以下、図1乃至図28を用いて、本発明の一実施形態において用いられる伝送システムの基本的な構成について説明した後に、図29乃至図45を用いて、伝送システムの具体的な構成を説明する。
<<伝送システムの基本構成>>
図1は、本発明の一実施形態において利用される伝送システム1の概略図である。伝送システムには、伝送管理システム(管理装置)を介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビまたはビデオ会議システム、テレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム等が例として挙げられる。
ここでは、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビまたはビデオ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビまたはビデオ会議管理システム、及びコミュニケーション端末の一例としてのテレビまたはビデオ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理システム、及び伝送端末について説明する。即ち、本発明の伝送端末及び伝送管理システムは、テレビまたはビデオ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステム、又は伝送システムにも適用される。
図1に示す伝送システム1は、複数の伝送端末(10aa,10ab,…,10db)、各伝送端末(10aa,10ab,…,10db)用のディスプレイ(120aa,120ab,…,120db)、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)、及び伝送管理システム50、プログラム提供システム90及びメンテナンスシステム100によって構築されている。
なお、以下では、伝送端末(10aa,10ab,…,10db)のうち任意の伝送端末を示す場合には「伝送端末10」を用い、ディスプレイ(120aa,120ab,…,120db)のうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ120」を用い、中継装置(30a,30b,30c,30d)のうち任意の中継装置を示す場合には「中継装置30」を用いる。
伝送端末10は、他の伝送端末10との間で、画像データ、音声データ等の送受信を行う。以下、画像データの画像が動画の場合について説明するが、動画だけでなく静止画であってもよい。また、画像データの画像には、動画と静止画の両方が含まれてもよい。中継装置30は、複数の伝送端末10の間で、画像データ及び音声データの中継を行う。伝送管理システム50は、伝送端末10及び中継装置30を一元的に管理する。
外部入力装置40は、伝送端末10と接続され、伝送端末10に対して資料データを表示するための表示データを送信する。ここでの資料データとは、たとえば、文書作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、プレゼンテーション用ソフトウェア等を用いて利用されるデータを表す。
また、図1に示されている複数のルータ(70a,70b,…,70f)は、画像データ及び音声データの最適な経路の選択を行う。なお、以下、ルータ(70a,70b,…,70f)のうち任意のルータを示す場合には「ルータ70」を用いる。プログラム提供システム90は、伝送端末10に各種機能又は各種手段を実現させるための伝送端末用プログラムが記憶された、不図示のHD(Hard Disk)を備えており、伝送端末10に、伝送端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHDには、中継装置30に各種機能又は各種手段を実現させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHDには、伝送管理システム50に各種機能又は各種手段を実現させるための伝送管理用プログラムも記憶されており、伝送管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。
また、伝送端末10aa、伝送端末10ab、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。伝送端末10ba、伝送端末10bb、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70cが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
一方、伝送端末10ca、伝送端末10cb、中継装置30c、及びルータ70dは、LAN2cによって通信可能に接続されている。伝送端末10da、伝送端末10db、中継装置30d、及びルータ70eは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70fが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカであり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70c,70f)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、伝送端末10、及び中継装置30と通信可能に接続されている。伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
ここでは、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、通信ネットワーク2が構築されている。
また、図1において、各伝送端末10、各中継装置30、伝送管理システム50、各ルータ70、及びプログラム提供システム90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、伝送端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが。説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
<<ハードウェア構成>>
図2は、伝送端末の外観図である。以下、伝送端末10の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
図2に示されているように、伝送端末10は、筐体1100、アーム1200、及びカメラハウジング1300を備えている。このうち、筐体1100の前側壁面1110には、複数の吸気孔によって形成された不図示の吸気面が設けられており、筐体1100の後側壁面1120には、複数の排気孔が形成された排気面1121が設けられている。これにより、筐体1100に内蔵された冷却ファンの駆動によって、不図示の吸気面を介して伝送端末10の後方の外気を取り込み、排気面1121を介して伝送端末10の後方へ排気することができる。筐体1100の右側壁面1130には、収音用孔1131が形成さ
れ、後述する内蔵型のマイク114によって音声、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
筐体1100の右側壁面1130側には、操作パネル1150が形成されている。この操作パネル1150には、後述の複数の操作ボタン(108a〜108e)、後述の電源スイッチ109、及び後述のアラームランプ119が設けられていると共に、後述の内蔵型のスピーカ115からの出力音を通すための複数の音声出力孔によって形成された音出面1151が形成されている。また、筐体1100の左側壁面1140側には、アーム1200及びカメラハウジング1300を収容するための凹部としての収容部1160が形成されている。筐体1100の右側壁面1130には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にケーブルを接続するための複数の接続口(1132a〜1132c)が設けられている。一方、筐体1100の左側壁面1140には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にディスプレイ120用のケーブル120cを接続するための不図示の接続口が設けられている。
なお、以下では、操作ボタン(108a〜108e)のうち任意の操作ボタンを示す場合には「操作ボタン108」を用い、接続口(1132a〜1132c)のうち任意の接続口を示す場合には「接続口1132」を用いて説明する。
次に、アーム1200は、トルクヒンジ1210を介して筐体1100に取り付けられており、アーム1200が筐体1100に対して、135度のチルト角θ1の範囲で、上下方向に回転可能に構成されている。図2は、チルト角θ1が90度の状態を示している。
カメラハウジング1300には、内蔵型のカメラ1021が設けられており、利用者、書類、及び部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング1300には、トルクヒンジ1310が形成されている。カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介して、アーム1200に取り付けられている。そして、カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介してアーム1200に取り付けられており、カメラハウジング1300がアーム1200に対して、図2で示されている状態を0度として±180度のパン角θ2の範囲で、且つ、±45度のチルト角θ3の範囲で、上下左右方向に回転可能に構成されている。
なお、中継装置30、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90は、それぞれ一般のサーバ・コンピュータの外観と同じであるため、外観の説明を省略する。
図3は、伝送端末10のハードウェア構成図である。図3に示されているように、伝送端末10は、伝送端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、伝送端末用プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、画像データや音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、伝送端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、伝送端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F111、CPU101の制御に従って被写体を撮像し画像データを得るCCD(Charge Coupled Device)112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力するマイク114、音声を出力するスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、外部の装置と各種データを送受信する外部装置I/F118、伝送端末10の各種機能の異常を知らせるアラームランプ119及び上記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、図2に示されている筐体1100の接続口1132に差し込まれたUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ電気的に接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
なお、記録メディア106は、伝送端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。更に、カメラ112は、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子であり、被写体を撮像するものであればCCDに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いてもよい。また、ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成されている。
更に、上記伝送端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
図4は、伝送管理システム50のハードウェア構成図である。伝送管理システム50は、伝送管理システム50全体の動作を制御するCPU201、伝送管理用プログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、各種データを記憶するHD(Hard Disk)204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対するデータの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、外部の装置と情報を送受信する外部装置I/F215及び、上記各構成要素を図4に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、外部入力装置40は、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、外部入力装置40を制御するための外部入力装置用プログラムが記録されている。この場合も、外部入力装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、中継装置30は、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCDROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、プログラム提供システム90は、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、メンテナンスシステム100は、伝送端末10、中継装置30、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、又は保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、伝送端末10、中継装置30、伝送管理システム50、又はプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、伝送端末10、中継装置30、伝送管理システム50、認証システム80、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等
のメンテナンスを行う。
また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、伝送端末10、中継装置30、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、又は故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
また、プログラム提供システム90及びメンテナンスシステム100は、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記プログラム提供システム用プログラムは、HD204ではなくROM202に記
