JP2013039865A - 自転車用ハブユニット、並びにそれを用いた電動補助自転車及び電動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置をコンパクトにし、モータの引き摺りトルクを抑制する。
【解決手段】ハブ10の内部に変速機構部30、減速機構部40及び駆動用モータ18を車軸15に沿って並列して備え、変速機構部30は人力の駆動力を、減速機構部40は駆動用モータ18の駆動力をハブケース11に伝達する。変速機構部30は、変速機用太陽歯車30a、変速機用遊星歯車30b、変速機用遊星キャリア30cを備え、変速機用遊星キャリア30cをハブケース11への出力部材とする。減速機構部40は、減速機用太陽歯車40a、減速機用遊星歯車40b、減速機用外輪歯車40dを備え、減速機用遊星歯車40bを減速機用外輪歯車40dに噛み合わせ、減速機用遊星歯車40bを保持する変速機用遊星キャリア30cをハブケース11への出力部材とする。また、減速機用外輪歯車40dと駆動用モータ18のモータハウジング18bとの間に切替用クラッチ20を備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動モータにより人力駆動系に補助力を付加させる電動補助自転車や電動二輪車、及び、その電動補助自転車や電動二輪車に用いられる自転車用ハブユニット、並びにそれを用いた電動補助自転車及び電動二輪車に関するものである。
自転車の変速機には、様々な種類のものが存在する。このような中で、一般的には、クランク軸又はリア車軸の何れか一方、もしくは両方の同軸上に多段のスプロケットを設け、ディレイラーによってチェーンをスプロケット間で移動させることによって変速する方式(外装変速機)と、駆動輪である後輪のリアハブの内部に設けた歯車を掛けかえることによって変速する方式(内装変速機)がある。
外装変速機は、構造が簡単で軽量であるが、スプロケットやチェーンが摩耗する原因になり、チェーン外れの原因にもなる。一方、内装変速機は、防塵、防水性に優れており、メンテナンスフリーといった利点があるため、シティサイクルに使われることが多い。
ところで、電動モータにより人力駆動系に補助力を付加させる電動補助自転車や電動二輪車(以下、電動補助自転車で総称する)において、その電動補助自転車の駆動輪である後輪のリアハブ内に、駆動用モータ、減速機構部、変速機構部が備えられたものがある。
リアハブにモータを設けた、所謂リアハブモータ方式の電動補助自転車は、変速機構部と組み合わせる場合、外装変速機又は内装変速機のいずれかを用いることができる。
ただし、外装変速機を用いる場合、ハブの構造は、主として駆動用モータと減速機構部とから構成されるので簡素となるが、前述のような外装変速機ゆえのメンテナンス上の問題がある。一方、内装変速機を用いる場合、ハブの構造は、モータ、減速機構部及び変速機構部とから構成されるので、ハブ自体の構造は複雑となるが、前述のような内装変速機ゆえの利点があるので有利である。
現在のところ、電動補助自転車はシティサイクルを中心に展開しており、その殆どが内装変速機を採用している。従って、リアハブモータ方式の電動補助自転車においても、内装変速機とすることが望ましいと考えられている。
この種の内装変速機を備えた電動補助自転車の構造として、例えば、特許文献1,2に記載のものがある。
これらの構造では、リアハブ内において、駆動用モータ(電動機)、減速機構部、変速機構部が配置されている。モータによる駆動機構としては、駆動用モータと、その駆動用モータの回転数を減速する動力系の減速機構部を内蔵している。また、人力の入力機構としては、駆動輪の車軸に入力用のスプロケットが設けられ、その車軸より外周に向かって変速機構部、減速機構部を順に配置している。
リアハブは、回転ケーシングと固定ケーシングとを備え、前記人力系の入力機構は回転ケーシング側に、前記駆動用モータによる駆動機構は、主として固定ケーシング側に配置されている。
ペダルによって与えられた人力は、チェーンによって駆動輪のスプロケットに伝達され、変速機構部で変速され、回転ケーシングを通じて駆動輪を回転させる。また、モータによる駆動力は、前述の人力系の変速機構部とは別に備えた動力系の減速機構部で減速されて、その後、回転ケーシングにおいて人力駆動力と電動駆動力とが合力されて、駆動輪に伝達される。
このとき、電気信号に変換された前記人力による駆動力と、速度センサからの走行速度の電気信号とが、その電動補助自転車が備える制御部に入力され、その制御部が、所定の条件に基づいて駆動信号を出力し、モータを制御するようになっている。
しかし、これらの構造では、モータは、車軸の軸心から偏心した位置や、あるいは、車軸から外径側に大きく離れた位置に配置されている。このため、ハブの外径が大きくなるという問題がある。ハブの外径が大きいと、重量バランスが悪くなる傾向がある。
この点、特許文献3,4に記載の構造によれば、減速機構部、駆動用モータ、変速機構部を車軸の軸心に沿って併設した構成となっているから、上記ハブの大型化は抑制できる。
特開平9−58568号公報 特開2000−043780号公報 特開2002−293285号公報 特開2003−160089号公報
しかし、特許文献3では、その組み立て性を考慮し、駆動用モータと減速機構部を組込む作業と、ハブケースの端面を閉じる蓋体に内装変速機を組込む作業を別作業とし、その後、両者を組込んでいる。すなわち、減速機構部と変速機構部とは完全に別ユニットで構成される。ハブケース内の軸方向のスペースには限りがあるので、このような構成では、変速機構部の配置スペースを確保しにくく、変速段数を増やすことが困難である。
また、特許文献4では、駆動用モータは、減速機構部と変速機構部の間に配置されている。このような構成では、モータの電源及び制御用の配線を配置しにくく、また、その構造が複雑である。さらに、減速機構部と変速機構部は独立した構成となり、特許文献3と同様、変速段数を増やすことは困難である。
また、電動補助自転車には、モータ駆動による補助が可能なスピードの範囲があり、それを越える範囲のスピード、あるいは、電池切れ等によって補助モータが作動しない場合には、減速機構部によってモータの引き摺りトルクが増加し、走行抵抗が大きくなってしまうという問題がある。
そこで、この発明は、車軸の軸心に沿って減速機構部、駆動用モータ、変速機構部の3つの機構を並列に備えた構成において、装置をコンパクトにするとともに、補助モータが作動しない場合におけるモータの引き摺りトルクを抑制することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ハブの内部に、変速機構部、減速機構部及び駆動用モータを車軸の軸方向に並列して配置した自転車用ハブユニットにおいて、前記変速機構部は、入力手段に入力される人力による駆動力をハブケースに伝達する機能を有し、前記減速機構部は、前記駆動用モータから入力される駆動力をハブケースに伝達する機能を有しており、前記変速機構部は、2段以上の変速段を有する遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの変速機用太陽歯車と、その変速機用太陽歯車に噛み合う変速機用遊星歯車、及びその変速機用遊星歯車を保持する変速機用遊星キャリアとを備え、前記入力手段からの駆動力に対して前記少なくとも1つの変速機用太陽歯車を前記車軸周りに回転可能又は回転不能とに切り替えて変速を行う変速制御機構部を備えており、前記減速機構部は、遊星歯車機構によって構成されて前記駆動用モータのモータ軸と一体に回転する減速機用太陽歯車と、前記減速機用太陽歯車に噛み合う減速機用遊星歯車とを備え、前記減速機用遊星歯車に噛み合う減速機用外輪歯車と前記駆動用モータを保持するモータハウジングとを相対回転可能又は相対回転不能に切替可能な切替用クラッチを備え、前記変速機構部の前記ハブケースへの出力部材である前記変速機用遊星キャリアで前記減速機用遊星歯車を保持することにより、前記変速機用遊星キャリアを前記減速機構部のハブケースへの出力部材としたことを特徴とする自転車用ハブユニットを採用した。
