JP4132215B2 - 鋸刃 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は鋸刃に係り、さらに詳しくは、帯鋸、丸鋸あるいはハクソー等の鋸刃に関するものであり、例えばH形鋼の切断時における狭窄現象が生じるワークピースやパイプ、シートパイル等の切断のように大きな振動を伴うワークピースおよび難削材のように大きな切削抵抗が生じるワークピースの切断を行う鋸刃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば金属製の大きなワークピースを切断(切削)する装置として、帯鋸盤が使用されている。この帯鋸盤に使用される帯鋸刃においては、例えばびびり振動や騒音等に対応するために、「アサリ」のパターンをレーカーセット、ウェーブセットあるいはストレートセットなど種々のパターンに設定したり、各歯のピッチを不等ピッチにしたりしている。また、例えばステンレス鋼の如き難削材に対応すべく、各歯の歯高寸法を異にする帯鋸刃も開発されている。
【0003】
また、特公平7−24973号公報や特公平7−41467号公報に記載されているように、各歯の歯高寸法およびアサリ幅を異にして、適宜組み合わすことにより切屑の細分化を図って性能を大きく向上させた鋸刃も実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、左方向へ屈曲した左アサリ歯と、右方向へ屈曲した右アサリ歯、および左右に屈曲することのない直歯とを有すると共に、左右のアサリ歯のアサリ幅を複数種類に変化させた鋸刃の場合には、ワークピースの切削を行う突入時(ワークピースに鋸刃の歯が当接し切削が開始するとき)にアサリ幅の大きい歯ほどアサリ歯の振出し方向と反対方向へ大きく振られる。ここで、直歯は左右に屈曲することなく形成されているので、ワークピースへの突入時には比較的左右に振られることがない。
【0005】
この様に、アサリ歯の振出しが大きい歯ほどワークピースへの突入時の衝撃が大きく、チッピングや歯欠けを起こしやすいという問題がある。
【0006】
また、直歯は切削の直進性向上の役目をするので、左右への振れが小さい分だけ食込み性を改善できる余地が残されている。さらに、各歯の働きには差異が見られるため、各歯の働きに適した歯先の逃げ角、スクイ角、歯角が個々に設定されるべきであるが、現状では、全歯ともほぼ同じ逃げ角、スクイ角、歯角に設定されており、改善の余地がある。
【0007】
鋸刃における切断作業の高速化が年々進むにつれて、従来の切断速度では発生することのなかったチッピングや歯欠けのトラブルが多くなってきており、特に、H形鋼、パイプ、難削材等の切断市場においてより高性能な鋸刃が要求されている。
【0008】
この発明の目的は、以上のような従来の技術に着目してなされたものであり、各歯の働きに適するように設定された歯先の逃げ角、スクイ角、歯角を有するような鋸刃を提供することにあり、また、市場のニーズに答えるべく、より高性能で経済的な鋸刃を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1による発明の鋸刃は、少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯の歯先逃げ角が、最もアサリ幅の小さなアサリ歯の歯先逃げ角と等しいかまたは大きく、且つアサリ幅の大きなアサリ歯ほど歯先逃げ角が小さいことを特徴とするものである。
【0010】
従って、直歯と複数個のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯先逃げ角を大きくして食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯先逃げ角を小さくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。
【0011】
請求項2による発明の鋸刃は、少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯の歯先スクイ角が、最もアサリ幅の小さなアサリ歯の歯先スクイ角と等しいかまたは大きく、且つアサリ幅の大きなアサリ歯ほど歯先スクイ角が小さいことを特徴とするものである。
【0012】
従って、直歯と複数個のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯先スクイ角を大きくして食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯先スクイ角を小さくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。
【0013】
アサリ幅の大きいアサリ歯ほど歯先スクイ角を小さくしているので、歯角が大きくなり剛性がより大きくなる。よって、切削加工時の鋸刃の厚み方向の分力に対する剛性が大きくなり、切削精度がより向上する。
【0014】
請求項3による発明の鋸刃は、少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯の歯角が、アサリ幅の最も小さなアサリ歯の歯角と等しいかまたは小さく、且つアサリ幅の大きなアサリ歯ほど歯角が大きいことを特徴とするものである。
【0015】
従って、直歯と複数個のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯角を小さくして食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯角を大きくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。
【0016】
アサリ幅の大きいアサリ歯ほど歯角を大きくしているので、剛性がより大きくなる。よって、切削加工時の鋸刃の厚み方向の分力に対する剛性が大きくなり、切削精度がより向上する。
【0017】
