JP6675110B2 - 駆動ユニットおよび電動アシスト自転車 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動ユニットおよび駆動ユニットを備えた電動アシスト自転車に関する。
バッテリなどの蓄電器から給電されるモータを有し、ペダルに加えられる踏力からなる人力駆動力を検出してこの人力駆動力に対応したモータの補助駆動力(アシスト力)を加えることで、上り坂等でも楽に走行できる電動アシスト自転車は既に知られている。
従来の電動アシスト自転車に備えられた駆動ユニットとしては、例えば図33に示すように、クランク軸201を有する人力駆動系と、クランク軸201に加えられた踏力に応じてモータ202の出力が増減するモータ駆動系とが備えられ、筒状の合力軸203がクランク軸201と同一軸線上に回転自在に設けられている構成のものがある(特許文献1等)。両駆動系は合力軸203の一端に連結され、人力駆動系と補助駆動力(アシスト力)とが合成された合力が、合力軸203の他端から電動アシスト自転車の後輪へ伝達される。
クランク軸201は筒状の人力伝達軸204を貫通し、人力伝達軸204は、合力軸203に隣接するとともに、クランク軸201と同一軸線上に回転自在に設けられている。また、人力伝達軸204の一端は一方向クラッチ205を介して合力軸203に連結され、人力伝達軸204の他端はクランク軸201に連結されている。
合力軸203の一端には大径の外周部に複数の歯203aが形成されている。合力軸203の他端部には駆動力(合力)を出力する出力スプロケット207が設けられ、出力スプロケット207には駆動力(合力)を後輪に伝達するチェーン208が巻回されている。また、モータ202の出力軸209には出力歯車209aが形成され、出力歯車209aと合力軸203の歯203aとの間には、減速機211の歯車212,213が噛み合った状態で配設されている。
この構成により、ペダルを踏むことにより、人力駆動力がクランク軸201から人力伝達軸204および一方向クラッチ205を介して合力軸203に伝達される。また、モータ202から発生する補助駆動力が減速機211を介して合力軸203に伝達され、合力軸203は人力駆動力と補助駆動力とが合成された合力によって回転する。そして、合力軸203と共に出力スプロケット207が回転することにより、合力がチェーン208を介して後輪に伝達され、後輪が回転する。
特開平10−250673号公報
しかしながら上記の駆動ユニット215は変速機構を備えていないため、電動アシスト自転車で急な上り坂を走行する場合、モータ202や自転車の搭乗者に過大な負荷がかかるといった問題がある。
本発明は、人力駆動力と補助駆動力とが合成された合力によって合力伝達体が回転し、この合力伝達体の回転が後輪に伝えられる駆動ユニットおよび電動アシスト自転車において、モータや搭乗者の負荷を軽減することができることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の駆動ユニットの共通構成は、ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータにより発生する補助駆動力を加えて走行可能である電動アシスト自転車に設けられる駆動ユニットであって、人力駆動力により回転されるクランク軸と、人力駆動力と補助駆動力とが合成された合力によって回転自在な合力伝達体と、合力伝達体の回転が伝達される駆動力出力輪体と、ギヤ比の異なる複数の選択可能な変速段を有して駆動力を合力伝達体に伝達する変速機構と、を備え、クランク軸と合力伝達軸とが同軸に配設され、変速機構は、低速段変速歯車および高速段変速歯車を含む複数の変速歯車と、高速段変速歯車の駆動力を合力伝達体に伝達可能な高速段クラッチと、高速段クラッチに係脱自在とされ、選択された変速段に応じて移動されるクラッチ切換体と、を備え、クラッチ切換体が高速段クラッチに当接した際に、高速段クラッチを合力伝達体に対して接続姿勢から切断姿勢となるようにクラッチ切換体から高速段クラッチに力を与える力付与機構が設けられていることを特徴とする
この構成によれば、電動アシスト自転車で走行している際、走行路面の傾斜等に応じて最適な変速段を選択することにより、モータや搭乗者の負荷を軽減することができて、走行路面に適した走行が行える。また、クラッチ切換体が高速段クラッチに当接した際に、高速段クラッチを合力伝達体に対して接続姿勢から切断姿勢となるようにクラッチ切換体
から高速段クラッチに力を与える力付与機構が設けられているので、高速段から低速段に変速する際に、クラッチ切換体を高速段クラッチに当接させることで、高速段クラッチが切断姿勢となるように力を付与されて、良好に変速動作を行うことが可能となる。
また、本発明は、変速機構が、人力駆動力と補助駆動力とが合成されてなる合力を変速することを特徴とする。
また、本発明は、変速機構が、低速段変速歯車の駆動力を合力伝達体に伝達可能な低速段クラッチを有することを特徴とする。
また、本発明は、クランク軸の外周に、人力駆動力が伝達される人力伝達体が配設され、人力伝達体に人力駆動力を検出するトルクセンサの磁歪発生部が形成され、クランク軸の軸心方向に対して、磁歪発生部と駆動力出力輪体との間の位置に変速機構の高速段クラッチと低速段クラッチとが配設されていることを特徴とする。
なお、高速段クラッチが、高速段変速歯車およびクラッチ切換体に係脱自在の係合部材を有する構成とすることが好適である。
また、クラッチ切換体が係合部材に係合して係合部材が傾倒姿勢にされることで、係合部材が高速段変速歯車から離脱して、高速段変速歯車から合力伝達体への駆動力が伝達されない切断状態とすると好適である。また、係合部材は、合力伝達体または合力伝達体に連動する連動回転体から起立傾倒自在に配設されていると好適である。
また、本発明は、力付与機構としてクラッチ切換体にカム面が形成され、このカム面は、係合部材が摺接しながらクランク軸と同じ軸心を中心として所定方向に公転することで係合部材が傾倒するように荷重を付与することを特徴とする。この場合には、クラッチ切換体のカム面が、係合部材がクランク軸の軸心方向に沿って出退自在に入り込む箇所の手前側ほど広がるように傾斜して形成されていると好適である。なお、クラッチ切換体のカム面が、高速段クラッチの係合部材の数の整数倍(ただし2以上の整数)設けられていてもよい。
この構成により、高速段から低速段に変速する際に、人力駆動力や補助駆動力によって係合部材が公転している際の力を用いて、クラッチ切換体のカム面により係合部材が傾倒されることで、高速段クラッチが切断姿勢とされて、良好に変速動作を行うことが可能となる。
また、本発明は、力付与機構としてクラッチ切換体に面取り形状部が形成され、この面取り形状部は、クラッチ切換体がクランク軸の軸心方向に沿って移動されることで係合部材が傾倒するように荷重を付与することを特徴とする。この場合には、クラッチ切換体にカム面が形成されている箇所のクランク軸の軸心方向奥側にも面取り形状部が形成されていると好適である。
この構成によれば、高速段から低速段に変速する際に、電動アシスト自転車が停止されている場合でも、クラッチ切換体がクランク軸の軸心方向に沿って移動されると、クラッチ切換体に形成された面取り形状部により係合部材を傾倒させて高速段クラッチを切断姿勢として、良好に変速動作を行うことが可能となる。
なお、高速段クラッチの係合部材における爪部の背面部に外周側に向けて山形状に盛り上げられてなる肉盛り部が形成されていると好適である。
また、本発明は、高速段クラッチおよび低速段クラッチが、クランク軸および合力伝達軸と同じ軸心を中心として公転するように配設されていることを特徴とする。また、本発明は、クランク軸と、モータとが、互いに異なる軸心を中心として回転するように配設されていることを特徴とする