この構成によれば、変速機構部と減速機構部のそれぞれにおいて遊星歯車機構を採用し、変速機構部のハブケースへの出力部材である変速機用遊星キャリアで減速機用遊星歯車を保持することにより、その変速機用遊星キャリアを減速機構部のハブケースへの出力部材としたので、部材の共通化により車軸方向にコンパクトな構造とすることが可能となる。
また、減速機用遊星歯車に噛み合う減速機用外輪歯車と駆動用モータを保持するモータハウジングとの間に切替用クラッチを設けたことから、補助モータが作動しない場合におけるモータの引き摺りトルクを抑制することができる。
ここで、例えば、前記変速機構部の構成を、前記入力部材から前記ハブケースへの直結状態を含む減速型とすることができる。また、前記変速機構部の構成を、前記入力部材から前記ハブケースへの直結状態と2段以上の減速状態を含む減速型とすることができる。
遊星歯車機構の2段以上の変速段を切り替える変速制御機構部の構成としては、例えば、クラッチ部材を変速機用太陽歯車と車軸との間に設け、このクラッチ部材(変速機用第一ワンウェイクラッチと称する)を、前記変速機用太陽歯車が車軸回り一方向へ回転可能な状態と回転不能な状態とに切替えることで変速できる構成を採用することができる。
さらに、それに加え、例えば、入力手段に接続され変速機用遊星歯車に噛み合う変速機用外輪歯車と、その変速機用遊星歯車を保持する変速機用遊星キャリアとの間に別のクラッチ部材を設け、変速制御機構部が、変速機用外輪歯車を変速機用遊星キャリアに対して軸回り一方向へ回転不能な状態に切替えることで、入力手段から変速機用遊星キャリアへ等速(直結)状態に変速することができる。
通常電動補助自転車では変速比の最も大きいトップギア(例えば、3段変速の場合の3速時の状態)で走行することが多いことから、トップギアに歯車を介さないトルク伝達経路とすることで、安定性が高く、耐久性の向上が著しく見込める。なお、遊星歯車の段数を増やし、さらにこの遊星歯車の段数に応じて太陽歯車を同数設けることで、4段、5段、6段と変速数を増加させることが可能となる。
また、これらの各構成において、前記車軸を自転車のフレームに両持ち固定される単一の部材とすれば、車軸がフレームに両端支持により完全固定されることで、リアハブユニット全体の剛性が確保され、駆動用モータは、この車軸に完全に固定されることで安定して回転可能となる。
さらに、これらの各構成において、前記切替用クラッチを、例えば、ツーウェイクラッチとした構成を採用することができる。また、その切替用クラッチには、例えば、ローラクラッチ又はスプラグクラッチ、ラチェット機構を備えたクラッチ(ラチェットクラッチ)を採用することができる。このツーウェイクラッチにローラクラッチやスプラグクラッチを用いることで、ガタ量を小さくすることが可能となり、また、ラチェット機構を用いることで、構造を簡素化することができる。
これらの各構成において、前記切替用クラッチは、前記駆動用モータからの駆動力の入力による自転車の前進時における前記減速機用遊星キャリアの前記モータハウジングに対する回転には常に係合可能な状態とされ、その反対方向の回転には、外部から伝達された切替えを指示するための入力によって、係合可能な状態及び係合不能な状態とに切替えできる構成を採用することができる。
すなわち、駆動用モータからの駆動力が負荷される場合に、常に、減速機構部の減速機用外輪歯車はツーウェイクラッチによってモータハウジングに対して回転不能な状態になるようにする(逆方向トルクの作用時は空転する)。駆動用モータは車軸に対して回転固定されていることから、減速機用外輪歯車もまた回転固定される。したがって、駆動用モータから減速機用太陽歯車、減速機用遊星歯車を介して出力部材(変速機用遊星キャリア)へと駆動力が伝達され、出力部材とハブケースは一体回転可能に結合されているから、駆動輪へとトルク伝達される。これにより、補助力による走行が可能となる。
また、駆動用モータからの補助力が不必要、若しくは電池切れの場合など補助力が得られない場合、人力の駆動力によって、減速機用外輪歯車はモータハウジングに対して駆動用モータからの駆動力で前進する際とは反対方向に回転する。この状態で、減速機構部の減速機用外輪歯車をモータハウジングに対して回転可能な状態とし、すなわち、減速機用遊星外輪歯車はモータハウジングに対して空転する。これにより、駆動用モータの引き摺り抵抗がない快適な走行が可能となる。
さらに、自転車が惰性で走行する際における駆動輪からの逆入力に対しては、同じく、減速機用外輪歯車はモータハウジングに対して駆動用モータからの駆動力で前進する際とは反対方向に回転する。この状態で、外部から伝達された入力によってツーウェイクラッチを入とし、減速機構部の減速機用外輪歯車をモータハウジングに対して回転不能な状態とする。これにより、減速機構部を介して駆動用モータに駆動輪からの逆入力が伝達され、回生充電が可能となる。
したがって、回生が必要な時にのみ、切替用クラッチを係合可能な状態から係合不能な状態に切り替えればよく、ハブ内部の構造を簡素化できる。また、その切替用クラッチの切り替えは、例えば、外部からの電気信号の入力によって切り替えることも可能であるが、部材の進退動作や回転動作等の機械的な動作(入力)によって切替えることも可能である。
いずれの場合にも、その切替えをブレーキ操作と連動させることで、ブレーキ時にのみ回生させることが可能となる。このとき、外部からの入力は、ブレーキ操作と連動して作動する切替用クラッチ制御機構部によって伝達されるようにできる。切替用クラッチ制御機構部の構成としては、例えば、ブレーキ操作と連動するワイヤー等の進退動作やその他リンク機構を構成する部材の回転動作(入力)を活用して、その切替えを行う構成とできる。
さらに、複数の要素(ブレーキ操作の有無、回転数、ペダルトルクの数値)に基づいて、それらの複数の要素が所定の要件を満たした場合に、前記切替用クラッチの切り替えを行う構成を採用することができる。複数の要素を切り替えの基準とすることで、より快適な走行を得ることが可能となる。
前記切替用クラッチとして、例えば、ラチェット機構を備えたクラッチを採用した場合において、そのラチェット機構は、前記減速機用遊星キャリアの前記モータハウジングに対する軸周り一方向のみに係合する第一ラチェット部と、その第一ラチェット部の係合方向とは反対方向の回転のみに係合する第二ラチェット部とで構成することができる。
このとき、前記第一ラチェット部は、前記駆動用モータからの駆動力の入力による自転車の前進時における前記減速機用遊星キャリアの前記モータハウジングに対する回転には常に係合可能な状態とされ、前記第二ラチェット部は、前記駆動用モータから駆動力が入力されない場合には、外部から伝達された入力によって係合可能な状態及び係合不能な状態とに切り替えできる構成とすることができる。
これらの各構成において、前記モータハウジングは、自転車のフレームもしくは車軸に相対回転不能に保持されている構成とすることができる。
また、これらの各構成において、前記入力手段を前記車軸の一端側に、前記駆動用モータを前記車軸の他端側に設け、前記変速機構部及び前記減速機構部は、前記入力手段と前記駆動用モータとの間に設けられる構成を採用することができる。
変速機構部及び減速機構部を、車軸の一端側のスプロケットと、他端側の駆動用モータとの間に設ければ、変速機用遊星キャリアと減速機用遊星キャリアとが近接するので、キャリアを共通化するための構造をさらに簡素にし得る。なお、駆動用モータは、自転車に両持ち支持される車軸に完全に固定されることで、ハブユニット全体の高い剛性が確保できるようになる。
また、これらの各構成において、前記変速機構部は、前記入力手段からの駆動力を伝達する駆動体と一体に回転する変速機用外輪歯車が前記変速機用遊星歯車に噛み合い、前記変速機用遊星キャリアの外周から前記ハブケースの内径にトルク伝達可能に接合されており、前記入力手段からの駆動力は、前記駆動体から前記変速機用遊星歯車、前記変速機用遊星キャリアを通じて前記ハブケースへ等速以下で伝達される減速型とした構成を採用することができる。