請求項4による発明の鋸刃は、ワークピースの切削に際して先行して切削を行う複数の先行歯と、この先行歯が切削した切削部を拡開するための複数の後続歯とを1グループとして有し、前記先行歯は少なくとも1個の直歯と各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記後続歯は各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記先行歯の歯高寸法が前記後続歯の歯高寸法よりも大きく且つ前記後続歯のアサリ幅が前記先行歯のアサリ幅よりも大きい鋸刃であって、前記直歯の歯先逃げ角をαA 、前記先行歯に含まれるアサリ歯の歯先逃げ角をαB 、前記後続歯に含まれるアサリ歯の歯先逃げ角αC としたときに、αA ≧αB >αC であることを特徴とするものである。
【0018】
従って、直歯と複数のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯先逃げ角を大きくして食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯先逃げ角を小さくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。また、先行歯が切削した切削部を、この先行歯の歯高よりも低い歯高を有する後続歯がさらに拡開する。
【0019】
請求項5による発明の鋸刃は、ワークピースの切削に際して先行して切削を行う複数の先行歯と、この先行歯が切削した切削部を拡開するための複数の後続歯とを1グループとして有し、前記先行歯は少なくとも1個の直歯と各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記後続歯は各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記先行歯の歯高寸法が前記後続歯の歯高寸法よりも大きく且つ前記後続歯のアサリ幅が前記先行歯のアサリ幅よりも大きい鋸刃であって、前記直歯の歯先スクイ角をθA 、前記先行歯に含まれるアサリ歯の歯先スクイ角をθB 、前記後続歯に含まれるアサリ歯の歯先スクイ角をθC としたときに、θA ≧θB >θC であることを特徴とするものである。
【0020】
従って、直歯と複数のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯先スクイ角を大きくして食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯先スクイ角を小さくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。また、先行歯が切削した切削部を、この先行歯の歯高よりも低い歯高を有する後続歯がさらに拡開する。
【0021】
請求項6による発明の鋸刃は、ワークピースの切削に際して先行して切削を行う複数の先行歯と、この先行歯が切削した切削部を拡開するための複数の後続歯とを1グループとして有し、前記先行歯は少なくとも1個の直歯と各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記後続歯は各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記先行歯の歯高寸法が前記後続歯の歯高寸法よりも大きく且つ前記後続歯のアサリ幅が前記先行歯のアサリ幅よりも大きい鋸刃であって、前記直歯の歯角をβA 、前記先行歯に含まれるアサリ歯の歯角をβB 、前記後続歯に含まれるアサリ歯の歯角をβC としたときに、βC >βB ≧βA であることを特徴とするものである。
【0022】
従って、直歯と複数のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯角を小さくして食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯角を大きくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。また、先行歯が切削した切削部を、この先行歯の歯高よりも低い歯高を有する後続歯がさらに拡開する。
【0023】
請求項7による発明の鋸刃は、少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、直歯の歯先逃げ角をαA 、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯先逃げ角をαB 、その他のアサリ歯の歯先逃げ角をαC 、αD 、αE ……としたときに、αA ≧αB >(αC ≧αD ≧αE ≧……)であることを特徴とするものである。
【0024】
従って、左右の振れが少ない直歯の歯先逃げ角を最もアサリ幅の小さなアサリ歯の歯先逃げ角よりも大きくして食込み性を改善した。また、アサリ幅が大きくなるにつれて左右の振れが大きくなるので、アサリ幅が大きくなるほど歯先逃げ角を小さくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。
【0025】
請求項8による発明の鋸刃は、少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、直歯の歯先スクイ角をθA 、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯先スクイ角をθB 、その他のアサリ歯の歯先スクイ角をθC 、θD 、θE ……としたときに、θA ≧θB >(θC ≧θD ≧θE ≧……)であることを特徴とするものである。
【0026】
従って、左右の振れが少ない直歯の歯先スクイ角を最もアサリ幅の小さなアサリ歯のスクイ角より大きくして食込み性を改善した。また、アサリ幅が大きくなるにつれて左右の振れが大きくなるので、アサリ幅が大きくなるほど歯先スクイ角を小さくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。
【0027】