また、本発明は前記駆動ユニットを備えた電動アシスト自転車であって、後輪に後部輪体が設けられ、駆動力出力輪体と後部輪体とに無端状の駆動力伝達体が掛け渡されていることを特徴とする。
本発明によれば、電動アシスト自転車で走行している際、走行路面の傾斜等に応じて最適な変速段を選択することにより、モータや搭乗者の負荷を軽減することができ、走行路面に適した走行が行える。また、クラッチ切換体が高速段クラッチに当接した際に、高速段クラッチを合力伝達体に対して接続姿勢から切断姿勢となるようにクラッチ切換体から高速段クラッチに力を与える力付与機構を設けることで、高速段から低速段に変速する際に、良好に変速動作を行うことが可能となる。
また、力付与機構としてクラッチ切換体にカム面を形成し、このカム面が、係合部材が摺接しながらクランク軸と同じ軸心を中心として所定方向に公転することで係合部材が傾倒するように荷重を付与するよう構成することで、高速段から低速段に変速する際に、人力駆動力や補助駆動力によって係合部材が公転している際の力を用いて、良好に変速動作を行うことが可能となる。
また、力付与機構としてクラッチ切換体に面取り形状部を形成し、この面取り形状部が、クラッチ切換体がクランク軸の軸心方向に沿って移動されることで係合部材が傾倒するように荷重を付与するよう構成することで、高速段から低速段に変速する際に、電動アシスト自転車が停止されている場合でも、良好に変速動作を行うことが可能となる。
また、高速段クラッチの係合部材における爪部の背面部に外周側に向けて山形状に盛り上げられてなる肉盛り部を形成することにより、爪部が損傷することを防止できたり、安定して係合部材を傾倒させることができたりし、これにより、当該電動アシスト自転車の信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る電動アシスト自転車の全体左側面図 同電動アシスト自転車の駆動ユニットの左側面図 同駆動ユニットの右側面図で、駆動スプロケットや右側ケースなどを取り外した状態 同駆動ユニットの平面断面図で、変速段が低速段(第1速)の状態 同駆動ユニットの要部拡大平面断面図で、変速段が低速段(第1速)の状態 同駆動ユニットの低速段クラッチと高速段クラッチとの概念的な側面図で、変速段が低速段(第1速)の状態 同駆動ユニットの平面断面図で、変速段が高速段(第2速)の状態 同駆動ユニットの要部拡大平面断面図で、変速段が高速段(第2速)の状態 同駆動ユニットの低速段クラッチと高速段クラッチとの概念的な側面図で、変速段が高速段(第2速)の状態 同駆動ユニットの合力伝達体の斜視図 同駆動ユニットの高速段変速歯車の斜視図 同駆動ユニットの合力伝達体、高速段クラッチおよびクラッチ切換体の斜視図 同駆動ユニットの高速段クラッチの係合部材(ラチェット爪)の斜視図 同高速段クラッチの係合部材(ラチェット爪)の側面図 同駆動ユニットの変速段切換機構の断面図で、変速段が低速段(第1速)の状態 同駆動ユニットの変速段切換機構の断面図で、変速段が高速段(第2速)の状態 同駆動ユニットのクラッチ切換体の斜視図 同クラッチ切換体の右側面図 同クラッチ切換体の断面図で、図18のF−F線で切断した断面図 同クラッチ切換体の断面図で、図18のH−H線で切断した断面図 同駆動ユニットの高速段クラッチの要部側面図で、変速段が高速段(第2速)の状態 同駆動ユニットの高速段クラッチの要部側面図で、変速段が高速段(第2速)から低速段(第1速)に切り換わる際の状態 一般的な係合部材(ラチェット爪)の側面図 一般的な係合部材(ラチェット爪)が高速段クラッチに用いられた場合の要部側面図で、変速段が高速段(第2速)の状態 一般的な係合部材(ラチェット爪)が高速段クラッチに用いられた場合の要部側面図で、変速段が高速段(第2速)から低速段(第1速)に切り換わる際の状態 同駆動ユニットの合力伝達体、高速段クラッチおよびクラッチ切換体の部分切欠平面図で、クラッチ切換体が高速段クラッチの係合部材に接触していない状態 同駆動ユニットの合力伝達体、高速段クラッチおよびクラッチ切換体の平面図で、高速段クラッチの係合部材がクラッチ切換体のカム面に嵌り込もうとしている状態 同駆動ユニットの合力伝達体、高速段クラッチおよびクラッチ切換体の部分右側面図で、高速段クラッチの係合部材がクラッチ切換体のカム面に嵌り込んだ状態 同駆動ユニットの合力伝達体、高速段クラッチおよびクラッチ切換体の平面図で、高速段クラッチの係合部材がクラッチ切換体のカム面に嵌り込んで傾倒している状態 同駆動ユニットの合力伝達体、高速段クラッチおよびクラッチ切換体の部分右側面図で、高速段クラッチの係合部材がクラッチ切換体のカム面に嵌り込んで傾倒している状態 同駆動ユニットの合力伝達体、高速段クラッチおよびクラッチ切換体の平面図で、高速段クラッチの係合部材がクラッチ切換体のカム面から離脱した状態 同駆動ユニットの合力伝達体、高速段クラッチおよびクラッチ切換体の部分右側面図で、高速段クラッチの係合部材がクラッチ切換体のカム面から離脱した状態 従来の電動アシスト自転車における駆動ユニットの平面断面図
以下、本発明の実施の形態に係る電動アシスト自転車について図面に基づき説明する。なお、以下の説明における左右方向および前後方向とは、進行方向に向って当該電動アシスト自転車1に搭乗した状態での方向を言う。また、この発明の構成が以下で述べる構成に限定されるものではない。
図1における1は本発明の実施の形態に係る電動アシスト自転車である。図1に示すように、この電動アシスト自転車1は、ヘッドパイプ2a、前フォーク2b、上パイプ2c、下パイプ2g、立パイプ2d、チェーンステー2e、シートステー2fなどからなる金属製のフレーム2と、前フォーク2bの下端に回転自在に取り付けられた前輪3と、チェーンステー2eの後端に回転自在に取り付けられた後輪4と、前輪3の向きを変更するハンドル5と、搭乗者が着座するサドル6と、踏力からなる人力駆動力がかけられるクランク7およびペダル8と、補助駆動力(アシスト力)を発生させる駆動源としての電動のモータ21(図4など参照)およびこのモータ21を含めた各種の電気的制御を行う制御部24(図4参照)などが設けられた駆動ユニット20と、モータ21に駆動用の電力を供給する二次電池からなるバッテリ12と、ハンドル5などに取り付けられて、搭乗者などが操作可能で、後述する変速機構(減速変速機構)25の速度(低速段(第1速)または高速段(第2速))を設定する変速段手元操作部18と、ハンドルなどに取り付けられて、搭乗者などが操作可能で、当該電動アシスト自転車1の電源の切り換えや走行モードなどを設定する手元設定部(図示せず)と、クランク軸7aと同軸心で一体的に回転するように取り付けられ、人力駆動力および補助駆動力が合わされた合力を出力する駆動力出力輪体としての駆動スプロケット(前スプロケット、クランクスプロケットや前ギヤとも称せられる)13と、後輪4のハブ(後ハブとも称する)9に取り付けられた後部輪体としての後スプロケット(後ギヤとも称せられることがある)14と、駆動スプロケット13と後スプロケット14とにわたって回転可能な状態で無端状に巻回された無端状駆動力伝達体としてのチェーン15と、などを備えている。そして、当該電動アシスト自転車1は、ペダル8からの踏力による人力駆動力に、モータ21により発生する補助駆動力を加えて走行可能であり、人力駆動力に補助駆動力を加えた合力が、駆動スプロケット13からチェーン15および後スプロケット14などを介して後輪4に伝達される。
なお、バッテリ12は蓄電器の一例であり、二次電池が好適であるが、蓄電器の他の例としてはキャパシタなどであってもよい。なお、クランク7は、左右にそれぞれ設けられるクランクアーム7bと、左右のクランクアーム7b同士を連結するクランク軸7aとからなり、クランクアーム7bの端部にペダル8が回転自在に取り付けられている。
