JP2008272861A - 工具位置測定方法、工具位置測定システム、及び加工方法 - Google Patents

工具位置測定方法、工具位置測定システム、及び加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工具の刃先が工作機械の主軸の先端の一点で無くても刃先の位置を測定しうる、工具位置測定方法の提供。
【解決手段】レーザセンサ35のレーザ光路36をギアシェーパ10のピニオンカッタ31が遮ったことに基づいて工具刃先31cの位置を測定する工具位置測定手段を備え、ピニオンカッタ31を回転させながら、ピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達するまで移動させる第1ステップと、そこからピニオンカッタ31を離間方向Y1に所定距離移動させる第2ステップと、そこからピニオンカッタ31の稜線が再びレーザ光路36に達するまでピニオンカッタ31を近接方向Z1に移動させる第3ステップと、第2ステップと第3ステップを交互に繰り返した結果、最後にピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達した位置に基づいてピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を測定する第4ステップと、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は工作機械の加工工具の刃先を検出し、工具の制御にフィードバックすることで、加工精度を向上させる技術に関する。
工作機械の工具は、工作物を加工するに従い刃先を消耗するので、定期的に刃先の研磨が必要となる。刃先を研磨すると、工具は研磨した分だけ小さくなる。
NC制御される工作機械で工作物を加工する場合、工具の刃先の位置の情報は重要である。刃先の位置の情報は、貫通や切断といった二次元的な加工であればあまり問題とはならない。しかし、三次元的な形状精度を問われる工作物であれば、刃先の位置をNC制御される工作機械が把握していることで、所望の精度の工作物が加工できるからである。
すなわち、刃先の位置情報は製品の加工精度に深く関わっているといえる。
従来は、工具の刃先位置を工具取り替え後に作業者が測定し、補正値を入力するという手法が採られていた。しかし、作業者の熟練度によって測定位置のバラツキが発生するなどの問題があった。
このような刃先位置と加工精度に関する補正技術は特許文献1に記載される工具位置補正方法及び工具位置補正装置等に開示されている。
マシニングセンタなどの複数の工具を交換して加工を行う機械は、工具を交換する際に工具が正確な位置に取り付けられたかどうかを確認する必要がある。工具の先端の位置がずれていると、必要な精度の加工が困難となるためである。
そこで、工具の先端を光学測定装置によって測定し、この値をNC制御されるマシニングセンタにフィードバックする。光学測定装置が常に所定の位置にあれば、作業者の測定誤差、いわゆるヒューマンエラーを排除できるので、適切な補正値が得られる。
NC工作機械の加工工具の先端を光学測定装置によって測定する場合、例えばレーザビーム等を用いる。工具の先端の位置を判定する場合には、レーザの受光強度の閾値によって、工具の位置を判定する。良く用いられる方法としては、レーザの受光強度が半分以下になった場合(以下、閾値とする)を、工具の先端として判断する方法である。
しかし、マシニングセンタなどは複数の異なる形状の工具を用いるため、加工工具がレーザを遮光する状態が加工工具の種類によって異なる。例えばドリルであれば先端角は、被切削材の種類によって変えられ、一般的に硬い被切削材ほど先端角が大きいドリルが用いられる。
その結果、ドリルの種類によってレーザを遮る面積が異なり、工具先端位置の測定値に偏りを生じることになる。例えば先端角が小さいものであれば、工具のZ軸高さはより低くなり、先端角が大きくなるほどZ軸高さが上がっていくことになる。
このため、特許文献1では、工具固有の補正値をデータベースに保持し、工具に対応する補正値により、レーザの受光強度から得られる工具の先端位置を補正することで、工具の先端位置を正確に把握でき、その結果加工精度を向上させることができる。
また、特許文献2には、工具位置測定装置、及びNC加工方法並びにNC工作機械に関する技術が開示されている。
特許文献2では、微小径工具に対応する先端位置の計測方法を示している。レーザなどの非接触光学測定装置を用いる場合、工具の径が小さくなるほど光の特性による回り込みという現象が問題となる。よって、まず工具チャッキング部に基準ゲージを取り付け、レーザの光軸に対して垂直に基準ゲージを横切らせて基準値とする。
その後、加工工具を工具チャッキング部に取り付け、同様にレーザの光軸を横切らせることで、基準値からのオフセット値を得て、NC加工機の数値制御部にフィードバックさせることで、精度の良い工具の刃先位置測定を行うことを可能とし、高精度な加工を実現している。
特開2001−259966号公報 特開2004−98213号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の技術は、基本的にドリルのような刃先の高さだけが問題となる工具には対応できるが、刃先の形状によっては以下の課題があると考えられる。
ドリル工具はZ軸方向の高さが重要となるので、光学測定装置を設けてZ軸方向に移動させることで高さを測定することが可能である。特許文献2では微小径工具を用いるために光軸を横切らせることで高さを測定しているが、基準ゲージを用いて予め基準値を作っているため可能な方法であり、基準値を作る際にはZ軸方向の高さを定義する必要があり、Z軸の高さを見ていることには変わりない。
