪速度検出センサの少なくとも一部を側方から覆うようにしてもよい。
前記支持ブラケットは、前記伝動ケース側の前後に分かれた前側基部と後側基部から前記リヤクッションを軸支する1つの先端軸支部に向けて、それぞれ延出する前側支柱と後側支柱により形成されるようにしてもよい。
前記支持ブラケットは、前記伝動ケースの後側湾曲部から斜め後上方に突出して形成され、
前記後側支柱は、前記伝動ケースの後側湾曲部にある後側基部と先端軸支部とを後方に屈曲した屈曲部を介して連結して形成されるようにしてもよい。
前記伝動ケースの上方にエアクリーナが配置され、
前記伝動ケースと前記エアクリーナとの間の間隙を、車両側面視で側方から防護カバーが覆うようにしてもよい。
前記エアクリーナは、前記駆動輪速度検出センサの上方に膨出しているようにしてもよい。
後方からの外力から駆動輪速度検出センサを保護するのに、リヤクッションを支持する支持ブラケットを利用しているので、部品点数を削減して低コストとし、車体の重量増を回避することができる。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る鞍乗型車両である自動二輪車1の側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
ダウンチューブ6、6のフロア領域後部の屈曲部とシートレール5,5の前後方向中央部とを連結したバックステー7,7がシートレール5,5を支持している。
なお、後車軸115の右端はクランクケース31の左側部位から後方に延びる右側リヤフォーク部材131の後端に軸支される(図3参照)。
車体カバーCの後端からは、後下がりにリヤフェンダー17が突出しており、同リヤフェンダー17は後輪21の後斜め上方を覆っている。
一方、シリンダヘッド33の下部から下方に延出した排気管27は、後方へ屈曲し右側に偏って後方に延びて後輪21の右側のマフラ28に接続される。
メインフレーム4と左右のダウンチューブ6、6との間には燃料タンク37が架設され、シートレール5,5の上方には車体カバーCに支持されてシート38が設けられている(図1参照)。
内燃機関30は、シリンダブロック32のシリンダライナ32l内を往復動するピストン42とクランクシャフト40のクランクピン40pとをコネクティングロッド43が連結している。
クランクケース31は、左右割りの左クランクケース31Lと右クランクケース31Rとを合体して構成されるもので、右クランクケース31Rは、クランクケース部の半体をなし、左クランクケース31Lは、前部がクランクケース部の半体をなすとともに、後方に膨出して前後に長尺のベルト式無段変速機80を収容する伝動ケースを兼ねる。
クランクシャフト40の左右水平方向に延びた外側軸部のうち右外側軸部にはカムチェーン駆動スプロケット44とオイルポンプ駆動ギヤ45が一体に回転可能に嵌着されるとともに、右端にACジェネレータ70が設けられ、左外側軸部にはベルト式無段変速機80の遠心ウエイト82と駆動プーリ85が設けられる。
したがって、可動プーリ半体90dは、固定プーリ半体90sに対して共に回転するが、軸方向に移動して接近したり離れたりすることができる。
減速中間軸112に嵌着された中間大径ギヤ113が従動軸101に形成された小径ギヤ101gと噛合している。
したがって、従動軸101の回転は、減速ギヤ機構110の小径ギヤ101gと中間大径ギヤ113の噛合および小径ギヤ112gと後車軸大径ギヤ114の噛合を介して減速されて後車軸115に伝達されて後輪21が回転される。
パワーユニット20における後部の減速ギヤ機構110は、伝動ケース31Lの後部の右側外周壁31Lbと減速ギヤカバー111により左右半部がそれぞれ覆われる。
伝動ケース31Lの該右側外周壁31Lbにおける後車軸115の上方部位に駆動輪速度検出センサ200が取り付けられる(図6参照)。
図3においては、駆動輪速度検出センサ200の位置を2点鎖線の円で示しており、上方から視て後車軸大径ギヤ114に重なる。
同図4を参照して、駆動輪速度検出センサ200は、右側外周壁31Lbの上壁に形成された取付ボス部31bに嵌挿されて上方に突出して取り付けられる。
駆動輪速度検出センサ200の突出付け根部分から後方に延出したブラケット200bが取付ボス部31bの後方に膨出した部分にボルト201により螺着されて駆動輪速度検出センサ200が伝動ケース31Lの右側外周壁31Lbの後部上壁の取付ボス部31bに取り付けられる。
