JP6673462B2 - 表面処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、撥水撥油性重合体および高分子界面活性剤を含む表面処理剤に関する。具体的には、本発明は、繊維製品(例えば、カーペット)、紙、不織布、石材、静電フィルター、防塵マスク、燃料電池の部品に、優れた撥水性、撥油性、防汚性を付与できる。
従来、種々の含フッ素化合物が提案されている。含フッ素化合物には、耐熱性、耐酸化性、耐候性などの特性に優れているという利点がある。含フッ素化合物の自由エネルギーが低い、すなわち、付着し難いという特性を利用して、含フッ素化合物は、例えば、撥水撥油剤および防汚剤として使用されている。
撥水撥油剤として使用できる含フッ素化合物として、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートエステルを構成モノマーとする含フッ素重合体が挙げられる。表面処理剤の繊維への実用処理では、これまでの種々の研究結果からその表面特性として静的な接触角ではなく、動的接触角、特に後退接触角が重要であることを示している。すなわち、水の前進接触角はフルオロアルキル基の側鎖炭素数に依存しないが、水の後退接触角は、側鎖の炭素数8以上に比較して7以下では著しく小さくなることを示している。これと対応してX線解析は側鎖の炭素数が7以上では側鎖の結晶化が起こることを示している。実用的な撥水性が側鎖の結晶性と相関関係を有していること、および表面処理剤分子の運動性が実用性能発現の重要な要因であることが知られている(例えば、前川隆茂、ファインケミカル、Vol23, No.6, P12(1994))。上記理由により、側鎖の炭素数が7(特に6以下)以下と短いフルオロアルキル基をもつ(メタ)アクリレート系ポリマーでは側鎖の結晶性が低いためそのままでは実用性能を満足しない問題があった。
製品安定性に優れる含フッ素表面処理剤が提案されている。
特開平9-118877号公報は、水系媒体中に分散したポリフルオロアルキル基を含有するアクリレートまたはメタクリレートの重合単位を含む重合体(a)、および、界面活性剤(b)を含む水分散型撥水撥油剤組成物において、界面活性剤(b)が、下記界面活性剤(c)、下記界面活性剤(d)、および下記界面活性剤(e)の少なくとも3種を含むことを特徴とする、夾雑物安定性に優れる水分散型撥水撥油剤組成物を開示している。
特開平9-125051号公報は、水系媒体、水系媒体に分散したポリフルオロアルキル基を含有するアクリレートまたはメタクリレートの重合単位を含む重合体(a)、および界面活性剤(b)を含む、安定性に優れる水分散型撥水撥油剤組成物を開示している。
特開2015-120984号公報は、酸化金属、ピリジン系化合物、およびカチオン系ポリマーの中から選ばれる1種以上の抗菌剤と、吸水剤、非イオン系柔軟剤、およびカチオン系柔軟剤の中から選ばれる1種以上の化合物とを付与された繊維製品を開示している。
従来の含フッ素撥水撥油剤は、撥水撥油加工の加工安定性が不充分であった。
特開平9-118877号公報 特開平9-125051号公報 特開2015-120984号公報
本発明の1つの目的は繊維などの撥水撥油加工の加工安定性、特にガムアップ性が改良された表面処理剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、化学的安定性(夾雑物安定性)および機械的安定性に優れた表面処理剤を提供することである。
本発明は、
(A)フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)の一方または両方から誘導された繰り返し単位を有する撥水撥油性重合体、
(B)高分子型界面活性剤、および
(C)液状媒体
を含んでなる表面処理剤を提供する。
本発明は、さらに、
(i)液状媒体の存在下で、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(A1)または長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)を含んでなる単量体を重合して、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(A1)または長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)から誘導された繰り返し単位を有する撥水撥油性重合体の水性分散液を得る工程、および
(ii) 撥水撥油性重合体の水性分散液に高分子型界面活性剤を添加する工程
を有する表面処理剤の製造方法を提供する。
本発明の表面処理剤は、粒子の沈降が起こらず、ロールにポリマーが付着して生地汚れが生じることがない。
本発明によれば、優れた撥水性、撥油性、防汚性および汚れ脱離性、例えば、撥水撥油性の優れた耐久性が得られる。
本発明の表面処理剤は、撥水撥油剤、防汚剤および/または汚れ脱離剤として使用できる。
表面処理剤は、一般に、撥水撥油性重合体の水性エマルションである。
表面処理剤は、
(A)フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(A1)または長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)の一方または両方から誘導された繰り返し単位を有する撥水撥油性重合体、
(B)高分子型界面活性剤、および
(C)液状媒体
を含んでなる。
撥水撥油性重合体は、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体または長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体から誘導された繰り返し単位を有する単独重合体、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体から選択された2種以上の単量体から誘導された繰り返し単位を有する共重合体、またはフルオロアルキル基を有する含フッ素単量体または長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体から誘導された繰り返し単位と共重合可能な他の重合性化合物から誘導された繰り返し単位を有する共重合体である。
撥水撥油性重合体は、含フッ素重合体または非フッ素重合体である。含フッ素重合体は、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位を有する重合体である、非フッ素重合体は、長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体から誘導された繰り返し単位を有する重合体である。
本発明において、撥水撥油性重合体(A)は、(A1)フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位および/または(A2)長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体から誘導された繰り返し単位のみからなってよいが、
繰り返し単位(A1)および/または(A2)に加えて、
(A3)非フッ素非架橋性単量体から誘導された繰り返し単位および(A4)非フッ素架橋性単量体から誘導された繰り返し単位の一方または両方
を有することが好ましい。
撥水撥油性重合体(A)は、(A1)フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体および(A2)長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体の一方または両方から誘導された繰り返し単位を有する。すなわち、撥水撥油性重合体(A)は、(A1)フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位および(A2)長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体から誘導された繰り返し単位の一方または両方を有する。
(A1)含フッ素単量体
含フッ素単量体は、一般に、パーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロアルケニル基およびアクリル酸基もしくはメタクリル酸基もしくはα−置換アクリル酸基を有する重合性化合物である。
含フッ素単量体は式:
CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
[式中、Xは、水素原子、一価の有機基またはハロゲン原子であり、
Yは、-O- または -NH-であり、
Zは、直接結合または二価の有機基であり、
Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。]
で示される化合物であることが好ましい。
Zは、例えば、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状脂肪族基(特に、アルキレン基)、例えば、式−(CH−(式中、xは1〜10である。)で示される基、あるいは、式−R(R)N−SO−または式−−R(R)N−CO−で示される基(式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖アルキレン基または分枝状アルキレン基である。)、あるいは、式−CHCH(OR)CH−(Ar−O)p−(式中、Rは、水素原子、または、炭素数1〜10のアシル基(例えば、ホルミルまたはアセチルなど)、Arは、置換基を必要により有するアリーレン基、pは0または1を表す。)で示される基、あるいは、式−CH−Ar−(O)−(式中、Arは、置換基を必要により有するアリーレン基、qは0または1である。)で示される基、-(CH2)m−SO2−(CH2)n−基 または -(CH2)m−S−(CH2)n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10、である)であってよい。