しかし、例えば、ギアシェーパに用いる工具の場合、工具を研磨すると工具の刃先は高さ方向だけでなく径方向にも変化がある。
ギアシェーパに用いる工具であるピニオンカッタの形状は、カッタの下面が切刃面であり、カッタの略円筒外周面は逃げ角が設けられ、下面に向かって径が大きくなっている。そして、一番径の大きな下面の外周部分で歯車を創成歯切りする。
このような形状の歯の工具は、切刃面である下面側を研磨すると外周面の逃げ角分だけ徐々に最外径が小さくなってしまう。
したがって、Z軸方向の高さ、つまり工作機械の主軸の方向の高さだけを計測しても、正確に刃先を割り出すことにならない。
したがって、単純に特許文献1又は特許文献2の方法を用いるだけでは、ギアシェーパに工具のような形状の工具の刃先を測定することは困難であり、これまでは作業者が工具の最外周と厚みを測定して補正する数値を入力した上で、加工を行っていた。
そこで、本発明は、このような課題を解決するために、工具の刃先が工作機械の主軸の先端の一点で無くても刃先の位置を測定しうる、工具位置測定方法、工具位置測定システム及び加工方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明による工具位置測定方法は以下のような特徴を有する。
(1)光学式センサの光路を工作機械の主軸に装着された工具が遮ったことに基づいて前記工具の刃先の位置を測定する工具位置測定手段を備え、前記光路に交差する平面をなす2軸のうち、一方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路から遠ざかる方向を第1の方向とし、他方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路に近づく方向を第2の方向とした場合、前記主軸に装着された前記工具を回転させながら、前記工具の稜線が前記光路に達するまで移動させる第1ステップと、そこから前記工具を前記第1の方向に所定距離移動させる第2ステップと、そこから前記工具の稜線が再び前記光路に達するまで前記工具を前記第2の方向に移動させる第3ステップと、前記第2ステップと前記第3ステップを交互に繰り返した結果、最後に前記工具の稜線が前記光路に達した位置に基づいて前記工具の刃先の位置を測定する第4ステップと、を有することを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明による工具位置測定システムは以下のような特徴を有する。
(2)光学式センサの光路を、工作機械の主軸に装着された工具が遮ったことに基づいて前記工具の刃先の位置を測定する工具位置測定手段と、前記光路に交差する平面をなす2軸のうち、一方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路から遠ざかる方向を第1の方向とし、他方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路に近づく方向を第2の方向とした場合、前記一方の軸方向に前記工具を移動させる第1軸駆動機構と、前記他方の軸方向に前記工具を移動させる第2軸駆動機構と、前記第1軸駆動機構と前記第2軸駆動機構の移動量から、前記工具の刃先の位置を演算する演算手段と、主軸に装着した前記工具を回転させながら、前記工具の稜線が前記光路に達するまで前記第1軸駆動機構又は前記第2軸駆動機構で前記工具を移動させる第1ステップと、そこから前記工具を前記第1軸駆動機構で前記第1の方向に所定距離移動させる第2ステップと、そこから前記工具を前記工具の稜線が前記光路に達するまで前記第2軸駆動機構で前記第2の方向に前記工具を移動させる第3ステップと、を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段が前記第2ステップと前記第3ステップを交互に繰り返した結果、前記演算手段が、最後に前記工具の稜線が前記光路に達した位置に基づいて前記工具の刃先の位置を演算し、前記工具の刃先の位置を特定することを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明による加工方法は以下のような特徴を有する。
(3)光学式センサの光路を、工作機械の主軸に装着された工具が遮ったことに基づいて前記工具の刃先の位置を測定する工具位置測定手段と、前記光路に交差する平面をなす2軸のうち、一方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路から遠ざかる方向を第1の方向とし、他方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路に近づく方向を第2の方向とした場合、前記一方の軸方向に前記工具を移動させる第1軸駆動機構と、前記他方の軸方向に前記工具を移動させる第2軸駆動機構と、前記第1軸駆動機構と前記第2軸駆動機構の移動量から、前記工具の刃先の位置を演算する演算手段と、主軸に装着した前記工具を回転させながら、前記工具の稜線が前記光路に達するまで前記第1軸駆動機構又は前記第2軸駆動機構で前記工具を移動させる第1ステップと、そこから前記工具を前記第1軸駆動機構で前記第1の方向に所定距離移動させる第2ステップと、そこから前記工具を前記工具の稜線が前記光路に達するまで前記第2軸駆動機構で前記第2の方向に前記工具を移動させる第3ステップと、を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段が前記第2ステップと前記第3ステップを交互に繰り返した結果、前記演算手段が、最後に前記工具の稜線が前記光路に達した位置に基づいて前記工具の刃先の位置を演算し、前記工具の刃先の位置を特定し、前記演算の結果を、前記第1軸駆動機構及び前記第2軸駆動機構を制御する前記制御手段にフィードバックして加工を行うことを特徴とする。
