JP6677873B2 - 錫又は錫合金めっき液及び該液を用いたバンプの形成方法 - Google Patents

錫又は錫合金めっき液及び該液を用いたバンプの形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気めっき法により錫又は錫合金のめっき膜を形成するための錫又は錫合金めっき液及び該液を用いたバンプの形成方法に関する。更に詳しくは、半導体ウエハ等の基材上にバンプ径が異なるはんだバンプを形成するのに適する、ベンザルアセトンを含む錫又は錫合金めっき液及び該液を用いたバンプの形成方法に関するものである。
特許文献1には、半導体チップ搭載用基板のような基材に、アスペクト比などが特定された構造のビアが形成されていることが開示されている。特許文献1には、この構造のビアに、ベンザルアセトンのような特定の充填用有機化合物(C)とノニオン系界面活性剤(D)とを組み合わせた錫又は錫合金めっき浴を用いて、電気めっき方式によりビア充填して、突起電極を形成する方法が開示されている。この方法によれば、基材上のビアに錫又は錫合金電気めっきにより突起電極を形成するに際し、成分(C)と成分(D)の共存により、ビア上部への金属の析出を効果的に抑制し、金属の析出をビア底部から優先的に進行させる。このことにより、ボイドの発生なしに円滑にビア充填できるとされる。
また、特許文献2には、(a) アルカンスルホン酸の二価の錫塩、アルカンスルホン酸の二価の鉛塩並びにアルカンスルホン酸の二価の錫塩及びアルカンスルホン酸の二価の鉛塩の混合物よりなる群から選ばれる浴可溶性金属塩;(b) アルカンスルホン酸;(c) α−ナフトアルデヒド及びベンジリデンアセトン(ベンザルアセトン)の混合物のような光沢剤;(d) プロピレングリコール中にシリコーンとシリカ及び/又はシリケートとの混合物を含む消泡剤;(e) エトキシル化アリールフエノールよりなる第一の非イオン性界面活性剤;及び(f) エトキシル化短鎖アルコールよりなる第二の非イオン性界面活性剤よりなる水性の酸性錫、鉛又は錫・鉛合金電気めっき浴が開示されている。そして上記光沢剤であるα−ナフトアルデヒドが約0.02g/L約5g/Lの濃度で存在し、ベンジリデンアセトン(ベンザルアセトン)が約0.02g/L〜約5g/Lの濃度で存在することが示される。この電気めっき浴によれば、浴の高い電流密度及び/又は激しい循環により生じるような高速めっき条件下ですら、電気めっき中殆んど又は全く発泡しない固有の能力を有する。そしてその浴は均一で優れた錫及び/又は鉛の析出物を生成するとされる。
更に、特許文献3には、錫イオン、鉛イオン及びそれらの混合イオンからなる群より選ばれた金属イオンが約15.0g/L〜約350.0g/Lと、フルオロホウ酸塩、フルオロケイ酸塩、スルファミン酸塩及びそれらの混合塩からなる群より選ばれたラジカルが約100.0g/L〜約500.0g/Lと、アルコキシル化した脂肪酸の特定のアルキルアリル界面活性剤が約10.0g/L〜約25.0g/Lと、を含み、pHが約3.0未満の水性の酸性錫、鉛又は錫・鉛合金電気めっき浴が開示されている。この電気めっき浴は、ベンジリデンアセトン(ベンザルアセトン)、3−ブチルアルデヒド、チオフェンアルデヒド、トルアルデヒド、桂皮アルデヒド及びアニスアルデヒドからなる群より選ばれたカルボニル含有化合物を約0.1g/L〜約10.0g/Lの量で更に含んでいる。この電気めっき浴によれば、十分な光沢のある錫・鉛合金めっきを堆積し、簡潔かつ効率的な電気めっきプロセスが提供される。これにより、光沢から十分な光沢のある錫・鉛合金を経済的な条件で製造でき、錫・鉛合金で電気めっきされた光沢のある外観を有する製品を提供するとされる。
近年では、一つのウエハ基板等の基材上に、バンプ径やバンプピッチが異なる配線パターンが混在するようになってきている。そのような複雑なパターンにおいて、特に異なるバンプ径のバンプを均一な高さで形成することが求められている。上記特許文献1〜3のめっき浴によれば、ボイドの発生なしに円滑にビア充填できたり、電気めっき中で発泡せずに均一な析出物を生成できたり、十分な光沢のある製品を簡潔かつ経済的に製造できるなどの優れた特長がある。しかしながら、これらの特許文献1〜3におけるめっき液は、一つの基材上にバンプ径の異なる(以下、「異径」ということもある。)バンプを形成するときに、バンプ径の異なるバンプ間の高さ均一性(以下、「バンプの高さ均一性」ということもある。)を図ることをその課題としていない。
具体的に、バンプ径が異なるパターンでバンプを形成する例を、図2により説明すると、図2(a)に示すように、先ず半導体ウエハ基板のような基材1の表面にチタン層2及び銅シード層3を順次形成する。次いで、レジスト層4を形成し、このレジスト層4にマスク露光をし、現像を行って異なる径のビア4a、4bを有するレジストパターン5を形成する。次いでこれらのビア4a、4b内の銅シード層3上に銅又はニッケルをめっきして下地層6を形成する。次に錫めっき液を用いて銅シード層3を通じて給電することにより、レジストパターン5のビア4a、4bの内部に電気錫めっきを行い、下地層6の上のビア4a、4b内に錫めっき堆積層(錫めっき膜)7a、7bをそれぞれ形成する。続いて図2(b)に示すように、レジスト層4、銅シード層3及びチタン層2を順次除去する。次いで、残った錫めっき堆積層7a、7bをリフロー処理により溶融する。これにより、図2(c)に示すように、錫バンプ8a、8bを形成する。これらの錫バンプでは、バンプ径の大きなバンプ8bの高さは、バンプ径の小さなバンプ8aの高さよりも大きくなって、高さの差異Dを生じ、バンプの高さ均一性を図ることができない。
