JP4837847B2 - 鋸刃 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削加工において、例えば帯鋸,丸鋸,ハクソーなどの鋸刃で被削材を切断する工具である鋸刃に関して、直歯と左右アサリ歯の3歯を基本構成とする組合せ配置と鋸刃形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直歯と左アサリ歯と右アサリ歯の3歯を基本構成とする鋸刃は、この3歯の配置の組合せにより1つの区切りパターンが構成され、この同一パターンの繰り返しである。
【0003】
以下、鋸刃の各歯の構成である直歯,左アサリ歯,右アサリ歯を単にそれぞれS,L,Rの記号で表すと、図13(A),(B),(C)における鋸刃101は、帯厚がtで、S,L,Rの3枚構成鋸刃であり、L,Rの帯幅H1がSの帯幅H2よりも高く構成されている。
【0004】
上記の基本構成の3歯を変更して、図14の鋸刃103は5枚構成鋸刃で、図15の鋸刃105は7枚構成鋸刃である。なお、図16は帯厚がtで、図14と図15の鋸刃の各歯の高さを示している。
【0005】
また、鋸刃の構成歯に対して高低差を設けたり、アサリ振出量をその高低差によって大小変化させた鋸刃がある。例えば、図17(A),(B)の鋸刃107は、高歯(帯幅H2)の直歯SH、低歯(帯幅H3)でアサリ振出量が広い右アサリ歯Rw、高歯(帯幅H1)でアサリ振出量が狭い左アサリ歯LH、高歯(帯幅H1)でアサリ振出量が狭い右アサリ歯RH、低歯(帯幅H3)でアサリ振出量が広い左アサリ歯Lwのパターンを繰り返す5枚構成鋸刃である。図18(A),(B)の鋸刃109は、SH、RH、Lw、Rw、LHのパターンを繰り返す5枚構成鋸刃である。なお、図19は帯厚がtで、図17と図18の鋸刃の各歯の高さを示している。
【0006】
また、その他に研磨鋸刃として直歯のコーナを面取りした鋸刃などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の鋸刃においては、被削材は炭素工具鋼、合金鋼、ステンレス鋼、超耐熱鋼など様々であるが、最近では高硬度化と新素材の開発普及によって、より難削材化する傾向が大きくなっている。したがって、図13〜図15に示されているような基本構成の従来鋸刃101,103,105では難削材の切断に十分な切削性能を発揮できず、早期切曲り寿命が発生し、切断材料不良となるため、効率的な切断作業ができないという問題点があった。
【0008】
近年、計測技術の発展とコンピュータ化により切削現象が解明されつつあり、その原因として切削時の切削抵抗の増加による鋸刃たわみが発生し切曲りが発生しているとの考えから、切削時の切削抵抗を低減する対策鋸刃として図17や図18に示されているような鋸刃107,109が開発され市販されている。しかし、このような鋸刃は多機能な製造工程を必要としているので、前者の鋸刃101,103,105よりも鋸刃コストは高くなっている。
【0009】
ちなみに、図20(A)を参照するに、難削材に対する切削性能においては後者の鋸刃(図17や図18)が前者の鋸刃(図13〜図15)よりも顕著に良好な結果を示している。また、図20(B)を参照するに、切断面積に対する切曲りにおいても後者の鋸刃107(図17)が前者の鋸刃101(図13)よりも良好である。このように、被削材の高硬度化や難削化に対して高低差を設けた後者の鋸刃107(図17)は、切削抵抗を減らし切削性能を向上させており、有効な手段であったと考えられる。
【0010】
しかし、切断現場では、被削材に応じて鋸刃を交換することなく1本の鋸刃で多品種少量の被削材を切断しているので、働き歯の少ない後者の鋸刃107,109(図17や図18)は時として切曲り易くなる場合がある。つまり、鋸刃の構成を見るとアサリ歯の歯先は直歯の歯先よりも帯幅方向では高くなっており、直歯の歯先の水平面による直進性をアサリ振出加工によってアサリ歯の帯幅方向の歯先点が直歯の歯先よりも突起しているので、被削材との接触状態が歯先の点であるために振られやすく鋸刃の直進性に悪影響があった。
【0011】
また、鋸刃の直進性は僅かなアサリ振出加工精度の変化によって切削性能にバラツキが生じており、悪影響を受けている。言い換えれば、直進性を担う直歯の働きがアサリ歯によって抑制されているという問題点があった。