このような特徴を有する本発明による工具位置測定方法により、以下のような作用、効果が得られる。
まず、(1)に記載される発明は、光学式センサの光路を工作機械の主軸に装着された工具が遮ったことに基づいて工具の刃先の位置を測定する工具位置測定手段を備え、光路に交差する平面をなす2軸のうち、一方の軸と平行かつ刃先が光路から遠ざかる方向を第1の方向とし、他方の軸と平行かつ刃先が光路に近づく方向を第2の方向とした場合、主軸に装着された工具を回転させながら、工具の稜線が光路に達するまで移動させる第1ステップと、そこから工具を第1の方向に所定距離移動させる第2ステップと、そこから工具の稜線が再び光路に達するまで工具を第2の方向に移動させる第3ステップと、第2ステップと第3ステップを交互に繰り返した結果、最後に工具の稜線が光路に達した位置に基づいて工具の刃先の位置を測定する第4ステップと、を有するので、工具の刃先が工作機械の主軸の先端の一点で無いピニオンカッタのような形状の工具であっても刃先の位置を正確に測定し得る工具位置測定方法を提供することができる。
例えばピニオンカッタであれば、略円筒形状で切刃面が下面にあり、カッタの略円筒外周面は逃げ角が設けられて、切刃面に近づくにつれて径が大きくなる。そして、歯切り面を研磨することで、最外径と高さが小さくなる。しかし、光学式センサの光路に対して、工具を第1の方向と第2の方向に動かし、第2ステップと第3ステップを繰り返すことで、第1の方向が、光路に交差する平面をなす2軸のうち、一方の軸と平行かつ刃先が光路から遠ざかる方向であり、第2の方向が他方の軸と平行かつ刃先が光路に近づく方向であるので、第1の方向と第2の方向への移動量を少なくすれば、光軸の検出位置は擬似的に工具の稜線をトレースすることになる。
そして、工具の稜線の終端、すなわち切刃面を光軸が通過すると、光軸は工具を検出できなくなる。現実の工具の刃先位置は、最終検出位置から第1の方向に所定距離移動する間に存在することになる。
また、前記目的を達成するために、本発明による工具位置測定システムは以下のような特徴を有する。
前記(2)に記載される発明は、光学式センサの光路を、工作機械の主軸に装着された工具が遮ったことに基づいて工具の刃先の位置を測定する工具位置測定手段と、光路に交差する平面をなす2軸のうち、一方の軸と平行かつ工具の刃先が光路から遠ざかる方向を第1の方向とし、他方の軸と平行かつ刃先が光路に近づく方向を第2の方向とした場合、一方の軸方向に工具を移動させる第1軸駆動機構と、他方の軸方向に工具を移動させる第2軸駆動機構と、第1軸駆動機構と第2軸駆動機構の移動量から、工具の刃先の位置を演算する演算手段と、主軸に装着した工具を回転させながら、工具の稜線が光路に達するまで第1軸駆動機構又は第2軸駆動機構で工具を移動させる第1ステップと、そこから工具を第1軸駆動機構で第1の方向に所定距離移動させる第2ステップと、そこから工具を工具の稜線が光路に達するまで第2軸駆動機構で第2の方向に工具を移動させる第3ステップと、を制御する制御手段と、を備え、制御手段が第2ステップと第3ステップを交互に繰り返した結果、演算手段が、最後に工具の稜線が光路に達した位置に基づいて工具の刃先の位置を演算し、工具の刃先の位置を特定する。したがって、(1)に記載の工具位置測定方法同様に、工具の刃先が工作機械の主軸の先端の一点でないピニオンカッタのような形状の工具であっても刃先の位置を正確に測定し得る工具位置測定システムを提供することができる。
また、前記目的を達成するために、本発明による加工方法は以下のような特徴を有する。
前記(3)に記載される発明は、光学式センサの光路を、工作機械の主軸に装着された工具が遮ったことに基づいて工具の刃先の位置を測定する工具位置測定手段と、光路に交差する平面をなす2軸のうち、一方の軸と平行かつ刃先が光路から遠ざかる方向を第1の方向とし、他方の軸と平行かつ刃先が光路に近づく方向を第2の方向とした場合、一方の軸方向に工具を移動させる第1軸駆動機構と、他方の軸方向に工具を移動させる第2軸駆動機構と、第1軸駆動機構と第2軸駆動機構の移動量から、工具の刃先の位置を演算する演算手段と、主軸に装着した工具を回転させながら、工具の稜線が光路に達するまで第1軸駆動機構又は第2軸駆動機構で工具を移動させる第1ステップと、そこから工具を第1軸駆動機構で第1の方向に所定距離移動させる第2ステップと、そこから工具を工具の稜線が光路に達するまで第2軸駆動機構で第2の方向に工具を移動させる第3ステップと、を制御する制御手段と、を備え、制御手段が第2ステップと第3ステップを交互に繰り返した結果、演算手段が、最後に工具の稜線が光路に達した位置に基づいて工具の刃先の位置を演算し、工具の刃先の位置を特定し、演算の結果を、第1軸駆動機構及び第2軸駆動機構を制御する制御手段にフィードバックして加工を行う。
このように工具の刃先の位置を特定する工具位置測定手段を用いて、工具の刃先の先端が工作機械の主軸の先端の一点でないピニオンカッタのような形状の工具であっても、(1)に記載の工具位置測定方法同様に、工具の刃先の位置を補正できるので、高精度な加工を実現できる加工方法を提供することができる。
次に、本発明の実施例について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施例の構成を説明する。
図1に、ギアシェーパ10の駆動機構を立体的に表した斜視図を示す。
ギアシェーパ10は、ギア50の創成歯切りを行う装置であり、内歯車及び段付歯車の歯切りを容易に行うことのできる工作機械である。
