JP6674188B2 - 鋸刃 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、帯鋸刃、丸鋸刃、ハクソーなどの鋸刃に係り、特に、高硬度材(45HRC以上の熱処理が行われた金型材など)の切断に適した鋸刃に関する。
例えば、金属製の大きなワークピースを切断する切断装置として帯鋸盤が使用されている。帯鋸盤に使用される帯鋸刃では、ビビリ振動や騒音などの対策として、各種アサリの振り出し序列を設定したり、アサリ歯の振り出し量に変化を持たせたり、鋸歯の歯高に高低差を設定したり、鋸歯のピッチを不等ピッチにしたりすることがよく行われている。また、硬質材料の切断に向けて鋸歯の歯先に超硬チップを接合することも行われている。
一般的な帯鋸刃は、帯板状の胴部の幅方向一側に、鋸刃進行(歯先を逃げ面から切り込みの方向に見た)方向に向いて左側にアサリ曲げを行なった左アサリ歯と右側にアサリ曲げを行なった右アサリ歯とアサリ曲げを施さない直歯を一定の規則に従って序列させた構成を備えている。切削にあたって各鋸歯がワークピースに突入する際に、直歯は左右方向(鋸刃の厚み方向)に殆ど振られることは無いが、右アサリ歯は左方向へ、また左アサリ歯は右方向へ大きく振られる。そのため、鋸刃の切れ曲がり対策として、直歯の両コーナーにベベル研磨面を設けて左右両アサリ歯による振れに対して抑制することも広く行われている。
以下に従来の帯鋸刃の例を説明する。
なお、以下においては、説明を簡易にするために必要に応じて、直歯や左右アサリ歯の区別や左右アサリ歯の振り出し量の違い並びに鋸歯の歯高の違いなどを次のように簡略記載する。
・直歯:「S歯」または「S」で示す。
・左アサリ歯:「L歯」または「L」で示す。
・右アサリ歯:「R歯」または「R」で示す。
・振り出し量の大きい左アサリ歯:「wL歯」または「wL」で示す。
・振り出し量の小さい左アサリ歯:「nL歯」または「nL」で示す。
・振り出し量の大きい右アサリ歯:「wR歯」または「wR」で示す。
・振り出し量の小さい右アサリ歯:「nR歯」または「nR」で示す。
・歯高の高い鋸歯:各歯の記号に「(H)」を追加して示す。
・歯高の低い鋸歯:各歯の記号に「(L)」を追加して示す。
・歯高の中間の鋸歯:各歯の記号に「(M)」を追加して示す。
また、以下、「アサリ曲げされたアサリ歯」とは、塑性曲げ加工で振り出しが形成されたアサリ歯をいい、「振り出し量」とは、鋸刃胴側面から振り出し歯歯先までの距離をいい、「歯高」とは、ある基準線から歯先までの高さをいい、「アサリユニット」とは、機能歯のすべてが2歯以上含まない構成の鋸歯小集団といい、「パターン」とは、いくつかのアリサユニットから構成された繰り返し配列される単位をいい、「パターン長」とは、パターンに含まれる歯の先頭歯から最後尾の歯までのピッチをいい、「歯先ピッチ」とは、隣接する歯先間の距離をいい、「鋸歯列」とは、鋸歯が並んでいる形をいい、「逆アサリユニット」とは、相対応するL歯とR歯の序列が入れ替わっているアサリユニットをいい、「不等ピッチ」とは、一定寸法に配列していないピッチをいい、「ウォッシュボード」とは、洗濯板のような模様が規則的に切削面に現れる(凹凸模様や等高線のような輪郭模様が切削面に現れる)ことをいう。
図11は、歯高の高い直歯S(H)と、それより歯高の低い右アサリ歯R(L)及び左アサリ歯L(L)の3枚の鋸歯11でアサリユニットXを形成し、そのアサリユニットXをパターンとして繰り返し配列した鋸刃の例を示している。図11(a)は鋸歯列の側面図、図11(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、図11(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。
つまり、この鋸刃では、鋸歯の繰り返し配列パターンは、アサリユニットXの繰り返し配列で、
X=S(H)+R(L)+L(L)
であると簡略的に記載することができる。
各鋸歯11は、帯板状の胴部10の幅方向一側に配列されており、鋸刃の走行方向を矢印A方向とした場合、歯先12の前側に掬い面13、歯先12の後側に逃げ面14が設けられている。また、隣接する鋸歯11の間に凹状のガレット15が設けられている。また、各歯先12には、超硬チップが接合されている。また、S歯の歯先12から逃げ面14にかけての左右両コーナー部には、ベベル研磨面(面取り)20が設けられている。
図12は、歯高の高い直歯S(H)と、歯高の中間の振り出し量(振り出し幅)の小さい右アサリ歯nR(M)及び左アサリ歯nL(M)と、それより歯高の低い振り出し量(振り出し幅)の大きい右アサリ歯wR(L)及び左アサリ歯wL(L)の5枚の鋸歯11でアサリユニットXを構成し、それをパターン形成し、そのパターンを繰り返し配列した鋸刃の例を示している。図12(a)は鋸歯列の側面図、図12(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、図12(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。この場合も、S歯の歯先12から逃げ面14にかけての左右両コーナー部には、ベベル研磨面(面取り)20が設けられている。
つまり、この鋸刃では、鋸歯の繰り返し配列パターンは、アサリユニットXの繰り返し配列で、
X=S(H)+nR(M)+nL(M)+wR(L)+wL(L)
であると簡略的に記載することができる。
