JPH11114387A - 複合中空糸膜及び複合中空糸膜による水溶液中の溶存ガスの除去方法 - Google Patents

複合中空糸膜及び複合中空糸膜による水溶液中の溶存ガスの除去方法

Info

Publication number
JPH11114387A
JPH11114387A JP9303297A JP30329797A JPH11114387A JP H11114387 A JPH11114387 A JP H11114387A JP 9303297 A JP9303297 A JP 9303297A JP 30329797 A JP30329797 A JP 30329797A JP H11114387 A JPH11114387 A JP H11114387A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
fiber membrane
composite hollow
dissolved gas
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9303297A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriaki Fukushima
則明 福島
Michiharu Uenishi
理玄 上西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP9303297A priority Critical patent/JPH11114387A/ja
Publication of JPH11114387A publication Critical patent/JPH11114387A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水溶液中からの溶存ガスの除去等に用いる膜
として、機械的強度に優れ、かつ水蒸気透過量が抑制さ
れ、溶存ガスの除去効率の高い複合中空糸膜を提供し、
またその複合中空糸を用いて膜水溶液中の溶存ガスを効
率よく除去する。 【構成】 緻密層を多孔質層で挟みこんだ三層構造を有
する複合中空糸膜において、緻密層が海島の相分離構造
をとり、海、島の一方の成分がシリコーンゴムを主成分
とする架橋構造体、他方の成分が熱可塑性高分子からな
る複合中空糸膜、及び、中空糸膜の片面に溶存ガスを含
む水溶液を供給し、反対面を飽和水蒸気圧以下の減圧
し、水溶液中の溶存ガスを除去する方法において、中空
糸膜として前記複合中空糸膜を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶液中の溶存ガ
スの除去等に用いる複合中空糸膜及びその複合中空糸膜
による水溶液中の溶存ガスの除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶液中から溶存するガスを除去すること
については、民間用給水の赤水防止、ボイラーの防錆対
策、半導体洗浄用水の溶存酸素の除去等において、その
必要性が増加している。例えば、半導体の洗浄について
は洗浄剤がフロン系のものから水系のものに移行してき
ており、洗浄用水中に溶存酸素が存在すると、生菌の繁
殖が生じたり、シリコーンウエハー表面に酸化被膜が形
成されたりして生産性に悪影響を及ぼす。そのため半導
体の洗浄用水には溶存酸素濃度1ppb以下であること
が要求されている。その他、清涼飲料水の酸化劣化を防
ぐために溶存ガスを除去すること等が必要とされてい
る。
【0003】従来より、水溶液中に溶存するガスを除去
する方法として、疎水性多孔質膜や均質膜を用い、膜の
片面に溶存ガスを含む水溶液を供給し、膜の反対側を減
圧とし、溶存ガスを膜透過させ膜の二次側より溶存ガス
を排出する方法が知られており、これら膜を用いた溶存
ガスの除去方法は、装置がコンパクトでメンテナンスフ
リーであるという特徴がある。しかしながら、疎水性多
孔質膜を用いた場合には、溶存ガス濃度が一定レベルま
で下がると、それ以下に下げることが困難であり、また
膜が汚れることにより膜の疎水性が失われ減圧側に水溶
液が漏れ出すという問題がある。また、均質膜を用いた
場合は、溶存ガスの除去性能が悪く、除去性能を上げる
ために均質膜を薄膜にすると、機械的強度が低下し膜が
破れ易くなるという問題がある。
【0004】そこで、疎水性多孔質膜と複合化したシリ
コーンゴム等気体透過性の高い素材からなる均質膜を用
い、水溶液中の溶存ガスを除去する方法が検討されてい
る。例えば多孔質支持層上に高い気体透過性を有する均
質薄膜を形成し、この複合膜を用いて水溶液中の溶存ガ