特許文献1〜3に示される従来のベンザルアセトンを含むめっき液を用いて電気めっきを行っても、バンプの高さ均一性を図ることが困難であった。
なお、本明細書で、バンプ径の異なるパターン、即ち「異径パターン」とは、最小の下地層面積Sminと最大の下地層面積Smaxの比(Smax/Smin)が1.5以上であるパターンをいう。従来のめっき液では、Smax/Sminが1.5以上の場合、異径バンプの高さばらつきを抑えることが困難になる。Smax/Sminの上限値は特に制限はないが、約30である。
特開2016−74963号公報 特公平3−17912号公報 米国特許第3,730,853号公報
本発明の目的は、バンプ径が異なるパターンでも、リフロー後に形成された大径及び小径のバンプの高さばらつきが小さくバンプ高さの均一性があり、かつボイドの無いバンプが得られる錫又は錫合金めっき液及び該液を用いたバンプの形成方法を提供することにある。
本発明の第1の観点の錫又は錫合金めっき液は、少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩(A)と、有機酸及び無機酸から選ばれた酸又はその塩(B)と、界面活性剤(C)と、ベンザルアセトン(D)と、溶剤(E)とを含む錫又は錫合金めっき液であって、前記めっき液は基材上にバンプ径が異なるパターンを形成するために用いられ、前記ベンザルアセトン(D)が前記めっき液中に0.1g/L〜0.2g/Lの量で含まれ、前記溶剤(E)が前記めっき液中に5g/L〜10g/Lの量で含まれ、前記ベンザルアセトン(D)に対する前記界面活性剤(C)の質量比(C/D)が50〜200であり、前記ベンザルアセトン(D)に対する前記溶剤(E)の質量比(E/D)が50〜100である。
本発明の第2の観点の錫又は錫合金めっき液は、第1の観点に基づく錫又は錫合金めっき液において、前記界面活性剤(C)がポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)が縮合したノニオン系界面活性剤、又はフェノール、アルキルフェノール、スチレン化フェノール、β-ナフトール、ビスフェノール類及びクミルフェノールから選択されるいずれか1つとポリオキシエチレン(EO)が縮合したノニオン系界面活性剤である。
本発明の第3の観点のバンプの形成方法は、第1又は第2の観点の錫又は錫めっき液を用いて、基材上に異なる径の複数の錫又は錫合金めっき堆積層を形成する工程と、次いで、リフロー処理をしてバンプ径の異なる複数のバンプを形成する工程を有する。
本発明の第1の観点の錫又は錫合金めっき液では、ベンザルアセトン(D)がめっき液中に0.1g/L〜0.2g/Lの量で含まれ、かつ前記溶剤(E)が前記めっき液中に5g/L〜10g/Lの量で含まれる。ベンザルアセトン(D)に対する界面活性剤(C)の質量比(C/D)が50〜200に規定される。ベンザルアセトン(D)に対する溶剤(E)の質量比(E/D)が50〜100に規定される。図1(a)に示すように、このめっき液を用いて銅シード層13を通じて給電することにより、レジストパターン15のビア内部に電気錫めっきを行うと、めっき液中のベンザルアセトンがビアの底部に吸着し、錫の析出を阻害する。めっき液が入り易い大径のビア14bにはベンザルアセトンが吸着し易く、錫の析出を抑制する効果が大きい。これに対して、めっき液が入り難い小径のビア14aには大径のビア14bと比べ、相対的にベンザルアセトンの吸着量が少なく、錫の析出を抑制する効果が小さい。これにより、大径のビア14bのめっき堆積層17bの膜厚が小径のビア14aのめっき堆積層17aの膜厚と比較して、より薄く形成される。図1(b)に示すように、レジスト層14、シード層13、12を順次除去し、次いで残っためっき堆積層17a、17bをリフロー処理により溶融すると、図1(c)に示すように、バンプ高さのばらつきがなく、かつボイドの無いバンプ(めっき膜)18a、18bが形成される。これにより、基板と、基板上に形成された複数のそれぞれ面積が異なる下地層と、複数の下地層上のそれぞれに形成された複数のはんだバンプと、を備え、複数のはんだバンプの高さ均一性が10%以下であるはんだバンプ付き電子部品を得ることができる。
本発明の第2の観点の錫又は錫合金めっき液では、界面活性剤(C)がめっき膜の表面に吸着して錫の結晶成長を抑制して、結晶を微細化する。これにより、めっき膜の外観の向上、めっき膜と被めっき物との密着性の向上、膜厚の均一化などの作用を生じ、ベンザルアセトン(D)と相乗して、上記効果をより効果的に発揮する。