請求項9による発明の鋸刃は、少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、直歯の歯角をβA 、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯角をβB 、その他のアサリ歯の歯角をβC 、βD 、βE ……としたときに、(βC ≧βD ≧βE ≧……)>βB ≧βA であることを特徴とするものである。
【0028】
従って、左右の振れが少ない直歯の歯角を最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯角よりも小さくして食込み性を改善した。また、アサリ幅が大きくなるにつれて左右の振れが大きくなるので、アサリ幅が大きくなるほど歯角を大きくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。
【0029】
請求項10による発明の鋸刃は、少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯およびアサリ歯のスクイ面および逃げ面の直線部分において前記直歯またはアサリ歯の歯先から所定の高さに設定した基準線位置における直歯の歯幅をXA 、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯幅をXB 、その他のアサリ歯の歯幅をXC 、XD 、XE ……としたときに、XA ≦XB <(XC ≦XD ≦XE ……)であることを特徴とするものである。
【0030】
従って、左右の振れが少ない直歯の歯幅よりも左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯について歯幅を大きくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。
【0031】
請求項11による発明の鋸刃は、少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯およびアサリ歯のスクイ面および逃げ面の直線部分において前記直歯またはアサリ歯の歯先から所定の高さに設定した基準線位置における直歯の歯幅をXA 、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯幅をXB 、その他のアサリ歯の歯幅をXC 、XD 、XE ……としたときに、XA <XB ≦(XC ≦XD ≦XE ……)であることを特徴とするものであり、最もアサリ幅の小さいアサリ歯のアサリ幅が他のアサリ歯のアサリ幅に近い場合に効果を奏するものであり、従って、左右の振れが少ない直歯の歯幅を最も小さくして、食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ歯について歯幅を大きくすることにより、歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態の例を図面に基づいて説明する。
【0033】
図2には、鋸刃1の逃げ角α、スクイ角θ、歯角βの設定方法が示されている。すなわち、この逃げ角α、スクイ角θ、歯角βの設定では、通常合計が90度となるようにして分け合っており、歯角βは逃げ角αとスクイ角θの変化によって自動的に変化させている。
【0034】
図3には、逃げ角α、スクイ角θ、歯角βと歯先強度および食込み性との一般的な関係が示されている。ここで、逃げ角αとスクイ角θは歯先強度および食込み性に対して同じ影響を及ぼすが、歯先強度に及ぼす単位角度当たりの影響度はスクイ角θよりも逃げ角αの方が大きいことがわかっている。
【0035】
図1(A)、(B)、(C)および図4(A)、(B)、(C)を参照するに、5個の歯で1グループを形成する鋸刃1が示されている。この鋸刃1は、アサリの振出しを行う前は全歯とも所定の基準線KLに対してほぼ同じ歯高Hを有している。
【0036】
この鋸刃では、1グループに、1個の直歯Aと、アサリ幅の小さな左右一対のアサリ歯Bと、アサリ幅の大きな左右一対のアサリ歯Cを有し、θA =θB =θC の場合を例示している。直歯Aは左右の振れが小さいので直進性向上のために図4(A)に示されているように、逃げ角αA を大きくして食込み性を改善している。
【0037】
アサリ歯Cはアサリ幅が最も大きいので左右の振れが大きく、チッピングや歯欠けを生じやすいので歯先強度を高めるために図4(C)に示されているように、逃げ角αC を小さくしてある。また、アサリ歯Bはアサリ幅が比較的小さいので図4(B)に示されているように、逃げ角αB を逃げ角αA と逃げ角αC の中間にしてあるが、この逃げ角αB を逃げ角αA と同じ大きさにしてもよい(αA ≧αB >αC )。
【0038】
アサリ幅の大きいアサリ歯ほど歯先逃げ角を小さくしているので、歯角が大きくなり剛性が大きくなる。よって、切削加工時の鋸刃の厚み方向の分力に対する剛性が大きくなり、切削精度がより向上する。
【0039】
具体的には、スクイ角θA 、θB 、θC を一定としたときに、逃げ角αA を30度〜40度とし、特に33度〜37度が好ましい。逃げ角αB は27度〜40度で、特に30度〜35度が好ましいが、逃げ角αA と同じとしてもよい。また、逃げ角αC は20度〜35度で、特に23度〜32度が好ましい。
【0040】
なお、前述のようにアサリ幅として2種類の幅を設定したが、1グループを5個以上の歯で構成して3種類以上の幅を設定しても良い。このとき、αA ≧αB の関係を満たしていればその他のアサリ歯C、D、E……(D,E……は図示省略)において、アサリ幅の大きな歯程歯先逃げ角αを小さくするように設けても良い。すなわち、その他のアサリ歯C、D、E……の逃げ角をαC 、αD 、αE ……としたときに、αA ≧αB >(αC ≧αD ≧αE ……)の関係にあるようにしてもよい。
【0041】
また、各歯の配置の順番は任意に実施可能であるが、同一グループ中に同じアサリ幅の歯が左右一対になっていなければならない。
【0042】