図1に示すように、この電動アシスト自転車1では、駆動ユニット20が、クランク軸7aの近傍箇所など、前輪3と後輪4との間の中間位置(より詳しくは中間位置の下部)に配置されている。そして、このような配置構成にすることで、重量が比較的大きい駆動ユニット20が、電動アシスト自転車1の前後方向中央に配置されるため、前輪3や後輪4を持ち上げ易くて、走行路に段差があっても容易に乗り越えることができるなど、電動アシスト自転車1の車体(フレーム2など)の取り回しがよく、また、走行安定性も良好とされている。
図2〜図4などに示すように、駆動ユニット20は、モータケース22a、左側ケース22b、右側ケース22c、切換部カバー22dからなるユニットケース22により外殻部などが構成され、駆動ユニット20(この実施の形態では駆動ユニット20の後部)をクランク軸7aが左右に貫通している。また、クランク軸7aの外周に、クランク軸7aからの人力駆動力が伝達される略筒状の人力伝達体28と、人力伝達体28からの人力駆動力が伝達される連動筒体23と、連動筒体23からの人力駆動力が一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30などを介して伝達されるとともに、人力駆動力とモータ21からの補助駆動力とを合成した合力を駆動スプロケット13に伝達する合力伝達体29とが、配設されている。
また、図4などに示すように、駆動ユニット20のユニットケース22内には、モータ21の回転を減速して合力伝達体29側(この実施の形態では中間軸44)に伝達する減速機構25と、複数の変速段に応じて合力伝達体29への回転速度を変更して伝達する変速機構17とが配設されている。また、駆動ユニット20のユニットケース22内には、モータ21が配設されているとともに、各種の電気的制御を行う電子部品が設けられた制御基板24aや各種情報の記憶部などを有する制御部24も配設されている。
駆動ユニット20についてさらに詳しく述べる。図4、図5、図7、図8などに示すように、クランク軸7aが、駆動ユニット20の後部を左右に貫通した状態で軸受26、27により回転自在に配設され、このクランク軸7aにおける左側寄り部分の外周に、セレーション部(またはスプライン部)7cを介して、筒状の人力伝達体28がクランク軸7aと一体的に回転する状態で嵌め込まれている。なお、人力伝達体28の内周におけるクランク軸7aのセレーション部(またはスプライン部)7cに対応する箇所にもセレーション部(またはスプライン部)28bが形成されてクランク軸7aのセレーション部(またはスプライン部)7cと噛み合っている。
人力伝達体28の外周表面には、磁気異方性を付与した磁歪発生部31bが形成されているとともに、その外周に一定の隙間(空間)を介してコイル31aが配設され、これらの磁歪発生部31bおよびコイル31aにより磁歪式のトルクセンサ(人力検知部)31が構成されている。これにより、クランク軸7aからの人力駆動力が人力伝達体28に伝達されるとともに、トルクセンサ31により人力駆動力が検出される。また、この磁歪式のトルクセンサ31では、磁歪発生部31bが、人力伝達体28の軸心方向に対して例えば+45度と−45度とをなす螺旋形状に形成されている。そして、人力伝達体28に人力駆動力が伝達されると、人力伝達体28の表面の磁歪発生部31bに歪みが発生して透磁率の増加部分と減少部分とが発生するため、コイル31aのインダクタンス差を測定することでトルク(人力駆動力)の大きさを検出できるよう構成されている。
連動筒体23は、クランク軸7aの外周における人力伝達体28の右側に隣接した箇所で、クランク軸7aに対して回転自在の状態で配設されているが、人力伝達体28の右端部外周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)28aと、連動筒体23の左端部内周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)23aとで嵌合されて、人力伝達体28と一体的に回転する。なお、この実施の形態では、人力伝達体28のセレーション部(またはスプライン部)28aに、連動筒体23の左端部内周に形成されたセレーション部(またはスプライン部)23aが外側から嵌合されている。
また、この実施の形態では、連動筒体23の左側部分の外周に、連動筒体23の回転状態を検出するための回転検出体11が取り付けられている。また、回転検出体11を左右から微小隙間をあけて挟むように、回転検出器10がユニットケース22側に取り付けられて固定されている。例えば、回転検出器10は、出射部と受光部とからなる対となった光センサが回転検出体11の回転方向に2つ並べられて構成され、回転検出体11は、くし(櫛)歯状に外周方向に延びる多数の歯部(遮光部)を有している。そして、回転検出体11の歯部が回転検出器10の出射部と受光部との間を通過することにより、光の入射状態と遮光状態とを回転検出器10により電気的に検知して、この信号を入力する制御部24において、連動筒体23の回転量および回転方向を検知する。なお、光センサに代えて磁気センサを設けて連動筒体23の回転量および回転方向を検知してもよい。ここで、連動筒体23は人力伝達体28と一体的に回転し、人力伝達体28はクランク軸7aと一体的に回転するため、連動筒体23の回転量および回転方向を検知することで、クランク軸7aやペダル8の回転量や回転方向も検知できるよう構成されている。
また、図4〜図9などに示すように、連動筒体23の右側方および外周側に、一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して、ギヤ比の異なる複数の選択可能な変速段を有して駆動力を合力伝達体29に伝達する変速機構17が配設されている。変速機構17は、低速段変速歯車36および高速段変速歯車41と、高速段変速歯車41の駆動力を合力伝達体29に伝達可能な高速段クラッチ55と、高速段クラッチ55に係脱自在とされ、選択された変速段に応じて移動されるクラッチ切換体61と、低速段変速歯車36の駆動力を合力伝達体29に伝達可能な低速段クラッチ51などを備えている。そして、ペダル8を漕いで前進している場合には、連動筒体23に伝達された人力駆動力が変速機構17の低速段変速歯車36に伝達される。
低速段変速歯車36は、高速段変速歯車41よりも大径であり、大径の外周部に形成された歯部36aと、内周部に形成されて右側へ突出する小径の円筒部36bとを有している。そして、低速段変速歯車36は、回転筒42を介してクランク軸7aの外周に回転自在に配設されている。また、低速段変速歯車36と連動筒体23とは一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して連動可能であり、一方向クラッチ30は、周方向において、低速段変速歯車36と連動筒体23とを接続および離脱する。
図10および図4〜図9などに示すように、合力伝達体29は、クランク軸7aに回転自在に外嵌された円筒状の部材であり、左側に形成された中径筒状部29aと、右側に形成された小径筒状部29bと、中径筒状部29aの内周に形成された歯部29dと、中径筒状部29aにおいて周方向所定角度毎に設けられて、後述する高速段クラッチ55の係合部材56(ラチェット爪やカムとも称せられる)が起立傾倒可能な状態で収容される収容凹部29cと、後述する高速段クラッチ55のスプリングからなる付勢ばね57が収縮された状態で収容される付勢ばね収容溝部29fと、高速段クラッチ55の係合部材56が左側に移動することを規制する規制ばねが収容される規制ばね収容溝部29gと、小径の右側筒状部の外周面に形成されて、駆動スプロケット13が装着されるセレーション部(またはスプライン部)29hなどを有している。なお、合力伝達体29はクランク軸7aの外周に同軸かつ回転自在の状態で配設されている。また、合力伝達体29の小径筒状部29bの右端部は、ユニットケース22より外側に突出されて、この小径筒状部29bの突出部分に駆動スプロケット13が外嵌され、合力伝達体29と駆動スプロケット13とが一体的に回転する。