本発明の第3の観点のバンプの形成方法では、第1の観点又は第2の観点の錫又は錫合金めっき液を用いて、基材上に異なる径の錫又は錫合金めっき堆積層を形成する。次いで、リフロー処理をする。これにより、バンプ径が異なるパターンでも、高さが均一でかつボイドの無いバンプを形成することができる。
本発明の第1〜第3の観点に基づく発明によると、基材上にバンプ高さ均一性のある異径バンプを有する電子部品を提供できる。この電子部品を用いれば、電気的な接続不良のない信頼性の高い半導体装置を作製することができる。
図1は、本実施形態において、バンプ径の異なるパターンにバンプを形成する工程を示す図である。図1(a)は本発明のビア内に異なる径のめっき堆積層が形成された断面図を示す。図1(b)はレジスト層、チタンシード層及び銅シード層を剥離した後の異なる径のめっき堆積層の断面図を示す。図1(c)はリフロー処理した後のバンプの高さが均一に形成された異なる径のバンプの断面図を示す。 図2は、従来技術において、バンプ径の異なるパターンにバンプを形成する工程を示す図である。図2(a)はビア内に異なる径のめっき堆積層が形成された断面図を示す。図2(b)はレジスト層、チタンシード層及び銅シード層を剥離した後の異なる径のめっき堆積層の断面図を示す。図2(c)はリフロー処理した後のバンプの高さが不均一に形成された異なる径のバンプの断面図を示す。
次に本発明を実施するための形態を説明する。
本実施形態の錫又は錫合金めっき液は、少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩(A)と、有機酸及び無機酸から選ばれた酸又はその塩(B)と、界面活性剤(C)と、ベンザルアセトン(D)と、溶剤(E)とを含む錫又は錫合金めっき液である。その特徴ある点は、めっき液は基材上にバンプ径が異なるパターンを形成するために用いられ、ベンザルアセトン(D)がめっき液中に0.1g/L〜0.2g/Lの量で含まれ、かつ前記溶剤(E)が前記めっき液中に5g/L〜10g/Lの量で含まれ、ベンザルアセトン(D)に対する界面活性剤(C)の質量比(C/D)が50〜200であり、ベンザルアセトン(D)に対する溶剤(E)の質量比(E/D)が50〜100であることにある。なお、本実施形態の基材とは、半導体ウエハ及び半導体チップ搭載用基板を含む。
本実施形態の錫合金は、錫と、銀、銅、ビスマス、ニッケル、アンチモン、インジウム、及び亜鉛より選ばれた1種又は2種以上の所定金属との合金である。例えば、錫−銀合金、錫−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−ニッケル合金、錫−アンチモン合金、錫−インジウム合金、及び錫−亜鉛合金などの2元合金や、錫−銅−ビスマス、及び錫−銅−銀合金などの3元合金が挙げられる。
〔少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩(A)〕
本実施形態の可溶性塩(A)は、第一錫塩と、この第一錫塩及び銀、銅、ビスマス、ニッケル、アンチモン、インジウム、亜鉛からなる群から選ばれた1種又は2種以上の金属の塩の混合物よりなる。
従って、本実施形態の可溶性塩(A)はめっき液中でSn 2+ 、Ag + 、Cu + 、Cu 2+ 、Bi 3+ 、Ni 2+ 、Sb 3+ 、In 3+ 、Zn 2+ などの各種金属イオンを生成する任意の可溶性塩を意味する。可溶性塩としては、例えば、これらの金属の酸化物、ハロゲン化物、無機酸又は有機酸の当該金属塩などが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化第一錫、酸化銀、酸化銅、酸化ニッケル、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化亜鉛などが挙げられる。金属のハロゲン化物としては、塩化第一錫、塩化ビスマス、臭化ビスマス、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化ニッケル、塩化アンチモン、塩化インジウム、塩化亜鉛などが挙げられる。
無機酸又は有機酸の金属塩としては、硫酸銅、硫酸第一錫、硫酸ビスマス、硫酸ニッケル、硫酸アンチモン、硝酸ビスマス、硝酸銀、硝酸銅、硝酸アンチモン、硝酸インジウム、硝酸ニッケル、硝酸亜鉛、酢酸銅、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル、錫酸ナトリウム、ホウフッ化第一錫、メタンスルホン酸第一錫、メタンスルホン酸銀、メタンスルホン酸銅、メタンスルホン酸ビスマス、メタンスルホン酸ニッケル、メタスルホン酸インジウム、ビスメタンスルホン酸亜鉛、エタンスルホン酸第一錫、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ビスマスなどが挙げられる。
〔有機酸及び無機酸から選ばれた酸又はその塩(B)〕
