JP5567409B2 - 電動補助自転車 - Google Patents

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Description

この発明は、電動モータにより人力駆動系に補助力を付加させる電動補助自転車に関するものである。
自転車の変速機には、様々な種類のものが存在する。このような中で、一般的には、クランク軸又はリア車軸の何れか一方、もしくは両方の同軸上に多段のスプロケットを設け、ディレイラーによってチェーンをスプロケット間で移動させることによって変速する方式(外装変速機)と、駆動輪である後輪のリアハブの内部に設けた歯車を掛けかえることによって変速する方式(内装変速機)がある。
外装変速機は、構造が簡単で軽量であるが、スプロケットやチェーンが摩耗する原因になり、チェーン外れの原因にもなる。一方、内装変速機は、防塵、防水性に優れており、メンテナンスフリーといった利点があるため、シティサイクルに使われることが多い。
ところで、電動モータにより人力駆動系に補助力を付加させる電動補助自転車において、その自転車の駆動輪である後輪のリアハブ内に、モータ、減速機、変速機構が備えられたものがある。
リアハブに駆動用のモータを設けた、所謂リアハブモータ方式の電動補助自転車は、変速機と組み合わせる場合、前記外装変速機、又は内装変速機のいずれかを用いることができる。
ただし、外装変速機を用いる場合、ハブの構造は、主としてモータと減速機とから構成されるので簡素となるが、前述のような外装変速機ゆえのメンテナンス上の問題がある。一方、内装変速機を用いる場合、ハブの構造は、モータ、減速機及び変速機構とから構成されるので、ハブ自体の構造は複雑となるが、前述のような内装変速機ゆえの利点があるので有利である。
現在のところ、電動補助自転車はシティサイクル自転車を中心に展開しており、その殆どが内装変速機を採用している。従って、リアハブモータ方式の電動補助自転車においても、内装変速機構とすることが望ましいと考えられている。
この種の内装変速機構を備えた電動補助自転車の構造として、例えば、特許文献1,2に記載のものがある。
これらの構造では、リアハブ内において、電動機(モータ)、減速機、変速機構が配置されている。電動機による駆動機構としては、駆動用の電動機と、その電動機の回転数を減速する動力系の減速機構を内蔵している。また、人力の入力機構としては、駆動輪の車軸に入力用のスプロケットが設けられ、その車軸より外周に向かって変速機、減速機構を順に配置している。
リアハブは、回転ケーシングと固定ケーシングとを備え、前記人力系の入力機構は回転ケーシング側に、前記電動機による駆動機構は、主として固定ケーシング側に配置されている。
ペダルによって与えられた人力は、チェーンによって駆動輪のスプロケットに伝達され、変速機で変速された後、人力系の減速機構に伝達されて、回転ケーシングを通じて駆動輪を回転させる。また、電動機による駆動力は、前述の人力系の減速機構とは別に備えた動力系の減速機構で減速されて、その後、回転ケーシングにおいて人力駆動力と電動駆動力とが合力されて、駆動輪に伝達される。
このとき、電気信号に変換された前記人力による駆動力と、速度センサからの走行速度の電気信号とが、その電動補助自転車が備える制御部に入力され、その制御部が、所定の条件に基づいて駆動信号を出力し、電動機を制御するようになっている。
しかし、これらの構造では、電動機は、車軸の軸心から偏心した位置に配置されている。このため、ハブの外径が大きくなるという問題がある。ハブの外径が大きいと、重量バランスが悪くなる傾向がある。
この点、特許文献3,4に記載の構造によれば、減速機、電動機、変速機構を車軸上に併設した構成となっているから、上記ハブの大型化は抑制できる。
すなわち、これらの構造では、駆動輪である後輪のリアハブ内に、減速機、電動機と変速機構とが車幅方向に並設されており、ペダルによって与えられた人力は、チェーンを介して後輪のスプロケットに伝達され、一方向クラッチを経て変速機で変速された後、回転ケーシングを通じて駆動輪を回転させる。また、電動機による駆動力は、その車軸の周囲に設けた遊星歯車機構からなる減速機構で減速されて、その後、回転ケーシングにおいて人力駆動力と電動駆動力とが合力されて、駆動輪に伝達されるようになっている。
特開平9−58568号公報 特開2000−043780号公報 特開2002−293285号公報 特開2003−160089号公報
しかし、上記特許文献3,4に記載の構造によれば、電動機からの出力は減速機を介してハブケース(回転ケーシング)に伝達され、ペダルからの駆動力は変速機構を介してハブケース(回転ケーシング)に伝達されている。
このため、車軸の軸心に沿って並列する減速機、電動機、変速機構の3つの機構は、それぞれ独立した構造となっている。すなわち、人力駆動力の伝達機構と、電動駆動力の伝達機構とが、それぞれ別ルートで独立して介在している。
駆動輪の車軸方向のスペースには限りがあるので、このような構造では、変速機構のスペースが小さくなり、変速段数を増やすことが困難である。
そこで、この発明は、車軸の軸心に沿って減速機、電動機、変速機構の3つの機構を並列に備えた構成において、装置をコンパクトにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、リアハブ内部に、変速機構、減速機構及び駆動用モータを車軸方向に並設し、変速機構及び減速機構をそれぞれ遊星歯車機構によって構成し、その変速機構の遊星キャリアと減速機構の遊星キャリアを共通化することにより、車軸方向のコンパクト化を図ったものである。