憶されるようにしてもよい。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<<基本的な機能構成>>
次に、各システム及び端末の基本的な機能構成について説明する。図5は、伝送システム1を構成する各端末、装置及びシステムの機能ブロック図である。図5では、伝送端末10、中継装置30、及び伝送管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。外部入力装置40は、伝送端末10とデータを送受信することができるように接続されている。また、図24は、伝送システム1を構成する外部入力装置40の機能ブロック図である。また、図1に示されているプログラム提供システム90は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図5では省略されている。
<伝送端末の機能構成>
伝送端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14a、画像表示制御部14b、音声入力部15a、音声出力部15b、選択処理部16、遅延検出部17、外部情報送受信部18、及び記憶・読出処理部19を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、伝送端末10は、図3に示されているSSD105によって構築される記憶部1000を有している。
(伝送端末の各機能部)
次に、伝送端末の各部を詳細に説明する。伝送端末10の送受信部11は、図3に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。操作入力受付部12は、図3に示されている操作ボタン108、及び電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、図3に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。ログイン要求部13は、図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び伝送端末10abの現時点のIPアドレスを自動的に送信する。
撮像部14aは、図3に示されているカメラ112、及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。画像表示制御部14bは、図3に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ120に対して画像データを送信するための制御を行う。音声入力部15aは、図3に示されているマイク114、及び音声入出力I/F116によって実現され、利用者の音声を入力し、この音声を音声信号に変換することで、音声信号に係る音声データを出力する。音声出力部15bは、図3に示されているスピーカ115、及び音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号を音声に変換して出力する。
選択処理部16は、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を行うため、図3に示されているCPU101からの命令によって、計測部16a、算出部16b、及び選択部16cを実現する。このうち、計測部16aは、送受信部11によって受信された後述の事前送信情報毎に、送受信部11によって事前送信情報が受信される際の受信日時を計測する。算出部16bは、計測部16aによって受信日時が計測された事前送信情報毎に、この計測された受信時間と、この事前送信情報に含まれている送信日時との差に基づいて、事前送信情報の送信から受信までの所要時間を算出する。選択部16cは、算出部16bによって算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報が中継された中継装置30を選択することで、最終的に1つの中継装置を選択する。
遅延検出部17は、図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、他の伝送端末10から中継装置30を介して送られて来る画像データ又は音声データの遅延時間(ms)を検出する。また、外部情報送受信部18は、外部装置I/F215により外部装置とデータを送受信する。また、記憶・読出処理部19は、図3に示すSSD105によって実行され、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。記憶部1000には、伝送端末10を識別するための端末ID(Identification)、及びパスワード、並びに、画像データ、及び音声データ、各種データを送信する中継装置30を識別する中継装置ID、宛先端末のIPアドレス等が記憶される。また、記憶部1000には、外部入力装置40に送信され、外部入力装置40上で動作する表示データ取得部451及び表示データ送信部452が記憶されている。表示データ取得部451は、外部入力装置40が表示データを取得するものであり、表示データ送信部452は、表示データ取得部451が取得した表示データを伝送端末10に送信するものである。表示データとは、表示装置の画面に表示された画像をJPEG(Joint Photographic Experts Group)やBitmap等の形式にした画像データ、G
DI(Graphics Device Interface )等の形式にした描画コマンドを表す。
なお、端末ID、及び後述の中継装置IDは、それぞれ伝送端末10、及び中継装置30を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、端末ID、及び中継装置IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。また、以下では、テレビ会議の開始を要求する要求元としての伝送端末10を「要求元端末10A」とし、要求先である宛先としての伝送端末10を「宛先端末10B」として説明する。
<外部入力装置の機能構成>
外部入力装置40は、図24に示されているように、送受信部41、接続検出部42、インストール判定部43、プログラム取得部44、操作入力受付部46、表示制御部47、マウント部48及び記憶・読出処理部49を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、外部入力装置40は、図4に示されているHDD205によって構築される記憶部4000を有している。また、外部入力装置40は、Windows(登録商標)等のOS(Operating System)を搭載し、これにより、他の装置と接続したときにはプログラムを実行する機能を備えている。
<外部入力装置の各機能部>
次に、外部入力装置40の各部を詳細に説明する。外部入力装置40の送受信部41は、図4に示されているネットワークI/F209によって実現され、伝送端末10から各種データ(情報)の送受信を行う。接続検出部42は外部装置入出力I/F215により外部装置とデータの送受信が可能となったことを検出する。インストール判定部43は外部入力装置40に表示データ取得部451、表示データ送信部452がインストールされているか否かを判定する。プログラム取得部44は、送受信部41を経由して接続された伝送端末10の記憶部1000から表示データ取得部451、表示データ送信部452を取得し、インストールする。操作入力受付部46は、利用者の操作による入力を受け付ける。表示制御部47は、後述する記憶・読出処理部49が読み出した画像を表示装置400に表示させる。マウント部48は、外部入力装置40に接続されている各種装置の記憶部をマウントする。記憶・読出処理部49は、図4に示されているHDD205によって実行され、記憶部4000に各種データを記憶したり、記憶部4000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。記憶部4000には、資料データ等が記憶される。
<中継装置の機能構成>
次に、中継装置30の機能又は手段について説明する。中継装置30は、送受信部31、状態検知部32、データ品質確認部33、変更品質管理部34、データ品質変更部35、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、中継装置30は、図4に示されているHD204により構築される記憶部3000を有している。
(変更品質管理テーブル)
記憶部3000には、図7に示されているような変更品質管理テーブルによって構成されている変更品質管理DB3001が構築される。変更品質管理テーブルでは、画像データの中継先としての伝送端末30のIPアドレス、及びこの中継先に中継装置30が中継する画像データの画質が関連付けられて管理される。
ここで、画像データの画像の解像度について説明する。図6(a)に示されているように、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像と、図6(b)に示されているように、横が320画素、縦が240画素から成る中解像度の画像と、図6(c)に示されているように、横が640画素、縦が480画素から成る高解像度の画像とがある。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。例えば、図7に示されている変更品質管理テーブルにおいて、中継装置30が、IPアドレス「1.3.2.4」の宛先端末10dbに対して画像データを中継する場合には、この中継される画像データの画質(画像の品質)は「高品質」である。
<中継装置の各機能部>
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各部を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図5に示されている中継装置30の送受信部31は、図4に示されているネットワークI/F209によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。状態検知部32は、図4に示されているCPU201からの命令によって実現され、この状態検知部32を有する中継装置30の稼動状態を検知する。稼動状態としては、「ONライン」、「OFFライン」、又は「故障中」の状態がある。
データ品質確認部33は、図4に示されているCPU201からの命令によって実現され、宛先端末10BのIPアドレスを検索キーとして、変更品質管理テーブル(図7参照)を検索し、対応した中継される画像データの画質を抽出することで、中継される画像データの画質を確認する。変更品質管理部34は、図4に示されているCPU201からの命令によって実現され、伝送管理システム50から送られて来る、後述の品質情報に基づいて、変更品質管理DB3001の内容を変更する。例えば、端末IDが「01aa」である要求元端末10aaと、端末IDが「01db」である宛先端末10dbとの間で高画質の画像データを送受信することによってテレビ会議を行っている最中に、他のテレビ会議を行う要求元端末bbと宛先端末caが通信ネットワーク2を介してテレビ会議を開始すること等によって、宛先端末10dbで画像データの受信の遅延が生じた場合には、中継装置30は今まで中継していた画像データの画質を、高画質から中画質に下げる必要がある。このような場合に、中画質を示す品質情報に基づいて、中継装置30が中継する画像データの画質を高画質から中画質に下げるように、変更品質管理DB3001の内容が変更される。
データ品質変更部35は、図4に示されているCPU201からの命令によって実現され、送信元端末10から送られて来た画像データの画質を、上記変更された変更品質管理DB3001の内容に基づいて変更する。記憶・読出処理部39は、図4に示されているHDD205によって実現され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<伝送管理システムの機能構成>
次に、伝送管理システム50の機能又は手段について説明する。伝送管理システム50は、送受信部51、端末認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、端末状態取得部55、絞込部56、セッション管理部57、品質決定部58、記憶・読出処理部59、及び遅延時間管理部60を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、伝送管理システム50は、図4に示されているHD204により構築される記憶部5000を有している。
(中継装置管理テーブル)
記憶部5000には、図8に示されているような中継装置管理テーブルによって構成されている中継装置管理DB5001が構築されている。この中継装置管理テーブルでは、各中継装置30の中継装置ID毎に、各中継装置30の稼動状態、稼動状態が示される状態情報が伝送管理システム50で受信された受信日時、中継装置30のIPアドレス、及び中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)が関連付けられて管理される。例えば、図8に示されている中継装置管理テーブルにおいて、中継装置IDが「111a」の中継装置30aは、稼動状態が「ONライン」で、伝送管理システム50で状態情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時00分」で、この中継装置30aのIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置30aにおける最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
(端末認証管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図9に示されているような端末認証管理テーブルによって構成されている端末認証管理DB5002が構築されている。この端末認証管理テーブルでは、伝送管理システム50によって管理される全ての伝送端末10の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図9に示されている端末認証管理テーブルにおいて、伝送端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
(端末管理テーブル)
また、記憶部5000には、図10に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5003が構築されている。この端末管理テーブルでは、各伝送端末10の端末ID毎に、各伝送端末10の稼動状態、後述のログイン要求情報が伝送管理システム50で受信された受信日時、及び伝送端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、図10に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の伝送端末10aaは、稼動状態が「ONライン」で、伝送管理システム50でログイン要求情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時40分」で、この伝送端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図11に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5004が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議の開始を要求する要求元端末10Aの端末IDに対して、宛先端末10Bの候補として登録されている宛先端末10Bの端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図11に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である要求元端末10aaからテレビ会議の開始を要求することができる宛先端末10Bの候補は、端末IDが「01ab」の伝送端末10ab、端末IDが「01ba」の伝送端末10ba、及び端末IDが「01db」の伝送端末10dbの3つであることが示されている。この宛先端末10Bの候補は、要求元端末10Aから伝送管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