スを除去する方法が特開平2−290202号公報にて
開示されている。しかし、この複合膜も機械的強度が低
く、ピンホールが生じたり、薄膜が剥離する等の課題を
残している、また、シリコーンゴム薄膜は、水蒸気透過
量が多く減圧効果が下がり、脱気性能が低下するという
問題もある。
【0005】一方、中空糸膜として、薄い均質な緻密層
を多孔質層で挟みこんだ三層構造の複合中空糸膜が特公
平3−44811号公報にて開示されている。この三層
構造の複合中空糸膜には、薄膜の剥離やピンホールが生
じ難いという特徴がある。そして、三層構造の複合中空
糸膜を用いて水溶液中の溶存ガスを除去する方法につい
ては、特開平3−169303号公報にて開示されてい
る。しかしながら、この方法では、用いた素材による緻
密層での水蒸気透過量が大きいため、溶存ガス除去操作
において減圧装置の前に水分を凝縮させる装置を設けな
ければならず、溶存ガスの除去装置が複雑になり、また
操作性も悪くなる。また、一般に脱気膜といわれる膜に
おいては、水蒸気の透過量が溶存ガスの透過量より大き
いことが溶存ガスの除去効率を下げている大きな原因と
なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、膜を用いて
水溶液中からの溶存ガスの除去を効率的に行うために
は、膜の機械的強度を向上させるとともに、脱ガス性能
を下げることなく水蒸気の膜の透過を抑制することが必
要であるとの視点から検討した結果、至ったものであ
り、本発明の目的は、水溶液中からの溶存ガスの除去等
に用いる膜として、機械的強度に優れ、かつ水蒸気透過
量が抑制され、溶存ガスの除去効率の高い複合中空糸膜
を提供することにあり、またその複合中空糸を用いて膜
水溶液中の溶存ガスを効率よく除去することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、緻密層を多孔
質層で挟みこんだ三層構造を有する複合中空糸膜におい
て、緻密層が海島の相分離構造をとり、海、島の一方の
成分がシリコーンゴムを主成分とする架橋構造体、他方
の成分が熱可塑性高分子からなることを特徴とする複合
中空糸膜、及び、中空糸膜の片面に溶存ガスを含む水溶
液を供給し、反対面を飽和水蒸気圧以下に減圧し、水溶
液中の溶存ガスを除去する方法において、中空糸膜とし
て前記複合中空糸膜を用いることを特徴とする複合中空
糸膜による水溶液中の溶存ガスの除去方法、にある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の複合中空糸膜は、緻密層
と多孔質層とで構成され、緻密層を多孔質層で挟みこん
だ三層構造を有し、緻密層は、シリコーンゴムを主成分
とする架橋構造体と熱可塑性高分子とが一方が海、他方
が島の相分離構造をとるものであり、相分離せるシリコ
ーンゴムを主成分とする架橋構造体によって良好な溶存
ガス透過性を発揮し、また相分離せる熱可塑性高分子に
よって機械的強度、薄膜賦形成性を与えるとともに、水
蒸気透過性を低減させる。
【0009】緻密層の海又は島を構成するシリコーンゴ
ムを主成分とする架橋構造体とは、シリコーンゴムの架
橋体と熱可塑性高分子・シリコーン共重合体の網目構造
の架橋体を指し、例えば架橋ポリジメチルシリコーン等
が好ましいものとして挙げられる。また、シリコーンゴ
ムを主成分とする架橋構造体には、熱可塑性高分子・シ
リコーンのグラフト共重合体が含まれていてもよい。
【0010】緻密層の島又は海を構成する熱可塑性高分
子としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
4−メチルペンテン−1、エチレン−プロピレン共重合
体等のオレフィン系重合体、エチレン−ビニルアセテー
ト共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体
等オレフィンと他の単量体との共重合体、パーフルオロ
アルキル重合体等のフッ素含有重合体、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
オキシベンゾエート、ポリフェニレンオキサイド、ウレ
タン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合
体、ポリスルフォン系重合体、アルキル(メタ)アクリ
レート系重合体、ポリエステル系重合体等が挙げられ、
これらは単独で或いは組み合わせて用いられる。
【0011】特に、緻密層の島又は海を構成する熱可塑
性高分子として、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−アルキ
