JP6979556B1 - 酒類中の自然発泡炭酸ガスの残存ならびに劣化抑止システム - Google Patents

酒類中の自然発泡炭酸ガスの残存ならびに劣化抑止システム Download PDF

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Abstract

【課題】醪の圧搾によって分離生成する生酒中に存する自然発泡の炭酸ガスをそのままキープさせ、発泡感ある酒を形成でき、酸素による劣化を抑止できるようにする。【解決手段】醪を圧搾する圧搾機1によって分離生成された生酒中に溶存されている炭酸ガスを維持し、酸素、窒素を除去する脱気装置10を備え、脱気装置10は、生酒中の酸素、窒素を透過させて除去させる中空糸膜12を内部に配装して成る。脱気装置10には、脱気装置10内で流動する生酒中の酸素、窒素を吸引する真空手段21と、脱気装置10内に供給する生酒に対して均衡する供給圧で、中空糸膜12の真空吸引側に炭酸ガスを供給して中空糸膜12に押し当てる炭酸ガス供給手段31とを接続する。脱気装置10は、真空手段21に接続される吸引口17、真空手段21あるいは炭酸ガス供給手段31に切り替えて接続する通気口18それぞれを備える。【選択図】図1

Description

本発明は,主として日本酒を醸造するに際し、醪に対する圧搾後に得られる生酒中に残存されている炭酸ガスをそのまま維持することで発泡感のある酒を生成し、また、溶存する酸素、窒素を除去することで、酸素による劣化を抑止し長期保存も可能にした酒類中の自然発泡炭酸ガスの残存ならびに劣化抑止システムに関する。
従来から、日本酒を製造するには、蒸した精米に麹を混ぜ、これに水、麹を加えて発酵させ、熟成した醪を圧搾して酒粕と生酒に分離し、分離した生酒を保存するには、貯蔵時の混濁、酸味発生等を防止し、また香りが損なわれないようにしている。
ただ、生酒自体には醸造当初から炭酸ガスが溶存されていることで得られる発泡感をそのまま維持しながら、生酒自体を劣化させる酸素を除去しなければ長期保存は困難である。このため、従来、例えば特許文献1に係る炭酸酒およびその製造方法、特許文献2に係る酒類の製造方法および酒類の脱気方法、特許文献3に係る酒類の貯蔵方法が提案されている。
特許文献1の製造方法は、複合多層構造の中空糸膜を利用して脱気処理を施し、500ppm以上の高濃度の炭酸ガスを直接給気するとする。特許文献2の製造方法・脱気方法は、酒類中の溶存気体を脱気するに際し、スキン層と多孔質層とを有する中空糸膜のモジュールを用い、酒類がスキン層と接液するようにして成る。特許文献3の貯蔵方法は、あらかじめ脱気処理した酒類を貯蔵するとし、貯蔵容器に貯蔵する際に生酒を脱気した直後に火入れ処理を施すこともあるとする。
特開2001−327278号公報 国際公開2017−104638号公報 特開平10−165165号公報
ところが、この特許文献1に示された製造方法によると酒に強制的に炭酸ガスを給気するとしても、発酵の際に溶存されていた炭酸ガスによる発泡感に比し感覚的に異なり、違和感を生じさせる。特許文献2に示された製造・脱気方法によると酒類中の溶存気体を脱気するに際し、発酵時に生じている溶存している炭酸ガスをも脱気させ、酒類が備えている発泡感も喪失させてしまう。特許文献3の貯蔵方法によると溶存気体の除去によって、また火入り処理と共に酒類の劣化防止、長期貯蔵が可能であっても、溶存されていた炭酸ガスの発泡感を喪失させることに変わりはない。
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、醪を圧搾して分離された生酒中に残存している炭酸ガスによって搾りたて時の発泡感をそのままキープして酒質をそのまま保持でき、また、溶存する酸素、窒素を除去でき、酸素による劣化を抑止すると共に、熟成効果によっていわゆるまろやかさを向上でき、貯蔵温度を上げられることで冷蔵時の省エネにも役立つようにした酒類中の自然発泡炭酸ガスの残存ならびに劣化抑止システムを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、醪を圧搾する圧搾機1によって分離生成された生酒中に溶存されている炭酸ガスを維持し、酸素、窒素を除去する脱気装置10を備えた酒類中の自然発泡炭酸ガスの残存システムにおいて、前記脱気装置10は、生酒中の酸素、窒素を透過させて除去させる中空糸膜12を内部に配装して成り、この脱気装置10には、脱気装置10内で流動する生酒中の酸素、窒素を吸引する真空手段21と、脱気装置10内に供給される生酒に対して均衡する供給圧で、中空糸膜12の真空吸引側に炭酸ガスを供給して中空糸膜12に押し当てる炭酸ガス供給手段31とを接続したことを特徴とする。