(セッション管理テーブル)
また、この記憶部5000には、図12に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5005が構築されている。このセッション管理テーブルでは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションID毎に、画像データ及び音声データの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末10Aの端末ID、宛先端末10Bの端末ID、宛先端末10Bにおいて画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末10Bから送られて来て伝送管理システム50で受信された受信日時が関連付けられて管理される。例えば、図12に示されているセッション管理テーブルにおいて、選択用セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30a(中継装置ID「111a」)は、端末IDが「01aa」の要求元端末10aaと、端末IDが「01db」の宛先端末10dbとの間で、画像データ及び音声データを中継しており、宛先端末10dbにおいて「2009年11月10日の14時00分」時点における画像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。なお、2つの伝送端末10の間でテレビ会議を行う場合には、上記宛先端末10Bではなく要求元端末10Aから送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理してもよい。但し、3つ以上の伝送端末10の間でテレビ会議を行う場合には、画像データ及び音声データの受信側の伝送端末10から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理する。
(アドレス優先度管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図13に示されているようなアドレス優先度管理テーブルによって構成されている優先度管理DB5006が構築されている。このアドレス優先度管理テーブルでは、一般的なIPv4におけるIPアドレスのうちの4組のドットアドレス(Dot Address)部分の同異に応じて、アドレス優先度のポイントが高くなるように関連付けられて管理される。例えば、図13に示されているアドレス優先度管理テーブルにおいて、ドットアドレスの上位から下位にかけて3つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「5」である。ドットアドレスの上位から下位にかけて2つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「3」である。この場合、最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度に関係ない。ドットアドレスの最上位の値が同じで、上位から2番目の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「1」である。この場合、上位から3番目及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。ドットアドレスの最上位の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「0」である。この場合、上位から2番目、3番目、及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。
(伝送速度優先度管理テーブル)
また、記憶部5000に構築されている優先度管理DB5006には、図14に示されているような伝送速度優先度管理テーブルも含まれている。この伝送速度優先度管理テーブルでは、中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)の値に応じて、伝送速度優先度のポイントが高くなるように関連付けられて管理される。例えば、図14に示されている伝送速度優先度管理テーブルにおいて、中継装置30における最大データ伝送速度が1000Mbps以上の場合には、伝送速度優先度のポイントが「5」である。中継装置30における最大データ伝送速度が100Mbps以上1000Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「3」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps以上100Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「1」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「0」である。
(品質管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図15に示されているような品質管理テーブルによって構成されている品質管理DB5007が構築されている。この品質管理テーブルでは、要求元端末10A又は宛先端末10Bにおける画像データの遅延時間(ms)に応じて、中継装置30で中継させる画像データの画質(画像の品質)が関連付けられて管理される。
(伝送管理システムの各機能部)
次に、伝送管理システム50の各機能部について詳細に説明する。なお、以下では、伝送管理システム50の各部を説明するにあたって、図4に示されている各構成要素のうち、伝送管理システム50の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部51は、図4に示されているネットワークI/F209によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。端末認証部52は、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとし、記憶部5000の端末認証管理DB5002を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。状態管理部53は、ログイン要求してきた要求元端末10Aの稼動状態を管理すべく、端末管理テーブル(図11参照)に、この要求元端末10Aの端末ID、要求元端末10Aの稼動状態、伝送管理システム50でログイン要求情報が受信された受信日時、及び要求元端末10AのIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。
端末抽出部54は、ログイン要求した要求元端末10Aの端末IDをキーとして、宛先リスト管理テーブル(図11参照)を検索し、要求元端末10Aと通信することができる宛先端末10Bの候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。また、端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末10Aの端末IDをキーとして、宛先リスト管理テーブル(図11参照)を検索し、上記要求元端末10Aの端末IDを宛先端末10Bの候補として登録している他の要求元端末10Aの端末IDも抽出する。
端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された宛先端末10Bの候補の端末IDを検索キーとして、端末管理DBテーブル(図10参照)を検索し、上記端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に稼動状態を読み出す。これにより、端末状態取得部55は、ログイン要求してきた要求元端末10Aと通信することができる宛先端末10Bの候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図10参照)を検索し、ログイン要求してきた要求元端末10Aの稼動状態も取得する。
絞込部56は、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を支援するため、最終絞り込み処理前の一次絞り込み処理を行うため、選択用セッションID生成部56a、端末IPアドレス抽出部56b、一次選択部56c、及び優先度決定部56dを有している。このうち、選択用セッションID生成部56aは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションIDを生成する。端末IPアドレス抽出部56bは、要求元端末10Aから送られてきた開始要求情報に含まれている要求元端末10Aの端末ID、及宛先端末10Bの端末IDに基づいて、端末管理テーブル(図10参照)を検索することにより、対応するそれぞれの伝送端末10のIPアドレスを抽出する。一次選択部56cは、中継装置管理テーブル(図8参照)で管理されている中継装置30のうち、稼動状態が「ONライン」となっている中継装置30の中継装置IDを選択することにより、中継装置30の選択を行う。
また、一次選択部56cは、上記端末IPアドレス抽出部56bによって抽出された、要求元端末10AのIPアドレス、及び宛先端末10BのIPアドレスに基づいて、中継装置管理テーブル(図8参照)を検索することにより、上記選択された中継装置30のIPアドレスのドットアドレス毎に、上記要求元端末10A及び宛先端末10Bの各IPアドレスにおける各ドットアドレスと同じであるか異なるかを調査する。更に、一次選択部56cは、中継装置毎に、アドレス優先度のポイントにおいて伝送端末10に対する高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントを統合した統合ポイントのうち、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにより、中継装置30の更なる選択を行う。
なお、上記の例では、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにしているが、これに限られるものではなく、中継装置30を1つでも多く絞り込むことができれば、ポイントが高い上位3つ以上の中継装置30を選択するようにしてもよい。
優先度決定部56dは、優先度管理テーブル(図13参照)を参照して、上記一次選択部56cによって調査された中継装置30毎に、アドレス優先度のポイントを決定する。また、優先度決定部56dは、中継装置管理テーブル(図8参照)で管理されている各中継装置30の最大データ伝送速度に基づいて、優先度管理テーブル(図14参照)を検索することにより、上記一次選択部56cによって絞り込まれた中継装置30毎に伝送速度優先度のポイントを決定する。
セッション管理部57は、記憶部5000のセッション管理テーブル(図12参照)に、選択用セッションID生成部56aで生成された選択用セッションID、要求元端末の端末ID、及び宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する。また、セッション管理部57は、セッション管理テーブル(図12参照)に対して、選択用セッションID毎に、伝送端末10の選択部16cで最終的に1つに選択された中継装置30の中継装置IDを記憶して管理する。
品質決定部58は、上記遅延時間を検索キーとして、品質管理テーブル(図15参照)を検索し、対応する画像データの画質を抽出することで、中継装置30に中継させる画像データの画質を決定する。記憶・読出処理部59は、図4に示されているHDD205によって実行され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。遅延時間管理部60は、上記宛先端末10BのIPアドレスを検索キーとして、端末管理テーブル(図10参照)を検索することで、対応する端末IDを抽出し、更に、セッション管理テーブル(図12参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記抽出した端末IDが含まれるレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間を記憶して管理する。
<<基本的な処理・動作>>
以上が、伝送システム1の基本的なハードウェア及び機能(又は手段)の説明であり、続いて、図16乃至図23、および、図25乃至図28を用いて、伝送システム1における処理方法を説明する。なお、図16は、各中継装置30から伝送管理システム1に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を示したシーケンス図である。図17は、複数の伝送端末10の間で通信を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。図18は、中継装置30を絞り込む処理を示したシーケンス図である。図19は、中継装置30を絞り込む処理を示した処理フロー図である。図20は、中継装置30の絞り込み処理を行う際のポイントの計算状態を示した図である。図21は、伝送端末10が中継装置30を選択する処理を示したシーケンス図である。図22は、伝送端末10が中継装置30を選択する処理を示した処理フロー図である。図23は、伝送端末10間で画像データ及び音声データを送受信する処理を示したシーケンス図である。図25は、外部入力装置40が表示した表示データを、会議の相手である伝送端末10に表示させる処理を示したシーケンス図である。図26は、外部入力装置40が表示させる画面の例である。図27は、伝送端末10が画像データ及び表示データを表示させる画面の例である。図28は、外部入力装置40が表示データ取得部をインストールする処理を示したフロー図である。
まず、図16を用いて、各中継装置30から伝送管理システム50に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を説明する。まず、各中継装置30では、図5に示されている状態検知部32が、自装置である中継装置30の稼動状態を定期的に検知している(S1−1〜S1−4)。そして、伝送管理システム50側で各中継装置30の稼動状態をリアルタイムで管理させるべく、各中継装置30の送受信部31は、定期的に通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50へ各状態情報を送信する(ステップS2−1〜S2−4)。これら各状態情報には、中継装置30毎の中継装置IDと、これら各中継装置IDに係る中継装置30の状態検知部32で検知された稼動状態とが含まれている。なお、中継装置(30a,30b,30d)は、正常に稼動して「ONライン」となっている一方で、中継装置30cは稼働中ではあるが、中継装置30cの中継動作を実行するためのプログラムに何らかの不具合が生じて、「OFFライン」となっている場合が示されている。