このとき、前記駆動体と前記変速機用外輪歯車とを一体の部材で形成することも可能であるが、前記駆動体と前記変速機用外輪歯車とを別部材とし、その別部材の前記駆動体と前記変速機用外輪歯車とが一体回転可能な結合によって保持されている構成とすることができる。
前記駆動体と前記変速機用外輪歯車とを別部材とした場合、前記駆動体と前記変速機用外輪歯車とは、半径方向へ相対移動可能に保持されている構成とすることができる。駆動体と変速機用外輪歯車とが半径方向へ相対移動可能であれば、その駆動体や変速機用外輪歯車に生じ得る製造誤差や組み立て誤差を、その相対移動によって吸収することができ、遊星歯車機構の噛み合っている各歯車間のバランスを良好に保つことができる。
遊星歯車は、理想的には同心駆動であることが望ましいが、実際にはそれぞれの歯車に製造誤差が含まれる。製造誤差によって特定の歯車に過大な荷重がかかる場合があり、耐久性が低下する恐れがある。したがって、これらの製造誤差を吸収することができるようにした上記構成が好ましい。
すなわち、ここでは、入力部材が結合される駆動体と変速機用外輪歯車とを別部材とし、それぞれを一体回転可能としつつ、半径方向に自由度を持たしている。また、駆動体は車軸にベアリングによって回転支持されていることから、この変速機外輪歯車が半径方向に移動することで、遊星歯車機構において荷重バランスの取れた配置とすることが可能となる。
また、これらの各構成において、前記減速機構部は、前記減速機用遊星歯車に設けた第一外径歯車部が前記減速機用太陽歯車に噛み合い、前記減速機用遊星歯車に設けられ前記第一外径歯車部よりも歯数の少ない第二外径歯車部が前記減速機用外輪歯車に噛み合っている構成を採用することができる。
このように、減速機構部の遊星歯車機構に、歯数の異なる2段の減速機用遊星歯車を用いることによって、コンパクトな構造で高減速比とすることが可能となる。
また、これらの各構成において、前記変速機用遊星歯車の数と前記減速機用遊星歯車の数を同数とすれば、主に入力手段からの人力による駆動力を伝達する変速機構部における車軸周りへの荷重バランスと、主に駆動用モータからの駆動力を伝達する減速機構部における車軸周りへの荷重バランスとが近いものとなるので望ましい。
また、例えば、前記変速機用遊星歯車の数を3個とすれば、駆動力を伝達する際の車軸周りへの荷重バランスが最も良好となる。このとき、前記減速機用遊星歯車の数も同数の3個とすることが望ましい。
また、これらの各構成において、前記変速制御機構部は、前記少なくとも一つの変速機用太陽歯車を前記車軸周り一方向に回転不能とできる変速機用第一ワンウェイクラッチを、その一方向に相対回転可能又は相対回転不能に切替可能である構成を採用することができる。
さらに、これらの各構成からなる自転車用ハブユニットを組み込み、電動モータにより人力駆動系に補助力を付加させることができ、且つ、回生機構を備えた電動補助自転車や電動二輪車とすることができる。
この発明は、車軸の軸心に沿って減速機構部、駆動用モータ、変速機構部の3つの機構を並列に備えた構成において、変速機構部と減速機構部のそれぞれにおいて遊星歯車機構を採用し、変速機構部のハブケースへの出力部材である変速機用遊星キャリアで減速機用遊星歯車を保持することにより、その変速機用遊星キャリアを減速機構部のハブケースへの出力部材としたので、部材の共通化により車軸方向にコンパクトな構造とすることが可能となる。
また、減速機用遊星歯車に噛み合う減速機用外輪歯車と駆動用モータを保持するモータハウジングとの間に切替用クラッチを設けたことから、補助モータが作動しない場合におけるモータの引き摺りトルクを抑制することができる。
この発明の一実施形態を示す縦断面図 (a)は図1のA−A断面図、(b)は図1のB−B断面図、(c)は図1のC−C断面図 図1の要部拡大図 同実施形態の変速1段目を示す縦断面図 (a)は図4のA−A断面図、(b)は図4のB−B断面図、(c)は図4のC−C断面図 同実施形態の変速2段目を示す縦断面図 (a)は図6のA−A断面図、(b)は図6のB−B断面図、(c)は図6のC−C断面図 同実施形態の変速3段目を示す縦断面図 (a)は図8のA−A断面図、(b)は図8のB−B断面図、(c)は図8のC−C断面図 図8のX−X断面図 図10の他の実施形態を示す断面図 (a)は切替用クラッチ制御機構部、(b)は(a)の変形例を示す要部拡大図 電動補助自転車又は電動二輪車の全体図
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態の電動補助自転車は、駆動輪である後輪のハブ10(以下、「リアハブ10」と称する)内部に駆動用モータ18が設けられている、リアハブモータ方式の電動補助自転車である。図13に電動補助自転車の全体図を示す。
なお、電動補助自転車と電動二輪車とは、人力による駆動力に対する駆動用モータによる駆動力の補助率が異なるように設定されており、駆動力の伝達機構に関しその主たる構造は同一である。このため、以下、実施形態では、電動補助自転車と電動二輪車とを電動補助自転車と総称して、電動補助自転車と電動二輪車の両方に適用できるこの発明の構成を説明する。
この電動補助自転車において、駆動時、すなわち、ペダル3を通じてクランク軸から伝達された踏力が入力された場合は、駆動輪である後輪2のスプロケット9(以下、「リアスプロケット9」と称する。)とを結ぶチェーン等の動力伝達要素4及び変速機構部30を介して、後輪2に駆動力が伝達可能となっている(図12及び図1参照)。リアスプロケット9は、後輪2への人力による駆動力の入力手段として機能する。
なお、変速機構部30の変速段を切り替える変速制御機構部35がリアハブ10に設けられている。この変速制御機構部35は、リアハブ10外部、例えば、ハンドル5若しくはフレーム6などに取り付けられた変速切替スイッチより、手動もしくは電動により入力され、その入力によって変速段の切り替えが可能となっている。
また、補助力としての駆動用モータ18の出力による駆動力は、リアハブ10内部の減速機構部40等を介して、ハブケース11に伝達され、後輪2に伝達可能となっている。
また、自転車が惰性で走行する前進非駆動時には、後輪2からの逆入力が減速機構部40(逆入力の場合は増速される)を介して駆動用モータ18に伝達され、後輪2からの逆入力によって生じた回生電力を、リアハブ10外部のフレーム6等に取り付けられた二次電池7に還元する回生機構を備えている。
リアハブ10は、図1に示すように、後輪2の車軸15と同軸に設けたハブケース11内に、一端のリアスプロケット9側から変速機構部30と減速機構部40と駆動用モータ18とを順に備えている。車軸15は、その両端が電動補助自転車のフレーム6にそれぞれ固定され、いわゆる両持ち固定の状態である。
また、駆動用モータ18は車軸15にねじ止めなどにより自由度無く固定されている。駆動用モータ18のモータ軸18aの中心部に車軸15が挿通され、モータ軸18aはその車軸15周りに回転する。車軸15とモータ軸18aとは軸受18cによって回転自在に支持されている。
(変速機構部30)
変速機構部30は、直結と2段減速の合計3段階に変速可能な遊星歯車機構で構成されている。変速機構部30は、車軸15の外周に変速機用第一ワンウェイクラッチ30eを介して設けられた変速機用太陽歯車30aを備える。この実施形態では、変速機用太陽歯車30aは2つの太陽歯車、すなわち、第一太陽歯車30a−1、第二太陽歯車30a−2からなる。その第一太陽歯車30a−1、第二太陽歯車30a−2が、それぞれ変速機用第一ワンウェイクラッチ30eの第一クラッチ部30e−1、第二クラッチ部30e−2を介して車軸15の外周に接続されている。
なお、第一クラッチ部30e−1、第二クラッチ部30e−2は、それぞれ車軸15の外周に完全固定(不動に固定)された変速クラッチ保持部34に揺動可能に設けられている。車軸15と変速クラッチ保持部34とを回転不能に固定する構造としては、この実施形態では、断面六角形の車軸15を変速クラッチ保持部34に設けた穴部に圧入することによって実現している。また、変速クラッチ保持部34は、車軸15の軸方向に止め輪などを用いて固定されている。
