JP2018008331A - 工作機械の変位量確認用加工方法及び変位量確認用工作物 - Google Patents
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Abstract
【課題】たとえば旋盤等といった被加工物を回転させて加工するタイプの工作機械において実行することができる工作機械の変位量確認用加工方法を提供する。
【解決手段】回転軸方向に直交する断面において、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なる被加工物に対し、その周面への工具の切込量を一定として加工するといった工程を、所定時間毎に回転軸方向での位置をずらしながら繰り返し行い、試験加工部22が設けられた変位量確認用工作物20を得る。そして、試験加工部22に残された切削跡の長さにより、工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量を確認する。
【選択図】図5
【解決手段】回転軸方向に直交する断面において、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なる被加工物に対し、その周面への工具の切込量を一定として加工するといった工程を、所定時間毎に回転軸方向での位置をずらしながら繰り返し行い、試験加工部22が設けられた変位量確認用工作物20を得る。そして、試験加工部22に残された切削跡の長さにより、工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量を確認する。
【選択図】図5
Description
本発明は、加工時における工作機械の変位量を容易に確認する加工方法、及びこの加工方法により得られる変位量確認用工作物に関するものである。
工作機械で加工を行うと、工作機械自体での機械発熱や設置環境の温度変化等の影響により、工作機械の各部に熱変形が生じる。そして、その熱変形は、工具とワークとの相対位置を変化させることになるため、加工精度を低下させる要因となる。したがって、工作機械に生じる変位量を正確且つ簡易に評価する方法が必要とされている。
一方、工作機械における熱変位測定方法は、従来より日本工業規格JIS等で規定されており、広く実施されている。この従来周知の熱変位測定方法の一例であり、マシニングセンタでの熱変位測定方法について、図1にもとづき簡略に説明する。
1は熱変位計取付具であって、図示しないマシニングセンタのテーブル上に固定されている。この熱変位計取付具1には、X方向に上下2箇所、Y方向に上下2箇所、及びZ方向に1箇所の合計5箇所に変位計3〜7が取り付けられている。また、図示しないマシニングセンタの主軸には、テストバー2を装着する。そして、テストバー2と変位計3〜7との相対変位を測定することにより、マシニングセンタに生じた熱変位を測定することになる。なお、同様の熱変位計取付具1を刃物台に、テストバー2を主軸に夫々取り付けることで、マシニングセンタではなく、旋盤においても熱変位を測定することができる。
1は熱変位計取付具であって、図示しないマシニングセンタのテーブル上に固定されている。この熱変位計取付具1には、X方向に上下2箇所、Y方向に上下2箇所、及びZ方向に1箇所の合計5箇所に変位計3〜7が取り付けられている。また、図示しないマシニングセンタの主軸には、テストバー2を装着する。そして、テストバー2と変位計3〜7との相対変位を測定することにより、マシニングセンタに生じた熱変位を測定することになる。なお、同様の熱変位計取付具1を刃物台に、テストバー2を主軸に夫々取り付けることで、マシニングセンタではなく、旋盤においても熱変位を測定することができる。
しかしながら、上記従来周知の熱変位測定方法では、測定データを元に作成されたグラフデータしか得ることができず、工作機械の変位量を直接表現することができない。また、変位計の温度ドリフト等といった測定誤差の問題も考えられる。そこで、本件出願人は、実際に加工を行うことによって得られる工作物によって工作機械の変位量を直接調べることができる変位量確認用加工方法を提案した(特許文献1)。
ここで、特許文献1に記載の変位量確認用加工方法について、図2にもとづき簡略に説明する。図2の上側は、工作物10のX−Y平面を示した説明図であり、図2の下側は列t0における加工部分の断面説明図である。
特許文献1に記載の変位量確認用加工方法では、回転工具軸に直交する平面(X−Y平面)を有する被加工物を準備し、この平面に対し、まず時刻t0において切込量を所定ピッチ(ここでは1μm)で変えながら、そのピッチ毎に加工箇所を右側へ移動させて複数回実施する列加工を行う。また、機械発熱や室温等が異なる時刻t1〜時刻t6においても、同様に切込量を所定ピッチで変えながら、そのピッチ毎に加工箇所を右側へ移動させて複数回実施する列加工を行う。これにより、加工跡として溝8、8・・が残ったり、点線の四角9、9・・で示すように加工跡が残らなかったりする工作物10が得られるため、その工作物10から工作機械の変位量を直接確認することができることになる。