次に、図1(A)、(B)、(C)および図5(A)、(B)、(C)を参照するに、5個の歯で1グループを形成する鋸刃3が示されている。この鋸刃3は、アサリの振出しを行う前は全歯とも基準線KLに対してほぼ同じ歯高Hを有していることは、前述の鋸刃1と同様である。
【0043】
この鋸刃では、1グループに、1個の直歯Aと、アサリ幅の小さな左右一対のアサリ歯Bと、アサリ幅の大きな左右一対のアサリ歯Cを有し、αA =αB =αC の場合を例示している。直歯Aは左右の振れが小さいので直進性向上のために図5(A)に示されているように、スクイ角θA を大きくして食込み性を改善している。
【0044】
アサリ歯Cはアサリ幅が最も大きいので左右の振れが大きく、チッピングや歯欠けを生じやすいので歯先強度を高めるために図5(C)に示されているように、スクイ角θC を小さくしてある。また、アサリ歯Bはアサリ幅が比較的小さいので図5(B)に示されているように、スクイ角θB をスクイ角θA とスクイ角θC の中間にしてあるが、このスクイ角θB をスクイ角θA と同じ大きさにしてもよい(θA ≧θB >θC )。
【0045】
アサリ幅の大きいアサリ歯ほど歯先スクイ角を小さくしているので、歯角が大きくなり剛性がより大きくなる。よって、切削加工時の鋸刃の厚み方向の分力に対する剛性が大きくなり、切削精度がより向上する。
【0046】
具体的には、逃げ角αA 、αB 、αC を一定とした時に、スクイ角θA を4度〜15度とし、特に5度〜11度が好ましい。スクイ角θB は3度〜13度で、特に4度〜10度が好ましい。また、スクイ角θC は0度〜11度で、特に0度〜7度が好ましい。
【0047】
なお、このようにアサリ幅として2種類の幅を設定したが、1グループを5個以上の歯で構成して3種類以上の幅を設定しても良い。このとき、θA ≧θB の関係を満たしていればその他のアサリ歯C、D、E……(D,E……は図示省略)において、アサリ幅の大きな歯程歯先スクイ角θを小さくするように設けても良い。すなわち、その他のアサリ歯C、D、E……のスクイ角をθC 、θD 、θE ……としたときに、θA ≧θB >(θC ≧θD ≧θE ……)の関係にあるようにしてもよい。
【0048】
また、各歯の配置の順番は任意に実施可能であるが、同一グループ中に同じアサリ幅の歯が左右一対になっていなければならない。
【0049】
次に、図1(A)、(B)、(C)および図6(A)、(B)、(C)を参照するに、5個の歯で1グループを形成する鋸刃5が示されている。この鋸刃5は、アサリの振出しを行う前は全歯とも基準線KLに対してほぼ同じ歯高Hを有している。
【0050】
この鋸刃では、1グループに、1個の直歯Aと、アサリ幅の小さな左右一対のアサリ歯Bと、アサリ幅の大きな左右一対のアサリ歯Cを有している。直歯Aは左右の振れが小さいので直進性向上のために図6(A)に示されているように、歯角βA を小さくして食込み性を改善している。
【0051】
アサリ歯Cはアサリ幅が最も大きいので左右の振れが大きく、チッピングや歯欠けを生じやすいので歯先強度を高めるために図6(C)に示されているように、歯角βC を大きくしてある。また、アサリ歯Bはアサリ幅が比較的小さいので図6(B)に示されているように、歯角βB を歯角βA と歯角βC の中間にしてあるが、この歯角βB を歯角βA と同じ大きさにしてもよい(βC >βB ≧βA )。
【0052】
アサリ幅の大きいアサリ歯ほど歯角を大きくしているので、剛性がより大きくなる。よって、切削加工時の鋸刃の厚み方向の分力に対する剛性が大きくなり、切削精度がより向上する。
【0053】
具体的には、歯角βA を40度〜50度とし、特に44度〜49度が好ましい。歯角βB は40度〜55度で、特に45度〜50度が好ましい。また、歯角βC は45度〜75度で、特に48度〜67度が好ましい。
【0054】
なお、前述のようにアサリ幅として2種類の幅を設定したが、1グループを5個以上の歯で構成して3種類以上の幅を設定しても良い。このとき、βB ≧βA の関係を満たしていればその他のアサリ歯C、D、E……(D,E……は図示省略)において、アサリ幅の大きな歯程歯角βを大きくするように設けても良い。すなわち、その他のアサリ歯C、D、E……の歯角をβC 、βD 、βE ……としたときに、(βC ≧βD ≧βE ……)>βB ≧βA の関係にあるようにしてもよい。
【0055】
また、各歯の配置の順番は任意に実施可能であるが、同一グループ中に同じアサリ幅の歯が左右一対になっていなければならない。
【0056】
なお、上記の例においては、アサリ幅の大きいアサリ歯ほど歯先逃げ角またはスクイ角を小さくすること、換言すれば歯角は大きいことが望ましい。
【0057】
次に、図7(A)、(B)、(C)および図8(A)、(B)、(C)を参照するに、5個の歯で1グループを形成する鋸刃7が示されている。この鋸刃7は、これまでに説明した場合と異なってアサリの振出しを行う前の歯高に高低差を付けている。すなわち、図7(A)に示されているように、直歯Aおよびアサリ歯Bについてはアサリの振出しを行う前の歯高HA 、HB は基準線KLに対してほぼ同一だがアサリ歯Cについては歯高HC が低く異なっている。
【0058】
この鋸刃7では、1グループに、1個の直歯Aと、アサリ幅の小さな左右一対のアサリ歯Bと、アサリ幅の大きな左右一対のアサリ歯Cを有し、θA =θB =θC の場合を例示している。直歯Aは左右の振れが小さいので直進性向上のために図8(A)に示されているように、逃げ角αA を大きくして食込み性を改善している。
【0059】
アサリ歯Cはアサリ幅が最も大きいので左右の振れが大きく、チッピングや歯欠けを生じやすいので歯先強度を高めるために図8(C)に示されているように、逃げ角αC を小さくしてある。また、アサリ歯Bはアサリ幅が比較的小さいので図8(B)に示されているように、逃げ角αB を逃げ角αA と逃げ角αC の中間にしてあるが、この逃げ角αB を逃げ角αA と同じ大きさにしてもよい(αA ≧αB >αC )。
【0060】
