JP2017121688A - スパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工具寿命を延ばすことが可能なスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法を提供する。【解決手段】スパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法は、被加工面を有するワーク、および内刃と外刃とからなる刃群を有するツール、の双方を同期回動させながら前記被加工面に歯を前記刃群による切削加工によって創成するスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法であって、前記切削加工の開始から終了までにおける、前記内刃による切削によって生じる切りくずの厚さと、前記外刃による切削によって生じる切りくずの厚さと、が略等しくかつ変動幅が小さくなるように、前記切削加工中における前記ツールの回動軸の前記ワークの回動軸に対する相対移動を示す送りベクトル定める。【選択図】図4

Description

本発明は、創成加工を用いたスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法に関する。
スパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法として、例えば米国特許第4981402号公報に開示されているギヤ製造装置を用いた方法が知られている。当該製造方法では、スパイラルベベルギヤカッタ等と称される切削加工用の刃を備えるツールと、ワークとを同期して回転させながら接触させ、1度のツールの送り動作によって複数の歯溝を形成する。
また、特表平8−508209号公報には、前述のツールを用いたギヤの製造方法において、ワーク水平面(ワーク回転軸に直交する面)およびツール回転軸に平行な2成分を有するベクトルでツールを送ることによって、歯溝の両側面を切削する一対の刃の切り込み量の差を無くし、一対の刃にかかる負荷を均一化することで工具寿命を延ばす方法が開示されている。
米国特許第4981402号公報 特表平8−508209号公報
しかしながら、特表平8−508209号公報に開示されているように、歯溝の両側面を切削する一対の刃の切り込み量の差を無くしたとしても、一対の刃のすくい角が切削加工の開始から終了までの期間中において変化するため、実際には一対の刃にかかる負荷に差が生じてしまい、一対の刃の片方が先に損耗する場合がある。
本発明は前述した問題を解決するものであり、工具寿命を延ばすことが可能なスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様のスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法は、円錐状の被加工面を有するワーク、および内刃と外刃とからなる刃群を複数有するスパイラルベベルギヤカッタであるツール、の双方を同期回動させながら前記ツールの回動軸を前記ワークの回動軸に対して相対的に移動させることによって、前記被加工面にスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの歯を前記刃群による切削加工によって歯切りするスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法であって、前記切削加工の開始から終了までにおける、前記内刃による切削によって生じる切りくずの厚さと、前記外刃による切削によって生じる切りくずの厚さと、が略等しくかつ変動幅が小さくなるように、前記切削加工中における前記ツールの回動軸の前記ワークの回動軸に対する相対移動を示す送りベクトル定める。
本発明によれば、工具寿命を延ばすことが可能なスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法を提供可能である。
スパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの歯を、創成加工により被加工物であるワークに形成する方法の概略を示す図である。 スパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの歯を、創成加工により被加工物であるワークに形成する方法の概略を示す図である。 ワークの歯幅方向に直交する平面による断面を示し、歯溝の形成位置に対する刃群の移動の様子を示す図である。 送りベクトルの決定方法のフローチャートである。 切削加工の2次元切削モデルを示す図である。 すくい角算出工程によって得られる、第1すくい角および第2すくい角の一例を示すグラフである。 刃幅方向に平行な断面における、刃群の移動軌跡の変化の様子を示す図である。
