JP6675593B2 - 酒類の製造方法および酒類の脱気方法 - Google Patents

酒類の製造方法および酒類の脱気方法 Download PDF

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Description

本発明は、脱気工程を有する酒類の脱気方法および当該方法を用いる酒類の製造方法に関する。
従来から醸造酒、特に清酒において好ましくない香りである老香の発生や着色が、清酒成分の酸化に由来することが知られている。更には、充てん時に火入れ処理を行わない生酒においては、通常の火入れ酒に比べて二倍程度の溶存酸素を含んでおり、品質の劣化も火入れ酒に比べて早いことが知られている。該酸化は清酒中の溶存酸素濃度を低減することで抑制され、製造時の好ましい品質を長期間持続させることができることが知られている(例えば特許文献1参照)。また、こうした効果を得るためには清酒中の溶存酸素濃度は出来るだけ低く、例えば約0.5ppm以下であることが望ましいとされるが、清酒中の溶存酸素濃度と好ましい品質の保存性の相関について、具体的に比較検討されたデータは示されてない。そこで、溶存酸素を特定の濃度範囲に抑え、生酒中の酵素類の活動を抑え込むことによって、長期保存して酒類の香り、味、色の劣化を抑える、醸造酒の製造方法が提供されている(例えば特許文献2参照)。
特開平6−141840号公報 特開2000−308482号公報
しかし、当該方法は溶存酸素を中空糸膜を用いた脱気モジュールで脱気することについては、具体的な記載がなく、このため通常の多孔質膜を有する中空糸膜を用いた脱気モジュールで脱気すると、酒類と樹脂製の多孔質層とが接液することで、樹脂臭が移り香として残るという問題があった。
そこで本発明が解決しようとする課題は、中空糸膜モジュールを用い、樹脂臭を抑えつつ、且つ酒類中の溶存気体を脱気する、酒類の製造方法、および、中空糸膜モジュールを用い、樹脂臭を抑えつつ、且つ酒類中の溶存気体を脱気する、酒類の脱気方法を提供することにある。
本願発明者らは種々の検討を行った結果、スキン層が酒類と接液する中空糸膜モジュールを用いることで、樹脂臭を抑えつつ、且つ酒類中の溶存気体を脱気する、酒類の脱気方法および酒類の製造方法を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、中空糸膜モジュールを用いて酒類から溶存気体を脱気する工程を有する酒類の製造方法であって、前記中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜がスキン層と多孔質層とを有し、かつ、スキン層が酒類と接液することを特徴とする酒類の製造方法に関する。
また、本発明は、中空糸膜モジュールを用いて酒類から溶存気体を脱気する工程を有する酒類の製造方法であって、前記中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜がスキン層と多孔質層とを有し、かつ、スキン層が酒類と接液することを特徴とする酒類の脱気方法に関する。
本発明によれば、中空糸膜モジュールを用い、樹脂臭を抑えつつ、且つ酒類中の溶存気体を脱気する、酒類の製造方法、および、中空糸膜モジュールを用い、樹脂臭を抑えつつ、且つ酒類中の溶存気体を脱気する、酒類の脱気方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態例のみに限定されるものではない。また、本発明の酒類の製造方法において、醸造により原酒(新酒)を製造するまでの工程は周知なため、省略する。醸造工程を経て得られた原酒は濾過装置に通し、原酒中に残存する微生物、微粒子などを除去し(濾過工程)、その後、脱気装置により、原酒中の気体成分を除去する(脱気工程)。脱気された原酒は、貯蔵容器に移し、貯蔵する。