Xの具体例は、H、CH、Cl、Br、I、F、CN、CFである。Xは、メチル基または塩素原子であることが好ましく、塩素原子であることが特に好ましい。
含フッ素単量体は、一般式:
CH2=C(−X)−C(=O)−Y−Z−Rf (I)
[式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX12基(但し、X1およびX2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基であり;
Yは、−O−または−NH−であり;
Zは、直接結合、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜18の芳香族基または環状脂肪族基、-CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)、
-CH2CH(OZ1)CH2-(Ph-O)p-基(但し、Z1は水素原子またはアセチル基、Phはフェニレン基、pは0または1である。)、-(CH2)n-Ph-O-基(但し、Phはフェニレン基、nは0〜10である。)、-(CH2)m−SO2−(CH2)n−基または -(CH2)m−S−(CH2)n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10である)、
Rfは、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基である。]
で示されるアクリレートエステルまたはアクリルアミドであることが好ましい。
含フッ素単量体において、Rf基が、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。Rf基の炭素数は、1〜12、例えば1〜6、特に4〜6、特別に6であることが好ましい。Rf基の例は、−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF3) 2、−CF2CF2CF2CF3、−CF2CF(CF3)2、−C(CF)3、−(CF2)4CF3、−(CF2)2CF(CF3)2、−CF2C(CF3)3、−CF(CF3)CF2CF2CF3、−(CF2)5CF3、−(CF2)3CF(CF3)2、−(CF2)4CF(CF3)2、−C817等である。
Zは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜18の芳香族基または環状脂肪族基、
-CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)、
-CH2CH(OZ1)CH2-(Ph-O)p-基(但し、Z1は水素原子またはアセチル基、Phはフェニレン基、pは0または1である。)、-(CH2)n-Ph-O-基(但し、Phはフェニレン基、nは0〜10である。)、-(CH2)m−SO2−(CH2)n−基または -(CH2)m−S−(CH2)n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10、である)であることが好ましい。脂肪族基は、アルキレン基(特に炭素数は1〜4、例えば1または2である。)であることが好ましい。芳香族基または環状脂肪族基は、置換または非置換であってよい。S 基または SO2基はRf基に直接に結合していてよい。
含フッ素単量体の具体例としては、例えば以下のものを例示できるが、これらに限定されるものではない。
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−C6H4−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2N(−CH3) SO2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2N(−C2H5) SO2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−CH2CH(−OH) CH2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−CH2CH(−OCOCH3) CH2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H )−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−CF2H )−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H )−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN )−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−CN )−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN )−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3 )−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−CF2CF3 )−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3 )−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−NH−(CH2)3−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H )−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CF2H )−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN )−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CN )−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3 )−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CF2CF3 )−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
[上記式中、Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。]
(A2)長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体
長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体は、式:
CH=CA11−C(=O)−O−A12
[式中、A11は、水素原子またはメチル基であり、
12は、炭素数18〜30の直鎖または分岐の炭化水素基である。]
で示される化合物であってよい。
長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体は、フルオロアルキル基を有しない。長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体は、フッ素原子を含有してもよいが、フッ素原子を含有しないことが好ましい。
11は、メチル基であることが特に好ましい。
12は、直鎖状または分岐状の炭化水素基である。直鎖状または分岐状の炭化水素基は、特に直鎖状の炭化水素基であってよい。直鎖状または分岐状の炭化水素基は、炭素数が18〜30である。直鎖状または分岐状の炭化水素基は、炭素数18〜28、特に18または22であることが好ましく、一般に飽和の脂肪族炭化水素基、特にアルキル基であることが好ましい。
長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体の好ましい具体例は、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートである。ステアリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体が存在することにより、撥水撥油性重合体が与える撥水性、撥油性および風合いが高くなる。
(A3)非フッ素非架橋性単量体
非フッ素非架橋性単量体(A3)は、長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)以外の単量体である。非フッ素非架橋性単量体(A3)は、フッ素原子を含まない単量体である。非フッ素非架橋性単量体(A3)は、架橋性官能基を有さない。非フッ素非架橋性単量体(A3)は、架橋性単量体(A4)とは異なり、非架橋性である。非フッ素非架橋性単量体(A3)は、好ましくは、炭素−炭素二重結合を有する非フッ素単量体である。非フッ素非架橋性単量体(A3)は、好ましくは、フッ素を含まないビニル単量体である。非フッ素非架橋性単量体(A3)は一般には、1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物である。
好ましい非フッ素非架橋性単量体(A3)は、式:
CH=CA−T
[式中、Aは、水素原子、メチル基、または、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)であり、
Tは、水素原子、炭素数1〜30の鎖状または環状の炭化水素基、またはエステル結合を有する鎖状または環状の炭素数1〜31の有機基である。]
で示される化合物である。
炭素数1〜30の鎖状または環状の炭化水素基の例は、炭素数1〜30の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜30の環状脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数7〜30の芳香脂肪族炭化水素基である。