具体的な構成は、駆動輪のハブ内部に、変速機構、減速機構及び駆動用モータを車軸の軸方向に並列して配置し、前記変速機構は、ペダルからの踏力による駆動力をスプロケットを通じて前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記減速機構は、前記駆動用モータからの駆動力を前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記変速機構は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの変速機用太陽歯車と、その変速機用太陽歯車に噛み合う変速機用遊星歯車、及びその変速機用遊星歯車を保持する変速機用遊星キャリアとを備え、前記スプロケットからの駆動力に対して前記変速機用太陽歯車が前記車軸周りに回転可能又は回転不能とに切り替えて変速を行う変速制御機構を備えており、前記減速機構は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの減速機用太陽歯車と、その減速機用太陽歯車に噛み合う減速機用遊星歯車を備え、前記減速機用遊星歯車を、前記変速機用遊星キャリア又はその変速機用遊星キャリアと一体に回転する部材で保持し、前記減速機用遊星歯車に噛み合う減速機用外輪歯車とモータハウジングとの間に、クラッチを設けたことを特徴とする電動補助自転車である。
この構成によれば、減速機用遊星歯車が、変速機用遊星キャリア又はその変速機用遊星キャリアと一体に回転する部材で保持される。すなわち、変速機用遊星キャリアと減速機用遊星キャリアとが一体に回転する構造となるので、そのキャリアを共通化することができ、車軸方向の装置のコンパクト化が実現できる。
また、減速機用外輪歯車とモータハウジングとの間にクラッチを設けることにより、駆動用モータからの駆動力は遊星キャリアに伝達されるが、前進駆動時にアシストが無い状態では、スプロケットから遊星キャリアに伝達された踏力は、減速機用遊星歯車に入力されるが、前記クラッチにより減速機用外輪歯車がモータハウジングに対して空回りし、トルクを受けることができない。このため、前記踏力は駆動用モータの出力軸には伝達されず、モータの引き摺り抵抗を切り離すことが可能となり、前進駆動時にアシストが無い状態でも、モータを引き摺ってしまうことがなく、ペダルが重くならない。したがって、快適な走行が可能である。
この構成において、前記スプロケットを前記車軸の一端側に、前記駆動用モータを前記車軸の他端側に設け、前記変速機構及び前記減速機構は、前記スプロケットと前記駆動用モータとの間に設けられる構成を採用することができる。
変速機構及び減速機構を、車軸の一端側のスプロケットと、他端側の駆動用モータとの間に設ければ、変速機用遊星キャリアと減速機用遊星キャリアとが近接するので、キャリアを共通化するための構造をさらに簡素とし得る。
また、これらの各構成において、回生機構を付加することもできる。すなわち、その構成は、前記変速機用太陽歯車と前記車軸との間に逆入力用ワンウェイクラッチを設け、前記クラッチは外部操作によって係合方向を切り替えることが可能なツーウェイクラッチによって構成し、前記逆入力用ワンウェイクラッチ及び前記クラッチを逆入力に対してロックすることにより、前記駆動輪から前記駆動用モータへの逆入力を伝達可能とし、その逆入力により生じた回生電力を二次電池に還元する回生機構(回生制御装置)を備えた構成である。
この逆入力用ワンウェイクラッチとしては、スプラグクラッチやローラクラッチ等の周知のワンウェイクラッチの構成を採用できるが、例えば、ラチェットクラッチ機構によって構成されたものを採用することができる。
この逆入力用ワンウェイクラッチ及びツーウェイクラッチを備えた構成によれば、駆動前進時には、変速機構を介して駆動輪のスプロケットからハブに駆動力(踏力)が伝達され、駆動用モータからの補助駆動力は、前記ツーウェイクラッチを補助駆動力に対して係合する状態とすることで、減速機構を介してハブに伝達され、自転車は前進する。このとき、駆動力に対しては、逆入力用ワンウェイクラッチは常に空転する。
一方、前進非駆動時には、逆入力用ワンウェイクラッチによって、逆入力に対して所定の変速機用太陽歯車が車軸に固定されるため、遊星キャリアを介して減速機用遊星歯車に逆入力が伝達される。このとき、前記ツーウェイクラッチを外部操作により逆入力に対して係合する可能な状態に切り替えることで、モータに逆入力が伝わり、回生発電が可能となる。すなわち、駆動輪からの逆入力に対して、太陽歯車が車軸周りに常に回転不能となるように、逆入力用ワンウェイクラッチを所定の変速機用太陽歯車と車軸との間に設けツーウェイクラッチを外部操作により逆入力に対して係合可能な状態に切り替えることによって、駆動用モータに駆動輪からの逆入力が伝達され、回生充電が可能となる。
また、減速機用外輪歯車とモータハウジングとの間の前記クラッチ(ツーウェイクラッチ)として、スプラグクラッチ等の周知の構成を採用できるが、例えば、ローラクラッチ機構によって構成されたものを採用することができる。
その構成は、前記クラッチは、前記モータハウジングの外面にローラクラッチカム面を有する内輪を備え、前記ローラクラッチカム面上に、保持器によってローラが保持されており、前記減速機用外輪歯車の内面に円筒状の外輪が設けられており、前記ローラは弾性部材によって、前記駆動用モータからの駆動力に対して係合する方向に付勢されており、前進非駆動時に外部操作により前記保持器に連結された切替装置を操作することにより前記ローラを逆方向に係合することを可能とし、その逆方向の係合により、前記駆動輪からの逆入力を前記駆動用モータへ伝達可能とした構成である。
このように、前記クラッチをローラクラッチ機構によるツーウェイクラッチによって構成する場合、ローラ、保持器及びローラクラッチカム面を固定部材であるモータハウジング側に設けることが望ましい。これにより、係合方向の切替が容易に行うことが可能となる。
また、ローラは弾性部材によってモータからの駆動力に対して係合する方向に付勢しておき、前進非駆動時には外部操作によって逆方向に係合するように構成することが望ましい。これにより、回生が必要な時にのみ前記クラッチの切替を行えばよいため、構造が簡素となる。
また、前記クラッチの切替は、前述の回生充電のスイッチと同様に、ブレーキ操作と連動させることもできる。