濾過工程は、濾過装置を用い、活性炭による濾過およびフィルターによる濾過の二工程で概略構成されている。まず、活性炭による濾過を行うことで、後工程における原酒の香り、味、色を矯正し、その後の劣化を抑制する。次に、フィルターによる濾過を行うことで、活性炭に吸着されなかった微生物、微粒子などを除去する。この時用いられるフィルターは、濾過速度との兼ね合いにもよるが、酒質を低下させず、かつ雑菌汚染の原因となる微生物を除去できる程度の目の細かさを有するものを使用することが好ましい。
次に脱気工程は、濾過工程を経て得られた原酒を、脱気装置に送り、溶存気体を除去する。この時、原酒中の溶存酸素を減少させることで、酸化酵素類の反応を抑制し、被酸化性物質との反応を阻害することができる。
脱気後の原酒中の溶存酸素量は0.01〜10ppmの範囲であることが好ましく、さらに0.5〜4ppmの範囲であることがより好ましい。本発明に用いることのできる脱気装置としては、内部環流型中空糸膜モジュールや外部環流型中空糸膜モジュールが挙げられ、当該モジュールを用いて、中空糸膜モジュール内を流れる酒類から溶存気体を脱気する。この内、外部環流型中空糸膜モジュールは、内部環流型中空糸膜モジュールよりも脱気効率に優れ、且つ水の流動圧力損失を極めて低水準に抑えることが可能であり、特に多量の酒類を脱気処理する場合に最も好ましいだけでなく、より樹脂臭を低減できるため好ましい。
本発明に用いる中空糸膜モジュールに使用する中空糸膜は、膜構造が、少なくともスキン層(緻密層)、細孔を有する層(多孔質層)とが積層しているものであれば、通常、脱気モジュールとして用いられるものを制限なく使用できるが、さらに以下のものが好適に用いられる。
本発明に用いる中空糸膜の素材は、疎水性の高い素材よりなる膜が好ましく、例えばポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。また膜構造は、少なくともスキン層(緻密層)と、細孔を有する層(多孔質層)とが積層していれば特に限定されるものではないが、好ましくはスキン層(緻密層)と細孔を有する支持層(多孔質層)とが積層した不均質膜であることが好ましく、さらに、外側にスキン層(緻密層)、内側に細孔を有する支持層(多孔質層)とが積層した不均質膜であることがより好ましい。当該細孔の孔径は特に限定されないが、0〜100nmの範囲が好ましく、0.1〜50nmの範囲がより好ましい。
本発明に用いる中空糸膜モジュールに使用する中空糸膜は、膜の酸素透過速度が0.1×10−5〜5000×10−5[cm(STP)/cm・sec・cmHg]の範囲のものが好ましく、さらに0.5×10−5〜500×10−5[cm(STP)/cm・sec・cmHg]の範囲のものがより好ましく、さらに0.9×10−5〜100×10−5[cm(STP)/cm・sec・cmHg]の範囲のものが最も好ましい。
また、本発明に用いる中空糸膜モジュールに使用する中空糸膜は、酸素と窒素の分離係数α=(QO:酸素透過量/QN:窒素透過量= 1〜5の範囲のものが好ましく、さらに1〜4.5の範囲のものがより好ましく、さらに3.0〜4.2の範囲のものが特に好ましい。当該範囲内であれば、実質的に液体として水およびアルコールを透過させず、かつ、溶存酸素濃度を数ppb以下まで脱気することが容易になり好ましい。
なお、モジュールの脱気性能は中空糸膜の隔膜の酸素透過速度が高くなるにつれ一般に向上するが、これに伴い液体の透過速度も大きなものとなるため、両特性のバランスに優れた隔膜を選択することが望ましい。
また、酸素透過速度の測定及び気体分離係数αはASTM−D1434に準拠して容易に行われる。
特にポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂を素材とする中空糸不均質膜は酸素、窒素、炭酸ガス等のガス透過性に優れ且つ水蒸気バリヤー性が高く好ましい。本不均質膜については、例えば特公平2−38250号公報、特公平2−54377号公報、特公平4−15014号公報、特公平4−50053号公報及び特開平5−6656号公報等に詳しく述べてある。
本発明で用いる中空糸膜モジュールが内部環流型の場合、内部還流型中空糸膜モジュールの中空糸膜外(気相側)の圧力を減圧下に保ちつつ、中空糸膜内(液相側)から通液して脱気する。
一方、本発明で用いる中空糸膜モジュールが外部環流型の場合、外部還流型中空糸膜モジュールの中空糸膜内(気相側)の圧力を減圧下に保ちつつ、中空糸膜外(液相側)から通液して脱気する。いずれの場合も、液相側がスキン層(緻密層)、気相側が細孔を有する層(多孔質層)となるようにする。
中空糸膜モジュールの中空糸膜内の気相側圧力は、使用流量と目的とする処理後の溶存酸素量に合わせて調整することが重要であるが、蒸気によるアルコールの透過を抑えるため、脱気する酒類のその温度での飽和蒸気圧以上の圧力に設定することが好ましい。
その際、減圧手段は単に真空ポンプ等で排気しても良いが、適当なスイープガスを流しながら真空ポンプで排気しても良い。特定の溶存気体を除去する場合には、スイープガスを併用する方法は有効である。例えば、溶存酸素や炭酸ガスのみを除去する事が重要な場合には、スイープガスとして窒素ガス、アルゴンガス等が有効に用いられる。真空ポンプを用いる場合には公知のものを用いることができ、例えば、油回転式ポンプ、ダイヤフラム式ポンプ、水流アスピレータ、水封式真空ポンプ、ブースター付水封式真空ポンプ、ルーツ型及びスクロール型等のドライ型真空ポンプ等が挙げられる。また、油回転式ポンプに油水分離装置を付属して使用してもよく、また水封式ポンプの封水をチラー等で冷却したり、蒸気圧の低い封液を使用してもよく、また水封式真空ポンプに空気エゼクターを付属して使用する等適宜実施できる。
脱気する酒類の温度に特に制限はないが、液温は高いほうが好ましい。液温を高くすることにより多量の酒類を効率良く脱気することができるばかりでなく、液温上昇により必然的に飽和水蒸気圧も上昇し、したがって膜の気相側の真空圧力を高めることができ、これにより真空装置の負荷を軽減することができ極めて好ましい。脱気する液温は10℃〜50℃が好ましくさらに好ましくは20℃〜50℃である。
モジュールの構造及び中空糸膜の充填方法は脱気される水に遍流が発生しないように構成されておれば良く、例えば特許公開平2−102714号公報等に好適ないくつかのモジュール構造が開示されている。
本発明に用いる中空糸膜モジュールに適用する中空糸膜の寸法は、中空糸膜の外径が小さい方が、その簾巻き体の径が小さくとも大きな膜面積を得ることができ、従って、外径は70μm〜370μmであることが好ましく、さらに150μm〜280μmであることがより好ましい。一方、中空糸膜の内径は30μm〜310μmの範囲が好ましく、さらに80μm〜220μmの範囲がより好ましい。膜面積は0.018m〜120mの範囲であることが好ましく、1.8〜40mの範囲がより好ましく、さらに7〜20mの範囲が特に好ましい。
本発明に用いる中空糸膜モジュールは、脱気する液体の遍流を容易に抑制でき、且つ耐圧性に優れ、構造が単純であり、また製造が容易である特徴を有する。中空糸簾状シートの形態に制限はなく不織布体、編み物、織物等特に制限はないが、好ましくは、中空糸膜を緯糸または経糸とし、他の糸たとえばポリエステル等からなるモノフィラメント糸またはマルチフィラメント糸を経糸または緯糸として組織された編み物または織物である。
本発明において好適に使用される外部還流型中空糸膜モジュールを用いた酒類(原酒)からの脱気装置の一例を図1に示す。図中符号11は減圧弁、符号12は中空糸状気体透過膜、符号13は真空ポンプ、符号14はフロースイッチ、符号15は電磁弁、符号16は定流量弁である。
