JP2015074078A - 切削条件設定方法及びそれを実行させるプログラム - Google Patents

切削条件設定方法及びそれを実行させるプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】実際の加工前において、目標加工時間と目標面粗さとを両立可能か否かの判定に資する切削条件設定方法を提供する。
【解決手段】エンドミルにて被加工材を仕上げ加工するに際しての切削条件設定方法を、(a)目標形状からエンドミルの工具R及び工具径Dを決定する第1加工条件決定ステップと、(b)目標面粗さを達成可能なエンドミルの1刃当りの送り量及びこれと直角方向の切削ピッチを算出する第2加工条件決定ステップと、(c)1刃当りの切削体積以上のチップポケット容積を有するようにエンドミルの刃数を決定する第3加工条件決定ステップと、(d)エンドミルの摩耗量から周速を定めて、エンドミル回転数を算出する第4加工条件決定ステップと、(e)加工に必要な切削体積を、エンドミルの単位時間当りの切削体積で除することで、切削時間を算出する加工時間予測ステップと、を備えたものとする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、エンドミルを用いて被加工材を仕上げ加工するに際しての切削条件設定方法に関する。
金型製作等の技術分野においては、3次元的な曲面形状をなす加工面を高精度に、しかも高能率にて短時間で加工することが要求されている。
そのための工具として、円柱状の本体の先端に半球状の切れ刃(詳しくは本体の軸心周りの回転軌跡が半球状となる円弧状の切れ刃)を有するボールエンドミルや、フラットエンドミルの下部コーナー部をR形状(円弧形状)となしたラジアスエンドミルが用いられている。
現状、金型等の切削加工にはNC(数値制御(Numerical Control))工作機械が一般に用いられている。NC工作機械を用いた加工では、通常、CAD(Computer Aided Design)システムにて先ず形状を設計し、そして製品の形状情報(データ)からCAM(Computer Aided Manufacturing)システムにて加工情報(加工プログラム)を作成する。そしてこれをNC装置に入力して内部のメモリに記憶させ、加工時にこれを読み出して工作機械を動作制御し、所要の加工を行う。
そのCAMを用いた切削加工を行うに際しては、
・工具(エンドミル)の1刃当りの送り量(1つの切れ刃が1回転する間に移動する量で、つまり送り速度である)
・水平方向の切削ピッチ
・深さ方向の切り込み
・使用する工具
・工具の回転数
などのパラメータを入力することが必要である。
CAMは、これら情報に基づいてNC工作機械による加工プログラムを作成する。
上記パラメータの入力後、CAMにより工具経路が算出され、大体の加工時間が予測可能である。
このとき加工時間が目標とする加工時間よりも長かった場合には、送り速度等のパラメータを変化させて加工時間を短縮させることも可能であるが、従来ではその結果、加工後の面粗さがどのような粗さとなるかの目安がはっきりとしなかった。
そこでやむなく実際に加工を行って面精度(面粗さ)を実測し、その結果が目標とする面粗さを満たさなかったときには、再びパラメータを修正し直して実際の加工,面精度の測定を行う等、トライ&エラーによって(或いは経験的な勘で)修正を繰り返すといったことを行わざるを得なかった。
しかしながらこのようなトライ&エラー等による作業では、多大な時間と手間を要してしまう。
そこで実際に加工を行わなくても事前に加工時間と面粗さとの関係を知ることができ、またそのことによって加工時間と面粗さとが両立する加工条件を見出す方法があれば、実際の加工前にCAMによる加工プログラムを適正なプログラムと成し得、無駄な加工実験を行わなくても直接加工時間と面粗さとを両立させ得る加工を行い得て望ましい。
尚、CAMで作製された加工プログラム(NCデータ)にて加工を行う前に、加工作業を事前検証することが従来行われている。
例えば下記特許文献1には、CAMシステムで作成されたNCデータ等を基に、実際の加工作業の事前検証として、切削抵抗の解析等を行い、これにより実際に加工したときの加工トラブルを未然に防ぐとともに、加工時間の短縮を図る点が開示されている。
但しここで言う加工時間の短縮とは、加工トラブルを未然に防ぐことによる加工時間の短縮であり、本発明で言うところの加工時間の短縮とは内容が異なっている。