また、脱気装置10は、真空手段21に接続される吸引口17、真空手段21あるいは炭酸ガス供給手段31に切り替えて接続される通気口18それぞれを備えて構成することができる。
脱気装置10は、筒状の器枠11に生酒供給管4が接続される生酒供給口15を設け、脱気処理後の生酒である処理液を排出するよう処理液排出管7が接続される処理液注出口16を設け、器枠11の内部に配装した非多孔質膜による円筒状の中空糸膜12の内側あるいは外側のいずれか一方を生酒が流動する液流通部13とし、いずれか他方を真空手段21あるいは炭酸ガス供給手段31に連通する気流通部14として液流通部13を流動する生酒中から真空手段21によって酸素、窒素を脱気させ、また炭酸ガス供給手段31によって液流通部13中の生酒圧と均衡する炭酸ガス圧を注入するようにして構成することができる。
脱気装置10は、内装した筒状の中空糸膜12の外側を生酒が流動する液流通部13とし、同じく内側を気流通部14とし、液流通部13に生酒供給口15を、同じく処理液注出口16を設けると共に、気流通部14に、真空手段21あるいは炭酸ガス供給手段31のいずれかに切り替えられる通気口18を設けることで構成することができる。
以上のように構成された本発明に係る酒類中の自然発泡炭酸ガスの残存ならびに劣化抑止システムにあって、圧搾機1によって分離生成された生酒が脱気装置10に供給されると、生酒中に溶存されている炭酸ガスをそのまま維持させて生酒の発泡感を損なわせず、また、溶存する酸素、窒素を除去させ、酒類成分とアルコールが混和しやすくなり、熟成効果によっていわゆるまろやかさを向上させる。
脱気装置10に内装の中空糸膜12は、生酒が流動する液流通部13と気流通部14とを区分けし、気流通部14に連通する真空手段21による吸引作用で、分子量が大きい炭酸ガスを透過させずに、生酒中に溶存する酸素、窒素のみを透過させて生酒中から除去させる。また炭酸ガス供給手段31は気流通部14内に供給した炭酸ガス圧を、液流通部13内の生酒圧と均衡させて、生酒中に溶存されている炭酸ガスをそのまま維持させ、生酒が有する発泡感を維持させる。
液流通部13では、生酒を脱気装置10の生酒供給口15を経て供給し、処理後の処理液は処理液注出口16を経て排出させることで、生酒は液流通部13内で流動される過程で、気流通部14に生じる真空作用で酸素、窒素の脱気を円滑に行わせる。
気流通部14に炭酸ガスが供給されるとき、中空糸膜12を隔てた液流通部13内の生酒圧と均衡させることで、液流通部13内を流通する生酒中で溶存されている炭酸ガスをそのまま維持させ、醸造時に発酵し、生じている発泡感をそのまま維持させる。
本発明は以上説明したように構成されているため、圧搾することで分離された生酒中に溶存されている炭酸ガスを除去することないことで搾りたて時の発泡感をそのまま維持して酒質をそのまま保持でき、また、溶存する酸素、窒素を除去でき、しかも、その熟成効果によっていわゆるまろやかさを向上でき、貯蔵温度を上げられることで冷蔵時の省エネにも役立てることができる。
すなわちこれは本発明において、生酒中に溶存されている酸素、窒素を脱気装置10に内装の中空糸膜12によって除去あるいは溶存されている炭酸ガスをキープするのであり、脱気装置10には、脱気装置10内で流動する生酒中の酸素、窒素を吸引する真空手段21と、脱気装置10内に供給される生酒に対して均衡する供給圧で、中空糸膜12の真空吸引側に炭酸ガスを真空手段21に代えて供給する炭酸ガス供給手段31とを接続したからである。これによって、酸素、窒素の除去、まろやかさの付与、溶存の炭酸ガスによる発泡感の維持等を実現できる。
また、脱気装置10では、液流通部13に生酒が供給されて液流通部13内を流動するとき、その流動中に真空手段21によって生酒中に含まれる酸素、窒素を除去できる。酸素が除去されるため、貯蔵・流通時のポリスルフィドの生成を抑制することで、老香・着色等による劣化を抑止できる。そして、アルコールと酒類成分との混合が瞬間的に行われ、熟成効果によってまろやかさを向上でき、ポリスルフィドの生成を抑制することから、貯蔵温度を上げることができ、冷蔵のためのエネルギー消費を少なくすることで省エネに貢献するのに役立つ。