特許文献1に記載の変位量確認用加工方法では、回転工具軸に直交する平面(X−Y平面)を有する被加工物を準備し、この平面に対し、まず時刻t0において切込量を所定ピッチ(ここでは1μm)で変えながら、そのピッチ毎に加工箇所を右側へ移動させて複数回実施する列加工を行う。また、機械発熱や室温等が異なる時刻t1〜時刻t6においても、同様に切込量を所定ピッチで変えながら、そのピッチ毎に加工箇所を右側へ移動させて複数回実施する列加工を行う。これにより、加工跡として溝8、8・・が残ったり、点線の四角9、9・・で示すように加工跡が残らなかったりする工作物10が得られるため、その工作物10から工作機械の変位量を直接確認することができることになる。
しかしながら、上記特許文献1に記載の変位量確認用加工方法は、たとえばフライス盤やマシニングセンタ、複合加工旋盤等といった工具を回転させて加工するタイプの工作機械のみが適用対象となり、たとえば旋盤等といった被加工物を回転させて加工するタイプの工作機械へ適用することができないといった問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、たとえば旋盤等といった被加工物を回転させて加工するタイプの工作機械において実行することができる工作機械の変位量確認用加工方法、及びこの加工方法により得られる変位量確認用工作物を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、所定の軸周りで回転可能に設置された被加工物に対し、その周面から工具を切り込ませて切削加工する工作機械において、前記工作機械の変位量を確認するための変位量確認用加工方法であって、前記被加工物が、回転軸方向に直交する断面において、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なるものであり、当該被加工物を回転可能に設置する第1工程と、前記被加工物の周面への前記工具の切込量を一定として加工する第2工程と、前記第2工程を所定時間毎に前記回転軸方向での位置をずらしながら繰り返す第3工程とを実行することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、所定の軸周りで回転可能に設置された被加工物に対し、その周面から工具を切り込ませて切削加工する工作機械において、前記工作機械の変位量を確認するための変位量確認用加工方法であって、前記被加工物が、その回転軸方向に直交する断面が、回転軸を中心とした円形とされたものであり、当該被加工物を回転可能に設置する第1工程と、前記被加工物の周面に対し、回転中心から被加工面までの距離が中心角度に応じて異なるような加工を行う第2工程と、前記第2工程を所定時間毎に前記回転軸方向での位置をずらしながら繰り返す第3工程とを実行することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項3に記載の発明は、変位量確認用工作物であって、請求項1又は2に記載の変位量確認用加工方法により得られることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、所定の軸周りで回転可能に設置された被加工物に対し、その周面から工具を切り込ませて切削加工する工作機械において、前記工作機械の変位量を確認するための変位量確認用加工方法であって、前記被加工物が、その回転軸方向に直交する断面が、回転軸を中心とした円形とされたものであり、当該被加工物を回転可能に設置する第1工程と、前記被加工物の周面に対し、回転中心から被加工面までの距離が中心角度に応じて異なるような加工を行う第2工程と、前記第2工程を所定時間毎に前記回転軸方向での位置をずらしながら繰り返す第3工程とを実行することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項3に記載の発明は、変位量確認用工作物であって、請求項1又は2に記載の変位量確認用加工方法により得られることを特徴とする。
本発明によれば、回転軸方向に直交する断面において、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なる被加工物に対し、その周面への工具の切込量を一定として加工するといった工程(請求項1)や、回転軸方向に直交する断面が、回転軸を中心とした円形とされた被加工物の周面に対し、回転中心から被加工面までの距離が中心角度に応じて異なるような加工を行うといった工程(請求項2)を、所定時間毎に回転軸方向での位置をずらしながら繰り返す。したがって、たとえば旋盤等といった被加工物を回転させて加工するタイプの工作機械であるにも拘わらず、得られた工作物から工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量を直接的に、且つ、容易に確認することができる。
以下、本発明の一実施形態となる工作機械の変位量確認用加工方法及び変位量確認用工作物について、図面にもとづき詳細に説明する。
(第1実施例)