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
本実施形態に係るスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法(以下、単に「ギヤの製造方法」と称する)は、スパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤ等の略弧状の歯形を有する傘歯車の歯を、創成加工により被加工物であるワークに形成する方法である。
図1および図2は、スパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの歯を、創成加工により被加工物であるワーク10に形成する方法の概略を示す図である。
本実施形態のギヤの製造方法では、切削加工用の刃を備えるツール11と、ワーク10とを同期して回転させながら接触させ、ツール11が備える刃によってワーク10に複数の歯溝10bを形成する。以下では、本実施形態のギヤの製造方法によってワーク10に複数の歯溝10bを形成する工程を歯切り工程と称する。
歯切り工程が行われる前のワーク10には、円錐形状の被加工面10aが設けられている。被加工面10aは、歯切り工程の実行によって歯溝10bが彫設される面である。すなわち、被加工面10aは、歯切り工程実行後にワーク10に形成されるギヤの歯先となる面である。
ツール11は、スパイラルベベルカッタ、スパイラルベベルギヤカッタ等と称される公知の歯切り用工具である。ツール11は、歯切り工程を実行する図示しないギヤ製造装置に固定される円盤状のホルダ11aを備えている。ギヤ製造装置は、例えば米国特許第4981402号に開示されているように公知であるため、説明を省略する。
ホルダ11aは、ギヤ製造装置によってT軸周りに回動可能に保持される。なお、図1および図2において示した座標系O−XYZは、ギヤ製造装置に固定された座標系であり、T軸はZ軸と平行である。
ホルダ11aには、1つの内刃(インサイド・ブレード)11iおよび1つの外刃(アウトサイド・ブレード)11oからなる刃群11gが複数設けられている。複数の刃群11gは、T軸を中心とした円周上に配置されている。
図1では、説明のため、ツール11が有する複数の刃群11gのうちの1つの刃群11gのみを示している。刃群11gにおいて、内刃11iは、T軸を中心とした径方向内側に切削刃を有し、外刃11oは、径方向外側に切削刃を有する。
ギヤ製造装置は、前述のワーク10を、円錐形状である被加工面10aの中心軸周りに回動可能に保持する。ギヤ製造装置においてワーク10が回動する軸をW軸と称するものとする。W軸は、T軸に直交する平面(X−Y平面)と、所定の角度である交差角度θで交差する。
ギヤ製造装置は、T軸を、X軸およびY軸に平行に移動させることが可能である。また、ギヤ製造装置は、W軸を、Z軸に平行に移動させることが可能であるとともに、W軸とT軸に直交する平面(X−Y平面)との交差角度θを変更することが可能である。
歯切り工程では、ワーク10をW軸周りに回動させ、ツール11をT軸周りに回動させる。図1に示す例では、ワーク10を矢印Aの方向にW軸周りに回動させ、ツール11を矢印Bの方向にT軸周りに回動させる。ここで、ワーク10の回転数とツール11の回転数とは、歯切り工程によって創成するギヤの歯数と、ツールが備える刃群11gの数によって定められる比の関係にある。
そして、ワーク10の回動軸(W軸)に対して、ツール11の回動軸(T軸)を後述する所定の送りベクトルVに沿って相対的に移動させ、刃群11gを被加工面10aに押し付ける方向に移動させる。ワーク10とツール11の双方の回動によって、刃群11gは被加工面10aに対して相対移動していることから、刃群11gが被加工面10aと接触すると、被加工面10aに刃群11gによって溝が彫設される。
被加工面10aのW軸周りの回動運動と刃群11gのT軸周りの回動運動の合成によって、刃群11gは被加工面10aに対して外サイクロイド曲線に沿った軌跡で相対移動している。このため、刃群11gの通過によって被加工面10aに彫設される溝は弧状となる。
この後、ワーク10とツール11は、所定の比率の回転数で同期して回転しており、かつツール11が送りベクトルVに沿って進行していることから、複数の刃群11gのうちのいずれかが、前回の刃群11gの通過時よりも溝の底面側にシフトした軌跡で溝内を通過し、溝の両側面および底面を切削する。このように、ツール11をワーク10に対して送りベクトルVに沿って相対的に移動させることによって、刃群11gが溝内を複数回通過し、被加工面10aに形成される溝の深さが増していく。そして、ツール11のワーク10に対する相対移動が送りベクトルVの終端に達すると、歯切り工程によって創成するギヤの弧状の歯溝10bが形成される。