特許第5233678号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、仕上げ加工に際して実際に加工を行わなくても、事前に目標とする加工時間と目標とする面粗さとを両立させることが可能か否かを判定する際に有用な切削条件設定方法及びコンピュータにこれを実行させるプログラムを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1は切削条件設定方法に関するもので、エンドミルを軸心周りに回転させつつ被加工材に対し相対移動させ、該被加工材を目標形状に目標面粗さで仕上げ加工するに際しての切削条件設定方法であって、(a)前記被加工材の前記目標形状の形状データに基づき、前記エンドミルの工具R及び工具径Dを決定する第1加工条件決定ステップと、(b)前記被加工材の前記目標面粗さを理論面粗さとしたとき、前記工具Rに基づいて該目標面粗さを達成可能な、前記エンドミルの送り速度である1刃当りの送り量と、送り方向と直角方向の切削ピッチを算出する第2加工条件決定ステップと、(c)前記送り量と前記切削ピッチとに基づいて1刃当りの切削体積を算出するとともに、該1刃当りの切削体積以上のチップポケット容積を有するように前記エンドミルの刃数を決定する第3加工条件決定ステップと、(d)予め求めてある前記被加工材の切削加工の際の前記エンドミルの周速と摩耗量との関係より、該エンドミルの最小摩耗量を1として該摩耗量が1.1以下の範囲内で周速を定めて、該周速から該エンドミルの回転数を算出する第4加工条件決定ステップと、(e)前記被加工材における前記仕上げ加工の加工前後の形状データから算出される切削体積を、前記1刃当りの切削体積,前記エンドミルの刃数及び前記回転数から導かれる単位時間当りの切削体積で除することで、前記仕上げ加工のための切削時間を算出する加工時間予測ステップと、を備えることを特徴とする。
請求項2はプログラムに関するもので、このプログラムは、請求項1に記載の前記切削条件設定方法における前記第1加工条件決定ステップ,第2加工条件決定ステップ,第3加工条件決定ステップ,第4加工条件決定ステップ,加工時間予測ステップの各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明の切削条件設定方法にあっては、第1加工条件決定ステップにおいて、仕上げ加工後の目標形状の形状データに基づいてエンドミルの工具R(半径)及び工具径Dを決定し、また第2加工条件決定ステップにおいて、加工後の目標面粗さからこれを達成可能なエンドミルの1刃当りの送り量(送り速度)を工具Rに基づいて算出する。また送り方向と直角方向の切削ピッチを算出する。
そして第3加工条件決定ステップにおいて、上記の送り量と切削ピッチとから1刃当りの切削体積を算出する。またその算出した1刃当りの切削体積に基づいて、それ以上のチップポケット容積を有するように、即ち切削屑のチップを収容可能な容積を有するようにエンドミルの刃数を決定する。
一方第4加工条件決定ステップでは、エンドミルの最小摩耗量を1として摩耗量が1.1以下の範囲内でエンドミルの周速を定めて、その周速からエンドミルの回転数を算出する。
そして加工時間予測ステップにおいて、予定された切削体積を、上記の1刃当りの切削体積,エンドミルの刃数及び回転数から導かれる単位時間当りの切削体積で除することで、切削時間を算出し、加工時間を予測する。
本発明の切削条件設定方法によれば、仕上げ加工面の目標面粗さに対応した所要加工時間を予測することが可能であり、目標面粗さと目標加工時間とが両立するかどうかを簡易的に判定することが可能である。
而して目標面粗さと目標加工時間とが両立すると判定できた場合には、上記切削条件設定方法において算出した1刃当りの送り量(送り速度),水平方向の切削ピッチ,深さ方向の切り込み,使用工具,回転数等の数値を入力し、CAMにて加工プログラムを作成させ、工作機械に加工を実行させることで、実際の切削試験や面粗さの実測等を行わなくても、直接CAMによる加工プログラムに従って工作機械を加工動作させることで、所要の面粗さを有する製品を所要の仕上げ加工時間内で加工させるようになすことができる。
CAMによる加工プログラムを、目標面粗さで目標形状を目標時間内に加工できるようなプログラムとすることが可能となるからである。