具体的には、スクイ角θA 、θB 、θC を一定としたときに、逃げ角αA を30度〜40度とし、特に33度〜37度が好ましい。逃げ角αB は27度〜40度で、特に30度〜35度が好ましいが、逃げ角αA と同じとしてもよい。また、逃げ角αC は20度〜35度で、特に23度〜32度が好ましい。
【0061】
なお、前述のようにアサリ幅として2種類の幅を設定したが、1グループを5個以上の歯で構成して3種類以上の幅を設定しても良い。このとき、αA ≧αB の関係を満たしていればその他のアサリ歯C、D、E……において、アサリ幅の大きな歯程歯先逃げ角αを小さくするように設けても良い。すなわち、その他のアサリ歯C、D、E……の逃げ角をαC 、αD 、αE ……としたときに、αA ≧αB >(αC ≧αD ≧αE ……)の関係にあるようにしてもよい。
【0062】
また、各歯の配置の順番は任意に実施可能であるが、同一グループ中に同じアサリ幅の歯が左右一対になっていなければならない。
【0063】
また、ここで説明した鋸刃7では2種類の歯高の差異のある場合について説明したが、2種類以上の歯高であっても同様である。
【0064】
次に、図7(A)、(B)、(C)および図9(A)、(B)、(C)を参照するに、5個の歯で1グループを形成する鋸刃9が示されている。この鋸刃9は、図7(A)に示されているように、直歯A、アサリ歯Bについてはアサリの振出しを行う前の歯高HA 、HB は基準線KLに対してほぼ同一だがアサリ歯Cについては歯高HC が低く異なっている。
【0065】
この鋸刃では、1グループに、1個の直歯Aと、アサリ幅の小さな左右一対のアサリ歯Bと、アサリ幅の大きな左右一対のアサリ歯Cを有し、αA =αB =αC の場合を例示している。直歯Aは左右の振れが小さいので直進性向上のために図9(A)に示されているように、スクイ角θA を大きくして食込み性を改善している。
【0066】
アサリ歯Cはアサリ幅が最も大きいので左右の振れが大きく、チッピングや歯欠けを生じやすいので歯先強度を高めるために図9(C)に示されているように、スクイ角θC を小さくしてある。また、アサリ歯Bはアサリ幅が比較的小さいので図9(B)に示されているように、スクイ角θB をスクイ角θA とスクイ角θC の中間にしてあるが、このスクイ角θB をスクイ角θA と同じ大きさにしてもよい(θA ≧θB >θC )。
【0067】
具体的には、逃げ角αA 、αB 、αC を一定とした時に、スクイ角θA を4度〜15度とし、特に5度〜11度が好ましい。スクイ角θB は3度〜13度で、特に4度〜10度が好ましい。また、スクイ角θC は0度〜11度で、特に0度〜7度が好ましい。
【0068】
なお、このようにアサリ幅として2種類の幅を設定したが、1グループを5個以上の歯で構成して3種類以上の幅を設定しても良い。このとき、θA ≧θB の関係を満たしていればその他のアサリ歯C、D、E……において、アサリ幅の大きな歯程歯先スクイ角θを小さくするように設けても良い。すなわち、その他のアサリ歯C、D、E……のスクイ角をθC 、θD 、θE ……としたときに、θA ≧θB >(θC ≧θD ≧θE ……)の関係にあるようにしてもよい。
【0069】
また、各歯の配置の順番は任意に実施可能であるが、同一グループ中に同じアサリ幅の歯が左右一対になっていなければならない。
【0070】
また、ここで説明した鋸刃9では2種類の歯高の差異のある場合について説明したが、2種類以上の歯高であっても同様である。
【0071】
次に、図7(A)、(B)、(C)および図10(A)、(B)、(C)を参照するに、5個の歯で1グループを形成する鋸刃11が示されている。この鋸刃11は、図7(A)に示されているように、直歯A、アサリ歯Bについてはアサリの振出しを行う前の歯高HA 、HB は基準線KLに対してほぼ同一だがアサリ歯Cについては歯高HC が低く異なっている。
【0072】
この鋸刃では、1グループに、1個の直歯Aと、アサリ幅の小さな2個のアサリ歯Bと、アサリ幅の大きな2個のアサリ歯Cを有している。直歯Aは左右の振れが小さいので直進性向上のために図10(A)に示されているように、歯角βA を小さくして食込み性を改善している。
【0073】
アサリ歯Cはアサリ幅が最も大きいので左右の振れが大きく、チッピングや歯欠けを生じやすいので歯先強度を高めるために図10(C)に示されているように、歯角βC を大きくしてある。また、アサリ歯Bはアサリ幅が比較的小さいので図10(B)に示されているように、歯角βB を歯角βA と歯角βC の中間にしてあるが、この歯角βB を歯角βA と同じ大きさにしてもよい(βC >βB ≧βA )。
【0074】
具体的には、歯角βA を40度〜50度とし、特に44度〜49度が好ましい。歯角βB は40度〜55度で、特に45度〜50度が好ましい。また、歯角βC は45度〜75度で、特に48度〜67度が好ましい。
【0075】
なお、前述のようにアサリ幅として2種類の幅を設定したが、1グループを5個以上の歯で構成して3種類以上の幅を設定しても良い。このとき、βB ≧βA の関係を満たしていればその他のアサリ歯C、D、E……(D,E……は図示省略)において、アサリ幅の大きな歯程歯角βを大きくするように設けても良い。すなわち、その他のアサリ歯C、D、E……の歯角をβC 、βD 、βE ……としたときに、(βC ≧βD ≧βE ……)>βB ≧βA の関係にあるようにしてもよい。
【0076】
また、各歯の配置の順番は任意に実施可能であるが、同一グループ中に同じアサリ幅の歯が左右一対になっていなければならない。
【0077】
また、ここで説明した鋸刃11では2種類の歯高の差異のある場合について説明したが、2種類以上の歯高であっても同様である。
【0078】