変速機構部30は、その第一太陽歯車30a−1、第二太陽歯車30a−2にそれぞれ噛み合う二つの歯車部を有する変速機用遊星歯車30b、及び、その変速機用遊星歯車30bを遊星キャリア軸30iを介して保持する変速機用遊星キャリア30cとを備える。変速機用遊星歯車30bの二つの歯車部は、互いにその外径が異なり、且つ、歯数が異なるように設定されている。
さらに、変速機構部30は、リアスプロケット9と一体に回転し、そのリアスプロケット9からの駆動力を伝達する駆動体32を備える。駆動体32には、変速機用遊星歯車30bの歯数が少ない方の歯車部に噛み合う変速機用外輪歯車30dを備えた補助駆動体33が一体に回転するように接続されている。なお、変速機用外輪歯車30dは、変速機用遊星歯車30bの歯数が多い方の歯車部に噛み合わせてもよい。
さらに、変速機用遊星キャリア30cの外周からハブケース11の内径部にトルク伝達可能に接合されている。
また、駆動体32と変速機用遊星キャリア30cとは、変速機用第二ワンウェイクラッチ31を介して接続されている。
この実施形態では、駆動体32と補助駆動体33(変速機用外輪歯車30d)とは別部材であり、その別部材の駆動体32と補助駆動体33とが、軸32aを介した一体回転可能な結合によって保持されている。このように、駆動体32と補助駆動体33とを別体の部材で形成すれば、比較的強度を必要としない駆動体32はアルミ材料、熱処理による硬化層が必要となる変速機用外輪歯車30dやクラッチカム面を備えた補助駆動体33は鋼材とするなど、異種材料の選択が可能となり軽量化を実現することができる。
また、この実施形態では、駆動体32と補助駆動体33とを半径方向に浮動支持(半径方向移動に自由度を与えて支持した状態)とすることで、各歯車の配置が荷重バランスの取れる位置にずれることで、全体の荷重バランスが取りやすい構成としている。なお、駆動体32と補助駆動体33とは一体の部材で形成することもできる。
また、駆動体32と車軸15外周に設けた変速制御機構部35との間、駆動体32とハブケース11との間、ハブケース11の端面を閉じるリング部材17と駆動用モータ18の端面に取付けられる蓋16との間には、それぞれ軸受12,13,14が設けられている。この軸受12,13,14によって、それぞれの部材同士が相対回転可能に支持されている。
また、駆動用モータ18を保持するモータハウジング18bと減速機用外輪歯車40dとの間にも、軸受部26が設けられている。この軸受部26によって、モータハウジング18bと減速機用外輪歯車40dとは相対回転可能に支持されている。軸受部26は、保持器26bで保持された複数のローラ26aが、周方向に沿って配置されている。
変速制御機構部35を操作することにより、第一クラッチ部30e−1、第二クラッチ部30e−2、さらには、変速機用第二ワンウェイクラッチ31の切替えを行うことができる。その切替えによって、第一太陽歯車30a−1及び第二太陽歯車30a−2は車軸15に対し、駆動体32は変速機用遊星キャリア30cに対し、それぞれ軸周り一方向に回転可能な状態と回転不能な状態とに切り替えられる。
図1及び図2は、変速3段目(3速時)の各クラッチの状態を示す。図2(a)(b)(c)に示すように、3速時には、すべてのクラッチがクラッチカム面と噛合う状態になっている。すなわち、この3速時には、それぞれのクラッチを寝かすための拘束が無くなり、上述した3つすべてのクラッチがクラッチカム面と噛合う状態になっている。
なお、この実施形態では、第一クラッチ部30e−1、第二クラッチ部30e−2、変速機用第二ワンウェイクラッチ31に、それぞれ、他のクラッチ機構に比べて比較的安価であるラチェットクラッチを採用している。ただし、これらのクラッチの種別は限定されず、ガタ詰め効果(がたつき防止効果)の高いローラクラッチやスプラグクラッチ等、異なる他のクラッチを用いてもよい。
図2(a)に示すように、変速機用第一ワンウェイクラッチ30eの第一クラッチ部30e−1は、車軸15の外周に揺動可能な変速機用第一ワンウェイクラッチ爪30f(第一クラッチ爪部30f−1)を備える。第一クラッチ爪部30f−1は、図示しない弾性部材によって、第一太陽歯車30a−1の内周面に設けられた変速機用第一ワンウェイクラッチカム面30g(第一カム面部30g−1)に噛み合う方向へと付勢されている。その第一クラッチ爪部30f−1が第一カム面30g−1と噛み合うことで、第一太陽歯車30a−1を車軸15に対して軸周り一方向の回転に対してのみ回転不能とできる。なお、軸周り他方向の回転に対しては、第一太陽歯車30a−1は常に車軸15に回転可能(空転状態)である。
同様に、図2(b)に示すように、変速機用第一ワンウェイクラッチ30eの第二クラッチ部30e−2は、車軸15の外周に揺動可能な変速機用第一ワンウェイクラッチ爪30f(第二クラッチ爪部30f−2)を備える。第二クラッチ爪部30f−2は、図示しない弾性部材によって、第二太陽歯車30a−2の内周面に設けられた変速機用第一ワンウェイクラッチカム面30g(第二カム面30g−2)に噛み合う方向へと付勢されている。その第二クラッチ爪部30f−2が第二カム面30g−2と噛み合うことで、第二太陽歯車30a−2を車軸15に対して軸周り一方向の回転に対してのみ回転不能とできる。なお、軸周り他方向の回転に対しては、第二太陽歯車30a−2は常に車軸15に回転可能(空転状態)である。
この第二クラッチ部30e−2の第二クラッチ爪部30f−2は、変速制御機構部35が備えるクラッチ切替部材37の回転動作によって、ON/OFFに切替えることができる。すなわち、その切替え状態がOFFになれば、第二クラッチ部30e−2の第二クラッチ爪部30f−2は、第二カム面30g−2に係合できない状態(係合不能な状態)となり、第二太陽歯車30a−2を車軸15に対して軸周りの回転に対して回転可能となる。
また、その切替え状態がONになれば、第二クラッチ部30e−2の第二クラッチ爪部30f−2は、第二カム面30g−2に係合できる状態(係合可能な状態)となり、第二太陽歯車30a−2を車軸15に対して軸周り一方向の回転に対して回転不能となる。
このように、第二太陽歯車30a−2は、車軸15に対する軸周り一方向の回転に対しては、回転可能、回転不能とに切り替え可能である。
また、変速機用第二ワンウェイクラッチ31は、変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fが、変速機用遊星歯車30bを変速機用遊星キャリア30cに支持する遊星キャリア軸30i周りに揺動自在に設けられている。
変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fは、変速機用遊星キャリア30cに外周側に向かって配置され、図示しない弾性部材によって、駆動体32(補助駆動体33)の内周面に設けられた変速機用第二ワンウェイクラッチカム面31gに噛み合う方向へと付勢されている。このように、変速機用第二ワンウェイクラッチカム面31gは、変速機用遊星キャリア30cの外周面よりも、駆動体32(補助駆動体33)の内周面に設ける方が望ましい。
この変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fが変速機用第二ワンウェイクラッチカム面31gと噛み合うことで、変速機用遊星キャリア30cを、駆動体32(補助駆動体33)に対して軸周り一方向の回転に対してのみ回転不能とできる。なお、軸周り他方向の回転に対しては、変速機用遊星キャリア30cは常に駆動体32(補助駆動体33)に回転可能(空転状態)である。
この実施形態では、変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fは、その組み立て性の向上のため遊星キャリア軸30iに取り付けた構成としているが、これを変速機用遊星キャリア30cに設けた別の軸に装着することも可能である。