エステル結合を有する鎖状または環状の炭素数1〜31の有機基の例は、-C(=O)-O-Q および-O-C(=O)-Q(ここで、Qは、炭素数1〜30の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜30の環状脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数7〜30の芳香脂肪族炭化水素基)である。
非フッ素非架橋性単量体(A3)の好ましい例には、例えば、エチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、およびビニルアルキルエーテルが含まれる。非フッ素非架橋性単量体(A3)はこれらの例に限定されない。
非フッ素非架橋性単量体(A3)は、アルキル基を有する(メタ)アクリレートエステルであってよい。アルキル基の炭素原子の数は1〜17であってよい。例えば、非フッ素非架橋性単量体(A3)は、一般式:
CH=CACOOA
[式中、Aは、水素原子、メチル基、または、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)であり、
は、C2n+1(n=1〜17)によって表されるアルキル基である。]
で示されるアクリレートであってよい。
含フッ素単量体は、炭素原子数1〜17のアルキル基を有する(メタ)アクリレートエステルから誘導された繰り返し単位を有しなくてもよい。
非フッ素非架橋性単量体(A3)は、環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体であってよい。環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体は、(好ましくは一価の)環状炭化水素基および一価の(メタ)アクリレート基を有する化合物である。一価の環状炭化水素基と一価の(メタ)アクリレート基は、直接に結合している。環状炭化水素基としては、飽和または不飽和である、単環基、多環基、橋かけ環基などが挙げられる。環状炭化水素基は、飽和であることが好ましい。環状炭化水素基の炭素数は4〜20であることが好ましい。環状炭化水素基としては、炭素数4〜20、特に5〜12の環状脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数7〜20の芳香脂肪族基が挙げられる。環状炭化水素基の炭素数は、15以下、例えば10以下であることが特に好ましい。環状炭化水素基の環における炭素原子が、(メタ)アクリレート基におけるエステル基に直接に結合することが好ましい。環状炭化水素基は、飽和の環状脂肪族基であることが好ましい。
環状炭化水素基の具体例は、シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチル基である。アクリレート基は、アクリレート基またはメタアクリレート基であることが好ましいが、メタクリレート基が特に好ましい。環状炭化水素基を有する単量体の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
非フッ素非架橋性単量体(A3)はハロゲン化オレフィンであってもよい。ハロゲン化オレフィンは、1〜10の塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されている炭素数2〜20のハロゲン化オレフィンであってよい。ハロゲン化オレフィン(b)は、炭素数2〜20の塩素化オレフィン、特に1〜5の塩素原子を有する炭素数2〜5のオレフィンであることが好ましい。ハロゲン化オレフィン(b)の好ましい具体例は、ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、ヨウ化ビニリデンである。
(A4)非フッ素架橋性単量体
撥水撥油性重合体は、非フッ素架橋性単量体(A4)から誘導された繰り返し単位を有していてよい。非フッ素架橋性単量体(A4)は、フッ素原子を含まない単量体である。非フッ素架橋性単量体(A4)は、少なくとも2つの反応性基および/または炭素−炭素二重結合を有し、フッ素を含有しない化合物であってよい。非フッ素架橋性単量体(A4)は、少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有する化合物、あるいは少なくとも1つの炭素−炭素二重結合および少なくとも1つの反応性基を有する化合物であってよい。反応性基の例は、ヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックイソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、などである。
非フッ素架橋性単量体(A4)としては、例えば、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示されるが、これらに限定されるものでない。
非フッ素非架橋性単量体(A3)および/または非フッ素架橋性単量体(A4)を共重合させることにより、撥水撥油性や防汚性およびこれらの性能の耐クリーニング性、耐洗濯性、溶剤への溶解性、硬さ、感触などの種々の性質を必要に応じて改善することができる。
単量体を、ブロックイソシアネート化合物およびオルガノポリシロキサン化合物からなる群から選択された少なくとも1種の化合物の存在下で、重合してよい。ブロックイソシアネート化合物(またはオルガノポリシロキサン化合物)の量は、単量体100重量部に対して、0〜100重量部、例えば1〜50重量部であってよい。
単量体をブロックイソシアネート化合物の存在下で重合することにより、ブロックイソシアネート基を有する重合体が得られる。ブロックイソシアネート化合物は、少なくとも一種のブロック剤によってブロックされているイソシアネートである。ブロック剤の例としては、オキシム類、フェノール類、アルコール類、メルカプタン類、アミド類、イミド類、イミダゾール類、尿素類、アミン類、イミン類、ピラゾール類、および活性メチレン化合物類が挙げられる。ブロック剤の他の例には、ピリジノール類、チオフェノール類、ジケトン類およびエステル類が挙げられる。ブロックイソシアネート化合物は、親水性基を有する化合物によって変性されていてもよい。
単量体をオルガノポリシロキサン化合物(例えば、メルカプト官能性オルガノポリシロキサン、ビニル官能性オルガノポリシロキサン)の存在下で重合することにより、シロキサン基を有する重合体が得られる。1つの実施形態において、メルカプト官能性オルガノポリシロキサンは、下記の平均式を有するシロキシ単位を有する:
(RSiO)(RRSiO)(RRSiO)
[式中、aは、0〜4000、あるいは、0〜1000、あるいは、0〜400であり、
bは、1〜1000、あるいは、1〜100、あるいは、1〜50であり、
cは、1〜1000、あるいは、1〜100、あるいは、1〜50であり;
Rは独立して、一価の有機基であり、
あるいは、Rは、炭素数1〜30の炭化水素であり、
あるいは、Rは、炭素数1〜12の一価アルキル基であり、
あるいは、Rはメチル基であり;
は、上記で定義されるような一価のアミノ官能性の有機基であり、
は、上記で定義されるような一価のメルカプト官能性の有機基である。]
含フッ素単量体(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)のそれぞれの量(あるいは単量体(A1)および単量体(A2)の合計)(ただし、単量体(A1)および単量体(A2)の合計は100重量%以下である。)は、撥水撥油性重合体に対して、30〜100重量%、好ましくは32〜98重量%、例えば35〜95重量%、特に40〜90重量%であってよい。
撥水撥油性重合体において、含フッ素単量体(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)の合計100重量部に対して、
非フッ素非架橋性単量体(A3)の量が1000重量部以下、例えば0.1〜300重量部、特に1〜200重量部であり、
非フッ素架橋性単量体(A4)の量が50重量部以下、例えば30重量部以下、特に0.1〜20重量部であってよい。
非フッ素非架橋性単量体(A3)の量は、撥水撥油性重合体(または単量体(A1)と単量体(A2)と単量体(A3)の合計)に対して、2〜68重量%、例えば5〜65重量%、特に10〜60重量%であってよい。
撥水撥油性重合体の数平均分子量(Mn)は、一般に1000〜1000000、例えば2000〜500000、特に3000〜200000であってよい。撥水撥油性重合体の数平均分子量(Mn)は、一般に、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定する。
(2)高分子型界面活性剤
高分子型界面活性剤は、重合前に添加される重合用界面活性剤および/または重合完了後に添加される後添加用界面活性剤であってよい。高分子型界面活性剤は、後添加用界面活性剤であることが好ましい。
高分子型界面活性剤は、カチオン性高分子型界面活性剤、特に、第四級アンモニウム塩系重合体であることが好ましい。高分子型界面活性剤において、窒素原子はイミノ基を形成することが好ましい。高分子型界面活性剤において、窒素原子が主鎖の一部を形成することが好ましい。
高分子型界面活性剤は、式:
-[(N+Y)](X-)r-
[式中、Xはハロゲン原子またはC1〜C4の脂肪酸塩基、
それぞれのYは、同一又は異なって、直接結合、または1価または2価の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基であり、
少なくとも2つのYは、隣接窒素原子とともに環を形成していもよい、
rは1または2である。]
で示される繰り返し単位を有していてよい。