図13は、歯高の高い直歯S(H)と、それより歯高の低い振り出し量(振り出し幅)の大きい右アサリ歯wR(L)及び左アサリ歯wL(L)と、歯高の高い直歯S(H)と、歯高が低く振り出し量(振り出し幅)の小さい右アサリ歯nR(L)及び左アサリ歯nL(L)の6枚の鋸歯11でアサリユニットXを構成し、それをパターン形成し、そのパターンを繰り返し配列した鋸刃の例を示している。図13(a)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、図13(b)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。この場合も、S歯の歯先12から逃げ面14にかけての左右両コーナー部には、ベベル研磨面(面取り)20が設けられている。
つまり、この鋸刃では、鋸歯の繰り返し配列パターンは、アサリユニットXの繰り返し配列で、
X=S(H)+wR(L)+wL(L)+S(H)+nR(L)+nL(L)
であると簡略的に記載することができる。
ところで、S歯にベベル研磨が施されていない場合、L歯やR歯に振り出し精度の偏り(バランスの崩れ)があると、切れ曲がりが発生しやすい。L歯やR歯を、塑性変形を伴うアサリ加工(曲げ加工)で形成する場合、加工精度を上げるのが難しく、製造時から振り出し精度に偏りが出やすい。振り出し精度に偏りがあると、偏摩耗が起こりやすく、早期に切れ曲がりが発生しやすくなる。特に高硬度材を切断する場合は、鋸刃の摩耗の進行が著しく早いので、L歯やR歯の振り出し量のバランスが崩れやすく、切れ曲がりが発生しやすい。
そこで、特許文献1には、製造時のL歯及びR歯の偏りによる切れ曲がりを、逆アサリユニットの組み合わせで抑制する鋸刃の例が示されている。
その一般的な例を図14に示す。図14(a)は鋸歯列の側面図、図14(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、図14(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。
この図14に示す鋸刃の鋸歯列は、S+L+R+L+Rの5枚歯のアサリユニットX1と、S+R+L+R+Lの5枚歯の逆アサリユニット(LとRの順番を逆にしたアサリユニット)X2とを組み合わせてパターンXを構成し、このパターンXを繰り返し配列したものである。
つまり、この鋸刃では、鋸歯の繰り返し配列パターンは、アサリユニットX1と逆アサリユニットX2を直列にしたパターンの繰り返し配列で、
X=(S+L+R+L+R)+(S+R+L+R+L)
であると簡略的に記載することができる。
このように逆アサリユニットを組み合わせることで、S歯にベベル研磨面が設けられていない場合であっても、L歯とR歯の振り出し精度の偏りによる切れ曲がりを抑制することができるとされている。
一方、切れ曲がりの問題の他に、帯鋸歯でワークピースを切断する際には、鋸刃にビビリ振動が発生したり、鋸刃による切断面にウォッシュボード(切断面に現れる鋸歯による縞模様の切削痕)が発生したりするという問題もある。
その対策として、特許文献2においては、同一切削機能を有する即ち同一の歯形の鋸歯に着目し、それらの歯先間の距離を歯先機能ピッチ(以下、「歯先機能ピッチ」という)としたときに、その歯先機能ピッチを不等ピッチにした鋸刃の提案がなされている。
まず、図11の鋸刃の例を用いて、特許文献2で定義されている歯先機能ピッチについて簡単に説明する。
この図11に示す鋸刃の鋸歯列は、S、R、Lの3枚の鋸歯によるアサリユニットをパターンとしたパターンXを繰り返し配列したものである。この鋸歯列において同一切削機能を有する即ち同一の歯形の鋸歯に着目した歯先ピッチ、つまり歯先機能ピッチとは、S歯については、PS1、PS2、PS3、L歯については、PL1、PL2、PL3、R歯については、PR1、PR2、PR3である。
いま、歯先ピッチP1〜P11は、幾つかの異なった寸法のピッチがランダムに配置されていれば良いとされていて、歯先機能ピッチPS1〜PS3、PL1〜PL3、PR1〜PR3は、それぞれ次のようになっている。
・ PL1(=P1+P2+P3)
≠PL2(=P4+P5+P6)
≠PL3(=P7+P8+P9)
・ PS1(=P2+P3+P4)
≠PS2(=P5+P6+P7)
≠PS3(=P8+P9+P10)
・ PR1(=P3+P4+P5)
≠PR2(=P6+P7+P8)
≠PR3(=P9+P10+P11)
つまり、各鋸歯(S歯、R歯、L歯)の歯先機能ピッチPS1〜PS3、PL1〜PL3、PR1〜PR3は、それぞれに不等ピッチとなる。
このことは、図12の例のように、5枚の鋸歯によるアサリユニット(S、nR、nL、wR、wL)の繰り返し配列の鋸刃の場合であっても、6枚の鋸歯によるアサリユニット(S、wR、wL、S、nR、nL、)の繰り返し配列の鋸刃の場合であっても、同様に言える。
このように、歯先ピッチP1〜P11を不等ピッチにすることで、鋸歯S、L、Rの歯先機能ピッチPS1〜PS3、PL1〜PL3、PR1〜PR3を不等ピッチにすることができる。そして、歯先機能ピッチPS1〜PS3、PL1〜PL3、PR1〜PR3が不等ピッチとされることで、同じアサリユニット(S、L、R)の繰り返しであっても、ウォッシュボードを抑制できることが確認されている。
特開平2−160413号公報 特開2009−233782号公報
ところが、実際に各種材料のワークピースの切断に、この種の従来の歯先機能ピッチが不等ピッチ化された鋸刃を使用してみたところ、ビビリ振動やウォッシュボードの発生を抑制できるのは、切断材料の硬さが45HRCよりも小さい場合(高硬度材以外の材料を切断した場合)に限られることが分かった。
すなわち、従来のアサリ仕様の鋸刃の場合、歯先機能ピッチを不等ピッチにしても、高硬度材(45HRC以上)を切断した際には、ビビリ振動が発生したり、切断面にウォッシュボードが発生したりする問題が依然として解消されないことが分かった。