尚、上記切削条件設定方法において行われる計算はシンプルで簡単なものであり、手作業にて計算することももとより可能である。
但し請求項1の切削条件設定方法における第1加工条件決定ステップ,第2加工条件決定ステップ,第3加工条件決定ステップ,第4加工条件決定ステップ,加工時間予測ステップの各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを作成して、これをコンピュータの記憶部に記憶させておき、そのプログラムに従ってコンピュータを動作させることで、コンピュータに加工時間予測動作させるようになすことも可能である。
本発明の一実施形態の切削条件設定方法のフロー図である。 ボールエンドミル加工での理論面粗さの説明図である。 被削材表面の当る位置での工具半径の説明図である。 加工時間予測の工程説明図である。 図4に続く加工時間予測の工程説明図である。 エンドミル刃数ごとのチップポケット断面積比を示した図である。
次に本発明をエンドミルを用いた金型の仕上げ加工に適用した場合の実施形態を以下に説明する。
仕上げ加工面の目標面粗さを理論面粗さとしたとき、目標面粗さと加工時間とが両立可能であるか否かを判断するには、前提として以下の条件を必要とする。
(1)目標加工時間
(2)目標面粗さ
(3)加工後の目標形状
(4)被加工材の切削時における工具周速と工具摩耗量との関係
(5)エンドミルの刃数とチップポケットの大きさとの関係
以上の(1)〜(5)が定まっていることを前提として、ここでは以下のような手順に従って切削のための加工時間を予測する。
図1はその手順をフロー図として示している。
[1](3)目標形状からの決定
・仕上げ加工後の目標形状(以下単に目標形状とすることがある)の最小のR(半径)から(6)工具Rを決定する。
ここで工具Rとは、ボールエンドミルの場合にはボール半径、ラジアスエンドミルの場合にはコーナーアール半径を意味する。
・目標形状の最小の溝幅から(7)工具径Dを決定する。
・目標形状と仕上げ加工前の形状から、つまり仕上げ加工の際の取り代から(8)切削体積を算出する。
[2](4)被加工材の切削加工における工具周速と工具摩耗量との関係からの決定
最小工具摩耗量を1として、工具摩耗量が1.1以下の範囲内で(9)工具周速を決定する。
[3](2)目標面粗さと(6)工具Rからの(10)1刃当りの送り量の算出と(11)切削ピッチの決定。
(10)1刃当りの送り量(送り速度)と理論面粗さとの関係(図2参照)は、以下の式(1)で表されることが知られている。
Figure 2015074078
但し Rz(h):送り方向の理論面粗さ
R:工具R
f:1刃当りの送り量
である。
式(1)は次の式(2)でも表される。
Rz(h)=R・(1−cos(asin(f/2R))・・・式(2)
但し f:1刃当りの送り量
である。
そこで(2)加工後の実際の面粗さが理論面粗さRz(h)で得られるとして、目標面粗さに対応した1刃当りの送り量fを式(1)又は式(2)に基づいて算出する。
ここではfの算出とともに、送り方向と直角方向の切削ピッチpも併せて決定する。
表面粗さRzを与えるピッチpもまた上記と同じように以下の式(3)で表される。
Rz(h)=R・(1−cos(asin(p/2R))・・・式(3)
ここでは送り方向の面粗さと、送り方向に対して直角方向の面粗さとを等しくするため、ピッチpをfと同じ値に決定する。
[4](11)切削ピッチpからの切削面積の算出
送り方向と直交する2軸(12)深さ方向のピッチpと(13)水平方向のピッチpは前記切削ピッチpを満たす範囲で切削される面の角度にあわせて選択することが望ましい。しかしながら、自由曲面形状において切削される面の角度は場所によって変化するので算出するのには多大な回数の計算が必要となる。よって、簡易的にはp=pとなるように切削ピッチpを分解し、それらを掛け合わせることで(14)切削面積を算出できる。詳細には、切削ピッチpを直角ニ等辺三角形の斜辺として、切削ピッチを√2で割ることにより水平方向と深さ方向のピッチの最大値を計算する。
[5](10)1刃当りの送り量と(14)切削面積からの1刃当りの切削体積の算出
(10)1刃当りの送り量と(14)切削面積を掛け合せることで(15)1刃当りの切削体積を算出できる。
[6](7)工具径と(12)深さ方向のピッチからの計算