本実施形態の酸又はその塩(B)は、有機酸及び無機酸、及びそれらの塩から選択される。上記有機酸には、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸等の有機スルホン酸、或いは脂肪族カルボン酸などが挙げられ、無機酸には、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などが挙げられる。それらの塩は、アルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩、アンモニウム塩、アミン塩、スルホン酸塩などである。成分(B)としては、金属塩の溶解性や排水処理の容易性の観点から有機スルホン酸が好ましい。
上記アルカンスルホン酸としては、化学式 n 2n+1 SO 3 (例えば、n=1〜5、好ましくは1〜3)で示されるものが使用できる。具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸などの他、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸などが挙げられる。
上記アルカノールスルホン酸としては、化学式 p 2p+1 −CH(OH)− q 2q SO 3 (例えば、p=0〜6、q=1〜5)で示されるものが使用できる。具体的には、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシデカン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシドデカン―1―スルホン酸などが挙げられる。
上記芳香族スルホン酸は、基本的にはベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸などである。具体的には、1−ナフタレンスルホン酸、2―ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p―フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン―4―スルホン酸などが挙げられる。
上記脂肪族カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、スルホコハク酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。
〔界面活性剤(C)〕
本実施形態の界面活性剤(C)は、ベンザルアセトン(D)と相乗して錫の析出を抑制する効果を高める作用がある。この界面活性剤(C)としては、ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)が縮合したノニオン系界面活性剤、又はフェノール、アルキルフェノール、スチレン化フェノール、β-ナフトール、ビスフェノール類、及びクミルフェノールから選択されるいずれか1つとポリオキシエチレン(EO)が縮合したノニオン系界面活性剤であることが好ましい。
EOPO縮合物(ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)が縮合した縮合物)としては、具体的には、下記式(1)で表されるN,N−ジポリアルキレンオキシドN−アルキルアミンであることが好ましい。このN,N−ジポリアルキレンオキシドN−アルキルアミンは、炭素原子数が5個以上20個以下の範囲にあるアルキル基(R)を1個有し、エチレンオキシド基(EO基)とプロピレンオキシド基(PO基)とをモル比(EO基:PO基)でそれぞれ独立に30:70〜70:30の範囲にて含むポリアルキレンオキシド基(X及びY)を2個有する。
Figure 0006677873
EO基は親水性であり、PO基は疎水性である。これにより、N,N−ジポリアルキレンオキシドN−アルキルアミンの水溶性と錫又は錫合金の表面への吸着性とがバランスよく発揮されている。即ち、本実施形態のめっき液においては、EO基とPO基との比率が上記の範囲にあって、EO基とPO基の両者をバランスよく有するので、ノニオン系界面活性剤は錫又は錫合金に対する親和性が高く、めっき膜の表面に吸着し易い。複数の界面活性剤分子がめっき膜の表面に吸着することによって層状の皮膜を形成し、金属の析出反応を抑制する。このため、この界面活性剤により、めっき膜厚が均一になると考えられる。
N,N−ジポリアルキレンオキシドN−アルキルアミンは、その質量平均分子量が500以上30000以下の範囲にあることが好ましい。質量平均分子量が小さすぎる場合は、錫又は錫合金の析出を抑制する効果が十分でないおそれがある。一方、質量平均分子量が大きすぎる場合は抑制力が強くなり過ぎて、均一なめっき膜が形成されないおそれがある。このN,N−ジポリアルキレンオキシドN−アルキルアミンは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態のめっき液におけるN,N−ジポリアルキレンオキシドN−アルキルアミンの含有量は、好ましくは0.1g/L以上100g/L以下の範囲、更に好ましくは1g/L以上50g/L以下の範囲である。N,N−ジポリアルキレンオキシドN−アルキルアミンの含有量が過度に少なかったり、または多かったりすると、均一なめっき膜が形成されないおそれがある。
フェノールとポリオキシエチレン(EO)が縮合したノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンフェニルエーテルが挙げられる。
