JP6387857B2 - 砥石成形治具、および、これを用いた砥石成形装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガイドの寸法とその精度を保ったまま、砥石の成形作業を自動化できる砥石成形治具、および、これを用いた砥石成形装置を提供することである。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による砥石成形治具を図1〜図4に示す。砥石成形治具40は、ホーニングツール10に用いられる。
先ず、ホーニングツール10について図5および図6を参照して説明する。
ホーニングツール10は、ツール本体11と、拡張ロッド12と、ホーニング砥石13と、2つのガイド14とを有する。
ツール本体11は筒状である。ツール本体11の一端部15は、ホーニング盤の主軸35に把持されるシャンク部である。ツール本体11の他端部16には、周方向の一箇所に通孔17が形成されている。
ホーニング砥石13は、砥石20と、砥石20が固定された支持体21と、を有する。砥石20は、通孔17から径方向外側へ突き出すよう設けられており、ワーク30の被加工面31を加工する。支持体21は、傾斜面19と係合する係合面22を有する。砥石20の通孔17からの突き出し量は、拡張ロッド12の軸方向位置に応じて変化する。
このように構成されたホーニングツール10は、ワーク30の被加工穴に挿入されて、軸心AXまわりに回転されつつ軸方向へ往復移動されることによって、被加工面31をホーニング加工する。
次に、砥石成形治具40について図1〜図4を参照して説明する。
砥石成形治具40は、砥石20を被加工面31に密着するよう曲面状に成形する治具である。砥石成形治具40は、第1保持部41と、第2保持部42と、「成形部」としての電着砥石層43とを備える。
電着砥石層43は、第2溝47の内壁面に固着されており、砥石20を成形する成形面49を有する。
成形面49の曲率半径の許容される寸法範囲の最大値である最大許容寸法は、加工後の被加工面31の曲率半径と同じ、または、加工後の被加工面31の曲率半径よりも小さく設定されている。
次に、砥石成形治具40を用いた砥石成形装置について図7を参照して説明する。
砥石成形装置50は、砥石成形治具40と、ホーニングツール10が取り付けられる主軸51と、主軸51を駆動する駆動部52と、を備える。砥石成形治具40は、所定の位置で把持具53に固定されている。駆動部52は、第1アクチュエータ54と、第2アクチュエータ55と、第3アクチュエータ56と、制御ユニット57とを有する。第1アクチュエータ54は、主軸51を軸心AXまわりに回転させる駆動力を発生する。第2アクチュエータ55は、主軸51を軸方向へ移動させる駆動力を発生する。第3アクチュエータ56は、拡張ロッド12を軸方向へ押す駆動力を発生する。制御ユニット57は、第1〜第3アクチュエータ54、55、56を制御して、砥石20が成形面49に接触し且つガイド14が摺動面46に接触する状態を保ったまま、ホーニングツール10を軸心AXまわりに揺動させつつ軸方向へ往復運動させる。
以上説明したように、第1実施形態では、砥石成形治具40は、第1保持部41と、第2保持部42と、電着砥石層43とを備える。第1保持部41は、横断面形状が円弧状である第1溝44を有する。第1溝44の内壁面は、ガイド14の摺動する摺動面46である。第2保持部42は、第1保持部41に固定され、第1溝44と向かい合う位置に、横断面形状が円弧状である第2溝47を有する。電着砥石層43は、第2溝47の内壁面に固着され、砥石20を成形する成形面49を有する。摺動面46と成形面49とは、加工後の被加工面31の内径と同じ内径をもつ円筒面を形成している。
したがって、ホーニングツール10を比較的大きく軸心AXまわりに揺動させたとしても、ガイド14が削れることを回避できる。
したがって、ホーニングツール10を比較的大きく軸心AXまわりに揺動させたとしても、ガイド14が削れることを確実に回避できる。
したがって、砥石20の加工面23の曲率半径は、加工後の被加工面31の曲率半径以下になる。そのため、砥石20の加工面23の曲率半径が加工後の被加工面31の曲率半径よりも大きくなることに起因してホーニング加工の加工精度が低下すること、を回避できる。
したがって、ガイド14を削らずに砥石20を成形することができる。