ルアクリレート共重合体、パーフルオロアルキル重合
体、ポリエステル系重合体が好ましいものとして挙げら
れる。
【0012】緻密層を構成する海島の相分離構造にある
シリコーンゴムを主成分とする架橋構造体と熱可塑性高
分子との比率は、シリコーンゴムを主成分とする架橋構
造体/熱可塑性高分子=1/99〜99/1(wt
%)、特に5/95〜80/20(wt%)とすること
が好ましい。また、海島の構造においては、シリコーン
ゴムを主成分とする架橋構造体が海、熱可塑性高分子が
島、或いはシリコーンゴムを主成分とする架橋構造体が
島、熱可塑性高分子が海のいずれであってもよい。島の
ドメインの大きさ、即ち円形に近似したものとしての直
径は、0.01〜100μm、特に0.1〜5μmの範
囲であることが好ましく、0.01μm未満では、島と
しての役割が不十分であり、100μmを超えると、薄
膜に賦形することが困難となる。
【0013】緻密層は、溶存ガスを透過し除去するうえ
から、層厚が0.1〜50μmの範囲であることが好ま
しい。層厚が0.1μm未満では、機械的強度が低下す
ることがあり、層厚が50μmを超えると溶存ガスの透
過流量が低下し溶存ガスの除去効率が向上しないものと
なる。
【0014】多孔質層は、緻密層を補強支持するもので
あり、多孔質層を構成する素材としては、溶融紡糸が可
能で、延伸法による多孔化が可能であれば特に制限はな
く、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ3−メ
チルブテン−1、ポリ4−メチル−ペンテン−1等のオ
レフィン系重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフルオ
ロエチレン等のフッ素系重合体等の結晶性重合体が挙げ
られる。
【0015】本発明の複合中空糸膜は、その緻密層によ
って、中空糸膜の片面に水溶液を供給し、反対面を飽和
水蒸気圧以下の減圧したときの膜の水蒸気透過量が87
g/m2・hr以下であるという低い水蒸気透過性を有
する。低い水蒸気透過性を有することは、溶存ガスの除
去効率を上げるとともに、減圧する際のポンプの負荷を
下げる。
【0016】本発明の複合中空糸膜の製造は、製造方法
自体には特に制限はなく、緻密層とするシリコーンゴム
を主成分とする架橋構造体と熱可塑性高分子の一方が
海、他方が島の海島の相分離構造のブレンド重合体と、
多孔質層とする素材重合体とを、最外層、最内層に多孔
質層とする素材重合体、中間層に緻密層とする海島相分
離構造のブレンド重合体が分配されるようにして、環状
複合ノズルより共押し出しし、必要により巻き取った
後、延伸することにより、緻密層が多孔質層で挟みこま
れた三層構造の複合中空糸膜を得ることができる。
【0017】本発明の複合中空糸膜は、水溶液中の溶存
ガスを除去する方法において好ましく用いられ、中空糸
膜の片面に溶存ガスを含む水溶液を供給し、反対面を減
圧し、水溶液中の溶存ガスを除去する方法において、中
空糸膜として前記複合中空糸膜を用いることにより、水
溶液中の溶存ガスを除去効率よく除去することができ
る。
【0018】本発明の複合中空糸膜により、水溶液中か
ら溶存ガスを除去する際には、中空糸膜の一次側に供給
する溶存ガスを含む水溶液の温度は、水溶液の種類によ
り異なるが、0〜80℃、特に20〜60℃であること
が好ましい。また、溶存ガスを含む水溶液を供給する面
とは反対の面を減圧する際の圧力は、150mmHg以
下、特に水溶液の飽和水蒸気圧以下とすることが好まし
い。かかる本発明の複合中空糸膜を用いる方法によれ
ば、水溶液の溶存ガス濃度を500ppb以下、条件を
選択するならば50ppb以下、さらには10ppb以
下にまで下げることができる。
【0019】本発明の複合中空糸膜を用いて、水溶液中
から溶存ガスを除去する際には、図1に示すような中空
糸膜モジュールを作製し、例えば中空糸膜の内側を一次
側とする場合は、溶存ガス含有水溶液をモジュールの一
方の端部の溶液入口4から供給し、中空糸2の内部を通
すとともに、モジュール内の中空糸膜2の外側をモジュ
ールの側壁のガス導出口6から減圧し、中空糸膜2を透
過した溶存ガスをガス導出口6から排出する。また溶存
ガス除去水溶液はモジュールの他方の端部の溶液出口5
から排出される。このモジュールにおいて、中空糸膜の
外側を一次側とし、中空糸膜の内側を二次側とすること
もできる。また、この操作は繰り返すことができる。な
お、図1において、中空糸膜モジュールは、ハウジング
1に本発明の中空糸膜2を収納し、ポッティング材3で
中空糸膜2の端部を中空糸膜を開口状態にして固定して