炭酸ガス供給手段31は、液流通部13内を流通する生酒圧と均衡する炭酸ガス圧を中空糸膜12を隔てた気流通部14内に供給することで、中空糸膜12に対して炭酸ガスをいわば押し当てた状態とし、液流通部13内の生酒中に当初から溶存されている炭酸ガスを除去せずに保持させている。そのため、生酒の発泡感をそのまま維持させることができる。
脱気装置10では、真空手段21に接続される吸引口17を気流通部14に、真空手段21あるいは炭酸ガス供給手段31に切り替えて接続される通気口18を気流通部14に備えている。そのため、真空手段21による真空作用は気流通部14の複数箇所で作用されることで、気流通部14における真空作用は、中空糸膜12を経た生酒中からの酸素、窒素を効率的に除去できる。
一方、気流通部14の通気口18で切り替えられた炭酸ガス供給手段31によって供給される炭酸ガスは、気流通部14内で充満し、気流通部14の炭酸ガスを中空糸膜12に押し当てることで、炭酸ガス圧は液流通部13内の生酒圧と中空糸膜12を経て均衡を保つように調整することができる。
このため、通気口18において、真空手段21による酸素・窒素を除去する真空作用、炭酸ガス供給手段31による炭酸カス供給作用によって、真空作用による生酒からの酸素、窒素の除去、炭酸ガス供給による溶存炭酸ガスの維持に対応できるように運転・稼働が可能であり、またそのいずれかを選択することもできる。
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
本発明を実施するための一形態を示すシステムの概要図である。 同じく圧搾処理から充填、打栓するまでの全体処理を示すフロー図である。 同じく脱気装置の中空糸膜における酸素、窒素の除去作用を説明する模式図である。 同じく脱気装置の配管系統において、真空手段による真空作用時、あるいは炭酸ガス供給手段によるガス供給時の各弁の開閉操作状態の組合せを示す操作表である。 同じく中空糸膜によって隔てられた液流通部、気流通部を示し、その(A)は酸素、窒素の脱気作動時、その(B)は溶存炭酸ガスの均衡作動時である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号Aは上層エリア、Bは充填エリアであり、上層エリアAでは生酒を生成して貯留し、充填エリアBでは生酒を脱気処理し、充填するようになっている(図2参照)。
上層エリアAにおいて、圧縮機1では、蒸した後の精米に麹を加え、発酵された醪が投入されると、醪を圧搾して酒粕と生酒とに分離する。分離された生酒は、いわゆる垂れ壺と称される生酒槽2に一時的に貯留される。
図2に示すように、この生酒槽2に貯留された生酒は、例えば一定量が貯留されると貯酒タンク3にポンプ等によって送り込まれて一時的に貯留されることもある。この貯酒タンク3は、所定容量を備えた円筒・ボックス状の槽本体から成り、醪からの分離処理によって生酒槽2に一時的に貯留できずに溢出する生酒はポンプを介して送出されて一時的にでも貯留される。このタンク3では酸素置換でき、開放あるいは閉塞構造としてあるも、全工程をインライン化する上では生酒が外気と遮断されるよう閉塞構造とする。
尚、この上層エリアAでは、室温が5℃以下になるように温度管理されることが望ましく、また、不活性ガス供給手段9によって供給されるアルゴンガス、窒素ガス等によって、圧搾機1、生酒槽2、貯酒タンク3それぞれの内部の酸素を置換させ、貯蔵時の劣化を抑止させるようにしている。
生酒槽2あるいは貯酒タンク3内の生酒は、供給制御弁5が配されている生酒供給管4を介して充填エリアBに設けられている脱気装置10に供給され、この脱気装置10によって生酒中に溶存されている酸素、窒素が除去されたり、生酒中に溶存されている炭酸ガスをそのまま維持するようにされたりするのであり、これらの除去作用、維持作用は脱気装置10に接続配管される配管系統に設けた各バルブの開閉制御によって操作される。
また、脱気装置10の下部に設けた生酒供給口15には、前記生酒槽2あるいは貯酒タンク3に連通される生酒供給管4が供給制御弁5を介して接続され、生酒ポンプ6によって生酒が生酒槽2あるいは貯酒タンク3から脱気装置10内に供給される。脱気装置10の上部に設けた処理液注出口16には、後述する充填機40に連通されている処理液排出管7が出口弁8を介して接続されている。