本発明の第2実施形態では、図8に示すように、砥石成形治具60の電着砥石層61は、周方向の1箇所に凹部62を有する。したがって、砥石20を成形するとき生じる加工屑を凹部62に逃がして、電着砥石層61の目詰まりを防止することができる。
本発明の第3実施形態では、図9に示すように、砥石成形治具70の第2保持部71は、凹部62の底から外部まで貫通する通孔72を有する。したがって、砥石20を成形するとき必要な切削油を通孔72から供給することができる。
本発明の他の実施形態では、砥石成形装置は、専用機ではなく、ホーニング盤を利用して構成してもよい。つまり、砥石成形治具を取り付けて、「砥石が成形面に接触し且つガイドが摺動面に接触する状態を保ったまま、ホーニングツールを軸心まわりに揺動させつつ軸方向へ往復運動させる」ようプログラムを設定したホーニング盤であってもよい。
本発明の他の実施形態では、砥石成形治具の成形部は、電着砥石に限らず、他の砥石または刃具であってもよい。
本発明の他の実施形態では、ホーニングの砥石とガイドとの合計個数は4つ以上であってもよい。
本発明の他の実施形態では、ホーニングツールのガイドは、ツール本体と同一部材であってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
14・・・ガイド
20・・・砥石
30・・・ワーク
31・・・被加工面
41・・・第1保持部
42、71・・・第2保持部
43、61・・・電着砥石層(成形部)
44・・・第1溝
46・・・摺動面
47・・・第2溝
49・・・成形面
Claims (7)
- ワーク(30)の被加工面(31)を加工する砥石(20)と、前記砥石に対して周方向に間隔を空けて設けられ前記被加工面を摺動するガイド(14)と、を有するホーニングツール(10)に用いられ、前記砥石を前記被加工面に密着するよう曲面状に成形する砥石成形治具であって、
横断面形状が円弧状である第1溝(44)を有し、前記第1溝の内壁面が前記ガイドの摺動する摺動面(46)である第1保持部(41)と、
前記第1保持部に固定され、前記第1溝と向かい合う位置に、横断面形状が円弧状である第2溝(47)を有する第2保持部(42、71)と、
前記第2溝の内壁面に固定され、前記砥石を成形する成形面(49)を有する成形部(43、61)と、
を備え、
前記第2溝の前記内壁面の曲率半径は、前記摺動面の曲率半径よりも前記成形部の厚みの分だけ大きく設定されており、
前記摺動面と前記成形面とは、加工後の前記被加工面の内径と同じ内径をもつ円筒面を形成していることを特徴とする砥石成形治具。 - 1つの前記砥石と2つの前記ガイドとを有する前記ホーニングツールに用いられ、
前記摺動面の周方向長さは、前記成形面の周方向長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の砥石成形治具。 - 前記成形面の周方向長さと前記摺動面の周方向長さとの割合は、前記ホーニングツールが軸心まわりに回転して前記砥石が前記成形面の一端から他端まで動くとき、前記ガイドが常に前記摺動面だけに接触するように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の砥石成形治具。
- 前記成形面の曲率半径の許容される寸法範囲の最大値である最大許容寸法は、加工後の前記被加工面の曲率半径と同じ、または、加工後の前記被加工面の曲率半径よりも小さく設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の砥石成形治具。
- 前記成形部(61)は、周方向の1箇所または複数箇所に凹部(62)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の砥石成形治具。
- 前記第2保持部(71)は、前記凹部の底から外部まで貫通する通孔(72)を有することを特徴とする請求項5に記載の砥石成形治具。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の砥石成形治具と、
前記ホーニングツールが取り付けられる主軸(51)と、
前記砥石が前記成形面に接触し且つ前記ガイドが前記摺動面に接触する状態を保ったまま、前記ホーニングツールを軸心まわりに揺動させつつ軸方向へ往復運動させる駆動部(52)と、
を備えることを特徴とする砥石成形装置。
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