JP2015009298A - 引きねじ加工機具と加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械構造物における種々の箇所に形成するねじ部の加工を、ボルト締結側の反対側から加工できる引きねじ加工機具を提供すること。
【解決手段】 機械構造物100にねじ部11を加工する引きねじ加工機具1であって、前記ねじ部11の位置に形成した貫通穴10に挿入する駆動軸と、前記駆動軸の先端部に装着する加工工具と、を備え、前記加工工具は、前記駆動軸を回転させながら反ボルト締結側に引くことで前記貫通穴10にねじ部11を加工するタップを有している。
【選択図】 図4

Description

本願発明は、機械構造物の反ボルト締結側から引いてねじ加工する引きねじ加工機具と、そのねじ加工方法に関する。
従来、一般的な機械構造物(この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「機械構造物」は、大型エンジンやそのシリンダ等、機械構造物の各部品又は組立部品のいずれも含む)における各部品の締結には、一方の部品に雌ねじ部(この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、単に「ねじ部」ともいう)を加工し、その雌ねじ部にボルトのねじ部を螺合して各部品を締結する場合がある。このようなねじ部は、軸心に対して正確に加工する必要がある。
この種の先行技術として、ねじ切り工具でねじ下穴を加工後、ねじ穴軸から一定距離オフセットさせ、ねじ穴軸を中心にねじ切り工具を回転させながら徐々に引くことで、ねじ切り刃でねじを切る工具がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−47315号公報
しかしながら、機械構造物にねじ部を加工する場合、機械構造物の形状や設計上、種々の箇所に加工する必要が生じる。図9(a) 〜(c) は、従来のねじ部の加工例を示す断面図である。これらの加工例は、通常のねじ部の形成方法であり、ねじ部にボルトを締結する側(この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、「ボルト締結側P」という)から下穴を加工し、その下穴にタップでねじ部を形成する例を示している。矢印は、加工方向を示している。
図9(a) の機械構造物100は、ねじ部101の側部に壁部102が存在する場合の例である。この場合、機械構造物100のねじ部101を下方から行わなければならない加工部位もあり、通常の搬送状態(二点鎖線で示す状態)で行うことが難しい場合がある。そのため、ねじ部101を加工するために機械構造物100を反転させる必要が生じることがある。図示する実線が機械構造物100を反転させた状態を示しており、反転後に上方からねじ部101の加工を行う。この場合、反転に多くの作業時間を要し、生産効率が低下する。
図9(b) の機械構造物110は、ねじ部111の軸線上に、設計上、構造部分112が存在してねじ部111を軸線上から加工できない閉鎖部となっている場合の例である。このような場合、構造部分112の形状によっては、ねじ部111を加工できる工具がなく、機械加工ができない。そのため、閉鎖部にねじ部111を形成する必要がある機械構造物110においては、特殊工具製作費用が必要になり、多くの時間と費用を要する。また、閉鎖部にねじ部111が無いようにするには、機械構造物の形状を大幅に設計変更しなければならない場合が生じ、設計に制約を受ける。
図9(c) の機械構造物120は、ねじ部121の側部に高い壁部122が存在する場合の例である。この場合、高い壁部122よりも長い柄の加工工具(ドリル、タップ)が必要になり、加工工具を特別に製作する必要がある。また、長い柄の加工工具による加工の場合、「芯振れ」(加工機械の把持部における工具軸心に対し、加工工具の先端部における軸心が振れることをいう)を生じて加工精度が不安定になるおそれがある。
このように、機械構造物100,110,120には種々の形状があり、ねじ部101,111,121を形成する箇所も設計上、種々の箇所となる。そのため、従来の加工工具及び加工方法では、上記したように、ねじ部101,111,121を効率良く加工することが難しい場合がある。
なお、上記先行技術でも、本願発明が対象とするような種々の形状の機械構造物に効率良くねじ部を加工することは難しい。