図4〜図9などに示すように、低速段変速歯車36の円筒部36bは合力伝達体29の中径筒状部29a内に挿入され、低速段変速歯車36の円筒部36bの外周には一方向クラッチからなる低速段クラッチ(低速段一方向クラッチ)51が設けられている。図5,図6,図8,図9に示すように、低速段クラッチ51は、径方向に起立横倒自在なラチェット爪(カム)からなる複数の係合部材52と、係合部材52が起立するように径方向外側へ付勢する円環状のスプリングからなる付勢ばね53と、を有している。低速段クラッチ51の係合部材52は合力伝達体29の歯部29dに係脱自在であり、図6に示すように、係合部材52が起立姿勢に切り換えられた場合、係合部材52は合力伝達体29の歯部29dに係合し、図9に示すように、係合部材52が傾倒姿勢に切り換えられた場合、係合部材52は合力伝達体29の歯部29dから離脱する。
図4〜図9、図11などに示すように、高速段変速歯車41は、軸受48を介して、合力伝達体29の小径筒状部29bに回転自在に外嵌されている。高速段変速歯車41は、大径の外周部に形成された歯部41aと、小径の内周部に形成されて右側へ突出する小径円筒部41bと、歯部41aと小径円筒部41bとの間に形成されて左側へ突出する中径円筒部41cと、中径円筒部41cの内周に形成された歯部41dとを有している。なお、高速段変速歯車41の歯部41aの直径は低速段変速歯車36の歯部36aの直径よりも小さい。
図5,図6,図8、図9、図12〜図14などに示すように、合力伝達体29の中径筒状部29aの外周側には一方向クラッチからなる高速段クラッチ55が設けられている。高速段クラッチ55は、径方向に起立傾倒自在なラチェット爪(カム)からなる複数の係合部材56と、係合部材56が起立するように径方向外側へ付勢する円環状のスプリングからなる付勢ばね57とを有している。高速段クラッチ55の係合部材56は高速段変速歯車41の歯部41dに係脱自在であり、図9に示すように、係合部材56が起立姿勢に切り換えられた場合、係合部材56は高速段変速歯車41の歯部41dに係合し、図6に示すように、係合部材56が傾倒姿勢に切り換えられた場合、係合部材56は高速段変速歯車41の歯部41dから離脱する。なお、係合部材56は後述するクラッチ切換体61にも係脱自在である。
このように、本実施の形態では、クランク軸7aの軸心方向に対して、トルクセンサ31(トルクセンサ31の磁歪発生部31b)や回転検出体11と、駆動力出力輪体としての駆動スプロケット13との間に、高速段クラッチ55や低速段クラッチ51を有する変速機構17が配設されている。クランク軸7aの軸心を中心として、低速段クラッチ51の外側に高速段クラッチ55が配設されている。
なお、図4,図5,図7,図8などに示すように、クランク軸7aの左端部は一方の軸受26を介して回転自在にユニットケース22(詳しくは左側ケース22b)に支持され、高速段変速歯車41の小径円筒部41bは、クランク軸7aの右端部と合力伝達体29とともに、他方の2つの軸受27A、27Bを介して回転自在にユニットケース22(詳しくは右側ケース22c)に支持されている。
モータ21は、ステータ部21cと、モータ軸受32、33により回転自在に支持されたロータ部21bと、ロータ部21bと一体に回転自在なモータ回転軸21aとを有している。モータ21のモータ回転軸21aが右側方に突出され、この突出軸部の外周に減速機構25のモータ軸減速歯車40が形成されている。
減速機構25は、クランク軸7aとモータ回転軸21aとの間に平行に設けられた中間軸44と、中間軸44に設けられた第1〜第3の減速歯車37〜39と、人力駆動力切断用の一方向クラッチ47とを有している。中間軸44は一対の軸受34、35を介してユニットケース22内に回転自在に配設されている。第1の減速歯車37の直径は第2の減速歯車38および第3の減速歯車39の直径よりも大きく、第2の減速歯車38の直径は第1の減速歯車37および第3の減速歯車39の直径よりも小さく、第3の減速歯車39の直径は第2の減速歯車38の直径よりも大きく且つ第1の減速歯車37の直径より小さい。
第1の減速歯車37はモータ軸減速歯車40に噛み合い、第2の減速歯車38は低速段変速歯車36に噛み合い、第3の減速歯車39は高速段変速歯車41に噛み合っている。これにより、低速段変速歯車36と高速段変速歯車41とは減速機構25を介してモータ21に連動している。また、一方向クラッチ47は、中間軸44の外周と第1の減速歯車37の内周との間に配設されており、人力駆動力を切断するためのものである。すなわち、この一方向クラッチ47により、モータ21が駆動されずに補助駆動力が発生していない場合には、ペダル8からの力によりモータ21のロータ部21bを回転させなくても済むように構成されている。中間軸44と第1の減速歯車37とが一方向クラッチ47を介して接続されている場合には、第1〜第3の減速歯車37〜39は中間軸44とともに一体的に一方向へ回転する。
変速機構17はギヤ比の異なる選択可能な低速段(いわゆる第1速で、変速段の一例)と高速段(いわゆる第2速で、変速段の一例)とを有している。低速段が選択された場合、低速段変速歯車36の回転が合力伝達体29に伝えられ、高速段が選択された場合、高速段変速歯車41の回転が合力伝達体29に伝えられる。また、変速機構17には、変速段を切り換える変速段切換機構60(図15、図16参照)が設けられている。
変速段切換機構60は、図5、図8などに示すように、高速段クラッチ55の係合部材56の姿勢を切り換えるクラッチ切換体61と、図3、図5、図8、図15、図16などに示すように、駆動ユニット20内でクランク軸7aと平行に支持された切換用案内軸63に沿って低速段切換位置L(図15参照)と高速段切換位置H(図16参照)とに移動自在で半円弧状のフォーク体65などを有するフォークからなる切換体移動部62とを有している。
図17〜図20などに示すように、クラッチ切換体61は、円環状の部材であり、合力伝達体29の中径筒状部29aの外周面29a’(図10参照)に摺接して、クランク軸7aの軸心を中心として回転自在で、かつクランク軸7aの軸心方向に移動自在(スライド自在)の状態で外嵌されている。クラッチ切換体61の右側面には外周側に鍔状に延びる鍔部61aが一体形成され、また、クラッチ切換体61の外周の左寄り部分には、C字形状の取付リング61bを装着する装着溝61cが形成されている。そして、クラッチ切換体61の外周(詳しくは、クラッチ切換体61の鍔部61aの左側の断面凹形状部分61e)に、切換体移動部62のフォーク体65を組付けた状態で、取付リング61b(図19、図20参照)が装着される。また、切換体移動部材62のフォーク体65の右側面と、これに対向するクラッチ切換体61の鍔部61aの左側面とには、互いに噛み合う凹凸部61a’が形成され、これにより、クラッチ切換体61が周方向に回転しないように規制されている。
ここで、クラッチ切換体61には、このクラッチ切換体61を高速段クラッチ55に当接させた際に、高速段クラッチ55の係合部材56を合力伝達体29に対して接続姿勢から切断姿勢となるようにクラッチ切換体61から高速段クラッチ55に力を与える力付与機構が設けられている。この力付与機構の1つとして、クラッチ切換体61の右側部内周に、端面に近づくほど径方向外側へ傾斜しながら拡がる面取り形状部61d(図17〜図20など参照)が形成されている。この面取り形状部61dは、クラッチ切換体61がクランク軸7aの軸心方向に沿って右方向に移動されることで高速段クラッチ55の係合部材56に左側方から当接してこの係合部材56が傾倒するように荷重を付与する。