ギアシェーパ10は、ベース11と、パワーユニット12、及びステーション13で構成されている。そして、ギアシェーパ10にはY軸駆動機構21とZ軸駆動機構22を備えて、主軸30をギア50に対し、近接、離間するように移動することが可能である。
ベース11はギアシェーパ10のベースである。ベース11上に設けられた直動ガイド15上にスライド可能に取り付けられたパワーユニット12は、ベース11上をY軸駆動機構21によって移動する。
パワーユニット12に取り付けられたヘッド14は、Z軸駆動機構22によって昇降可能に構成されている。Y軸駆動機構21及びZ軸駆動機構22はサーボモータにボールネジを組み合わせる等の構成で、精度良く直動可能な機構である。
主軸30は、クランクシャフト28に接続される揺動シャフト29と接続されて、上下運動が可能であり、かつ主軸回転駆動機構24が設けられている。クランクシャフト28はメインモータ23によって駆動される。
ギア50は、被加工部回転機構25に接続される加工テーブル32に固定されて、回転されながら、主軸30に取り付けられたピニオンカッタ31によって創成歯切りされる。
そして、ギアシェーパ10には、ピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を検出するために、光学センサであるレーザセンサ35が備えられている。
主軸回転駆動機構24、被加工部回転機構25は、サーボモータにウォームギアを組み合わせる等の構成で精度良く回転可能な機構である。
図2に、主軸30周りの設備及びその制御を模式的に表した模式図を示す。
主軸30に取り付けられたピニオンカッタ31の工具刃先31cを検出するためのレーザセンサ35は、投光側ユニット35aと受光側ユニット35bからなり、レーザ光路36を被検出体であるピニオンカッタ31が遮光することで、ピニオンカッタ31の刃先位置を検出する。
レーザセンサ35に用いられるレーザ光線は、位相が揃った収束性の良い光の束であり、光は狭い面積に極めて高密度に光エネルギーが集中されている。位相が揃っているため、投光側ユニット35aから投光されたレーザ光路36を遮光した場合には、受光側ユニット35b側が受光した光の量によって遮光率を判断できる。この遮光率をある閾値でONとOFFに分けることで、被検出体が遮光したかどうかを判断する。
レーザセンサ35のレーザ光路36は、ギアシェーパ10の主軸30及びピニオンカッタ31の中心軸を通過する仮想平面Pと直交しており、この平面をなす2軸をY軸及びZ軸とする。すなわち、ピニオンカッタ31は仮想平面Pをなす一方の軸であるY軸方向にY軸駆動機構21によって駆動する。また、ピニオンカッタ31は、仮想平面Pをなす他方の軸であるZ軸方向にZ軸駆動機構22によって駆動する。
主軸30は前述した通りY軸駆動機構21及びZ軸駆動機構22によって移動可能であり、図2に示すようにギアシェーパ10に備えるNC演算制御装置16よって制御されてギア50を加工する。
そして、ピニオンカッタ31の工具刃先31cを検出し、その結果をNC演算制御装置16にフィードバックして、位置の補正を行い、ギア50の加工を行う。
図3に、ピニオンカッタ31の断面図を示す。
ピニオンカッタ31は、略円筒状の形状をしており、外周には数度の前逃げ角αが設けられている。この前逃げ角αで形成される外周を外周面31bと呼ぶことにする。
外周面31bは前逃げ角α分テーパ状に形成されているため、ピニオンカッタ31の下方に行くほどその径は大きくなる。そして、切刃面31aと外周面31bの交点となる最外周がピニオンカッタ31の工具刃先31cとなる。
次に、ギアシェーパ10の工具刃先31cを検出する過程について説明を行う。
図4は、主軸30がレーザセンサ35に接近する様子を表す側面図であり、図4(a)に、レーザセンサ35のレーザ光路36に対して、主軸30が近接する様子を示す。また、図4(b)に、ピニオンカッタ31の稜線の検出をしている様子を表す。また、図4(c)に、レーザセンサ35のレーザ光路36が、ピニオンカッタ31の先端を捉えている様子を表す。
また、図5には、図4(b)の検出段階を示している様子を示す。図5(a)は、ピニオンカッタ31がレーザ光路36を遮光している状態を示す。図5(b)は、ピニオンカッタ31がレーザ光路36を遮光せず、光軸から外れている様子を示す。
また、図6に、ピニオンカッタ31の工具刃先31cの検出フローを示す。
(第1ステップ)
まず、ピニオンカッタ31の外周面31bが形成する稜線を、レーザセンサ35のレーザ光路36で検出するまで移動する。図4(a)に示されるように、初期状態ではピニオンカッタ31はレーザセンサ35のレーザ光路36を遮光していない。
S1では、主軸30をピニオンカッタ31がレーザ光路36に近接するように移動させる。主軸30は、図1に示すようにヘッド14に取り付けられパワーユニット12に保持されているので、Y軸駆動機構21によってベース11に備えられる直動ガイド15上をパワーユニット12が移動することで、ギア50に近接するように移動することが可能である。必要に応じて、Z軸駆動機構22の移動も行う。
S2では、レーザセンサ35のレーザ光路36をピニオンカッタ31が遮光したかどうかを判断する。レーザ光路36をピニオンカッタ31が遮光した場合に、受光側ユニット35bの受光量が減るため、この受光量が閾値を下回った場合(S2:Yes)、S3に移行する。受光量が閾値を下回るまでは(S2:No)移動を続ける。
S3では、S2でピニオンカッタ31がレーザ光路36を遮光したことを検出したので、移動を停止する。図4(b)に示す状態となる。
(第2ステップ)
S4では、Y軸駆動機構21の駆動を開始する。図5に示すように、ピニオンカッタ31をレーザセンサ35のレーザ光路36から遠ざかる方向の離間方向Y1に移動する。離間方向Y1はY軸駆動機構21による、Y軸方向への移動とする。Y軸方向は、図2に示すようにレーザ光路36と直交し、レーザ光路36と直交する仮想平面Pと平行である。