次に、伝送管理システム50では、各中継装置30から送られて来た各状態情報を送受信部51が受信し、記憶・読出処理部59を介して記憶部5000の中継装置管理テーブル(図8参照)に、中継装置ID毎に状態情報を記憶して管理する(ステップS3−1〜S3−4)。これにより、図8に示されるような中継装置管理テーブルに対して、中継装置ID毎に「ONライン」、「OFFライン」、又は「故障中」のいずれかの稼動状態が記憶されて管理される。またこの際に、中継装置ID毎に、伝送管理システム50で状態情報が受信された受信日時も記憶されて管理される。なお、中継装置30から状態情報が送られない場合には、図8に示されている中継装置管理テーブルの各レコードにおける稼動状態のフィールド部分及び受信日時のフィールド部分が空白になるか、又は、前回の受信時の稼動状態及び受信日時をそれぞれ示す。
次に、図17を用いて、伝送端末10aaと伝送端末10dbとの間で、通信を開始する前の準備段階の処理について説明する。まず、利用者が、図3に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS21)。そして、ログイン要求部13は、上記電源ONの受信を契機とし、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS22)。このログイン要求情報には、要求元としての自装置である伝送端末10aaを識別するための端末ID、及びパスワードが含まれている。これら端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部19を介して記憶部1000から読み出されて、送受信部11に送られたデータである。なお、伝送端末10aaから伝送管理システム50へログイン要求情報が送信される際は、受信側である伝送管理システム50は、送信側である伝送端末10abのIPアドレスを把握することができる。
次に、伝送管理システム50の端末認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、記憶部5000の端末認証管理テーブル(図9参照)を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。この端末認証部52によって、同一の端末ID及びパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する伝送端末10からのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部53は、端末管理テーブル(図10参照)に、伝送端末10aaの端末ID、稼動状態、上記ログイン要求情報が受信された受信日時、及び伝送端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24)。これにより、図10に示されている端末管理テーブルには、伝送端末ID「01aa」に、稼動状態「ONライン」、受信日時「2009.11.10.13:40」及び端末IPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。
そして、伝送管理システム50の送受信部51は、上記端末認証部52によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、上記ログイン要求してきた要求元端末10aaに送信する(ステップS25)。端末認証部52によって正当な利用権限を有する端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
伝送管理システム50の端末抽出部54は、ログイン要求した要求元端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図11参照)を検索し、要求元端末10aaと通信することができる宛先端末10Bの候補の端末IDを読み出すことによって抽出する(ステップS26)。ここでは、要求元端末10aaの端末ID「01aa」に対応する宛先端末(10ab,10ba,10db)のそれぞれの端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」が抽出されることになる。
次に、端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された宛先端末10Bの候補の端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」)を検索キーとして、端末管理テーブル(図10参照)を検索し、上記端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に稼動状態(「OFFライン」、「ONライン」、「ONライン」)を読み出すことにより、伝送端末(10ab,10ba,10db)の各稼動状態を取得する(ステップS27)。
次に、送受信部51は、上記ステップS27で使用された検索キーとしての端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」)と、対応する宛先端末(10ab,10ba,10db)の稼動状態(「OFFライン」、「ONライン」、「ONライン」)とが含まれた宛先状態情報を、通信ネットワーク2を介して要求元端末10aaに送信する(ステップS28)。これにより、要求元端末10aaは、この要求元端末10aaと通信することができる宛先端末10Bの候補である伝送端末(10ab,10ba,10db)の現時点のそれぞれの稼動状態(「OFFライン」、「ONライン」、「ONライン」)を把握することができる。
更に、伝送管理システム50の端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図11参照)を検索し、上記要求元端末10aaの端末ID「01aa」を宛先端末10Bの候補として登録している他の要求元端末10Aの端末IDを抽出する(ステップS29)。図11に示されている宛先リスト管理テーブルでは、抽出される他の要求元端末10Aの端末IDは、「01ab」、「01ba」、及び「01db」である。
次に、伝送管理システム50の端末状態取得部55は、上記ログイン要求して来た要求元端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理テーブル(図10参照)を検索し、ログイン要求してきた要求元端末10aaの稼動状態を取得する(ステップS30)。
そして、送受信部51は、上記ステップS29で抽出された端末ID(「01ab」、「01ba」、及び「01db」)に係る伝送端末(10ab,10ba,10db)のうち、端末管理テーブル(図10参照)で稼動状態が「ONライン」となっている伝送端末(10ba,10db)に、上記ステップS30で取得された要求元端末10aaの端末ID「01aa」と稼動状態「ONライン」が含まれる宛先状態情報を送信する(ステップS31−1,S31−2)。なお、送受信部51が伝送端末(10ba,10db)に宛先状態情報を送信する際に、各端末ID(「01ba」、「01db」)に基づいて、図10に示されている端末管理テーブルで管理されている端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求した要求元端末10aaを宛先として通信することができる他の宛先端末(10db,10ba)のぞれぞれに、上記ログイン要求した要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び稼動状態「ONライン」を伝えることができる。
一方、他の伝送端末10でも、上記ステップS21と同様に、利用者が図4に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付け、上記ステップS22〜S31−1、31−2の処理と同様の処理を行うため、その説明を省略する。
続いて、図18を用いて、中継装置30を絞り込む処理を説明する。なお、要求元端末10aaは、宛先の候補としての伝送端末10のうち、上記ステップS28によって受信した宛先状態情報により、稼動状態がONラインである伝送端末(10ba,10db)の少なくとも一方と通信を行うことができる。そこで、以下では、要求元端末10aaの利用者が、宛先端末10dbと通信を開始することを選択した場合について説明する。
まず、利用者が図3に示されている操作ボタン108を押下して伝送端末10dbを選択すると、図5に示されている操作入力受付部12は、伝送端末10dbとの通信を開始する要求を受け付ける(ステップS41)。そして、伝送端末10aaの送受信部11は、要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び宛先端末10dbの端末ID「01db」が含まれ、通信を開始したい旨を示す開始要求情報を、伝送管理システム50へ送信する(ステップS42)。これにより、伝送管理システム50の送受信部51は、上記開始要求情報を受信すると共に、送信元である要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を把握することになる。そして、状態管理部53は、開始要求情報に含まれる要求元端末10aaの端末ID「01aa」及び宛先端末10dbの端末ID「01db」に基づき、端末管理テーブル(図10参照)の端末管理テーブルにおいて、上記端末ID「01aa」及び端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの稼動状態のフィールド部分を、ともに「通話中」に変更する(ステップS43)。なお、この状態では、要求元端末10aaと宛先端末10dbは、通信(通話)を開始していないが、通話中状態となり、他の伝送端末10が要求元端末10aa又は宛先端末10dbと通信しようとすると、いわゆる通話中状態を示す旨の音声又は表示が出力される。
次に、ステップS44〜S48、及びステップS61−1〜66により、中継装置30を選択するためのセッションを実行する処理を説明する。まず、選択用セッションID生成部56aは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションIDを生成する(ステップS44)。そして、セッション管理部57は、記憶部5000のセッション管理テーブル(図12参照)に、上記ステップS44で生成された選択用セッションID「se1」、要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び宛先端末10dbの端末ID「01db」を関連付けて記憶して管理する(ステップS45)。
次に、伝送管理システム50の絞込部56は、中継装置管理DB5001、端末管理DB5003、及び優先度管理DB5006に基づいて、要求元端末10aaと、宛先端末10dbとの通信を中継するための中継装置30の一次絞り込みを行う(ステップS46)。
ここで、図19を用いて、ステップS46における処理を更に詳細に説明する。まず、端末IPアドレス抽出部56bは、要求元端末10aaから送られてきた開始通信情報に含まれている要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及宛先端末10dbの端末ID「01db」に基づいて、端末管理テーブル(図10参照)を検索することにより、対応する伝送端末(10aa,10db)のIPアドレス(「1.2.1.3」,「1.3.2.4」)を抽出する(ステップS46−1)。次に、一次選択部56cは、中継装置管理テーブル(図8参照)で管理されている中継装置30の稼動状態のうち、「ONライン」になっている中継装置(30a,30b,30d)の各中継装置ID(111a,111b,111d)を選択する(ステップS46−2)。また、一次選択部56cは、上記ステップS46−1で抽出された、要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」、及び宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に基づいて、中継装置管理テーブル(図8参照)を検索することにより、上記ステップS46−2によって選択された中継装置(30a,30b,30d)の各IPアドレス(「1.2.1.2.」,「1.2.2.2」,「1.3.2.2」)のドットアドレス毎に、上記要求元端末10aa及び宛先端末10dbの各IPアドレス(「1.2.1.3」,「1.3.2.4」)における各ドットアドレスと同じであるか異なるかを調査する(ステップS46−3)。
次に、優先度決定部57cは、優先度管理テーブル(図13参照)を参照して、上記ステップ46−3によって調査された中継装置(30a,30b,30d)毎に、アドレス優先度のポイントを決定する(ステップS46−4)。この決定処理の結果を表に表すと、図20に示されているような状態になる。なお、図20は、中継装置30の絞り込み処理を行う際の優先度のポイントの計算状態を示した図である。この図20では、中継装置ID毎に、アドレス優先度のポイント、伝送速度優先度のポイント、及び統合ポイントが示されている。また、アドレス優先度のポイントは、更に、各中継装置30の要求元端末10aaに対するポイント及び宛先端末10dbに対するポイントが示されている。統合ポイントは、アドレス優先度の2つのポイントのうちの高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントの合計である。
中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」は要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.同.同.異」であるため、図20に示されているように、アドレス優先度のポイントは「5」になる。また、中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」は宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.異.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。また、中継装置30bのIPアドレス「1.2.2.2」は要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.同.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「3」になる。また、中継装置30bのIPアドレス「1.2.2.2」は宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.異.同.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。更に、中継装置30dのIPアドレス「1.3.2.2」は要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.異.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。また、中継装置30dのIPアドレス「1.3.2.2」は宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.同.同.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「5」になる。