図3は、歯切り工程によって切削加工される歯溝10bの、歯幅方向に直交する平面による断面を示し、歯溝10bの形成位置に対する刃群11gの移動の様子を示す図である。図3において、紙面に直交する方向が歯幅方向Cであり、紙面に正対して左右方向が歯厚方向Dであり、紙面に正対して上下方向が歯たけ方向Eである。
図3に示すように、歯溝10bに対して固定された断面に着目すると、当該断面を所定の時間間隔で繰り返し通過する刃群11gは、通過する度に送りベクトルVを当該断面に投影した成分に沿った方向に進行する。
ワーク10とツール11は、所定の比率の回転数で同期して回転しており、かつツール11にはT軸周りに複数の刃群11gが所定の間隔で設けられていることから、被加工面10aには、複数の歯溝10bが周方向に所定の間隔で形成される。そして、被加工面10aの隣接する歯溝10bに挟まれた部位が、歯切り工程によって創成するギヤの弧状の歯10cとして残される。
歯幅方向に弧状である歯10cは、歯たけ方向から見た場合に凸形状の歯面である凸面10dと、凹形状の歯面である凹面10eを有する。凸面10dは、内刃11iによる切削により形成される面であり、凹面10eは、外刃11oによる切削により形成される面である。
このように、ワーク10に対するツール11の送り移動を1度行うことで、ワーク10に所定のギヤが創成される。
次に、本実施形態のギヤの製造方法における、送りベクトルVの決定方法について説明する。図4は、本実施形態のギヤの製造方法における、送りベクトルVの決定方法のフローチャートである。
本実施形態では、前記歯切り工程における切削加工の開始から終了までにおける、内刃11iによる切削によって生じる切りくずの厚さと、外刃11oによる切削によって生じる切りくずの厚さと、が略等しくかつ変動幅が小さくなるように、送りベクトルVを定める。
具体的には、まずステップS01において、送りベクトルVとして、仮の送りベクトルVtを定める。仮の送りベクトルVtは、例えば、T軸と平行な直線形状である。
次に、ステップS02において、すくい角算出工程を実行する。すくい角算出工程では、現在設定されている送りベクトルVによって前記歯切り工程を行う場合における、切削加工の開始から終了までの、内刃11iが凸面10dを切削する際のすくい角である第1すくい角α1と、外刃11oが凹面10eを切削する際のすくい角である第2すくい角α2と、を算出する。すくい角αとは、図5に示すような2次元の切削モデルにおいては、ワーク20の切削加工が行われる表面20aの法線と、切削工具21のすくい面21aとの間の角度である。
第1すくい角α1および第2すくい角α2の算出は、現在設定されている送りベクトルV、製造するギヤの諸元および前記ギヤの製造に用いるツール11の諸元の情報に基づいて行われる。
すくい角算出工程によって得られる、第1すくい角α1および第2すくい角α2の算出結果の一例を図6に示す。図6は、送りベクトルVをT軸と平行な直線形状とした場合の一例を示している。図6において、横軸は時間tを示し、t=0が切削加工の開始時刻、t=t1が切削加工の終了時刻である。また、図6において、縦軸はすくい角αを示す。
図6に示す例では、内刃11iの第1すくい角α1は、切削加工が開始から終了に向かうにつれて、徐々に大きくなる。言い換えれば、刃群11gによる被加工面10aへの切り込み量が増えるほど、内刃11iの第1すくい角α1は大きくなる。一方、外刃11oの第2すくい角α2は、切削加工が開始から終了に向かうにつれて、徐々に小さくなる。言い換えれば、刃群11gによる被加工面10aへの切り込み量が増えるほど、外刃11oの第2すくい角α2は小さくなる。
次に、ステップS03において、切り込み量算出工程を実行する。切り込み量算出工程では、現在設定されている送りベクトルVによって前記歯切り工程を行う場合における、切削加工の開始から終了までの、内刃11iの凸面10dへの切り込み量h1と、外刃11oの凹面10eへの切り込み量h2と、を算出する。切り込み量hとは、図5に示すように、ワーク20の表面20aから、切削工具21によって切削する深さである。
次に、ステップS04において、せん断角算出工程を実行する。せん断角算出工程では、現在設定されている送りベクトルVによって前記歯切り工程を行う場合における、切削加工の開始から終了までの、内刃11iによる切削におけるせん断角である第1せん断角φ1と、外刃11oによる切削におけるせん断角である第2せん断角φ2と、を算出する。
せん断角φは、図5に示す2次元の切削モデルにおいては、せん断角φは、次式によって算出される。次式において、fは切りくず厚さ、hは切り込み量、αはすくい角である。
cotφ=(f/h)・secα−tanα
なお、切りくず厚さfは、切削加工のシミュレーションソフトをコンピュータによって実行することによって得られる。また、切りくず厚さfは、実際に切削加工を行うことによって取得してもよい。