その理由について調べてみたところ、従来の鋸刃の場合は、アサリユニットをパターンとして、そのパターンの繰り返し(S、R、L、S、R、L・・・)または(S、nR、nL、wR、wL、S、nR、nL、wR、wL・・・)になっており、歯先ピッチを不等ピッチにすることで歯先機能ピッチを不等ピッチとした場合であっても、それだけでは不等ピッチの効果が出にくく、結果的に、ウォッシュボード等の発生を有効に抑制できないということが分かった。
本発明は、上記事情を考慮し、高硬度材料を切削する場合にも、切れ曲がりを有効に防止できると共に、ビビリ振動やウォッシュボードの発生を抑制し得る鋸刃を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明の鋸刃は、切削方向に対して左右にそれぞれ振り出した左アサリ歯及び右アサリ歯と、アサリ振り出しを行わない直歯とで各鋸歯を構成した鋸刃であって、前記直歯と前記直歯よりも歯高を低く設定した前記左アサリ歯及び右アサリ歯を1歯ずつ若しくは2歯ずつ並べた鋸歯列をアサリユニットとし、鋸歯の配列順序の異なる異種のアサリユニットを2つ以上並べることで1つのパターンを構成し、前記パターンを繰り返し配列することで鋸歯列を構成して、同一切削機能を有する鋸歯の歯先機能ピッチを不等ピッチにしたことを特徴とする。
また、請求項の発明の鋸刃は、請求項に記載の鋸刃であって、前記アサリ振り出しを行わない歯高の高い直歯は、歯先から歯先の後方の逃げ面にかけての左右両コーナー部ベベル研磨面が形成され、前記左アサリ歯の右側と右アサリ歯の左側の歯先から歯先の後方の逃げ面にかけてのコーナー部にベベル研磨面が形成され、前記左アサリ歯と右アサリ歯の振り出し側の側面が研磨仕上面とされていることを特徴とする。
さらに、請求項の発明の鋸刃は、請求項1に記載の鋸刃であって、前記各鋸歯の歯先は、研磨仕上げされた超硬チップで構成されていることを特徴とする。
ここで、本発明では、同じ切り溝を切断する歯(即ち同一歯形の歯)は同じ機能を有すので「機能歯」と定義し、同じ「機能歯」間の歯先ピッチを特に「歯先機能ピッチ」と定義し、その歯先機能ピッチ(図15に示す3枚パターンのPL1〜7,PR1〜7、図16に示す5枚パターンのPwL1〜5,PwR1〜5)は、隣接する歯先ピッチ(図15,図16に示すP1〜P10)が不等ピッチであって、その歯先機能ピッチをパターン内で最多2回連鎖できるものとする。
次に、上述の「歯先機能ピッチをパターン内で最多2連鎖できる(同じ機能歯の歯先機能ピッチを3回以上繰り返さない)」ことの根拠について説明する。
つまり、アサリ曲げされたアサリ歯とアサリ曲げしていない直歯で以って構成される帯鋸刃が、材料を切削しているとき、材料の切断最大幅と帯鋸刃の歯先機能ピッチとの関係に起因して、その切断最大幅の中に帯鋸刃の機能歯の同じ歯先機能ピッチが3つ以上一定時間中に存在することが、「ウォッシュボード」を発生させる原因であるため、その帯鋸刃の切削中の各鋸歯について同じ歯先機能ピッチが3つ連なることを避ければ、切断材料幅と機能歯の歯先機能ピッチとの関係を論ずる必要が無くなる。
例えば、切断する材料が丸棒ソリッド材の場合、最大幅となる直径部分を切削中に、その材料中に存在する帯鋸刃の同一の歯先機能ピッチが、2つ存在してもウォッシュボードは発生しないが、同一の歯先機能ピッチパターンが3つ連なると、その歯先機能ピッチはそのパターンの長さ分を鋸刃が切削走行する時間中、3つ存在することになるから、ウォッシュボードを発生させる。
その歯先機能ピッチを3つ以上連続することを必須とする場合は、機能歯のパターンの長さと材料幅との関係を、常に考慮しなければならず、現実的ではない。逆に、その歯先機能ピッチを2つまでにすれば、材料幅を考慮しなくても良くなり、現実味を帯びた、その歯先機能ピッチを有するパターンを自由に設計できることになる。
次に、「ウォッシュボード」が発生する例を、図15及び図16を用いて具体的に説明する。この図15及び図16は、共にNGの例を示す。
3枚歯(SLRとSRL)のアサリユニットの例の、図15の場合、帯鋸刃は(イ)のアサリユニットが4回連続して、次に、(ロ)のアサリユニットを1回配置したパターンで、周期的に連鎖している。したがって、歯先機能ピッチPR1,PR2,PR3とPL1,PL2,PL3は3回連続している。
5枚歯(SnRnLwRwLとSnRnLwLwR、・・・)アサリユニットの例の、図16の場合、帯鋸刃は(イ)のアサリユニットが4回連続して、次に、(ロ)のアサリユニットを1回配置したパターンで、周期的に連鎖している。したがって、機能ピッチPwR1,PwR2,PwR3とPwL1,PwL2,PwL3は3回連続している。
すなわち、アサリ曲げされたアサリ歯とアサリ曲げしていない直歯で以って構成される帯鋸刃が、材料を切削しているとき、材料の切断最大幅と帯鋸刃の同一の機能ピッチが3回連鎖するアサリユニットの長さとの関係に起因して、その切断最大幅の中に帯鋸刃の同一の機能ピッチが3つ以上存在することが、「ウォッシュボード」を発生させる原因であるため、その帯鋸刃中の同一の歯先機能ピッチが3つ連なることを避ければ、切断材料幅と同一の機能ピッチが3回連鎖するアサリユニットの長さとの関係を論ずる必要が無くなる。つまり、同じ機能歯の歯先機能ピッチを3回以上繰り返すと、不等ピッチの効果が薄れて、ウォッシュボードが発生するため、これを回避する必要があるからである。
請求項1の発明によれば、直歯と切削面を形成する左アサリ歯及び右アサリ歯を1歯ずつ若しくは2歯ずつ並べた鋸歯列をアサリユニットとし、鋸歯の配列順序の異なる異種のアサリユニットを2つ以上並べることで1つのパターンを構成し、パターンを繰り返し配列することで鋸歯列を構成して、同一切削機能を有する鋸歯の歯先機能ピッチ(同一の機能歯間の距離)を不等ピッチにしたことで、高硬度材料を切削する場合にも、切れ曲がりを有効に防止できると共に、ビビリ振動やウォッシュボードの発生を有効に抑制することができる。