このように、変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fを支持する軸を別の軸とした場合、変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fは、変速機用遊星歯車30bの数(この実施形態では3個)に左右されることなく、例えば、4個以上とすることも可能である。
しかし、その変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fを2個若しくは1個とすることで、装置の簡素化を図ることも可能である。荷重バランスを考慮した場合、等間隔に2個以上が適している。
(変速制御機構部35)
図3に変速制御機構部35の詳細図を示す。変速制御機構部35は、クラッチ切替部材39、クラッチ切替制御部材37、クラッチ切替案内部材38、外部からの信号をリアハブユニット内に伝達する変速切替棒(変速操作部)36で構成されている。手元スイッチなどから手動若しくは電動によって入力された信号によって、変速切替棒36の端部36aが押し込まれるようになっている。
車軸15には変速案内溝35bが設けられている。その変速案内溝35bは、軸方向に対してある角度を持って捩じられた形状となっている。変速切替棒36を押し込むことで、変速案内溝35b内に保持されているピン35cが、車軸15の軸心周り回転しながら車軸15の軸方向に移動する。ピン35cの作動によって、クラッチ切替制御部材37が車軸15の軸回りを同角度だけ回転作動する。なお、車軸15の内部の軸孔15aに配置された弾性部材35dの弾性力によってピン35cは前記押し込み方向と逆方向に反力を受けている。このため、ピン35cは、変速切替棒36と弾性部材35dの間に安定して配置される。
また、クラッチ切替制御部材37の回転作動によって、そのクラッチ切替制御部材37に設けられた変速機用第一ワンウェイクラッチ切替部37aが、変速機用第一ワンウェイクラッチ30eの第一クラッチ部30e−1において、その第一クラッチ爪部30f−1に当接した状態と離反した状態とに切り替わる。その切り替えにより、第一クラッチ爪部30f−1の揺動が制御され、第一太陽歯車30a−1は、車軸15の軸周り一方向の回転に対して相対回転可能又は相対回転不能な状態とに切り替わる。
さらに、クラッチ切替制御部材37に設けられた傾斜面からなる変速機用第二ワンウェイクラッチ切替部37bによって、クラッチ切替部材39が押圧されて車軸15の軸方向に沿って移動可能し、クラッチ切替部材39が、変速機用第二ワンウェイクラッチ31の変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fに当接した状態と離反した状態とに切り替わる。その切り替えにより、変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fの揺動が制御され、変速機用外輪歯車30d(駆動体32、補助駆動体33)と変速機用遊星キャリア30cとは、車軸15の軸周り一方向の回転に対して相対回転可能又は相対回転不能な状態とに切り替わる。
なお、変速機用第一ワンウェイクラッチ切替部37a、変速機用第二ワンウェイクラッチ切替部37bが各クラッチ爪に当接する部分は、軸方向一方に向かって徐々に内径側に近づくテーパ面39cとなっていることから、これらの各クラッチ爪がカム面に噛み合って係合している状態から、その係合を解除する際の力を大きくすることができる。
また、クラッチ切替部材39は、車軸15の外周に設けたクラッチ切替案内部材38、若しくは別体とされた部材との間に弾性部材35eを備えていることから、変速切替棒36による軸方向への押圧が解除されれば、その弾性力で自動的に変速機用第二ワンウェイクラッチ切替部37bが変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fの位置から離脱する。
(減速機構部40)
つぎに、減速機構部40について説明する。減速機構部40は、遊星歯車機構によって構成されて、駆動用モータ18のモータ軸18aの外周に設けられた減速機用太陽歯車40aと、その減速機用太陽歯車40aに噛み合う減速機用遊星歯車40b、その減速機用遊星歯車40bに噛み合う減速機用外輪歯車40dを備える。
モータ軸18aと減速機用太陽歯車40aとは同部材であるか、または、減速機用太陽歯車40aはモータ軸18aと一体で回転する部材で保持されている。また、減速機用遊星歯車40bは歯数の異なる2段の歯車部を備えることによって高減速比を実現する。
すなわち、減速機構部40は、減速機用遊星歯車40bに設けた第一外径歯車部40eが減速機用太陽歯車40aに噛み合い、減速機用遊星歯車40bに設けられ第一外径歯車部40eよりも歯数の少ない小径の第二外径歯車部40fが、変速機用外輪歯車40dに噛み合っている。
また、前述のように、変速機用遊星キャリア30cとハブケース11とは、その変速機用遊星キャリア30cの外周からハブケース11の内径部にトルク伝達可能に接合されている。
さらに、減速機用遊星歯車40bと変速機用遊星キャリア30cとは、遊星キャリア軸40iを介して接続されている。すなわち、減速機用遊星歯車40bを保持するキャリアを変速機用遊星キャリア30cとし、変速機用遊星歯車30bと減速機用遊星歯車40bとを共通のキャリアで保持している。このように、変速機用遊星歯車30bと減速機用遊星歯車40bとを共通のキャリアで保持することで、コンパクトな構造を実現している。また、ハブの軸方向寸法を短縮することが可能となり、それぞれ独立してハブケース11に噛み合わせる場合よりも、組み立てをより簡素化できる。
また、減速機用遊星歯車40bは変速機用遊星キャリア30cで保持されているから、その変速機用遊星キャリア30cは、人力による駆動力と、駆動用モータ18による駆動力の両方において、ハブケース11への共通の出力部材として機能する。つまり、変速機構部30は、リアスプロケット9及び駆動体32を人力による駆動力の入力部材とし、変速機用遊星キャリア30cをハブケース11への出力部材としている。また、減速機構部40は、減速機用太陽歯車40aを駆動用モータ18からの駆動力の入力部材とし、変速機用遊星キャリア30cをハブケース11への出力部材としている。
また、減速機用遊星歯車40bに噛み合う減速機用外輪歯車40dと駆動用モータ18を保持するモータハウジング18bとを相対回転可能又は相対回転不能に切替可能な切替用クラッチ20を備えている。
この切替用クラッチ20により、減速機用外輪歯車40dをモータハウジング18bに回転固定(回転不能に固定)することで、駆動用モータ18からの駆動力は、減速機用太陽歯車40aから出力部材としての変速機用遊星キャリア30cへと減速されて出力され、ハブケース11を介して後輪2に駆動力が伝達される。
この減速機用外輪歯車40dのモータハウジング18bへの回転支持は、軸受26によって行われ、これと並列に配置されたモータハウジング18bと減速機用外輪歯車40c間に設けられたツーウェイクラッチからなる前記切替用クラッチ20(以下、「ツーウェイクラッチ20」と称する)の係合によって前記回転固定状態に設定できるようになっている。なお、モータハウジング18bはモータ18と共に、自転車のフレーム6若しくは車軸15に相対回転不能に保持されている。
(ツーウェイクラッチ20)
ツーウェイクラッチ20は、モータ駆動時(駆動用モータ18からの駆動力が作用し、電動補助自転車が前進する場合)において、保持器24には、図示しない弾性部材によって、常に、ツーウェイクラッチ20が係合する方向へ向かって負荷が与えられている。このため、減速機用外輪歯車40dはモータハウジング18bに対して回転固定される。
また、モータ非駆動時(人力による駆動力のみで電動補助自転車が前進する場合)には、保持器24には、弾性部材によって、減速機用外輪歯車40dとともに回転する方向に向かって、回転負荷を与えられていることから、減速機用外輪歯車40dは、モータハウジング18bに対し空転する方向、すなわち、駆動用モータ18からの駆動力が作用する場合とは逆方向に回転する。このため、モータ軸18aにトルク伝達されることはなく、すなわち、駆動用モータ18の引き摺りトルクを遮断することが可能となる。