また、前記変速制御機構は、全ての前記変速機用太陽歯車と前記車軸の間にそれぞれ変速機用ワンウェイクラッチを備え、その各変速機用ワンウェイクラッチによって、前記変速機用太陽歯車のいずれか一つを前記車軸周りに回転不能に、他を回転可能に切り替えることで変速を行う構成を採用することができる。
なお、この変速機用ワンウェイクラッチの構造としては、周知のワンウェイクラッチを採用できるが、例えば、ラチェットクラッチ機構を採用することができる。
各太陽歯車の車軸方向長さは、ハブ内のスペースに制約があることから短くしなければならない。このため、逆入力用ワンウェイクラッチや変速機用ワンウェイクラッチをラチェットクラッチによって構成することにより、逆入力用ワンウェイクラッチ爪と変速機用ワンウェイクラッチ爪を車軸方向において同一位置に配置することが可能となり、太陽歯車の軸方向長さを短くすることができる。
前記変速機用ワンウェイクラッチとしてラチェットクラッチを採用した場合において、変速制御機構としては、例えば、前記車軸周りに嵌められた変速用スリーブを備え、その変速用スリーブを前記車軸回りに回転させることによって、前記変速機用ワンウェイクラッチの前記回転可能又は回転不能との切り替えを行う構成を採用することができる。
ハブ内の車軸の軸方向へのスペースには制約があることから、変速制御機構は、このように、変速用スリーブを車軸周りに回転運動(揺動運動)させることによって、各変速機用ワンウェイクラッチの切替を行う機構を用いることが好ましい。
その具体的な例としては、前記変速機用ワンウェイクラッチは、前記変速機用太陽歯車又は車軸の一方に変速機用クラッチカム面を有し、他方にはその変速機用クラッチカム面に噛み合うことができる揺動自在のクラッチ爪を有し、前記変速用スリーブはその周方向の一部に切欠部を有し、前記変速用スリーブを前記車軸回りに回転させることにより、前記切欠部が前記変速機用クラッチカム面の位置と前記変速機用クラッチカム面から退避した位置との間で移動し、その移動によって、前記変速機用ワンウェイクラッチの切り替えを行う構成である。
また、前記減速機構が備える減速機用遊星歯車としては、例えば、二段歯車とすることができる。遊星歯車として二段の歯車を用いることによって、高減速比とすることが可能となる。もちろん、この段数は、電動補助自転車に求められる仕様に応じて任意に設定できるから、例えば、一段とすることもできるし、三段以上とすることもできる。
また、スプロケットと遊星キャリアとの間にスプロケット用ワンウェイクラッチを設けることにより、スプロケットからの踏力は遊星キャリアに伝達されるが、駆動輪からの逆入力はスプロケットに伝達されないように設定できる。このため、前進非駆動時にチェーンが回転しないため安全性が向上する。
さらに、前記駆動用モータの出力軸と前記車軸とを同軸状に接続し、前記出力軸と前記車軸とを軸受によって相対回転可能に支持した構成を採用することができる。車軸と駆動用モータの出力軸を軸受によって相対回転可能に支持することによって、車軸と駆動用モータの剛性が向上する。
この発明は、車軸の軸心に沿って減速機、電動機、変速機構の3つの機構を並列に備えた構成において、変速機用遊星キャリアと減速機用遊星キャリアとが一体に回転する構造としたので、そのキャリアを共通化することができ、車軸方向の装置のコンパクト化が実現できる。
また、減速機用外輪歯車とモータハウジングとの間にクラッチを設けることにより、駆動用モータからの駆動力は遊星キャリアに伝達されるが、前進駆動時にアシストが無い状態では、スプロケットから遊星キャリアに伝達された踏力は、減速機用遊星歯車に入力されるが、前記クラッチにより減速機用外輪歯車がモータハウジングに対して空回りし、トルクを受けることができない。このため、前記踏力は駆動用モータの出力軸には伝達されず、モータの引き摺り抵抗を切り離すことが可能となり、前進駆動時にアシストが無い状態でも、モータを引き摺ってしまうことがなく、ペダルが重くならない。したがって、快適な走行が可能である。
実施形態のリアハブの断面図 モータ駆動時の状態を示す図1のA−A断面図 前進駆動時(アシスト無し)の状態を示す図1のA−A断面図 回生時の状態を示す図1のA−A断面図 電動補助自転車の側面図
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態の電動補助自転車は、駆動輪45である後輪のハブ1(以下、「リアハブ1」と称する)内部に駆動用モータ15が設けられている、リアハブモータ方式の電動補助自転車である。
駆動時、例えば、図5に示すペダル40を通じてクランク軸41から伝達された踏力が入力された場合は、フロントスプロケット44と後輪のスプロケット4(以下、「リアスプロケット4」と称する。)とを結ぶチェーン43等の動力伝達要素を介して、後輪に駆動力が伝達可能となっている。
また、前記駆動用モータ15の出力による駆動力は、ハブ内部の減速機構16等を介して、後輪に伝達可能となっている。なお、図5中の符号46は、駆動用モータ15の電源となるバッテリである。
また、前進非駆動時に、後輪からの逆入力が前記減速機構16(逆入力の場合は増速される)等を介して前記駆動用モータ15に伝達され、逆入力によって生じた回生電力を図示しない二次電池に還元する回生制御装置を備えている。その回生制御装置は、リアハブ1内か、あるいは、前記バッテリ46周辺に設けられる。
リアハブ1は、図1に示すように、後輪の車軸5と同軸に設けたハブケース7内に、変速機構3と減速機構16と駆動用モータ15とを備えている。変速機構3は、3段階の増速が可能な遊星歯車機構で構成している。なお、図中の符号6は、後輪と一体のハブフランジである。
変速機構3は、固定の車軸5の外周に変速機用ワンウェイクラッチ3eを介して設けられた太陽歯車3aを備える。この実施形態では、太陽歯車3aは三つの太陽歯車、すなわち、第一太陽歯車3a−1、第二太陽歯車3a−2、第三太陽歯車3a−3からなる。