アルキルフェノールとポリオキシエチレン(EO)が縮合したノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルが挙げられる。
スチレン化フェノールとポリオキシエチレン(EO)が縮合したノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンモノスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチレン化が挙げられる。
β-ナフトールとポリオキシエチレン(EO)が縮合したノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンβ-ナフチルエーテルが挙げられる。
ビスフェノール類とポリオキシエチレン(EO)が縮合したノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノールEエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノールFエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノールSエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノールMエーテルが挙げられる。
クミルフェノールとポリオキシエチレン(EO)が縮合したノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテルが挙げられる。
これらのノニオン系界面活性剤の質量平均分子量は100以上5000以下の範囲にあることが好ましい。質量平均分子量が小さすぎる場合は、錫又は錫合金の析出を抑制する効果が十分でないおそれがある。一方、質量平均分子量が大きすぎる場合は抑制力が強くなり過ぎて、均一なめっき膜が形成されないおそれがある。
本実施形態の界面活性剤(C)としては、上記界面活性剤の代わりに、他の界面活性剤を単独で用いてもよい。或いは他の界面活性剤を上記界面活性剤と併用してもよい。この場合の他の界面活性剤としては、通常のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド:12モル含有)ノニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド:12モル含有)ドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、1−ナフトール−4−スルホン酸ナトリウム、2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸ジナトリウム等のナフトールスルホン酸塩、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等の(ポリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、モノ〜トリアルキルアミン塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルアンモニウム塩、オクタデセニルジメチルエチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ドデシルピコリニウム塩、ドデシルイミダゾリニウム塩、オレイルイミダゾリニウム塩、オクタデシルアミンアセテート、ドデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤以外のノニオン系界面活性剤としては、直鎖アルキルポリオキシエチレンエーテル、分岐アルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェノールポリオキシエチレンエーテル、シリコン系ポリオキシエチレンエーテル、シリコン系ポリオキシエチレンエステル、フッ素系ポリオキシエチレンエーテル、フッ素系ポリオキシエチレンエステル、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化或いはスルホン化付加物などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン、カルボキシベタイン、イミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。
〔ベンザルアセトン(D)〕
本実施形態のベンザルアセトン(D)は、市販されているものをそのまま使用することができる。また、市販されているものを精製して含有される不純物を除去した精製品を使用することができる。
ベンザルアセトン(D)は、被めっき物の表面に吸着し、電析による錫の結晶成長を阻害するため、めっき皮膜の堆積を抑制する効果を有する。
そして、めっき液が入り易い大径のビアにはベンザルアセトンが吸着し易く、めっきの抑制効果が大きい。これに対して、めっき液が入り難い小径のビアにはベンザルアセトンが吸着し難く、めっきの抑制効果が小さい。