次に、図19に戻って、優先度決定部57dは、中継装置管理テーブル(図8参照)で管理されている各中継装置30の最大データ伝送速度に基づいて、優先度管理テーブル(図14参照)を検索することにより、上記ステップS46−2によって第1次絞り込み処理によって絞り込まれた中継装置(30a,30b,30d)毎に伝送速度優先度のポイントを決定する(ステップS46−5)。図8に示されているように、中継装置30aの最大データ伝送速度が100(Mbps)であるため、図14に示されている伝送速度優先度を参照すると、伝送速度優先度が3ポイントになる。また、同様に、中継装置30bの最大データ伝送速度について計算すると1000(Mbps)であるため、伝送速度優先度が5ポイントになる。また同様に、中継装置30dの最大データ伝送速度について計算すると10(Mbps)であるため、伝送速度優先度が1ポイントになる。
次に、一次選択部56cは、中継装置(30a,30b,30d)毎に、アドレス優先度のポイントにおいて伝送端末(10aa,10db)のうち高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントを統合した統合ポイントのうち、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択する(ステップ46−6)。図20に示されているように、中継装置ID(111a,111b,111d)は、それぞれ統合ポイントが「8」、「8」、「6」であるため、中継装置ID「111a」に係る中継装置30a、及び中継装置ID「111b」に係る中継装置30bが選択されることになる。
以上のステップS46における絞り込み処理が終了すると、図5に示されている送受信部51は、通信ネットワーク2を介して、宛先端末10dbへ、上記絞り込まれた中継装置30の数を伝達するための中継装置絞込情報を送信する(ステップS47)。この中継装置絞込情報には、上記ステップS46によって絞り込まれた中継装置30の数「2」、要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び上記選択用セッションID「se1」が含まれている。これにより、伝送端末10dbは、選択用セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継装置30の数がいくつで、どの伝送端末10からテレビ会議を開始したいとの要求があったのかを把握することができると共に、中継装置絞込情報の送信元である伝送管理システム50のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することができる。
そして、伝送端末10dbは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50へ、上記中継装置絞込情報の受信が完了した旨を示す受信完了情報を送信する(ステップS48)。この受信完了情報には、セッションID「se1」が含まれている。これにより、伝送管理システム50は、セッションID「se1」で実行されている中継装置数の伝達が完了した旨と共に、送信元である宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、図21を用いて、宛先端末10aaが中継装置30を選択する処理を説明する。まず、伝送管理システム50は、テレビ会議を開始する前に、上記ステップS46によって絞り込まれた中継装置(30a,30b)のそれぞれに対して、事前に中継を要求する旨の事前中継要求情報を送信する(ステップS61−1、61−2)。この事前中継要求情報には、セッションID「se1」、要求元端末10aaのIPアドレス「01aa」、及び宛先端末10dbが含まれている。これにより、中継装置(30a,30b)は、どの選択用セッションのものであるか、要求元端末10Aが何であるか、及び宛先端末1
0Bが何であるかを把握することができると共に、事前中継要求情報の送信元である伝送管理システム50のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することができる。
次に、各中継装置(30a,30b)のそれぞれは、送受信部31から通信ネットワーク2を介して、上記ステップS61−1,61−2によって把握した要求元端末10aaへ、テレビ会議の開始前に自装置としての各中継装置(30a,30b)へ、後述のping(Packet Internet Groper)が含まれた事前送信情報を送信させる旨を示す事前送信要求情報を送信する(ステップS62−1,62−2)。この事前送信情報には、セッションID「se1」が含まれている。これにより、要求元端末10aaは、セッションID「se1」で実行されている中継装置30の選択処理において、各中継装置(30a,30b)に事前送信情報を送信することを把握すると共に、事前送信要求情報の送信元である中継装置(30a,30b)のIPアドレス(「1.2.1.2」,「1.2.2.2」)を把握することができる。
なお、伝送管理システム50から直接、要求元端末10baに対して、宛先端末10dbのIPアドレスを通知せずに、上記ステップS61−1のように中継装置10aaに対して宛先端末10dbのIPアドレスを通知し、上記ステップ61−2のように中継装置10aaが要求元端末10baに対し、自装置(中継装置10aa)に対して事前送信要求情報を送信するように要求するのは、各伝送端末10には、他の伝送端末10のIPアドレスを知らせないようにして、セキュリティーを確保するためである。
次に、要求元端末10aaは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して中継装置(30a,30b)へ事前送信情報を送信する(ステップS63−1,63−2)。この事前送信情報は、画像データ及び音声データの送信に先立って、これら画像データ及び音声データの代わりに各中継装置(30a,30b)を介して宛先端末10dbへ送信されることで、要求元端末10aaの送信から宛先端末dbの受信までの所要時間を計測するために用いられる情報である。また、この事前送信情報には、要求元端末10aa、中継装置(30a,30b)、及び宛先端末10dbが通信可能に接続されていることを確認するためのping、要求元端末10aaから事前送信情報が送信された送信日時、及びセッションID「se1」が含まれている。これにより、各中継装置(30a,30b)は、選択用セッションID「se1」におけるセッションの実行において、事前送信情報が送られて来たことを把握できると共に、この事前送信情報の送信元である要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を把握することができる。
次に、各中継装置(30a,30b)は、上記ステップS61−1,61−2によって受信した事前中継要求情報に含まれている宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、上記事前送信情報を中継する(ステップS64−1,64−2)。これにより、宛先端末10dbは、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、事前送信情報が送られて来たことを把握できると共に、この事前送信情報の送信元(中継元)である中継装置(30a,30b)のIPアドレス(「1.2.1.2」,「1.2.2.2」)を把握することができる。
次に、宛先端末10dbの選択処理部16は、事前送信情報に基づいて、最終的にテレビ会議で画像データ及び音声データを中継する1つの中継装置30に絞り込む(ステップ65)。
ここで、図5及び図22を用いて、ステップS65における処理を更に詳細に説明する。まず、図5に示されている選択処理部16の計測部16aは、各中継装置(30a,30b)によって中継された事前送信情報毎に、伝送端末10dbの送受信部11で受信した際の受信日時を計測する(ステップS65−1)。次に、算出部16bは、上記受信時間が計測された事前送信情報毎に、上記受信日時と上記事前送信情報に含まれている送信日時との差に基づいて、各事前送信情報の送信から受信までの所要時間を算出する(ステップS65−2)。次に、選択部16cは、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継予定の中継装置30の数「2」に相当する数の事前送信情報を全て受信したかを判断する(ステップS65−3)。そして、全て受信していない場合には(NO)、選択部16cは、伝送端末10dbで事前送信情報を受信してから所定時間(ここでは1分間)経過したかを判断する(ステップS65−4)。更に、所定時間経過していない場合には(NO)、上記ステップS65−1に戻る。一方、上記ステップ65−3において、全て受信した場合(YES)、又は上記ステップS65−4において、所定時間経過した場合(YES)には、選択部16cは、これまでに算出部16bで算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報を中継した中継装置30を1つ選択する(ステップS65−5)。中継装置30aによって中継された事前送信情報が、中継装置30bによって中継された事前送信情報よりも送信から受信までの所要時間が短かったものとして、中継装置30aが選択される例を示している。
なお、上記の例では、宛先端末10db側で中継装置30aが絞り込まれたが、これに限るものではなく、宛先端末10dbが要求元端末10aa又は伝送管理システム50へ、事前送信情報の送信から受信までの所要時間を示した所要時間情報を全て送信することで、要求元端末10aa側又は伝送管理システム50側で、最終的に1つの中継装置30aが絞り込まれるようにしてもよい。
次に、宛先端末10dbは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50へ、中継装置30aを選択した旨を示す選択情報を送信する(ステップS66)。この選択情報には、セッションID「se1」、及び、選択された中継装置30aの中継装置ID「111a」が含まれている。これにより、伝送管理システム50は、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継装置30aが選択されたことを把握できると共に、選択情報の送信元である伝送端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、伝送管理システム50のセッション管理部57は、セッション管理DB5005のセッション管理テーブル(図12参照)において、選択用セッションID「se1」が含まれるレコードの中継装置IDのフィールド部分に、上記最終的に1つに選択された中継装置30aの中継装置ID「111a」を記憶して管理し(ステップS67−1)、送受信部51は中継装置ID「111a」、宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を要求元端末10aaに送信する(ステップS67−21)。そして、伝送管理システム50の送受信部51は、通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ、中継を開始する旨の要求が示された中継開始要求情報を送信する(ステップS68)。この中継開始要求情報には、中継される要求元端末10aa及び宛先端末10dbの各IPアドレス(「1.2.1.3」,「1.3.2.4」)が含まれている。これにより、中継装置30aは、伝送端末(10aa,10db)の間で、低解像度、中解像度、及び高解像度の3つ画像データ、並びに、音声データを通信するためのセッションを確立する(ステップS69)。これにより、伝送端末(10aa,10db)は、テレビ会議を開始することができる。
なお、上記ステップS47において、伝送管理システム50が宛先端末10dbに中継装置絞込情報を送信することに伴い、ステップS48〜S64−1,64−2を経て、宛先端末10db側で中継装置の選択処理(ステップS65)を行ったが、これに限るものではなく、上記ステップS47において、伝送管理システム50が要求元端末10aaに中継装置絞込情報を送信することで、その後ステップS64−1,64−2までは、各情報の送信元と受信元が、要求元端末10aaと宛先端末10dbとで入れ替わるようにしてもよい。これにより、要求元端末10aaが上記ステップS65に替わって中継装置の選択処理を行うことができ、また、上記ステップS66に替わって選択情報の送信も行うことができる。
続いて、図5及び図23を用いて、要求元端末10aaと宛先端末10dbとの間で、テレビ会議を行うために、画像データ及び音声データを送受信する処理を説明する。まず、要求元端末10aaは、撮像部14aで撮像された被写体の画像データ、及び音声入力部15aで入力された音声の音声データを、送受信部11から通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ送信する(ステップS81)。なお、上記の例では、図6に示されている低解像度、中解像度、及び高解像度の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信している。これにより、中継装置30aでは、送受信部31で上記3つの解像度の画像データ及び音声データを受信する。そして、データ品質確認部33が、宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理テーブル(図7参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質を抽出することで、中継する画像データの画像の品質を確認する(ステップS82)。ここでは、確認された画像データの画像の画質が「高画質」であり、送受信部31で受信した画像データの画質と同じであるため、そのままの画質の画像データ、及びそのままの音質の音声データで、宛先端末10dbに転送する(ステップS83)。これにより、宛先端末10dbは、送受信部11で画像データ及び音声データを受信し、画像表示制御部14bがディスプレイ120に上記画像データに基づく画像を表示させると共に、音声出力部15bが音声データに基づく音声を出力させることができる。
次に、伝送端末10dbの遅延検出部17は、送受信部11で受信された画像データの受信の遅延時間を一定時間毎(例えば、1秒毎)に検出する(ステップS84)。なお、以下、遅延時間が200(ms)である場合について、以下説明を続ける。
宛先端末10dbの送受信部11は、通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50へ、遅延時間「200(ms)」を示す遅延情報を送信する(ステップS85)。これにより、伝送管理システム50は、遅延時間を把握すると共に、遅延情報の送信元である伝送端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、伝送管理システム50の遅延時間管理部60は、上記宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、端末管理テーブル(図10参照)を検索することで、対応する端末ID「01db」を抽出し、更に、セッション管理DB5005のセッション管理テーブル(図12参照)において、上記端末ID「01db」のレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間「200(ms)」を記憶して管理する(ステップS86)。