なるものである。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0021】(実施例1)緻密層素材として低密度ポリ
エチレンを海、架橋ポリジメチルシリコンを島とする海
島構造の重合体(日本ユニカー社製シルグラフト−21
0、低密度ポリエチレン/架橋ポリジメチルシリコン=
50/50(wt%))、多孔質層素材として高密度ポ
リエチレン(三井石油化学社製ハイゼックス2200
J)を用い、これらを、複合紡糸ノズルを用い、海島構
造の重合体を中間層、高密度ポリエチレンを最内層及び
最外層の三層構造となるように配して吐出温度170
℃、ドラフト比3000で溶融紡糸し、中空繊維を得
た。この中空繊維は、内径225μm、最内層50μ
m、中間層2.5μm、最外層50μmのそれぞれの厚
さの同心円状の三層構造の中空繊維であった。
【0022】この中空繊維を108℃で1時間アニール
処理した後、室温で20%延伸し、引き続き105℃の
加熱炉中で熱延伸し、最内層及び最外層が多孔質層、中
間層が緻密層の三層構造の中空糸膜(内径180μm、
最内層及び最外層の各多孔質層厚さ17μm、中間層の
緻密層厚さ1μm)を得た。最内層及び最外層の多孔質
層の表面には、0.05〜0.1μmの巾のスリット状
の孔が形成されていた。
【0023】得られた中空糸膜を束ねて内径寸法で計算
した全膜面積が1.5m2となる中空糸膜モジュールを
作製した。このモジュールの入口から温度20℃(飽和
水蒸気圧17.5mmHg)、溶存酸素濃度8.84p
pmの水道水を中空糸膜の内側に1リットル/分の流量
で供給するとともに、モジュールのガス導出口から真空
ポンプにより吸引して中空糸膜の外側を減圧し10mm
Hgに保って処理した。水蒸気透過量は、真空ポンプの
前に設けた液体窒素トラップにより中空糸膜を透過した
水蒸気を凝集して捕捉して測定したが、表1にも示すよ
うに、水蒸気透過量は33g/m2・hrであり、モジ
ュールの出口からの処理水の溶存酸素濃度は300pp
bであった。
【0024】(比較例1)実施例1において、緻密層素
材としてセグメント化ポリウレタン(サーメディックス
社製テコフレックスEG80A)を用いた以外は実施例
1と同様にして多孔質層、緻密層の各厚さが実施例1の
ものと同一の三層構造の中空糸膜を得、内径寸法で計算
した全膜面積が1.5m2の中空糸膜モジュールを作製
した。このモジュールを用い、実施例1と同一条件で温
度20℃(飽和水蒸気圧17.5mmHg)、溶存酸素
濃度8.84ppmの水道水を処理した。実施例1と同
様にして測定した水蒸気透過量は、表1にも示すよう
に、195g/m2・hrであり、モジュールの出口か
らの処理水の溶存酸素濃度は300ppbであった。
【0025】(実施例2)実施例1において、緻密層素
材として直鎖状低密度ポリエチレンを海、架橋ポリジメ
チルシリコンを島とする海島構造の重合体(日本ユニカ
ー社製シルグラフト−250、直鎖状低密度ポリエチレ
ン/架橋ポリジメチルシリコン=50/50(wt
%))を用いた以外は実施例1と同様にして多孔質層、
緻密層の各厚さが実施例1のものと同一の三層構造の中
空糸膜を得、内径寸法で計算した全膜面積が1.5m2
の中空糸膜モジュールを作製した。このモジュールを用
い、実施例1と同一条件で温度20℃(飽和水蒸気圧1
7.5mmHg)、溶存酸素濃度8.84ppmの水道
水を処理した。実施例1と同様にして測定した水蒸気透
過量は、表1にも示すように、3g/m2・hrであ
り、モジュールの出口からの処理水の溶存酸素濃度は1
60ppbであった。
【0026】(実施例3)実施例1において、緻密層素
材としてポリプロピレンを海、架橋ポリジメチルシリコ
ンを島とする海島構造の重合体(日本ユニカー社製シル
グラフト−610、ポリプロピレン/架橋ポリジメチル
シリコン=50/50(wt%))を用いた以外は実施
例1と同様にして多孔質層、緻密層の各厚さが実施例1
のものと同一の三層構造の中空糸膜を得、内径寸法で計
算した全膜面積が1.5m2の中空糸膜モジュールを作
製した。このモジュールを用い、実施例1と同一条件で
温度20℃(飽和水蒸気圧17.5mmHg)、溶存酸
素濃度8.84ppmの水道水を処理した。実施例1と
同様にして測定した水蒸気透過量は、表1にも示すよう
に、2g/m2・hrであり、モジュールの出口からの
処理水の溶存酸素濃度は150ppbであった。
【0027】(実施例4)実施例1において、緻密層素
材としてエチレン−ビニルアセテート共重合体を海、架
橋ポリジメチルシリコンを島とする海島構造の重合体
(日本ユニカー社製シルグラフト−150、エチレン−