S5では、受光側ユニット35bの受光量が、閾値以上になるかどうかを判断する。レーザ光路36を遮るピニオンカッタ31が離間方向Y1に移動することで、受光側ユニット35bの受光量は増え、閾値以上になれば(S5:Yes)、S6に移行する。閾値以上になるまでは(S5:No)、移動を続ける。
なお、この部分のチェックは閾値によらずに所定距離移動して停止する方法でも良い。ピニオンカッタ31の形状のように台形断面の工具であれば、S5の判断を閾値で行った場合でも毎回同じ距離移動することになると考えられるため、その距離と同等の所定距離移動することとすれば、閾値を判断する必要がない分、処理を単純化することができる。
S6では、Y軸駆動機構21の駆動を停止する。これによって、ピニオンカッタ31はレーザ光路36から外れた位置に停止することになる。
(第3ステップ)
S7では、Z軸駆動機構22の駆動を開始する。図5に示すように、ピニオンカッタ31をレーザセンサ35のレーザ光路36に近づく方向の近接方向Z1に移動する。近接方向Z1はZ軸駆動機構22による、Z軸方向への移動とする。Z軸方向は、図2に示すようにレーザ光路36と直交し、仮想平面Pと平行である。
S8では、受光側ユニット35bの受光量が、閾値を下回ったかどうかを判断する。レーザ光路36を遮るピニオンカッタ31が近接方向Z1に移動することで、受光側ユニット35bの受光量は減り、閾値を下回れば(S8:Yes)、S9に移行する。閾値を下回らない場合(S8:No)はS10に移行する。
S9では、Z軸駆動機構22の駆動を停止する。これによって、ピニオンカッタ31はレーザ光路36を遮光し、閾値を下回る程に受光側ユニット35bの受光量が低下している状態となる。そして、S4に移行する。S4では、再び第2ステップを行うことになる。
S10では、ピニオンカッタ31が一定距離以上移動したかどうかを判断する。ピニオンカッタ31はZ軸駆動機構22によって駆動されている状態であり、サーボモータなどを使えば自身の移動距離は容易に分かる。したがって、この移動距離が規定値以上であるかどうかを判断する。一定距離移動したと判断すれば(S10:Yes)、S11へ移行する。一定距離移動するまでは(S10:No)、S8へ移行してチェックを繰り返す。
(第4ステップ)
S11では、S10で一定距離をピニオンカッタ31が移動したと判断するので、Z軸駆動機構22を停止すると共に、ピニオンカッタ31の工具刃先31cを算出する。
そして、工具刃先31cの情報をNC演算制御装置16で加工情報にフィードバックすることで、ギア50の加工精度を向上させることが期待できる。
なお、レーザセンサ35による検出精度は、レーザセンサ35のレーザ径及び閾値によるものと考えられる。S5及びS7で移動する距離が長いほど誤差が大きくなるため、レーザ径は極力小さい方がよいと考えられる。ただし、閾値の検出ロジックなどによっても検出精度を改善可能であるので、適宜設定することが望ましい。
例えば、ピニオンカッタ31の中央付近でレーザ光路36を遮るピニオンカッタ31の外周面31bは、レーザ光路36を半月状に遮光するが、工具刃先31cではレーザ光路36を半月状に遮光しない場合も考えられる。近接方向Z1方向により長く移動して、レーザ光路36の光が切刃面31a側からも受光側ユニット35bに届く可能性がある。
このようなケースに対応するために、S7で近接方向Z1に移動する場合の移動量を加味すれば、ピニオンカッタ31の稜線が直線であればほぼ同じ距離だけ近接方向Z1に移動して閾値に至るはずなので、工具刃先31cの検出精度に貢献できる可能性がある。すなわち、工具の種類や形状によって先端検出ロジックを変えてやっても良い。
本実施例は上記構成となっているので、以下に示すような効果を奏する。
まず第1に、レーザセンサ35を用いてピニオンカッタ31の刃先を測定することで誤差の少ない測定が可能になる点が挙げられる。
図7に、作業者がピニオンカッタ31を測定する場合の測定方法を模式化して示す。
ピニオンカッタ31は、測定用の治具台41に取り付けられ、治具台41に備えられるマイクロゲージ40によって、寸法を測定する。この際に、治具台41に備えられたポスト41aにピニオンカッタ31を装着する。したがって、ピニオンカッタ31の内径とポスト41aの外径は極力ガタが無いように構成されている。
ところで、ピニオンカッタ31は、ギア50を創成歯切りしていく過程で刃先が摩耗する。このため定期的に再研磨する必要がある。図3に示すように、ピニオンカッタ31の高さTは研磨した後に、研磨シロdTだけピニオンカッタ31の刃は短くなり、研磨後高さ(T−dT)となる。
そして、ピニオンカッタ31の外周面31bには前逃げ角αが付いているので、外径は研磨シロdT分研磨すると縮径幅εだけ小さくなる。
つまりギアシェーパ10に用いるギア50は、研磨するほど研磨シロdT及び縮径幅εだけ小さくなる。ギア50を創成歯切りするためには工具刃先31cが重要であるので、この位置が変わってしまうと、必要な精度のギア50を創成歯切りすることができない。
このため治具台41に取り付けられたマイクロゲージ40を用いて、研磨後のピニオンカッタ31の寸法を把握し、ギアシェーパ10に補正した値を入力してやる必要がある。
ギアシェーパ10はNC制御される機械が主流になっているが、従来製品では研磨後のピニオンカッタ31の寸法は手動で補正するしかなかった。
図8(a)に、研磨前のピニオンカッタ31の外径を測定する際の様子を表す側面図を示す。図8(b)に、研磨後の31の外径を測定する際の様子を表す側面図を示す。また、図9(a)に、ピニオンカッタ31の外径を正しく測定する際の様子を表す正面図を示す。図9(b)に、ピニオンカッタ31の外径の誤った測定の例を表す正面図を示す。