請求項の発明によれば、歯先から歯先の後方の逃げ面にかけてのコーナー部にベベル研磨面を形成して切れ曲がりの抑制、切断面精度の向上を図り、切断面において、左アサリ歯の右側コーナー部と右アサリ歯の左側コーナー部が直歯ベベル面から突出するのを回避することができる。
請求項の発明によれば、鋸歯の歯先を研磨仕上げされた超硬チップで構成しているので、請求項1の効果の一層の向上が図れる。
本発明の第1実施形態の鋸刃の鋸歯列を構成する、直歯と左右のアサリ歯の3枚の鋸歯によるアサリユニットのバリエーション(イ)〜(ヘ)を示す図である。 図1に示した(イ)と(ロ)のアサリユニットの組み合わせで繰り返しパターンXを構成した、本発明の第1実施形態における第1例の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を(イ)のS(H)歯の掬い面側から見た拡大図である。 図1に示した(イ)と(ハ)のアサリユニットの組み合わせで繰り返しパターンXを構成した、本発明の第1実施形態における第2例の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を(イ)のS(H)歯の掬い面側から見た拡大図である。 本発明の第1実施形態の鋸刃(3枚歯のアサリユニット)の鋸歯列を掬い面側から見た拡大図で、(a)はアサリ加工後に研磨仕上げをした場合の例、(b)は超硬チップ(台形状、円柱状)を接合した後に研磨加工で仕上げた場合の例をそれぞれ示す図である。 本発明の第2実施形態の鋸刃の鋸歯列を構成する、直歯と振り出し幅の大きい左右のアサリ歯と振り出し幅の小さい左右のアサリ歯の5枚の鋸歯によるアサリユニットの一部のバリエーション(イ)〜(チ)を示す図である。 図5に示した(イ)のアサリユニットを2つ並べたものの繰り返しを比較のために便宜上パターンXとして配列した、本発明の第2実施形態に対する比較例(本発明の効果を達成しないため本発明に含まれない例)の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を(イ)のS(H)歯の掬い面側から見た拡大図である。 図5に示した(イ)と(ロ)のアサリユニットの組み合わせで繰り返しパターンXを構成した、本発明の第2実施形態における第1例の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を(イ)のS(H)歯の掬い面側から見た拡大図である。 図5に示した(イ)と(ハ)のアサリユニットの組み合わせで繰り返しパターンXを構成した、本発明の第2実施形態における第2例の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を(イ)のS(H)歯の掬い面側から見た拡大図である。 図5に示した(イ)と(ト)のアサリユニットの組み合わせで繰り返しパターンXを構成した、本発明の第2実施形態に対する比較例(本発明の効果を充分に達成しないため本発明に含まれない例)の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を(イ)のS(H)歯の掬い面側から見た拡大図である。 本発明の第2実施形態の鋸刃(5枚歯のアサリユニット)の鋸歯列を掬い面側から見た拡大図で、(a)はアサリ加工後に研磨仕上げをした場合の例を示す図、(b)は超硬チップ(台形状、円柱状)を接合した後に研磨加工で片面(振り出し方向の反対側)は胴部側面と面一に仕上げた場合の例を示す図、(c)は超硬チップ(台形状、円柱状)を接合した後に研磨加工でバチ形(鳩尾形状)に仕上げた場合の例を示す図、(d)は(b)に示した超硬チップの形状を説明するために(b)に示した鋸歯のうち振り出し幅の小さい中間歯高の右アサリ歯の形状を代表として示す図、(e)は(c)に示した超硬チップの形状を説明するために(c)に示した鋸歯のうち振り出し幅の小さい中間歯高の右アサリ歯の形状を代表として示す図である。 第1の従来例の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。 第2の従来例の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図、(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。 第3の従来例の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。 第4の従来例の鋸刃の鋸歯列を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。 3枚歯のアサリユニットの鋸刃の鋸歯列のNGの例を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。 5枚歯のアサリユニットの鋸刃の鋸歯列のNGの例を示し、(a)は鋸歯列の側面図、(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
以下の説明において本発明の実施形態として示す鋸刃は、帯鋸盤に使用される帯鋸刃であり、帯板状の胴部の幅方向の一側に複数の鋸歯を一定の規則に従って序列したパターンを周期的に連鎖したものである。各鋸歯の歯先には超硬チップが接合され、必要な研磨仕上げがなされている。また、パターン内の各鋸歯間について歯先ピッチは、不等ピッチになっている。
鋸刃を構成するパターンまたはアサリユニットの例としては、まず、アサリ振り出し加工を行っていない直進性を持った直歯(S歯)と、左にアサリ振り出し加工をした左アサリ歯(L歯)と、右にアサリ振り出し加工をした右アサリ歯(R歯)と、の3枚の鋸歯で構成されたものを一番単純なパターンまたはアサリユニットとして掲げる。