そこで、本願発明は、機械構造物における種々の箇所に形成するねじ部の加工を、ボルト締結側の反対側から加工できる引きねじ加工機具とその加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明の引きねじ加工機具は、機械構造物にねじ部を加工する引きねじ加工機具であって、前記機械構造物のねじ部の位置に形成した貫通穴に挿入する駆動軸と、前記駆動軸の先端部に装着する加工工具と、を備え、前記加工工具は、前記駆動軸を回転させながら反ボルト締結側に引くことで前記貫通穴のボルト締結側から反ボルト締結側に向けてねじ部を加工するタップを有している。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「引きねじ加工」は、反ボルト締結側に引いてねじ加工を行うことをいう。また、「反ボルト締結側」は、ねじ部にボルトを締結する側の反対側をいう。
この構成により、貫通穴に挿入した駆動軸の先端部にタップを取付け、駆動軸を回転させながら反ボルト締結側に引くことで、貫通穴にボルト締結側から反ボルト締結側に向けてねじ部を加工することができる。従って、機械構造物にねじ部を加工する場合に、ボルト締結側の反対側からでも加工することができ、ねじ部の加工方向に選択肢を持たせることができる。これにより、種々の箇所にねじ部を加工することが容易にでき、ねじ部を設ける箇所の設計自由度を広げることもできる。
また、前記タップは、反ボルト締結側端部に食付き部を有し、ボルト締結側端部に逃し部を有していてもよい。
このように構成すれば、ねじ部を加工する時に食付き部でタップの食付きをよくし、加工後のタップを逃し部でボルト締結側へ安定して抜くことができる。
また、前記加工工具は、前記駆動軸を回転させながら反ボルト締結側に引くことで前記貫通穴にボルト締結側からねじ下穴を加工するねじ下穴カッタを有し、前記タップは、前記ねじ下穴にねじ部を加工するように構成されていてもよい。
このように構成すれば、貫通穴のボルト締結側にねじ下穴カッタでねじ下穴を加工し、そのねじ下穴にタップでねじ部を加工するので、貫通穴に拡径した任意の径のねじ部を形成することができる。
また、前記加工工具は、前記貫通穴のボルト締結側に座ぐり部を加工する座ぐりカッタを有していてもよい。
このように構成すれば、タップによる引きねじ加工の前に座ぐり部を加工し、平滑な面からタップでねじ部を加工することができる。
また、前記駆動軸は、先端側を前記貫通穴でガイドするガイド部材を有し、前記ガイド部材は、前記駆動軸の所定位置に着脱可能に装着されていてもよい。
このように構成すれば、駆動軸の先端側をガイド部材で貫通穴にガイドしながら加工することができるので、深穴加工であってもガイド部材から加工工具までの距離を短くすることができ、精度よくねじ部を加工することができる。しかも、貫通穴の径に応じてガイド部材を交換すれば、貫通穴に応じて駆動軸の先端側を適切にガイドしながら加工することができる。
また、前記駆動軸は、加工機械の把持部に装着する固定部を後端部に有し、前記固定部は、側方から前記把持部に固定できるように構成されていてもよい。
このように構成すれば、長い駆動軸であっても、貫通穴に挿入後、固定部を加工機械の把持部に側方から固定することができる。
一方、本願発明に係る引きねじ加工方法は、機械構造物にねじ部を加工する引きねじ加工方法であって、前記機械構造物のねじ部の位置に形成した貫通穴に駆動軸を挿入し、前記駆動軸の先端部に、前記貫通穴にねじ部を加工するタップを装着し、前記駆動軸を回転させながら反ボルト締結側に引くことで前記貫通穴のボルト締結側から反ボルト締結側に向けてねじ部を加工するようにしている。
この構成により、貫通穴に挿入した駆動軸の先端部にタップを装着し、駆動軸を回転させながら反ボルト締結側に引くことで、貫通穴のボルト締結側から反ボルト締結側に向けてねじ部を加工することができる。従って、機械構造物にねじ部を加工する場合に、ボルト締結側の反対側からでも加工することができ、ねじ部の加工方向に選択肢を持たせることができる。これにより、種々の箇所にねじ部を加工することが容易にでき、ねじ部を設ける箇所の設計自由度を広げることもできる。
また、前記ねじ部を加工する前に、前記駆動軸の先端部にねじ下穴カッタを装着して前記貫通穴にねじ下穴を加工し、前記ねじ下穴にねじ部を加工するようにしてもよい。