次に、品質決定部58は、上記遅延時間「200(ms)」を検索キーとして、品質管理テーブル(図15参照)を検索し、対応する画像データの画質「中画質」を抽出することで、画質を「中画質」に決定する(ステップS87)。
次に、送受信部51は、セッション管理テーブル(図12参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記端末ID「01db」に関連付けられている中継装置ID「111a」を検索キーとして、中継装置管理DBテーブル(図8参照)を検索し、対応する中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」を抽出する(ステップS88)。そして、送受信部51は、通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ、上記ステップS87によって決定された画像データの画質「中画質」を示す品質情報を送信する(ステップS89)。この品質情報には、上記ステップS86において検索キーとして用いた宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」が含まれている。これにより、中継装置30aでは、変更品質管理部34が、変更品質管理テーブル(図7参照)に、送信先の伝送端末10(ここでは、宛先端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」、及び中継される画像データの画質「中画質」を関連付けて記憶して管理する(ステップS90)。
次に、伝送端末10aaは、引き続き上記ステップS81と同様に、中継装置30aへ、低画質、中画質、及び高画質の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信する(ステップS91)。これにより、中継装置30aでは、上記ステップS82と同様に、データ品質確認部33が、宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理テーブル(図7参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質「中画質」を抽出することで、中継される画像データの画像の品質を確認する(ステップS92)。ここでは、確認された画像データの画質が「中画質」であり、送受信部31で受信された画像データの画質「高画質」よりも低くなるため、データ品質変更部35は、画像データの画質を「高画質」から「中画質」に抑制することで、画像データの画像の品質を変更する(ステップS93)。そして、送受信部31は、通信ネットワーク2を介して伝送端末10dbへ、上記画像データの画質が「中画質」に変更された画像データ、及び音声の音質が変更されていない音声データを送信する(ステップS94)。このように、画像データを受信する宛先端末10dbで、受信の遅延が生じた場合には、中継装置30aは画像の品質を変更し、テレビ会議に参加している人に違和感を与えないようにすることができる。
次に、中継装置30が決定された後に、外部入力装置40の記憶部4000に記憶している資料データを表示させている画面全体を共有する処理について図25を用いて説明する。ここでは、伝送端末10aaに接続されている外部入力装置40aaが表示している情報を、宛先端末である伝送端末10dbに表示させる例を説明する。
前述したように、中継装置30が決定されると、S67−21で伝送管理システム50が送信した中継装置ID「111a」、宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を、伝送端末10aaの送受信部11が受信し、受信した中継装置ID「111a」、IPアドレス「1.3.2.4」を記憶・読出処理部19が記憶部1000に記憶させる(ステップS67−22)。
また、外部入力装置40aa、伝送端末10aaが互いに接続されると、外部入力装置40aaの接続検出部42がそれを検知する(ステップS70)。接続検出部42が、外部入力装置40aa、伝送端末10aaが互いに接続されたことを検知すると、図28に示されるように、インストール判定部43は、表示データ送信部452が既にインストールされているか否かを判定する(ステップS71)。ステップS71で、表示データ送信部452がインストールされていないと判定された場合は、プログラム取得部44が、伝送端末10aaに記憶されている表示データ送信部452を取得し、インストールする(ステップS72)。ステップS72で、表示データ送信部452がインストールされると、外部入力装置40aaは表示データ取得部451が処理を実行する許可を伝送端末10aaに要求する(ステップS73)。伝送端末10aaが外部入力装置40aaに対して、表示データ取得部451の処理の実行を許可すると、表示データ取得部451は表示データを取得する(ステップS74)。次に、表示データ送信部452が、表示データ取得部451で取得された表示データを伝送端末10aaに対して送信する(ステップS75)。
ステップS71で表示データ送信部452がインストールされていると判定された場合は、ステップS73以降の処理に移る。
送信先の伝送端末10aaの外部情報送受信部18が表示データを受信すると、記憶・読出処理部19が、記憶部1000に記憶されている中継装置ID「111a」、宛先となる伝送端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を取得する(ステップS77)。そして、ステップS77で取得された中継装置ID「111a」で示される中継装置30に対して、送受信部11が、表示データ、及び、宛先となる伝送端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を送信する(ステップS78)。ステップS78で伝送端末10aaから送信された表示データを受信すると、中継装置30は伝送端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に基づいて、表示データの品質を変更し(ステップS79)、伝送端末10dbに表示データを送信する(ステップS80)。ステップS77の処理の詳細は、上述した、音声データ及び画像データの品質を変更する処理(ステップS81〜ステップS94)と同じであるため、説明を省略する。中継装置30から送信された表示データを伝送端末10dbの送受信部11が受信すると、画像表示制御部14bが表示させる。図27に示される例では画面左部に外部入力装置40aaで表示された画像が表示データに基づいて表示され、画面右上部には伝送端末10aaの撮像部14aによって撮像され、送受信部11によって送信された画像データが表示される。また、画面右下部には伝送端末10dbの撮像部14aによって撮像された画像データが表示される。
<<主な効果>>
以上説明したように、音声データ及び画像データを中継する中継装置30の中継装置IDを伝送端末10aaの記憶部1000が記憶しておくことにより、伝送管理システム50によって管理されていない外部入力装置40の記憶部4000に記憶されている資料データの表示データを、会議の相手となる伝送端末10dbに送信することができるようになる。これにより、伝送管理システム50は外部入力装置40を認証する処理も行う必要が無いため、管理負荷を削減することができる。
また、表示データ取得部451や表示データ送信部452を備えていない外部入力装置40に表示されている画面を共有したい場合も、伝送端末40との接続を契機に、表示データ取得部451や表示データ送信部452を備えるようにするので、画面を共有することができる
通信ネットワーク2のうち、中継装置30のIPアドレス等のLAN2a〜2dの環境を入手することができたとしても、インターネット2iの環境までは入手することは困難であるため、まずは入手できる環境の情報から、画像データ及び音声データを中継する複数の中継装置30うち2つ以上に絞り込む。そして、次に複数の伝送端末10の間で画像データ及び音声データを実際に送受信する前に、画像データ及び音声データに替えて、事前送信情報を送受信させてみることで、実際に最も早く事前送信情報を中継することができる1つの中継装置30に絞り込むことができるという効果を奏する。
即ち、伝送端末10のIPアドレスの何れかに近い上位2つ以上のIPアドレスがそれぞれ割り当てられている中継装置30を選択することで、最終的に使用される中継装置30の候補を2つ以上残すことができる。これにより、その後、実際に候補としての各中継装置30を介して、要求元端末10Aと宛先端末10Bの間で事前送信情報を送受信することで、上記2つ以上の候補の中継装置30のうち、送受信に要した所要時間が最短の事前送信情報を中継した中継装置30に絞り込むことができる。よって、現状の通信ネットワーク2の環境下で最大限に高品質の画像データ又は音声データを送受信することを実現することができるという効果を奏する。
また、中継装置30を絞り込む際に、テレビ会議を行う伝送端末10のIPアドレスに近いIPアドレスの中継装置30を優先的に選択するだけでなく、各中継装置30における最大データ伝送速度も考慮して、2つ以上の中継装置30が選択されている。これにより、現実の通信ネットワーク2の環境に即した中継装置30の候補を絞り込むことができるという効果を奏する。
更に、中継装置30を絞り込む際に、稼動状態がONラインである中継装置30の中から絞り込むため、現実のネットワーク2の環境に更に即した中継装置30の候補を絞り込むことができる。
<<本実施形態における伝送システムの説明>>
以上、図1乃至図28を用いて、本発明の一実施形態において用いられる伝送システムの基本的な構成について説明した。以下、図29乃至図45を用いて、本発明の一実施形態における伝送システム1の具体的な構成を説明する。
図29は、本発明の一実施形態における伝送システム1の概要を表す。本実施形態において、伝送システム1は、例えば、コールセンターやヘルプデスクに利用される。利用者は、伝送システム1の一の伝送端末10aaを用い、コールセンターやヘルプデスクのオペレータに対して通話を開始し、問い合わせを行う。図29では、ルート案内を希望する利用者が、伝送端末10aaを操作し、例えば、図30に示される宛先リストから、所望のオペレータを選択し、発信することで、問い合わせを行うことができる。なお、宛先リストとは、予め登録された、宛先候補端末のリストである。伝送端末10aaは、図17に示した動作に従って、伝送管理システム50に接続した後に、各宛先候補端末の稼働状態を取得し、宛先リストの内容を更新することができる。
本実施形態における伝送端末10aaは、図29又は図33に示されるように、ディスプレイ120上に、問い合わせ内容の一覧を表示する。利用者は、オペレータとの通話に際し、その一覧から問い合わせ内容を選択することができる。オペレータは、例えば図34に示されるように、オペレータの使用する伝送端末10adのディスプレイ120を通じて、その選択内容を確認することができる。従って、オペレータは、利用者との会話を行うことなく、問い合わせの内容を把握することができる。特に、利用者は、オペレータへの発信の際に、問い合わせの内容を選択し、その内容をオペレータへ通知することで、通話の開始直後から、問い合わせに応じた回答を受け取ることができるようになる。
また、利用者とオペレータの伝送端末のセッションを管理する伝送管理システム50は、問い合わせ内容の一覧を管理し、利用者の伝送端末10aaにより選択された問い合わせ内容を、オペレータの伝送端末10adに出力する。
さらに、伝送管理システム50は、問い合わせの内容に応じて、オペレータの伝送端末10daの動作を制御する機能を有する。例えば、問い合わせの内容がルート案内である場合、伝送管理システム50は、オペレータの伝送端末10daに対し、画面共有の開始を指示する。指示を受けた伝送端末10daは、接続された外部入力装置40による画面共有を開始する。そこで、オペレータは、問い合わせの内容である、ルート案内を行うために、外部入力装置40を操作し、例えばWebブラウザを用いて、地図を表示する。
これにより、利用者側の伝送端末10aaは、共有された外部入力装置40によって出力される地図の画面と、オペレータの映像とを、同時に確認することができるようになる。従って、利用者は、問い合わせの内容に対する回答を、迅速かつ効果的に、得ることが可能となる。例えば、伝送管理システム50は、利用者によるオペレータへの発信の際に、オペレータへの伝送端末に指示を行うことにより、通話の開始直後から、画面共有を用いた回答が可能となるため、特に有益である。
また、利用者の伝送端末10aaは、図29に示されるように、地図画面と、オペレータの映像とを同時に表示するだけでなく、利用者の操作に応じて、何れか一方の画面を表示してもよい。また、利用者の伝送端末10aaは、利用者の操作に応じて、オペレータの映像を大きく、地図画面を小さく表示してもよいし、両者を同じ大きさで表示してもよい。
(機能構成)
図31は、本実施形態における伝送管理システム50、伝送端末10及び中継装置30の機能ブロック図である。以下では、上述した図5の機能ブロック図との差異に着目して説明する。また、以下では、伝送端末10のうち、特に、利用者の利用する伝送端末を、伝送端末10aaと表し、オペレータの利用する伝送端末を、伝送端末10adと表すことがある。
(伝送管理システムの機能構成)
図31に示される機能ブロックにおいて、伝送管理システム50は、さらに、選択画面出力部61と、問合せ内容受信部62と、問合せ内容表示画面出力部63と、端末動作判定部64と、端末動作指示部65とを有する。また、記憶部5000は、さらに、端末動作管理DB5008を有する。
(端末動作管理テーブル)
記憶部5000には、図32に例示されるな端末動作管理テーブルによって構成される、端末動作管理DB5008が構築されている。この端末動作管理テーブルでは、番号ごとに、問い合わせの内容を文字列で表す「問い合わせ内容」と、その回答に対応する「動作モード」とが、関連付けられて格納されている。番号は、「問い合わせ内容」と「動作モード」との組を管理するために付される識別子である。「問い合わせ内容」は、利用者の伝送端末10aaに表示され、利用者の問い合わせの内容の選択肢となる。「動作モード」は、問い合わせの内容に応じて、オペレータの伝送端末10adの動作を制御するために用いられる。詳しくは後述するが、例えば、「動作モード」が「1」の場合、伝送管理システム50は、オペレータの映像のみを利用者の伝送端末10aaに送信するよう、オペレータの伝送端末10adに指示する。また、「動作モード」が「2」の場合、伝送管理システム50は、外部入力装置40による画面共有を開始するよう、オペレータの伝送端末10adに指示する。
選択画面出力部61は、図32に示される端末動作管理テーブルを読み込み、問い合わせの内容の一覧を含む、問い合わせの内容の選択画面を、利用者の伝送端末10aaに出力する。選択画面出力部61は、例えば、利用者の伝送端末10aaが、宛先リストから、ヘルプデスク又はコールセンターの宛先候補端末が選択されたことを示す通知を受け取ったことに応じて、選択画面を出力しても良い。また、選択画面出力部61は、利用者の伝送端末10aaからの要求に応じて、任意のタイミングで、選択画面を出力しても良い。