下り坂などで電動補助自転車が惰性で走行し、後輪2(ハブケース11)から逆入力され、その回転力によって回生充電を行う場合、ツーウェイクラッチ20を、切替用クラッチ制御機構部25からの入力(外部入力信号)によって係合可能に切り替える。これにより、ハブケース11からの逆入力は、減速機構部40を介して駆動用モータ18へと伝達され回生を行うことが可能となる。
ツーウェイクラッチ20は、切替用クラッチ制御機構部25に伝達された手動又は電動による外部からの信号(入力)によって、係合可能な状態及び係合不能な状態とに切り替え可能になっている。また、その外部からの入力は、ブレーキ操作と連動して、切替用クラッチ制御機構部25によってツーウェイクラッチ20に伝達されるようになっている。
この実施形態では、図12(a)に示すように、切替用クラッチ制御機構部25として、ブレーキ操作と連動するワイヤー等の進退動作が入力機構25aに入力され、その入力により、入力機構25aが作用部材25bを弾性部材25cの付勢力に抗して外径側へ押し出すことで、保持器24に回転方向の外力又はその回転に対する抵抗を負荷する構成としている。この外力や抵抗の負荷が、保持器24の前記弾性部材の付勢力以上にすることで、保持器24が減速機用外輪歯車40dの回転よりも遅れ、ツーウェイクラッチ20の切替えを行うことができる。
また、例えば、図12(b)に示すように、リアハブユニット内に配置された切替用クラッチ制御機構部25としての電磁クラッチ25d又はソレノイドバルブ25dを採用することもできる。この電磁クラッチ25dやソレノイドバルブ25dに電気信号が伝達され、その電気信号によって電磁クラッチ25d又はソレノイドバルブ25dがON/OFFされて、ツーウェイクラッチ20の保持器24に回転方向の外力又はその回転に対する抵抗を負荷することで、そのツーウェイクラッチ20を制御することもできる。
なお、変速機構部30と減速機構部40とで、各遊星歯車30b、40bの個数を同数で設定することで、駆動用モータ18からの駆動力と、人力の駆動力による変速機構部30内の駆動力がバランスすることができる。また、限られたスペースを活用するために、両遊星歯車30b、40bの個数を3個ずつで設定することが望ましい。
それぞれの部材の作動について、変速段毎に、図4以下を用いて説明する。
変速1段目(1速時)におけるリアハブユニットの配置を図4及び図5に示す。この実施形態では、リアスプロケット9は、変速機構部30の駆動体32に取り付けられており、ペダル3からの人力による駆動力が駆動体32に伝達される。
この変速1段目において、変速機用第一ワンウェイクラッチ30eの第一クラッチ部30e−1は、第一クラッチ爪部30f−1によって駆動力に対して係合可能な状態となっており、第二クラッチ部30e−2は、第二クラッチ爪30f−2がクラッチ切替制御部材37の変速機用第一ワンウェイクラッチ切替部37aによってその一端を拘束され、係合不可能な状態となっている。
また、変速機用第二ワンウェイクラッチ31は、変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fが、クラッチ切替制御部材37の変速機用第二ワンウェイクラッチ切替部37bを通じて動作するクラッチ切替部材39によってその一端を拘束され、係合不可能な状態となっている。
このため、人力による駆動力は、駆動体32、補助駆動体33を通じて変速機用遊星歯車30bに入力され、このとき、第一太陽歯車30a−1は、第一クラッチ部30e−1によって駆動力方向に係合されていることから、駆動力は,変速機用遊星キャリア30cを介してハブケース11に伝達される。
この状態では、リアスプロケット9からの駆動力は、第一太陽歯車30a−1の歯数をa1、変速機用外輪歯車30dの歯数をd1とすると、速度比、
d1/(a1+d1)
でハブケース11に伝達される。
変速2段目(2速時)におけるリアハブユニットの配置を、図6及び図7に示す。変速1段目と同様、リアスプロケット9は、変速機構部30の駆動体32に取り付けられており、ペダル3からの人力による駆動力が駆動体32に伝達される。
変速切替棒36が押し込まれることでピン35cもハブ内部へ押し込まれ、そのピン35c及びクラッチ切替制御部材37が軸周り回転する。この変速2段目において、変速機用第一ワンウェイクラッチ30eの第一クラッチ部30e−1は、1速時と同様、第一クラッチ爪部30f−1が係合可能な状態となっており、また、第二クラッチ部30e−2は、第二クラッチ爪部30f−2が、クラッチ切替制御部材37の回転移動によって、変速機用第一ワンウェイクラッチ切替部37aによる一端の拘束を解除され、係合可能な状態となっている。
また、変速機用第二ワンウェイクラッチ31は、変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fが、クラッチ切替制御部材39によってその一端を拘束され、係合不可能な状態となっている。このとき、第一太陽歯車30a−1は、第一クラッチ爪部30f−1が軸周り一方向に対し係合可能な状態となっているが、駆動力が作用すると係合可能な方向とは逆方向回転をすることから空転可能である。したがって、第二太陽歯車30a−2のみが駆動力方向に係合される。
このため、人力による駆動力は、駆動体32、補助駆動体33を通じて変速機用遊星歯車30bに入力され、第二太陽歯車30a−2は第二クラッチ部30e−2によって駆動力方向に係合されていることから,駆動力は、変速機用遊星キャリア30cを介してハブケース11に伝達される。
このとき、変速機用遊星歯車30bは,歯数の異なる歯車部(ギア)を2段持ち、その変速機用遊星歯車30bの歯数の少ない側の歯車部が変速機用外輪歯車30dと、歯数の多い側の歯車部は第二太陽歯車30a−2と噛み合っている。
この状態では、リアスプロケット9からの駆動力は、第二太陽歯車30a−2の歯数をa2、変速機用外輪歯車30dの歯数をd1、変速機用遊星歯車30bの歯数の少ない側の歯車部の歯数をb1、歯数の多い側の歯車部の歯数をb2とすると、速度比、
(b2×d1)/[(a2×b1)+(b2×d1)]
でハブケース11に伝達される。
変速3段目(3速時)におけるリアハブユニットの配置を、図8及び図9に示す。変速1,2段目と同様、リアスプロケット9は、変速機構部30の駆動体32に取り付けられており、ペダル3からの人力による駆動力が駆動体32に伝達される。
変速切替棒36が、最も奥側まで押し込まれることでピン35cもハブ内部へ押し込まれ、そのピン35c及びクラッチ切替制御部材37が、さらに軸周り回転する。この変速3段目において、変速機用第一ワンウェイクラッチ30eの第一クラッチ部30e−1は、第一クラッチ爪部30f−1が、1速時における第一太陽歯車30a−1の駆動方向への回転に対してのみ係合可能な状態となっている。また、第二クラッチ部30e−2は、第二クラッチ爪部30f−2が、クラッチ切替制御部材37の回転移動によって変速機用第一ワンウェイクラッチ切替部37aによる一端の拘束を解除され、係合可能な状態となっている。
また、変速機用第二ワンウェイクラッチ31は、変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fが、クラッチ切替制御部材37の回転移動によって、変速機用第二ワンウェイクラッチ切替部37bがクラッチ切替部材39の軸方向移動拘束を解除する。この解除により、クラッチ切替部材39が、弾性部材35eの弾性力によって図8中左側へ移動することで、変速機用第二ワンウェイクラッチ爪31fの一端の拘束が解除され、変速機用第二ワンウェイクラッチ31は係合可能な状態となる。