このように構成すれば、貫通穴に拡径した任意の径のねじ下穴を加工した後に、そのねじ下穴に応じた径のねじ部を加工することができる。
また、前記ねじ下穴を加工する前に、前記貫通穴の先端部に座ぐり部を加工するようにしてもよい。
このように構成すれば、引きねじ加工の前に座ぐり部を加工し、平滑な面から引きねじ加工を適切に行うことができる。
また、前記駆動軸の先端側をガイド部材で前記貫通穴にガイドした状態で前記ねじ部を加工するようにしてもよい。
このように構成すれば、駆動軸の先端側をガイド部材で貫通穴にガイドしながら加工するので、深穴加工であってもガイド部材から加工工具までの距離を短くすることができ、精度よくねじ部を加工することができる。
本願発明によれば、機械構造物における種々の箇所に形成するねじ部の加工を、ボルト締結側の反対側から適切に加工することが可能となる。
図1は本願発明の一実施形態に係る引きねじ加工機具における加工具の1つを示す図面であり、(a) は先端部分を半断面で示す側面図、(b) は加工工具の平面図である。 図2は本願発明の一実施形態に係る引きねじ加工機具における加工具の他の1つを示す図面であり、(a) は先端部分を半断面で示す側面図、(b) は加工工具の平面図である。 図3は本願発明の一実施形態に係る引きねじ加工機具における加工具の他の1つを示す図面であり、(a) は先端部分を半断面で示す側面図、(b) は加工工具の平面図である。 図4は図1〜図3に示す引きねじ加工機具によってねじ部を加工する状態を示す断面図である。 図5(a) は図1に示す加工工具による加工を示す説明図であり、図5(b) は図2に示す加工工具による加工を示す説明図である。 図6は図3に示す加工工具による加工を示す説明図である。 図7(a) 〜(c) は本願発明に係る引きねじ加工機具によって加工したねじ部の例を示す断面図である。 図8(a),(b) は本願発明に係る引きねじ加工機具によって加工したねじ部の他の例を示す断面図である。 図9(a) 〜(c) は従来の機械構造物におけるねじ部の加工例を示す断面図である。
以下、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、後述する図4に示す機械構造物100に、3種類の加工工具20,30,50を用いた引きねじ加工機具1によってねじ部11を加工する例を説明する。なお、以下の実施形態では、長い駆動軸22,52を例に説明するが、駆動軸22,52の長さは、ねじ部11を加工する箇所に適した長さを採用すればよい。
図1(a),(b) は、この実施形態における引きねじ加工機具1に含まれる加工工具の1つである座ぐりカッタ(座面用裏座ぐりカッタ)20を備えた第1加工具21の図面である。この第1加工具21は、2段の軸径となった第1駆動軸22を有している。この第1駆動軸22には、加工機械に取付ける固定部23が後端部に設けられ、カッタ取付部24が先端部に設けられている。固定部23には、後述する固定面75が形成されている。
第1駆動軸22は、先端側の所定位置までが細径のガイド部25に形成されている。ガイド部25には、先端側からガイドブッシュ40が挿入されている。ガイドブッシュ40は、ガイド部25の段部26に当接した状態で、止め輪41によって保持されている。このガイドブッシュ40は、第1駆動軸22の先端側を貫通穴10でガイドするガイド部材である。ガイドブッシュ40は、貫通穴10とほぼ同等(例えば、0.数mm 小径)の外径D0に形成されている。段部26は、ガイドブッシュ40がねじ部11の近傍に位置するように設けられている。このガイドブッシュ40により、第1駆動軸22の先端側における軸心が保たれるようにしている。
この第1加工具21における座ぐりカッタ20には、切削径D1となった複数枚(この例では3枚)の刃部27が設けられている。この座ぐりカッタ20は、第1駆動軸22の先端に設けられた凸部28に挿入され、中心部分がボルト29でガイド部25の軸心位置に固定されている。この状態で、座ぐりカッタ20の刃部27は、反ボルト締結側U(上方)に配置されている。この座ぐりカッタ20により、直径D1の座ぐりが加工される。
図2(a),(b) は、この実施形態における引きねじ加工機具1に含まれる加工工具の他の1つであるねじ下穴カッタ(ねじ下穴用裏座ぐりカッタ)30を備えた第2加工具31の図面である。この第2加工具31は、上記第1加工具21と同一の第1駆動軸22が用いられている。第1駆動軸22に関する説明は省略する。