問合せ内容受信部62は、利用者の伝送端末10aaにおいて、問い合わせ内容の選択画面上で選択された「問い合わせ内容」に対応する「番号」を、伝送端末10aaから受信する。
問合せ内容表示画面出力部63は、利用者の伝送端末10aaから受信した「番号」に対応する「問い合わせ内容」を表示する、問合せ内容表示画面(図34)を、オペレータの伝送端末10adに出力する。
端末動作判定部64は、図32に示される端末動作管理テーブルを参照し、利用者の伝送端末10aから受信した「番号」(すなわち、「問合せ内容」)に対応する動作モードを判定する。
端末動作指示部65は、端末動作判定部64の判定した動作モードに応じて、オペレータの伝送端末10adに対して、動作指示を送信する。具体的には、端末動作指示部65は、「動作モード」が「1」の場合、通常通り、利用者とオペレータによる一対一の映像通話を行うよう、オペレータの伝送端末10adに指示する。一方、端末動作指示部65は、「動作モード」が「2」の場合、外部入力装置40による画面共有を開始するよう、オペレータの伝送端末10adに指示する。このとき、端末動作指示部65は、画面共有とともに、オペレータの映像も送信するよう、オペレータの伝送端末10adに指示しても良い。なお、端末動作指示部65は、上述した「動作モード」を伝送端末10adに送信することにより、動作指示を行ってもよい。
問い合わせ内容に対応する動作モードは、予め、オペレータ等により定義される。例えば、外部入力装置40による画面共有を利用することにより、より効果的に回答できるような問い合わせ内容の場合、動作モードは、「2」が選択される。一方、通常通り、映像通話によって対応すべき問い合わせ内容の場合、動作モードは、「1」が選択される。
(伝送端末の機能構成)
図31に示される機能ブロックにおいて、伝送端末10は、さらに、問合せ内容送信部21と、動作切替部22とを有する。また、画像表示制御部14bは、伝送管理システム50の選択画面出力部61及び問合せ内容表示画面出力部63の出力に応じて、問合せ内容の選択画面(図33)及び問合せ内容表示画面(図34)を、ディスプレイ120に表示する。また、本実施形態における伝送端末10の操作入力受付部12は、表示された問合せ内容の選択画面において、利用者による、問合せ内容の選択入力を受け付ける。
問合せ内容送信部21は、問合せ内容の選択画面において、利用者により選択された問合せ内容を、通信ネットワーク2を介して、伝送管理システム50に送信する。問合せ内容送信部21は、選択された問合せ内容に対応する番号のみを、伝送管理システム50に送信しても良い。
動作切替部22は、伝送管理システム50の端末動作指示部65からの動作指示に応じて、当該伝送端末10の動作を切り替える。具体的には、動作切替部22は、利用者とオペレータによる一対一の映像通話を行うよう指示を受けると(動作モード「1」)、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声を、中継装置30に送信するよう、動作を切り替える。
一方、動作切替部22は、外部入力装置40による画面共有を開始するよう指示を受けると(動作モード「2」)、外部情報送受信部18より入力された表示データを、中継装置30に送信するよう、動作を切り替える。すなわち、動作切替部22は、外部入力装置40により、画面共有を開始するよう、伝送端末10の動作を切り替える。このとき、動作切替部22は、オペレータの映像及び音声と、表示データとを、中継装置30に送信するよう、動作を切り替えても良い。
なお、上述した伝送端末10は、利用者側、オペレータ側の両方の伝送端末として利用可能な構成を有する。しかしながら、利用者側の伝送端末と、オペレータ側の伝送端末とは、それぞれ異なる構成を有していても良い。例えば、利用者側の伝送端末10aaは、動作切替部22、外部情報送受信部18、表示データ取得部451、表示データ送信部452は、有していなくても良い。また、オペレータ側の伝送端末10adは、問合せ内容送信部21を有していなくても良い。
<<処理・動作>>
続いて、図35乃至図38を用いて、伝送システム1における処理と動作例を説明する。
図35は、本実施形態における利用者の伝送端末10aaが、利用者により選択された問合せ内容を、伝送管理システム50に送信する処理の流れを表す。
まず、画像表示制御部14bは、宛先リスト(図30参照)をディスプレイ120に表示する(ステップS101)。次いで、操作入力受付部12は、利用者からの、宛先選択入力を受け付ける(ステップS102)。このとき、送受信部11は、一の宛先が選択された旨を、伝送管理システム50に通知しても良い。次いで、画像表示制御部14bは、伝送管理システム50から出力された、問合せ内容の選択画面(図33)を、ディスプレイ120に表示する(ステップS103)。
次に、操作入力受付部12は、表示された問合せ内容の選択画面において、利用者による、問合せ内容の選択入力を受け付ける(ステップS104)。次に、問合せ内容送信部21は、利用者による、問合せ内容の選択が完了したかどうか判断する(ステップS105)。そして、完了した場合には(ステップS105のYes)、選択された問合せ内容に対応する番号を、伝送管理システム50に送信する(ステップS106)。
一方、問合せ内容送信部21は、利用者による、問合せ内容の選択が完了していない場合には(ステップS105のNo)、ステップS103に戻り、再度、選択画面を表示する。この処理は、例えば、複数の問合せ内容を選択できる場合や、問合せ内容が階層構造で提供される場合等に、実行される。その後、問合せ内容送信部21は、選択された問合せ内容と対応する番号を、全て、伝送管理システム50に送信する。なお、上述したステップS106における、問合せ内容の送信は、伝送端末10aaから、ステップS102で選択された伝送端末への、発信処理とともに行われても良い。
図36は、本実施形態における伝送管理システム50が、利用者の伝送端末10aaから受信した問合せ内容に応じて、オペレータの伝送端末10adに動作指示を行う処理の流れを表す。
まず、選択画面出力部61は、図32に示される端末動作管理テーブルを読み込む(ステップS201)。次いで、選択画面出力部61は、図32に示される端末動作管理テーブルを読み込み、問い合わせの内容の一覧を含む、問い合わせの内容の選択画面(図33)を、利用者の伝送端末10aaに出力する(ステップS202)。
その後、問合せ内容受信部62は、利用者の伝送端末10aaにおいて、問い合わせ内容の選択画面上で選択された「問い合わせ内容」に対応する「番号」を、伝送端末10aaから受信する(ステップS203)。このとき、利用者の伝送端末10aaから、オペレータの伝送端末10adに対して、発信処理が実行されても良い。
次に、問合せ内容表示画面出力部63は、利用者の伝送端末10aaから受信した「番号」に対応する「問い合わせ内容」を表示する、問合せ内容表示画面(図34)を、オペレータの伝送端末10adに出力する(ステップS204)。また、端末動作判定部64は、図32に示される端末動作管理テーブルを参照し、利用者の伝送端末10aaから受信した「番号」(すなわち、「問合せ内容」)に対応する動作モードを判定する(ステップS205)。そして、端末動作指示部65は、端末動作判定部64の判定した動作モードに応じて、オペレータの伝送端末10adに対して、動作指示(動作モード)を送信する(ステップS206)。
なお、上述したステップS204は、ステップS205、S206と、並列して実行されても良いし、ステップS205、S206の後に実行されても良い。
図37は、本実施形態におけるオペレータの伝送端末10adが、動作指示に応じてデータを送信する処理を示す。
まず、画像表示制御部14bは、伝送管理システム50の問合せ内容表示画面出力部63の出力に応じて、問合せ内容表示画面(図34)を、ディスプレイ120に表示する(ステップS301)。ここで、伝送端末10aa、10adの間でセッションが確立されていない場合、オペレータによる「開始」ボタンの押下に応じて、セッションが確立されても良い。
次いで、動作切替部22は、伝送管理システム50の端末動作指示部65から、端末動作指示を受信する(ステップS302)。そして、動作切替部22は、動作指示(動作モード)の内容を判定する(ステップS303)。ここで、動作モードが「1」の場合、送受信部11は、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声を、中継装置30に送信する(ステップS304)。
一方、動作モードが「2」の場合、外部情報送受信部18は、外部入力装置40から、画面共有に係る表示データを取得する(ステップS305)。そして、送受信部11は、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声とを、外部入力装置40から取得した表示データとともに、中継装置30に送信する(ステップS306)。
図38は、伝送システム1全体の動作を示すシーケンス図である。ここでは、利用者が、図33に示される問合せ内容のうち、「会議スケジュールについて」を選択した場合の動作を用いて説明する。なお、本実施例では、問合せ内容の選択が行われた後に、オペレータへの発信処理がなされるものとして説明する。また、オペレータは、外部入力装置40を接続した状態で、伝送端末10adを操作しており、外部入力装置40を用いて、問合せ内容に対する回答を提示する。
まず、利用者の伝送端末10aaの画像表示制御部14bは、宛先リスト(図30参照)をディスプレイ120に表示する(ステップS401)。次いで、操作入力受付部12は、利用者からの、宛先選択入力を受け付ける(ステップS402)。次いで、送受信部11は、一の宛先が選択された旨を、伝送管理システム50に通知する(ステップS403)。
ステップS403で受け取った通知に応じて、伝送管理システム50の選択画面出力部61は、図32に示される端末動作管理テーブルを読み込む(ステップS404)。次いで、選択画面出力部61は、図32に示される端末動作管理テーブルを読み込み、問い合わせの内容の一覧を含む、問い合わせの内容の選択画面(図33)を、利用者の伝送端末10aaに出力する(ステップS405)。
ここで、利用者の伝送端末10aaの画像表示制御部14bは、伝送管理システム50から出力された、問合せ内容の選択画面(図33)を、ディスプレイ120に表示する(ステップS406)。次いで、操作入力受付部12は、表示された問合せ内容の選択画面において、利用者による、問合せ内容の選択入力を受け付ける(ステップS407)。本実施例では、操作入力受付部12が、図33に示される問合せ内容のうち、「会議スケジュールについて」の選択を受け付けたものとする。そして、問合せ内容送信部21は、選択された問合せ内容に対応する番号「1」を、伝送管理システム50に送信する(ステップS408)。このとき、利用者の伝送端末10aaから、オペレータの伝送端末10adに対する発信処理が、共に実行される。
この時点で、オペレータは、利用者が、「会議スケジュールについて」の問合せを行ったことを把握することができる。そこで、オペレータは、回答に備えて、外部入力装置40を操作し、例えば当日の会議スケジュールの画面を表示させることができる。
伝送管理システム50の問合せ内容表示画面出力部63は、番号「1」によって特定される問合せ内容と、発信元端末である伝送端末10aaの端末IDとを含む、問合せ内容表示画面(図34)を、伝送端末10adに出力する(ステップS409)。オペレータの伝送端末10adの画像表示制御部14bは、問合せ内容表示画面(図34)を、ディスプレイ120に表示する(ステップS410)。ここで、オペレータが、「開始」ボタンの押下することにより、伝送端末10aa、10ad間のセッションの接続処理が実行される(ステップS411)。なお、セッションの接続処理は、図18を用いて説明したシーケンスに従って実行される。
次に、伝送管理システム50の端末動作判定部64は、図32に示される端末動作管理テーブルを参照し、利用者の伝送端末10aaから受信した番号「1」に対応する動作モードを「2」と判定する(ステップS412)。そして、端末動作指示部65は、オペレータの伝送端末10adに対して、動作モード「2」で動作するよう、動作指示を送信する(ステップS413)。
次に、伝送端末10adの動作切替部22は、動作指示(動作モード「2」)を受け取ったことに応じて、外部入力装置40から、表示データを取得する(ステップS414)。ここで取得される表示データは、オペレータが予め表示させていた、「会議スケジュール」の画面データである。そして、送受信部11は、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声とを、外部入力装置40から取得した表示データとともに、中継装置30に送信する(ステップS415)。
その後、中継装置30は、オペレータの伝送端末10adから送信された、画像・音声データ及び表示データを、伝送端末10aaに送信する(ステップS416)。利用者の伝送端末10aaの画像表示制御部14b及び音声出力部15bは、これらのデータを表示又は再生する(ステップS417)。
以上の動作により、利用者は、オペレータとのセッションの確立後、速やかに、オペレータにより共有された会議スケジュール画面を確認しながら、問合せを行うことができる。これにより、利用者は、速やかに、問合せの内容に対する回答を得ることができる。また、オペレータは、問合せ内容が「会議へのアクセス方法について」や、「近隣施設について」である場合には、地図画面を共有することができる。さらに、オペレータは、問合せ内容が、「施設利用について」である場合には、施設利用の説明画面を共有することができる。これらの動作によって、本実施形態における伝送システム1は、オペレータが、問合せに迅速かつ的確に回答することを可能にする。
<<変形例1>>
次に上述した伝送システム1の変形例を説明する。
図39は、伝送システム1の変形例の概要を表す。図29に示される伝送システム1では、オペレータの伝送端末10adは、接続された外部入力装置40の表示画面を表示データとして取得し、これを利用者の伝送端末10aaに送信する。本変形例では、オペレータの伝送端末10adは、外部入力装置40の表示画面を用いる代わりに、予め、伝送端末10ad又は所定の場所に格納されたファイルを、表示データとして用いる。そして、オペレータの伝送端末10adは、その表示データを、利用者の伝送端末10aaに送信する。
図39(A)の例では、利用者が「会議スケジュールについて」の問合せを選択したとき、オペレータの伝送端末10adは、予め伝送端末10adに格納された、会議スケジュールのファイルの内容を、表示データとして、利用者の伝送端末10aaに送信する。利用者は、その内容を確認することにより、問合せに対する回答を得ることができる。また、図39(B)に示すように、ファイルは、外部のサーバに格納されていても良い。
(機能構成)
図40は、変形例における伝送管理システム50、伝送端末10及び中継装置30の機能ブロック図である。以下、図31に示した機能ブロック図との主な差異を説明する。
まず、変形例における伝送管理システム50の端末動作管理テーブルの例を、図41に示す。図41に示される端末動作管理テーブルは、番号ごとに、「問合せ内容」と、「表示データ」とを、関連付けて管理する。「表示データ」は、例えば、データを識別するためのファイル名で表される。
本実施形態における伝送管理システム50の端末動作判定部64は、利用者の伝送端末10aaから送信された「番号」に対応する「表示データ」が指定されているかどうか判定する。