まず、回転軸方向に直交する断面において、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なるような被加工物に対し、工具の切込量を一定として加工する(すなわち、工具先端の被加工物に対する相対的な加工軌跡が、回転軸を中心とした円形を描く加工となる)ことにより、工作機械の変位量を確認する方法について説明する。
まず、回転軸方向に直交する断面において、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なるような被加工物に対し、工具の切込量を一定として加工する(すなわち、工具先端の被加工物に対する相対的な加工軌跡が、回転軸を中心とした円形を描く加工となる)ことにより、工作機械の変位量を確認する方法について説明する。
そして、上記被加工物としては、図3に示すように断面が長軸半径a1、短軸半径b1の楕円形とされたものを採用し、楕円の中心を回転中心に一致させた状態で工作機械の主軸に装着する(第1工程)一方、この被加工物に対して、工具の刃先が回転中心(主軸中心)から半径rの位置まで切り込ませるとする。すると、被加工物の表面に、Ps1からPf1にかけて太線で示されるような切削跡が残される。そこで、このときの切削跡の長さについて検討する。主軸中心を原点とすると、被加工物の表面形状は、下記式(1)で表される。
一方、工作機械にx軸方向へΔxの変位が生じていたとすると、工具の刃先の軌跡は、下記式(2)で表される。
そこで、上記式(1)と式(2)とから交点、すなわち削り始めとなるPs1と削り終わりとなるPf1との座標(x、y)を求めると、夫々下記式(3)、式(4)となる。
さらに、削り始めPs1から削り終わりPf1までの角度を2θ1とすると、切削跡の長さL(Δx)は、下記式(5)となり、工作機械の変位Δxの関数になる。
ただし、被加工物における楕円の形状は、被加工物そのものの大きさや想定される工作機械の最大変位等を考慮して設定する必要がある。つまり、この設定が適切でないと、たとえば被加工物の表面に切削跡が残らなくなってしまったり、反対に被加工物の全周にわたって切削跡が残ってしまうような事態が起こり得る。そこで、想定される工作機械の最大の変位幅をΔxmin〜Δxmaxとすると、下記式(6)の条件を満たす必要がある。
そして、上述したようにして得られる切削跡をもとに工作機械の変位量を確認するにあたっては、まず、たとえば工作機械を試験的に動作させる直前等、工作機械が基準となる状態にある状況において、切込量を段階的に変化させつつ上述したような切削加工を繰り返し行う。つまり、図5に示す例で説明すると、基準となる切込量に対して、−0.04mmから切削を開始し、−0.04mm、−0.03m、・・・、0mm、+0.01mm、・・・、+0.04mmと、0.01mm毎に切込量を変化させながら、軸方向に一定幅ずつ回転軸方向へずらして切削していき、被加工物の表面に基準加工部21を得る。なお、この切削加工は、熱変位等の影響を受けないよう短時間のうちに行ってしまう。また、本実施例では、切込量が基準となる切込量そのもの(すなわち、基準となる切込量との差が0mm)での切削に関しては、連続して2回行っているが、当然1回であってもよい。
次に、工作機械を試験的に動作させている合間において、基準となる切込量で被加工物へ切り込ませて一定幅にわたり切削するといった加工(第2工程)を、所定時間毎に切り込み位置を回転軸方向でずらしながら繰り返し行い(第3工程)、被加工物の表面で基準加工部21の隣となる位置に試験加工部22を得る。この試験加工部22での切削に関しては、工作機械が設置されている環境の室温変化、主軸回転や送り軸動作の発熱による熱変位等の影響により工作機械に変位が生じていると考えられる。そして、その変位量も切削する時刻毎に異なることから、同じ切込量で切削するにも拘わらず、図5に示すように切削した時刻に応じて長さの異なる切削跡Lt1、Lt2、Lt3・・が残ることになる。したがって、この試験加工部22における切削跡と基準加工部21における切削跡とを比較することにより、工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量を確認することができる。なお、室温変化等の比較的緩やかな変化にもとづく工作機械の変位量については、たとえば30分〜1時間程度の比較的長い間隔で試験加工部22への切削を行えばよい。一方、主軸回転数を変化させるような場合には、たとえば数分毎といったように比較的短い間隔で試験加工部22への切削を行った方が精度の高いデータを得ることができる。そして、本実施例では、基準加工部21及び試験加工部22を設けられた被加工物が、変位量確認用工作物20ということになる。