Xにおいて、ハロゲン原子の具体例は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。脂肪酸塩基は、脂肪酸から水素原子を除いた基である。脂肪酸は、炭素数2〜20の脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸の具体例は、酢酸、酪酸である。
Yは、好ましくは、1価または2価の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状および/または分岐状の脂肪族基(例えば、アルキル基またはアルキレン基)である。酸素原子を有していてもよい脂肪族基の例は、ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシアルキレン基(例えば、-CHCH(OH)CH−)、あるいはオキシアルキル基またはオキシアルキレン基(-OCHCH−)である。
rが2である場合に、8つのY基はそれぞれ同一又は異なっていてもよい。
好ましい高分子型界面活性剤は、式:
-[(-Y1-(-Y2-N+(Z1)(Z2)-Y3-)-Y4-)(X-)r]-
[式中、Xはハロゲン原子またはC1〜C4の脂肪酸塩基、
Y1、Y2、Y3およびY4は、直接結合、または酸素原子を有していてもよい炭素数1〜10の2価の脂肪族基、
Y2とY3は、隣接窒素原子とともに環を形成していもよい、
Z1およびZ2は、炭素数1〜10の直鎖状および/または分岐状の脂肪族基、
rは1または2であり、
nは2以上の数である。]
で示される化合物である。
Xにおいて、ハロゲン原子の具体例は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。脂肪酸塩基は、脂肪酸から水素原子を除いた基である。脂肪酸は、炭素数2〜20の脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸の具体例は、酢酸、酪酸である。
Y1、Y2、Y3およびY4は、直接結合または炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましい。Y2とY3が隣接窒素原子とともに環を形成する場合に、形成される環は、5員環または6員環であることが好ましい。形成される環の具体例は、アジリジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環である。ピロリジン環が好ましい。
Z1およびZ2の具体例は、メチル基およびエチル基である。
nは、5〜10000の数、例えば10〜1000であってよい。
高分子界面活性剤は、オキシアルキレン基またはOH基の一方を有しないことが好ましく、オキシアルキレン基およびOH基の両方を(いずれも)有しないことがより好ましい。
高分子型界面活性剤の好ましい具体例は、次のとおりである。
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、
Figure 0006673462
ジメチルアミン・エピクロルヒドリン共重合体
Figure 0006673462
ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)プロピレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]、
ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]。
高分子型界面活性剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000、特に5,000〜50,000であることが好ましい。重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
高分子型界面活性剤の量は、撥水撥油性重合体100重量部に対して、0.01〜10重量部、例えば、0.02〜5重量部、特に0.03〜2重量部であってよい。
(3)液状媒体
液状媒体は、水性媒体、すなわち、水の単独、あるいは水と(水混和性)有機溶媒との混合物であってよい。有機溶媒の量は、液状媒体に対して、30重量%以下、例えば10重量%以下(好ましくは0.1%以上)であってよい。液状媒体は、水の単独であることが好ましい。液状媒体は、有機溶媒のみであってもよい。
液状媒体の量は、表面処理剤に対して、30〜99.1重量%、特に50〜99重量%であってよい。
(4)重合用界面活性剤
本発明において、一般に、重合用界面活性剤の存在下で、単量体を重合させることが好ましい。
本発明において、重合用界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の中から選択された少なくとも1種であってよい。
(4−1)ノニオン性界面活性剤
ノニオン性界面活性剤の例としては、エーテル、エステル、エステルエーテル、アルカノールアミド、多価アルコールおよびアミンオキシドが挙げられる。
エーテルの例は、オキシアルキレン基(好ましくは、ポリオキシエチレン基)を有する化合物である。
エステルの例は、アルコールと脂肪酸のエステルである。アルコールの例は、1〜6価(特に2〜5価)の炭素数1〜50(特に炭素数3〜30)のアルコール(例えば、脂肪族アルコール)である。脂肪酸の例は、炭素数2〜50、特に炭素数5〜30の飽和または不飽和の脂肪酸である。
エステルエーテルの例は、アルコールと脂肪酸のエステルに、アルキレンオキシド(特にエチレンオキシド)を付加した化合物である。アルコールの例は、1〜6価(特に2〜5価)の炭素数1〜50(特に炭素数3〜30)のアルコール(例えば、脂肪族アルコール)である。脂肪酸の例は、炭素数2〜50、特に炭素数5〜30の飽和または不飽和の脂肪酸である。
アルカノールアミドの例は、脂肪酸とアルカノールアミンから形成されている化合物である。アルカノールアミドは、モノアルカノールアミドまたはジアルカノールアミドであってよい。脂肪酸の例は、炭素数2〜50、特に炭素数5〜30の飽和または不飽和の脂肪酸である。アルカノールアミンは、1〜3のアミノ基および1〜5ヒドロキシル基を有する炭素数2〜50、特に5〜30のアルカノールであってよい。
多価アルコールは、2〜5価の炭素数15〜30のアルコールであってよい。
アミンオキシドは、アミン(二級アミンまたは好ましくは三級アミン)の酸化物(例えば炭素数5〜50)であってよい。
ノニオン性界面活性剤は、オキシアルキレン基(好ましくはポリオキシエチレン基)を有するノニオン性界面活性剤であることが好ましい。オキシアルキレン基におけるアルキレン基の炭素数は、2〜10であることが好ましい。ノニオン性界面活性剤の分子におけるオキシアルキレン基の数は、一般に、2〜100であることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤は、エーテル、エステル、エステルエーテル、アルカノールアミド、多価アルコールおよびアミンオキシドからなる群から選択されており、オキシアルキレン基を有するノニオン性界面活性剤であることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤は、直鎖状および/または分岐状の脂肪族(飽和および/または不飽和)基のアルキレンオキシド付加物、直鎖状および/または分岐状脂肪酸(飽和および/または不飽和)のポリアルキレングリコールエステル、ポリオキシエチレン(POE)/ポリオキシプロピレン(POP)共重合体(ランダム共重合体またはブロック共重合体)、アセチレングリコールのアルキレンオキシド付加物などであってよい。これらの中で、アルキレンオキシド付加部分およびポリアルキレングリコール部分の構造がポリオキシエチレン(POE)またはポリオキシプロピレン(POP)またはPOE/POP共重合体(ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってよい)であるものが好ましい。
また、ノニオン性界面活性剤は、環境上の問題(生分解性、環境ホルモンなど)から芳香族基を含まない構造が好ましい。
ノニオン性界面活性剤は、式:
R1O−(CH2CH2O)p−(R2O)q−R3
[式中、R1は炭素数1〜22のアルキル基または炭素数2〜22のアルケニル基またはアシル基であり、
R2のそれぞれは、独立的に同一または異なって、炭素数3以上(例えば、3〜10)のアルキレン基であり、
R3は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基または炭素数2〜22のアルケニル基であり、
pは2以上の数であり、
qは0または1以上の数である。]
で示される化合物であってよい。
R1は、炭素数8〜20、特に10〜18であることが好ましい。R1の好ましい具体例としては、ラウリル基、トリデシル基、オレイル基が挙げられる。
R2の例は、プロピレン基、ブチレン基である。
ノニオン性界面活性剤において、pは3以上の数(例えば、5〜200)であってよい。qは、2以上の数(例えば5〜200)であってよい。すなわち、−(R2O)q−がポリオキシアルキレン鎖を形成してもよい。
ノニオン性界面活性剤は、中央に親水性のポリオキシエチレン鎖と疎水性のオキシアルキレン鎖(特に、ポリオキシアルキレン鎖)を含有したポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルであってよい。疎水性のオキシアルキレン鎖としては、オキシプロピレン鎖、オキシブチレン鎖、スチレン鎖などが挙げられるが、中でも、オキシプロピレン鎖が好ましい。
好ましいノニオン性界面活性剤は、式:
R1O-(CH2CH2O)p-H
[式中、R1およびpは上記と同意義である。]
で示される界面活性剤である。
ノニオン性界面活性剤の具体例は、