次に、ステップS05において、合否判定工程を実行する。合否判定工程では、所定の判定基準に基づいて、ステップS04の結果において、第1せん断角φ1および第2せん断角φ2が略等しく、かつ変動幅が十分に小さい場合に、現在設定されている送りベクトルVが、実際のギヤの製造に用いることが可能であると判定する。
具体的には、合否判定工程では、まず、ステップS04の結果に基づいて、現在設定されている送りベクトルによって前記歯切り工程を行う場合における、第1せん断角φ1の平均値φ1aveと、第2せん断角第2の平均値φ2aveと、を算出する。そして、第1せん断角φ1の平均値φ1aveと、第2せん断角第2の平均値φ2aveとの差の絶対値が、所定の第1の閾値以下であれば、第1せん断角φ1および第2せん断角φ2が略等しいと判定する。
また、合否判定工程では、まず、ステップS04の結果に基づいて、現在設定されている送りベクトルVによって前記歯切り工程を行う場合における、第1せん断角φ1の最大値と最小値との差である第1変動幅Δφ1と、第2せん断角φ2の最大値と最小値との差である第2変動幅Δφ2と、を算出する。そして、第1変動幅Δφ1および第2変動幅Δφ2の双方の値が、所定の第2の閾値以下であれば、第1せん断角φ1および第2せん断角φ2の変動幅が十分に小さいと判定する。
もし、ステップS05において第1せん断角φ1および第2せん断角φ2が略等しく、かつ変動幅が十分に小さいと判定した場合には、ステップS07に移行して、現在設定されている送りベクトルVを、実際のギヤの製造に用いる送りベクトルとして採用する。
一方、ステップS05において第1せん断角φ1および第2せん断角φ2が略等しくない、または、変動幅が十分に小さくないと判定した場合には、ステップS06に移行する。
ステップS06では、送りベクトル変更工程を実行する。送りベクトル変更工程では、現在設定されている送りベクトルVに修正を加える修正ベクトルVcを算出し、送りベクトルVに修正ベクトルVc合成して得られたベクトルを新たな送りベクトルVとして設定する。
ここで、修正ベクトルVcとは、第1せん断角φ1の平均値φ1aveと、第2せん断角第2の平均値φ2aveとの差の絶対値が小さくなる傾向、および/または、第1変動幅Δφ1および第2変動幅Δφ2の値が小さくなる傾向を、現在設定されている送りベクトルVに含ませるものである。
例えば、切削加工中に、ワーク10の回動軸(W軸)に対して、ツール11の回動軸(T軸)をT軸に直交する平面に沿って移動させることによって、切削加工の開始から終了までにおいて、内刃11iの切り込み量h1および外刃11oの切り込み量h2を変動させることができる。
内刃11iの第1すくい角α1が、図6に示すように切削加工の開始から終了までにおいて、徐々に大きくなる傾向である場合には、内刃11iの切り込み量h1を切削加工の開始から終了までにおいて徐々に大きくすることによって、第1せん断角φ1の第1変動幅Δφ1を小さくすることができる。また、外刃11oの第2すくい角α2が、図6に示すように切削加工の開始から終了までにおいて、徐々に小さくなる傾向である場合には、外刃11oの切り込み量h2を切削加工の開始から終了までにおいて徐々に小さくすることによって、第2せん断角φ2の第2変動幅Δφ2を小さくすることができる。
また、内刃11iの切り込み量h1と外刃11oの切り込み量h2の比率を変更することによって、第1せん断角φ1の平均値φ1aveと、第2せん断角第2の平均値φ2aveとの差を変化させることができる。
そして、ステップS06において新たに設定した送りベクトルVを用いて、前述のステップS02からステップS05を繰り返す。このように、本実施形態では、S02からステップS06を繰り返すことによって、第1せん断角φ1および第2せん断角φ2が略等しく、かつ変動幅が十分に小さい送りベクトルVを算出する。そしてこの送りベクトルVを用いて、ギヤを製造する。
歯切り工程における切削加工の開始から終了までにおいて、内刃11iの第1せん断角φおよび外刃11oの第2せん断角φ2を略等しく、かつ変動幅が十分に小さくすることによって、内刃11iによる切削によって生じる切りくずの厚さと、外刃11oによる切削によって生じる切りくずの厚さと、を略等しくかつ変動幅を小さくすることができる。
内刃11iによる切削によって生じる切りくずの厚さと、外刃11oによる切削によって生じる切りくずの厚さと、が略等しくかつ変動幅が小さいということは、歯切り工程を実行する際に内刃11iおよび外刃11oに加えられる負荷が略同等であるということである。したがって、本実施形態のギヤの製造方法によれば、内刃11iおよび外刃11oの損耗の進行を均一化し、刃群11gの寿命を延ばすことが可能となる。