その第一太陽歯車3a−1、第二太陽歯車3a−2、第三太陽歯車3a−3が、それぞれ第一ワンウェイクラッチ3e−1、第二ワンウェイクラッチ3e−2、第三ワンウェイクラッチ3e−3を介して車軸5に接続されている。
また、第三太陽歯車3a−3と車軸5との間には、逆入力用ワンウェイクラッチ2が備えられている。
この実施形態では、第一ワンウェイクラッチ3e−1、第二ワンウェイクラッチ3e−2、第三ワンウェイクラッチ3e−3、及び、逆入力用ワンウェイクラッチ2として、それぞれラチェットクラッチを採用している。
この第一ワンウェイクラッチ3e−1、第二ワンウェイクラッチ3e−2、第三ワンウェイクラッチ3e−3、及び、前記逆入力用ワンウェイクラッチ2は、それぞれ車軸5の外周に設けられたクラッチカム面に対し、クラッチ爪が係合又は係合解除する構造となっている。なお、各クラッチ爪は、弾性部材によって、その一端がクラッチカム面に向かって、起き上がる方向に付勢されている。
なお、変速機用太陽歯車3aの車軸5の軸方向への長さは、リアハブ1内のスペースに制約があることから、できる限り短くしなければならないが、この実施形態では、逆入力用ワンウェイクラッチ2や変速機用ワンウェイクラッチ3eをラチェットクラッチによって構成することにより、その逆入力用ワンウェイクラッチ2のクラッチ爪と変速機用ワンウェイクラッチ3e(この実施形態では第三ワンウェイクラッチ3e−3)のクラッチ爪とを、車軸5の軸方向において同一位置に配置することを可能としている。このため、変速機用太陽歯車3aの軸方向長さを短くすることを実現している。
また、変速機構3は、第一太陽歯車3a−1、第二太陽歯車3a−2、第三太陽歯車3a−3に対して噛み合う歯数の異なる3段の歯車を有する変速機用遊星歯車3b、その変速機用遊星歯車3bを保持する変速機用遊星キャリア3c、変速機用遊星歯車3bに噛み合う変速機用外輪歯車3dと一体であるハブケース7とを備えている。
また、この実施形態では、変速機用外輪歯車3dはハブケース7と一体に形成されているが、変速機用外輪歯車3dとハブケース7とを別体で形成して、それらを共に回転するように噛み合わせる構成も考えられる。
また、変速機用遊星キャリア3cと車軸5との間、及びハブケース7と変速機用遊星キャリア3cとの間には、それぞれ軸受部11,12が設けられている。この軸受部11,12によって、変速機用遊星キャリア3cと車軸5、及び変速機用遊星キャリア3cとハブケース7とは、それぞれ相対回転可能に支持されている。
また、駆動用のモータ15を保持するモータハウジング15bとハブケース7との間にも、軸受部14が設けられている。この軸受部14によって、モータハウジング15bとハブケース7と車軸5とは相対回転可能に支持されている。
この実施形態では、変速機用外輪歯車3dが、変速機用遊星歯車3bの三段の歯車のうち、歯数が二番目の歯車と噛み合っている。他の歯車と噛み合わせることも可能であるが、最も増速比を稼ぐことができるため、本実施形態が望ましい。
また、リアスプロケット4と遊星キャリア3cとの間には、スプロケット用ワンウェイクラッチ8が設けられており、ペダル40からの踏力は遊星キャリア3cに伝達されるが、遊星キャリア3cからの逆入力はリアスプロケット4に伝達されない。このため、前進非駆動時にチェーンが回らないため安全性が向上する。このスプロケット用ワンウェイクラッチ8としては、周知のワンウェイクラッチ機構を用いることができる。
また、前記変速機用太陽歯車3a(第一太陽歯車3a−1、第二太陽歯車3a−2、第三太陽歯車3a−3に相当)は、変速制御機構10を操作することで、駆動力に対して、そのいずれかひとつの歯車を選択的に車軸5に固定することができる。すなわち、変速制御機構10を操作することで、第一太陽歯車3a−1、第二太陽歯車3a−2、第三太陽歯車3a−3は、それぞれに対応する第一ワンウェイクラッチ3e−1、第二ワンウェイクラッチ3e−3、第三ワンウェイクラッチ3e−3により、そのいずれか一つが駆動力に対して車軸5に固定され(相対回転不能とする)、そのとき、他は、車軸5に対して相対回転可能となるように切り替えられる。
例えば、第一太陽歯車3a−1を車軸5に対して固定し、第二太陽歯車3a−2、第三太陽歯車3a−3を車軸5に対してフリーの状態とした場合に、リアスプロケット4からの回転速度は、変速機用遊星キャリア3cから増速されてハブケース7(変速機用外輪歯車3d)に伝達される。
このとき、第一太陽歯車3a−1の歯数をa、第二太陽歯車3a−2と噛み合う変速機用遊星歯車3bの歯数をb、第一太陽歯車3a−1と噛み合う変速機用遊星歯車3bの歯数をc、変速機用外輪歯車3dの歯数をdとすると、変速機用遊星キャリア3cから変速機用外輪歯車3dへの増速比は
[(a×b)/(c×d)]+1
となる。このとき、第二太陽歯車3a−2、第三太陽歯車3a−3は空転状態であり、トルク伝達に関与しない。
また、第二太陽歯車3a−2を車軸5に固定した場合、第二太陽歯車3a−2の歯数をa、変速機用外輪歯車3dの歯数をdとすると、変速機用遊星キャリア3cから変速機用外輪歯車3dへの増速比は
(a+d)/d
となる。
また、第三太陽歯車3a−3を車軸5に固定した場合、第三太陽歯車3a−3の歯数をa、第二太陽歯車3a−2と噛み合う変速機用遊星歯車3bの歯数をb、第三太陽歯車3a−3と噛み合う変速機用遊星歯車3bの歯数をc、変速機用外輪歯車3dの歯数をdとすると、変速機用遊星キャリア3cから変速機用外輪歯車3dへの増速比は
[(a×b)/(c×d)]+1
となる。
なお、変速制御機構10による変速機用ワンウェイクラッチ3eの切り替え、すなわち、第一ワンウェイクラッチ3e−1、第二ワンウェイクラッチ3e−2、第三ワンウェイクラッチ3e−3のうち、選択した一つをロックし、他をフリーとするための切り替え操作は、車軸5の外周に設けた変速用スリーブ10bを、車軸5の軸回りに回転運動(揺動運動)させることにより行うことができる。変速用スリーブ10bの回転操作は、車軸5の端部に設けた操作部10aによって行うことができる。