以上のような工程を実行する工作機械の変位量確認用加工方法及び変位量確認用工作物20によれば、回転軸方向に直交する断面において、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なる被加工物に対し、その周面への工具の切込量を一定として加工するといった工程を、所定時間毎に回転軸方向での位置をずらしながら繰り返し行い、試験加工部22が設けられた変位量確認用工作物20を得る。そして、試験加工部22に残された切削跡の長さにより、工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量を確認することになる。したがって、たとえば旋盤等といった被加工物を回転させて加工するタイプの工作機械であるにも拘わらず、得られた変位量確認用工作物20から工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量を直接的に、且つ、容易に確認することができる。
また、工作機械が基準となる状態にある状況において、切込量を段階的に変化させつつ上述したような切削加工を短時間で繰り返し行うことにより、被加工物の表面で、試験加工部22の隣に基準加工部21を設ける。したがって、この試験加工部22における切削跡と基準加工部21における切削跡とを比較することにより、工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量をより容易に、且つ、精度高く確認することができる。
(第2実施例)
上記第1実施例では、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なるような被加工物に対し、工具の切込量を一定として加工するとしているが、反対に、回転軸方向に直交する断面が、回転軸を中心とした円形とされた被加工物に対し、回転中心から被加工面までの距離が中心角度に応じて異なるような加工(すなわち、工具先端の被加工物に対する相対的な加工軌跡が、回転軸を中心とした楕円形を描くような加工)を行うことによっても、第1実施例同様に工作機械の変位量を確認することができる。
上記第1実施例では、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なるような被加工物に対し、工具の切込量を一定として加工するとしているが、反対に、回転軸方向に直交する断面が、回転軸を中心とした円形とされた被加工物に対し、回転中心から被加工面までの距離が中心角度に応じて異なるような加工(すなわち、工具先端の被加工物に対する相対的な加工軌跡が、回転軸を中心とした楕円形を描くような加工)を行うことによっても、第1実施例同様に工作機械の変位量を確認することができる。
たとえば、図4に示すように、断面が半径rの円形とされた被加工物に対し、工具の刃先の軌跡が主軸の中心から短軸半径a2、長軸半径b2の楕円を描くような加工を実行する。このとき、工作機械にΔxの変位が生じていたとすると、短軸半径はa2+Δxとなり、長軸半径はb2+Δxとなる。すると、この場合の削り始めPs2から削り終わりPf2までの切削跡の長さL(Δx)は、下記式(7)、式(8)となり、第1実施例同様、工作機械の変位Δxの関数になる。
なお、この加工を行うにあたっての刃先が描く楕円の形状についても、被加工物の大きさや想定される工作機械の最大変位等を考慮して設定する必要がある。そこで、想定される工作機械の最大の変位幅をΔxmin〜Δxmaxとすると、下記式(9)の条件を満たさなければならないことになる。
そして、第2実施例においても、第1実施例同様、たとえば工作機械を試験的に動作させる直前等、工作機械が基準となる状態にある状況において、基準となる切削パターンを中心に、短軸半径a2を段階的に変化させながら軸方向に一定幅ずつ切削していき、被加工物の表面に基準加工部を短時間で得る。また、工作機械を試験的に動作させている合間において、基準となる切削パターンで一定幅にわたり切削するといった加工を、所定時間毎に切り込み位置を回転軸方向でずらしながら繰り返し行い、被加工物の表面で基準加工部の隣となる位置に試験加工部を得ればよい。すると、基準加工部と試験加工部とが軸方向に並設された変位量確認用工作物が得られるため、この試験加工部における切削跡と基準加工部における切削跡とを比較することにより、工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量を確認することができる。
以上のような工程を実行する工作機械の変位量確認用加工方法及び変位量確認用工作物によれば、回転軸方向に直交する断面が、回転軸を中心とした円形とされた被加工物の周面に対し、回転中心から被加工面までの距離が中心角度に応じて異なるような加工を行うといった工程を、所定時間毎に回転軸方向での位置をずらしながら繰り返し行い、試験加工部が設けられた変位量確認用工作物を得る。そして、試験加工部に残された切削跡の長さにより、工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量を確認することになる。したがって、第1実施例同様、たとえば旋盤等といった被加工物を回転させて加工するタイプの工作機械であるにも拘わらず、得られた変位量確認用工作物から工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量を直接的に、且つ、容易に確認することができる。