本実施形態における伝送管理システム50の端末動作指示部65は、利用者の伝送端末10aaから送信された「番号」に対応する「表示データ」が指定されている場合に、その「表示データ」の内容を送信するよう、オペレータの伝送端末10adに指示する。一方、端末動作指示部65は、利用者の伝送端末10aaから送信された「番号」に対応する「表示データ」が指定されていない場合には、利用者とオペレータによる一対一の映像通話を行うよう、オペレータの伝送端末10adに指示する。
また、図31で示した機能ブロック図と比べて、伝送端末10は、さらに、ファイル送信部23を有する。
本実施形態における伝送端末10の動作切替部22は、利用者とオペレータによる一対一の映像通話を行うよう指示を受けると、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声を、中継装置30に送信するよう、動作を切り替える。
一方、動作切替部22は、「表示データ」の内容を送信するよう指示を受け取ると、その「表示データ」の内容を、中継装置30に送信するよう、動作を切り替える。このとき、動作切替部22は、オペレータの映像及び音声と、表示データとを、中継装置30に送信するよう、動作を切り替えても良い。
ファイル送信部23は、記憶部1000又は通信ネットワーク2を介して接続された外部のサーバから、指定されたファイル名の「表示データ」を取得し、その内容を、送受信部11を介して、中継装置30に送信する。
<<処理・動作>>
図42は、本実施形態におけるオペレータの伝送端末10adが、動作指示に応じてデータを送信する処理を示す。
まず、伝送管理システム50からの指示に応じて、問合せ内容表示画面を表示して、端末動作指示を受信するステップS501−S502は、図37のステップS301−S302と同様である。
次いで、動作切替部22は、動作指示において、「表示データ」で特定されるファイルの内容を送信する必要があるか判定する(ステップS503)。そして、「表示データ」の内容を送信する必要がある場合(ステップS503のYes)、ファイル送信部23は、「表示データ」として特定されたファイル名のファイルを取得する(ステップS504)。そして、送受信部11は、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声とを、表示データとともに、中継装置30に送信する(ステップS505)。
一方、「表示データ」の内容を送信する必要がない場合(ステップS503のNo)、送受信部11は、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声を、中継装置30に送信する(ステップS506)。
図43は、本実施例における伝送システム1全体の動作を示すシーケンス図である。以下では、図38と異なる点について主に説明する。ここでは、図38の例と同様に、利用者が、図33に示される問合せ内容のうち、「会議スケジュールについて」を選択した場合の動作を用いて説明する。
まず、利用者の伝送端末10aaが、問合せ内容を選択し、オペレータの伝送端末10adが、その問合せ内容を表示した後に、セッションを確立する、ステップS601−S611は、図38のステップS401−S411と同様である。
次に、伝送管理システム50の端末動作判定部64は、図41に示される端末動作管理テーブルを参照し、利用者の伝送端末10aaから受信した番号「1」に対応する表示データが「schedule.pdf」であると判定する(ステップS612)。そして、端末動作指示部65は、オペレータの伝送端末10adに対して、表示データ「schedule.pdf」を送信するよう、動作指示を送信する(ステップS613)。
次に、伝送端末10adのファイル送信部23は、動作指示(表示データ「schedule.pdf」)を受け取ったことに応じて、当該ファイルを取得する(ステップS614)。ここでは、「schedule.pdf」というファイルが、伝送端末10adの記憶部1000に、予め記憶されていたものとする。そして、送受信部11は、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声とを、取得した表示データの内容とともに、中継装置30に送信する(ステップS615)。
その後、中継装置30は、オペレータの伝送端末10adから送信された、画像・音声データ及び表示データを、伝送端末10aaに送信する(ステップS616)。利用者の伝送端末10aaの画像表示制御部14b及び音声出力部15bは、これらのデータを表示又は再生する(ステップS617)。
以上の動作により、利用者は、オペレータとのセッションの確立後、速やかに、表示されたファイルの内容を確認することができる。また、オペレータは、セッションの間、特段の操作を行うことなく、問合せ内容に応じたファイルの内容を、利用者に提示することができる。
<<変形例2>>
また、さらなる変形例として、問合せ内容に応じて、画面共有の有無を動作モードで切り替える方法(図32のテーブルの例)と、図41を用いて説明した、予め用意されたファイルを指定する方法(図41のテーブルの例)とを、組み合わせて使用しても良い。このような場合には、図44に示されるような、動作管理テーブルを用いることができる。ここでは、図32の動作管理テーブルの例で用いた動作モードを、以下のように拡張する。
動作モード1:利用者とオペレータによる一対一の映像通話を行う
動作モード2:外部情報送受信部18より入力された表示データを表示データとして送信する
動作モード3:指定されたファイルの内容を表示データとして送信する
すなわち、伝送管理システム50の端末動作指示部65は、問合せ内容に対応する動作モード1乃至3の何れか一つに応じて動作するよう、オペレータの伝送端末10adに指示する。なお、端末動作指示部65は、動作モード3による指示を行う場合には、図44に示されるように、表示データのファイル名と、その格納先とを表す情報を、伝送端末10adに送信する。
図45は、伝送管理システム50の端末動作指示部65が、図44に示される動作管理テーブルに基づいて動作指示を送信した場合の、オペレータの伝送端末10adの処理の流れを表す。
まず、伝送管理システム50からの指示に応じて、問合せ内容表示画面を表示して、端末動作指示を受信するステップS701−S702は、図37のステップS301−S302と同様である。
次に、動作切替部22は、動作指示(動作モード)の内容を判定する(ステップS703)。ここで、動作モードが「1」の場合、送受信部11は、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声を、中継装置30に送信する(ステップS704)。
一方、動作モードが「2」の場合、外部情報送受信部18は、外部入力装置40から、画面共有に係る表示データを取得する(ステップS705)。そして、送受信部11は、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声とを、外部入力装置40から取得した表示データとともに、中継装置30に送信する(ステップS706)。
また、動作モードが「3」の場合、ファイル送信部23は、「表示データ」として特定されたファイル名のファイルを取得する(ステップS707)。そして、送受信部11は、撮像部14aの撮像した映像と、音声入力部15aより入力された音声とを、表示データとともに、中継装置30に送信する(ステップS708)。
以上の手順により、オペレータの伝送端末10adから送信された画像・音声データ及び表示データが、利用者の伝送端末10aaに表示される。これによって、利用者が、問合せ内容に応じた回答を迅速に受け取れるだけでなく、オペレータが、少ない労力で、利用者に対応することが可能となる。
<<実施形態の補足>>
なお、表示データを取得する処理はミラードライバを用いるものでもよい。ミラードライバは、生成された表示データを、プログラムを経由させずに、直接USBドライバに送信することができるものである。この場合、ミラードライバが表示データを生成し、USBドライバが、生成された表示データを外部装置I/F118を経由して伝送端末10へ送信する。この場合、プログラムが表示データを取得する必要がないので、プログラムを実行させるためのリソースを軽減することが可能となる。
外部入力装置と伝送端末との接続は、インターネットや専用線を介してもよい。外部入力装置からは、伝送端末のIPアドレスを指定して接続を確立してから、生成された表示データを伝送端末へ送信する。USB接続の場合と比較すると、IPアドレスを指定するという操作が増える代わりに、伝送端末の画外部機器接続I/Fをなくすことができるため、コスト削減できる。
また、上記の実施例では、プログラムが、ディスプレイドライバによって生成された画像データを取得し、伝送端末10へ送信する例を記載したが、プログラムはGDIによって生成された描画コマンドを取得し、伝送端末10aaに送信してもよい。伝送端末の外部情報送受信部では、受信したGDIの描画コマンドにしたがって描画データを生成し、外部入力装置用の表示データ取得部に記憶する。描画コマンドは画像データよりも容量が小さいので、ネットワーク負荷を軽減することが可能となる。
また、表示データ取得部451は、仮想ディスプレイ上の複数の画面のうち、所定の画面に表示させている表示データのみを取得し、表示データ送信部452が送信するようにしてもよい。これにより、所定の画面以外の画面に表示させている画像データは会議相手と共有しないので、機密性の高い資料は見せないようにする等、セキュリティーを高めることが可能となる。
図39(A)の変形例において、オペレータの伝送端末10adは、外部入力装置40の表示画面を用いる代わりに、予め、伝送端末10ad又は所定の場所に格納されたファイルを、表示データとして用いているが、汎用のPCにプログラムとしてインストールさせてもよい。この場合、オペレータは、PCを操作する知識があることを前提にすれば、外部入力装置がなくても表示データを扱うことができるようになる。
また、上記各実施形態における伝送管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。また、プログラム提供システム90が単一のコンピュータによって構築されている場合には、プログラム提供システム90によって送信されるプログラムは、複数のモジュールに分けて送信されるようにしてもよいし、分けないで送信されるようにしてもよい。更に、プログラム提供システム90が複数のコンピュータによって構築されている場合には、複数のモジュールが分けられた状態で、各コンピュータから送信されるようにしてもよい。
また、上記本実施形態の伝送端末用プログラム、中継装置用プログラム、及び伝送管理用プログラムが記憶された記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたHD204、及びこのHD204を備えたプログラム提供システム90は、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ、上記伝送端末用プログラム、中継装置用プログラム、及び伝送管理用プログラムが利用者等に提供される場合に用いられる。
更に、上記実施形態では、図7に示されている変更品質管理テーブル、及び図15に示されている品質管理テーブルによって、中継装置30で中継される画像データの画像の品質の一例として、画像データの画像の解像度に着目して管理したが、これに限られるものではなく、品質の他の例として、画像データの画質の深度、音声データの音声におけるサンプリング周波数、音声データの音声におけるビット長などに着目して管理してもよい。
また、図8、図10、及び図12では、受信日時について管理しているが、これに限るものではなく、受信日時のうち少なくとも受信時間を管理すればよい。
更に、上記実施形態では、図8で中継装置のIPアドレス、図10で伝送端末のIPアドレスを管理することとしたが、これに限るものではなく、通信ネットワーク2上で中継装置30を特定するための中継装置特定情報、又は通信ネットワーク2上で伝送端末10を特定するための端末特定情報であれば、それぞれのFQDN(Fully Qualified Domain Name)を管理してもよい。この場合、周知のDNS(Domain Name System)サーバによって、FQDNに対応するIPアドレスが取得されることになる。なお、「通信ネットワーク2で中継装置30を特定するための中継装置特定情報」だけでなく、「通信ネットワーク2上における中継装置30への接続先を示した中継装置接続先情報」、又は「通信ネットワーク2上における中継装置30への宛先を示した中継装置宛先情報」と表現してもよい。同じく、「通信ネットワーク2で伝送端末10を特定するための端末特定情報」だけでなく、「通信ネットワーク2上における伝送端末10への接続先を示した端末接続先情報」、又は「通信ネットワーク2上における伝送端末10への宛先を示した端末宛先情報」と表現してもよい。
また、上記実施形態では、伝送システム1の一例として、テレビ会議システムの場合について説明したが、これに限るものではなく、IP(Internet Protocol)電話や、インターネット電話等の電話システムであってもよい。また、伝送システム1は、カーナビゲーションシステムであってもよい。この場合、例えば、伝送端末30の一方が自動車に搭載されたカーナビゲーション装置に相当し、伝送端末30の他方が、カーナビゲーションを管理する管理センターの管理端末若しくは管理サーバ、又は他の自動車に搭載されているカーナビゲーション装置に相当する。
更に、表示データを取得する処理では、画面全体ではなく、次に説明するように画面の中の領域(ウィンドウ)に表示されている部分だけを取得しても良い。図26に外部入力装置40aaが表示させている画面の例を示す。この例では画面に領域(ウィンドウ)(a)、領域(b)が表示されている。このうち、伝送端末10dbと共有したい領域を図27中の(c)で示すポインタをマウス212で操作することによって指し示す。このとき指し示された領域(a)にかかる表示データが表示データ取得部451によって取得される。
更に、伝送端末10の記憶部1000に記憶している外部入力装置で用いられるための表示データ取得部451、表示データ送信部452を予め外部入力装置が備えていてもよい。これによって、表示データ取得部451、表示データ送信部452を送受信する処理を省略することができ、伝送端末10および外部入力装置40の負荷を削減することができる。
更に、外部入力装置40は表示装置400にデータを表示させる場合について説明したが、この表示装置400は外部入力装置40と別の装置でもよいし、外部入力装置40に備えられているものでもよい。
また、上述のステップS71における処理では、インストール判定部43は、表示データ取得部451及び表示データ送信部452が既にインストールされているか否かを判定するとしてもよい。この場合、ステップS71で、表示データ送信部452がインストールされていないと判定された場合は、プログラム取得部44が、伝送端末10aaに記憶されている表示データ取得部451及び表示データ送信部452を取得し、インストールする(ステップS73)。
また、外部入力装置40aaは表示データ取得部451を予め備えることによって、インストール判定部43による処理を設けない形態としてもよい。表示データ取得部451が取得した表示データをマウントした伝送端末10aaの記憶部1000に書き込むことにより表示データ送信部452を設けない形態としてもよい。