この第2加工具31におけるねじ下穴カッタ30には、切削径D2となった複数枚(この例では3枚)の刃部37が設けられている。このねじ下穴カッタ30は、第1駆動軸22の先端に設けられた凸部28に挿入され、中心部分がボルト29でガイド部25の軸心位置に固定されている。この状態で、ねじ下穴カッタ30の刃部37は、反ボルト締結側U(上方)に配置されている。このようなねじ下穴カッタ30により、直径D2のねじ下穴が加工される。
図3(a),(b) は、この実施形態における引きねじ加工機具1に含まれる加工工具の他の1つであるタップ50を備えた第3加工具51の図面である。この第3加工具51は、2段の軸径となった第2駆動軸52を有している。この第2駆動軸52には、加工機械に取付ける固定部53が後端部に設けられ、タップ取付部54が先端部に設けられている。固定部53には、後述する固定面75が形成されている。
第2駆動軸52は、先端側の所定位置までが細径のガイド部55に形成され、このガイド部55の段部56にガイドブッシュ40が設けられている。ガイドブッシュ40は、第1駆動軸22に設けられたものと同一の構成であるため、詳細な説明は省略する。
この第3加工具51におけるタップ50には、上記ねじ下穴カッタ30によって加工された直径D2のねじ下穴12に、谷の径D3のねじ部11を加工するように刃部57が設けられている。この例では、複数枚(4枚)の刃部57が設けられている。この実施形態のタップ50は、右リード左回転用の引きタップである。
タップ50は、第2駆動軸52の先端に設けられた凸部58に挿入され、中心部分がボルト59でガイド部55の軸心位置に固定されている。また、この例では、タップ50とガイド部55との間にキー60が設けられ、タップ50が周方向にずれないようにしている。この第2駆動軸52と上記第1駆動軸22とは、同様の構成で加工工具を取付けるようにしてもよい。
また、タップ50には、軸方向の反ボルト締結側端部に食付き部61が設けられ、ボルト締結側端部に逃し部62が設けられている。食付き部61は、ねじ下穴12に対してタップ50が食付きやすいようにテーパ状に形成されている。逃し部62は、この実施形態ではボルト締結側端部に向けて縮径するテーパ状に形成されている。この逃し部62は、アール状に形成されたもの等でもよい。
図4は、上記図1〜図3に示す加工工具20,30,50によって、機械構造物100にねじ部11を加工するときの、加工機械70との関係を示す断面図である。この図では、各加工具21,31,51の各駆動軸22,52と機械構造物100と貫通穴10との関係を説明し、各加工工具20,30,50による加工の詳細は、後述する図5(a),(b) と図6で説明する。
機械構造物100には、ねじ部11を加工する位置に、ねじ部11の軸心Cと一致する貫通穴10が設けられている。そして、この貫通穴10のボルト締結側Pにねじ部11が加工されている。
このねじ部11を加工する場合、図示するように、貫通穴10の軸心Cに対して、加工機械70(駆動軸の回転と軸方向移動が可能な機械、例えば、ラジアルボール盤、ポータブルボール盤など)の把持部である工具ホルダ71の軸心を一致させてセットする。この状態で、各加工具21,31,51の各駆動軸22,52を貫通穴10に挿入し、工具ホルダ71に挿入する。
工具ホルダ71には、側面に固定ねじ72が設けられており、側方から固定ボルト73をねじ込んで、各駆動軸22,52の固定部23,53に形成された固定面(平面部)75を押圧するようになっている。固定面75を側方から押圧することで、固定部23,53を工具ホルダ71の内面に押圧して固定している。固定部23,53を側方から工具ホルダ(把持部)71に固定する方法としては、他の方法であってもよい。このように、各加工具21,31,51は、固定部23,53を側方から工具ホルダ71に装着できるようになっている。
これにより、加工機械70の工具ホルダ71を軸方向に移動させて各加工具21,31,51を装着するための移動量を極力小さくし、加工機械70の軸方向移動量(工具ホルダ71の軸方向移動量)を小さくしている。加工機械70の軸方向移動量を小さくすることで、簡易な加工機械70によるねじ加工を可能としている。従って、例えば、機械構造物100を設置場所で改造する場合等でも、製造会社などに輸送することなく近い場所で加工することが可能となり、工期の短縮や工費の削減が可能となる。