駆動輪速度検出センサ200は、カプラ200cおよびセンサハーネス202の一部とともに保護カバー160により覆われて保護される。
支持ブラケット15は、伝動ケース31Lの左側外周壁31Laの上壁の後側湾曲部31Lrに前後に分かれて位置する前側基部15Fbと後側基部15Rbからリヤクッション22を軸支する先端軸支部15Cに向けて、それぞれ延出する前側支柱15Fと後側支柱15Rにより形成されている。
他方、後側支柱15Rは、後側基部15Rbが前側基部15Fbより後方で伝動ケース31Lの左側外周壁31Laの上壁の後側湾曲部31Lrの後端下部辺りに位置しており、同後側基部15Rbとその略上方に位置する先端軸支部15Cとを、後方に屈曲した屈曲部15Rcを介して連結して形成されている。
したがって、後側支柱15Rは、それ自体剛性が高く強度も優れている。
また、前側支柱15Fと後側支柱15Rとの間は、肉抜きされた薄い三角形状の鉛直壁15wで構成される。
また、パワーユニット20を左側方から視た図6に示されるように、支持ブラケット15の前側支柱15Fは、駆動輪速度検出センサ200の一部を左側方から覆う位置にある。
防護カバー170は、伝動ケースカバー81の前側を覆うサイドダクトカバー84の後斜め上方に延出した後端部に連結して伝動ケースカバー81の上壁に沿って後方に延びており、前後を伝動ケースカバー81にボルト171a,171bにより締結されて取り付けられる(図4参照)。
防護カバー170は、後側湾曲部170rの上辺から上方に鉛直壁170vが前後に亘って形成されている。
なお、上壁面170uは、パワーユニット20の揺動により傾きが変化するが、停車時を含め、図2に示されるように、概ね後下がりに傾斜している。
図7を参照して、エアクリーナ26の下面に突設された複数の支持片26hが伝動ケース31Lの上縁部にそれぞれボルト29により締結されて、エアクリーナ26は伝動ケース31Lに取り付けられ、伝動ケース31Lと伝動ケースカバー81の上方に配設される。
前記防護カバー170は、図2に示されるように、伝動ケース31Lと伝動ケースカバー81の上面とエアクリーナ26の下面との間の空隙を左側方から塞ぐように覆う。
防護カバー170の前部の後下がりに傾斜した上壁面170uに流下した水は、後方に流れて、後側湾曲部170rに流下するので、エアクリーナ26の外側面に付着した水は殆どが、後側湾曲部170rに流下する。
水とともに流された付着物等も同時に排出される。
車両後方から視た図5に示されるように、エアクリーナ26の左側の未浄化室ケース26Lは、伝動ケースカバー81の上方を覆うとともに、車両左側方から視た図7に示されるように、支持ブラケット15の前側支柱15Fを左側から覆うように後方に膨出している。
図5に示されるように、伝動ケース31Lの後部に突設されるリヤクッション22の支持ブラケット15の後輪21側の側部15zが、車両後面視で伝動ケース31Lの後車軸115の上方部位に嵌挿されて突設される駆動輪速度検出センサ200の一部を後方から覆う位置に設けられるので、支持ブラケット15が駆動輪速度検出センサ200を後方からの異物の衝突等の外力から保護することができる。
後方からの外力から駆動輪速度検出センサ200を保護するのに、リヤクッション22を支持する支持ブラケット15を利用しているので、部品点数を削減して低コストとし、車体の重量増を回避することができる。
なお、リヤフェンダー17も駆動輪速度検出センサ200を後方からの異物の衝突等から保護している。
なお、本実施の形態の場合、支持ブラケット15の左側方はエアクリーナ26により覆われるので、エアクリーナ26によっても車両の左側方からの異物の衝突等の外力から支持ブラケット15を保護することできる。
なお、U字ロックの係止端部が、支持ブラケット15の後側支柱15Rを上方に滑りながら移動し先端軸支部15Cを越えたとしても、リヤクッション22の下端部に当たることになり、これ以上は前方に移動せず、駆動輪速度検出センサ200およびエアクリーナ26は保護される。
20…パワーユニット、21…後輪、22…リヤクッション、23…吸気管、24…インジェクタ、25…スロットルボディ、26…エアクリーナ、27…排気管、28…マフラ、29…ボルト、
30…内燃機関、31…クランクケース、31L…伝動ケース(左クランクケース)、31La…左側外周壁、31Lb…右側外周壁、31Lr…後側湾曲部、31R…右クランクケース、31b…取付ボス部、