次に、図11(A)、(B)、(C)には、前述の図7(A)、(B)、(C)における歯高HC の低いアサリ歯Cの配置を変えた場合を示してあり、図12(A)、(B)、(C)〜図14(A)、(B)、(C)は、前述の図8(A)、(B)、(C)〜図10(A)、(B)、(C)に相当する図が示してある。また、図15(A)、(B)、(C)には、さらに図7(A)、(B)、(C)における歯高HC の低いアサリ歯Cの配置を変えた場合を示し、図16(A)、 (B)、(C)〜図18(A)、(B)、(C)は、前述の図8(A)、(B)、(C)〜図10(A)、(B)、(C)に相当する図が示してある。
【0079】
以上の結果から、直歯Aは切断(切削)時に左右に振られることなく切込みを行うため、他のアサリ歯B、C……の案内的役割を果たすが、直歯Aの逃げ角αA を大きくし、またはスクイ角θを大きくし、あるいは歯角βを小さく設けてあるので食込み性がよくなると共に直進性が向上する。このため、高精度の切削が可能になる。
【0080】
また、アサリ幅が大きいアサリ歯B、C……は逃げ角αやスクイ角θを小さくし、あるいは歯角βを大きく設けてあるので歯先の強度が増し、切削時に左右に振られてもチッピングや歯欠けを生じにくい。このため、鋸刃の寿命を延ばすことができる。
【0081】
また、図19を参照するに、ここでは、前述の鋸刃1、3、5、7、9、11の全ての鋸刃について、直歯Aおよびアサリ歯B、C、……のスクイ面13および逃げ面15の直線部分において、直歯Aまたはアサリ歯B、C、……の歯先17から所定の高さ(図19においてはa)位置に基準線KLを設定する。この基準線KLが直歯Aまたはアサリ歯B、C、……を横切る歯幅をXA 、またはXB 、XC 、……とすると、歯先強度は歯幅にほぼ比例すると考えられる。
【0082】
また、各鋸刃におけるスクイ角θ、逃げ角α、歯角βは図19に示されるようにθ+α+β=90度であることから、歯幅Xは X=a{tan (β+θ)−tan θ}となることがわかる。
【0083】
従って、直歯A、アサリ幅の小さなアサリ歯B、その他のアサリ歯C、D、……について歯幅Xを、XA ≦XB <(XC ≦XD ≦XE ……)と設定することにより、アサリ幅が大きいアサリ歯B、C……は歯幅XB 、XC 、……を大きくしてあるので歯先の強度が増し、切削時に左右に振られてもチッピングや歯欠けを生じにくい。このため、鋸刃の寿命を延ばすことができる。
【0084】
なお、最もアサリ幅の小さいアサリ歯のアサリ幅が他のアサリ歯のアサリ幅に近い場合は、歯幅Xを
A <XB ≦(XC ≦XD ≦XE ……)
と設定する方が好ましい。
【0085】
また、図20を参照するに、スクイ面19は直線だが、逃げ面21の歯先23に近い部分が曲率半径Rの円弧状となっている場合には、歯先逃げ角αを歯先23における円弧部分の接線CLと歯先ラインBLとのなす角度αと考えることにより、前述の実施の形態に示した場合と全く同様に考えられる。このとき、円弧部分の中心位置Zは、接線CLと歯先23において接線CLに直交する直線AL上で歯先23から曲率半径Rの位置にある。
【0086】
歯角βについても同様に接線CLとスクイ面19のなす角度と考えることにより前述の実施の形態と全く同様になる。ここで、円弧部分の曲率半径Rが無限大になった場合が前述した場合に該当する。
【0087】
従って、中心位置Zと歯先23を結ぶ直線ALと接線CLは直交することから、歯角β、スクイ角θ、逃げ角αの関係は、β+θ+α=90°の関係が維持されていることがわかる。
【0088】
なお、この発明は前述の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明による鋸刃では、直歯と複数個のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯先逃げ角を大きくして食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯先逃げ角を小さくすることによりチッピングや歯欠けを防止して鋸刃の寿命を延ばすことができる。
【0090】
アサリ幅の大きいアサリ歯ほど歯先逃げ角を小さくしているので、歯角が大きくなり剛性が大きくなる。よって、切削加工時の鋸刃の厚み方向の分力に対する剛性が大きくなり、切削精度がより向上する。
【0091】
請求項2の発明による鋸刃では、直歯と複数個のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯先スクイ角を大きくして食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯先スクイ角を小さくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止して鋸刃の寿命を延ばすことができる。
【0092】
アサリ幅の大きいアサリ歯ほど歯先スクイ角を小さくしているので、歯角が大きくなり剛性がより大きくなる。よって、切削加工時の鋸刃の厚み方向の分力に対する剛性が大きくなり、切削精度がより向上する。
【0093】
請求項3の発明による鋸刃では、直歯と複数個のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯角を小さくして食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯角を大きくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止して鋸刃の寿命を延ばすことができる。
【0094】
アサリ幅の大きいアサリ歯ほど歯角を大きくしているので、剛性がより大きくなる。よって、切削加工時の鋸刃の厚み方向の分力に対する剛性が大きくなり、切削精度がより向上する。
【0095】
請求項4の発明による鋸刃では、直歯と複数のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯先逃げ角を大きくして食込み性を改善することができる。また、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯先逃げ角を小さくすることによりチッピングや歯欠けを防止して鋸刃の寿命を延ばすことができる。また、先行歯が切削した切削部をこの先行歯の歯高よりも低い歯高を有する後続歯がさらに拡開するので、直進性が向上して高精度の切削が可能になる。