また、工作機械が基準となる状態にある状況において、基準となる切削パターンを中心に、短軸半径a2を段階的に変化させながら軸方向に一定幅ずつ切削することにより、被加工物の表面で、試験加工部の隣に基準加工部を設ける。したがって、この試験加工部における切削跡と基準加工部における切削跡とを比較することにより、工作機械の変位の時間変化及び各時刻での変位量をより容易に、且つ、精度高く確認することができる。
なお、本発明に係る工作機械の変位量確認用加工方法及び変位量確認用工作物は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、上記実施形態では変位量確認用加工方法として、被加工物に基準加工部を設ける工程を実行しているが、基準加工部に関しては設けず、試験加工部での切削跡を実測するとともに、式(5)や式(7)、式(8)で算出される値とを比較することにより、変位量を確認するとしてもよい。
また、上記第1実施例では、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なるような被加工物として、断面が楕円形のものを採用しているが、そのような楕円形状のものに限らず、たとえばカムのような非円形の断面をもつもの、主軸への装着時に回転中心と断面の中心とが偏心するようなもの等を採用することも可能である。同様に、第2実施例では、回転中心から被加工面までの距離が中心角度に応じて異なるような加工として、工具の刃先の軌跡が楕円を描くような加工を行うとしているが、たとえば刃先の軌跡がカムのような非円形を描くような加工等、別の加工により実現することも可能である。
さらに、被加工物の表面に塗装、めっき、微細な凹凸をつける等の表面処理を予め施すといった工程を実行することで、切削跡と未加工部分とを容易に識別できるようにすることも可能である。
加えて、上記第1実施例及び第2実施例における式(6)、式(9)は、楕円の形状について最低限満たさなければならない条件であるが、可能な限り円に近い楕円を採用することで、切削跡の長さにもとづく工作機械の変位量の確認に関する精度をより高めることができる。たとえば図6は、楕円形状の被加工物に対して、加工径が直径100mmとなるような切込量で加工した場合における工作機械の変位量と切削跡の長さとの関係を表したグラフである。そして、被加工物として長軸半径a1=50.1mm、短軸半径b1=49.9mmの楕円状のものを採用した場合を線31で、長軸半径a1=51mm、短軸半径b1=49mmの楕円状のものを採用した場合を線32で夫々示す。すると、線31と線32との比較から明らかなように、より円に近い楕円を採用した場合の方が傾きが急となる。すなわち、わずかな工作機械の変位に対して、切削跡の長さがより大きく変化することになる。したがって、より円に近い楕円を採用することで、より正確に工作機械の変位量を確認することができる。
20・・変位量確認用工作物、21・・基準加工部、22・・試験加工部。
Claims (3)
- 所定の軸周りで回転可能に設置された被加工物に対し、その周面から工具を切り込ませて切削加工する工作機械において、前記工作機械の変位量を確認するための変位量確認用加工方法であって、
前記被加工物が、回転軸方向に直交する断面において、回転中心から周面までの距離が中心角度に応じて異なるものであり、当該被加工物を回転可能に設置する第1工程と、
前記被加工物の周面への前記工具の切込量を一定として加工する第2工程と、
前記第2工程を所定時間毎に前記回転軸方向での位置をずらしながら繰り返す第3工程と
を実行することを特徴とする工作機械の変位量確認用加工方法。 - 所定の軸周りで回転可能に設置された被加工物に対し、その周面から工具を切り込ませて切削加工する工作機械において、前記工作機械の変位量を確認するための変位量確認用加工方法であって、
前記被加工物が、その回転軸方向に直交する断面が、回転軸を中心とした円形とされたものであり、当該被加工物を回転可能に設置する第1工程と、
前記被加工物の周面に対し、回転中心から被加工面までの距離が中心角度に応じて異なるような加工を行う第2工程と、
前記第2工程を所定時間毎に前記回転軸方向での位置をずらしながら繰り返す第3工程と
を実行することを特徴とする工作機械の変位量確認用加工方法。 - 請求項1又は2に記載の変位量確認用加工方法により得られる変位量確認用工作物。
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Cited By (1)
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KR20190002098A (ko) * | 2017-06-29 | 2019-01-08 | 현대위아 주식회사 | 공작기계의 연속운전에 따른 열변형 가공시험방법 |
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KR101949604B1 (ko) | 2017-06-29 | 2019-02-18 | 현대위아 주식회사 | 공작기계의 연속운전에 따른 열변형 가공시험방법 |
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