酒類(原酒)は、減圧弁11を通り、外部還流型中空糸膜モジュール12に導入される。外部還流型中空糸膜モジュール12の中空糸膜内は、真空ポンプ13によって減圧され、中空糸膜外を流れる酒類(原酒)から溶存気体が除去される。脱気処理された酒類(原酒)は、フロースイッチ14を通って装置外に供給される。このフロースイッチ14は、脱気装置中を酒類(原酒)が流れることで作動し、真空ポンプ13のスイッチを入れ、電磁弁15、15を開けるようになっている。脱気装置2を通過した酒類(原酒)を貯蔵容器3に移し、熟成させる。
以上の通り、酒類(原酒)は、中空糸膜モジュールにより溶存酸素量が抑えられているので、脱気していない場合と比較して香り、味、色の劣化を起こし難く、さらにスキン層で酒類と接液して脱気することにより、多孔質層で接液して脱気する場合と比較して樹脂臭も低減されたものとなっている。本願発明は、製造工程において、水または水溶液中の溶存気体をスキン層と接液させて脱気させることで上記効果を発揮することから、酒類の種類は特に限定されず、例えば、アルコール分1%以上の飲料であればよく、薄めてアルコール分1%以上の飲料とすることができるもの、または、溶解してアルコール分1%以上の飲料とすることができる粉末状のものを含むものとし、ビールや発泡酒に代表される発泡性酒類、日本酒等の清酒やワイン等の果実酒に代表される醸造酒類、ウィスキーや焼酎に代表される蒸留酒類、混成酒類いずれでもよいが、この中でも醸造酒類、蒸留酒類が好ましく、特に醸造酒類が好ましく挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(官能評価の方法および評価基準)
本実施例においての評価方法は、特に断りのない限り、以下の通りに行った。
官能評価について、樹脂臭と舌触りを評価した。
なお、樹脂臭とは、「プラスチックを連想する香り、紙パック臭」(宇都宮仁、他3名、”清酒の官能評価分析における香味に関する品質評価用語及び標準見本”、〔online〕、2006年、独立行政法人酒類総合研究所、第3頁第1表「樹脂臭」、検索日平成27年9月25日、http://www.nrib.go.jp/data/pdf/seikoumihou.pdf)を感じる評価と定義するものとする。
官能評価の結果は標準見本(50mlポリプロピレン製遠心管に40ml清酒を入れ、10分間沸騰水中につけたもの)を用いて訓練されたパネラー5名の評価結果を集計して示した。
樹脂臭を感知したときの強度を1(感じない)、2(ほとんど感じない)、3(やや感じる)、4(感じる)、5(強い)、6(とても強く感じる)の6段階で評価した。集計した平均値が1以上〜2未満の場合を◎、2以上〜3未満の場合を○、3以上〜4未満の場合を△、4以上の場合を×とした。
また、脱気処理前の原酒に対する脱気処理後の原酒の舌触りの柔かさを官能評価し、1(とても感じる)、2(感じる)、3(やや感じる)、4(感じない)の4段階で評価した。集計した平均値が1以上〜2未満の場合を○、2以上〜3未満の場合を△、3以上〜4以下の場合を×とした。集計した平均値が1以上〜2未満の場合を◎、2以上〜3未満の場合を○、3以上〜4未満の場合を△、4の場合を×とした。
(実施例1)
外部還流型中空糸膜モジュールは、DIC株式会社製「EF−020G−A30」(スキン層(外層)と中空糸孔径5〜20nmの多孔質層(内側)とが積層した非対称膜を有するポリ−4−メチルペンテン−1樹脂製中空糸膜)を用い、試験前に超純水で72時間洗浄後、モジュール内部を無菌エアーで乾燥した。さらに、上水(23℃)で3分間洗浄した。
株式会社協和コーポレーション製脱気装置「協和式膜脱気装置」を用い、上記外部還流型中空糸膜モジュールを組み込んだ。モジュール通液後、日本酒(土井酒造場製「開運 特別本醸造 火入酒」脱気処理前DO値8.5ppm)を脱気処理(絶対圧2.4kPa)した後、得られた原酒(脱気処理後DO値0.8ppm)の官能評価を行った。官能評価結果を表1に示した。