ビニルアセテート共重合体/架橋ポリジメチルシリコン
=50/50(wt%))を用いた以外は実施例1と同
様にして多孔質層、緻密層の各厚さが実施例1のものと
同一の三層構造の中空糸膜を得、内径寸法で計算した全
膜面積が1.5m2の中空糸膜モジュールを作製した。
このモジュールを用い、実施例1と同一条件で温度20
℃(飽和水蒸気圧17.5mmHg)、溶存酸素濃度
8.84ppmの水道水を処理した。実施例1と同様に
して測定した水蒸気透過量は、表1にも示すように、7
0g/m2・hrであり、モジュールの出口からの処理
水の溶存酸素濃度は90ppbであった。
【0028】(実施例5)実施例1において、緻密層素
材としてエチレン−エチルアクリレート共重合体を海、
架橋ポリジメチルシリコンを島とする海島構造の重合体
(日本ユニカー社製シルグラフト−310、エチレン−
エチルアクリレート共重合体/架橋ポリジメチルシリコ
ン=50/50(wt%))を用いた以外は実施例1と
同様にして多孔質層、緻密層の各厚さが実施例1のもの
と同一の三層構造の中空糸膜を得、内径寸法で計算した
全膜面積が1.5m2の中空糸膜モジュールを作製し
た。このモジュールを用い、実施例1と同一条件で温度
20℃(飽和水蒸気圧17.5mmHg)、溶存酸素濃
度8.84ppmの水道水を処理した。実施例1と同様
にして測定した水蒸気透過量は、表1にも示すように、
66g/m2・hrであり、モジュールの出口からの処
理水の溶存酸素濃度は80ppbであった。
【0029】(実施例6)緻密層素材としてポリエステ
ルを海、架橋ポリジメチルシリコンを島とする海島構造
の重合体(日本ユニカー社製シルグラフト−710、ポ
リエステル/架橋ポリジメチルシリコン=50/50
(wt%))、多孔質層素材としてポリ4−メチルペン
テン−1(三井石油化学社製RT−31)を用い、これ
らを、複合紡糸ノズルを用い、海島構造の重合体を中間
層、ポリエステルを最内層及び最外層の三層構造となる
ように配して吐出温度290℃、ドラフト比3000で
溶融紡糸し、中空繊維を得た。この中空繊維は、内径2
25μm、最内層50μm、中間層2.5μm、最外層
50μmのそれぞれの厚さの同心円状の三層構造の中空
繊維であった。
【0030】この中空繊維を140℃で1時間アニール
処理した後、室温で20%延伸し、引き続き140℃の
加熱炉中で熱延伸し、最内層及び最外層が多孔質層、中
間層が緻密層の三層構造の中空糸膜(内径180μm、
最内層及び最外層の各多孔質層厚さ17μm、中間層の
緻密層厚さ1μm)を得た。最内層及び最外層の多孔質
層の表面には、0.05〜0.1μmの巾のスリット状
の孔が形成されていた。
【0031】得られた中空糸膜を束ねて内径寸法で計算
した全膜面積が1.5m2となる中空糸膜モジュールを
作製した。このモジュールを用い、実施例1と同一条件
で温度20℃(飽和水蒸気圧17.5mmHg)、溶存
酸素濃度8.84ppmの水道水を処理した。実施例1
と同様にして測定した水蒸気透過量は、表1にも示すよ
うに、50g/m2・hrであり、モジュールの出口か
らの処理水の溶存酸素濃度は300ppbであった。
【0032】(実施例7)実施例1において得られた中
空糸膜を束ねて内径寸法で計算した全膜面積が15m2
の中空糸膜モジュールを作製した。このモジュールを用
い、実施例1と同様にして、温度20℃(飽和水蒸気圧
17.5mmHg)、溶存酸素濃度8.84ppmの水
道水を3リットル/分の流量で供給して処理した。処理
した。実施例1と同様にして測定した水蒸気透過量は、
30g/m2・hrであり、モジュールの出口からの処
理水の溶存酸素濃度は10ppb以下であった。
【0033】(実施例8)実施例1において得られた中
空糸膜を束ねて内径寸法で計算した全膜面積が1.5m
2の中空糸膜モジュールを作製した。このモジュールを
用い、実施例1と同様にして、温度60℃(飽和水蒸気
圧149mmHg)、溶存酸素濃度4.26ppmの水
道水を1リットル/分の流量で供給して処理した。処理
した。実施例1と同様にして測定した水蒸気透過量は、
75g/m2・hrであり、モジュールの出口からの処
理水の溶存酸素濃度は10ppb以下であった。
【0034】(実施例9)実施例1において、緻密層素
材としてポリプロピレンを海、架橋ポリジメチルシリコ
ンを島とする海島構造の重合体(日本ユニカー社製シル
グラフト−610)とポリプロピレンとの混合物(ポリ
プロピレン/架橋ポリジメチルシリコン=90/10
(wt%))を用いた以外は実施例1と同様にして多孔
質層、緻密層の各厚さが実施例1のものと同一の三層構
造の中空糸膜を得、内径寸法で計算した全膜面積が1.