また、他の力付与機構として、クラッチ切換体61の面取り形状部61dの一部を外周側楕円円弧形状に窪ませるように、側面視して周方向所定角度(この実施の形態では90度)毎に複数(この実施の形態では4つ)のカム面61fが形成されている。このクラッチ切換体61のカム面61fは、当該電動アシスト自転車1が走行中であり、高速段クラッチ55の係合部材56が合力伝達体29とともにクランク軸7aと同じ軸心を中心として公転する際に、係合部材56が嵌り込んで徐々に内径側に押圧することで、係合部材56を傾倒姿勢に導くよう荷重を付与する。
但し、図19、図20に示すように、クラッチ切換体61のカム面61fは、係合部材56がクランク軸7aの軸心方向に沿って出退自在に入り込む箇所の手前側ほど少し広がるように傾斜して形成されており(図19に示す図18のF−F断面では傾斜角度α、図20に示す図18のH−H断面では傾斜角度β)、これにより、係合部材56が所定値以上の大きな力で高速段変速歯車41の歯部41dに噛み合っている場合には、カム面61fの傾斜に沿って右側に移動して、カム面61fから離脱可能に構成されている(図31、図32参照)。さらに、図19、図20に示すように、このカム面61fの径方向に切断した場合の傾斜角度は、係合部材56が円周方向に、公転して進むにつれて、徐々に小さくなるように形成されている(すなわち、傾斜角度β>傾斜角度α)。なお、前記カム面61fのクランク軸心方向に対する傾斜角度α、βは、25度以下であることが好ましい。
また、電動アシスト自転車1が停止している状態で、クラッチ切換体61が右側に移動された際に、係合部材56がクラッチ切換体61のカム面61fに嵌り込んだ場合でも、係合部材56を傾倒できるように、クラッチ切換体61におけるカム面61fが形成されている箇所のクランク軸7aの軸心方向奥側(左側)にも面取り形状部61gが形成されている。
また、この実施の形態では、図13、図14に示すように、高速段クラッチ55の係合部材56における爪部56bの背面部の一部が山形状に盛り上げられてなる肉盛り部56dが形成されている(図14においては、分かりやすいように斜線部で示している。)。高速段クラッチ55の係合部材56は、合力伝達体29の中径筒状部29aに形成された収容凹部29cに摺接して、係合部材56を揺動自在に支持する側面視略半円形の揺動基部56aと、この揺動基部56aから径方向(図13、図14における横方向)に延びる爪部56bと、爪部56bの幅方向中央箇所に切り込まれて付勢ばね57が挿通される溝部56cとを有している。ここで、従来の一般的な係合部材(ラチェット爪)58は、図23に示すように、その爪部58bが側面視して単なる矩形状とされているが、本実施の形態の高速段クラッチ55の係合部材56は、爪部56bにおける背面部の一部が略山形状に盛り上げられて肉盛り部56dが一体形成されている。また、この高速段クラッチ55の係合部材56が係合する高速段変速歯車41の歯部41dは、図11、図22などに示すように、側面視して、のこぎり形状ではなくて、略歯車の歯形状とされている。
そして、このように肉盛り部56dが形成されていることで、後述するように、高速段クラッチ55の係合部材56が高速段変速歯車41の歯部41dに係合した場合に、噛み合い部分のせん断荷重のかかる部位の断面積が、肉盛り部56dが形成されていない従来の一般的な係合部材58のものよりも、増加するよう図られている(図21参照)。また、図22に示すように、高速段クラッチ55の係合部材56における爪部56b先端の角部56b’が高速段変速歯車41の歯部41dの角部41d’に中途半端な状態で噛み合った(係合した)状態でも、肉盛り部56dが形成されていることで、この高速段クラッチ55の係合部材56における爪部56b先端の角部56b’が削れるなどして損傷することを防止できるようになっている。
また、高速段クラッチ55の係合部材56に肉盛り部56dが形成されているので、高速段から低速段に切り換えるために、係合部材56がクラッチ切換体61のカム面61fに当接する際に、この肉盛り部56dが、カム面61fにおける比較的広幅の部分で当接して、安定して係合部材56を傾倒させることができるよう構成されている。
図5,図8、図15、図16などに示すように、変速段切換機構60の切換体移動部62は、クラッチ切換体61を移動させる部材であり、切換軸63と、フォーク体65と、連動筒66と、止め輪67などを有している。切換軸63は、ユニットケース22(左側ケース22bと右側ケース22c)内に設けられた一対の支持部68A、68Bに支持され、クランク軸7aと平行に配設され、軸心方向Aに移動自在である。なお、図3、図15、図16における22dは、切換軸63の一端部などを覆う切換部カバーである。
フォーク体65は、筒状部65aと、筒状部65aに繋がるC字形状のフォーク部65bとを有している。図19、図20などに示すとともに上述したように、フォーク部65bがクラッチ切換体61の装着溝61cに外周側から嵌め込まれている。図15、図16に示すように、止め輪67は、切換軸63に外嵌され、フォーク体65の筒状部65aと連動筒66との間に位置している。切換軸63はフォーク体65の筒状部65aと連動筒66とに挿通されており、フォーク体65と連動筒66とは切換軸63と共に軸心方向Aへ移動自在である。また、切換体移動部62は、コイル状のばね69によって、高速段切換位置Hから低速段切換位置Lの方向へ移動するように付勢されている。なお、切換体移動部62は、前記ばね69よりも小さい付勢力のばね83により、フォーク体65が連動筒66に連動するよう構成されているが、このばね83は、極めて小さい付勢力しか有していない。
さらに、本実施の形態では、図15、図16、および図2、図3などに示すとともに上述したように、切換体移動部62(連動筒66など)を低速段切換位置Lや高速段切換位置Hに移動させる切換体移動機構の一例である電動変速機構70が設けられている。電動変速機構70は、2分割可能なケース部71と、基板82上に載せられた小型の切換用モータ72と、この切換用モータ72などに接続されたコネクタ部73と、切換用モータ72の軸に取り付けられた小径のモータ減速歯車74と、このモータ減速歯車74に噛み合う大径の第1減速歯車75と、この第1減速歯車75と一体的に回転する円筒ウォーム76と、この円筒ウォーム76に噛み合う大径のウォームホイール77と、ウォームホイール77と一体的に回転する小径の第2減速歯車78と、第2減速歯車78にその円弧状歯部79aで噛み合うとともに、連動筒66に係合するアーム部79bが設けられた駆動体79などを有する。駆動体79は支持軸79cを中心として、回転自在とされ、アーム部79bが、連動筒66に形成された凹部66aに挿入されている。そして、切換用モータ72が駆動されることで、減速歯車74、75、78や円筒ウォーム76、ウォームホイール77を介して減速されながら、駆動体79のアーム部79bが駆動され、これにより、連動筒66を介して、切換体移動部62およびフォーク体65を駆動可能とされている。
また、駆動体79には扇形状の磁石80が貼り付けられているとともに、駆動体79が所定の変速段位置(低速段)となった際に、磁石80に近接する位置に駆動体79の位置を検出するためのリニアホールICからなる位置検出センサ81が基板82上に取り付けられている。この位置検出センサ81は、駆動体79の位置(この実施の形態では、低速段および高速段およびこれらの間の中間位置)をリニア状態、すなわち、直線または曲線状に位置を多段階(無数段階)で検出することが可能とされている。