このため、小径のビアでのめっき堆積層の形成と比較して、大径のビアでのめっき堆積層の形成がより抑制される。このため、大径のビアのめっき膜が、小径のビアのめっき膜よりも薄く形成される。このようなめっき膜をリフロー処理により溶融すると、高さのばらつきのないバンプが得られる。
なお、ベンザルアセトンの含有量は、異径バンプの径の差の大きさに応じて、差が大きいほど配合量を多くすることが好ましい。
〔溶剤(E)〕
本実施形態の溶剤(E)としては、炭素数が1〜3のアルコールが好ましい。炭素数が1〜3のアルコールは、上記界面活性剤やベンザルアセトンの溶解性を向上させる。このアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)等が挙げられる。アルコールは、1種を単独で用いることができるが、2種以上を組合せて用いることもできる。
〔錫又は錫合金めっき液の製造〕
本実施形態の錫又は錫合金めっき液は、上記可溶性錫塩(A)と、有機酸及び無機酸から選ばれた酸又はその塩(B)と、界面活性剤(C)と、ベンザルアセトン(D)と、溶剤(E)と、水(残部)とを混合することによって調製することができる。
ここに、ベンザルアセトン(D)はめっき液中に0.1g/L〜0.2g/Lの濃度になるように添加する。異なる大きさのビア径の差が大きいほど、上記範囲内で多めに添加する。0.1g/L未満では、上述したベンザルアセトンの効果が低くリフロー後の異径バンプの高さのばらつきを小さくすることができない。0.2g/Lを超えると、ベンザルアセトンがビアの底部に過度に吸着して、めっき皮膜表面が粗面化により、一般的に焦げ・ヤケと呼ばれる現象が生じて、黒色となり、めっき皮膜の外観不良を生じる。
また、ベンザルアセトン(D)に対する界面活性剤(C)の質量比(C/D)が50〜200、好ましくは50〜150になるように、界面活性剤とベンザルアセトンとを混合する。質量比C/Dが50未満、もしくは200を超えた場合では、ベンザルアセトンと界面活性剤の相乗効果による錫の析出を抑制する作用が十分に働かず、大径バンプにおける錫の析出を抑制する作用が弱まる。このため、リフロー後の異径バンプの高さのばらつきを小さくすることができない。
また、界面活性剤(C)のめっき液中での濃度は5g/L〜20g/Lとすることが好ましい。界面活性剤(C)の量が過度に少なかったり、または多かったりすると、均一なめっき膜が形成されないおそれがある。
更に、ベンザルアセトン(D)に対する溶剤(E)の質量比(E/D)が50〜100になるように、溶剤とベンザルアセトンとを混合する。質量比E/Dが50未満では、必要な量のベンザルアセトンが溶剤に溶解せず、めっき液を作成することができない。質量比E/Dの上限は、特に限定されないが300以下とするとよい。300を超えた場合、必要以上の溶剤を用いることとなり、めっき液のコストが上昇するおそれがある。
また、溶剤(E)のめっき液中での濃度はg/L〜10g/Lとする。5g/L未満の場合、めっき液中にベンザルアセトン(D)が析出し、リフロー後の異径バンプの高さのばらつきを小さくすることができない。10g/Lを超えた場合、めっき液のコストが上昇するおそれがある
また、上記所定の可溶性金属塩(A)としては、1種を単独で使用でき、また2種以上の混合物も使用できる。めっき液中での可溶性金属塩(A)の含有量は10g/L〜200g/L、好ましくは50g/L〜100g/Lである。含有量が適正範囲外であると、良好なめっき皮膜が得られなくなる。
無機酸、有機酸又はその塩(B)としては、1種を単独で使用でき、また2種以上の混合物も使用できる。めっき液中での含有量は10g/L〜300g/L、好ましくは100g/L〜200g/Lである。含有量が適正範囲外であると、表面が平滑で膜厚均一性が良好なめっき皮膜が得られなくなる。
〔バンプの形成方法〕
本実施形態のめっき液を用いてバンプを形成する方法について説明する。図1(a)に示すように、先ず半導体ウエハ基板などのような基材11の表面にチタン層12及び銅シード層13を順次形成する。例えば、チタン層12は厚さ100nm程度にスパッタリング法により形成され、銅シード層13は厚さ500nm程度にスパッタリング法により形成される。その後、所定の厚さのレジスト層14を形成する。このレジスト層14にマスク露光をし、現像を行って異なる径のビア14a、14bを有するレジストパターン15を形成する。次いでこれらのビア14a、14b内の銅シード層13上に銅又はニッケルをめっきして下地層16を形成する。次に上述した本実施形態の錫又は錫合金めっき液を用いて銅シード層13を通じて給電することにより、レジストパターン15のビア14a、14bの内部に電気錫めっきを行う。これにより、下地層16の上のビア14a、14b内に錫又は錫合金めっき堆積層(錫又は錫合金のめっき膜)17a、17bをそれぞれ形成する。続いて図1(b)に示すように、有機溶剤を用いて、レジスト層14を剥離する。次いで、酸により銅シード層13及びチタン層12を順次エッチングして除去する。更に続いて、残った錫又は錫合金のめっき堆積層(錫又は錫合金のめっき膜)17a、17bを窒素雰囲気下で210℃〜240℃でリフロー処理により溶融する。これにより、図1(c)に示すように、ドーム形状の錫又は錫合金バンプ18a、18bを形成する。なお、錫又は錫合金バンプは、上面視で円形の円柱状のバンプに限らず、上面視で三角形、四角形、多角形の角柱状のバンプ、及び上面視で楕円形の楕円柱状のバンプを含む。