図4に示す状態は、加工機械70の軸心を貫通穴10の軸心位置に配置し、この加工機械70の工具ホルダ71に各駆動軸22,52を取付けた状態である。
また、図4に示す例では、長い駆動軸を用いた例であり、各駆動軸22,52を加工機械70の工具ホルダ71に取付けた状態では、ガイド部25,55に挿入されたガイドブッシュ40が、ねじ部11の近傍の反ボルト締結側における貫通穴10に位置する状態となる。
これにより、ガイドブッシュ40は貫通穴10の内径とほぼ同じ外径D0(例えば、貫通穴10の内径よりも0.数mm 小径)で形成されているため、深穴加工であったとしても、長い駆動軸22,52の芯ぶれをねじ部11の近傍のガイドブッシュ40で抑止することができる。このガイドブッシュ40による芯ぶれ防止は、全ての駆動軸22,52において同様であり、作業者の熟練度等によって加工差が生じることも抑止できる。
このようにして加工機械70の工具ホルダ71に取付けられた駆動軸22,52は、工具ホルダ71を回転させながら反ボルト締結側Uへ所定速度で引かれる(送られる)。これにより、先端の各加工工具20,30,50(図5(a),(b) 、図6)により、貫通穴10に座ぐり部13、ねじ下穴12及びねじ部11を適切に加工することができる。ねじ部11の部分に示す実線が、各加工工具20,30,50による加工を示している。
次に、図5(a),(b) と図6に基づいて、上記図1〜3に示す各加工工具20,30,50を用いたねじ部11の加工手順を説明する。この実施形態では、上記機械構造物100にねじ部11を加工する例を説明する。なお、各加工工具20,30,50による加工は、上記図4に示すように、各駆動軸22,52が貫通穴10に挿入され、加工機械70の工具ホルダ71に各駆動軸22,52の固定部23,53を固定した状態から説明する。
図5(a) は、第1駆動軸22に座ぐりカッタ20を取付けて座ぐり加工を行う状態を示している。まず、第1駆動軸22の先端に座ぐりカッタ20が装着され、ボルト29で固定される(図1)。そして、加工機械70によって工具ホルダ71を回転駆動し、反ボルト締結側U(上側)に向けて引かれる(図4)。これにより、第1駆動軸22はガイドブッシュ40によってねじ部11の近傍で支持された状態で回転しながら、座ぐりカッタ20によって機械構造物100が直径D1で切削される。この座ぐりカッタ20による切削は、貫通穴10のボルト締結側Pに所定深さの座ぐり部13が加工されるまで行われる。座ぐり部13の深さは、第1駆動軸22の引き量で管理される。
図5(b) は、上記座ぐりカッタ20で加工した座ぐり部13の中心部に、ねじ下穴カッタ30により下穴加工を行う状態を示している。上記座ぐりカッタ20による座ぐり部13の加工後、第1駆動軸22をボルト締結側Pに移動させ、先端の座ぐりカッタ20を取外してねじ下穴カッタ30が装着され、ボルト29で固定される(図2)。
ねじ下穴カッタ30を取付け後、工具ホルダ71を回転駆動し、反ボルト締結側U(上側)に向けて引かれる(図4)。これにより、第1駆動軸22は、ガイドブッシュ40によってねじ部11の近傍で支持された状態で回転しながら、貫通穴10がねじ下穴カッタ30によって切削される。これにより、座ぐり部13の中心位置に直径D2で所定深さのねじ下穴12が加工される。
図6は、上記ねじ下穴カッタ30で加工したねじ下穴12にタップ50でねじ部11を加工する状態を示している。上記各ねじ下穴12の加工後、第1駆動軸22をボルト締結側Pに向けて移動させ、工具ホルダ71から第1駆動軸22が取外され、第2駆動軸52が工具ホルダ71に取付けられる。そして、第2駆動軸52の先端にタップ50が装着され、ボルト59とキー60で固定される(図3)。
そして、加工機械70によって工具ホルダ71を回転駆動し、タップ50に適した回転と反ボルト締結側U(上側)への引きの送りを与えて、ねじ下穴12にねじ加工が行われる(図4)。この実施形態のタップ50は、右リード左回転用の引きタップであるため、第2駆動軸52を左回転させなが引かれる。これにより、ねじ下穴12に谷の径D3のねじ部11が加工される。この時、タップ50は、反ボルト締結側Uに設けられた食付き部61(図3(a) )によってねじ下穴12に食付いてねじ加工を適切に行うことができる。また、ねじ加工の完了後は、第2駆動軸52をボルト締結側Pに向けて移動させてタップ50を加工後のねじ部11から取出すが、この時には、タップ50に設けられた逃し部62(図3(a) )によって加工後のねじ部11を傷付けることはない。