【0012】
さらに、従来の鋸刃107,109においては切断時の切屑を細分化できるのであるが、細分化すぎて軽量ゆえに切屑の排出性が良くないという問題点もあった。
【0013】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、より鋸刃の直進性を重視し、左右の振れを抑制せしめて切曲りを減少させて切削性能を十分発揮する鋸刃を提供する。具体的に言えば、従来の鋸刃(図17,図18)のように歯先に高低差を持たせ、かつ、アサリ振出量に大小を付けて変化せしめて切削抵抗を減少させるのみではなく、さらに直進性をも併せ持ち、切断寿命の長い鋸刃を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされてもので、直歯と左アサリ歯と右アサリ歯とを備えた鋸刃であって、左アサリ歯と右アサリ歯における歯先線を傾斜して備え、当該左アサリ歯と右アサリ歯における内側コーナを、前記直歯の帯厚内の長さにおいて前記直歯の歯先より低く、かつ前記直歯の歯先線と平行な歯先であって、左右のアサリ歯における前記歯先の長さを等しく加工してあることを特徴とするものである。
【0015】
また、帯幅の高い直歯及び低い直歯と左右のアサリ歯とを備えた鋸刃であって、左アサリ歯と右アサリ歯における歯先線を傾斜して備え、当該左アサリ歯と右アサリ歯における内側コーナを、前記直歯の帯厚内の長さにおいて前記高い直歯の歯先と前記低い直歯の歯先との間の高さの歯先であって、前記両直歯の歯先線と平行に、かつ左右のアサリ歯における前記歯先の長さを等しく加工してあることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記鋸刃において、直歯のコーナに角取りを設けてあることを特徴とするものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の鋸刃の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
図1(A),(B),(C)を参照するに、本実施の形態に係わる鋸刃1は、第1構成パターンを構成するものである。
【0035】
図1(A)に示される鋸刃1は、従来の図17の鋸刃107と同じように帯幅の高い直歯SH、低い右アサリ歯Rw、高い左アサリ歯LH、高い右アサリ歯RH、低い左アサリ歯Lwの5歯で構成されている。本実施の形態では構成する5歯の中で帯幅の高い右アサリ歯RHと左アサリ歯LHの歯先が直歯SHよりも低くなるように研磨加工などの加工が行われている。
【0036】
図1(C)に示されているように、帯厚がtで帯幅の高い左右アサリ歯LH,RHの歯先が直歯SHよりも帯幅方向で低く且つ水平面に加工されており、ワークとの接触面が従来の鋸刃の点接点から面当たりになるように構成されている。なお、上記の水平面(加工面)は研磨加工などで加工されており、図1(C)の矢印マークに示されているように左右アサリ歯LH,RHの歯先点間P3−P4線とP5−P6線が直歯SHの歯先点間P1−P2歯先線と平行になるように構成されている。
【0037】
さらに、加工された水平面距離L1,L2は左右アサリ歯LH,RHとも同等であるようにL1=L2とされ、且つ鋸刃1の加工された水平距離Lkがゼロより大きく且つアサリのセット幅Ln未満(0<Lk<Ln)になるように構成されている。これにより、切削時の鋸刃1の安定度が増加し、直進性が向上して切削性能がアップする。
【0038】
図2(A),(B),(C)を参照するに、本実施の形態に係わる鋸刃3は、第1構成パターンを構成するものである。
【0039】
図2(A)に示される鋸刃3は、従来の図17の鋸刃107と同じように帯幅の高い直歯SH、低い右アサリ歯Rw、高い左アサリ歯LH、高い右アサリ歯RH、低い左アサリ歯Lwの5歯で構成されている。本実施の形態では構成する5歯の中で帯幅の低い右アサリ歯Rwと左アサリ歯Lwの歯先が直歯SHの歯先面と平行になるように研磨加工などの加工が行われている。
【0040】