また、電動変速機構70の切換用モータ72や位置検出センサ81は、コネクタ部73に接続された配線を介して制御部24に接続され、ハンドル5に取り付けられた変速段手元操作部18の搭乗者による操作に応じて切換用モータ72が駆動されて駆動体79が移動される。また、この実施の形態では、クラッチ切換体61に連動する連動部品としての切換体移動部62(フォーク体65、切換軸63および連動筒66など)が高速段切換位置H側から低速段切換位置L側、例えば、高速段切換位置Hから中間位置に移動したことを位置検知センサ81により検知した際には、制御部24により補助駆動力を一時的に低下させるようにモータ21を制御して、高速段から低速段への切り換え動作が良好に行われるよう構成されている。
上記構成において、高速段状態において、搭乗者が変速段手元操作部18を操作して、低速段(第1速)を選択した場合には、切換用モータ72が駆動されて駆動体79が図15に示す位置まで移動される。そして、ばね69の付勢力により切換体移動部62(切換体移動部62のフォーク体65など)が低速段切換位置Lに移動する。
これにより、図5に示すように、クラッチ切換体61が、フォーク体89に連動してB方向に移動し、高速段クラッチ55の係合部材58に当接する。これにより、図6に示すように、係合部材58が傾倒姿勢に切り換わり、合力伝達体29と高速段変速歯車41との間が切断される。
この状態でペダル8を踏み込むことにより、図4、図5に示すように、クランク軸7aが回転し、人力伝達体28と連動筒体23とが回転する。このとき、連動筒体23は、回転方向において、低速段クラッチ51を介して低速段変速歯車36に接続されている。このため、連動筒体23の回転が低速段用変速歯車36に伝達される。
また、モータ21が駆動されてモータ回転軸21aが回転されることにより、減速機構25の第1の減速歯車37と中間軸44とが回転する。これに伴い、第2および第3の減速歯車38、39が回転し、第2の減速歯車38の回転が低速段変速歯車36に伝達され、第3の減速歯車39の回転が高速段変速歯車41に伝達される。
これにより、低速段変速歯車36および高速段変速歯車41がそれぞれ回転し、この際、図4〜図6に示すように、低速段変速歯車36は、回転方向において、低速段クラッチ51を介して合力伝達体29に接続されている。従って、低速段変速歯車36の回転が合力伝達体29に伝達されて合力伝達体29が回転し、駆動スプロケット13が回転するとともにチェーン15が回動して、後輪4が回転する。この際、クランク軸7aに作用する人力駆動力とモータ21の補助駆動力とが合成された合力が、低速段変速歯車36から合力伝達体29に伝達され、合力によって合力伝達体29が回転する。
なお、この際、高速段クラッチ55の係合部材56が傾倒姿勢に切り換わり、合力伝達体29と高速段変速歯車41との間が切断されているため、高速段変速歯車41の回転は合力伝達体29に伝達されない。
一方、搭乗者が、低速段状態において、搭乗者が変速段手元操作部18を操作して、高速段(第2速)を選択した場合には、切換用モータ72が駆動されて駆動体79が図16に示す位置まで移動され、切換体移動部62(切換体移動部62のフォーク体65など)がばね69の付勢力に抗しながら高速段切換位置Hに移動する。
これにより、図8に示すように、クラッチ切換体61が、フォーク体89に連動してC方向に移動し、高速段クラッチ55の係合部材58から離反する。これにより、図8に示すように、係合部材56が付勢ばね57の付勢力によって起立姿勢に切り換わり、合力伝達体29と高速段変速歯車41との間が接続される。
この状態でペダル8を踏み込むことにより、クランク軸7aが回転し、人力伝達体28と連動筒体23とが回転する。このとき、連動筒体23は、回転方向において、低速段クラッチ51を介して低速段変速歯車36に接続されている。このため、連動筒体23の回転が低速段変速歯車36に伝達される。
また、モータ21が駆動されてモータ回転軸21aが回転されることにより、減速機構25の第1の減速歯車37と中間軸44とが回転する。これに伴い、第2および第3の減速歯車38、39が回転し、第2の減速歯車38の回転が低速段変速歯車36に伝達され、第3の減速歯車39の回転が高速段変速歯車41に伝達される。
これにより、低速段変速歯車36と高速段変速歯車41とがそれぞれ回転し、この際、高速段変速歯車41は、回転方向において、高速段クラッチ55を介して合力伝達体29に接続されている。従って、高速段変速歯車41の回転が合力伝達体29に伝達されて、合力伝達体29が回転し、この際、合成駆動力が高速段変速歯車41から合力伝達体29に伝達され、合成駆動力によって合力伝達体29が回転する。
このとき、低速段変速歯車36と高速段変速歯車41とがそれぞれ回転しているが、ギヤ比の違いによって、高速段変速歯車41の回転速度が低速段変速歯車36の回転速度よりも高速となる。これにより、合力伝達体29の回転速度も低速段変速歯車36の回転速度より高速となり、図9に示すように、低速段クラッチ51の係合部材52が合力伝達体29の歯部29dに係合せず、低速段変速歯車36は空回り状態に保たれる。
また、低速段に切り換えた場合(図5、図6参照)における低速段変速歯車36から合力伝達体29に伝達される合力のトルクは、高速段に切り換えた場合(図8、図9参照)における高速段変速歯車41から合力伝達体29に伝達される合力のトルクよりも大きい。
したがって、例えば電動アシスト自転車1で上り坂を走行する場合などにおいて、手元操作部18を操作して低速段を選択することにより、高トルクの合力が後輪4に伝達されるため、モータ21や搭乗者の負荷を軽減することができる。また、平坦な路面等を走行中に走行速度を高くしたい場合などにおいて、手元操作部18を操作して高速段を選択することにより、合力伝達体29のトルクは低下するが合力伝達体29の回転速度が高くなるため、後輪4の回転速度が上がり、容易に電動アシスト自転車1の走行速度を上げることができる。
ところで、上記の構成において、高速段から低速段に変速する場合には、クラッチ切換体61を高速段クラッチ55の係合部材56に当接させて、高速段クラッチ55の係合部材56を合力伝達体29に対して接続姿勢から切断姿勢となるように変更する構成である。この場合に、高速段クラッチ55の係合部材56が合力伝達体29に大きな力で接続されている(係合している)場合には、高速段クラッチ55の係合部材56を合力伝達体29に対して切断姿勢とすることが困難となるおそれがある。また、強引に、高速段クラッチ55の係合部材56を合力伝達体29に対して切断姿勢に切り換えようとすると、高速段クラッチ55や合力伝達体29、あるいは、クラッチ切換体61の係合部材56に当接させる箇所などが損傷するなどして、信頼性が低下する可能性がある。
しかしながら、本実施の形態では、クラッチ切換体61が高速段クラッチ55に当接した際に、高速段クラッチ55を合力伝達体29に対して接続姿勢から切断姿勢となるようにクラッチ切換体61から高速段クラッチ55に力を与える力付与機構が設けられている。したがって、高速段から低速段に変速する際に、クラッチ切換体61を高速段クラッチ55に当接させることで、高速段クラッチ55が切断姿勢となるように力を付与されて、良好に変速動作を行うことが可能となる。
具体的には、力付与機構の1つとしてクラッチ切換体61には複数のカム面61fが形成されている。したがって、当該電動アシスト自転車1が走行中である場合には、高速段クラッチ55の係合部材56は、クランク軸7aと同じ軸心を中心として所定方向に公転している一方で、クラッチ切換体61は回転していない。また、この際、電動変速機構70により駆動体79は、図16に示す位置から図15に示すような位置まで回動され、これにより、ばね69の付勢力が、連動筒66やフォーク体65を介してクラッチ切換体61に作用する。