ここで、電気めっきは、めっき膜形成時の電流密度が0.1A/dm2以上100A/dm2以下の範囲、好ましくは0.5A/dm2以上20A/dm2以下の範囲で行う。電流密度が低すぎると生産性が悪化し、高すぎるとバンプの高さ均一性が悪化してしまう。液温は、10℃以上50℃以下の範囲、より好ましくは20℃以上40℃以下の範囲である。なお、図示しないが、上記バンプの形成方法において、下地層を形成した後、レジスト層14を剥離し、別の新たなレジスト層を形成し、下地層の径と同じになるように、このレジスト層をマスク露光し、現像を行って異なる径のビア14a、14bを有するレジストパターン15を形成してもよい。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。以下に示す実施例1、実施例4及び実施例15は実施例ではなく参考例である。

(Snめっき液の建浴)
<実施例1>
先ず、ベンザルアセトン(D)とメタノール(E)を用い、質量比でE/Dが10になるようにこれらを混合して、ベンザルアセトンをメタノールに溶解した。次いでメタンスルホン酸Sn(A)の水溶液に、遊離酸としてのメタンスルホン酸(B)と、ベンザルアセトンのメタノール溶液を混合して、均一な溶液を得た。次いで、界面活性剤(C)として、上述した式(1)のN,N−ジポリアルキレンオキシドN−アルキルアミンを用意した。このN,N−ジポリアルキレンオキシドN−アルキルアミンは、炭素原子数12個のアルキル基(R)を1個有し、EO基:PO基が50:50のモル比でEO基とPO基を含むポリアルキレンオキシド基(X及びY)を2個有した。この界面活性剤を質量比でC/Dが100となるように加えた。なお、この界面活性剤のアルキル基の炭素数は12、質量平均分子量は940である。そして最後にイオン交換水を加えて、下記組成のSnめっき液を建浴した。
なお、メタンスルホン酸Sn水溶液は、金属Sn板をメタンスルホン酸水溶液中で電解させることにより調製した。まためっき液中のアルコール量をガスクロマトグラフィーにより測定し、配合量とほぼ同じ含有量であることを確認した。
(Snめっき液の組成)
メタンスルホン酸Sn(Sn2+として):80g/L
メタンスルホン酸カリウム(遊離酸として):150g/L
ノニオン系界面活性剤:12g/L
ベンザルアセトン:0.05g/L
メタノール:0.5g/L
イオン交換水:残部
実施例1のめっき液中の成分(A)〜(E)の種類と配合割合を表1に示し、質量比(C/D)及び質量比(E/D)を表4に示す。
Figure 0006677873
Figure 0006677873
Figure 0006677873
Figure 0006677873
<実施例2〜11及び比較例1〜5>
実施例2〜11及び比較例1〜5のめっき液中の成分(A)〜(E)の種類と配合割合を表1、3に示すように変更し、質量比(C/D)及び質量比(E/D)を表4に示すように、変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、めっき液を建浴した。実施例6では、メタンスルホン酸Sn、メタンスルホン酸Ag及びメタンスルホン酸Cuを可溶性塩として用いて、SnAgCuめっき液を建浴した。
<実施例12〜17>
実施例12〜17のめっき液中の成分(A)〜(E)の種類と配合割合を表2に示すように変更し、質量比(C/D)及び質量比(E/D)を表4に示すように、変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、めっき液を建浴した。実施例12〜17では、表2に示す界面活性剤(C)を用いた。実施例13では、メタンスルホン酸Sn、メタンスルホン酸Agを可溶性塩として用いて、SnAgめっき液を建浴した。
なお、表1〜3中、「MeOH」はメタノールを、「IPA」はイソプロピルアルコールを意味する。
<比較試験及び評価>
実施例1〜17及び比較例1〜5の22種類の建浴しためっき液を用いて、図1(a)〜(c)に示すように、22種類のシリコンウエハ上に、液温25℃、電流密度4A/dm2の条件で電気めっきを行った。これにより、上面視がそれぞれ円形である小径のビア及び大径のビアの内部の下地層上にめっき膜を形成した。その後、レジスト層、銅シード層及びチタン層を順次除去した。続いて、残っためっき膜を窒素雰囲気下で、240℃でリフロー処理により溶融した。これにより、直径約20μmの小径のバンプを2000個形成し、直径約60μmの大径のバンプを2000個形成した。(1) リフロー処理した後のバンプの高さばらつき(均一性)及び(2) バンプ表面のめっき膜の外観を次の方法で評価した。その結果を上記の表4に示す。
(1) バンプの高さばらつき(均一性)