この変速用スリーブ10bの構成としては、その周方向の一部に切欠部を有し、前記変速用スリーブ10bを前記車軸5の軸回りに回転させることにより、前記切欠部が前記変速機用クラッチカム面の位置と前記変速機用クラッチカム面から退避した位置との間で移動し、その移動によって、前記変速機用ワンウェイクラッチ3eの切り替えが行われる。ラチェットクラッチのクラッチ爪の部分に切欠部があることによって、そのクラッチ爪はクラッチカム面に係合可能であり、切欠部が臨んでいなければ、クラッチ爪は変速用スリーブ10bによってクラッチカム面への係合が阻止される構成である。
なお、この実施形態では、変速制御機構10による第一ワンウェイクラッチ3e−1、第二ワンウェイクラッチ3e−2、第三ワンウェイクラッチ3e−3の切替は、前述のように、車軸5の外周に設けた変速用スリーブ10bを車軸5周りに回転運動(揺動運動)させることにより、各変速用ラチェットクラッチ爪のクラッチカム面への係合を切り替える方式を採用しているが、これに代えて、公知の自転車の変速機構を用いることは差し支えない。
また、駆動用モータ15は、変速機構3、減速機構16に対して軸方向に並列する位置に配置されている。駆動用モータ15の出力は、減速機構16を介して変速機用遊星キャリア3cに減速されて伝達される。
さらに、変速機用遊星キャリア3cからは、変速機構3によって増速されてハブケース7に伝達される。このときの増速比は、変速制御機構10による第一ワンウェイクラッチ3e−1、第二ワンウェイクラッチ3e−2、第三ワンウェイクラッチ3e−3の状態によって異なる。
減速機構16は、駆動用モータ15の出力軸15aの外周に設けられた歯を減速機用太陽歯車16aとし、それに噛み合う二段の減速機用遊星歯車16b、モータハウジング15bに対して軸受部13及びクラッチ30を介して相対回転可能となっている減速機用外輪歯車16d、及び、減速機用遊星歯車16bを保持する遊星キャリアとを備える。
また、この減速機用の遊星キャリアは、変速機構3が備える変速機用遊星キャリア3cによって構成されている。すなわち、変速機用遊星歯車3bと減速機用遊星歯車16bとが共通の軸16cで、前記変速機用遊星キャリア3cに支持されている。変速機構の遊星キャリアと減速機構の遊星キャリアを共通化することにより、車軸方向のコンパクト化が図られている。
なお、この実施形態では、駆動用モータ15の出力軸15aと、前記車軸5とは、軸受20によって同軸状に接続されている。その軸受20によって、出力軸15aと車軸5とは、軸周り相対回転可能である。駆動用モータ15の出力軸15aを、車軸5に対して軸受20によって相対回転可能に支持することによって、車軸5と駆動用モータ15の剛性が向上する効果が期待できる。
クラッチ30は、この実施形態では、ローラクラッチによって構成されたツーウェイクラッチとなっている。
その構成は、モータハウジング15bの外面に設けた内輪30cにローラクラッチカム面30eが形成されている。そのローラクラッチカム面30e上には、保持器30bによってローラ30aが保持されている。減速機用外輪歯車16dの内面に、円筒状の外輪30dが設けられており、前記ローラ30aは図示しない弾性部材によって、駆動用モータ15からの駆動力に対して係合する方向に付勢されている(図2の反時計回りの方向)。
この状態では、駆動用モータ15からの駆動力は、減速機用太陽歯車16aと噛み合う減速機用遊星歯車16bの歯数をa、減速機用外輪歯車16dの歯数をb、減速機用太陽歯車16aの歯数をc、減速機用外輪歯車16dと噛み合う減速機用遊星歯車16bの歯数をdとすると、減速機用太陽歯車16aから遊星キャリア(変速機用遊星キャリア3c)へは減速比
[(a×b)/(c×d)]+1
で伝達される。このように、駆動用モータ15からの駆動力が、減速機用太陽歯車16aから変速機用遊星キャリア3cへ伝達されるのは、クラッチ30により、減速機用外輪歯車16dがモータハウジング15b周りにロックされているからである。
図2において、矢印aは、駆動用モータ15の駆動力における変速機用遊星キャリア3cの回転方向を、矢印bは、その際の減速機用遊星歯車16bの回転方向を、矢印cは、クラッチ30による減速機用外輪歯車16dのモータハウジング15b周りのロック方向を、矢印dは、出力軸15aの回転方向を示している。
一方、駆動用モータ15からの駆動力が無い状態(アシストが無い状態)では、図3に示すように、ペダル40からの踏力及び駆動輪45からの逆入力は、変速機用遊星キャリア3cを介して減速機用遊星歯車16bに伝わる。
図3において、矢印eは、駆動用モータ15からの駆動力が無い状態における、ペダル40からの踏力及び駆動輪45からの逆入力による変速機用遊星キャリア3cの回転方向を、矢印fは、その際の減速機用遊星歯車16bの回転方向を、矢印gは、減速機用外輪歯車16dのモータハウジング15b周りの回転方向(フリー)を示している。
このとき、減速機用外輪歯車16dの回転方向(トルク方向)はアシストがある状態とは逆になるため、クラッチ30は係合しない。このため、減速機用外輪歯車16dはモータハウジング15b周りにフリーで回転する(矢印g参照)。減速機用外輪歯車16dがモータハウジング15b周りにフリーで回転するため、駆動用モータ15の出力軸15aにはトルクが伝達されることはなく、モータの引き摺り抵抗を受けずに前進することができる。これは、減速機用外輪歯車16dがモータハウジング15bに対して空回りし、トルクを受けることができないから、踏力は,駆動用モータ15の出力軸15aには伝達されないからである。
また、前進非駆動時は、駆動輪45からの逆入力が、ハブケース7から変速機用遊星歯車3bに伝達される。このとき、第三太陽歯車3a−3と車軸5との間に設けてある逆入力用ワンウェイクラッチ2によって、第三太陽歯車3a−3は逆入力に対して車軸5に固定される。
その結果、駆動輪45からの逆入力は、変速機構3を介して減速されて変速機用遊星キャリア3cに伝達され、さらに、減速機構16を介して駆動用モータ15に増速されて伝達され、回生充電可能となる。