ピニオンカッタ31は研磨されることで、図8(a)と図8(b)に示されるように刃先が減ってゆくので、マイクロゲージ40のプローブ40aが当たる位置が徐々に変化する。このため、側位置にバラツキがでる可能性がある。
また、図9(a)と図9(b)に示されるように、ピニオンカッタ31の刃の頂点にポスト41aが当たるか否かによってもバラツキが生じることになる。
この他、ポスト41aにピニオンカッタ31が挿入できるようにポスト41aの外径が決定されているが、ピニオンカッタ31を挿入する際に嵌め合いが厳しいと作業性が落ちるため、ポスト41aは若干細めの太さに決定される。この結果、測定に誤差を生じる可能性がある。
図10に、作業者がピニオンカッタ31の工具刃先31cを測定、補正した場合の歯厚のバラツキを表したグラフを示す。歯厚はBBD(Between Boll Diameter)を計測することで求めている。
縦軸は基準値を0とした歯厚のバラツキであり、横軸は測定回数を示している。図10は、テスト的に取得したデータであるので、N数は多くないがその傾向は確認できる。
ピニオンカッタ31を作業者が補正した場合、このように数百μm程度の歯厚のバラツキが発生していることが分かる。この値は作業者の熟練度にもよるため、必ずこのようなバラツキが発生するとは限らないが、ピニオンカッタ31の工具刃先31cの計測誤差によって、このようにギア50の歯厚にバラツキが生じているものと考えられる。
図11に、レーザセンサ35でピニオンカッタ31の工具刃先31cを測定、補正した場合の歯厚のバラツキを表したグラフを示す。比較のため、縦軸、横軸のスケールは図10と同じとしている。
本実施例では、レーザセンサ35のレーザ径を60μmとし、遮光率の閾値を50%とした。
ギア50の歯厚のバラツキは、図10と比べ明らかに図11のバラツキが小さくなっていることが分かる。バラツキは数十μm程度に抑えられた。
したがって、図10に示した従来通りの作業者が測定する方式に比べ、図11に示す本実施例のレーザセンサ35を用いて検出する方法では、数十倍の精度が得られることを期待できる。
このように、レーザセンサ35を用いてピニオンカッタ31の工具刃先31cを検出し、その値によって補正を行うことで、ギア50を高精度に加工することが可能となる。ピニオンカッタ31を研磨するたびに、作業者が工具刃先31cを毎回測定することは手間であるし、図8(b)や図9(b)に示すような要因によって測定誤差がでる虞がある。特に、作業者の熟練度によってギア50の加工精度が大きく異なることが予想される。
このように、本実施例の工具位置測定方法、工具位置測定システム、及び加工方法によれば、工具刃先31cの測定精度を向上させると共に作業者の負担を減らし、ギア50の加工精度の向上に寄与することができる。
また、工具刃先31cを測定するために治具台41等を用いることは、誤差の原因となると共に時間がかかる。しかし、レーザセンサ35によって測定時間の短縮を図ることも可能となり、ひいては加工効率の向上を図ることが可能となる。
ギアシェーパ10のピニオンカッタ31等は、ギア50の精度を大きく左右するため、比較的頻繁に研磨する必要があるが、本実施例の方法を用いることで精度向上及び加工効率の向上を期待できる。
以上に説明したように、本実施例では以下に示す構成、作用、効果が得られる。
(1)レーザセンサ35のレーザ光路36をギアシェーパ10の主軸30に装着されたピニオンカッタ31が遮ったことに基づいてピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を測定する工具位置測定手段を備え、レーザ光路36に交差する仮想平面Pをなす2軸のうち、一方の軸と平行かつ工具刃先31cがレーザ光路36から遠ざかる方向を離間方向Y1とし、他方の軸と平行かつ工具刃先31cがレーザ光路36に近づく方向を近接方向Z1とした場合、主軸30に装着されたピニオンカッタ31を回転させながら、ピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達するまで移動させる第1ステップと、そこからピニオンカッタ31を離間方向Y1に所定距離移動させる第2ステップと、そこからピニオンカッタ31の稜線が再びレーザ光路36に達するまでピニオンカッタ31を近接方向Z1に移動させる第3ステップと、第2ステップと第3ステップを交互に繰り返した結果、最後にピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達した位置に基づいてピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を測定する第4ステップと、を有するので、ピニオンカッタ31の工具刃先31cがギアシェーパ10の主軸30の先端の一点で無いピニオンカッタ31のような形状の工具であっても工具刃先31cの位置を正確に測定し得る工具位置測定方法を提供することができる。