(7)工具径Dと(12)深さ方向のピッチpから(16)被加工材(被削材)が当る位置での工具半径r、詳しくは図3に示すように工具に対して被加工材表面が当る位置Sでの工具半径rを算出する。
[7]被加工材表面が当る位置Sでの工具半径rからのチップポケット容積の計算
図3に示すように深さ方向ピッチpから定まる被削材が当り位置Sでの工具半径r、エンドミルにおける異なった刃数ごとに変化するチップポケット断面積比の値からチップポケット容積を計算する。
[8]エンドミル刃数の決定
(15)1刃当りの切削体積と、(17)チップポケットの容積を比較し、(18)エンドミル刃数(工具刃数)を決定する。
この場合、1刃当りの切削体積を収容可能なチップポケットを有するものであれば、どの刃数のものも用いることができるが、刃数が多い方が単位時間当りの切削体積が多くなるため、許容される最多の刃数を決定するのが望ましい。
[9](19)工具回転数の算出
[2]で求めた(9)工具周速を、被削材表面が当る位置Sでの工具径dと円周率πで除することで(19)工具回転数を算出する。
[10](20)単位時間当りの切削体積の算出
(15)1刃当りの切削体積と(18)工具刃数と(19)工具回転数を掛け合せることで、(20)単位時間当りの切削体積を算出する。
[11](21)加工時間の予測
上記で得た(8)切削体積を、(20)単位時間当りの切削体積で除することで、(21)加工時間の目安を算出することができる。
[12]加工時間が目標内に収まるか否かの判定
(1)加工時間の目標と、[11]で得た(21)加工時間の目安とを比較することで、設定した目標面粗さの下での加工時間が目標内に収まるか否かを判定することができる。
[実施例1]
ボールエンドミルを用いた場合の具体例
次にエンドミルとしてボールエンドミルを用いた場合の切削条件設定の具体例を説明する。
以下は切削条件設定のための前提条件となるものである。
(1)加工時間の目標:5min
(2)目標面粗さ:最大高さRz(h):1μm
(3)目標形状(仕上げ加工後):溝幅15mmでR5mm,深さ5mm,長さ1000mm,取り代0.14mm
(4)被加工材切削における工具周速と工具摩耗量との関係:周速100m/minで摩耗量が最小(図4の(ニ)参照)
(5)エンドミル刃数ごとのチップポケット断面積比:2枚刃50%,3枚刃45%,4枚刃40%,6枚刃20%(工具メーカカタログの技術資料より)(図6参照)
[1](3)目標形状から
・最小R5mmから(6)工具ボール半径Rは5mmとする(図4(ロ)参照)。
・溝幅15mmから(7)工具径D=10mmのボールエンドミルを使用する。
・仕上げ加工の際の(8)切削体積は、取り代が0.14mmであることから(10×π/2+5)×1000×0.14=2899(mm)となる。
[2](9)工具周速
(4)被加工材の切削加工における工具周速と工具摩耗量との関係から、工具摩耗量が最小となるのは工具周速100m/minであることから、(9)工具周速を100m/minに定める。
[3]1刃当りの送り量f及び切削ピッチpの決定
(2)目標面粗さと(6)工具ボール半径Rとから、理論面粗さの式
Rz(h)=R・(1−cos(asin f/2R))・・・式(2)
により、目標面粗さRz:1μmを達成するための(10)1刃当りの送り量(送り速度)fの値0.2mm/刃を算出する。また送り方向と直角方向の切削ピッチpをfと同じ0.2mmとする。
[4]1刃当りの切削面積の算出
上記の(11)切削ピッチpを(12)深さ方向のピッチpと(13)水平方向のピッチpに分解し、それぞれを0.14mmと決定する。また送り方向と直角方向の平面の切削面積は0.02mm(0.14mm×0.14mm)となる。
[5]1刃当りの切削体積の算出
(10)1刃当りの送り量fと(14)切削面積から(15)1刃当りの切削体積は0.004mmとなる。
[6]被加工材表面の当る位置Sでの工具半径rの算出
図3に示すように(7)工具径Dと(12)深さ方向のピッチpから被加工材表面が当る位置Sでの工具半径rは
Figure 2015074078
となる。
[7]刃数の違いによるチップポケット容積の算出
切削屑(チップ)を収容可能なチップポケット容積は、図3に示すように(16)被加工材表面が当る位置Sでの工具半径rから同位置の工具断面の円の面積を求めて、(5)エンドミル刃数ごとのチップポケットの断面積比を掛けてこれを刃数で割り、(12)そして深さ方向のピッチpをこれに乗ずる(掛ける)ことで近似的に求めることができる。