図2(C)に示されているように、帯厚がtで帯幅の低い左右アサリ歯Lw,Rwの歯先が水平面(加工面)になるように研磨加工などで加工されており、鋸刃3による切削に伴って摩耗が進行してもワークとの接触面が従来の鋸刃3の点接点から面当たりになるように構成されている。なお、上記の水平面は、図2(C)の矢印マークに示されているように左右アサリ歯Lw,Rwの歯先点間P7−P8線とP9−P10線が直歯SHの歯先点間P1−P2歯先線と平行になるように構成されている。
【0041】
さらに、加工された水平面距離L3,L4は左右アサリ歯Lw,Rwとも同等であるようにL3=L4とされ、且つ鋸刃3の加工された水平距離Ldが、ゼロより大きく且つアサリのセット幅Ls未満(0<Ld<Ls)になるように構成されている。これにより、鋸刃3による切削が行われて歯先の摩耗が進行しても鋸刃3の安定度が増加し、直進性が向上して切削性能をアップさせるように構成されている。
【0042】
図3(A),(B),(C)を参照するに、本実施の形態に係わる鋸刃5は、第2構成パターン及び第3構成パターンを構成するものである。
【0043】
図3(A)に示される鋸刃5は、従来の図17の鋸刃107と同じように帯幅の高い直歯SH、低い右アサリ歯Rw、高い左アサリ歯LH、高い右アサリ歯RH、低い左アサリ歯Lwの5歯で構成されている。本実施の形態では構成する5歯の中で直歯に注目し、帯幅の低い右アサリ歯Rwと左アサリ歯Lwに対応するための低い直歯SLを形成せしめ、且つ帯幅の高い直歯SHと低い直歯SLが交互に繰り返されている構成である。
【0044】
帯幅の低い直歯SLは、加工されていない帯幅の高い直歯SHの歯先面と平行になるように研磨加工などの加工が行われている。
【0045】
図3(C)に示されているように、帯厚がtで帯幅の低い直歯SLの歯先が水平面(加工面)になるように研磨加工などで加工されており、鋸刃5による切削に伴って摩耗が進行してもワークとの接触面が面当たりになるように構成されている。なお、上記の水平面は、図3(C)の矢印マークに示されているように帯幅の低い直歯SLの歯先点間P11−P12線が帯幅の高い直歯SHの歯先点間P1−P2歯先線と平行になるように構成されている。
【0046】
これにより、鋸刃5による切削が行われて歯先の摩耗が進行しても鋸刃5の安定度が増加し、直進性が向上し切削性能をアップさせるように構成されている。
【0047】
図4(A),(B),(C),(D)を参照するに、直歯を低くする加工においては、図4(B),(C),(D)に示されているような3種類の要素を考慮して、被削材に対応した組合せができる。図4(B)の直歯は水平加工が行われており、図4(C),(D)の直歯は水平加工に対して歯先間の間隔が狭くするように垂直加工が行われている。
【0048】
図4(A),(B)の直歯は一般的な被削材である炭素工具鋼や工具鋼などに対応し、図4(C),(D)の直歯はステンレス鋼や耐熱鋼などの難削材に採用すると効果的である。
【0049】
以上のように、いろいろな実施の形態の採用により、切断時の鋸刃の切断能力をより発揮することが可能となり、新鋼種の切断や高効率切断、長寿命化への対応ができるようになった。
【0050】
図5(A),(B),(C)を参照するに、本実施の形態に係わる鋸刃7は、第1構成パターンと第2構成パターンと第3構成パターンを構成するものである。
【0051】
図5(A)に示される鋸刃7は、従来の図17の鋸刃107と同じように帯幅の高い直歯SH、低い右アサリ歯Rw、高い左アサリ歯LH、高い右アサリ歯RH、低い左アサリ歯Lwの5歯で構成されている。本実施の形態では図1の鋸刃1と図3の鋸刃5とを組み合わせた構成となっており、構成する5歯の中で帯幅の高い左アサリ歯LHと右アサリ歯RHの歯先が直歯SHよりも低くなるようにし、さらに帯幅の低い右アサリ歯Rwと左アサリ歯Lwに対応するための低い直歯SLを形成するように研磨加工などの加工が行われ、且つ帯幅の高い直歯SHと低い直歯SLが交互に繰り返されている構成である。
【0052】
図5(C)に示されているように、帯厚がtで帯幅の高い左右アサリ歯LH,RHの歯先が直歯SHよりも帯幅方向で低く且つ水平面に加工されており、ワークとの接触面が従来の鋸刃の点接点から面当たりになるように構成されている。
【0053】
なお、上記の水平面(加工面)は研磨加工などで加工されており、図5(C)の矢印マークに示されているように帯幅の低い直歯SLの歯先点間P11−P12線が帯幅の高い直歯SHの歯先点間P1−P2歯先線と平行になるように構成されている。また、図5(C)の矢印マークに示されているように左右アサリ歯LH,RHの歯先点間P3−P4線とP5−P6線が直歯SHの歯先点間P1−P2歯先線と平行になるようにして切断時における鋸刃の振れを防止するように構成されている。