【0096】
請求項5の発明による鋸刃では、直歯と複数のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯先スクイ角を大きくして食込み性を改善することができる。また、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯先スクイ角を小さくすることによりチッピングや歯欠けを防止して鋸刃の寿命を延ばすことができる。また、先行歯が切削した切削部をこの先行歯の歯高よりも低い歯高を有する後続歯がさらに拡開するので、直進性が向上して高精度の切削が可能になる。
【0097】
請求項6の発明による鋸刃では、直歯と複数のアサリ歯を1グループとして鋸刃を構成し、左右の振れが少ない直歯の歯角を小さくして食込み性を改善することができる。また、左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯については歯角を大きくすることによりチッピングや歯欠けを防止して鋸刃の寿命を延ばすことができる。また、先行歯が切削した切削部をこの先行歯の歯高よりも低い歯高を有する後続歯がさらに拡開するので、直進性が向上して高精度の切削が可能になる。
【0098】
請求項7の発明による鋸刃では、左右の振れが少ない直歯の歯先逃げ角を最もアサリ幅の小さなアサリ歯の歯先逃げ角よりも大きくして食込み性を改善することができる。また、アサリ幅が大きくなるにつれて左右の振れが大きくなるので、アサリ幅が大きくなるほど歯先逃げ角を小さくすることによりチッピングや歯欠けを防止することができる。
【0099】
請求項8の発明による鋸刃では、左右の振れが少ない直歯の歯先スクイ角を最もアサリ幅の小さなアサリ歯のスクイ角より大きくして食込み性を改善することができる。また、アサリ幅が大きくなるにつれて左右の振れが大きくなるので、アサリ幅が大きくなるほど歯先スクイ角を小さくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止する。
【0100】
請求項9の発明による鋸刃では、左右の振れが少ない直歯の歯角を最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯角よりも小さくして食込み性を改善することができる。また、アサリ幅が大きくなるにつれて左右の振れが大きくなるので、アサリ幅が大きくなるほど歯角を大きくすることにより歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止することができる。
【0101】
請求項10の発明による鋸刃では、左右の振れが少ない直歯の歯幅よりも左右の振れが大きくなるアサリ幅の大きなアサリ歯について歯幅を大きくすることにより歯先強度を高めているので、チッピングや歯欠けを防止することができる。
【0102】
請求項11による発明の鋸刃では、最もアサリ幅の小さいアサリ歯のアサリ幅が他のアサリ歯のアサリ幅に近い場合に効果を奏するものである。従って、左右の振れが少ない直歯の歯幅を最も小さくして、食込み性を改善すると共に、左右の振れが大きくなるアサリ歯について歯幅を大きくすることにより、歯先強度を高めてチッピングや歯欠けを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)(C)は、本発明の第1実施の形態である鋸刃の歯先部を示す拡大図である。
【図2】歯先における逃げ角、歯角、スクイ角の関係を示す説明図である。
【図3】逃げ角、歯角、スクイ角と歯先強度、食込み性との関係を示す説明図である。
【図4】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図5】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図6】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図7】(A)(B)(C)は、本発明の第2実施の形態である鋸刃の歯先部を示す拡大図である。
【図8】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図9】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図10】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図11】(A)(B)(C)は、本発明の他の実施の形態である鋸刃の歯先部を示す拡大図である。
【図12】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図13】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図14】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図15】(A)(B)(C)は、本発明の他の実施の形態である鋸刃の歯先部を示す拡大図である。
【図16】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図17】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図18】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図19】鋸刃の歯先における逃げ角、歯角及びスクイ角の関係を示す拡大図である。
【図20】歯先の逃げ面が円弧状に形成されている場合における逃げ角、歯角、スクイ角の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1、3、5、7、9、11 鋸刃
A 直歯
B、C、D…… アサリ歯
H 歯高
α 歯先逃げ角
β 歯角
θ 歯先スクイ角
W ワークピース

Claims (11)