この3枚歯のパターンまたはアサリユニットの次に5枚歯のパターンまたはアサリユニットを掲げる。
5枚歯のパターンまたはアサリユニットは、直歯(S歯)と、振り出し量(振り出し幅)の大きい左アサリ歯(wL歯)及び右アサリ歯(wR歯)と、振り出し量(振り出し幅)の小さい左アサリ歯(nL歯)及び右アサリ歯(nR歯)の5枚の鋸歯で構成されたものである。
なお、5枚歯のパターンまたはアサリユニットにおいて、振り出し量の大きいアサリ歯(wL歯、wR歯)は、直歯(S歯)よりも歯高が低く設定されている。また、振り出し量の小さいアサリ歯(nL歯、nR歯)は、直歯(S歯)よりも歯高が低く、且つ、振り出し量の大きいアサリ歯(wL歯、wR歯)よりも歯高が高く設定されている。つまり、振り出し量の小さいアサリ歯(nL歯、nR歯)は、直歯(S歯)と、振り出し量の大きいアサリ歯(wL歯、wR歯)との中間の歯高に設定されている。
以下の実施形態では、3枚の鋸歯をアサリユニットとしてそれを組み合わせたものをパターンとしたものと、振り出し量の違う左右アサリ歯を更に加えた5枚の鋸歯をアサリユニットとしてそれを組み合わせたものをパターンとしたものについて述べる。
説明を簡易にするために、各鋸歯を以下のように簡略記載する点は前記と同様である。
・直歯:「S歯」または「S」で示す。
・左アサリ歯:「L歯」または「L」で示す。
・右アサリ歯:「R歯」または「R」で示す。
・振り出し量の大きい左アサリ歯:「wL歯」または「wL」で示す。
・振り出し量の小さい左アサリ歯:「nL歯」または「nL」で示す。
・振り出し量の大きい右アサリ歯:「wR歯」または「wR」で示す。
・振り出し量の小さい右アサリ歯:「nR歯」または「nR」で示す。
・歯高の高い鋸歯:各歯の記号に「(H)」を追加して示す。
・歯高の低い鋸歯:各歯の記号に「(L)」を追加して示す。
・歯高の中間の鋸歯:各歯の記号に「(M)」を追加して示す。
鋸刃は、ワークピースに形成される切削溝の全幅を複数の分割幅毎に分担して切削する複数の鋸歯(直歯及び左右アサリ歯)を備えており、直歯(S歯)は切削溝の幅方向中央部分の切削を分担し、左アサリ歯(L歯)は切削溝の左側部分の切削を分担し、右アサリ歯(R歯)は切削溝の右側部分の切削を分担する。
また、実施形態の鋸刃では、切れ曲がり対策として、S歯にベベル研磨面が設けられている。すなわち、S歯の歯先から歯先の後方の逃げ面にかけての左右両コーナー部に、45°の面取りがベベル研磨面として設けられている。また、L歯とR歯の振り出し側(L歯の場合は左側、R歯の場合は右側)の側面が研磨仕上面とされている。また、L歯やR歯の加工精度が、超硬チップを使用して研磨仕上げすることによって高められている。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の鋸刃の鋸歯列を構成する、直歯と左右のアサリ歯の3枚の鋸歯によるアサリユニットのバリエーション(イ)〜(ヘ)を示す図である。
直歯(S歯)と左アサリ歯(L歯)と右アサリ歯(R歯)の3枚の鋸歯によるアサリユニットは、図1に示すように(イ)〜(ヘ)の6種類あり、簡略的に記載すると次のようになる。
(イ)=S(H)+R(L)+L(L)
(ロ)=S(H)+L(L)+R(L)
(ハ)=R(L)+S(H)+L(L)
(ニ)=L(L)+S(H)+R(L)
(ホ)=R(L)+L(L)+S(H)
(ヘ)=L(L)+R(L)+S(H)
本実施形態の鋸刃は、直歯S(H)と左アサリ歯L(L)と右アサリ歯R(L)の序列の異なる異種のアサリユニットを2つ以上並べることでパターンXを構成し、そのパターンXを連鎖することで鋸歯列を構成したものである。こうすることにより、左アサリ歯L(L)または右アサリ歯R(L)の少なくとも一方の歯先機能ピッチ(同一切削機能を有する即ち同一歯形の鋸歯に着目した歯先ピッチ)PL、PRを、大きなピッチ間距離の差を以って不等ピッチとしている。
2つのアサリユニットの組み合わせ例としては、例えば、(イ)と(ロ)、(ハ)と(ニ)、(ホ)と(ヘ)の各組み合わせがある。これらは、Sを基準にL、Rの位置が入れ替わっているアサリユニットの組み合わせである。
また、2つの異なるアサリユニットを組み合わせた際に、同じ序列となる場合もある。例えば、(イ)と(ロ)の組み合わせと、(ホ)と(ヘ)の組み合わせは同じ序列になる。
なお、3つの異なるアサリユニットを組み合わせた場合は、同じ序列になる組み合わせ確率はほとんどなくなるので、なお良いと言える。ここでは、2つの異なるアサリユニットを組み合わせた場合の例について説明する。
図2は、図1に示した(イ)と(ロ)のアサリユニットの組み合わせでパターンXを構成した、第1実施形態における第1例の鋸刃の鋸歯列を示している。図2の(a)は鋸歯列の側面図、図2(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、図2(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。
図2(a)〜(c)に示すように、各鋸歯11は、帯板状の胴部10の幅方向一側に配列されており、鋸刃の走行方向を矢印A方向とした場合、歯先12の前側に掬い面13、歯先12の後側に逃げ面14が設けられている。また、隣接する鋸歯11の間に凹状のガレット15が設けられている。また、各歯先12には、超硬チップが接合されている。また、S歯の歯先12から逃げ面14にかけての左右両コーナー部には、ベベル研磨面(面取り)20が設けられている。歯高については先に述べた通りである。
図2(a)、(b)に示すように、(イ)と(ロ)のアサリユニットを組み合わせた場合、鋸歯11のパターンXは、
X=S(H)+R(L)+L(L)+S(H)+L(L)+R(L)
となる。