【0054】
さらに、図1(C)の場合と同様に、加工された水平面距離L1,L2は左右アサリ歯LH,RHとも同等であるようにL1=L2とされ、且つ鋸刃7の加工された水平距離Lkがゼロより大きく且つアサリのセット幅Ln未満(0<Lk<Ln)になるように構成されている。これにより、切削時の鋸刃7の安定度が増加し、直進性が向上して切削性能がアップする。
【0055】
上記の図5の鋸刃7による被削材の切断結果として、切削性能グラフが図6(A)に示され、切削初期の鋸刃7の切曲りグラフが図6(B)に示されている。本実施の形態の鋸刃7は図17の従来の鋸刃107よりも切削初期の鋸刃7の振れ性も改善され、初期切曲りが抑制されている。したがって、切削性能もアップしている。この実施の形態の鋸刃7は一般的な被削材である炭素工具鋼や工具鋼などに効果を発揮するものである。
【0056】
図7(A),(B),(C)を参照するに、本実施の形態に係わる鋸刃9は、第1構成パターンと第2構成パターンと第3構成パターンを構成するものである。
【0057】
図7(A)に示される鋸刃9は、上述した図5の鋸刃7と同様に、従来の図17の鋸刃107と同じように帯幅の高い直歯SH、低い右アサリ歯Rw、高い左アサリ歯LH、高い右アサリ歯RH、低い左アサリ歯Lwの5歯で構成されている。本実施の形態ではステンレス鋼や耐熱鋼などの難削材に対応するために、上述した図5の鋸刃7の歯の構成に加えて、構成する5歯の中で帯幅の低い右アサリ歯Rwと左アサリ歯Lwの歯先が低い直歯SLの歯先面よりも低くなるようにし、且つ加工された帯幅の低い右左アサリ歯Rw,Lwの歯先線と2種類の直歯SH,SLの歯先線とが平行になるように研磨加工などの加工が行われている構成である。
【0058】
図7(C)に示されているように、帯厚がtで帯幅の低い左右アサリ歯Lw,Rwの歯先が水平面(加工面)になるように研磨加工などで加工されており、鋸刃9による切削に伴って歯先摩耗が進行しても、ワークとの接触面が従来の鋸刃の点接点から面当たりになるように構成されている。
【0059】
なお、上記の水平面(加工面)は、図7(C)の矢印マークに示されているように帯幅の低い左右アサリ歯Rw,Lwの歯先点間P7−P8線とP9−P10線は、帯幅の高い直歯SHの歯先点間P1−P2歯先線と、低い直歯SLの歯先点間P11−P12歯先線と、帯幅の高い左右アサリ歯LH,RHの歯先点間P3−P4線とP5−P6線と平行になるように構成されている。
【0060】
さらに、図1(C)と図2(C)の場合と同様に、加工された水平面距離L1,L2;L3,L4は左右アサリ歯LH,RHとも同等であるようにL1=L2,L3=L4とされ、且つ鋸刃9の加工された水平距離Ldがゼロより大きく且つアサリのセット幅Ls未満(0<Ld<Ls)になるように構成されている。
【0061】
これにより、鋸刃9は、帯幅の高い左右アサリ歯の加工により初期切削での切曲り性が改善され、また、帯幅の低い左右アサリ歯の加工により歯先の摩耗が進行しても鋸刃が安定し、切削性能をアップせしめるように構成されている。すなわち、本実施の形態の加工は左右アサリ歯のみではなく、直歯の“倒れ”による切削性能不良に対しても補正するように直歯自身の歯先加工も行なわれているので、より直歯の直進性が発揮されるような構成である。これにより難削材切断における直進性と切削抵抗の低減が図れる。
【0062】
上記の図7の鋸刃9による被削材の切断結果として、切削性能グラフが図8(A)に示され、切削抵抗グラフが図8(B)に示されている。鋸刃の摩耗量グラフが図9(A)に示され、切曲りグラフが図9(B)に示されている。本実施の形態の鋸刃9は図16の従来の鋸刃107よりも切削抵抗を低減することができ、切曲り性が改善されているので切削性能がアップしている。特に、図9(B)に示されているように切断初期には前述した図1の鋸刃1や図3の鋸刃5と同様の効果が発揮されており、また切断後期には図2の鋸刃3と同様の効果が発揮されて切曲りが低減している。
【0063】