32…シリンダブロック、33…シリンダヘッド、34…シリンダヘッドカバー、37…燃料タンク、38…シート、40…クランクシャフト、42…ピストン、43…コネクティングロッド、44…カムチェーン駆動スプロケット、
50…動弁機構、51…カムチェーン、52…カムチェーン室、53…カムシャフト、55…カムチェーン被動スプロケット、65…隔壁、66…ボルト、67…ボルト、
70…ACジェネレータ、71…ACGボス、72…アウタロータ、73…インナステータ、74…ラジエータファン、76…ラジエータカバー、77…ファンカバー、
80…ベルト式無段変速機、81…伝動ケースカバー、82…遠心ウエイト、83…ガイドプレート、84…サイドダクトカバー、84d…ダクトカバー、85…駆動プーリ、85s…固定プーリ半体、85d…可動プーリ半体、89…Vベルト、90…被動プーリ、90s…固定プーリ半体、90d…可動プーリ半体、92…固定プーリ支持スリーブ、93…可動プーリ支持スリーブ、94…ガイドピン、100…遠心クラッチ、101…従動軸、102…クラッチインナ、105…クラッチアウタ、107,108…ベアリング、
110…減速ギヤ機構、111…減速ギヤカバー、112…減速中間軸、112g…小径ギヤ、113…中間大径ギヤ、114…後車軸大径ギヤ、115…後車軸、
131…右側リヤフォーク部材、132…リヤクッション、135…支持ブラケット、
160…保護カバー、170…防護カバー、170r…後側湾曲部、170u…上壁面、171a,171b…ボルト、
200…駆動輪速度検出センサ、200c…カプラ、201…ボルト、202…センサハーネス。
Claims (6)
- 内燃機関のクランクケース(31)から後方に延出した伝動ケース(31L)が伝動ケースカバー(81)とともにベルト式無段変速機(80)を収容するとともに前記伝動ケース(31L)の後部に軸支され側方に突出した後車軸(115)に駆動輪(21)を嵌着して支持するパワーユニット(20)が車両に搭載され、
前記クランクケース(31)の前部が車両の車体フレーム(2)に軸支されて揺動可能に支持され、
前記伝動ケース(31L)の後部に突設される支持ブラケット(15)と前記車体フレーム(2)の後部との間にリヤクッション(22)が介装され、
前記駆動輪(21)の回転速度を検出する駆動輪速度検出センサ(200)が、前記伝動ケース(31L)の前記後車軸(115)の上方部位に嵌挿されて突設されるパワーユニットの駆動輪速度検出センサ保護構造において、
前記支持ブラケット(15)は、車両後面視で前記駆動輪速度検出センサ(200)の少なくとも一部を後方から覆う位置に突設され、
前記支持ブラケット(15)の前記駆動輪(21)側の側部(15z)が、車両後面視で前記駆動輪速度検出センサ(200)の一部を覆うことを特徴とするパワーユニットの駆動輪速度検出センサ保護構造。 - 前記支持ブラケット(15)は、車両側面視で前記駆動輪速度検出センサ(200)の少なくとも一部を側方から覆うことを特徴とする請求項1記載のパワーユニットの駆動輪速度検出センサ保護構造。
- 前記支持ブラケット(15)は、前記伝動ケース(31L)側の前後に分かれた前側基部(15Fb)と後側基部(15Rb)から前記リヤクッション(22)を軸支する1つの先端軸支部(15C)に向けて、それぞれ延出する前側支柱(15F)と後側支柱(15R)により形成されることを特徴とする請求項2記載のパワーユニットの駆動輪速度検出センサ保護構造。
- 前記支持ブラケット(15)は、前記伝動ケース(31L)の後側湾曲部(31Lr)から斜め後上方に突出して形成され、
前記後側支柱(15R)は、前記伝動ケース(31L)の後側湾曲部(31Lr)にある後側基部(15Rb)と先端軸支部(15C)とを後方に屈曲した屈曲部(15Rc)を介して連結して形成されることを特徴とする請求項3記載のパワーユニットの駆動輪速度検出センサ保護構造。 - 前記伝動ケース(31L)の上方にエアクリーナ(26)が配置され、
前記伝動ケース(31L)と前記エアクリーナ(26)との間の間隙を、車両側面視で側方から防護カバー(170)が覆うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のパワーユニットの駆動輪速度検出センサ保護構造。 - 前記エアクリーナ(26)は、前記駆動輪速度検出センサ(200)の上方に膨出していることを特徴とする請求項5記載のパワーユニットの駆動輪速度検出センサ保護構造。
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