このように、高速段クラッチ55の係合部材56が回転しており、ばね69の付勢力により、クラッチ切換体61が、図26に示す状態から、図27、図28に示すように、C方向(この実施の形態では右側)に移動される。この結果、クラッチ切換体61のカム面61fに高速段クラッチ55の係合部材56が嵌り込み、さらに、高速段クラッチ55の係合部材56が回転(公転)することで、図29、図30に示すように、係合部材56はカム面61fに沿いながら傾倒方向に力を与えられて、傾倒状態となる。このように、係合部材56が傾倒状態となった場合には、高速段クラッチ55が切断状態となるので、良好に低速段への変速動作を行うことができる。
但し、クラッチ切換体61には複数のカム面61fは、図19、図20に示すように、係合部材56がクランク軸7aの軸心方向に沿って出退自在に入り込む箇所の手前側ほど広がるように傾斜して形成されている。これにより、高速段クラッチ55の係合部材56が合力伝達体29に極めて大きい力で接続されている場合には、クラッチ切換体61のカム面61fの傾斜により、図31、図32に示すように、ばね69の付勢力に抗してクラッチ切換体61がD方向に移動して、高速段クラッチ55は接続状態が保持される。したがって、強引に、高速段クラッチ55の係合部材56を合力伝達体29に対して切断姿勢に切り換えられて、高速段クラッチ55や合力伝達体29、あるいは、クラッチ切換体61の係合部材56に当接させる箇所などが損傷することがなくなり、信頼性が低下することを防止できる。なお、この後も、高速段クラッチ55の係合部材56は、その公転に伴って、隣接するカム面61fに嵌り込み、高速段クラッチ55の係合部材56が合力伝達体29に接続されている際の力が減少した段階で係合部材56が傾倒されて、低速段への変速動作が行われる。
また、他の力付与機構としてクラッチ切換体61には、クラッチ切換体61の右側部内周に、端面に近づくほど径方向外側へ傾斜しながら拡がる面取り形状部61d(図16〜図20など参照)が形成されている。この面取り形状部61dは、クラッチ切換体61がクランク軸7aの軸心方向に沿って右方向に移動されることで高速段クラッチ55の係合部材56に左側方から当接してこの係合部材56が傾倒するように荷重を付与する。また、クラッチ切換体61におけるカム面61fが形成されている箇所のクランク軸7aの軸心方向奥側(左側)にも面取り形状部61gが形成されている。
この構成により、当該電動アシスト自転車1が停止されている状態でも、手元操作部18が操作されて高速段から低速段への変速指示が行われた場合には、クラッチ切換体61が、クランク軸7aの軸心方向に沿って右方向に移動されるため、クラッチ切換体61がクラッチ切換体61の係合部材56に当接した場合に、面取り形状部61dに当接して、係合部材56が傾倒されたり、あるいは、カム面61fの箇所に嵌り込んだ後に、このカム面61fに続く面取り形状部61gに当接して、係合部材56が傾倒されたりする。すなわち、この場合にも、良好に低速段への変速動作が行われる。
また、本実施の形態では、ハンドル5に取り付けられた変速段手元操作部18の搭乗者による操作に応じて切換用モータ72が駆動されて駆動体79が移動され、これにより、クラッチ切換体61に連動する連動部品としての切換体移動部62(フォーク体65、切換軸63および連動筒66など)が高速段切換位置H側から低速段切換位置L側に移動したことを位置検知センサ81により検知した際には、制御部24により補助駆動力を一時的に低下させるようにモータ21が制御される。これにより、高速段クラッチ55の係合部材56が高速段変速歯車41の歯部41dから外れて切断し易くなり、変速を行い易くなって利便性が向上する。
さらに、本実施の形態では、図13、図14に示すように、高速段クラッチ55の係合部材56における爪部56bの背面部に外周側に向けて山形状に盛り上げられてなる肉盛り部56dが形成されている。これにより、高速段クラッチ55の係合部材56が高速段変速歯車41の歯部41dに係合した場合に、噛み合い部分のせん断荷重のかかる部位の断面積が、肉盛り部56dが形成されていない従来の一般的な係合部材58のものよりも、増加して、爪部56b先端の角部56b’が削れるなどして損傷することを防止できる。これにより高速段クラッチ55、ひいては、変速段切換機構60などの信頼性を向上させることができる。
また、高速段クラッチ55の係合部材56に肉盛り部56dが形成されているので、高速段から低速段に切り換えるために、係合部材56がクラッチ切換体61のカム面61fに当接する際に、この肉盛り部56dが、カム面61fにおける比較的広幅の部分で当接して、安定して係合部材56を傾倒させることができる。これによっても、変速段切換機構60などの信頼性を向上させることができる。
また、本記実施の形態では、クラッチ切換体61や切換体移動部62を移動させて変速段を切り換える切換体移動機構として電動変速機構70が設けられているため、手元操作部18の操作をワイヤなどを用いて伝達する場合のように、長期間の使用により、ワイヤが伸びて、クラッチ切換体61や切換体移動部62への変速動作が不良となったり、定期的な調整などを要したりしなくても済む利点がある。
また、本記実施の形態では、クラッチ切換体61や切換体移動部62を移動させる駆動体79の位置を、磁石やリニアホールICからなる位置検出センサ81により、低速段および高速段およびこれらの間の中間位置などを含めた、直線または曲線状に位置を多段階(無数段階)で検出することが可能である。すなわち、少ない部品点数で駆動体79の位置を高精度で検出できる利点もある。
但し、これに限るものではなく、クラッチ切換体61や切換体移動部62を移動させて変速段を切り換える切換体移動機構として電動変速機構70に代えて、手元操作部18の操作による変動状態を、ワイヤなどを用いてクラッチ切換体61や切換体移動部62に伝達する構成としてもよいことはもちろんである。
また、上記実施の形態では、高速段クラッチ55の係合部材56を4つ設けた場合を述べたが、これに限るものではなく、1つ、または4つ以外の複数設けてもよいが、複数設けることが好ましい。また、クラッチ切換体61のカム面61fを、高速段クラッチ55の係合部材56と同数設けた場合を述べたが、これに限るものではなく、クラッチ切換体61のカム面61fを、高速段クラッチ55の係合部材56の数の整数倍(ただし2以上の整数)設けてもよい。この構成によれば、クラッチ切換体61のカム面61fを高速段クラッチ55の係合部材56と同数設けた場合と比較して、クラッチ切換体61を高速段クラッチ55の係合部材56に当接させた際に、高速段クラッチ55の係合部材56がクラッチ切換体61のカム面61fに嵌り込む機会が増加するため、係合部材56が傾倒姿勢になり易くなる。
なお、上記実施の形態では、無端状駆動力伝達体としてチェーン15を用いて、駆動スプロケット13からの力を、チェーン15を介して後スプロケット14に伝達する場合を述べた。しかし、これに限るものではなく、無端状駆動力伝達体として歯付きベルトを用いて、駆動スプロケットに相当する駆動ギヤからの力を、歯付きベルトを介して後ギヤに伝達するように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、駆動ユニット20に2段変速機能を設けた場合を述べた。しかし、これに限るものではなく、減速用歯車として、3段に変速できる1〜3段用の減速歯車と変速用の3つの一方向クラッチ、および2つの選択クラッチなどを設けて、1速時には1速用の一方向クラッチのみが機能し、2速時には1速用の一方向クラッチおよび2速用の一方向クラッチのみが機能し、3速時には、全ての一方向クラッチが機能するように構成してもよい。これにより、3段変速機能を駆動ユニット20に付加することが可能であり、この場合でも、ニュートラル状態(空回転状態)となることなく、変速させることができる。
また、上記の実施の形態では、高速段クラッチ55として、一方向クラッチを採用した場合を述べた。しかし、これに限るものではなく、高速段クラッチ55として、一方向クラッチに代えて、多板クラッチ、ドッグクラッチなどを用いてもよい。