(2)レーザセンサ35のレーザ光路36を、ギアシェーパ10の主軸30に装着されたピニオンカッタ31が遮ったことに基づいてピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を測定する工具位置測定手段と、レーザ光路36に交差する仮想平面Pをなす2軸のうち、一方の軸と平行かつピニオンカッタ31の工具刃先31cがレーザ光路36から遠ざかる方向を離間方向Y1とし、他方の軸と平行かつ工具刃先31cがレーザ光路36に近づく方向を近接方向Z1とした場合、離間方向Y1にピニオンカッタ31を移動させるY軸駆動機構21と、近接方向Z1にピニオンカッタ31を移動させるZ軸駆動機構22と、Y軸駆動機構21とZ軸駆動機構22の移動量から、ピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を演算するNC演算制御装置16と、主軸30に装着したピニオンカッタ31を回転させながら、ピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達するまでY軸駆動機構21又はZ軸駆動機構22でピニオンカッタ31を移動させる第1ステップと、そこからピニオンカッタ31をY軸駆動機構21で離間方向Y1に所定距離移動させる第2ステップと、そこからピニオンカッタ31をピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達するまでZ軸駆動機構22で近接方向Z1にピニオンカッタ31を移動させる第3ステップと、を制御する制御手段と、を備え、制御手段が第2ステップと第3ステップを交互に繰り返した結果、NC演算制御装置16が、最後にピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達した位置に基づいてピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を演算し、ピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を特定する。
したがって、ピニオンカッタ31の工具刃先31cが工作機械の主軸の先端の一点でないピニオンカッタのような形状の工具であっても工具刃先31cの位置を正確に測定し得る工具位置測定システムを提供することができる。
(3)レーザセンサ35のレーザ光路36を、ギアシェーパ10の主軸30に装着されたピニオンカッタ31が遮ったことに基づいてピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を測定する工具位置測定手段と、レーザ光路36に交差する仮想平面Pをなす2軸のうち、一方の軸と平行かつ工具刃先31cがレーザ光路36から遠ざかる方向を離間方向Y1とし、他方の軸と平行かつ工具刃先31cがレーザ光路36に近づく方向を近接方向Z1とした場合、離間方向Y1にピニオンカッタ31を移動させるY軸駆動機構21と、近接方向Z1にピニオンカッタ31を移動させるZ軸駆動機構22と、Y軸駆動機構21とZ軸駆動機構22の移動量から、ピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を演算するNC演算制御装置16と、主軸30に装着したピニオンカッタ31を回転させながら、ピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達するまでY軸駆動機構21又はZ軸駆動機構22でピニオンカッタ31を移動させる第1ステップと、そこからピニオンカッタ31をY軸駆動機構21で離間方向Y1に所定距離移動させる第2ステップと、そこからピニオンカッタ31をピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達するまでZ軸駆動機構22で近接方向Z1にピニオンカッタ31を移動させる第3ステップと、を制御する制御手段と、を備え、制御手段が第2ステップと第3ステップを交互に繰り返した結果、NC演算制御装置16が、最後にピニオンカッタ31の稜線がレーザ光路36に達した位置に基づいてピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を演算し、ピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を特定し、演算の結果を、Y軸駆動機構21及びZ軸駆動機構22を制御する制御手段にフィードバックして加工を行う。
このようにピニオンカッタ31の工具刃先31cの位置を特定する工具位置測定手段を用いて、ピニオンカッタ31の工具刃先31cの先端がギアシェーパ10の主軸30の先端の一点でないピニオンカッタのような形状の工具であっても、工作機械の刃先の位置を補正できるので、高精度な加工を実現できる加工方法を提供することができる。
以上において、実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、本実施例において、工作機械の例としてギアシェーパ10を示したが、工具の刃先が工作機械動作中において外周上でかつ進行方向端部に存在するような工作機械であれば同様の問題があると考えられる。したがって、それらの工作機械に応用することを妨げない。
また、レーザセンサ35のレーザ径や閾値を例示しているが、これに限定するものではない。
本実施例の、ギアシェーパ10の駆動機構を立体的に表した斜視図を示している。 本実施例の、主軸30周りの設備及びその制御を模式的に表した模式図を示している。 本実施例の、ピニオンカッタ31の断面図を示している。 (a)本実施例の、レーザセンサ35のレーザ光路36に対して、主軸30が近接する様子を示している。(b)本実施例の、ピニオンカッタ31の稜線の検出をしている様子を表している。(c)本実施例の、レーザセンサ35のレーザ光路36が、ピニオンカッタ31の先端を捉えている様子を示している。 (a)本実施例の、ピニオンカッタ31がレーザ光路36を遮光している状態を示している。(b)本実施例の、ピニオンカッタ31がレーザ光路36を遮光せず、光軸から外れている様子を示している。 本実施例の、ピニオンカッタ31の工具刃先31cの検出フローを示している。 従来における、作業者がピニオンカッタ31を測定する場合の測定方法を模式化して示している。 (a)本実施例の、研磨前のピニオンカッタ31の外径を測定する際の様子を表す側面図を示している。(b)本実施例の、研磨後の31の外径を測定する際の様子を表す側面図を示している。 (a)本実施例の、ピニオンカッタ31の外径を正しく測定する際の様子を表す正面図を示している。(b)本実施例の、ピニオンカッタ31の外径の誤った測定の例を表す正面図を示している。 従来における、作業者がピニオンカッタ31の工具刃先31cを測定、補正した場合の歯厚のバラツキを表したグラフを示している。 本実施例の、レーザセンサ35でピニオンカッタ31の工具刃先31cを測定、補正した場合の歯厚のバラツキを表したグラフを示している。