2枚刃なら(π×0.63×0.63×0.5/2)×0.14=0.043mm
3枚刃なら(π×0.63×0.63×0.45/3)×0.14=0.026mm
4枚刃なら(π×0.63×0.63×0.40/4)×0.14=0.017mm
6枚刃なら(π×0.63×0.63×0.20/6)×0.14=0.005mm
[8]エンドミル刃数の決定
(15)1刃当りの切削体積は0.004mmであり、2枚刃,3枚刃,4枚刃,6枚刃の何れの刃数のエンドミルもチップポケットがこれを収めるだけの能力を有していることから、ここでは使用するエンドミルとして刃数が最大の6枚刃のエンドミルと決定する。
[9](19)工具回転数の決定
工具周速と回転数との関係は下記式(4)にて表される。
V=πdn・・・式(4)
但し V:周速
d:被削材が当る位置での工具径
n:回転数
である(図5(ホ)参照)。
式(4)に基づき、先に定めた(9)工具周速と被削材が当る位置Sでの工具半径rから回転数は
100×1000/(2×π×0.63)=25262rpm
として求まる。
[10](20)単位時間当りの切削体積の算出
(15)1刃当りの切削体積と、(17)工具刃数と、(19)回転数から(20)単位時間当りの切削体積は
0.004×6×25262=606mm/min
として求まる。
[11]加工時間予測
仕上げ加工の際の全体の(8)切削体積と(20)単位時間当りの切削体積から(21)加工時間の目安は
2899/606=4.8min
として求まる。
[12]目標面粗さと目標加工時間との両立の可否の判定
加工時間の目標は5分で、加工時間の目安は4.8分であることから、目標形状を目標の粗さと時間で切削できると判定できる。
以上の計算等は手計算等で行うことができるが、切削条件設定のためのプログラムを作成してこれをコンピュータの記憶部に格納しておき、そのプログラムに従ってコンピュータを動作させることで、目的とする切削時間の算出までの各ステップを実行させるようになすこともできる。
尚その際、被加工材の切削におけるエンドミルの周速と摩耗量との関係は、予め取得しておいたデータを記憶部に保存しておいて、その記憶部から読み出すようにすることができる。
同様にチップポケットの容積を求めるに際して、チップポケットの断面積比のデータをエンドミル刃数ごとに記憶部に保存しておき、その記憶部からデータを読み出して計算に用い、エンドミル刃数を決定するようになすことができる。
[実施例2]
次にボールミルとしてラジアスエンドミルを用いた場合の切削条件設定の具体例につき説明する。
以下は、ラジアスエンドミルを用いた場合の切削条件決定のための前提条件である。
(1)加工時間の目標:65min
(2)目標面粗さ:最大高さRz(h):1μm
(3)目標形状(仕上げ加工後):溝幅25mmでR5mm,深さ5mm,長さ1000mm,取り代0.14mm
(4)被加工材切削における工具周速と工具摩耗量との関係:周速100m/minで摩耗量が最小
(5)エンドミル刃数ごとのチップポケットの断面積比:2枚刃50%,3枚刃45%,4枚刃40%,6枚刃20%(工具メーカカタログの技術資料より)
[1](3)目標形状から
・最小R5mmから(6)工具コーナーアール半径Rは5mmとする。
・溝幅25mmから(7)工具径D=20mmのラジアスエンドミルを使用する。
・仕上げ加工の際の(8)切削体積は、取り代が0.14mmであることから(10×π/2+15)×1000×0.14=4299mmとなる。
[2](9)工具周速
(4)被加工材の切削加工における工具周速と工具摩耗量との関係から工具周速100m/minで工具摩耗量が最小となるため、(9)工具周速を100m/minに定める。
[3]1刃当りの送り量f及び切削ピッチpの決定
(2)目標面粗さと(6)工具コーナーアール半径Rとから、理論面粗さの式(2)により、(10)1刃当りの送り量fの値0.2mm/刃を算出する。また送り方向と直角方向の(11)切削ピッチpは0.2mmとする。
[4]1刃当りの切削面積の算出
(11)切削ピッチp=0.2mmから(12)深さ方向のピッチpと(13)水平方向のピッチpをそれぞれ0.14mmとし、(14)切削面積を0.02mmとする。
[5]1刃当りの切削体積の算出
(10)1刃当りの送り量fと(14)切削面積から、(15)1刃当りの切削体積は0.004mmとなる。