このとき、保持器30bに連結された切替装置30fを車軸5外から操作することにより、図4に示すように、ローラ30aが逆入力に対して係合する方向に付勢された状態にできる(図4の時計回りの方向)。
この切替装置30fは、図示しないブレーキレバーにワイヤーで連結されている。前進非駆動時にブレーキレバーを操作することで、ワイヤーにより切替装置30fがモータハウジング15b上を周方向に移動し、保持器30bは、駆動方向に係合可能なように付勢している図示しない弾性部材の弾性力に抗して、切替装置30fと連動して周方向(図2の時計回りの方向)に移動し、逆入力に対して係合可能な状態(図4)となる。ブレーキレバーの操作を解除すると、保持器30bへの外部力が解除されるため、前記弾性部材により、再び駆動力に対して係合可能な状態に付勢される。但し、回生発電を行っている際は、ローラ30aが十分に噛み込んでいるため、ブレーキレバーの操作を解除しても、クラッチ30の係合が解除されることはない。
図4において、矢印hは、駆動用モータ15の駆動力における変速機用遊星キャリア3cの回転方向を、矢印iは、その際の減速機用遊星歯車16bの回転方向を、矢印jは、クラッチ30による減速機用外輪歯車16dのモータハウジング15b周りのロック方向を、矢印kは、出力軸15aの回転方向を示している。
これにより、減速機用外輪歯車16dは、逆入力に対してモータハウジング15bに固定され、逆入力は増速されて出力軸15aに伝達され、回生発電可能となる。
このとき、変速制御機構10による前記第一ワンウェイクラッチ3e−1、第二ワンウェイクラッチ3e−2、第三ワンウェイクラッチ3e−3の状態によらず、第三太陽歯車3a−3が逆入力に対して車軸5に固定される。
以上のように、リアスプロケット4からの駆動力(踏力)は増速されて駆動輪45に伝達される。また、駆動用モータ15からの駆動力は、減速機構16を介して減速されて変速機用遊星キャリア3cに伝達され、その後、変速機構3を介して増速されて駆動輪45に伝達される。
一方、駆動輪45からの逆入力トルクは、切替装置30fを操作することにより、変速機構3で減速されて伝達され、さらに、減速機構16により増速されて駆動用モータ15に伝わり、回生充電が可能な状態となる。
さらに、減速機用外輪歯車16dとモータハウジング15bとの間に、車軸5外からの操作によって係合方向を切替可能なツーウェイクラッチ(クラッチ30)を設けることにより、前進駆動時にアシストが無い状態ではモータの引き摺り抵抗を切り離して快適に走行することが可能となり、前進非駆動時にツーウェイクラッチを逆方向に係合させることにより回生発電を行うことができ、任意に回生の切替が可能となる。
なお、この実施形態では、変速機用遊星歯車3bの段数を三段として、三段の変速機構3としているが、この変速機用遊星歯車3bの段数は、二段又は四段以上とすることもできる。
また、変速制御機構10の他の構成としては、例えば、前記変速用スリーブ10bを車軸5に対して軸方向に移動操作するものも考えられる。すなわち、変速用スリーブ10bを前記車軸5の軸方向に移動させることにより、前記切欠部が前記変速機用クラッチカム面の位置と前記変速機用クラッチカム面から退避した位置との間で移動し、その移動によって、前記変速機用ワンウェイクラッチ3eの切り替えが行われる構成である。
また、これらの実施形態では、ラチェットクラッチで構成された変速機用ワンウェイクラッチ3eにおいて、そのラチェットクラッチの各クラッチ爪のクラッチカム面への噛合を、変速用スリーブ10bによって係合できる状態と係合できない状態とに切り替える方式を採用したが、車軸5と変速機用太陽歯車3aとを相対回転可能、相対回転不能とに切り替える手段としては、その他の構成を採用してもよい。また、変速機構として、公知の自転車の変速機構を用いてもよい。
また、この実施形態では、第一ワンウェイクラッチ3e−1、第二ワンウェイクラッチ3e−2、第三ワンウェイクラッチ3e−3、逆入力用ワンウェイクラッチ2は、それぞれラチェットクラッチを採用しているが、ローラクラッチ、スプラグクラッチ等、他の構成からなるワンウェイクラッチを採用することもできる。また、クラッチ30としてローラクラッチ機構を用いたツーウェイクラッチを採用したが、スプラグクラッチ機構を用いたツーウェイクラッチを採用することもできる。
また、クラッチ30として、ラチェットクラッチ、ローラクラッチ、スプラグクラッチ機構等を用いたワンウェイクラッチを採用することもできる。クラッチ30としてワンウェイクラッチを採用する場合は、駆動用モータ15からの駆動力が無い状態における、ペダル40からの踏力及び駆動輪45からの逆入力に対し、そのクラッチ30が係合しないように設定することができる。
これにより、減速機用外輪歯車16d及び減速機用遊星歯車16bはモータハウジング15b周りにフリーで回転するため、駆動用モータ15の出力軸15aにはトルクが伝達されることはなく、モータの引き摺り抵抗を受けずに前進することができる。
1 リアハブ(ハブ)
2 逆入力用ワンウェイクラッチ
3 変速機構
3a 変速機用太陽歯車
3a−1 第一太陽歯車
3a−2 第二太陽歯車
3a−3 第三太陽歯車
3b 変速機用遊星歯車
3c 変速機用遊星キャリア
3d 変速機用外輪歯車
3e 変速機用ワンウェイクラッチ
3e−1 第一ワンウェイクラッチ
3e−2 第二ワンウェイクラッチ
3e−3 第三ワンウェイクラッチ
4 リアスプロケット(スプロケット)
5 車軸
6 ハブフランジ
7 ハブケース
8 スプロケット用ワンウェイクラッチ
10 変速制御機構
10a 変速操作部
10b 変速用スリーブ
11,12,13,14 軸受部
15 駆動用モータ
15a 出力軸
15b モータハウジング
16 減速機構
16a 減速機用太陽歯車
16b 減速機用遊星歯車
16c 軸
16d 減速機用外輪歯車
20 軸受
30 クラッチ
30a ローラ
30b 保持器
30c 内輪
30d 外輪
30e ローラクラッチカム面
30f 切替装置

Claims (15)