なお、切削加工の開始時の内刃11iの切り込み量h1および/または外刃11oの切り込み量h2を大きくすると、切削時に内刃11iおよび/または外刃11oに加わる負荷が、ワーク10やツール11の剛性に比して大きくなってしまい、内刃11iおよび/または外刃11oとワーク10との間に生じる摩擦が過大となる場合がある。内刃11iおよび/または外刃11oとワーク10との間に生じる摩擦が過大となると、刃群11gの寿命を短くする原因となる。
そこで、本実施形態のギヤの製造方法では、図7に示すように、歯切り工程における切削加工の開始から終了までにおいて、T軸に直交する平面とW軸との交差角度θを変更する。図7は、本実施形態のギヤの製造方法において、歯溝10bの形成位置の刃幅方向に平行な断面における、刃群11gの移動軌跡の変化の様子を示す図である。前述のように、T軸とはツール11の回動軸であり、W軸とはワーク10の回動軸である。
図7に示す例では、切削加工の開始から所定の時刻が経過するまでの期間における刃群11gの移動軌跡を、被加工面10aに対して所定の角度だけ傾斜させることによって、刃群11gがワーク10を切削する距離を、歯溝10bの長さよりも短くしている。図7において、二点鎖線が、切削加工時の刃群11gの移動軌跡示しており、符号L1を付した被加工面10aから最も浅い位置を通る二点鎖線が、切削加工の開始時の刃群11gの移動軌跡である。切削加工の開始から時間が経過して刃群11gが歯溝10bとなる部分を通過する回数が増すにつれて、刃群11gの移動軌跡は徐々に被加工面10aから深い位置を通り、かつ歯溝10bの歯底と平行となる。
このように、切削加工の開始時点における刃群11gによる切削距離を短くすることによって、切削加工の開始時に刃群11gとワーク10との間に生じる加工負荷を低減することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うギヤの製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10 ワーク、
10a 被加工面、
10b 歯溝、
10c 歯、
10d 凸面、
10e 凹面、
11 ツール、
11g 刃群、
11i 内刃、
11o 外刃、
20 2次元切削モデルにおけるワーク、
21 2次元切削モデルにおけるツール(切削工具)、
f 切りくず厚さ、
h 切り込み量
V 送りベクトル、
α すくい角、
θ 交差角度、
φ せん断角。

Claims (3)

  1. 円錐状の被加工面を有するワーク、および内刃と外刃とからなる刃群を複数有するスパイラルベベルギヤカッタであるツール、の双方を同期回動させながら前記ツールの回動軸を前記ワークの回動軸に対して相対的に移動させることによって、前記被加工面にスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの歯を前記刃群による切削加工によって歯切りするスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法であって、
    前記切削加工の開始から終了までにおける、前記内刃による切削によって生じる切りくずの厚さと、前記外刃による切削によって生じる切りくずの厚さと、が略等しくかつ変動幅が小さくなるように、前記切削加工中における前記ツールの回動軸の前記ワークの回動軸に対する相対移動を示す送りベクトル定める
    ことを特徴とするスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法。
  2. 前記切削加工の開始から終了までにおける、前記内刃による切削におけるすくい角である第1すくい角と、前記外刃による切削におけるすくい角である第2すくい角と、の変化を算出するすくい角算出工程と、
    前記第1すくい角および前記第2すくい角の算出結果に基づき、前記切削加工の開始から終了までにおける、前記内刃による切削におけるせん断角である第1せん断角と、前記外刃による切削におけるせん断角である第2せん断角とが略等しく、かつ変動幅が小さくなるように、前記送りベクトル定める送りベクトル算出工程と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法。
  3. 前記切削加工の開始から終了までにおいて、前記ツールの回動軸に直交する平面と前記ワークの回動軸との交差角度を変化させることによって、前記切削加工の開始から所定の期間は、前記刃群の移動軌跡を前記被加工面に対して傾斜させて前記刃群による切削距離を短くすることを特徴とする請求項2に記載のスパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法。
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