C10H21O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C12H25O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C16H31O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C16H33O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C18H35O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C18H37O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C12H25O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-C12H25
C16H31O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-C16H31
C16H33O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-C12H25
iso-C13H27O-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C10H21COO-(CH2CH2O)-(C3H6O)-H
C16H33COO-(CH2CH2O)-(C3H6O)-C12H25
[式中、pおよびqは上記と同意義である。]
などである。
ノニオン性界面活性剤の具体例には、エチレンオキシドとヘキシルフェノール、イソオクタチルフェノール、ヘキサデカノール、オレイン酸、アルカン(C12-C16)チオール、ソルビタンモノ脂肪酸(C7-C19)またはアルキル(C12-C18)アミンなどとの縮合生成物が包含される。
ポリオキシエチレンブロックの割合がノニオン性界面活性剤(コポリマー)の分子量に対して5〜80重量%、例えば30〜75重量%、特に40〜70重量%であることができる。
ノニオン性界面活性剤の平均分子量は、一般に300〜5,000、例えば、500〜3,000である。
ノニオン性界面活性剤は1種単独でも2種以上を併用することもできる。
ノニオン性界面活性剤は2種以上の組み合わせであることが好ましい。2種以上の組み合わせにおいて、少なくとも1種のノニオン性界面活性剤は、R1基(および/またはR3基)が分岐のアルキル基(例えば、イソトリデシル基)であるR1O-(CH2CH2O)p-(R2O)q-R3[特に、R1O-(CH2CH2O)p-H]で示される化合物であってよい。R1基が分岐のアルキル基であるノニオン性界面活性剤の量は、ノニオン性界面活性剤の合計100重量部に対して、5〜100重量部、例えば8〜50重量部、特に10〜40重量部であってよい。2種以上の組み合わせにおいて、残りのノニオン性界面活性剤は、R1基(および/またはR3基)が(飽和および/または不飽和の)直鎖のアルキル基(例えば、ラウリル基(n-ラウリル基))であるR1O-(CH2CH2O)p-(R2O)q-R3[特に、R1O-(CH2CH2O)p-H]で示される化合物であってよい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーなどを挙げることができる。
(4−2)カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤は、アミド基を有しない化合物であることが好ましい。
カチオン性界面活性剤の例として、アミン、アミン塩、4級アンモニウム塩、イミダゾリンおよびイミダゾリニウム塩が挙げられる。
カチオン性界面活性剤は、アミン塩、4級アンモニウム塩、オキシエチレン付加型アンモニウム塩であることが好ましい。カチオン性界面活性剤の具体例としては、特に限定されないが、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の4級アンモニウム塩型界面活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の例は、
R21-N+(-R22)(-R23)(-R24) X-
[式中、R21、R22、R23およびR24のそれぞれは、独立的に同一または異なって、水素原子または炭素数1〜50の炭化水素基、
Xはアニオン性基である。]
の化合物である。炭化水素基は、酸素原子を有していてもよく、例えば、ポリオキシアルキレン基などのオキシアルキレン(アルキレンの炭素数は例えば2〜5である。)であってよい。R21、R22、R23およびR24は炭素数1〜30の炭化水素基(例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素または芳香脂肪族炭化水素)であることが好ましい。
R21、R22、R23およびR24の具体例は、アルキル基(例えば、メチル基、ブチル基、ステアリル基、パルミチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基(フェニルメチル基)、フェネチル基(フェニルエチル基))である。
Xの具体例は、ハロゲン(例えば、塩素)、酸(例えば、塩酸などの無機酸、酢酸などの有機酸(特に、脂肪酸))である。
カチオン性界面活性剤は、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩(アルキルの炭素数4〜30)であることが特に好ましい。
カチオン性界面活性剤は、アンモニウム塩、特に4級アンモニウム塩であることが好ましい。カチオン性界面活性剤は、式:
R31 p - N+R32 qX
[式中、R31のそれぞれは、独立的に同一または異なって、C12以上(例えばC12〜C50)の直鎖状および/または分岐状の脂肪族(飽和および/または不飽和)基、
R32のそれぞれは、独立的に同一または異なって、HまたはC1〜4のアルキル基、ベンジル基、ポリオキシエチレン基(オキシエチレン基の数例えば1(特に2、特別には3)〜50)(CH3、C2H5が特に好ましい)、
Xはハロゲン原子(例えば、塩素および臭素)、C1〜C4の脂肪酸塩基、
pは1または2、qは2または3で、p+q=4である。]
で示されるアンモニウム塩であってよい。R31の炭素数は、12〜50、例えば12〜30であってよい。
カチオン性界面活性剤の具体例には、ドデシルトリメチルアンモニウムアセテート、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、(ドデシルメチルベンジル)トリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、メチルドデシルジ(ヒドロポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド、ベンジルドデシルジ(ヒドロポリオキシエチレン)アンモニウムクロライドが包含される。
(4−3)アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は、有機酸の塩(例えば、有機酸と無機塩基またはアミンとの塩)であることが好ましい。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ココイルサルコシンナトリウム、ナトリウムN−ココイルメチルタウリン、ポリオキシエチレンヤシアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ジエーテルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカルボン酸塩(商品名ユニダインDS−101、102(ダイキン工業(株)製))などを挙げることができる。
(4−4)両性界面活性剤
両性界面活性剤の具体例としては、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン類、アミドベタイン類、酢酸ベタインなどが挙げられ、具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤のそれぞれが1種または2以上の組み合わせであってよい。
重合用界面活性剤の量は、撥水撥油性重合体100重量部に対して、0.05〜20重量部、例えば、0.1〜10重量部であってよい。
(5)他の成分
表面処理剤は、撥水撥油性重合体、液状媒体および界面活性剤以外の他の成分として、非フッ素撥水性化合物および添加剤の少なくとも1種を含有してもよい。
(5−1)非フッ素撥水性化合物
表面処理剤は、フッ素原子を含まない撥水性化合物(非フッ素撥水性化合物)を含有することがある。
非フッ素撥水性化合物は、非フッ素アクリレート重合体、飽和または不飽和の炭化水素化合物、またはシリコーン系化合物であってよい。
非フッ素アクリレート重合体は、1種類の非フッ素アクリレート単量体によって構成される単独重合体、あるいは少なくとも2種類の非フッ素アクリレート単量体によって構成される共重合体、あるいは少なくとも1種類の非フッ素アクリレート単量体および少なくとも1種類の他の非フッ素単量体(エチレン性不飽和化合物、例えば、エチレン、ビニル系単量体)によって構成される共重合体である。
非フッ素アクリレート重合体を構成する非フッ素アクリレート単量体は、式:
CH=CA−T
[式中、Aは、水素原子、メチル基、または、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)であり、
Tは、水素原子、炭素数1〜30の鎖状または環状の炭化水素基、またはエステル結合を有する鎖状または環状の炭素数1〜31の有機基である。]
で示される化合物である。
炭素数1〜30の鎖状または環状の炭化水素基の例は、炭素数1〜30の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜30の環状脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数7〜30の芳香脂肪族炭化水素基である。