このとき、第一太陽歯車30a−1は、第一クラッチ爪部30f−1が軸周り一方向に対し係合可能な状態となっているが、駆動力が作用すると、係合可能な方向とは逆方向回転をすることから空転可能であり、第二太陽歯車30a−2は、第二クラッチ爪部30f−2が軸周り一方向に対し係合可能な状態となっているが、駆動力が作用すると、係合可能な方向とは逆方向回転をすることから空転可能である。したがって、変速機用外輪歯車30dと変速機用遊星キャリア30cとが駆動力方向に対して相対回転不能となる。
このため、駆動力は、駆動体32、変速機用外輪歯車30dより変速機用第二ワンウェイクラッチ31を介して変速機用遊星キャリア30cに伝達され、ハブケース11に直結状態で伝達される。この最も高速の変速段において、トルク伝達において歯車を介さないことから、ハブの耐久性が格段に向上する。
また、モータ駆動時において、各変速段を問わず、駆動用モータ18からの駆動力が負荷される場合、モータ軸18aは、減速機用太陽歯車40aと一体、若しくは、一体回転可能に保持されている。また、減速機用外輪歯車40dとモータハウジング18b間にはツーウェイクラッチ20が配置されている。また、ツーウェイクラッチ20は、図10に示すように、駆動用モータ18による駆動力に対して、係合子であるローラ23に、周方向一方側の前進側カム面21bと係合する方向に負荷を与えている。この付加は、保持器24を介して、図示しない弾性部材(図示せず)から与えられている。このため、ツーウェイクラッチ20は、駆動用モータ18の駆動力によって、常に動力伝達可能となっている。
このため、駆動用モータ18からの駆動力は、減速機用遊星歯車40bを介して、ハブケース11への出力部材である変速機用遊星キャリア30cに伝達される。このとき、減速機用遊星歯車40bを保持するキャリアは、変速機用遊星歯車30bを保持する変速機用遊星キャリア30cと共用されている。すなわち、減速機用遊星歯車40bが、変速機用遊星キャリア30c、又は、その変速機用遊星キャリア30cと一体に回転する部材に保持されることで、装置のコンパクト化が図られている。
また、減速機用遊星歯車40bは、歯数の異なる歯車部(ギア)を2段持ち、減速機用遊星歯車40bの歯数の少ない側の歯車部(前記第二外径歯車部40f)は減速機用外輪歯車40dと、歯数の多い側の歯車部(前記第一外径歯車部40e)は減速機用太陽歯車40aと噛み合っている。このように、減速機用遊星歯車40bを2段とすることで、高減速比が実現可能となる。
この状態では、駆動用モータ18からの駆動力は、減速機用太陽歯車40aの歯数をa3、減速機用外輪歯車40dの歯数をd2、減速機用遊星歯車40bの歯数の少ない側の歯車部の歯数をb3、歯数の多い側の歯車部の歯数をb4とすると、モータ回転数に対する速度比、
(a3×b3)/[(a3×b3)+(b4×d2)]
でハブケース11に伝達される。
さらに、モータ非駆動時、例えば、モータアシストを行うように設定された速度の範囲を超えた場合や、あるいは、電池切れ等の理由によって、駆動用モータ18からの駆動力が負荷されない場合、ハブケース11から減速機用遊星歯車40bを介して駆動用モータ18へトルクが伝達される。このトルクは、モータ駆動される場合とは逆方向のトルクである。このとき、ツーウェイクラッチ20の保持器24には、その保持器24が、減速機用外輪歯車40dと共に回転する方向へ、弾性部材によって回転負荷を与えられている。このため、減速機用外輪歯車40dはモータハウジング18bに対して空転する方向に回転し、モータ軸18aにトルク伝達されることは無く、すなわちモータの引き摺りトルクを遮断することが可能となる。
また、下り坂などで後輪2(ハブケース11)から逆入力され、その回転力によって回生充電を行う場合、ツーウェイクラッチ20に対して、切替用クラッチ制御機構部25を通じて外部入力信号によって、そのツーウェイクラッチ20の保持器24に抵抗を与え、前進時と異なる回転方向の回生側カム面21aと係合する方向へ保持器24及びローラ23を移動させ、係合可能状態に切り替える。これにより、ハブケース11からの逆入力は、変速機用遊星キャリア30cから入力されて、減速機構部40を介して、減速機用太陽歯車40a(モータ軸18a)へと伝達され、リアハブユニット外部に設けられた二次電池7に回生充電が可能となる。
また、この実施形態では、ツーウェイクラッチ20として、図10に示すようなローラタイプを示したが、これに代えて、例えば、図11に示すように、ラチェット機構を備えたクラッチを採用することもできる。
この場合、ツーウェイクラッチ20の第一ラチェット部20aは、係合子23であるラチェット爪23aが、常に、駆動用モータ18による駆動力に対して係合可能に配置されている。また、第二ラチェット部20bのラチェット爪23aは、切替用クラッチ制御機構部25を通じた外部入力信号によって、係合可能な状態と係合不能な状態とに切り替えることができる。この切り替えによって、前述の回生可能な状態、又は、モータ引き摺りトルクを遮断できる状態とすることが可能となる。
なお、この実施形態では、変速機用遊星歯車30bの段数を2段としているが、この変速機用遊星歯車30bの段数は、3段又は4段以上とすることもできる。
また、これらの実施形態では、ラチェットクラッチで構成された変速機用第一ワンウェイクラッチ30e、変速機用第二ワンウェイクラッチ31において、そのラチェットクラッチの各クラッチ爪のクラッチカム面への噛合を、回転移動するクラッチ切替制御部材37と、それに連動して軸方向移動するクラッチ切替部材39とでそれぞれ係合可能な状態と係合不能な状態とに切り替える方式を採用したが、車軸15と変速機用太陽歯車30a、変速機用外輪歯車30d(駆動体32)と変速機用遊星キャリア30cとを相対回転可能、相対回転不能とに切り替える手段としては、その他の構成を採用してもよい。
また、この実施形態では、変速機用第一ワンウェイクラッチ30e、変速機用第二ワンウェイクラッチ31は、それぞれラチェットクラッチを採用しているが、ローラクラッチ、スプラグクラッチ等、他の構成からなるワンウェイクラッチを採用してもよい。
1 電動補助自転車(電動二輪車)
2 駆動輪(後輪)
3 ペダル
4 動力伝達要素(チェーン)
5 ハンドル
6 フレーム
7 二次電池
8 ハブフランジ
9 入力手段(リヤスプロケット)
10 ハブ(リアハブ)
11 ハブケース
12,13,14,18c,26 軸受
15 車軸
15a 軸孔
16 蓋
17 リング部材
18 駆動用モータ
18a モータ軸
18b モータハウジング
19 押さえ部材
20 切替用クラッチ(ツーウェイクラッチ)
20a 第一ラチェット部
20b 第二ラチェット部
21 カム面
21a 回生側カム面
21b 前進側カム面
22 外径面
23 係合子
23a 回生用ラチェット爪
23b 前進側ラチェット爪
24 保持器
25 切替用クラッチ制御機構部
25a 入力機構
25b 作用部材
25c 弾性部材
25d 電磁クラッチ(ソレノイドバルブ)
30 変速機構部
30a 変速機用太陽歯車
30a−1 第一太陽歯車
30a−2 第二太陽歯車
30b 変速機用遊星歯車
30c 変速機用遊星キャリア
30d 変速機用外輪歯車
30e 変速機用第一ワンウェイクラッチ
30e−1 第一クラッチ部
30e−2 第二クラッチ部
30f 変速機用第一ワンウェイクラッチ爪
30f−1 第一クラッチ爪部
30f−2 第二クラッチ爪部
30g 変速機用第一ワンウェイクラッチカム面
30g−1 第一カム面部
30g−2 第二カム面部
30i 遊星キャリア軸
31 変速機用第二ワンウェイクラッチ
31f 変速機用第二ワンウェイクラッチ爪
31g 変速機用第二ワンウェイクラッチカム面
32 駆動体
32a 軸
33 補助駆動体
34 変速クラッチ保持部
35 変速制御機構部
35b 変速案内溝
35c ピン
36 変速切替棒(変速操作部)
36a 端部
37 クラッチ切替制御部材
37a 変速機用第一ワンウェイクラッチ切替部
37b 変速機用第二ワンウェイクラッチ切替部
38 クラッチ切替案内部材
39 クラッチ切替部材
40 減速機構部
40a 減速機用太陽歯車
40b 減速機用遊星歯車
40d 減速機用外輪歯車