5m2の中空糸膜モジュールを作製した。このモジュー
ルを用い、実施例1と同一条件で温度20℃(飽和水蒸
気圧17.5mmHg)、溶存酸素濃度8.84ppm
の水道水を処理した。実施例1と同様にして測定した水
蒸気透過量は、表1にも示すように、1.5g/m2
hrであり、モジュールの出口からの処理水の溶存酸素
濃度は400ppbであった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の複合中空糸膜は、機械的強度に
優れ、かつ水蒸気透過量が抑制された溶存ガスの除去効
率の高い複合中空糸膜であり、水溶液中からの溶存ガス
の除去性能の高い脱気膜として好適に用いられ、また、
液体−液体混合物、気体−気体混合物の分離膜としても
用いられる。また本発明の複合中空糸を用いてボイラー
用水、超純水、食品用水等の水溶液中の溶存ガスを効率
よく除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合中空糸膜を用いた中空糸膜モジュ
ールの断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 中空糸膜 3 ポッティング材 4 溶液入口 5 溶液出口 6 ガス導出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 71/70 B01D 71/70

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緻密層を多孔質層で挟みこんだ三層構造
    を有する複合中空糸膜において、緻密層が海島の相分離
    構造をとり、海、島の一方の成分がシリコーンゴムを主
    成分とする架橋構造体、他方の成分が熱可塑性高分子か
    らなることを特徴とする複合中空糸膜。
  2. 【請求項2】 熱可塑性高分子が、ポリオレフィン、エ
    チレン−ビニルアセテート共重合体又はエチレン−ビニ
    ルアセテート共重合体である請求項1記載の複合中空糸
    膜。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンが、ポリプロピレン、低
    密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンである
    請求項2記載の複合中空糸膜。
  4. 【請求項4】 中空糸膜の片面に水溶液を供給し、反対
    面を飽和水蒸気圧以下に減圧したときの膜の水蒸気透過
    量が87g/m2・hr以下である請求項1、請求項2
    又は請求項3記載の複合中空糸膜。
  5. 【請求項5】 中空糸膜の片面に溶存ガスを含む水溶液
    を供給し、反対面を飽和水蒸気圧以下に減圧し、水溶液
    中の溶存ガスを除去する方法において、中空糸膜として
    請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の複合
    中空糸膜を用いることを特徴とする複合中空糸膜による
    水溶液中の溶存ガスの除去方法。
JP9303297A 1997-10-20 1997-10-20 複合中空糸膜及び複合中空糸膜による水溶液中の溶存ガスの除去方法 Pending JPH11114387A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9303297A JPH11114387A (ja) 1997-10-20 1997-10-20 複合中空糸膜及び複合中空糸膜による水溶液中の溶存ガスの除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9303297A JPH11114387A (ja) 1997-10-20 1997-10-20 複合中空糸膜及び複合中空糸膜による水溶液中の溶存ガスの除去方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11114387A true JPH11114387A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17919267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9303297A Pending JPH11114387A (ja) 1997-10-20 1997-10-20 複合中空糸膜及び複合中空糸膜による水溶液中の溶存ガスの除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11114387A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008149235A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 脱気用複合中空糸膜