エステル結合を有する鎖状または環状の炭素数1〜31の有機基の例は、-C(=O)-O-Q および-O-C(=O)-Q(ここで、Qは、炭素数1〜30の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜30の環状脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数7〜30の芳香脂肪族炭化水素基)である。
非フッ素アクリレート単量体の例には、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが含まれる。
非フッ素アクリレート単量体は、アルキル(メタ)アクリレートエステルであることが好ましい。アルキル基の炭素原子の数は1〜30であってよく、例えば、6〜30(例えば、10〜30)であってよい。非フッ素アクリレート単量体の具体例は、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートおよびベヘニル(メタ)アクリレートである。
非フッ素アクリレート重合体は、撥水撥油性重合体と同様の重合方法で製造できる。
飽和または不飽和の炭化水素系化合物は飽和の炭化水素であることが好ましい。飽和または不飽和の炭化水素系化合物において、炭素数は、15以上、好ましくは20〜300、例えば25〜100であってよい。飽和または不飽和の炭化水素系化合物の具体例は、パラフィンなどである。
シリコーン系化合物は、一般に、撥水剤として使用されているものである。シリコーン系化合物は、撥水性を示す化合物であれば、限定されない。
非フッ素撥水性化合物の量は、撥水撥油性重合体の100重量部に対して、500重量部以下、例えば、5〜200重量部、特に、5〜100重量部であってよい。
(5−2)添加剤
表面処理剤は、添加剤を含んでよい。
添加剤の例は、含ケイ素化合物、ワックス、アクリルエマルションなどである。添加剤の他の例は、他の含フッ素重合体,乾燥速度調整剤,架橋剤,造膜助剤,相溶化剤,界面活性剤,凍結防止剤,粘度調整剤,紫外線吸収剤,酸化防止剤,pH調整剤,消泡剤,風合い調整剤,すべり性調整剤,帯電防止剤,親水化剤,抗菌剤,防腐剤,防虫剤,芳香剤,難燃剤等である。
本発明における撥水撥油性重合体および非フッ素重合体は通常の重合方法の何れでも製造でき、また重合反応の条件も任意に選択できる。このような重合方法として、溶液重合、懸濁重合、乳化重合が挙げられる。
溶液重合では、重合開始剤の存在下で、単量体を有機溶媒に溶解させ、窒素置換後、30〜120℃の範囲で1〜10時間、加熱撹拌する方法が採用される。重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01〜20重量部、例えば0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
有機溶媒は、単量体に不活性でこれらを溶解するものであり、例えば、エステル(例えば、炭素数2〜30のエステル、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、炭素数2〜30のケトン、具体的には、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン)、アルコール(例えば、炭素数1〜30のアルコール、具体的には、イソプロピルアルコール)であってよい。有機溶媒の具体例としては、アセトン、クロロホルム、HCHC225、イソプロピルアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタンなどが挙げられる。有機溶媒は単量体の合計100重量部に対して、10〜2000重量部、例えば、50〜1000重量部の範囲で用いられる。
乳化重合では、重合開始剤および乳化剤の存在下で、単量体を水中に乳化させ、窒素置換後、50〜80℃の範囲で1〜10時間、撹拌して重合させる方法が採用される。重合開始剤は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーベンゾエート、1−ヒドロキシシクロヘキシルヒドロ過酸化物、3−カルボキシプロピオニル過酸化物、過酸化アセチル、アゾビスイソブチルアミジン−二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性のものやアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの油溶性のものが用いられる。重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
放置安定性の優れた重合体水分散液を得るためには、高圧ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーのような強力な破砕エネルギーを付与できる乳化装置を用いて、単量体を水中に微粒子化して重合することが望ましい。また、乳化剤としてはアニオン性、カチオン性あるいはノニオン性の各種乳化剤を用いることができ、単量体100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲で用いられる。アニオン性および/またはノニオン性および/またはカチオン性の乳化剤を使用することが好ましい。単量体が完全に相溶しない場合は、これら単量体に充分に相溶させるような相溶化剤、例えば、水溶性有機溶媒や低分子量の単量体を添加することが好ましい。相溶化剤の添加により、乳化性および共重合性を向上させることが可能である。
水溶性有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エタノールなどが挙げられ、水100重量部に対して、1〜50重量部、例えば10〜40重量部の範囲で用いてよい。また、低分子量の単量体としては、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートなどが挙げられ、単量体の総量100重量部に対して、1〜50重量部、例えば10〜40重量部の範囲で用いてよい。
重合においては、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤の使用量に応じて、重合体の分子量を変化させることができる。連鎖移動剤の例は、ラウリルメルカプタン、チオグリコール、チオグリセロールなどのメルカプタン基含有化合物(特に、(例えば炭素数1〜30の)アルキルメルカプタン)、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの無機塩などである。連鎖移動剤の使用量は、単量体の総量100重量部に対して、0.01〜10重量部、例えば0.1〜5重量部の範囲で用いてよい。
本発明の処理剤は、溶液、エマルション(特に、水性分散液)またはエアゾールの形態であってよいが、水性分散液であることが好ましい。処理剤は、撥水撥油性重合体(表面処理剤の活性成分)および媒体(特に、液状媒体、例えば、有機溶媒および/または水)を含んでなる。媒体の量は、例えば、処理剤に対して、5〜99.9重量%、特に10〜80重量%であってよい。
処理剤において、撥水撥油性重合体の濃度は、0.01〜95重量%、例えば5〜50重量%であってよい。
本発明の処理剤は、従来既知の方法により被処理物に適用することができる。通常、該処理剤を有機溶媒または水に分散して希釈して、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により、被処理物の表面に付着させ、乾燥する方法が採られる。また、必要ならば、適当な架橋剤(例えば、ブロックドイソシアネート)と共に適用し、キュアリングを行ってもよい。さらに、本発明の処理剤に、防虫剤、柔軟剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、塗料定着剤、防シワ剤などを添加して併用することも可能である。基材と接触させる処理液における撥水撥油性重合体の濃度は0.01〜10重量%(特に、浸漬塗布の場合)、例えば0.05〜10重量%であってよい。
本発明の処理剤(例えば、撥水撥油剤)で処理される被処理物としては、繊維製品、石材、フィルター(例えば、静電フィルター)、防塵マスク、燃料電池の部品(例えば、ガス拡散電極およびガス拡散支持体)、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面、およびプラスターなどを挙げることができる。繊維製品としては種々の例を挙げることができる。例えば、綿、麻、羊毛、絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、あるいはこれらの混合繊維が挙げられる。
繊維製品は、繊維、布等の形態のいずれであってもよい。
本発明の処理剤は、内部離型剤あるいは外部離型剤としても使用できる。
撥水撥油性重合体は、繊維製品を液体で処理するために知られている方法のいずれかによって繊維状基材(例えば、繊維製品など)に適用することができる。繊維製品が布であるときには、布を溶液に浸してよく、あるいは、布に溶液を付着または噴霧してよい。処理された繊維製品は、撥油性を発現させるために、乾燥され、好ましくは、例えば、100℃〜200℃で加熱される。
あるいは、撥水撥油性重合体はクリーニング法によって繊維製品に適用してよく、例えば、洗濯適用またはドライクリーニング法などにおいて繊維製品に適用してよい。
処理される繊維製品は、典型的には、布であり、これには、織物、編物および不織布、衣料品形態の布およびカーペットが含まれるが、繊維または糸または中間繊維製品(例えば、スライバーまたは粗糸など)であってもよい。繊維製品材料は、天然繊維(例えば、綿または羊毛など)、化学繊維(例えば、ビスコースレーヨンまたはレオセルなど)、または、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリアミドまたはアクリル繊維など)であってよく、あるいは、繊維の混合物(例えば、天然繊維および合成繊維の混合物など)であってよい。本発明の撥水撥油性重合体は、セルロース系繊維(例えば、綿またはレーヨンなど)を疎油性および撥油性にすることにおいて特に効果的である。また、本発明の方法は一般に、繊維製品を疎水性および撥水性にする。