図7(a) 〜(c) は、上記引きねじ加工機具1によって加工したねじ部11の例を示す図面である。これらの図は、上述した図9(a) 〜(c) に対応した図である。矢印は、加工方向を示している。
図7(a) に示すように、機械構造物100のねじ部11の側部に壁部102が存在したとしても、反ボルト締結側Uから貫通穴10を設け、その貫通穴10に駆動軸22,52を挿入し、その駆動軸22,52の先端部に加工工具20,30,50を取付けてねじ部11を加工することが可能となる(図4、図5(a),(b) 、図6)。
従って、上記引きねじ加工機具1によれば、ねじ部11を加工するために、従来は機械構造物100の反転が必要な場合でも反転させることなく、反ボルト締結側Uからねじ部11を適切に加工することが可能となる。これにより、機械構造物100の反転に要する作業時間を不要になり、作業効率の大幅な向上が可能となる。
図7(b) に示すように、ねじ部11の軸線上に、設計上、構造部分112が存在してねじ部11を軸線上から加工できない閉鎖部となっている場合でも、反ボルト締結側Uから貫通穴10を設け、その貫通穴10に駆動軸22,52を挿入し、その駆動軸22,52の先端部に加工工具20,30,50を取付けてねじ部11を加工することが可能となる(図4、図5(a),(b) 、図6)。
従って、上記引きねじ加工機具1によれば、ねじ部11を加工する部位が機械構造物110の閉塞部にある場合でも、特殊な加工工具の製作や設計変更などを行うことなく、反ボルト締結側Uからねじ部11を適切に加工することが可能となる。これにより、機械構造物100の製作形状に制約を受けずにねじ部11を加工することができ、機械構造物100の製作形状の自由度を向上させることが可能となる。
図7(c) に示すように、ねじ部11の加工部位が機械構造物120に設けられた高い壁部122に近接する深部にある場合でも、反ボルト締結側Uから貫通穴10を設け、その貫通穴10に駆動軸22,52を挿入し、その駆動軸22,52の先端部に加工工具20,30,50を取付けてねじ部11を加工することが可能となる(図4、図5(a),(b) 、図6)。
従って、上記引きねじ加工機具1によれば、ねじ部11を加工する部位が機械構造物120の深部にある場合でも、タップ50(加工工具)の柄の部分を長大に製作した特殊工具などを要することなく、反ボルト締結側Uからねじ部11を適切に加工することが可能となる。これにより、工具製作費用の低減ができ、加工精度も安定させることが可能となる。
また、上記引きねじ加工機具1によれば、図8(a) に示すように、貫通穴10に対して座ぐり加工を行わずに拡径したねじ下穴12を加工し、そのねじ下穴12にねじ部11を加工する場合でも対応できる。さらに、図8(b) に示すように、既存の貫通穴10の径とねじ下穴径とが等しい場合でも、貫通穴10にねじ部11を直接加工することで対応できる。これらの例は一例である。
以上のように、上記引きねじ加工機具1によれば、機械構造物100(110,120)に加工するねじ部11をボルト締結側の反対側から加工することができるので、種々の形状の機械構造物100や種々の箇所にねじ部11を適切に加工することが可能となる。しかも、ねじ部11の加工方向に反ボルト締結側Uからの選択肢ができるので、機械構造物100,110,120の設計自由度を広げることができ、機械構造物の性能向上、生産効率向上等の可能性を広げることが可能となる。
また、大型の機械構造物100における深穴加工であったとしても、ねじ部11を加工する近傍で駆動軸22,52を貫通穴10に支持して加工するので、作業者の熟練度等による加工差を抑えて正確なねじ部11を加工することが可能となる。
なお、上記実施形態では、機械構造物100,110,120を例示して説明したが、これらの機械構造物100,110,120は一例であり、機械構造物の形状やねじ部11の加工箇所は種々あり、上記実施形態以外の構成であっても本願発明を利用することはでき、機械構造物の形状やねじ部11を設ける箇所などは上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、機械構造物100,110,120に上方から引上げねじ加工を行う例を説明したが、ねじ部11を横向きに加工する場合でも同様に加工でき、ねじ部11を反ボルト締結側Uから加工する構成に適用できる。