(比較例1)
外部還流型中空糸膜モジュールDIC株式会社製「EF−020G−A30」の替りに、内部還流型中空糸膜モジュール三菱レイヨン社製「20M3400A」(非多孔質の超薄膜を多孔質層でサンドイッチ状に挟み込んだ三層複合構造を有するポリエチレン製対称膜)を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。なお、得られた原酒の脱気処理後DO値は2.0ppmであった。官能評価結果を表1に示した。
(比較例2)
「上水で3分間洗浄した」の替りに「上水で3時間洗浄した」こと以外は比較例1と同様に行った。なお、得られた原酒の脱気処理後DO値は2.0ppmであった。官能評価結果を表1に示した。
(比較例3)
「上水で3分間洗浄した」の替りに「苛性ソーダ(2wt%品)で2時間洗浄した」こと以外は比較例1と同様に行った。なお、得られた原酒の脱気処理後DO値は2.0ppmであった。官能評価結果を表1に示した。
(比較例4)
「上水で3分間洗浄した」の替りに「オゾン水で1時間洗浄した」こと以外は比較例1と同様に行った。なお、得られた原酒の脱気処理後DO値は2.0ppmであった。官能評価結果を表1に示した。
(比較例5)
「上水で3分間洗浄した」の替りに「温水(38℃)で2時間洗浄した」こと以外は比較例1と同様に行った。なお、得られた原酒の脱気処理後DO値は2.0ppmであった。官能評価結果を表1に示した。
Figure 0006675593
以上の官能評価分析より、実施例1ではスキン層(緻密層)で原酒と接する中空糸膜モジュールを簡単な水洗浄を行うのみで、プラスチック臭などの異臭の添加がない日本酒が得られることが分かった。また、溶存気体の大幅な減少によって、原酒よりも舌触りが柔らかく、酒質が向上したことも官能評価試験から明らかになった。これに対して、多孔質層で原酒と接する中空糸膜モジュールを用いた比較品は、例え、どのような洗浄方法を試みたとしても、樹脂臭の除去ができなかった。

Claims (7)

  1. 中空糸膜モジュールを用いて酒類から溶存気体を脱気する工程を有する酒類の製造方法であって、前記中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜がスキン層と多孔質層とを有し、かつ、スキン層が酒類と接液すること、
    酒類がビール、発泡酒、清酒、ワイン、ウィスキーまたは焼酎であること、
    中空糸膜がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする酒類の製造方法。
  2. 膜面積が0.018m〜120mの範囲である請求項1記載の酒類の製造方法。
  3. 酸素透過量と窒素透過量の比(QO/QN)が、1〜5の範囲である請求項1記載の酒類の製造方法。
  4. 中空糸膜がポリ(4−メチル−ペンテン−1からなる請求項1記載の酒類の製造方法。
  5. 脱気後の溶存酸素量は0.01〜10ppmの範囲である請求項1記載の酒類の製造方法。
  6. 脱気前に、脱気する酒類で中空糸膜モジュール内を共洗いする工程を有する請求項1記載の酒類の製造方法。
  7. 中空糸膜モジュールを用いて酒類から溶存気体を脱気する工程を有する酒類の樹脂臭の低減方法であって、前記中空糸膜モジュールに用いられる中空糸膜がスキン層と多孔質層とを有し、かつ、スキン層が酒類と接液すること、
    酒類がビール、発泡酒、清酒、ワイン、ウィスキーまたは焼酎であること、
    中空糸膜がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする酒類の樹脂臭の低減方法。
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