JP2015167939A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 三菱レイヨン株式会社 脱気用中空糸膜モジュール
JP2015167940A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 三菱レイヨン株式会社 脱気用中空糸膜モジュール
DE102018129165A1 (de) * 2018-11-20 2020-05-20 UMS Gmbh & Co KG Gasdruckmessvorrichtung mit Hohlfasermembranbündel
CN113522050A (zh) * 2020-04-14 2021-10-22 Nok株式会社 聚砜系中空纤维膜和中空纤维膜组件

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008149235A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 脱気用複合中空糸膜
JP2015167939A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 三菱レイヨン株式会社 脱気用中空糸膜モジュール
JP2015167940A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 三菱レイヨン株式会社 脱気用中空糸膜モジュール
DE102018129165A1 (de) * 2018-11-20 2020-05-20 UMS Gmbh & Co KG Gasdruckmessvorrichtung mit Hohlfasermembranbündel
CN113522050A (zh) * 2020-04-14 2021-10-22 Nok株式会社 聚砜系中空纤维膜和中空纤维膜组件
CN113522050B (zh) * 2020-04-14 2023-07-21 Nok株式会社 聚砜系中空纤维膜和中空纤维膜组件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5869038B2 (ja) 膜接触装置による液体の脱ガス
KR0161292B1 (ko) 와권형 가스투과막모듀울과 그것을 사용하는 장치 및 방법
JPH06327905A (ja) 脱気膜モジュールおよびその運転方法
JPH11319501A (ja) 中空糸膜モジュールおよびその使用方法
JP2725312B2 (ja) 多孔質中空糸膜型気液接触装置
JPH11114387A (ja) 複合中空糸膜及び複合中空糸膜による水溶液中の溶存ガスの除去方法
JP2001120940A (ja) 液体膜による炭酸ガス分離・除去方法およびその装置
JP2725311B2 (ja) 中空糸膜型気液接触装置
JP3540417B2 (ja) 液中の溶存ガスの除去方法
JPH04176303A (ja) 液中溶存ガスの除去方法
JPH06134210A (ja) 脱気膜モジュール
JPH06335623A (ja) 脱気膜および脱気方法
JPH0751505A (ja) 水溶液中の溶存ガス除去方法及び装置
JP2008080255A (ja) 純水製造装置
JPH0638894B2 (ja) 逆浸透分離膜処理装置
JPH0760082A (ja) 超純水の比抵抗調整方法及び装置
JPH0632239Y2 (ja) 分離膜処理装置付き小型ボイラー
JPH04156903A (ja) 脱気膜装置
JPH0330889A (ja) 浄水器および浄水方法
JP3753448B2 (ja) 外部灌流型水中溶存ガス除去中空糸膜モジュール
JP3224409B2 (ja) 脱気用中空糸膜モジュール
JP3873434B2 (ja) 気体溶解用多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜を用いた気体溶解モジュール及び気体溶解方法
JP6675593B2 (ja) 酒類の製造方法および酒類の脱気方法
JPH07710A (ja) 脱気膜モジュールの運転方法
JP3677858B2 (ja) 膜脱気装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051019