符号の説明
10 ギアシェーパ
16 NC演算制御装置
21 Y軸駆動機構
22 Z軸駆動機構
30 主軸
31 ピニオンカッタ
31a 切刃面
31b 外周面
31c 工具刃先
35 レーザセンサ
35a 投光側ユニット
35b 受光側ユニット
36 レーザ光路
50 ギア
α 前逃げ角
ε 縮径幅
P 仮想平面
T 高さ
Y1 離間方向
Z1 近接方向
dT 研磨シロ

Claims (3)

  1. 光学式センサの光路を工作機械の主軸に装着された工具が遮ったことに基づいて前記工具の刃先の位置を測定する工具位置測定手段を備え、
    前記光路に交差する平面をなす2軸のうち、
    一方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路から遠ざかる方向を第1の方向とし、
    他方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路に近づく方向を第2の方向とした場合、
    前記主軸に装着された前記工具を回転させながら、
    前記工具の稜線が前記光路に達するまで移動させる第1ステップと、
    そこから前記工具を前記第1の方向に所定距離移動させる第2ステップと、
    そこから前記工具の稜線が再び前記光路に達するまで前記工具を前記第2の方向に移動させる第3ステップと、
    前記第2ステップと前記第3ステップを交互に繰り返した結果、最後に前記工具の稜線が前記光路に達した位置に基づいて前記工具の刃先の位置を測定する第4ステップと、
    を有することを特徴とする工具位置測定方法。
  2. 光学式センサの光路を、工作機械の主軸に装着された工具が遮ったことに基づいて前記工具の刃先の位置を測定する工具位置測定手段と、
    前記光路に交差する平面をなす2軸のうち、
    一方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路から遠ざかる方向を第1の方向とし、
    他方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路に近づく方向を第2の方向とした場合、
    前記一方の軸方向に前記工具を移動させる第1軸駆動機構と、
    前記他方の軸方向に前記工具を移動させる第2軸駆動機構と、
    前記第1軸駆動機構と前記第2軸駆動機構の移動量から、前記工具の刃先の位置を演算する演算手段と、
    前記主軸に装着した前記工具を回転させながら、
    前記工具の稜線が前記光路に達するまで前記第1軸駆動機構又は前記第2軸駆動機構で前記工具を移動させる第1ステップと、
    そこから前記工具を前記第1軸駆動機構で前記第1の方向に所定距離移動させる第2ステップと、
    そこから前記工具を前記工具の稜線が前記光路に達するまで前記第2軸駆動機構で前記第2の方向に前記工具を移動させる第3ステップと、
    を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段が前記第2ステップと前記第3ステップを交互に繰り返した結果、前記演算手段が、最後に前記工具の稜線が前記光路に達した位置に基づいて前記工具の刃先の位置を演算し、前記工具の刃先の位置を特定することを特徴とする工具位置測定システム。
  3. 光学式センサの光路を、工作機械の主軸に装着された工具が遮ったことに基づいて前記工具の刃先の位置を測定する工具位置測定手段と、
    前記光路に交差する平面をなす2軸のうち、
    一方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路から遠ざかる方向を第1の方向とし、
    他方の軸と平行かつ前記刃先が前記光路に近づく方向を第2の方向とした場合、
    前記一方の軸方向に前記工具を移動させる第1軸駆動機構と、
    前記他方の軸方向に前記工具を移動させる第2軸駆動機構と、
    前記第1軸駆動機構と前記第2軸駆動機構の移動量から、前記工具の刃先の位置を演算する演算手段と、
    主軸に装着した前記工具を回転させながら、
    前記工具の稜線が前記光路に達するまで前記第1軸駆動機構又は前記第2軸駆動機構で前記工具を移動させる第1ステップと、
    そこから前記工具を前記第1軸駆動機構で前記第1の方向に所定距離移動させる第2ステップと、
    そこから前記工具を前記工具の稜線が前記光路に達するまで前記第2軸駆動機構で前記第2の方向に前記工具を移動させる第3ステップと、
    を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段が前記第2ステップと前記第3ステップを交互に繰り返した結果、前記演算手段が、最後に前記工具の稜線が前記光路に達した位置に基づいて前記工具の刃先の位置を演算し、前記工具の刃先の位置を特定し、
    前記演算の結果を、前記第1軸駆動機構及び前記第2軸駆動機構を制御する前記制御手段にフィードバックして加工を行うことを特徴とする加工方法。
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