  1. 駆動輪のハブ(1)内部に、変速機構(3)、減速機構(16)及び駆動用モータ(15)を車軸(5)の軸方向に並列して配置し、前記変速機構(3)は、ペダルからの踏力による駆動力をスプロケット(4)を通じて前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記減速機構(16)は、前記駆動用モータ(15)からの駆動力を前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記変速機構(3)は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの変速機用太陽歯車(3a)と、その変速機用太陽歯車(3a)に噛み合う変速機用遊星歯車(3b)、及びその変速機用遊星歯車(3b)を保持する変速機用遊星キャリア(3c)とを備え、前記スプロケット(4)からの駆動力に対して前記変速機用太陽歯車(3a)が前記車軸(5)周りに回転可能又は回転不能とに切り替えて変速を行う変速制御機構(10)を備えており、前記減速機構(16)は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの減速機用太陽歯車(16a)と、その減速機用太陽歯車(16a)に噛み合う減速機用遊星歯車(16b)を備え、前記減速機用遊星歯車(16b)を、前記変速機用遊星キャリア(3c)又はその変速機用遊星キャリア(3c)と一体に回転する部材で保持し、前記減速機用遊星歯車(16b)に噛み合う減速機用外輪歯車(16d)とモータハウジング(15b)との間に、クラッチ(30)を設け、
    前記スプロケット(4)を前記車軸(5)の一端側に、前記駆動用モータ(15)を前記車軸(5)の他端側に設け、前記変速機構(3)及び前記減速機構(16)は、前記スプロケット(4)と前記駆動用モータ(15)との間に設けられることを特徴とす電動補助自転車。
  2. 駆動輪のハブ(1)内部に、変速機構(3)、減速機構(16)及び駆動用モータ(15)を車軸(5)の軸方向に並列して配置し、前記変速機構(3)は、ペダルからの踏力による駆動力をスプロケット(4)を通じて前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記減速機構(16)は、前記駆動用モータ(15)からの駆動力を前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記変速機構(3)は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの変速機用太陽歯車(3a)と、その変速機用太陽歯車(3a)に噛み合う変速機用遊星歯車(3b)、及びその変速機用遊星歯車(3b)を保持する変速機用遊星キャリア(3c)とを備え、前記スプロケット(4)からの駆動力に対して前記変速機用太陽歯車(3a)が前記車軸(5)周りに回転可能又は回転不能とに切り替えて変速を行う変速制御機構(10)を備えており、前記減速機構(16)は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの減速機用太陽歯車(16a)と、その減速機用太陽歯車(16a)に噛み合う減速機用遊星歯車(16b)を備え、前記減速機用遊星歯車(16b)を、前記変速機用遊星キャリア(3c)又はその変速機用遊星キャリア(3c)と一体に回転する部材で保持し、前記減速機用遊星歯車(16b)に噛み合う減速機用外輪歯車(16d)とモータハウジング(15b)との間に、クラッチ(30)を設け、
    前記変速機用太陽歯車(3a)と前記車軸(5)との間に逆入力用ワンウェイクラッチ(2)を設け、前記クラッチ(30)は外部操作によって係合方向を切り替えることが可能なツーウェイクラッチによって構成し、前記逆入力用ワンウェイクラッチ(2)及び前記クラッチ(30)を逆入力に対してロックすることにより、前記駆動輪から前記駆動用モータ(15)への逆入力を伝達可能とし、その逆入力により生じた回生電力を二次電池に還元する回生機構を備えたことを特徴とす電動補助自転車。
  3. 前記スプロケット(4)を前記車軸(5)の一端側に、前記駆動用モータ(15)を前記車軸(5)の他端側に設け、前記変速機構(3)及び前記減速機構(16)は、前記スプロケット(4)と前記駆動用モータ(15)との間に設けられることを特徴とする請求項に記載の電動補助自転車。
  4. 前記逆入力用ワンウェイクラッチ(2)がラチェットクラッチ機構によって構成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の電動補助自転車。
  5. 前記クラッチ(30)がローラクラッチ機構によって構成されたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一つに記載の電動補助自転車。
  6. 前記クラッチ(30)は、前記モータハウジング(15b)の外面にローラクラッチカム面(30e)を有する内輪(30c)を備え、前記ローラクラッチカム面(30e)上に、保持器(30b)によってローラ(30a)が保持されており、前記減速機用外輪歯車(16d)の内面に円筒状の外輪(30d)が設けられており、前記ローラ(30a)は弾性部材によって、前記駆動用モータ(15)からの駆動力に対して係合する方向に付勢されており、前進非駆動時に外部操作により前記保持器(30b)に連結された切替装置(30f)を操作することにより前記ローラ(30a)を逆方向に係合することを可能とし、その逆方向の係合により、前記駆動輪からの逆入力を前記駆動用モータ(15)へ伝達可能としたことを特徴とする請求項5に記載の電動補助自転車。
  7. 前記クラッチ(30)がスプラグクラッチ機構によって構成されたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一つに記載の電動補助自転車。