脱気装置10は、図1に示すように、例えば下方から注入された生酒中に残存されている酸素、窒素を、例えば器枠11の内部に配装した多数の円筒状の中空糸膜12によって除去したり、溶存されている炭酸ガスを中空糸膜12によって維持したりするようにして成る。この脱気装置10には、脱気装置10内で流動する生酒中の酸素、窒素を吸引する真空手段21と、注入される生酒に対して均衡する供給圧で、中空糸膜12の真空吸引側に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給手段31とが接続されている。これらの真空手段21、炭酸ガス供給手段31は、脱気装置10に接続することで形成すべく、これらの配管系統を後述するように適宜に接続することで構成してある。
脱気装置10自体は、器枠11の内部に配装した非多孔質膜による円筒状の前記中空糸膜12の内側あるいは外側のいずれか一方を生酒が流動する液流通部13とし、いずれか他方を真空手段21、炭酸ガス供給手段31に連通する気流通部14としてある。そして、気流通部14内を真空の減圧状態とすることで液流通部13を流動する生酒中から酸素、窒素を脱気させ、また炭酸ガス供給手段31によって気流通部14内に炭酸ガスを供給し、気流通部14内の炭酸ガス圧を液流通部13内を流通する生酒圧と均衡させるようにしてある。
脱気装置10の中空糸膜12は、例えばPMP(ポリ−4メチルペンテン)やポリエチレン樹脂製の中空糸膜を素材として所定の肉厚に形成されており、生酒中に溶存されている例えば酸素、窒素の気体分子を、減圧されている気流通部14に通過させるも生酒の液体を通過させず、生酒中の酸素、窒素を除去できるようにしている(図3参照)。このとき、酸素、窒素が除去されるのみで、分子量が大きい炭酸ガスは生酒中に残存されたままとなっている。尚、脱気された酸素、窒素は真空手段21を経て外部に放散されるようにしている。
脱気装置10に接続される真空手段21は、真空ポンプ22に連通された真空処理管23を脱気装置10における前記気流通部14に連通するよう接続することで形成してある。図例にあって、真空処理管23には、脱気装置10の器枠11の上部に設けた吸引口17に接続するよう、上部吸引制御弁25が設けられている上部吸引管26と、脱気装置10における気流通部14に連通されて器枠11の下部に設けた通気口18に接続するよう、下部吸引制御弁27が設けられている下部吸引管28とを接続させてある。こうすることで、図5(A)に示すように、上部吸引制御弁25、下部吸引制御弁27それぞれが開放されているときの真空ポンプ22の作動で気流通部14内を減圧し、中空糸膜12を経て液流通部13内で流動する生酒中から酸素、窒素等を吸引、除去する。なお、図中符号17は大気開放弁、24は真空ポンプ22作動用の給水弁である
また、脱気装置10に接続される炭酸ガス供給手段31は、炭酸ガスボンベ32に接続連通された炭酸ガス供給管33を脱気装置10における前記通気口18に接続することで形成してある。炭酸ガス供給管33には、流量をコントロールするための流量制御弁34、炭酸ガス供給管33自体を開閉制御する開閉制御弁35それぞれが設けられている。炭酸ガス供給管33は、真空手段21における前記下部吸引管28と共に通気口18に接続されているところ、図5(B)に示すように、炭酸ガス供給管33における開閉制御弁35、下部吸引管28における下部吸引制御弁27それぞれに対する開閉制御によって、脱気装置10における気流通部14内の減圧、あるいは炭酸ガスの注入充填による均衡のいずれかを操作制御できるようにしている。
このときの炭酸ガスの気流通部14内における圧力は、例えば0.8〜0.9GV(ガスボリューム)として、中空糸膜12を炭酸ガス圧力によっていわば押し当てるようにしており、炭酸ガスが中空糸膜12を経て液流通部13内の生酒に混入しないようにしている。
ここで、真空手段21による真空処理、炭酸ガス供給手段31による炭酸ガス均衡処理を行う際の配管系統における各弁の開閉操作を纏めると、図4に示す操作表のとおりである。この操作表において、〇印は開放動作中、−印は無作動である閉鎖動作中を示し、また□印は気流通部14における真空度が所定値以上である場合に動作させ、真空吸引ラインを大気開放することを示す。