また、鋸刃摩耗グラフにおいても、アサリ歯の歯先摩耗が抑制されて図17の従来の鋸刃107よりも少なくなり鋸刃寿命を長くすることになる。この実施の形態の鋸刃9はステンレス鋼や耐熱鋼などの難削材に効果を発揮するものである。
【0064】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
【0065】
前述した実施の形態では、図17の従来の鋸刃107のようにアサリ振出量が複数の種類を有し、アサリ歯の高低差を有する鋸刃に対して水平面の加工を施している場合について記載しているが、アサリ振出量が同一である図14や図15などの従来の鋸刃103,105に対して本発明の特徴を採用しても構わない。
【0066】
例えば、図10(A),(B),(C)を参照するに、本実施の形態に係わる鋸刃11は、アサリ振出量が同一である鋸刃11で、第1構成パターンと第2構成パターンと第3構成パターンを構成するものである。
【0067】
図10(A)に示される鋸刃11は、帯幅の高い直歯SH、高い左アサリ歯LH、高い右アサリ歯RHとすると、従来の図15の鋸刃105と同じようにSH、RH、LH、RH、LH、RH、LHの7歯で構成されている。この鋸刃に対して前述した実施の形態と同様に、左右アサリ歯は直歯より帯幅を低く加工することや、低く加工した加工面が直歯の歯先線と平行であることや、加工面の水平距離がゼロ以上セット幅以下とするなどの本発明の特徴を備えている。詳細説明は省略する。
【0068】
また、前述した実施の形態では、直歯の研磨加工などの加工例としては、図4(A),(B)の場合を採用しているが、図4(C),(D)のような加工を行って採用しても構わない。
【0069】
また、前述した実施の形態として、図1(C)、図2(C)、図5(C)、図7(C)、図10(C)において、水平面に加工された左右アサリ歯は、図11に示されている左右アサリ歯LQ,RQのように加工しても構わない。すなわち、図11を参照するに、左右アサリ歯LQ,RQの歯先が直歯SHよりも帯幅方向で低く且つ研磨加工などで水平面に加工されている。なお、上記の左アサリ歯LQの加工面L5と右アサリ歯RQの加工面L6は直歯SHの歯先線L7と平行になるように構成されている。
【0070】
さらに、加工された水平面距離L5,L6は左右アサリ歯LQ,RQとも同等であるようにL5=L6とされ、且つ鋸刃の加工された水平距離Lb(左右アサリ歯の外側加工端間の距離)がゼロより大きく且つ左右アサリ歯LQ,RQのセット幅La未満(0<Lb<La)になるように構成されている。
【0071】
上記構成により、0<Lb<Laとなっているので、左右アサリ歯LQ,RQの外側コーナ(振出端)、つまり左右アサリ歯LQ,RQの歯先点PQの摩耗が抑制され、切り粉の排出方向が制御されて切り粉が大きくなるので切り粉の排出性が改善される。また、上記の加工面L5,L6が直歯SHの歯先線L7と平行であることから直線性が良くなるので、左右アサリ歯LQ,RQの被削材への食い込み特性が改善され、切曲り及びうねりが抑制される。
【0072】
前述した実施の形態では、通常の直歯を備えた鋸刃について記載しているが、図12(A),(B),(C)に示されているように直歯のコーナに角取りとしての歯先チャンファー13を設け、この歯先チャンファー13付きの直歯と左右アサリ歯との種々の組み合わせ鋸刃に対して本発明の特徴を採用しても構わない。
【0073】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように本発明によれば、左アサリ歯と右アサリ歯の内側コーナが直歯の歯先より低く加工され、加工された加工面が直歯の歯先線と平行となるように、かつ等しい長さに加工されているので、鋸刃による切削に伴って歯先が摩耗しても直進性を保持できる。