あるいは、繊維状基材は皮革であってよい。撥水撥油性重合体を、皮革を疎水性および疎油性にするために、皮革加工の様々な段階で、例えば、皮革の湿潤加工の期間中に、または、皮革の仕上げの期間中に、水溶液または水性乳化物から皮革に適用してよい。
あるいは、繊維状基材は紙であってもよい。撥水撥油性重合体を、予め形成した紙に適用してよく、または、製紙の様々な段階で、例えば、紙の乾燥期間中に適用してもよい。
「処理」とは、処理剤を、浸漬、噴霧、塗布などにより被処理物に適用することを意味する。処理により、処理剤の有効成分である重合体が被処理物の内部に浸透するおよび/または被処理物の表面に付着する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下において、部または%または比は、特記しない限り、重量部または重量%または重量比を表す。
試験の手順は次のとおりである。
撥水性試験
JIS−L−1092(AATCC−22)のスプレー法に準じて処理布の撥水性を評価した。下記に記載する表1に示されるように撥水性No.によって表す。点数が大きいほど撥水性が良好なことを示し、状態によっては中間値(95、85、75)、+−で優劣をつける。
Figure 0006673462
ガムアップ性
重合体の水性分散液を固形分濃度が1.8重量%になるように水道水で希釈し、40℃に温度調整できるパッドに処理浴を入れ、マングルロールには綿布を輪にして連続処理できるようにして、圧力5.5kgf/cmで連続処理を行った。1時間後のマングルへのポリマーの付着状態を目視観察し、下記に記載する表2の基準によりガムアップ性を判定する。
Figure 0006673462
製造例1
500mLオートクレーブにC13CHCHOCOC(CH)=CH(C6SFMA)=80g、ステアリルアクリレート=20g、純水=200g、トリプロピレングリコール=30g、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル=3g、ポリオキシエチレン(POE)イソトリデシルエーテル=7gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。乳化後にオートクレーブ内を窒素置換後、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩=1gを添加し、60℃で3時間反応させて重合体の水性分散液を得た。更に純水で固形分濃度を30%に調整した。
製造例2
500mLオートクレーブにC13CHCHOCOC(CH)=CH(C6SFMA)=80g、ステアリルアクリレート=20g、純水=200g、トリプロピレングリコール=30g、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル=3g、ポリオキシエチレン(POE)イソトリデシルエーテル=4g、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド(DOdDMAC)=3gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。乳化後にオートクレーブ内を窒素置換後、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩=1gを添加し、60℃で3時間反応させて重合体の水性分散液を得た。更に純水で固形分濃度を30%に調整した。
製造例3
500mLオートクレーブにC13CHCHOCOC(CH)=CH(C6SFMA)=60g、ステアリルアクリレート=10g、イソボルニルメタクリレート=10g、純水=200g、トリプロピレングリコール=30g、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル=3g、ポリオキシエチレン(POE)イソトリデシルエーテル=7gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。乳化後にオートクレーブ内を窒素置換後、塩化ビニル(VCM)=20gを圧入充填し、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩=1gを添加し、60℃で3時間反応させて重合体の水性分散液を得た。更に純水で固形分濃度を30%に調整した。
製造例4
500mLオートクレーブにC13CHCHOCOC(Cl)=CH(C6SFCLA)=80g、ステアリルアクリレート=20g、純水=200g、トリプロピレングリコール=30g、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル=3g、ポリオキシエチレン(POE)イソトリデシルエーテル=7gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。乳化後にオートクレーブ内を窒素置換後、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩=1gを添加し、60℃で3時間反応させて重合体の水性分散液を得た。更に純水で固形分濃度を30%に調整した。
製造例5
500mLオートクレーブにC13CHCHOCOC(Cl)=CH(C6SFCLA)=60g、ラウリルアクリレート=20g、イソボルニルメタクリレート=20g、純水=200g、トリプロピレングリコール=30g、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル=3g、ポリオキシエチレン(POE)イソトリデシルエーテル=7gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。乳化後にオートクレーブ内を窒素置換後、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩=1gを添加し、60℃で3時間反応させて重合体の水性分散液を得た。更に純水で固形分濃度を30%に調整した。
製造例6
500mLオートクレーブにC13CHCHOCOC(Cl)=CH(C6SFCLA)=40g、ラウリルアクリレート=20g、イソボルニルメタクリレート=20g、純水=200g、トリプロピレングリコール=30g、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル=3g、ポリオキシエチレン(POE)イソトリデシルエーテル=7gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。乳化後にオートクレーブ内を窒素置換後、塩化ビニル(VCM)=20gを圧入充填し、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩=1gを添加し、60℃で3時間反応させて重合体の水性分散液を得た。更に純水で固形分濃度を30%に調整した。
製造例7
500mLオートクレーブにステアリルアクリレート=90g、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート=10g、純水=200g、トリプロピレングリコール=30g、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル=3g、ポリオキシエチレン(POE)イソトリデシルエーテル=7gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。乳化後にオートクレーブ内を窒素置換後、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩=1gを添加し、60℃で3時間反応させて重合体の水性分散液を得た。更に純水で固形分濃度を30%に調整した。
製造例8
500mLオートクレーブにステアリルアクリレート=70g、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート=10g、純水=200g、トリプロピレングリコール=30g、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル=3g、ポリオキシエチレン(POE)イソトリデシルエーテル=7gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。乳化後にオートクレーブ内を窒素置換後、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩=1gを添加し、60℃で1時間反応させた後、塩化ビニル=20gを圧入充填し、さらに2時間反応させて重合体の水性分散液を得た。更に純水で固形分濃度を30%に調整した。
各製造例についての組成を表3にまとめた。
Figure 0006673462
実施例1
製造例1において製造した重合分散液(30%)100部に対して、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量9000)(PDADMAC−9000)の30%水溶液を0.1部混合した水性分散液を調整した。この分散液を固形分濃度が0.15重量%、0.30重量%、0.60重量%になるよう水道水により希釈した試験溶液を調製し、ポリエステル布をこの試験溶液に浸してからマングルに通し、160℃で2分間、熱処理した試験布で撥水性を評価した(低濃度撥水性)。また、分散液の固形分濃度が0.60重量%、分散染料が0.006重量%になるよう水道水により希釈した試験溶液についても同様に撥水性を評価した。さらにガムアップ性について評価を行った。
実施例2
製造例1において製造した重合分散液(30%)100部に対して、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量30000)(PDADMAC−30000)の30%水溶液を0.1部混合した水性分散液を調製し、実施例1と同様に評価を行った。