図例にあっての脱気装置10は、内装した筒状の中空糸膜12の外側を生酒が流動する液流通部13とし、同じく内側を気流通部14としてあり、液流通部13の下部に生酒供給口15を、同じく上部に処理液注出口16を設けてある。このように図示例にあっては、中空糸膜12の外側に生酒を流通させ、内側から脱気させる外部灌流方式としてあるも、図示を省略したが中空糸膜12の内側に生酒を流通させ、外側から脱気あるいは均衡させる内部灌流方式とすることも可能である。
また、図例にあっては、脱気装置10の下部から生酒を供給するとしているが、図示を省略したが、脱気装置10の上部から供給することも可能であり、気流通部14からの真空処理のための吸引口17を脱気装置10の下部に設けたり、気流通部14への炭酸ガスの供給処理のための通気口18を脱気装置10の上部に設けたりすることも可能である。
そして、酸素、窒素が脱気された生酒の処理液は、処理液注出口16から処理液排出管7を経て例えば充填機40に送出されて包装容器に充填され、打栓50によって適宜に包装され、検品後に出荷される。また、瓶詰め、パック詰め等によって包装されたまま貯蔵させ、適宜に出荷されることもある。尚、充填機40におけるホッパーには前記不活性ガス供給手段9から供給される不活性ガスによって酸素置換が行われるようにして劣化を抑止するようにする。
また、本発明は、以上に説明したように日本酒を主とする酒類に適用可能であるのみならず、ワインその他の醸造酒でも同様に実施可能である。
A…上層エリア
B…充填エリア
1…圧搾機
2…生酒槽
3…貯酒タンク
4…生酒供給管
5…供給制御弁
6…生酒ポンプ
7…処理液排出管
8…出口弁
9…不活性ガス供給手段
10…脱気装置
11…器枠
12…中空糸膜
13…液流通部
14…気流通部
15…生酒供給口
16…処理液注出口
17…吸引口
18…通気口
19…大気開放弁
21…真空手段
22…真空ポンプ
23…真空処理管
24…給水弁
25…上部吸引制御弁
26…上部吸引管
27…下部吸引制御弁
28…下部吸引管
31…炭酸ガス供給手段
32…炭酸ガスボンベ
33…炭酸ガス供給管
34…流量制御弁
35…開閉制御弁
40…充填機
50…打栓

Claims (2)

  1. 室温が5℃以下になるように温度管理されていて、醪を圧搾する圧搾機によって外気と遮断して生酒を生成して貯留する上層エリアと、生酒中に溶存されている炭酸ガスを維持し、酸素、窒素を除去する中空糸膜を有する脱気装置によって生酒を脱気処理し、充填する充填エリアとに区画されている酒類中の自然発泡炭酸ガスの残存システムにおいて、
    脱気装置には、脱気装置内で流動する生酒中の酸素、窒素を吸引する真空手段と、脱気装置内に供給される生酒に対して中空糸膜の真空吸引側に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給手段とを接続すると共に、真空手段に接続される吸引口、真空手段あるいは炭酸ガス供給手段に切り替えて接続される通気口それぞれを備え、
    また、脱気装置は、筒状の器枠に生酒供給管が接続される生酒供給口を設け、脱気処理後の生酒である処理液を排出するよう処理液排出管が接続される処理液注出口を設け、器枠の内部に配装した非多孔質膜による円筒状の前記中空糸膜の内側あるいは外側のいずれか一方を生酒が流動する液流通部とし、いずれか他方を真空手段あるいは炭酸ガス供給手段に連通する気流通部として液流通部を流動する生酒中から真空手段によって酸素、窒素を脱気させ、また炭酸ガス供給手段によって液流通部中に炭酸ガス圧を注入するようにして成り、
    気流通部には、気流通部における真空度、炭酸ガスの注入充填による生酒圧との均衡を制御する大気開放弁を接続したこと、
    を特徴とする酒類中の自然発泡炭酸ガスの残存システム。
  2. 前記脱気装置は、内装した筒状の中空糸膜の外側を生酒が流動する液流通部とし、同じく内側を気流通部とし、液流通部に生酒供給口を、同じく処理液注出口を設けると共に、気流通部に、真空手段あるいは炭酸ガス供給手段のいずれかに切り替えられる通気口を設けて成る請求項1に記載の酒類中の自然発泡炭酸ガスの残存ならびに劣化抑止システム。
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