さらに、上記実施形態では、各加工工具20,30,50を取付けるために複数の駆動軸22,52を例に説明したが、1つの駆動軸に全ての加工工具20,30,50を取付けるように構成してもよい。しかも、駆動軸と加工工具との組合わせも、上記実施形態に限定されるものではない。
また、上述した実施形態は一例を示しており、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
本願発明に係る引きねじ加工機具は、大型の機械構造物における深穴加工のねじ部加工に利用することができる。
1 引きねじ加工機具
10 貫通穴
11 ねじ部
12 ねじ下穴
13 座ぐり部
20 座ぐりカッタ(加工工具)
21 第1加工具
22 第1駆動軸
23 固定部
24 カッタ取付部
25 ガイド部
26 段部
27 刃部
28 凸部
29 ボルト
30 ねじ下穴カッタ(加工工具)
31 第2加工具
37 刃部
40 ガイドブッシュ
50 タップ(加工工具)
51 第3加工具
52 第2駆動軸
53 固定部
54 タップ取付部
55 ガイド部
56 段部
57 刃部
58 凸部
59 ボルト
61 食付き部
62 逃し部
70 加工機械
71 工具ホルダ(把持部)
72 固定ねじ
73 固定ボルト
75 固定面(平面部)
U 反ボルト締結側
P ボルト締結側
C 軸心
100 機械構造物

Claims (10)

  1. 機械構造物にねじ部を加工する引きねじ加工機具であって、
    前記機械構造物のねじ部の位置に形成した貫通穴に挿入する駆動軸と、
    前記駆動軸の先端部に装着する加工工具と、を備え、
    前記加工工具は、前記駆動軸を回転させながら反ボルト締結側に引くことで前記貫通穴のボルト締結側から反ボルト締結側に向けてねじ部を加工するタップを有していることを特徴とする引きねじ加工機具。
  2. 前記タップは、反ボルト締結側端部に食付き部を有し、ボルト締結側端部に逃し部を有している請求項1に記載の引きねじ加工機具。
  3. 前記加工工具は、前記駆動軸を回転させながら反ボルト締結側に引くことで前記貫通穴にボルト締結側からねじ下穴を加工するねじ下穴カッタを有し、
    前記タップは、前記ねじ下穴にねじ部を加工するように構成されている請求項1又は2に記載の引きねじ加工機具。
  4. 前記加工工具は、前記貫通穴のボルト締結側に座ぐり部を加工する座ぐりカッタを有している請求項3に記載の引きねじ加工機具。
  5. 前記駆動軸は、先端側を前記貫通穴でガイドするガイド部材を有し、
    前記ガイド部材は、前記駆動軸の所定位置に着脱可能に装着されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の引きねじ加工機具。
  6. 前記駆動軸は、加工機械の把持部に装着する固定部を後端部に有し、
    前記固定部は、側方から前記把持部に固定できるように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の引きねじ加工機具。
  7. 機械構造物にねじ部を加工する引きねじ加工方法であって、
    前記機械構造物のねじ部の位置に形成した貫通穴に駆動軸を挿入し、
    前記駆動軸の先端部に、前記貫通穴にねじ部を加工するタップを装着し、
    前記駆動軸を回転させながら反ボルト締結側に引くことで前記貫通穴のボルト締結側から反ボルト締結側に向けてねじ部を加工するようにしたことを特徴とする引きねじ加工方法。
  8. 前記ねじ部を加工する前に、前記駆動軸の先端部にねじ下穴カッタを装着して前記貫通穴にねじ下穴を加工し、前記ねじ下穴にねじ部を加工するようにした請求項7に記載の引きねじ加工方法。
  9. 前記ねじ下穴を加工する前に、前記貫通穴の先端部に座ぐり部を加工するようにした請求項8に記載の引きねじ加工方法。
  10. 前記駆動軸の先端側をガイド部材で前記貫通穴にガイドした状態で前記ねじ部を加工するようにした請求項7に記載の引きねじ加工方法。
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