  1. 少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯の歯先逃げ角が、最もアサリ幅の小さなアサリ歯の歯先逃げ角と等しいかまたは大きく、且つアサリ幅の大きなアサリ歯ほど歯先逃げ角が小さいことを特徴とする鋸刃。
  2. 少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯の歯先スクイ角が、最もアサリ幅の小さなアサリ歯の歯先スクイ角と等しいかまたは大きく、且つアサリ幅の大きなアサリ歯ほど歯先スクイ角が小さいことを特徴とする鋸刃。
  3. 少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯の歯角が、アサリ幅の最も小さなアサリ歯の歯角と等しいかまたは小さく、且つアサリ幅の大きなアサリ歯ほど歯角が大きいことを特徴とする鋸刃。
  4. ワークピースの切削に際して先行して切削を行う複数の先行歯と、この先行歯が切削した切削部を拡開するための複数の後続歯とを1グループとして有し、前記先行歯は少なくとも1個の直歯と各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記後続歯は各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記先行歯の歯高寸法が前記後続歯の歯高寸法よりも大きく且つ前記後続歯のアサリ幅が前記先行歯のアサリ幅よりも大きい鋸刃であって、前記直歯の歯先逃げ角をαA 、前記先行歯に含まれるアサリ歯の歯先逃げ角をαB 、前記後続歯に含まれるアサリ歯の歯先逃げ角αC としたときに、αA ≧αB >αC であることを特徴とする鋸刃。
  5. ワークピースの切削に際して先行して切削を行う複数の先行歯と、この先行歯が切削した切削部を拡開するための複数の後続歯とを1グループとして有し、前記先行歯は少なくとも1個の直歯と各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記後続歯は各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記先行歯の歯高寸法が前記後続歯の歯高寸法よりも大きく且つ前記後続歯のアサリ幅が前記先行歯のアサリ幅よりも大きい鋸刃であって、前記直歯の歯先スクイ角をθA 、前記先行歯に含まれるアサリ歯の歯先スクイ角をθB 、前記後続歯に含まれるアサリ歯の歯先スクイ角をθC としたときに、θA ≧θB >θC であることを特徴とする鋸刃。
  6. ワークピースの切削に際して先行して切削を行う複数の先行歯と、この先行歯が切削した切削部を拡開するための複数の後続歯とを1グループとして有し、前記先行歯は少なくとも1個の直歯と各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記後続歯は各々左右方向へ屈曲した少なくとも一対のアサリ歯を有し、前記先行歯の歯高寸法が前記後続歯の歯高寸法よりも大きく且つ前記後続歯のアサリ幅が前記先行歯のアサリ幅よりも大きい鋸刃であって、前記直歯の歯角をβA 、前記先行歯に含まれるアサリ歯の歯角をβB 、前記後続歯に含まれるアサリ歯の歯角をβC としたときに、βC >βB ≧βA であることを特徴とする鋸刃。
  7. 少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、直歯の歯先逃げ角をαA 、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯先逃げ角をαB 、その他のアサリ歯の歯先逃げ角をαC 、αD 、αE ……としたときに、αA ≧αB >(αC ≧αD ≧αE ≧……)であることを特徴とする鋸刃。
  8. 少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、直歯の歯先スクイ角をθA、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯先スクイ角をθB 、その他のアサリ歯の歯先スクイ角をθC 、θD 、θE ……としたときに、θA ≧θB >(θC ≧θD ≧θE ≧……)であることを特徴とする鋸刃。
  9. 少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、直歯の歯角をβA 、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯角をβB 、その他のアサリ歯の歯角をβC 、βD 、βE ……としたときに、(βC ≧βD ≧βE ≧……)>βB ≧βA であることを特徴とする鋸刃。
  10. 少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯およびアサリ歯のスクイ面および逃げ面の直線部分において前記直歯またはアサリ歯の歯先から所定の高さに設定した基準線位置における直歯の歯幅をXA 、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯幅をXB 、その他のアサリ歯の歯幅をXC 、XD 、XE ……としたときに、XA ≦XB < (XC ≦XD ≦XE ……)であることを特徴とする鋸刃。
  11. 少なくとも1つの直歯と各々左右方向へ屈曲した複数個のアサリ歯を1グループとして有し、この複数個のアサリ歯のアサリ幅が複数設けられている鋸刃であって、前記直歯およびアサリ歯のスクイ面および逃げ面の直線部分において前記直歯またはアサリ歯の歯先から所定の高さに設定した基準線位置における直歯の歯幅をXA 、最もアサリ幅の小さいアサリ歯の歯幅をXB 、その他のアサリ歯の歯幅をXC 、XD 、XE ……としたときに、XA <XB ≦ (XC ≦XD ≦XE ……)であることを特徴とする鋸刃。
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