実施例3
製造例1において製造した重合分散液(30%)100部に対して、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量30000)(PDADMAC−30000)の30%水溶液を0.5部混合した水性分散液を調製し、実施例1と同様に評価を行った。
実施例4
製造例1において製造した重合分散液(30%)100部に対して、ジメチルアミンエピクロルヒドリン縮合体塩(分子量9000)(PDMAECH−9000)の30%水溶液を0.1部混合した水性分散液を調製し、実施例1と同様に評価を行った。
実施例5〜11
製造例2〜8において製造した重合分散液(30%)100部に対して、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量30000)(PDADMAC−30000)の30%水溶液を0.1部混合した水性分散液を調製し、実施例1と同様に評価を行った。
比較例1
製造例1において製造した重合分散液(30%)に何も添加せず、実施例1と同様に評価を行った。
比較例2
製造例1において製造した重合分散液(30%)100部に対して、ポリオキシエチレン牛脂アルキルベンジルアンモニウムクロライド(TBzPOEC)の30%水溶液を0.1部混合した水性分散液を調製し、実施例1と同様に評価を行った。
比較例3
製造例1において製造した重合分散液(30%)100部に対して、ラウリルジメチルアミンオキシド(LDMAO)の30%水溶液を0.1部混合した水性分散液を調製し、実施例1と同様に評価を行った。
比較例4
製造例1において製造した重合分散液(30%)100部に対して、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド(StDMAPAD)の30%水溶液を0.1部混合した水性分散液を調製し、実施例1と同様に評価を行った。
比較例5〜8
製造例1を製造例8に代えて、比較例1〜4と同様に調製および評価を行った。
各例の性能を表4および表5に示す。
Figure 0006673462

Figure 0006673462
本発明の表面処理剤は、例えば、撥水撥油剤、防汚剤および汚れ脱離剤として使用できる。

Claims (10)

  1. (A)フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)の一方または両方から誘導された繰り返し単位を有する撥水撥油性重合体、
    (B)高分子型界面活性剤、および
    (C)液状媒体
    を含んでなる表面処理剤であって、
    含フッ素単量体(A1)が式:
    CH 2 =C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
    [式中、Xは、水素原子、一価の有機基またはハロゲン原子であり、
    Yは、-O- または -NH-であり、
    Zは、直接結合または二価の有機基であり、
    Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。]
    で示される化合物であり、
    長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)が式:
    CH =CA 11 −C(=O)−O−A 12
    [式中、A 11 は、水素原子またはメチル基であり、
    12 は、炭素数18〜30の直鎖または分岐の炭化水素基である。]
    で示される化合物であり、
    高分子型界面活性剤(B)が式:
    −[(N )] (X
    [式中、Xはハロゲン原子またはC 〜C の脂肪酸塩基、
    それぞれのYは、同一又は異なって、直接結合、または1価または2価の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基であり、
    少なくとも2つのYは、隣接窒素原子とともに環を形成していてもよく、
    rは1または2である。]
    で示される繰り返し単位を有する第四級アンモニウム塩系重合体であり、
    含フッ素単量体(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)の合計量は、撥水撥油性重合体に対して、30〜100重量%であり、高分子型界面活性剤(B)の量は、撥水撥油性重合体(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部である表面処理剤
  2. 含フッ素単量体(A1)において、Rfが炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である請求項に記載の表面処理剤。
  3. 撥水撥油性重合体が、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)から誘導された繰り返し単位を有する撥水撥油性重合体であるか、または
    フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(A1)から誘導された繰り返し単位を有するが、撥水撥油性重合体長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)から誘導された繰り返し単位を有しない撥水撥油性重合体であるか、または
    長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)から誘導された繰り返し単位を有するが、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(A1)から誘導された繰り返し単位を有しない撥水撥油性重合体であり、
    撥水撥油性重合体が、
    (A3)非フッ素非架橋性単量体から誘導された繰り返し単位、および
    (A4)非フッ素架橋性単量体から誘導された繰り返し単位
    の少なくとも1種をさらに有し、
    非フッ素非架橋性単量体(A3)が、一般式:
    CH =CA COOA
    [式中、A は、水素原子、メチル基、または、フッ素原子以外のハロゲン原子であり、
    は、C 2n+1 (ただし、n=1〜17)によって表されるアルキル基である。]
    で示されるアクリレート、
    一価の環状炭化水素基と一価の(メタ)アクリレート基が直接に結合している、環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体、ならびに
    1〜10の塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されている炭素数2〜20のハロゲン化オレフィン
    からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であり、
    非フッ素架橋性単量体(A4)が、少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有する化合物、あるいは少なくとも1つの炭素−炭素二重結合および少なくとも1つの反応性基を有する化合物である請求項1または2に記載の表面処理剤。
  4. 高分子型界面活性剤(B)が、式:
    -[(-Y1-(-Y2-N+(Z1)(Z2)-Y3-)-Y4-)(X-)r]-
    [式中、Xはハロゲン原子またはC1〜C4の脂肪酸塩基、
    Y1、Y2、Y3およびY4は、直接結合または酸素原子を有していてもよい炭素数1〜10の2価の脂肪族基、
    Y2とY3は、隣接窒素原子とともに環を形成していもよ
    Z1およびZ2は、炭素数1〜10の直鎖状および/または分岐状の脂肪族基、
    rは1または2であり、
    nは2以上の数である。]
    で示される化合物である請求項1〜のいずれかに記載の表面処理剤。
  5. 高分子型界面活性剤(B)の重量平均分子量が、3,000〜100,000、特に5,000〜50,000である請求項1〜のいずれかに記載の表面処理剤。
  6. 液状媒体(C)の量は、表面処理剤に対して、30〜99.1重量%である請求項1〜のいずれかに記載の表面処理剤。
  7. 含フッ素単量(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)の合計は、撥水撥油性重合体に対して、32〜98重量%であり、
    非フッ素非架橋性単量体(A3)の量は、撥水撥油性重合体に対して、2〜68重量%であり、
    非フッ素架橋性単量体(A4)の量は、含フッ素単量体(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)の合計100重量部に対して、50重量部以下である請求項のいずれかに記載の表面処理剤。
  8. 表面処理剤が、撥水撥油剤、防汚剤または汚れ脱離剤である請求項1〜のいずれかに記載の表面処理剤。
  9. (i)液状媒体の存在下で、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)の一方または両方を含んでなる単量体を重合して、含フッ素単量体(A1)および長鎖(メタ)アクリレートエステル単量体(A2)の一方または両方から誘導された繰り返し単位を有する撥水撥油性重合体の水性分散液を得る工程、および
    (ii) 撥水撥油性重合体の水性分散液に高分子型界面活性剤を添加する工程
    を有する、請求項1〜のいずれかに記載の表面処理剤を製造する方法。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の表面処理剤を基材に適用することを含む、処理された基材の製造方法。
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