従って、この鋸歯列において、歯先機能ピッチ(同一切削機能を有する即ち同一歯形の鋸歯に着目した歯先ピッチ)は、S歯については、PS1、PS2、L歯については、PL1、PL2、R歯については、PR1、PR2、である。L歯とR歯の配列の異なるアサリユニット(イ)、(ロ)の組み合わせであるから、L歯についても、R歯についても、PL1≠PL2、PR1≠PR2、すなわち、歯先機能ピッチが不等ピッチになる。
この不等ピッチの差(PL1とPL2の差、PR1とPR2の差)は、従来の不等ピッチP1〜P6による歯先機能ピッチの差よりも、本実施形態のように、異なるアサリユニットの組み合わせによる歯先機能ピッチの差の方が大きくなる。つまり、切断面の精度に影響のあるL歯またはR歯の歯先機能ピッチが、大きなピッチの差を以つて不等ピッチとして設定されているのである。
次に、図3は、図1に示した(イ)と(ハ)のアサリユニットの組み合わせでパターンXを構成した、第1実施形態における第2例の鋸刃の鋸歯列を示している。図3(a)は鋸歯列の側面図、図3(b)は鋸歯列を逃げ面側から見た図、図3(c)は鋸歯列を掬い面側から見た拡大図である。
図3(a)、(b)に示すように、(イ)と(ハ)のアサリユニットを組み合わせた場合、鋸歯11のパターンXは、
X=S(H)+R(L)+L(L)+R(L)+S(H)+L(L)
となる。
従って、この鋸歯列においても、PS1≠PS2、PR1≠PR2、すなわち、S歯とR歯の歯先機能ピッチが不等ピッチとなり、L歯は不等ピッチとならないが、本発明は、L歯およびR歯の少なくともどちらかでよい。
以上のように、直歯S(H)と左アサリ歯L(L)と右アサリ歯R(L)の配列順序の異なる異種のアサリユニットを、図1の(イ)〜(ヘ)から適当に選んで2つ以上並べることにより、左アサリ歯L(L)または右アサリ歯R(L)の歯先機能ピッチPL1、PL2またはPR1、PR2を、大きなピッチの差を以って不等ピッチにすることができる。
図4は、第1実施形態の鋸刃(3枚歯のアサリユニット)の鋸歯列を掬い面側から見た拡大図で、図4(a)はアサリ加工後に研磨仕上げをした場合の例、図4(b)は超硬チップを接合した後に台形状に研磨加工で仕上げた場合の例をそれぞれ示す図である。
図4(a)の例において、左アサリ歯L(L)及び右アサリ歯R(L)は、アサリ加工(振り出しのための曲げ加工)後に研磨仕上げされている。
また、図4(b)の例において、超硬チップ18を接合した後に、左アサリ歯L(L)及び右アサリ歯R(L)は、研磨加工により左右両側が胴部10の左右両側面から張り出した台形状に成形され、次に、ベベル研磨面21が形成されている。すなわち、左アサリ歯L(L)の右側と右アサリ歯R(L)の左側の歯先から歯先の後方の逃げ面にかけてのコーナー部に、掬い面側から見た状態で、直歯S(H)のベベル研磨面20よりも露出しないようにベベル研磨面21が形成されている。
以上のように、本実施形態の鋸刃の鋸歯の加工は、図4(a)、(b)に示すどちらの方法で行ってもよい。
<3枚歯パターンの実施例>
次に、実際に切断を行った場合のサンプル品の評価について説明する。
切断材料としては、冷間金型材(200W×150H)の硬さ50HRCに熱処理した材料で、高硬度材の中でも比較的切断しやすいものを使用した。切断条件は、鋸速75m/min、切削率20cm2/min、送り速度10mm/minであった。使用した鋸刃は、54w×1.6t×1.8/2Pであった。
サンプルとして使用した鋸刃のパターンは、次の(1)〜(3)の3種類である。
(1)図11のS、R、L、S、R、L、S、R、L・・・配列のもの(従来例)。
(2)図1の(イ)と(ロ)を交互に並べたS、R、L、S、L、R、S、R、L・・・配列のもの(図2に示した第1実施形態の第1例のもの)。
(3)図1の(イ)と(ハ)を交互に並べたS、R、L、R、S、L・・・配列のもの(図3に示した第1実施形態の第2例のもの)。
その結果は次の通りであった。
(1)の鋸刃では、ウォッシュボードが発生した。
(2)の鋸刃では、ウォッシュボ−ドの発生がなかった。
(3)の鋸刃では、ウォッシュボ−ドの発生がなかった。
以上の結果を考察すると、L歯とR歯の少なくとも一方の歯先機能ピッチが不等ピッチになっている場合(ここでは、鋸歯の配列の違いの組み合わせにより歯先機能ピッチが不等ピッチになっている場合を指す)は、ウォッシュボ−ドの発生を抑制できると言える。
以上の説明のように、第1実施形態として示した鋸刃は、直歯にベベル研磨面を設けると共に、左右アサリ歯の配列順序の異なるアサリユニットを2つ以上並べることでパターンを構成し、それにより、左アサリ歯または右アサリ歯の少なくとも一方の歯先機能ピッチを不等ピッチにすることで、高硬度材料を切削する場合にも、切れ曲がりを有効に防止できると共に、ビビリ振動やウォッシュボードの発生を有効に抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、5枚歯のアサリユニットの実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態の鋸刃の鋸歯列を構成する、5枚の鋸歯によるアサリユニットのバリエーションの一部(イ)〜(チ)を示す図である。
直歯(S歯)と、振り出し幅の大きい左アサリ歯(wL歯)及び右アサリ歯(wR歯)と、振り出し幅の小さい左アサリ歯(nL歯)及び右アサリ歯(nR歯)と、の5枚の鋸歯の序列を異ならせたアサリユニットは全部で120通りあり、図5は例として説明する上で一部を示している。(イ)〜(チ)のアサリユニットを簡易記載すると次のようになる。なお、各歯の歯高については前述した通りであり、それも合わせて記載する。
(イ)= S(H)+nR(M)+nL(M)+wR(L)+wL(L)
(ロ)= S(H)+nR(M)+nL(M)+wL(L)+wR(L)