下地層の表面からドーム形状のバンプの頭頂部までの距離をリフロー処理後のバンプの高さとした。2000個の小径のバンプと2000個の大径のバンプ、計4000個について、それぞれのバンプの高さをレーザー顕微鏡を用いて測定した。4000個のバンプの高さ平均値、最大値及び最小値を求め、下記の式によりバンプの高さばらつきを算出した。
バンプ高さばらつき(%)={(最大値−最小値)/平均値}×100
(2) バンプ表面のめっき膜の外観
22種類の建浴した錫及び錫合金めっき液を山本鍍金試験器社製のハルセル槽にそれぞれ別々に入れ、液中にカソードとして銅製ハルセル板を配置し、アノードとして白金板を配置し、ハルセル試験を行った。めっき条件としては、液温を25℃とし、通電電流を3Aとし、めっき処理時間は5分間とした。めっき処理中、めっき液をカソードロッカーで撹拌した。以下の手順で、ハルセル評価を行った。めっき処理したハルセル板上のめっき膜の皮膜外観を電流密度早見板を用いて、目視で確認した。光沢・半光沢のある皮膜を「良好」と評価した。無光沢・くもりのある皮膜を「可」と評価した。焦げ・ヤケのある皮膜を「不良」と評価した。以上の3つの判断基準で評価した。
表4から明らかなように、比較例1では、めっき膜の外観は「可」であった。しかし、ベンザルアセトンのめっき液中に含有割合が0.01g/Lと少な過ぎたため、リフロー処理後のバンプの高さばらつきが16.2%と大きく、バンプの高さ均一性に劣っていた。
比較例2では、リフロー処理後のバンプの高さばらつきが7.1%と小さく、バンプの高さ均一性はあった。しかし、ベンザルアセトンのめっき液中の含有割合が0.3/Lと過剰であったため、めっき膜の外観は「不良」であった。
比較例3では、めっき膜の外観は「可」であった。しかし、ベンザルアセトン(D)に対する界面活性剤(C)の質量比(C/D)が5と小さ過ぎたため、リフロー処理後のバンプの高さばらつきが12.8%と大きく、バンプの高さ均一性に劣っていた。
比較例4では、めっき膜の外観は「可」であった。しかし、ベンザルアセトン(D)に対する界面活性剤(C)の質量比(C/D)が250と大き過ぎたため、リフロー処理後のバンプの高さばらつきが21.5%と大きく、バンプの高さ均一性に劣っていた。
比較例5では、ベンザルアセトン(D)に対する溶剤(E)の質量比(E/D)が5と小さ過ぎたため、ベンザルアセトンが溶剤であるメタノールに溶けなかった。そのため、リフロー処理後のバンプの高さばらつきとめっき膜の外観の評価はいずれもできなかった。
これに対して、表4から明らかなように、実施例1〜17では、ベンザルアセトン(D)のめっき液中の含有割合、ベンザルアセトン(D)に対する界面活性剤(C)の質量比(C/D)、及びベンザルアセトン(D)に対する溶剤(E)の質量比(E/D)が本発明第1の観点の要件をすべて満たしていた。このため、リフロー処理後のバンプの高さばらつきが1.8〜8.6と小さく、まためっき膜の外観は「良好」又は「可」であった。
本発明の錫又は錫合金めっき液は、半導体ウエハ基板、プリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、半導体集積回路などの回路基板に利用することができる。
11 基材
12 チタン層
13 銅シード層
14 レジスト層
14a、14b ビア
15 レジストパターン
16 下地層
17a、17b 錫又は錫合金めっき堆積層(錫又は錫合金めっき膜)
18a、18b 錫バンプ

Claims (3)

  1. 少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩(A)と、有機酸及び無機酸から選ばれた酸又はその塩(B)と、界面活性剤(C)と、ベンザルアセトン(D)と、溶剤(E)とを含む錫又は錫合金めっき液であって、
    前記めっき液は基材上にバンプ径が異なるパターンを形成するために用いられ、
    前記ベンザルアセトン(D)が前記めっき液中に0.1g/L〜0.2g/Lの量で含まれ、
    前記溶剤(E)が前記めっき液中に5g/L〜10g/Lの量で含まれ、
    前記ベンザルアセトン(D)に対する前記界面活性剤(C)の質量比(C/D) が50〜200であり、
    前記ベンザルアセトン(D)に対する前記溶剤(E)の質量比(E/D) が50〜100であることを特徴とする錫又は錫合金めっき液。
  2. 前記界面活性剤(C)が、ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)が縮合したノニオン系界面活性剤、又はフェノール、アルキルフェノール、スチレン化フェノール、β-ナフトール、ビスフェノール類、及びクミルフェノールから選択されるいずれか1つとポリオキシエチレン(EO)が縮合したノニオン系界面活性剤である請求項1記載の錫又は錫合金めっき液。
  3. 請求項1又は2記載の錫又は錫合金めっき液を用いて、基材上に異なる径の複数の錫又は錫合金めっき堆積層を形成する工程、次いでリフロー処理をしてバンプ径の異なる複数のバンプを形成する工程とを有するバンプの形成方法。
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