その結果、切削時の切曲りを改善でき、より切削性能をアップできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の鋸刃を示すもので、(A)は鋸刃の平面図で、(B)は側面図で、(C)は各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の鋸刃を示すもので、(A)は鋸刃の平面図で、(B)は側面図で、(C)は各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の鋸刃を示すもので、(A)は鋸刃の平面図で、(B)は側面図で、(C)は各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図4】(A)は鋸刃の直歯の正面図で、(B)は(A)の直歯を水平加工した正面図で、(C)と(D)は(A)の直歯を水平垂直加工した正面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の鋸刃を示すもので、(A)は鋸刃の平面図で、(B)は側面図で、(C)は各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図6】本実施の形態の図5の鋸刃と従来の図17の鋸刃における切削データを示すもので、(A)は一般材に対する切削性能を示すグラフで、(B)は切断面積と切曲りの関係のグラフである。
【図7】本発明の他の実施の形態の鋸刃を示すもので、(A)は鋸刃の平面図で、(B)は側面図で、(C)は各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図8】本実施の形態の図7の鋸刃と従来の図17の鋸刃における切削データを示すもので、(A)は難削材に対する切削性能を示すグラフ、(B)は切断面積と切削抵抗の関係のグラフである。
【図9】本実施の形態の図7の鋸刃と従来の図17の鋸刃における切削データを示すもので、(A)は切断面積と摩耗量の関係のグラフで、(B)は切断面積と切曲りの関係のグラフである。
【図10】本発明の他の実施の形態の鋸刃を示すもので、(A)は鋸刃の平面図で、(B)は側面図で、(C)は各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の鋸刃を示すもので、各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図12】(A)、(B)、(C)は歯先チャンファーを設けた直歯との組合せを示す鋸刃の模式的正面図である。
【図13】従来の鋸刃を示すもので、(A)は鋸刃の平面図で、(B)は鋸刃の側面図で、(C)は鋸刃を構成する各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図14】従来の他の鋸刃の平面図である。
【図15】従来の他の鋸刃の平面図である。
【図16】図14及び図15の鋸刃における各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図17】従来の鋸刃を示すもので、(A)は鋸刃の平面図で、(B)は鋸刃の側面図である。
【図18】従来の鋸刃を示すもので、(A)は鋸刃の平面図で、(B)は鋸刃の側面図である。
【図19】図17及び図18の鋸刃における各歯の単体部品を説明する模式的正面図である。
【図20】従来の各鋸刃における切削データを示すもので、(A)は難削材に対する切削性能を示すグラフ、(B)は切断面積と切曲りの関係のグラフである。
【符号の説明】
1〜11 鋸刃
13 歯先チャンファー
RH 高い右アサリ歯
RL 低い右アサリ歯
LH 高い左アサリ歯
Rw 低い右アサリ歯で振出量が大きい歯
Lw 低い左アサリ歯で振出量が大きい歯
SH 高い直歯
SL 低い直歯

Claims (3)

  1. 直歯と左アサリ歯と右アサリ歯とを備えた鋸刃であって、左アサリ歯と右アサリ歯における歯先線を傾斜して備え、当該左アサリ歯と右アサリ歯における内側コーナを、前記直歯の帯厚内の長さにおいて前記直歯の歯先より低く、かつ前記直歯の歯先線と平行な歯先であって、左右のアサリ歯における前記歯先の長さを等しく加工してあることを特徴とする鋸刃。
  2. 帯幅の高い直歯及び低い直歯と左右のアサリ歯とを備えた鋸刃であって、左アサリ歯と右アサリ歯における歯先線を傾斜して備え、当該左アサリ歯と右アサリ歯における内側コーナを、前記直歯の帯厚内の長さにおいて前記高い直歯の歯先と前記低い直歯の歯先との間の高さの歯先であって、前記両直歯の歯先線と平行に、かつ左右のアサリ歯における前記歯先の長さを等しく加工してあることを特徴とする鋸刃。
  3. 請求項1又は2に記載の鋸刃において、直歯のコーナに角取りを設けてあることを特徴とする鋸刃。
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