(ハ)= S(H)+wR(L)+wL(L)+nR(M)+nL(M)
(ニ)= S(H)+wL(L)+wR(L)+nL(M)+nR(M)
(ホ)= wR(L)+wL(L)+ S(H)+nR(M)+nL(M)
(ヘ)= S(H)+nL(M)+wR(L)+wL(L)+nR(M)
(ト)= nR(M)+nL(M)+ S(H)+wR(L)+wL(L)
(チ)= nR(M)+nL(M)+wR(L)+wL(L)+S(H)
本実施形態の鋸刃は、直歯(S歯)と、振り出し幅の大きい左アサリ歯(wL歯)及び右アサリ歯(wR歯)と、振り出し幅の小さい左アサリ歯(nL歯)及び右アサリ歯(nR歯)と、の5枚の鋸歯を1枚ずつ並べた鋸歯列を、上記(イ)〜(チ)の例のようにアサリユニットとし、少なくとも振り出し幅の大きい左アサリ歯(wL歯)及び右アサリ歯(wR歯)の序列の異なる異種のアサリユニットを2つ以上並べることでパターンXを構成し、そのパターンXを繰り返し配列することで鋸歯列を構成したものである。
こうすることにより、切断面を形成する振り出し幅の大きい左アサリ歯(wL歯)または右アサリ歯(wR歯)の少なくとも一方の歯先機能ピッチ(同一切削機能を有する即ち同一歯形の鋸歯に着目した歯先ピッチ)を、大きなピッチの差を以って不等ピッチとしている。
ただし、組み合わせるアサリユニット同士の間で、wL(L)またはwR(L)が同じ位置に配置されたアサリユニット同士の組み合わせの場合は、wL(L)またはwR(L)の歯先機能ピッチが不等ピッチにならないので、そのような組み合わせは除外する。
2つのアサリユニットの組み合わせ例としては、例えば、(イ)と(ロ)、(イ)と(ハ)、(イ)と(ホ)のような各組み合わせが採用可能である。
これらは、wL(L)とwR(L)の位置が入れ替わっているアサリユニットの組み合わせであるか、あるいは、wL(L)とwR(L)の序列の位置が異なっているアサリユニットの組み合わせである。3つ以上の異なるアサリユニットを組み合わせてもよいが、ここでは2つの異なるアサリユニットを組み合わせた場合を例に説明する。以下、簡略化のために必要に応じて、歯高の表示を省略して各鋸歯を示す。
例えば、振り出し幅の大きいwL、wRの配置について、アサリユニットの組み合わせによってはアサリユニット間でその歯の配置が入れ替わっている場合がある。その場合は、ウォッシュボ−ドを抑制できる。すなわち、一方のアサリユニットではwL、wRの配列であるが、他方のアサリユニットではwR、wLの配列になっている場合である。
まず、除外例を先に掲げる。図6は、図5に示した(イ)のアサリユニットを2つ並べたものをパターンXとして配置した、第2実施形態に対する比較例の鋸刃の鋸歯列を示す図である。
この鋸歯列は、(イ)と(イ)の組み合わせであるから、
(S+nR+nL+wR+wL)+(S+nR+nL+wR+wL)
となる。この場合は、〔wR+wL〕の配列及び位置が変化していないから、wR、wLの歯先機能ピッチは不等ピッチにならず、従って、不合格(NG)である。
図7は、図5に示した(イ)と(ロ)のアサリユニットの組み合わせでパターンXを構成した、第2実施形態における第1例の鋸刃の鋸歯列を示す図である。
この鋸歯列は、(イ)と(ロ)の組み合わせであるから、
(S+nR+nL+wR+wL)+(S+nR+nL+wL+wR)
となる。この場合は、wLとwRの配列が、図7中のB1とB2で入れ替わっているので、合格(OK)である。
また、(ハ)と(ニ)の組み合わせも、
(S+wR+wL+nR+nL)+(S+wL+wR+nL+nR)
となるので、同様の理由で、合格(OK)である。
また、(イ)と(ハ)のように、L歯とR歯の並びは変らずに、中間歯(M)と低歯(L)の並びが変っている場合も、wL(L)、wR(L)の歯先機能ピッチが不等ピッチになる。
図8は、図5に示した(イ)と(ハ)のアサリユニットの組み合わせでパターンXを構成した、第2実施形態における第2例の鋸刃の鋸歯列を示す図である。
この鋸歯列は、(イ)と(ハ)の組み合わせであるから、
(S+nR+nL+wR+wL)+(S+wR+wL+nR+nL)
となる。この場合は、図8に示すように、B1(wR+wL)とB2(nR+nL)の位置が入れ替わっているので、wL、wRの歯先機能ピッチが不等ピッチになり、従って、合格(OK)である。
一方、(イ)と(ト)の組み合わせは不合格である。
図9は、図5に示した(イ)と(ト)のアサリユニットの組み合わせでパターンXを構成した、第2実施形態に対する比較例の鋸刃の鋸歯列を示す図である。
この鋸歯列は、(イ)と(ト)の組み合わせであるから、
(S+nR+nL+wR+wL)+(nR+nL+S+wR+wL)
となる。この組み合わせでは、図9に示すように、B1(S)とB2(nR+nL)の位置は入れ替わっているが、B3(wR+wL)の位置は変化がないので、wL、wRの歯先機能ピッチが不等ピッチにならず、従って、不合格(NG)である。
また、(ヘ)と(チ)の組み合わせも、
(S+nL+wR+wL+nR)+(nR+nL+wR+wL+S)
となるので、同様の理由で不合格(NG)である。
以上は2つのアサリユニットを組み合わせる場合の例であったが、3つ以上のアサリユニットを組み合わせる場合においても、上記と同じように、wL(L)、wR(L)の序列が同じユニットだけで構成されていなければよい。すなわち、3つのうち2つがWL、wRの並びが同じであっても、残りの1つでwL、wRの並びが違えばよい。
また、2つのアサリユニットの組み合わせでは不合格であった上記(イ)と(ト)の組み合わせや、(ヘ)と(チ)の組み合わせが構成の中に入っていても、(イ)と(ト)と(ヘ)の組み合わせにすることで、ウォッシュボードを抑制できる。しかし、(nL、nR、S、wR、wL)と(nL、S、nR、wR、wL、)の組み合わせのように、組み合わせたアサリユニット同士の間でwLとwRの配置が(イ)と(ト)と同じものの組み合わせでは、ウォッシュボードは発生してしまい、(ヘ)と(チ)の場合も同じである。