[6]被加工材表面の当る位置Sでの工具半径rの算出
(7)工具径Dと(12)深さ方向のピッチpから、(16)被削材が当る位置での工具半径rは
Figure 2015074078
となる。
[7]刃数の違いによるチップポケット容積の算出
(5)エンドミル刃数とチップポケットの大きさの関係、(12)深さ方向のピッチp及び(16)被削材表面が当る位置Sでの工具半径rから、(17)チップポケットの容積は、(16)被削材が当る位置Sでの工具半径rからRがついている部分(外周側ドーナツ状の部分)の面積を求めて、(5)エンドミル刃数ごとのチップポケットの断面積比を掛けて刃数で割り、(12) そして深さ方向のピッチpをこれに乗ずることで近似的に求めることができる。
2枚刃なら(π×(5.63×5.63−5×5)×0.5/2)×0.14=0.736mm
3枚刃なら(π×(5.63×5.63−5×5)×0.45/3)×0.14=0.441mm
4枚刃なら(π×(5.63×5.63−5×5)×0.40/4)×0.14=0.294mm
6枚刃なら(π×(5.63×5.63−5×5)×0.20/6)×0.14=0.098mm
[8]エンドミル刃数の決定
(15)1刃当りの切削体積と(17)チップポケット容積から、(18)エンドミル刃数は6枚刃とする。
[9]工具回転数の決定
(9)工具周速と(18)被削材があたる位置での工具半径から、(19)回転数は100×1000/(2×π×5.63)=2826rpmとなる。
[10]単位時間当りの切削体積の算出
(15)1刃当りの切削体積と、(17)工具刃数と、(19)回転数から(20)単位時間当りの切削体積は
0.004×6×2826=67mm/min
として求まる。
[11]加工時間予測
(8)予定された全体の切削体積と(20)単位時間当りの切削体積から、(21)加工時間の目安は
4299/67=64min
として求まる。
[12]目標面粗さと目標加工時間との両立の可否の判定
・加工時間の目標は65分で、加工時間の目安は64分であることから、目標形状を目標の粗さと時間で切削できることがわかる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明は様々な材質の金属加工に際して、また様々な形状を切削加工するに際して適用することが可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。

Claims (2)

  1. エンドミルを軸心周りに回転させつつ被加工材に対し相対移動させ、該被加工材を目標形状に目標面粗さで仕上げ加工するに際しての切削条件設定方法であって、
    (a)前記被加工材の前記目標形状の形状データに基づき、前記エンドミルの工具R及び工具径Dを決定する第1加工条件決定ステップと、
    (b)前記被加工材の前記目標面粗さを理論面粗さとしたとき、前記工具Rに基づいて該目標面粗さを達成可能な、前記エンドミルの送り速度である1刃当りの送り量と、送り方向と直角方向の切削ピッチを算出する第2加工条件決定ステップと、
    (c)前記送り量と前記切削ピッチとに基づいて1刃当りの切削体積を算出するとともに、該1刃当りの切削体積以上のチップポケット容積を有するように前記エンドミルの刃数を決定する第3加工条件決定ステップと、
    (d)予め求めてある前記被加工材の切削加工の際の前記エンドミルの周速と摩耗量との関係より、該エンドミルの最小摩耗量を1として該摩耗量が1.1以下の範囲内で周速を定めて、該周速から該エンドミルの回転数を算出する第4加工条件決定ステップと、
    (e)前記被加工材における前記仕上げ加工の加工前後の形状データから算出される切削体積を、前記1刃当りの切削体積,前記エンドミルの刃数及び前記回転数から導かれる単位時間当りの切削体積で除することで、前記仕上げ加工のための切削時間を算出する加工時間予測ステップと、
    を備えることを特徴とする切削条件設定方法。
  2. コンピュータに、請求項1に記載の前記切削条件設定方法における前記第1加工条件決定ステップ,第2加工条件決定ステップ,第3加工条件決定ステップ,第4加工条件決定ステップ,加工時間予測ステップの各ステップを実行させるためのプログラム。
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