  8. 前記クラッチ(30)の切替が、ブレーキ操作と連動して行われることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一つに記載の電動補助自転車。
  9. 駆動輪のハブ(1)内部に、変速機構(3)、減速機構(16)及び駆動用モータ(15)を車軸(5)の軸方向に並列して配置し、前記変速機構(3)は、ペダルからの踏力による駆動力をスプロケット(4)を通じて前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記減速機構(16)は、前記駆動用モータ(15)からの駆動力を前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記変速機構(3)は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの変速機用太陽歯車(3a)と、その変速機用太陽歯車(3a)に噛み合う変速機用遊星歯車(3b)、及びその変速機用遊星歯車(3b)を保持する変速機用遊星キャリア(3c)とを備え、前記スプロケット(4)からの駆動力に対して前記変速機用太陽歯車(3a)が前記車軸(5)周りに回転可能又は回転不能とに切り替えて変速を行う変速制御機構(10)を備えており、前記減速機構(16)は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの減速機用太陽歯車(16a)と、その減速機用太陽歯車(16a)に噛み合う減速機用遊星歯車(16b)を備え、前記減速機用遊星歯車(16b)を、前記変速機用遊星キャリア(3c)又はその変速機用遊星キャリア(3c)と一体に回転する部材で保持し、前記減速機用遊星歯車(16b)に噛み合う減速機用外輪歯車(16d)とモータハウジング(15b)との間に、クラッチ(30)を設け、
    前記変速制御機構(10)は、全ての前記変速機用太陽歯車(3a)と前記車軸(5)の間にそれぞれ変速機用ワンウェイクラッチ(3e)を備え、その各変速機用ワンウェイクラッチ(3e)によって、前記変速機用太陽歯車(3a)のいずれか一つを前記車軸(5)周りに回転不能に、他を回転可能に切り替えることで変速を行うことを特徴とす電動補助自転車。
  10. 前記変速制御機構(10)は、全ての前記変速機用太陽歯車(3a)と前記車軸(5)の間にそれぞれ変速機用ワンウェイクラッチ(3e)を備え、その各変速機用ワンウェイクラッチ(3e)によって、前記変速機用太陽歯車(3a)のいずれか一つを前記車軸(5)周りに回転不能に、他を回転可能に切り替えることで変速を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の電動補助自転車。
  11. 前記変速機用ワンウェイクラッチ(3e)は、ラチェットクラッチ機構によって構成されたことを特徴とする請求項9又は10に記載の電動補助自転車。
  12. 前記変速制御機構(10)は、前記車軸(5)周りに嵌められた変速用スリーブ(10b)を備え、その変速用スリーブ(10b)を前記車軸(5)回りに回転させることによって、前記変速機用ワンウェイクラッチ(3e)の前記回転可能又は回転不能との切り替えを行うことを特徴とする請求項11に記載の電動補助自転車。
  13. 前記変速機用ワンウェイクラッチ(3e)は、前記変速機用太陽歯車(3a)又は車軸(5)の一方に変速機用クラッチカム面を有し、他方にはその変速機用クラッチカム面に噛み合うことができる揺動自在の変速用クラッチ爪を有し、前記変速用スリーブ(10b)はその周方向の一部に切欠部を有し、前記変速用スリーブ(10b)を前記車軸(5)回りに回転させることにより、前記切欠部が前記変速機用クラッチカム面の位置と前記変速機用クラッチカム面から退避した位置との間で移動し、その移動によって、前記変速機用ワンウェイクラッチ(3e)の切り替えを行うことを特徴とする請求項12に記載の電動補助自転車。
  14. 駆動輪のハブ(1)内部に、変速機構(3)、減速機構(16)及び駆動用モータ(15)を車軸(5)の軸方向に並列して配置し、前記変速機構(3)は、ペダルからの踏力による駆動力をスプロケット(4)を通じて前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記減速機構(16)は、前記駆動用モータ(15)からの駆動力を前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記変速機構(3)は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの変速機用太陽歯車(3a)と、その変速機用太陽歯車(3a)に噛み合う変速機用遊星歯車(3b)、及びその変速機用遊星歯車(3b)を保持する変速機用遊星キャリア(3c)とを備え、前記スプロケット(4)からの駆動力に対して前記変速機用太陽歯車(3a)が前記車軸(5)周りに回転可能又は回転不能とに切り替えて変速を行う変速制御機構(10)を備えており、前記減速機構(16)は、遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの減速機用太陽歯車(16a)と、その減速機用太陽歯車(16a)に噛み合う減速機用遊星歯車(16b)を備え、前記減速機用遊星歯車(16b)を、前記変速機用遊星キャリア(3c)又はその変速機用遊星キャリア(3c)と一体に回転する部材で保持し、前記減速機用遊星歯車(16b)に噛み合う減速機用外輪歯車(16d)とモータハウジング(15b)との間に、クラッチ(30)を設け、
    前記減速機用遊星歯車(16b)を二段歯車としたことを特徴とす電動補助自転車。
  15. 前記減速機用遊星歯車(16b)を二段歯車としたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の電動補助自転車。
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