本発明は、ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータにより発生する補助駆動力を加えて走行可能である各種の電動アシスト自転車に適用可能である。
1 電動アシスト自転車
2 フレーム
3 前輪
4 後輪
7 クランク
7a クランク軸
8 ペダル
12 バッテリ(蓄電器)
13 駆動スプロケット(駆動力出力輪体)
14 後スプロケット(後部輪体)
15 チェーン(無端状駆動力伝達体)
17 変速機構
18 変速段手元操作部
20 駆動ユニット
21 モータ
22 ユニットケース
23 連動筒体
24 制御部
25 減速機構
28 人力伝達体
29 合力伝達体
30 一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)
31 トルクセンサ(人力検知部)
36 低速段変速歯車
37〜39 第1〜第3の減速歯車
41 高速段変速歯車
44 中間軸
47 一方向クラッチ(人力駆動力切断用の一方向クラッチ)
51 低速段クラッチ
55 高速段クラッチ
56 係合部材
56b 爪部
56d 肉盛り部
60 変速段切換機構
61 クラッチ切換体
61d 面取り形状部(力付与機構)
61f カム面(力付与機構)
61g 面取り形状部(力付与機構)
62 切換体移動部
63 切換用案内軸
65 フォーク体
70 電動変速機構

Claims (14)

  1. ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータにより発生する補助駆動力を加えて走行可能である電動アシスト自転車に設けられる駆動ユニットであって、
    人力駆動力により回転されるクランク軸と、人力駆動力と補助駆動力とが合成された合力によって回転自在な合力伝達体と、合力伝達体の回転が伝達される駆動力出力輪体と、ギヤ比の異なる複数の選択可能な変速段を有して駆動力を合力伝達体に伝達する変速機構と、を備え、
    クランク軸と合力伝達軸とが同軸に配設され、
    変速機構は、低速段変速歯車および高速段変速歯車を含む複数の変速歯車と、高速段変速歯車の駆動力を合力伝達体に伝達可能な高速段クラッチと、高速段クラッチに係脱自在とされ、選択された変速段に応じて移動されるクラッチ切換体と、を備え、
    クラッチ切換体が高速段クラッチに当接した際に、高速段クラッチを合力伝達体に対して接続姿勢から切断姿勢となるようにクラッチ切換体から高速段クラッチに力を与える力付与機構が設けられ
    変速機構は、人力駆動力と補助駆動力とが合成されてなる合力を変速することを特徴とする駆動ユニット。
    ていることを特徴とする駆動ユニット。
  2. 変速機構は、低速段変速歯車の駆動力を合力伝達体に伝達可能な低速段クラッチを有することを特徴とする請求項1に記載の駆動ユニット。
  3. ペダルからの踏力による人力駆動力に、モータにより発生する補助駆動力を加えて走行可能である電動アシスト自転車に設けられる駆動ユニットであって、
    人力駆動力により回転されるクランク軸と、人力駆動力と補助駆動力とが合成された合力によって回転自在な合力伝達体と、合力伝達体の回転が伝達される駆動力出力輪体と、ギヤ比の異なる複数の選択可能な変速段を有して駆動力を合力伝達体に伝達する変速機構と、を備え、
    クランク軸と合力伝達軸とが同軸に配設され、
    変速機構は、低速段変速歯車および高速段変速歯車を含む複数の変速歯車と、高速段変速歯車の駆動力を合力伝達体に伝達可能な高速段クラッチと、高速段クラッチに係脱自在とされ、選択された変速段に応じて移動されるクラッチ切換体と、を備え、
    クラッチ切換体が高速段クラッチに当接した際に、高速段クラッチを合力伝達体に対して接続姿勢から切断姿勢となるようにクラッチ切換体から高速段クラッチに力を与える力付与機構が設けられ
    変速機構は、低速段変速歯車の駆動力を合力伝達体に伝達可能な低速段クラッチを有し、
    クランク軸の外周に、人力駆動力が伝達される人力伝達体が配設され、人力伝達体に人力駆動力を検出するトルクセンサの磁歪発生部が形成され、クランク軸の軸心方向に対して、磁歪発生部と駆動力出力輪体との間の位置に変速機構の高速段クラッチと低速段クラッチとが配設されていることを特徴とする駆動ユニット。
  4. 高速段クラッチは、高速段変速歯車およびクラッチ切換体に係脱自在の係合部材を有し、
    クラッチ切換体が係合部材に係合して係合部材が傾倒姿勢にされることで、係合部材が高速段変速歯車から離脱して、高速段変速歯車から合力伝達体への駆動力が伝達されない切断状態とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  5. 高速段クラッチは、高速段変速歯車およびクラッチ切換体に係脱自在の係合部材を有し、
    係合部材は、合力伝達体または合力伝達体に連動する連動回転体から起立傾倒自在に配設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  6. 高速段クラッチは、高速段変速歯車およびクラッチ切換体に係脱自在の係合部材を有し、
    力付与機構としてクラッチ切換体にカム面が形成され、このカム面は、係合部材が摺接しながらクランク軸と同じ軸心を中心として所定方向に公転することで係合部材が傾倒するように荷重を付与することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  7. クラッチ切換体のカム面が、係合部材がクランク軸の軸心方向に沿って出退自在に入り込む箇所の手前側ほど広がるように傾斜して形成されていることを特徴とする請求項に記載の駆動ユニット。
  8. クラッチ切換体のカム面が、高速段クラッチの係合部材の数の整数倍(ただし2以上の整数)設けられていることを特徴とする請求項に記載の駆動ユニット。
  9. 高速段クラッチは、高速段変速歯車およびクラッチ切換体に係脱自在の係合部材を有し、
    力付与機構としてクラッチ切換体に面取り形状部が形成され、この面取り形状部は、クラッチ切換体がクランク軸の軸心方向に沿って移動されることで係合部材が傾倒するように荷重を付与することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  10. クラッチ切換体にカム面が形成されている箇所のクランク軸の軸心方向奥側に、係合部
    材がクランク軸の軸心方向に沿って出退自在に入り込む箇所の手前側ほど広がるように傾斜する面取り形状部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の駆動ユニット。
  11. 高速段クラッチは、高速段変速歯車およびクラッチ切換体に係脱自在の係合部材を有し、
    高速段クラッチの係合部材における爪部の背面部に外周側に向けて山形状に盛り上げられてなる肉盛り部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  12. 高速段クラッチおよび低速段クラッチが、クランク軸および合力伝達軸と同じ軸心を中心として公転するように配設されていることを特徴とする請求項2または3に記載の駆動ユニット。
  13. クランク軸と、モータとが、互いに異なる軸心を中心として回転するように配設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の駆動ユニットを備えた電動アシスト自転車であって、
    後輪に後部輪体が設けられ、
    駆動力出力輪体と後部輪体とに無端状の駆動力伝達体が掛け渡されていることを特徴とする電動アシスト自転車。
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