40e 第一外径歯車部
40f 第二外径歯車部
40i 遊星キャリア軸

Claims (20)

  1. ハブ(10)の内部に、変速機構部(30)、減速機構部(40)及び駆動用モータ(18)を車軸(15)の軸方向に並列して配置した自転車用ハブユニットにおいて、
    前記変速機構部(30)は、入力手段(9)に入力される人力による駆動力をハブケース(11)に伝達する機能を有し、前記減速機構部(40)は、前記駆動用モータ(18)から入力される駆動力をハブケース(11)に伝達する機能を有しており、前記変速機構部(30)は、2段以上の変速段を有する遊星歯車機構によって構成されて少なくとも1つの変速機用太陽歯車(30a)と、その変速機用太陽歯車(30a)に噛み合う変速機用遊星歯車(30b)、及びその変速機用遊星歯車(30b)を保持する変速機用遊星キャリア(30c)とを備え、前記入力手段(9)からの駆動力に対して前記少なくとも1つの変速機用太陽歯車(30a)を前記車軸(15)周りに回転可能又は回転不能とに切り替えて変速を行う変速制御機構部(35)を備えており、前記減速機構部(40)は、遊星歯車機構によって構成されて前記駆動用モータ(18)のモータ軸(18a)と一体に回転する減速機用太陽歯車(40a)と、前記減速機用太陽歯車(40a)に噛み合う減速機用遊星歯車(40b)とを備え、前記減速機用遊星歯車(40b)に噛み合う減速機用外輪歯車(40d)と前記駆動用モータ(18)を保持するモータハウジング(18b)とを相対回転可能又は相対回転不能に切替可能な切替用クラッチ(20)を備え、前記変速機構部(30)の前記ハブケース(11)への出力部材である前記変速機用遊星キャリア(30c)で前記減速機用遊星歯車(40b)を保持することにより、前記変速機用遊星キャリア(30c)を前記減速機構部(30)のハブケース(11)への出力部材としたことを特徴とする自転車用ハブユニット。
  2. 前記変速機構部(30)を、前記入力手段(9)から前記ハブケース(11)への直結状態を含む減速型としたことを特徴とする請求項1の自転車用ハブユニット。
  3. 前記変速機構部(30)を、前記入力手段(9)から前記ハブケース(11)への直結状態と二段以上の減速状態を含む減速型としたことを特徴とする請求項1の自転車用ハブユニット。
  4. 前記車軸(15)を、自転車のフレーム(6)に両持ち固定される単一の部材としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  5. 前記切替用クラッチ(20)をツーウェイクラッチとしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  6. 前記切替用クラッチ(20)をローラクラッチ又はスプラグクラッチとしたことを特徴とする請求項5に記載の自転車用ハブユニット。
  7. 前記切替用クラッチ(20)は、前記駆動用モータ(18)からの駆動力の入力による自転車の前進時における前記減速機用外輪歯車(40d)の前記モータハウジング(18b)に対する回転には常に係合可能な状態とされ、その反対方向の回転には、外部から伝達された入力によって係合可能な状態及び係合不能な状態とに切替えできることを特徴とする請求項5又は6に記載の自転車用ハブユニット。
  8. 前記切替用クラッチ(20)はラチェット機構を備えたクラッチであり、そのラチェット機構は、前記減速機用外輪歯車(40d)の前記モータハウジング(18b)に対する軸周り一方向のみに係合する第一ラチェット部(20a)と、その第一ラチェット部(20a)の係合方向とは反対方向の回転のみに係合する第二ラチェット部(20b)とで構成したことを特徴とする請求項7に記載の自転車用ハブユニット。
  9. 前記第一ラチェット部(20a)は、前記駆動用モータ(18)からの駆動力の入力による自転車の前進時における前記減速機用外輪歯車(40d)の前記モータハウジング(18b)に対する回転には常に係合可能な状態とされ、前記第二ラチェット部(20b)は、前記駆動用モータ(18)から駆動力が入力されない場合には、外部から伝達された入力によって係合可能な状態及び係合不能な状態とに切り替えできることを特徴とする請求項8に記載の自転車用ハブユニット。
  10. 前記外部からの入力は、ブレーキ操作と連動して作動する切替用クラッチ制御機構部(25)によって伝達されることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  11. 前記モータハウジング(18b)は、前記車軸(15)に相対回転不能に保持されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  12. 前記入力手段(9)を前記車軸(15)の一端側に、前記駆動用モータ(18)を前記車軸(15)の他端側に設け、前記変速機構部(30)及び前記減速機構(40)は、前記入力手段(9)と前記駆動用モータ(18)との間に設けられることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  13. 前記変速機構部(30)は、前記入力手段(9)からの駆動力を伝達する駆動体(32)と一体に回転する変速機用外輪歯車(30d)が前記変速機用遊星歯車(30b)に噛み合い、前記変速機用遊星キャリア(30c)の外周から前記ハブケース(11)の内径にトルク伝達可能に接合されており、前記入力手段(9)からの駆動力は、前記駆動体(32)から前記変速機用遊星歯車(30b)、前記変速機用遊星キャリア(30c)を通じて前記ハブケース(11)へ等速以下で伝達されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  14. 前記駆動体(32)と前記変速機用外輪歯車(30d)とは別部材であり、その別部材の前記駆動体(32)と前記変速機用外輪歯車(30d)とが一体回転可能な結合によって保持されていることを特徴とする請求項13に記載の自転車用ハブユニット。
  15. 前記駆動体(32)と前記変速機用外輪歯車(30d)とは、半径方向へ相対移動可能に保持されていることを特徴とする請求項14に記載の自転車用ハブユニット。
  16. 前記減速機構部(40)は、前記減速機用遊星歯車(40b)に設けた第一外径歯車部(40e)が前記減速機用太陽歯車(40a)に噛み合い、前記減速機用遊星歯車(40b)に設けられ前記第一外径歯車部(40e)よりも歯数の少ない第二外径歯車部(40f)が前記減速機用外輪歯車(40d)に噛み合っていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  17. 前記変速機用遊星歯車(30b)の数と前記減速機用遊星歯車(40b)の数を同数としたことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  18. 前記変速機用遊星歯車(30b)の数を3個とすることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  19. 前記変速制御機構部(35)は、前記少なくとも一つの変速機用太陽歯車(30a)を前記車軸(15)周り一方向に回転不能とできる変速機用第一ワンウェイクラッチ(30e)を、その一方向に相対回転可能又は相対回転不能に切替可能であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニット。
  20. 請求項1乃至19のいずれか一つに記載の自転車用ハブユニットを用いたことを特徴とする電動補助自転車又は電動二輪車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024060578A1 (zh) * 2022-09-21 2024-03-28 广东威灵电机制造有限公司 轮毂电机及助力电动自行车

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