ところで、L歯(wL、nL)及びR歯(wR、nR)とS歯(S)の歯高に高低差(H、M、L)がある場合、歯高が高いために先行して切断するS歯は摩耗の進行が早い(特に高硬度材の切断時)。S歯の摩耗が進行すると、S歯のベベル研磨面20から、L歯とR歯の振り出し側の反対側の歯先部分が材料に接触しやすくなり、その部分が摩耗し始める。そこで、振り出し側の反対側の逃げ面に沿ったコーナー部にベベル研磨面を形成して、その部分の摩耗を抑制するようにしている。
図10は、第2実施形態の鋸刃(5枚歯のアサリユニット)の鋸歯列を掬い面側から見た拡大図で、図10(a)はアサリ加工後に研磨仕上げをした場合の例を示す図、図10(b)は超硬チップを接合した後に研磨加工で片面だけ胴部側面と面一の台形状に仕上げた場合の例を示す図、図10(c)は超硬チップを接合した後に研磨加工でバチ形(鳩尾形状)の台形状に仕上げた場合の例を示す図である。
図10(a)の例において、振り出し量の大きい左アサリ歯wL(L)及び右アサリ歯wR(L)と振り出し量の小さい左アサリ歯nL(M)及び右アサリ歯nR(M)は、アサリ加工(振り出しのための曲げ加工)後に研磨仕上げされている。
また、図10(b)の例においては、超硬チップ18wL、18wR、18nL、18nRを接合した後に、研磨加工により、片面だけ胴部10の側面と面一に研磨され、振り出し量の大小区別がなされた台形状の各アサリ歯wL、wR、nL、nRの振り出し側と反対側のコーナー部にベベル研磨面21が形成されている。
しかし、片面だけ胴部10の側面と面一に初期カットされ、振り出し量の大小区別がなされた台形状の超硬チップ18wL、18wR、18nL、18nRを接合した後に、研磨加工により、各アサリ歯wL、wR、nL、nRの振り出し側と反対側のコーナー部にベベル研磨面21を形成してもよい。
なお、図10(d)は、図10(b)に示した超硬チップ18wL、18wR、18nL、18nRの形状を説明するために、図10(b)に示した鋸歯のうち、振り出し幅の小さい中間歯高の右アサリ歯nR(M)の形状を代表として示している。
また、図10(c)の例において、振り出し量の大きい左右アサリ歯wL、wRは、超硬チップ18Sを接合した後に、研磨加工で左右両側が胴部10の左右両側面から大きく張り出した同一台形状にされた後、ベベル研磨面21を形成することにより構成されている。また、振り出し量の小さい左右アサリ歯nL、nRは、超硬チップ18Sを接合した後に、研磨加工で左右両側が胴部10の左右両側面から小さく張り出した同一台形状にされた後、ベベル研磨面21を形成することにより構成されている。
しかし、振り出し量の大きい左右アサリ歯wL、wRは、左右両側が胴部10の左右両側面から大きく張り出した同一台形状の超硬チップ18Sを接合した後に、研磨加工でベベル研磨面21を形成する。また、振り出し量の小さい左右アサリ歯nL、nRは、左右両側が胴部10の左右両側面から小さく張り出した同一台形状の超硬チップ18Sを接合した後に、研磨加工でベベル研磨面21を形成することにより構成されてもよい。
なお、図10(e)は、図10(c)に示した超硬チップ18w、18Sの形状を説明するために、図10(c)に示した鋸歯のうち、振り出し幅の小さい中間歯高の右アサリ歯nR(M)の形状を代表として示す図である。
以上のように、本実施形態の鋸刃の鋸歯の加工は、図10(a)、(b)、(c)に示すどの方法で行ってもよい。また、仕上げ形状に近い超硬チップを接合して研磨仕上げする方が研磨工程が容易である。
上述した実施形態では、本発明を帯鋸刃に適用した場合を説明したが、それ以外の鋸歯にも本発明は適用可能である。
11 鋸歯
12 歯先
13 掬い面
14 逃げ面
20 ベベル研磨面
21 ベベル研磨面
A 切削方向
S,S(H) 直歯
L,L(L) 左アサリ歯
R,R(L) 左アサリ歯
wL,wL(L) 振り出し量の大きい左アサリ歯
wR,wR(L) 振り出し量の大きい右アサリ歯
nL,nL(M) 振り出し量の小さい左アサリ歯
nR,nR(M) 振り出し量の小さい右アサリ歯
PL1,PL2 左アサリ歯の歯先機能ピッチ
PR1,PR2 右アサリ歯の歯先機能ピッチ
X パターン(繰り返しパターン)

Claims (3)

  1. 切削方向に対して左右にそれぞれ振り出した左アサリ歯及び右アサリ歯と、アサリ振り出しを行わない直歯とで各鋸歯を構成した鋸刃であって、
    前記直歯と前記直歯よりも歯高を低く設定した前記左アサリ歯及び右アサリ歯を1歯ずつ若しくは2歯ずつ並べた鋸歯列をアサリユニットとし、
    鋸歯の配列順序の異なる異種のアサリユニットを2つ以上並べることで1つのパターンを構成し、
    前記パターンを繰り返し配列することで鋸歯列を構成して、同一切削機能を有する鋸歯の歯先機能ピッチを不等ピッチにしたことを特徴とする鋸刃。
  2. 請求項1に記載の鋸刃であって、
    前記アサリ振り出しを行わない歯高の高い直歯は、歯先から歯先の後方の逃げ面にかけての左右両コーナー部にベベル研磨面が形成され、
    前記左アサリ歯の右側と右アサリ歯の左側の歯先から歯先の後方の逃げ面にかけてのコーナー部にベベル研磨面が形成され、
    前記左アサリ歯と右アサリ歯の振り出し側の側面が研磨仕上面とされていることを特徴とする鋸刃。
  3. 請求項1に記載の鋸刃であって、
    前記各鋸歯の歯先は、研磨仕上げされた超硬チップで構成されていることを特徴とする鋸刃。
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